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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176181
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】空気除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088336
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】後藤 彰大
(72)【発明者】
【氏名】春日 和彦
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH19
4C180KK10
(57)【要約】
【課題】 除菌室に紫外線が照射されていることを確実に判別することが可能な空気除菌装置を提供する。
【解決手段】 空気が吸い込まれる吸気口23、吸気口23から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室25、及び除菌室25で除菌された空気が排出される排気口24が設けられた筐体部材20と、除菌室25の中に紫外線を照射する光源50と、紫外線が除菌室25の中に照射されていることを検出可能な紫外線検出部120とを備え、光源50及び紫外線検出部120は第1の基板41の一方の面部P1に配設されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が吸い込まれる吸気口、前記吸気口から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室、及び前記除菌室で除菌された空気が排出される排気口が設けられた筐体部材と、
前記除菌室の中に紫外線を照射する光源と、
前記紫外線が前記除菌室の中に照射されていることを検出可能な紫外線検出部とを備えることを特徴とする空気除菌装置。
【請求項2】
前記光源及び前記紫外線検出部は、基板の一方の面部に配設されていることを特徴とする請求項1記載の空気除菌装置。
【請求項3】
前記除菌室の中に前記紫外線を反射可能な反射部材を設け、
前記反射部材は、第1の方向に延在する基部と、前記基部の一端側から前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた折曲部とを有し、
前記折曲部に前記基板が載置されていることを特徴とする請求項2記載の空気除菌装置。
【請求項4】
前記除菌室の中に前記紫外線を反射可能な反射部材を設け、
前記反射部材は、第1の方向に延在する基部と、前記基部の両端側から前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた一対の折曲部とを有し、
前記一対の折曲部のうち一方に前記基板が載置されていることを特徴とする請求項2記載の空気除菌装置。
【請求項5】
前記反射部材は、前記紫外線の照射時に前記光源から発せられる熱を放熱する機能を有していることを特徴とする請求項3または請求項4記載の空気除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の空気除菌装置にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の空気除菌装置は、空気が吸い込まれる吸気口、吸気口から吸い込まれた空気を除菌するためのダクト(除菌室)、及びダクトで除菌された空気が排出される排気口が設けられた金属筐体と、紫外線を照射する紫外線ランプとを備える。この場合、紫外線ランプはダクトの内部中心に立った状態で配置され、ダクトの内部に複数の導風板、及び複数の仕切板を設けて、空気を紫外線ランプの周りで移動させて、空気の除菌を行っているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-62320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に記載の空気除菌装置では、紫外線ランプの点灯により紫外線ランプから照射される紫外線は人間の目には見えないため、ダクト(除菌室)内に紫外線が照射されている(つまり空気の除菌が行われている)ことを判別することができないという問題点があり、この点で更なる改良の余地が残されていた。
