(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176187
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 31/12 20060101AFI20231206BHJP
H01L 25/04 20230101ALI20231206BHJP
【FI】
H01L31/12 C
H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088345
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】井上 一裕
(72)【発明者】
【氏名】藤原 真美
【テーマコード(参考)】
5F889
【Fターム(参考)】
5F889AB13
5F889AC02
5F889AC07
5F889AC09
5F889AC18
5F889CA09
5F889CA20
5F889DA02
5F889DA13
(57)【要約】
【課題】基板の反りを低減できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板と、受光素子と、スイッチング素子と、発光素子と、を備える。前記基板は、樹脂基材と、前記樹脂基材の第1面上の第1乃至第3金属パッドを有する。前記受光素子は、前記第1、第2金属パッド、および、前記第1、第2金属パッドの間の前記第1面の一部に第1接続部材を介して接続された裏面と、前記裏面とは反対側の表面に設けられた第1、第2ボンディングパッドと、を有する。前記第1および第2ボンディングパッドは、それぞれ、前記第1面に垂直な方向において、前記第1および第2金属パッドのいずれかに重なる位置に設けられる。前記スイッチング素子は、前記第3金属パッドに第2接続部材を介して接続され、前記受光素子の前記第1、第2ボンディングパッドに電気的に接続され、前記発光素子は、前記受光素子の前記表面上に第3接続部材を介して設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材と、第1乃至第3金属パッドと、を有する基板であって、前記第1乃至第3金属パッドは、前記樹脂基材の第1面上に並び、前記第3金属パッドは、前記第1金属パッドおよび前記第2金属パッドから離間した、基板と、
前記樹脂基材の前記第1面側に設けられた受光素子であって、前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、および、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとの間の前記第1面の一部に第1接続部材を介して接続された裏面と、前記裏面とは反対側の表面と、を有し、前記表面上に設けられる第1および第2ボンディングパッドと、をさらに有し、前記第1および第2ボンディングパッドは、それぞれ、前記第1面に垂直な方向において、前記第1金属パッドおよび前記第2金属パッドのいずれかに重なる位置に設けられる、受光素子と、
前記樹脂基材の前記第1面側に設けられたスイッチング素子であって、前記第3金属パッドに第2接続部材を介して接続される裏面側電極と、前記裏面側電極が設けられた裏面とは反対側の表面上に設けられた表面側電極と、前記スイッチング素子の前記表面上に前記表面側電極と並ぶ制御パッドと、を有する、スイッチング素子と、
前記スイッチング素子の前記表面側電極、および、前記受光素子の前記第1ボンディングパッドに接続され、前記表面側電極と前記第1ボンディングパッドとを電気的に接続する第1導電部材と、
前記スイッチング素子の前記制御パッド、および、前記受光素子の前記第2ボンディングパッドに接続され、前記制御パッドと前記第2ボンディングパッドを電気的に接続する第2導電部材と、
前記受光素子の前記表面上に、第3接続部材を介して、設けられた発光素子であって、前記第3接続部材は、前記発光素子から前記受光素子に向かって放射される光を透過する、発光素子と、
を備えた半導体装置。
【請求項2】
前記第2金属パッドは、前記第1金属パッドから離間するように設けられる請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記基板は、前記樹脂基材の前記第1面上に設けられ、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとをつなぐ金属接続部をさらに有し、前記第1金属パッド、前記第2金属パッドおよび前記金属接続部は前記第1面の前記一部を囲む請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記樹脂基材の前記第1面側に設けられ、前記受光素子に電気的に接続される別のスイッチング素子をさらに備え、
前記基板は、前記樹脂基材の前記第1面上に設けられた第4金属パッドをさらに含み、
前記第4金属パッドは、前記第1乃至第3金属パッドから離間して設けられ、
前記第3金属パッドおよび前記第4金属パッドは、前記第1金属パッドおよび前記第2金属パッドが前記第1面上に並ぶ方向と同方向に並び、
前記別のスイッチング素子は、前記第4金属パッド上に別の第2接続部材を介して接続される請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記基板は、前記第1面上に設けられた第5および第6金属パッドをさらに含み、
前記第5および第6金属パッドは、前記第1および第2金属パッドが前記第1面上に並ぶ方向と同方向に並び、
前記第1金属パッドは、前記第3金属パッドと前記第5金属パッドとの間に位置し、
前記第2金属パッドは、前記第3金属パッドと前記第6金属パッドとの間に位置し、
前記第1面の一部は、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとの間、前記第1金属パッドと前記第5金属パッドとの間、前記第2金属パッドと前記第6金属パッドとの間、および、前記第5金属パッドと前記第6金属パッドとの間に延在し、
前記受光素子は、前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、前記第5金属パッド、前記6金属パッドおよび前記第1面の一部に前記第1接続部材を介して接続される前記裏面を有し、
