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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176195
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/10 20060101AFI20231206BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B60N3/10 A
B60N3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088356
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 修平
(72)【発明者】
【氏名】土橋 佑司
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088AA02
3B088LA01
3B088LB03
(57)【要約】
【課題】より利便性を高めたホルダを備えた乗物用シートを提供すること。
【解決手段】シート1は、シートバック2と、シートバック2の背面に沿ってシート幅方向に延びるように設けられる回転軸5に対し、回転軸5を中心に回転可能に組み付けられるテーブル3と、を有する。またシート1は、回転軸5に対し、回転軸5に沿ってシート幅方向に摺動可能及び/又は回転軸5を中心に回転可能に組み付けられるホルダ10(ボトルホルダ)を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用シートであって、
シートバックと、
該シートバックの背面に沿ってシート幅方向に延びるように設けられる回転軸に対し、該回転軸を中心に回転可能に組み付けられるテーブルと、
前記回転軸に対し、前記回転軸に沿ってシート幅方向に摺動可能及び/又は前記回転軸を中心に回転可能に組み付けられるホルダと、
を有する乗物用シート。
【請求項2】
請求項1に記載の乗物用シートであって、
前記回転軸が、前記シートバックに対して、前記シートバックのリクライニングの中心軸と同一軸線まわりに回転可能に設けられる左右一対のアームの前記シートバックの背面よりも後方に延び出る先端部間に架け渡し状に取り付けられる乗物用シート。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
前記ホルダが、前記テーブルの裏面に形成された凹状の収納部に対し、前記回転軸を中心とする回転により係脱可能に収納される乗物用シート。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の乗物用シートであって、
前記テーブルが、水平状に展開される展開位置と、該展開位置から上方に起こし上げられる回転により前記シートバックの背面に重ね合わせ状に畳まれる格納位置と、に切り替え可能とされ、
前記ホルダが、前記テーブルの裏側に位置する乗物用シート。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シートバックの背面に飲料や小物を係止できるホルダを設けた乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車用シートの背面側に飲料用ペットボトルを係止可能なホルダが組み付けられた構成が開示されている。ホルダは、ヘッドレストステーに係止されてシートバックの背面側に吊り下げられる。ホルダの吊り下げられた先端にはU字状の切欠が形成され、ペットボトルの首部を係止できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3066067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ホルダは、定位置でしか使用することができない。このためホルダを、着座者にとって使いにくい位置や着座の妨げになる位置にしか配置できない懸念があり、利便性が悪い。そこで本発明は、より利便性を高めたホルダを備えた乗物用シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
【0006】
すなわち、本発明の乗物用シートは、シートバックと、シートバックの背面に沿ってシート幅方向に延びるように設けられる回転軸に対し、回転軸を中心に回転可能に組み付けられるテーブルと、回転軸に対し、回転軸に沿ってシート幅方向に摺動可能及び/又は回転軸を中心に回転可能に組み付けられるホルダと、を有する。
【0007】