本発明は、前述の課題に対して対処するため、除菌室に紫外線が照射されていることを確実に判別することが可能な空気除菌装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、空気が吸い込まれる吸気口、前記吸気口から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室、及び前記除菌室で除菌された空気が排出される排気口が設けられた筐体部材と、前記除菌室の中に紫外線を照射する光源と、前記紫外線が前記除菌室の中に照射されていることを検出可能な紫外線検出部とを備えることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、前記光源及び前記紫外線検出部は、基板の一方の面部に配設されていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記除菌室の中に前記紫外線を反射可能な反射部材を設け、前記反射部材は、第1の方向に延在する基部と、前記基部の一端側から前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた折曲部とを有し、前記折曲部に前記基板が載置されていることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記除菌室の中に前記紫外線を反射可能な反射部材を設け、前記反射部材は、第1の方向に延在する基部と、前記基部の両端側から前記第1の方向とは異なる第2の方向に折り曲げられた一対の折曲部とを有し、前記一対の折曲部のうち一方に前記基板が載置されていることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記反射部材は、前記紫外線の照射時に前記光源から発せられる熱を放熱する機能を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所期の目的を達成でき、除菌室に紫外線が照射されていることを確実に判別することが可能な空気除菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による空気除菌装置の正面図。
図2】同実施形態による空気除菌装置の分解斜視図。
図3図1のA-A断面図。
図4】同実施形態による光源と光源基板と反射部材とを示す断面図。
図5】同実施形態による制御基板と第1のカバーと筐体部材とを示す断面図。
図6】同実施形態によるパネル体と可視光源と筐体部材とを示す断面図。
図7】同実施形態の変形例による光源と光源基板と反射部材とを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
空気除菌装置Sは、図1図2に示すように、外装カバー10と、筐体部材20と、ファン30と、光源基板40と、光源50と、第1紫外線漏れ抑制部60と、第2紫外線漏れ抑制部70と、空気誘導部80と、制御基板90と、パネル体100と、可視光源110と、紫外線検出部120とを備える。
【0014】
外装カバー10は、筐体部材20を覆うように筐体部材20の外側に設けられ、略直方体形状に形成されている。具体的には、外装カバー10は、図1の上下方向に沿う高さが幅よりも長く、且つ、奥行きが幅よりも短い直方体形状に形成されている。図1及び図2に、高さ方向をDh、幅方向をDw、奥行き方向をDdで示した。以下で用いる「高さ方向」、「幅方向」、「奥行き方向」という用語は、図1及び図2に示す各方向に対応するものとする。また、空気除菌装置Sを構成する各部の位置を説明する際に用いる「上」、「下」という用語は、図1における上下に対応する。つまり、前述の高さ方向は、空気除菌装置Sの上下方向に相当する。
【0015】
外装カバー10は、奥行き方向において対をなす表側外装カバー11及び裏側外装カバー12を備える。表側外装カバー11は、筐体部材20に備えられる後述する第1の筐体に対応して設けられ、筐体部材20の後述する第1板部を覆う本体部11aと、幅方向において相対するように設けられ、筐体部材20の後述する第1側板、第2側板を覆う被覆部11b、11cとを有する。表側外装カバー11の下部には筐体部材20に備えられる後述する吸気口に対応してカバー側吸気口11dが設けられ、表側外装カバー11の上部には筐体部材20に備えられる後述する排気口に対応してカバー側排気口11eが設けられる(図3参照)。裏側外装カバー12は、略平板状に形成され、筐体部材20に備えられる後述する第2の筐体に対応して設けられる。
【0016】