前記受光素子の前記第1および第2ボンディングパッドは、それぞれ、前記第1面に垂直な方向において、前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、前記第5金属パッドおよび前記第6金属パッドのいずれか1つに重なる位置に設けられる請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、前記第5金属パッドおよび前記第6金属パッドは、相互に離間して設けられる請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記基板は、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとの間、前記第2金属パッドと前記第6金属パッドとの間、前記第5金属パッドと前記第6金属パッドとの間、前記第5金属パッドと前記第1金属パッドとの間にそれぞれ設けられ、前記第1面の前記一部を囲むように配置される金属接続部をさらに含む請求項5記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2金属パッドは、前記第1金属パッドから離間し、前記第1金属パッドを囲む請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記発光素子は、前記樹脂基材の前記第1面に垂直な前記方向において、前記第1金属パッドに重なる位置に設けられる請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記受光素子の前記第1ボンディングパッドおよび前記第2ボンディングパッドは、前記基板の前記第1面に垂直な前記方向において、前記第2金属パッドに重なる位置に設けられる請求項9記載の半導体装置。
【請求項11】
前記基板は、前記樹脂基材の前記第1面とは反対側の第2面上に設けられる入力側端子および出力側端子とを有し、
前記入力側端子は、前記発光素子に電気的に接続され、前記出力側端子は、前記第3金属パッドおよび前記第2接続部材を介して、前記スイッチング素子に電気的に接続される請求項1乃至10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置には、小型化が求められる。例えば、複数の半導体素子を基板上にマウントし、その後、複数の半導体素子を基板上に樹脂封止する構造の半導体装置では、基板を薄くして低背化することが望ましい。しかしながら、基板を薄くすると、加熱時の反りなどの不具合が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、基板の反りを低減できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、基板と、受光素子と、スイッチング素子と、第1導電部材と、第2導電部材と、発光素子と、を備える。前記基板は、樹脂基材と、第1乃至第3金属パッドと、を有する。前記第1乃至第3金属パッドは、前記樹脂基材の第1面上に並び、前記第3金属パッドは、前記第1金属パッドおよび前記第2金属パッドから離間する。前記受光素子は、前記樹脂基材の前記第1面側に設けられ、前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、および、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとの間の前記第1面の一部に第1接続部材を介して接続された裏面と、前記裏面とは反対側の表面と、を有し、前記表面上に設けられる第1および第2ボンディングパッドと、をさらに有する。前記第1および第2ボンディングパッドは、それぞれ、前記第1面に垂直な方向において、前記第1金属パッドおよび前記第2金属パッドのいずれかに重なる位置に設けられる。前記スイッチング素子は、前記樹脂基材の前記第1面側に設けられ、前記第3金属パッドに第2接続部材を介して接続される裏面側電極と、前記裏面側電極が設けられた裏面とは反対側の表面上に設けられた表面側電極と、前記スイッチング素子の前記表面上に前記表面側電極と並ぶ制御パッドと、を有する。前記第1導電部材は、前記スイッチング素子の前記表面側電極、および、前記受光素子の前記第1ボンディングパッドに接続され、前記表面側電極と前記第1ボンディングパッドとを電気的に接続する。前記第2導電部材は、前記スイッチング素子の前記制御パッド、および、前記受光素子の前記第2ボンディングパッドに接続され、前記制御パッドと前記第2ボンディングパッドを電気的に接続する。前記発光素子は、前記受光素子の前記表面上に第3接続部材を介して設けられ、前記第3接続部材は、前記発光素子から前記受光素子に向かって放射される光を透過する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
【
図2】実施形態に係る半導体装置を示す別の模式図である。
【
図3】実施形態に係る半導体装置の基板を示す模式図である。
【
図4】実施形態に係る半導体装置を示す回路図である。
【
図5】実施形態に係る半導体装置の基板を示す模式平面図である。
【
図6】実施形態の変形例に係る半導体装置の基板を示す模式平面図である。
【
図7】実施形態の別の変形例に係る半導体装置の基板を示す模式平面図である。
【
図8】実施形態に係る半導体装置の特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
図1は、実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。半導体装置1は、例えば、フォトリレーである。半導体装置1は、基板10と、受光素子20と、スイッチング素子30と、発光素子40と、を備える。
【0010】
基板10は、樹脂基材11と、複数の金属パッド13、15および17と、入力側端子50と、出力側端子60と、を含む。樹脂基材11は、例えば、シート状のポリイミドである。
【0011】