上記構成によれば、ホルダがシート幅方向に摺動可能、及び/又は回転軸を中心に回転可能とされることで、ホルダの位置を変更することができる。これにより、ホルダを着座者に都合の良い任意の位置や向きに配置することができ、利便性を高めることができる。また、回転軸を利用してホルダを設けることで、シートバックの背面にホルダを組み付けるための構成を別途設ける必要がない。このため、ホルダをシートバックに合理的に組み付けることができる。
【0008】
また、本発明の乗物用シートは、更に次のように構成されていても良い。回転軸が、シートバックに対して、シートバックのリクライニングの中心軸と同一軸線まわりに回転可能に設けられる左右一対のアームのシートバックの背面よりも後方に延び出る先端部間に架け渡し状に取り付けられる。上記構成によれば、回転軸をシートバックの背面から更に後方に張り出した位置でシート幅方向に延びるように設けられる。これにより、ホルダを着座者に対してより近づけた位置に設けることができる。
【0009】
また、本発明の乗物用シートは、更に次のように構成されていても良い。ホルダが、テーブルの裏面に形成された凹状の収納部に対し、回転軸を中心とする回転により係脱可能に収納される。上記構成によれば、ホルダを使用しないときにテーブルの裏面に収納することができる。これにより、ホルダが着座者の邪魔になりにくくなり、より利便性を高めることができる。
【0010】
また、本発明の乗物用シートは、更に次のように構成されていても良い。テーブルが、水平状に展開される展開位置と、展開位置から上方に起こし上げられる回転によりシートバックの背面に重ね合わせ状に畳まれる格納位置と、に切り替え可能とされる。ホルダが、テーブルの裏側に位置する。上記構成によれば、テーブルが格納位置であってもホルダを使用することができる。また、ホルダを使用していてもテーブルを展開することができて、かつホルダによってテーブルの使用面(表面)のスペースを妨げないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る乗物用シートの斜視図である。
図2】ホルダを収納状態に切り替えた斜視図である
図3】乗物用シートの背面図である。
図4】ホルダを使用状態に切り替えた状態を示す背面図である。
図5】収納部とホルダの拡大図である。
図6】乗物用シートの側面図である。
図7図3のVII-VII線断面図である。
図8】テーブルを展開位置に切り替えた状態を示す側面図である。
図9】ホルダを使用状態に切り替えた状態を示す側面図である。
図10】第2の実施形態に係る乗物用シートの斜視図である。
図11】ホルダを使用させた状態に切り替えた側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、図1-11を用いて説明する。以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、「シート幅方向」と示す場合には、後述するシート1の左右方向を指すものとする。
【0013】
<第1の実施形態>
始めに、本発明の第1の実施形態に係るシート1について説明する。シート1は、航空機に使用される座席のシートである。図1に示すように、シート1は、着座者の背凭れ部を成すシートバック2と、着座部を成す不図示のシートクッションと、を有する。またシート1は、シートバック2の背面に設けられたテーブル3と、テーブル3の下部でペットボトル7の首部を引っ掛けて保持するボトルホルダ10と、を有する。
【0014】
テーブル3は、シート1の下部から延び出る左右一対のアーム4の各先端の間に架け渡される回転軸5に支持されている。回転軸5は、シートバック2の背面に沿ってシート幅方向に延びるように設けられる。テーブル3は、回転軸5に対して回転可能に組み付けられる。これによりシート1の後席の着座者が、図2に示すように、テーブル3をシートバック2の背面に重ね合わせるように畳んで格納したり(格納位置)、水平状に展開させて使用したりすることができる(展開位置)。
【0015】
<テーブル3>
以下、上記シート1の各構成について詳しく説明する。テーブル3は、図3に示すように、シートバック2の背面幅に沿って形成された略矩形状部材である。テーブル3は、格納位置において上端中央部が凹み状に切り欠かれている。格納位置のテーブル3は、回転軸5を下側ヒンジとして回転するように、その下端部を回転軸5により支持されている。また格納位置のテーブル3は、シートバック2の背面に設けられたストッパ3cにより、その上端中央部を後方から支持される。これにより、テーブル3が、回転軸5を中心とした後方への回転を防止されて、格納位置で保持される。ストッパ3cによる支持が解除されると、図8に示すように、重力作用によりテーブル3が回転軸5を中心に後方に回転して水平状に展開される。また、テーブル3の回転と同時に、後述のアーム4が所定位置まで後方に回転するようになっている。