カバー側吸気口11dには、指等がファン30に挿入されることを防止するための網目状のガード部材F1と、粉塵の侵入を防止するためのフィルターF2とが設けられている。フィルターF2はガード部材F1とファン30との間に設けられる。カバー側排気口11eには、排出される空気を整流するためのルーバーF3が設けられている。なお、図3に示す断面図においては、ガード部材F1、フィルターF2及びルーバーF3の図示は省略してある。
【0017】
以下では、空気除菌装置Sにおける表側外装カバー11の側を表側と言い、その反対であって、空気除菌装置Sにおける裏側外装カバー12の側を裏側と言う。前述の奥行き方向は、空気除菌装置Sの表裏方向に相当する。つまり、ここでの表側外装カバー11は、裏側外装カバー12を表側から覆う。
【0018】
筐体部材20は、外装カバー10と同様に略直方体形状に形成されている。具体的には、筐体部材20は、図2の上下方向に沿う高さが幅よりも長く、且つ、奥行きが幅よりも短い直方体形状に形成されている。
【0019】
筐体部材20は、図2に示すように第1の筐体21と第2の筐体22との組み合わせにより構成される。第1の筐体21は表側外装カバー11の裏側に位置し、第1の筐体21と対をなすように設けられ第2の筐体22は裏側外装カバー12の表側に位置する。
【0020】
第1の筐体21は、第2の筐体22を表側から覆うように構成され、図2に示すように、矩形状の第1板部21aと、第1板部21aの外縁から裏側に向かう部分として、第1側板21b、第2側板21c及び天板21dと、を有する。第1側板21b及び第2側板21cは、第1板部21aから連なるように設けられ、幅方向において互いに対向している。また、第1側板21b及び第2側板21cは、第2の筐体22に第1の筐体21が取り付けられた状態では、第2の筐体22の後述する第1側板及び第2側板を覆う。天板21dは、第2の筐体22に第1の筐体21が取り付けられた状態では、第2の筐体22の後述する上板を覆う。
【0021】
第2の筐体22は、その表側が開口した箱状をなす。第2の筐体22は、奥行き方向において第1板部21aと対向するように設けられる矩形状の第2板部22aと、第2板部22aの外縁から表側に向かう部分として、第1側板22b、第2側板22c、上板22d及び下板22eと、を備える。第1側板22b及び第2側板22cは幅方向において互いに対向し、第1側板22bは第1側板21bと対をなすように設けられ、第2側板22cは第2側板21cと対をなすように設けられる。上板22d及び下板22eは上下方向において互いに対向する。
【0022】
図3に示すように、筐体部材20には、吸気口23、排気口24、除菌室25、第1収容室26、第2収容室27及び反射部材28が設けられる。具体的に、吸気口23及び排気口24は、第1板部21aに形成されている。また、除菌室25、第1収容室26及び第2収容室27は、第1板部21aと第2板部22aとの間に形成され、反射部材28は、除菌室25内(除菌室25の中)に設けられる。
【0023】
吸気口23は、ファン30の動作によって外気(筐体部材20の外部の空気)が吸い込まれる部分である。吸気口23は、カバー側吸気口11dに対応するように筐体部材20の下部に設けられ、本実施形態では2つ設けられるファン30に対応して2つ設けられている。具体的に、吸気口23は、第1板部21aに形成された円状の孔である。
【0024】
排気口24は、吸気口23から吸い込まれ、除菌室25で除菌された空気が排出される部分である。排気口24は、カバー側排気口11eに対応するように筐体部材20の上部に設けられている。具体的に、排気口24は、第1板部21aに形成された矩形状の孔である。
【0025】
除菌室25は、図3に示すように筐体部材20の内部に設けられ、吸気口23から吸い込まれた空気が通過し、通過する空気を除菌するため部分である。除菌室25の中に光源50が実装された光源基板40が設けられる。光源50は、除菌室25の中に紫外線を照射する。除菌室25の中に紫外線が照射されることにより除菌室25を通過する空気が除菌される。
【0026】
除菌室25は、反射部材28によって囲まれる部位である。この場合、反射部材28は、分割形成された第1の反射部28a及び第2の反射部28bによって構成される。より具体的に言うと、ここでの除菌室25は、筐体部材20の内部であって、組み合わされて四角筒状になる第1の反射部28a及び第2の反射部28bによって囲まれた部分である。
【0027】
第1収容室26は、図3に示すように筐体部材20の内部に設けられ、ファン30、第1紫外線漏れ抑制部60及び空気誘導部80を収容する。第1収容室26は、吸気口23から除菌室25に向かう空気の流路において、吸気口23と除菌室25の間に設けられる。