樹脂基材11は、第1面11Fと、第1面11Fとは反対側の第2面11Bとを有する。複数の金属パッド13、15および17は、第1面11F上に設けられる。入力側端子50および出力側端子60は、樹脂基材11の第2面11B上に設けられる。
【0012】
複数の金属パッド13、15および17は、第1面11F上において、相互に離間して設けられる。また、入力側端子50および出力側端子60は、第2面11B上において、相互に離間して設けられる。複数の金属パッド13、15、17、入力側端子50および出力側端子60は、例えば、表面に金メッキを施した銅箔である。
【0013】
受光素子20、スイッチング素子30および発光素子40は、樹脂基材11の第1面11F側に設けられる。
【0014】
受光素子20は、金属パッド13に第1接続部材CM1を介して接続された裏面20BSと、裏面20BSとは反対側の表面20FSとを有する。受光素子20は、表面20FSに設けられる第1ボンディングパッド21と第2ボンディングパッド23とをさらに有する。第1接続部材CM1は、例えば、樹脂を含む接着材である。第1接続部材CM1は、導電性を有しても良いし、絶縁性であっても良い。
【0015】
スイッチング素子30は、金属パッド15に第2接続部材CM2を介して接続された裏面側電極31と、裏面側電極31が設けられた裏面とは反対側の表面上に設けられた表面側電極33と、表面側電極33と同じ表面上に設けられた制御パッド35と、を有する。第2接続部材CM2は、例えば、銀ペーストなどの導電性を有する接着材である。
【0016】
表面側電極33は、受光素子20の第1ボンディングパッド21に第1導電部材MW1を介して電気的に接続される。制御パッド35は、受光素子20の第2ボンディングパッド23に第2導電部材MW2を介して電気的に接続される。第1導電部材MW1および第2導電部材MW2は、例えば、金属ワイヤである。
【0017】
発光素子40は、受光素子20の表面20FS上に第3接続部材CM3を介して接続される。第3接続部材CM3は、例えば、透明樹脂であり、発光素子40から受光素子20に向かって放射される光を透過する。発光素子40は、第3導電部材MW3により金属パッド17に電気的に接続される。第3導電部材MW3は、例えば、金属ワイヤである。
【0018】
発光素子40は、樹脂部材70により受光素子20の表面20FS上に封じられる。樹脂部材70は、例えば、シリコーンである。さらに、受光素子20、スイッチング素子30および樹脂部材70は、樹脂部材80により樹脂基材11の第1面11F側に封じられる。樹脂部材80は、例えば、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂である。
【0019】
図2(a)および(b)は、実施形態に係る半導体装置1を示す別の模式図である。
図2(a)は、半導体装置1を示す斜視図である。
図2(b)は、樹脂基材11の第1面11F上の構成を示す平面図である。なお、
図2(b)では、樹脂部材70および80を省略している。
【0020】
図2(a)に示すように、半導体装置1は、例えば、第1スイッチング素子30aと第2スイッチング素子30bとを含む。第1スイッチング素子30aおよび第2スイッチング素子30bは、それぞれ、受光素子20に電気的に接続される。
【0021】
樹脂部材80は、受光素子20、スイッチング素子30および発光素子40に加えて、樹脂基材11の第1面11F上に設けられる金属パッド13、15、17および導電部材MWもその内部に封じる。言い換えれば、基板10上に設けられる構成要素は、樹脂基材11および樹脂部材80により構成される樹脂パッケージの内部に収容される。なお、以下の説明では、第1スイッチング素子30aおよび第2スイッチング素子30bを区別せずスイッチング素子30として記載する場合がある。他の構成要素についても同様である。
【0022】
図2(b)に示すように、複数の金属パッド13、15および17は、第1金属パッド13a、第2金属パッド13b、第3金属パッド15a、第4金属パッド15b、第5金属パッド17aおよび第6金属パッド17bを含む。
【0023】
第1金属パッド13a、第3金属パッド15aおよび第5金属パッド17aは、第1面11Fに沿った方向、例えば、X方向に並ぶ。第1金属パッド13aは、第3金属パッド15aと第5金属パッド17aとの間に設けられる。
【0024】
第2金属パッド13b、第4金属パッド15bおよび第6金属パッド17bは、例えば、X方向に並ぶ。第2金属パッド13bは、第4金属パッド15bと第6金属パッド17bとの間に設けられる。
【0025】
第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13bは、相互に離間し、X方向と交差する方向、例えば、Y方向に並ぶ。第3金属パッド15aおよび第4金属パッド15bも、相互に離間し、例えば、Y方向に並ぶ。また、第5金属パッド17aおよび第6金属パッド17bも、相互に離間し、例えば、Y方向に並ぶ。
【0026】
受光素子20は、第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13bに跨って設けられる。受光素子20は、第1接続部材CM1を介して、第1金属パッド13a、第2金属パッド13b、および、第1金属パッド13aと第2金属パッド13bとの間の第1面11Fの一部に接続される。また、受光素子20は、第1ボンディングパッド21aおよび21bと、第2ボンディングパッド23aおよび23bと、を有する。第1ボンディングパッド21aおよび第2ボンディングパッド23aは、樹脂基材11の第1面11Fに垂直な方向、例えば、Z方向において、第1金属パッド13aに重なる位置に設けられる。第1ボンディングパッド21bおよび第2ボンディングパッド23bは、例えば、Z方向において、第2金属パッド13bに重なる位置に設けられる。
【0027】
第1スイッチング素子30aは、第2接続部材CM2を介して、第3金属パッド15a上に設けられる。第1スイッチング素子30aは、裏面側電極31(
図1参照)と、表面側電極33aと、制御パッド35aと、を有する。裏面側電極31は、第2接続部材CM2を介して、第3金属パッド15aに接続される。第2接続部材CM2は、導電性を有し、裏面側電極31は、第3金属パッド15aに電気的に接続される。