【0016】
テーブル3は、図4及び図5に示すように、その裏面に矩形状に凹んだ収納部3aを有する。図3図6及び図7に示すように、収納部3aには、後述するボトルホルダ10のホルダ部11を嵌め付けて保持できるようになっている。そのため、収納部3aは、ホルダ部11の形状に沿った形に形成されている。テーブル3は、図5に示すように、収納部3aのシート幅方向の各内側面から張り出した凸状の係止爪3bを有する。各係止爪3bがホルダ部11を挟み込んで支持することで、ホルダ部11が収納部3aに嵌め付けられた状態に保持される。
【0017】
<アーム4>
各アーム4は、図2に示すように、シートバック2のリクライニングの中心軸6に回転可能に組み付けられる。これにより、各アーム4は、テーブル3がストッパ3cによりシートバック2と係合した格納状態では、シートバック2のリクライニングに追従して回転することができる。また、各アーム4は、テーブル3がシートバック2との係合から外されて展開された状態では、シートバック2のリクライニングには追従せず、シートバック2のリクライニング動作を逃がすことができる。
【0018】
各アーム4の先端は、図6に示すように、テーブル3が格納位置にある場合でもシートバック2の背面よりも後方に延び出している。回転軸5は、各アーム4の先端の間に架け渡し状に設けられる。これにより、回転軸5はシートバック2の背面よりも後方に位置し、より後席の着座者に近い位置でシート幅方向に延びるようになっている。このため、回転軸5に取り付けられるボトルホルダ10をより着座者に近い位置に設けられる。
【0019】
<ボトルホルダ10>
ボトルホルダ10は、図5に示すように、ペットボトル7の首部を引っ掛けるホルダ部11と、ホルダ部11と回転軸5とを繋ぐ革製のバンド12と、を有する。ボトルホルダ10は、回転軸5から下方に吊り下げられるように設けられる。ボトルホルダ10は、テーブル3の裏側に位置する。ここでボトルホルダ10が、本発明の「ホルダ」に相当する。
【0020】
ホルダ部11は、図5に示すように、円形状の通し孔11aと、通し孔11aと連通して細長く開口した嵌合孔11bと、を有する。通し孔11aは、ペットボトル7の蓋部を挿通可能な大きさに形成される。嵌合孔11bは、ペットボトル7の首部よりも大きく、ペットボトル7の蓋部よりも小さくなるように形成される。図1に示すように、ホルダ部11は、ペットボトル7の蓋部を通し孔11aに差し込んでから、ペットボトル7の首部を嵌合孔11bにスライドさせることにより、ペットボトル7を引っ掛けた状態に保持できるようになっている。
【0021】
またホルダ部11は、図5及び図7に示すように、嵌合孔11bの周縁部に面取り部11dを有する。具体的には、面取り部11dは、図7に示すように、収納部3aに収納されたホルダ部11において、嵌合孔11bの収納部3aと対向する面側の周縁部に形成される。面取り部11dにより、収納部3aとホルダ部11との間に隙間が形成される。これにより、後席の着座者が、面取り部11dに指を引っ掛けることで、収納部3aに収納されたホルダ部11を容易に引き出すことができる。
【0022】
またホルダ部11は、図5及び図7に示すように、上下方向の一端にシート幅方向に延びるスリット11cを有する。スリット11cには、バンド12の一端が通されるようになっている。バンド12の一端は、スリット11cを通ってホルダ部11の端部を包んだあと、バンド12に縫い付けられて固定される。これにより、ホルダ部11が、バンド12の端部に回転可能に組み付けられる。
【0023】
バンド12の他端は、図7に示すように、回転軸5を包んだのちバンド12に縫い付けられて固定される。これにより、バンド12が、回転軸5を中心として回転可能となるように回転軸5に対して巻き付けられる。それにより、図3及び図6に示すように、ボトルホルダ10を使用しない際に、バンド12の回転によりホルダ部11を上方に起こし上げてテーブル3の収納部3aに収納できる。
【0024】
図8に示すように、ホルダ部11は、収納部3aに収納された状態では、係止爪3bとの嵌合により、収納部3a内に位置保持される。したがって、テーブル3を後方に倒したとしても、ホルダ部11がテーブル3と一体的となってバンド12を回転させながら後方に回転する。このように、バンド12は、ホルダ部11をテーブル3の回転に追従させて、テーブル3の回転を阻害しないようにできる。着座者がホルダ部11にペットボトル7を引っ掛けたり取り出したりする際に、ホルダ部11を回転方向に動かすことで、ホルダ部11を図9に示す重力作用で下方に吊り下がった位置から、より着座者に近い位置に移動させることができる。これにより、ホルダ部11からペットボトル7を付け外ししやすくすることができる。