【0028】
第2収容室27は、図3に示すように筐体部材20の内部に設けられ、第2紫外線漏れ抑制部70を収容する。第2収容室27は、除菌室25から排気口24に向かう空気の流路において、除菌室25と排気口24の間に設けられる。
【0029】
反射部材28は、上述したように第1の反射部28aと、第2の反射部28bとを備え、除菌室25の中に照射される紫外線を反射可能な部位として構成される。例えば第1の反射部28a及び第2の反射部28bは、それぞれ、アルミニウム等の金属材料から形成され、除菌室25(後述する空間部側)に向く面には鏡面加工が施されている。
【0030】
第1の反射部28aは、第2の筐体22に取り付けられた略コの字状の金属板であり、吸気口23から吸い込まれた空気が通過可能な空間部Fを有する(図4参照)。また、第1の反射部28aは、幅方向(第1の方向)に延在する矩形平板状の基部H1と、基部H1の幅方向における両端側から表側(第1の方向とは異なる第2の方向)に向かって突出した(折り曲げられた)一対の折曲部H2、H3とを有する。この場合、一対の折曲部H2、H3と基部H1との間の角度はともに略直角となっており、一対の折曲部H2、H3に光源基板40(後述する第1、第2の基板)が各々載置されている。なお、この場合、折曲部H2は、折曲部H3と向かい合うように設けられている。
【0031】
第2の反射部28bは、第1の反射部28aの開放部分を覆うような略矩形平板状に形成され、第1の筐体21に取り付けられる。第1の反射部28aのを覆うように設けられる第2の反射部28bは、その外形形状が概ね基部H1の外形形状と略一致している。このように除菌室25の中に紫外線を反射可能な反射部材28を設けることにより、除菌室25の中で紫外線を高い効率で反射させ、除菌室25を通過する空気を良好に除菌することができる。
【0032】
ファン30は、空気を吸気口23から吸い込んで、除菌室25を経て排気口24から排出するための構成である。ファン30は、吸気口23の裏側に設けられる。ファン30は、例えば遠心ファンを適用することができ、羽根車と、羽根車を筐体部材20の奥行き方向に沿う軸周りに回転させるモータとを備える。
【0033】
図3に示すように、ファン30は、吸気口23から吸い込んだ空気を、羽根車が回転する遠心力によって側面から放射状に吐き出す。つまり、遠心ファンとして構成されるファン30は、筐体部材20の奥行き方向に沿って吸い込んだ空気を、上下方向に沿って吐き出す。これにより、ファン30から送り出された空気は、第1収容室26、除菌室25、第2収容室27の順に通過し、排気口24を経てカバー側排気口11eから空気除菌装置Sの外部に排出される。なお、図3では、見易さを考慮してファン30の断面を示すハッチングを省略し、ファン30を破線で表した。
【0034】
ファン30は、図2に示すように、2つの吸気口23に対応して2つ設けられる。各吸気口23には、空気を効率よく取り込むためのインレットノズル(図示省略)が取り付けられる。2つのファン30は、筐体部材20の幅方向に並設されている。2つのファン30の作用は同様であり、それぞれに対応する空気誘導部80の形状も同様である。従って、後述の空気誘導部80の説明では、一方のファン30に対応する構成についてのみ説明する。
【0035】
光源基板40は、導電性材料(例えばアルミニウム等の金属材料)によって形成されたアルミ基板を適用することができ、紫外線によって劣化しにくい材料で形成されていればよい。また、ここでの光源基板40は、幅方向において互いに対向する第1の基板41及び第2の基板42から構成される。
【0036】
光源50は、図2に示すように紫外線を放射(照射)する紫外線LED(Light Emitting Diode)を適用することができ、この実施形態では計6個設けられている。具体的には、6個の光源50のうち、3つの光源50は除菌室25側(空間部F側)を向く第1の基板41の一方の面部P1に実装(配設)され、残りの3つの光源50は除菌室25側(空間部F側)を向く第2の基板42の一方の面部P2に実装(配設)される。なお、第1の基板41は、後述する特許請求の範囲に記載された基板に相当する。
【0037】
なお、第1の基板41及び第2の基板42は、一対の折曲部H2、H3の除菌室25(空間部F)に向く面に、サーマルシート(図示省略)を介してそれぞれ載置される。これにより、光源50が作動している際に光源50から発せられる熱をサーマルシートを介して第1反射板25aに放熱することができる。つまり、第1の反射部28a(反射部材28)は、紫外線の照射時に光源50から発せられる熱を放熱するヒートシンクとしての機能を有している(兼ねている)。