表面側電極33aは、第1導電部材MW1を介して、受光素子20の第1ボンディングパッド21aに電気的に接続される。第1導電部材MW1は、例えば、金属ワイヤであり、表面側電極33aおよび第1ボンディングパッド21aに接続される。制御パッド35aは、第2導電部材MW2を介して、受光素子20の第2ボンディングパッド23aに電気的に接続される。第2導電部材MW2は、例えば、金属ワイヤであり、制御パッド35aおよび第2ボンディングパッド23aに接続される。
【0028】
第2スイッチング素子30bは、別の第2接続部材CM2を介して、第4金属パッド15b上に設けられる。第2スイッチング素子30bは、別の裏面側電極31と、表面側電極33bと、制御パッド35bと、を有する。裏面側電極31は、第2接続部材CM2を介して、第4金属パッド15bに電気的に接続される。表面側電極33bは、第4導電部材MW4を介して、受光素子20の第1ボンディングパッド21bに電気的に接続される。制御パッド35bは、第5導電部材MW5を介して、受光素子20の第2ボンディングパッド23bに電気的に接続される。第4導電部材MW4および第5導電部材MW5は、例えば、金属ワイヤである。
【0029】
また、第1スイッチング素子30aの表面側電極33aは、第6導電部材MW6を介して、第2スイッチング素子30bの表面側電極33bに電気的に接続される。表面側電極33aは、複数の第6導電部材MW6を介して、表面側電極33bに電気的に接続されても良い。第6導電部材MW6は、例えば、金属ワイヤである。
【0030】
発光素子40は、第3接続部材CM3を介して、受光素子20の表面20FS上(
図1参照)に設けられる。発光素子40は、第1ボンディングパッド21aおよび21bの間、および、第2ボンディングパッド23aおよび23bの間に設けられる。
【0031】
発光素子40は、第3接続部材CM3を介して受光素子20に接続される裏面と、裏面とは反対側の表面と、を有する。発光素子40は、第1電極41と第2電極43とを有する。第1電極41および第2電極43は、裏面とは反対側の表面上に並ぶ。第1電極41は、第3導電部材MW3を介して、第5金属パッド17aに電気的に接続される。第2電極43は、第7導電部材MW7を介して、第6金属パッド17bに電気的に接続される。第7導電部材MW7は、例えば、金属ワイヤである。
【0032】
図3(a)~(c)は、実施形態に係る半導体装置1の基板10を示す模式図である。
図3(a)は、樹脂基材11の第2面11Bを示す平面図である。
図3(b)は、
図3(a)に示すA-A線に沿った断面図である。
図3(c)は、
図3(a)に示すB-B線に沿った断面図である。
【0033】
図3(a)に示すように、半導体装置1は、複数の入力側端子50と、複数の出力側端子60と、を含む。複数の入力側端子50および複数の出力側端子60は、相互に離間して設けられる。入力側端子50および出力側端子60は、例えば、金メッキを施した銅箔である。
【0034】
複数の入力側端子50および複数の出力側端子60は、例えば、第1入力側端子50aと、第2入力側端子50bと、第1出力側端子60aと、第2出力側端子60bと、を含む。第1入力側端子50aおよび第2入力側端子50bは、樹脂基材11の第2面11B上において、例えば、Y方向に並ぶ。第1出力側端子60aおよび第2出力側端子60bは、樹脂基材11の第2面11B上において、例えば、Y方向に並ぶ。また、第1入力側端子50aと第1出力側端子60aとは、例えば、X方向に並ぶ。第2入力側端子50bと第2出力側端子60bとは、例えば、X方向に並ぶ。
【0035】
図3(b)に示すように、樹脂基材11は、第1入力側端子50aと第5金属パッド17aとの間に延在する。また、樹脂基材11は、第1出力側端子60aと第3金属パッド15aとの間に延在する。第1入力側端子50aは、樹脂基材11中に設けられたビアコンタクトBC1を介して、第5金属パッド17aに電気的に接続される。第1出力側端子60aは、樹脂基材11中に設けられたビアコンタクトBC2を介して、第3金属パッド15aに電気的に接続される。また、第1出力側端子60aは、複数のビアコンタクトBC2を介して、第3金属パッド15aに電気的に接続されてもよい。
【0036】
第1金属パッド13aは、第1入力側端子50aと第1出力側端子60aとの間に位置する樹脂基材11の第2面11Bの一部とは反対側に設けられる。第1金属パッド13aは、例えば、Z方向において、樹脂基材11の一部を介して、第1入力側端子50aの一部および第1出力側端子60aの一部に重なるように設けられる。
【0037】
図3(c)に示すように、樹脂基材11は、第2入力側端子50bと第6金属パッド17bとの間に延在する。また、樹脂基材11は、第2出力側端子60bと第4金属パッド15bとの間に延在する。第2入力側端子50bは、樹脂基材11中に設けられたビアコンタクトBC3を介して、第6金属パッド17bに電気的に接続される。第2出力側端子60bは、樹脂基材11中に設けられたビアコンタクトBC4を介して、第4金属パッド15bに電気的に接続される。また、第2出力側端子60bは、複数のビアコンタクトBC4を介して、第4金属パッド15bに電気的に接続されてもよい。
【0038】
第2金属パッド13bは、第2入力側端子50bと第2出力側端子60bとの間に位置する樹脂基材11の第2面11Bの一部とは反対側に設けられる。第2金属パッド13bは、例えば、Z方向において、樹脂基材11の別の一部を介して、第2入力側端子50bの一部および第2出力側端子60bの一部に重なるように設けられる。
【0039】
図4は、実施形態に係る半導体装置1を示す回路図である。受光素子20は、例えば、フォトダイオードである。第1スイッチング素子30aおよび第2スイッチング素子30bは、例えば、MOSトランジスタである。発光素子40は、例えば、発光ダイオードである。
【0040】
受光素子20は、複数のフォトダイオード25と、制御回路27と、を含む。複数のフォトダイオード25は、直列接続される。フォトダイオード25は、発光素子40の光を検出するように構成される。制御回路27は、例えば、波形成形回路である。また、制御回路27は、放電回路、保護回路などであっても良い。