【0025】
また、バンド12は、回転軸5に沿ってシート幅方向に摺動可能な構成とされる。これにより、図4に示すように、ボトルホルダ10を回転軸5の延びる領域内でシート幅方向における任意の位置に移動させることができる。これにより、例えば後席の着座者が脚を開く際にはボトルホルダ10をシート幅方向の中央に移動させたり、隣に別の着座者がいる際にはボトルホルダ10を反対側に移動させたりすることができる。回転軸5のシート幅方向の各端部に移動したバンド12は、各アーム4の先端にそれぞれ当たることでシート幅方向の移動を規制される。
【0026】
また、ボトルホルダ10をシート幅方向に移動させる際にシートバック2の背面下部に設けられたポケット8に収納された荷物(不図示)とホルダ部11とが干渉する場合、ホルダ部11を上向きに回転させることで上記荷物との干渉を避けることができる。このため、ボトルホルダ10をシート幅方向にスムーズに移動させることができる。上記のように、ボトルホルダ10は、バンド12が回転軸5に対してシート幅方向に摺動可能かつ回転軸5を中心に回転可能とされることで、後席の着座者にとって都合の良い位置に簡便に移動させることができる。これにより、ボトルホルダ10の利便性を高めることができる。
【0027】
上記バンド12が革から成ることで、バンド12をスリット11cに通したり回転軸5に巻き付けたりする際に、これらの形に合わせて柔軟に曲げたり滑らせたりすることができる。これにより、図7に示すように、バンド12を狭いスリット11cや回転軸5とテーブル3との間の狭い隙間に通しやすくすることができる。このように、バンド12が狭いスペースを通って巻き付き可能となることで、ボトルホルダ10をテーブル3の下部に設ける構造をよりコンパクトにして、省スペース化を図ることができる。
【0028】
以上をまとめると、第1の実施形態に係るシート1は、次のような構成とされている。なお、以下において、括弧書きで示す符号は上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
【0029】
すなわち、シート(1)は、シートバック(2)と、シートバック(2)の背面に沿ってシート幅方向に延びるように設けられる回転軸(5)に対し、回転軸(5)を中心に回転可能に組み付けられるテーブル(3)と、回転軸(5)に対し、回転軸(5)に沿ってシート幅方向に摺動可能及び/又は回転軸(5)を中心に回転可能に組み付けられるホルダ(10)と、を有する。
【0030】
このような構成となっていることにより、ホルダ(10)がシート幅方向に摺動可能、及び/又は回転軸(5)を中心に回転可能とされることで、ホルダ(10)の位置を変更することができる。これにより、ホルダ(10)を着座者に都合の良い任意の位置や向きに配置することができ、利便性を高めることができる。また、回転軸(5)を利用してホルダ(10)を設けることで、シートバック(2)の背面にホルダ(10)を組み付けるための構成を別途設ける必要がない。このため、ホルダ(10)をシートバック(2)に合理的に組み付けることができる。
【0031】
また、回転軸(5)が、シートバック(2)に対して、シートバック(2)のリクライニングの中心軸(6)と同一軸線まわりに回転可能に設けられる左右一対のアーム(4)のシートバック(2)の背面よりも後方に延び出る先端部間に架け渡し状に取り付けられる。このような構成となっていることにより、回転軸(5)をシートバック(2)の背面から更に後方に張り出した位置でシート幅方向に延びるように設けられる。これにより、ホルダ(10)を着座者に対してより近づけた位置に設けることができる。
【0032】
また、ホルダ(10)が、テーブル(3)の裏面に形成された凹状の収納部(3a)に対し、回転軸(5)を中心とした回転により係脱可能に収納される。このような構成となっていることにより、ホルダ(10)を使用しないときにテーブル(3)の裏面に収納することができる。これにより、ホルダ(10)が着座者の邪魔になりにくくなり、より利便性を高めることができる。
【0033】
また、テーブル(3)が、水平状に展開される展開位置と、展開位置から上方に起こし上げられる回転によりシートバック(2)の背面に重ね合わせ状に畳まれる格納位置と、に切り替え可能とされる。ホルダ(10)が、テーブル(3)の裏側に位置する。このような構成となっていることにより、テーブル(3)が格納位置であってもホルダ(10)を使用することができる。また、ホルダ(10)を使用していてもテーブル(3)を展開することができて、かつホルダ(10)によってテーブル(3)の使用面(表面)のスペースを妨げないようにすることができる。