【0038】
第1紫外線漏れ抑制部60は、図3に示すように、第1収容室26の中であってファン30と除菌室25との間に設けられ、除菌室25の中に照射された紫外線が吸気口23から漏れ出ることを抑制する。
【0039】
第1紫外線漏れ抑制部60は、金属により形成された複数の壁61を備える。複数の壁61の各々は、筐体部材20の幅方向に延び、且つ、筐体部材20の高さ方向に間隔を空けて配列されている。例えば、複数の壁61の各々は、筐体部材20の奥行き方向と平行に配置されている。この実施形態では、複数の壁61は、4つの壁から構成される。
【0040】
複数の壁61のうち隣り合う2つの壁の一方は、第2板部22aから第1板部21aに向かって設けられ、その先端が第1板部21aと間隔を空けて位置する。この一方の壁には、第2板部22aに固定される部分と、第1側板22b及び第2側板22cの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この一方の壁は、その先端と第1板部21aとの間に生じる隙間以外の部分が筐体部材20の内周部(詳細には、第1収容室26の内周部)に固定される。
【0041】
複数の壁61のうち隣り合う2つの壁の他方は、第1板部21aから第2板部22aに向かって設けられ、その先端が第2板部22aと間隔を空けて位置する。この他方の壁には、第1板部21aに固定される部分と、第1側板21b及び第2側板21cの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この他方の壁は、その先端と第2板部22aとの間に生じる隙間以外の部分が筐体部材20の内周部(詳細には、第1収容室26の内周部)に固定される。ファン30から送り出される空気は、複数の壁61の各々と、第1板部21aまたは第2板部22aとの間を通ってから除菌室25に至る。
【0042】
第1紫外線漏れ抑制部60は、上記のように第1板部21a側と第2板部22a側に交互に隙間が生じるように配置された複数の壁61によって、除菌室25の中に照射された紫外線が吸気口23から漏れ出ることを抑制しつつも、ファン30から除菌室25へ流れる空気の流路を形成する。
【0043】
複数の壁61のうち、最もファン30の近くに位置する壁61aは、図3に示すように、第2板部22aから第1板部21aに向かって設けられ、その先端が第1板部21aと間隔を空けて位置する。そして、壁61aの先端と第1板部21aの間には、ファン30から第1紫外線漏れ抑制部60へ送り出された空気が流入する流入口62が形成される。
【0044】
第2紫外線漏れ抑制部70は、図3に示すように、第2収容室27の中であって除菌室25と排気口24との間に設けられ、除菌室25の中に照射された紫外線が排気口24から漏れ出ることを抑制する。
【0045】
第2紫外線漏れ抑制部70は、金属により形成された複数の壁71を備える。複数の壁71の各々は、筐体部材20の幅方向に延び、且つ、筐体部材20の高さ方向に間隔を空けて配列されている。例えば、複数の壁71の各々は、筐体部材20の奥行き方向と平行に配置されている。この実施形態では、複数の壁71は、4つの壁から構成される。
【0046】
複数の壁71のうち隣り合う2つの壁の一方は、第2板部22aから第1板部21aに向かって設けられ、その先端が第1板部21aと間隔を空けて位置する。この一方の壁には、第2板部22aに固定される部分と、第1側板22b及び第2側板22cの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この一方の壁は、その先端と第1板部21aとの間に生じる隙間以外の部分が筐体部材20の内周部(詳細には、第2収容室27の内周部)に固定される。
【0047】
複数の壁71のうち隣り合う2つの壁の他方は、第1板部21aから第2板部22aに向かって設けられ、その先端が第2板部22aと間隔を空けて位置する。この他方の壁には、第1板部21aに固定される部分と、第1側板21b及び第2側板21cの各々に固定される部分とが当該壁と一体に形成されて設けられている。これにより、この他方の壁は、その先端と第2板部22aとの間に生じる隙間以外の部分が筐体部材20の内周部(詳細には、第2収容室27の内周部)に固定される。除菌室25で除菌された空気は、複数の壁71の各々と、第1板部21aまたは第2板部22aとの間を通ってから排気口24に至る。つまり、ファン30によってカバー側吸気口11d、吸気口23から吸い込まれ、送り出された空気は、第1収容室26、除菌室25、第2収容室27の順に通過し、排気口24を経てカバー側排気口11eから空気除菌装置Sの外部に排出される。