【0041】
フォトダイオード25の出力は、制御回路27を介して、第1ボンディングパッド21a、21b、第2ボンディングパッド23aおよび23bに出力される。第1ボンディングパッド21aおよび21bは、例えば、フォトダイオード25のカソード側に電気的に接続される。第2ボンディングパッド23aおよび23bは、例えば、フォトダイオード25のアノード側に電気的に接続される。
【0042】
受光素子20の第1ボンディングパッド21aは、第1導電部材MW1を介して、スイッチング素子30aのソースS(表面側電極33a)に電気的に接続される。また、受光素子20の第1ボンディングパッド21bは、第4導電部材MW4を介して、スイッチング素子30bのソースS(表面側電極33b)に電気的に接続される。スイッチング素子30aのソースSは、第6導電部材MW6を介してスイッチング素子30bのソースSに接続される。
【0043】
受光素子20の第2ボンディングパッド23aは、第2導電部材MW2を介して、第1スイッチング素子30aのゲートG(制御パッド35a)に電気的に接続される。受光素子20の第2ボンディングパッド23bは、第5導電部材MW5を介して、第2スイッチング素子30bのゲートG(制御パッド35b)に電気的に接続される。
【0044】
発光素子40は、第3導電部材MW3を介して、第1入力側端子50aに電気的に接続される。第1入力側端子50aは、ビアコンタクトBC1を介して、第5金属パッド17aに電気的に接続され(
図3(b)参照)、第3導電部材MW3は、第5金属パッド17aおよび発光素子40の第1電極41にボンディングされる(
図2(b)参照)。第1電極41は、例えば、発光ダイオードのカソードに電気的に接続される。
【0045】
また、発光素子40は、第7導電部材MW7を介して、第2入力側端子50bに電気的に接続される。第2入力側端子50bは、ビアコンタクトBC3を介して、第6金属パッド17bに電気的に接続され(
図3(b)参照)、第7導電部材MW7は、第6金属パッド17bおよび発光素子40の第2電極43にボンディングされる。第2電極43は、例えば、発光ダイオードのアノードに電気的に接続される。
【0046】
第1出力側端子60aは、第1スイッチング素子30aのドレインD(裏面側電極31)に電気的に接続される。第1出力側端子60aは、ビアコンタクトBC2を介して、第3金属パッド15aに電気的に接続され(
図3(a)参照)、第1スイッチング素子30aの裏面側電極31は、第2接続部材CM2を介して、第3金属パッド15aに電気的に接続される(
図2(b)参照)。
【0047】
第2出力側端子60bは、第2スイッチング素子30bのドレインD(別の裏面側電極31)に電気的に接続される。第2出力側端子60bは、ビアコンタクトBC4を介して、第4金属パッド15bに電気的に接続され(
図3(b)参照)、第2スイッチング素子30bの裏面側電極31は、別の第2接続部材CM2を介して、第4金属パッド15bに電気的に接続される(
図2(b)参照)。
【0048】
第1入力側端子50aおよび第2入力側端子50bには、例えば、第1出力側端子60aと第2出力側端子60bとの間の電気的な導通をオンオフ制御する信号が入力される。発光素子40は、第1入力側端子50aおよび第2入力側端子50bに入力された信号に対応した光信号を放射し、受光素子20は、発光素子40から放射された光信号を検出する。受光素子20は、光信号に対応した制御信号を第1スイッチング素子30aおよび第2スイッチング素子30bのゲートGに出力する。これにより、第1出力側端子60aと第2出力側端子60bとの間の電気的な導通が制御される。
【0049】
例えば、高周波信号を第1出力側端子60aから第2出力側端子60bへ通す場合、第1出力側端子60aと第2出力側端子60bとの間のインピーダンスを低減し、伝送損失を低減することが好ましい。半導体装置1では、樹脂基材11のZ方向の厚さを薄くすることにより、スイッチング素子30aと第1出力側端子60aとの間、および、スイッチング素子30bと第2出力側端子60bとの間のインピーダンスを低減する。これにより、第1出力側端子60aと第2出力側端子60bとの間の高周波信号の通過特性を向上させることができる。
【0050】
樹脂基材11のZ方向の厚さは、例えば、50マイクロメートルである。金属パッド13、15および17のそれぞれのZ方向の厚さは、例えば、30マイクロメートルであり、入力側端子50および出力側端子60のそれぞれのZ方向の厚さも、例えば、30マイクロメートルである。このように、樹脂基材11のZ方向の厚さは、第1面11F上および第2面11B上にそれぞれ設けられる銅箔の厚さを合わせた厚さよりも薄いことが好ましい。しかしながら、このように薄い樹脂基材11を基板10に用いた場合、例えば、銅箔の線熱膨張係数と樹脂基材11の線熱膨張係数との違いに起因した熱応力が、樹脂基材11に反りもしくは変形を生じさせる。このため、半導体装置1の製造過程において、樹脂基材11の平坦性の劣化に伴う不具合が生じる。
【0051】
図3(b)および(c)に示すように、入力側端子50は、樹脂基材11を介して、金属パッド17に向き合う。また、出力側端子60は、樹脂基材11を介して、金属パッド15に向き合う。したがって、両者の線熱膨張係数と樹脂基材11の線熱膨張係数との違いに起因した熱応力は相殺され低減される。しかしながら、樹脂基材11の金属パッド13に向き合う第2面11B側には、銅箔が設けられず、熱応力は相殺されない。このため、基板10では、金属パッド13に起因した反りや変形が生じ易い。
【0052】
これに対し、半導体装置1では、樹脂基材11上に複数の金属パッド13を設けることにより、それぞれの占有面積を小さくし、熱応力を低減する。さらに、複数の金属パッド13間に位置する樹脂基材11の第1面11Fの一部と受光素子20とを第1接続部材CM1を介して接続することにより、基板10と受光素子20との間の接続強度を向上させることができる。すなわち、基板10と第1接続部材CM1との間における樹脂と金属との接合に、樹脂と樹脂の接合を加え、接続強度を向上させることが可能となる。