【0034】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態に係るシート101について説明する。本実施形態に係るシート101は、第1の実施形態に係るシート1と比べて、ホルダの構成が異なっている(ミラーホルダ110)。なお、第1の実施形態で示した構成と同じ構成については、同一の符号を付して説明を省略することとする。
【0035】
ミラーホルダ110は、図10に示すように、ミラー111aを取り付けたホルダ部111と、ホルダ部111と回転軸5とを繋ぐ樹脂製の連結部112と、を有する。連結部112は、図11に示すように、略L字状に折れ曲がった形状とされる。具体的には、連結部112は、ホルダ部111の収納部3aへの収納時に、テーブル3の下端部に沿って延びる形に折り曲げられた形状とされる。
【0036】
連結部112は、図11に示すように、回転軸5に回転可能に嵌め付けられる。それにより、連結部112は、回転軸5との摩擦によって回転軸5に対して回転方向の任意の位置で保持可能とされる。これにより、シート101の後席の着座者が、ホルダ部111を好みの角度で容易に保持させることができる。なお、連結部112は、回転軸5に対して段階的に係止する係止構造を有することで、回転軸5に対して回転方向の任意の位置で保持できる構成とされても良い。ホルダ部111は、連結部112に対して一定の角度となるように固定されている。なお、ホルダ部111は、連結部112に対して回転方向の任意の位置で保持可能に組み付けられても良い。
【0037】
<その他の実施形態>
以上、本発明の2つの実施形態を用いて説明したが、本発明の上記実施形態の他に各種の形態で実施することができるものである。
【0038】
1.乗物用シートは、航空機用のシートの他、自動車や鉄道等の車両や船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。シートバックは、リクライニングしない構成であっても良い。
【0039】
2.ホルダは、ボトルホルダやミラーホルダの他、スマホを収納するスマホホルダであっても良い。また、ホルダは、その他着座者の任意の手荷物を収納したり係止させたりするものであっても良い。ホルダは、回転軸に沿ったシート幅方向の摺動又は回転軸を中心とした回転のいずれか一方のみ可能な構成であっても良い。ホルダは、テーブルの上側に位置する構成であっても良い。連結部は、バンドの例として革から成る構成を示したが、その他ファブリックから成る構成であっても良い。また連結部は、樹脂の他、金属から成る構成であっても良い。
【0040】
3.回転軸は、シートバックの背面に直接設けられてシート幅方向に延びる構成であっても良い。回転軸は、丸棒状の他、四角棒や六角棒等の断面多角形状とされても良い。回転軸は、アームに対して回転可能に設けられる構成でも良い。回転軸がアームに対して回転可能な場合、ホルダ又はテーブルのいずれか一方が回転軸に対して回転できないように組み付けられて、回転軸の回転に追従して回転する構成とされても良い。上記の場合、ホルダ又はテーブルのいずれか他方は、回転軸に対して回転可能に組み付けられることが望ましい。
【0041】
4.テーブルは、上端部を回転軸により支持されて、水平状に展開される展開位置と、展開位置から下方に倒されてシートバックの背面に重ね合わせ状に畳まれる格納位置と、に切り替えられる構成であっても良い。テーブルは、ホルダの収納部を有しない構成であっても良い。また、テーブルは、裏面ではなく表面にホルダの収納部を有する構成であっても良い。
【0042】
5.収納部は、ホルダを凹みに嵌め付ける構成の他、例えば面ファスナ、フック及び磁石等の係止部によってテーブルにホルダを引っ掛けたり固定したりするものであっても良い。
【0043】
6.アームは、シートバックのリクライニングの中心軸に直接組み付けられる構成でなくてもよく、中心軸と同一軸線状に設けられた中心軸とは別の軸部材に回転可能に組み付けられる構成であっても良い。また上記軸部材が軸回りに回転可能な構成とされて、アームが、軸部材の回転に追従して回転される構成であっても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 シート
2 シートバック
3 テーブル
3a 収納部
3b 係止爪
3c ストッパ
4 アーム
5 回転軸
6 中心軸
7 ペットボトル
8 ポケット
10 ボトルホルダ(ホルダ)
11 ホルダ部
11a 通し孔
11b 嵌合孔
11c スリット
11d 面取り部
12 バンド
101 シート
110 ミラーホルダ(ホルダ)
111 ホルダ部
111a ミラー
112 連結部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11