【0048】
第2紫外線漏れ抑制部70は、上記のように第1板部21a側と第2板部22a側に交互に隙間が生じるように配置された複数の壁71によって、除菌室25の中に照射された紫外線が排気口24から漏れ出ることを抑制しつつも、除菌室25から排気口24へ流れる空気の流路を形成する。
【0049】
空気誘導部80は、第1紫外線漏れ抑制部60よりもファン30の近くに設けられ、ファン30から送り出される空気を第1紫外線漏れ抑制部60に誘導する機能を有する。空気誘導部80は、図2図3に示すように、ファン保持部81と、ガイドリブ82と、誘導面83とを備える。空気誘導部80は、例えば第2板部22aに固定される。
【0050】
ファン保持部81は、第2板部22aに沿った板状の部分であり、その表側にファン30が位置するようにファン30を保持する。
【0051】
ガイドリブ82は、図2に示すようにファン保持部81から表側に突出する略U字状の部位である。ガイドリブ82によって、ファン30が放射状に吐き出す空気を上方側に向かわせることができる。
【0052】
誘導面83は、図3に示すように第1紫外線漏れ抑制部60の壁61aと、ファン保持部81との間に位置する。誘導面83は、その一端が流入口62に向き、その他端が流入口62よりも第2板部22aの近くに位置する。この実施形態では、誘導面83の一端は流入口62の端に到っており、誘導面83の他端はファン保持部81の表側の面と繋がっている。誘導面83は、第2板部22aに対して傾くとともに前記他端から前記一端に向かって滑らかに曲がる凹曲面である。なお、誘導面83は凹曲面ではなく所定の傾斜角度を有する傾斜面としてもよい。
【0053】
制御基板90は、略長方形形状に形成され、その長辺側が上下方向に沿い、その短辺側が奥行き方向に沿うように設けられる。制御基板90は、図2図5に示すように外装カバー10と筐体部材20との間に形成された空所Gに配置されている。より具体的には、ここでの制御基板90は、表側外装カバー11(外装カバー10)の被覆部11cと第2の筐体22(筐体部材20)の第2側板22cとの間に位置する空所Gに配設され、詳細図示は省略するが第2側板22cの下部に適宜固定手段(例えばネジ)を用いて固定される。なお、第1の筐体21の第2側板21cには制御基板90の配設位置に対応するように欠落部Nが設けられている。欠落部Nは、第2側板21cの下端側を省いて得られる部位である。
【0054】
制御基板90には、ファン30、光源50、及び可視光源110を動作させるマイクロコンピュータからなる制御部91や、コンデンサ等の実装部品(図示せず)とが実装(配設)される。なお、上述したように欠落部Nを設けたことで、制御部91や実装部品は第2側板21cと干渉しないようになっている。
【0055】
制御部91は、被覆部11c側を向く基板面に実装され、空気除菌装置Sを使用する使用者が空気除菌装置Sに備えられる電源ボタン(図示省略)をオンしたことを示す操作信号を受信すると、当該操作信号に基づいて、ファン30を作動させるためのファン作動信号や光源50を作動させるための光源作動信号、可視光源110を作動させるための可視光源作動信号を出力する。なお、この場合、ファン30、光源50及び可視光源110は、配線コードによって制御基板90に導通接続される。
【0056】
パネル体100は、平板状の暗色のスモークパネルを適用することができ、天板21dと重なるように天板21dの上側に配置される。
【0057】
可視光源110は、任意の色を発するRGB光源を適用することができ、図6に示すように天板21dの中央部に形成された孔Mの下方に設けられる。可視光源110は、上板22dに載置された可視光源用基板130上に実装される。そして、制御部91は、前記操作信号を検出すると、孔Mに対応するパネル体100箇所である発光表示部101を青色で発光表示させるべく、可視光源110を点灯動作させる処理を実行する。
【0058】
紫外線検出部120は、光源50の点灯時において、紫外線が除菌室25の中に照射されていることを検出可能に構成されたフォトカプラ等を適用することができ、第1の基板41の一方の面部P1に実装(配設)される。
【0059】
つまり、この場合、一対の折曲部92、93のうち一方である折曲部92に第1の基板41が載置されるとともに、折曲部92とは反対側となる第1の基板41の一方の面部P1に光源50及び紫外線検出部120が実装(配設)される構成となっている。なお、空間部Fに紫外線が照射されていることを判別可能に構成された紫外線検出部120は、ファン30や光源50、可視光源110と同様に前記配線コードによって制御基板90と導通接続される。