【0053】
さらに、受光素子20の第1ボンディングパッド21および第2ボンディングパッド23は、Z方向において、それぞれ金属パッド13に重なる位置に設けられる。これにより、ボンディングパッド21および23上に導電部材MWを超音波ボンディングする際に生じる、樹脂基材11による超音波の吸収を抑制し、導電部材MWのボンディング強度を向上させることができる。
【0054】
また、
図3(a)~(c)に示すように、金属パッド13の一部が入力側端子50または出力側端子60に重なるように配置される。これにより、樹脂基材11による超音波の吸収もしくは散逸をさらに低減することができる。また、金属パッド13は、入力側端子50および出力側端子60に重なるように配置されても良い。
【0055】
図5(a)および(b)は、実施形態に係る半導体装置1の基板10を示す模式平面図である。
図5(a)は、樹脂基材11の第1面11Fを示す平面図である。
図5(b)は、別の基板10の第1面11Fを示す平面図である。なお、同図中の破線は、受光素子20および発光素子40の位置を表している。
【0056】
図5(a)に示すように、受光素子20は、第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13bに跨って設けられる。また、発光素子40も、受光素子20上において、第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13bに跨った位置に設けられる。
【0057】
第1金属パッド13aと第2金属パッド13bとの間隔は、第3金属パッド15aと第4金属パッド15bとの間隔と略同一である。実施形態は、この例に限定されず、例えば、第1金属パッド13aと第2金属パッド13bとの間隔は、第3金属パッド15aと第4金属パッド15bとの間隔よりも広くしてもよい。また、第1金属パッド13aと第2金属パッド13bとの間のスペースは、
図5(a)に示すように等間隔でもよいし、X方向における中央の間隔と端の間隔が異なっても良い。
【0058】
図5(b)に示すように、第1金属パッド13aは、金属接続部13cを介して、第2金属パッド13bにつながるように設けられてもよい。樹脂基材11の第1面11Fの一部は、第1金属パッド13a、第2金属パッド13bおよび2つの金属接続部13cにより囲まれる。
【0059】
金属接続部13cは、樹脂基材11の第1面11F上において、第1金属パッド13aの第3金属パッド15aに向き合う外縁と、第2金属パッド13bの第4金属パッド15bに向き合う外縁と、をつなぐように設けられる。
【0060】
別の金属接続部13cは、第1金属パッド13aの第5金属パッド17aに向き合う外縁と、第2金属パッド13bの第6金属パッド17bに向き合う外縁と、をつなぐように設けられる。
【0061】
例えば、基板10と受光素子20とを接続する第1接続部材CM1には、金属に対する接着力が大きい銀ペースト等の導電性の接着材を用いることが好ましい。しかしながら、第1接続部材CM1は、樹脂基材11の第1面11F上に塗布された後、金属パッド13間のスペースから外側に広がる恐れがある。このため、第1接続部材CM1と金属パッド15との間隔が狭くなり、金属パッド13と金属パッド15との間の絶縁耐圧が低下することがある。この例では、金属接続部13cを設けることにより、第1接続部材CM1が金属パッド13間のスペースの外側へ広がることを防ぐことができる。これにより、金属パッド13と金属パッド15との間の絶縁耐圧の低下を回避できる。
【0062】
図6(a)および(b)は、実施形態の変形例に係る半導体装置1の基板10を示す模式平面図である。
図6(a)および(b)は、樹脂基材11の第1面11Fを示す平面図である。なお、同図中の破線は、受光素子20および発光素子40の位置を表している。
【0063】
図6(a)に示す例では、基板10は、第7金属パッド13dおよび第8金属パッド13eをさらに含む。第7金属パッド13dおよび第8金属パッド13eは、樹脂基材11の第1面11F上に設けられる。
【0064】
第7金属パッド13dは、第1金属パッド13aと第5金属パッド17aとの間に設けられる。第7金属パッド13dは、第1金属パッド13aおよび第5金属パッド17aから離間して設けられる。
【0065】
第8金属パッド13eは、第2金属パッド13bと第6金属パッド17bとの間に設けられる。第8金属パッド13eは、第2金属パッド13bおよび第6金属パッド17bから離間して設けられる。また、第7金属パッド13dおよび第8金属パッド13eは、Y方向に並び、相互に離間して設けられる。
【0066】
なお、各金属パッド間の間隔は同一でもよいし、異なっていてもよい。また、各金属パッド間のスペースは、一定の幅を有しても良いし、一定の幅でなくても良い。
【0067】
このように、4つの金属パッド13をそれぞれの占有面積を小さくして配置することにより、樹脂基材11に加わる熱応力を低減することができる。また、隣り合う金属パッド13間に位置する樹脂基材11の第1面11Fの一部の面積を広げ、基板10に対する受光素子20の接続強度を高くすることができる。
【0068】
樹脂基材11の第1面11Fに垂直なZ方向において、受光素子20の第1ボンディングパッド21aは、第1金属パッド13aに重なるように設けられ、第2ボンディングパッド23aは、第7金属パッド13dに重なるように設けられる。また、受光素子20の第1ボンディングパッド21bは、第2金属パッド13bに重なるように設けられる。第2ボンディングパッド23bは、第8金属パッド13eに重なるように設けられる。
【0069】
図6(b)に示す例では、金属接続部13c、13f、13gおよび13hがさらに設けられる。金属接続部13c、13f、13gおよび13hは、第1金属パッド13aと第2金属パッド13bとの間、第1金属パッド13aと第7金属パッド13dとの間、第2金属パッド13bと第8金属パッド13eとの間、および、第7金属パッド13dと第8金属パッド13eとの間に位置する第1面11Fの一部を囲むように、樹脂基材11の第1面11F上に設けられる。
【0070】
金属接続部13cは、第1金属パッド13aの第3金属パッド15aに向き合う外縁と、第2金属パッド13bの第4金属パッド15bに向き合う外縁と、をつなぐように設けられる。
【0071】
金属接続部13fは、第7金属パッド13dの第5金属パッド17aに向き合う外縁と、第8金属パッド13eの第6金属パッド17bに向き合う外縁と、をつなぐように設けられる。金属接続部13gは、第1金属パッド13aのX方向に沿った外縁と、第7金属パッド13dのX方向に沿った外縁と、をつなぐように設けられる。また、金属接続部13hは、第2金属パッド13bのX方向に沿った外縁と、第8金属パッド13eのX方向に沿った外縁と、をつなぐように設けられる。これにより、金属接続部13c、13f、13gおよび13hは、第1接続部材CM1が複数の金属パッド13間のスペースから外側へ広がることを抑制する。
【0072】
図7(a)および(b)は、実施形態の別の変形例に係る半導体装置1の基板10を示す模式平面図である。
図7(a)および(b)は、樹脂基材11の第1面11Fを示す平面図である。なお、同図中の破線は、受光素子20および発光素子40の位置を表している。
【0073】
図7(a)に示すように、第2金属パッド13bは、第1金属パッド13aから離間し、第1金属パッド13aを囲むように設けられる。第1金属パッド13aは、例えば、円形である。
【0074】
発光素子40は、Z方向において、第1金属パッド13aに重なる位置に設けられる。受光素子20の第1ボンディングパッド21a、21b、第2ボンディングパッド23a、23bは、Z方向において、第2金属パッド13bに重なる位置に設けられる。
【0075】
図7(b)に示す例でも、第2金属パッド13bは、第1金属パッド13aから離間し、第1金属パッド13aを囲むように設けられる。第1金属パッド13aは、例えば、三角形である。発光素子40は、Z方向において、第1金属パッド13aに重なる位置に設けられる。受光素子20の第1ボンディングパッド21a、21b、第2ボンディングパッド23a、23bは、Z方向において、第2金属パッド13bに重なる位置に設けられる。
【0076】
これらの例でも、受光素子20は、第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13bに跨って設けられる。第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13bの間に位置する樹脂基材11の第1面11Fの一部の面積を広くすることにより、第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13bのそれぞれの占有面積を縮小し、樹脂基材11中の熱応力を低減することができる。これにより、樹脂基材11の反りもしくは変形を抑制することができる。また、基板10に対する受光素子20の接続強度を大きくすることができる。なお、第2金属パッド13bに囲まれる第1金属パッド13aの形状は、上記の例に限定される訳ではなく、例えば、多角形であっても良い。
【0077】
図8は、実施形態に係る半導体装置1の特性を示すグラフである。横軸は、第1出力側端子60aと第2出力側端子60bとの間を伝播する信号の周波数である。縦軸は、第1出力側端子60aと第2出力側端子60bとの間の挿入損失である。
【0078】
図8中に示す「EB」は、半導体装置1の特性を表している。また、「CE」は、比較例に係る半導体装置の特性を表している。比較例に係る半導体装置では、第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13b(
図5(a)参照)が一体に設けられる。
【0079】
図8に示すように、半導体装置1の周波数帯域は、比較例に係る半導体装置の周波数帯域よりも広くなる。すなわち、受光素子20がマウントされる金属パッド13を、第1金属パッド13aおよび第2金属パッド13bに分離することにより、周波数特性を向上させることができる。
【0080】
近年のメモリ素子などの半導体デバイスの高速化により、例えば、そのテスターに用いられるフォトリレーの高速化も喫緊の課題となっている。
図8に示すように、実施形態に係る半導体装置1では、全体の小型化および基板10の薄層化により、30GHz帯に至る高周波特性を実現している。さらに、受光素子20がマウントされる複数の金属パッドを相互に離間して配置することにより、第1出力側端子60aから第2出力側端子60b、もしくは、その逆方向に伝播する信号経路の帯域(-3dB)を25GHzから30GHzに広帯域化できることがわかる。このような効果は、マウントパッドの分割により、第1出力側端子60aと第2出力側端子60bとの間の信号経路に並列の寄生容量が大幅に低減されるためと考えられる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0082】
(付記1)
樹脂基材と、第1乃至第3金属パッドと、を有する基板であって、前記第1乃至第3金属パッドは、前記樹脂基材の第1面上に並び、前記第3金属パッドは、前記第1金属パッドおよび前記第2金属パッドから離間した、基板と、
前記樹脂基材の前記第1面側に設けられた受光素子であって、前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、および、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとの間の前記第1面の一部に第1接続部材を介して接続された裏面と、前記裏面とは反対側の表面と、を有し、前記表面上に設けられる第1および第2ボンディングパッドと、をさらに有し、前記第1および第2ボンディングパッドは、それぞれ、前記第1面に垂直な方向において、前記第1金属パッドおよび前記第2金属パッドのいずれかに重なる位置に設けられる、受光素子と、
前記樹脂基材の前記第1面側に設けられたスイッチング素子であって、前記第3金属パッドに第2接続部材を介して接続される裏面側電極と、前記裏面側電極が設けられた裏面とは反対側の表面上に設けられた表面側電極と、前記スイッチング素子の前記表面上に前記表面側電極と並ぶ制御パッドと、を有する、スイッチング素子と、