【0060】
また、紫外線検出部120が除菌室25(空間部F)に照射されている紫外線を検出し、検出信号を制御部91に出力している状況下にあっては、可視光源110から青色光が発せられる(つまり発光表示部101が青色で発光表示される)ようにし、一方で、何らかの原因で(例えば光源50の故障により紫外線が照射されない状態となり)、前記検出信号が予め設定された所定時間を超えて検出されていない状況下にあっては、制御部91による制御のもと、可視光源110から赤色光が発せられるようにしてもよい。このように構成することで発光表示部101が青色ではなく赤色で発光表示されるため、空気の除菌が正常に行われていないことをユーザに通知することが可能となる。
【0061】
以上のように本実施形態では、空気が吸い込まれる吸気口23、吸気口23から吸い込まれた空気を除菌するための除菌室25、及び除菌室25で除菌された空気が排出される排気口24が設けられた筐体部材20と、除菌室25の中に紫外線を照射する光源50と、紫外線が除菌室25の中に照射されていることを検出可能な紫外線検出部120とを備えることにより、紫外線検出部120からの前記検出信号によって除菌室25における紫外線の有無を判断可能となる。従って、除菌室25に紫外線が照射されていることを紫外線検出部120を利用して確実に判別することが可能な空気除菌装置Sを提供することができる。
【0062】
また本実施形態では、光源50及び紫外線検出部120は、第1の基板41の一方の面部P1に実装(配設)されていることにより、紫外線検出部120を光源50が実装された第1の基板41の一方の面部P1に集約させて実装可能となり、紫外線検出部120を搭載するための専用のフォトカプラ用基板を別途設ける必要がなくなるため、空気除菌装置Sを構成する部品点数が削減され、コスト上昇を抑制することができるという利点がある。
【0063】
なお、本発明は、上述の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0064】
例えば上述した実施形態では、一対の折曲部92、93が第1の反射部28aに設けられ、第2の反射部28bには折曲部が設けられていなかったが、例えば本実施形態の変形例として図7に示すように一対の折曲部92、93のうち一方の折曲部(例えば上述した折曲部92)を第1の反射部28aに設け、他方の折曲部(例えば上述した折曲部93)を第2の反射部28bに設けるような構成としてもよい。
【0065】
すなわち、この変形例の場合、第1の反射部28aは、第1の方向(幅方向)に延在する基部H1と、基部H1の一端側から第1の方向とは異なる第2の方向(奥行き方向)に折り曲げられた前記一方の折曲部としての折曲部H2とを有し、第2の反射部28bは、基部H1と対向するように第1の方向(幅方向)に延在する他の基部H4と、折曲部H2と対向するように他の基部H4の一端側から折り曲げられた前記他方の折曲部としての他の折曲部H3とを有する。そして、光源50及び紫外線検出部120が実装(配設)された第1の基板41を前記一方の折曲部である折曲部H2に載置し、紫外線検出部120が実装されずに光源50のみが実装(配設)された第2の基板42を前記他方の折曲部である他の折曲部H3に載置すればよい。このとき、第1の反射部28a及び第2の反射部28bは、紫外線の照射時に光源50から発せられる熱を放熱するヒートシンクとしての機能を有する。
【0066】
なお、以上の説明では、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【符号の説明】
【0067】
10 外装カバー
11 表側外装カバー
12 裏側外装カバー
20 筐体部材
21 第1の筐体
22 第2の筐体
23 吸気口
24 排気口
25 除菌室
26 第1収容室
27 第2収容室
28 反射部材
28a 第1の反射部
28b 第2の反射部
30 ファン
40 光源基板
41 第1の基板(基板)
42 第2の基板
50 光源
60 第1紫外線漏れ抑制部
70 第2紫外線漏れ抑制部
80 空気誘導部
90 制御基板
91 制御部
100 パネル体
110 可視光源
120 紫外線検出部
G 空所
H1 基部
H2、H3 折曲部
N 欠落部
P1 一方の面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7