前記スイッチング素子の前記表面側電極、および、前記受光素子の前記第1ボンディングパッドに接続され、前記表面側電極と前記第1ボンディングパッドとを電気的に接続する第1導電部材と、
前記スイッチング素子の前記制御パッド、および、前記受光素子の前記第2ボンディングパッドに接続され、前記制御パッドと前記第2ボンディングパッドを電気的に接続する第2導電部材と、
前記受光素子の前記表面上に、第3接続部材を介して、設けられた発光素子であって、前記第3接続部材は、前記発光素子から前記受光素子に向かって放射される光を透過する、発光素子と、
を備えた半導体装置。
【0083】
(付記2)
前記第2金属パッドは、前記第1金属パッドから離間するように設けられる付記1記載の半導体装置。
【0084】
(付記3)
前記基板は、前記樹脂基材の前記第1面上に設けられ、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとをつなぐ金属接続部をさらに有し、前記第1金属パッド、前記第2金属パッドおよび前記金属接続部は前記第1面の前記一部を囲む付記1記載の半導体装置。
【0085】
(付記4)
前記樹脂基材の前記第1面側に設けられ、前記受光素子に電気的に接続される別のスイッチング素子をさらに備え、
前記基板は、前記樹脂基材の前記第1面上に設けられた第4金属パッドをさらに含み、
前記第4金属パッドは、前記第1乃至第3金属パッドから離間して設けられ、
前記第3金属パッドおよび前記第4金属パッドは、前記第1金属パッドおよび前記第2金属パッドが前記第1面上に並ぶ方向と同方向に並び、
前記別のスイッチング素子は、前記第4金属パッド上に別の第2接続部材を介して接続される付記1乃至3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0086】
(付記5)
前記基板は、前記第1面上に設けられた第5および第6金属パッドをさらに含み、
前記第5および第6金属パッドは、前記第1および第2金属パッドが前記第1面上に並ぶ方向と同方向に並び、
前記第1金属パッドは、前記第3金属パッドと前記第5金属パッドとの間に位置し、
前記第2金属パッドは、前記第3金属パッドと前記第6金属パッドとの間に位置し、
前記第1面の一部は、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとの間、前記第1金属パッドと前記第5金属パッドとの間、前記第2金属パッドと前記第6金属パッドとの間、および、前記第5金属パッドと前記第6金属パッドとの間に延在し、
前記受光素子は、前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、前記第5金属パッド、前記6金属パッドおよび前記第1面の一部に前記第1接続部材を介して接続される前記裏面を有し、
前記受光素子の前記第1および第2ボンディングパッドは、それぞれ、前記第1面に垂直な方向において、前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、前記第5金属パッドおよび前記第6金属パッドのいずれか1つに重なる位置に設けられる付記1記載の半導体装置。
【0087】
(付記6)
前記第1金属パッド、前記第2金属パッド、前記第5金属パッドおよび前記第6金属パッドは、相互に離間して設けられる付記5記載の半導体装置。
【0088】
(付記7)
前記基板は、前記第1金属パッドと前記第2金属パッドとの間、前記第2金属パッドと前記第6金属パッドとの間、前記第5金属パッドと前記第6金属パッドとの間、前記第5金属パッドと前記第1金属パッドとの間にそれぞれ設けられ、前記第1面の前記一部を囲むように配置される金属接続部をさらに含む付記5記載の半導体装置。
【0089】
(付記8)
前記第2金属パッドは、前記第1金属パッドから離間し、前記第1金属パッドを囲む付記1記載の半導体装置。
【0090】
(付記9)
前記発光素子は、前記樹脂基材の前記第1面に垂直な前記方向において、前記第1金属パッドに重なる位置に設けられる付記8記載の半導体装置。
【0091】
(付記10)
前記受光素子の前記第1ボンディングパッドおよび前記第2ボンディングパッドは、前記基板の前記第1面に垂直な前記方向において、前記第2金属パッドに重なる位置に設けられる付記9記載の半導体装置。
【0092】
(付記11)
前記基板は、前記樹脂基材の前記第1面とは反対側の第2面上に設けられる入力側端子および出力側端子とを有し、
前記入力側端子は、前記発光素子に電気的に接続され、前記出力側端子は、前記第3金属パッドおよび前記第2接続部材を介して、前記スイッチング素子に電気的に接続される付記1乃至10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0093】
1…半導体装置、 10…基板、 11…樹脂基材、 11B…第2面、 11F…第1面、 13、15、17…金属パッド、 13a…第1金属パッド、 13b…第2金属パッド、 13c、13f、13g、13h…金属接続部、 13d…第7金属パッド、 13e…第8金属パッド、 15a…第3金属パッド、 15b…第4金属パッド、 17a…第5金属パッド、 17b…第6金属パッド、 20…受光素子、 20BS…裏面、 20FS…表面、 21、23…ボンディングパッド、 21a、21b…第1ボンディングパッド、 23a、23b…第2ボンディングパッド、 25…フォトダイオード、 27…制御回路、 30…スイッチング素子、 30a…第1スイッチング素子、 30b…第2スイッチング素子、 31…裏面側電極、 33、33a、33b…表面側電極、 35、35a、35b…制御パッド、 40…発光素子、 41…第1電極、 43…第2電極、 50…入力側端子、 50a…第1入力側端子、 50b…第2入力側端子、 60…出力側端子、 60a…第1出力側端子、 60b…第2出力側端子、 70、80…樹脂部材、 BC1、BC2、BC3、BC4…ビアコンタクト、 CM1…第1接続部材、 CM2…第2接続部材、 CM3…第3接続部材、 MW1…第1導電部材、 MW2…第2導電部材、 MW3…第3導電部材、 MW4…第4導電部材、 MW5…第5導電部材、 MW6…第6導電部材、 MW7…第7導電部材