IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176228
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】電気器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20231206BHJP
   H01R 9/00 20060101ALI20231206BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20231206BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231206BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20231206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231206BHJP
【FI】
F21S8/02 420
H01R9/00 A
H05K5/02 E
F21V23/00 170
H05K5/03 A
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088397
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 晶裕
(72)【発明者】
【氏名】綿貫 陸
【テーマコード(参考)】
3K014
4E360
5E086
【Fターム(参考)】
3K014AA01
4E360AB08
4E360AB33
4E360BA01
4E360BA03
4E360BA15
4E360BB22
4E360BC06
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA12
4E360EA18
4E360EA24
4E360EB03
4E360EB04
4E360EC04
4E360EC05
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED07
4E360ED12
4E360ED23
4E360ED28
4E360ED29
4E360ED30
4E360EE02
4E360GA08
4E360GA12
4E360GA22
4E360GA23
4E360GA24
4E360GA36
4E360GA52
4E360GA53
4E360GB52
4E360GC03
4E360GC08
4E360GC12
4E360GC14
5E086JJ02
(57)【要約】
【課題】コンパクト化し易く、組立性も良好な電気器具を提供すること。
【解決手段】照明器具が、第1挟持部及び第2挟持部と、第1挟持部及び第2挟持部に挟持される端子台70を備える。端子台70は、配線が電気的に接続される内部端子と、内部端子を収容するケース195を有する。ケース195は、配線の差込口72,73及び本体用係止部を有するカバー110と、本体用係止部に係止されるカバー用係止部を有する本体130を有する。ケース195は、第1挟持部に対向する第1対向面に第1係止部を有すると共に、第2挟持部に対向する第2対向面に第2係止部を有し、第1挟持部が、第1係止部に係止される第1カバー用係止部を有すると共に、第2挟持部が、第1係止部に係止される第2カバー用係止部を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1挟持部及び第2挟持部と、
前記第1挟持部と前記第2挟持部に挟持されると共に、外部の配線を電源装置に電気的に接続するための端子台と、を備え、
前記端子台は、前記配線が電気的に接続される端子と、前記端子を収容するケースと、を有し、
前記ケースは、前記配線の差込口及び本体用係止部を有するカバーと、前記本体用係止部に係止されるカバー用係止部を有する本体と、を有し、
前記ケースは、前記第1挟持部に対向する第1対向面に第1係止部を有すると共に、前記第2挟持部に対向する第2対向面に第2係止部を有し、
前記第1挟持部が、前記第1係止部に係止される第1ケース用係止部を有すると共に、前記第2挟持部が、前記第2係止部に係止される第2ケース用係止部を有する、電気器具。
【請求項2】
第1挟持部と第2挟持部に挟持されると共に、外部の配線を電源装置に電気的に接続するための端子台と、を備え、
前記端子台は、前記配線が電気的に接続される端子と、前記端子を収容するケースと、を有し、
前記ケースは、前記配線の差込口及び本体用係止部を有するカバーと、前記本体用係止部に係止されるカバー用係止部を有する本体と、を有し、
前記第1挟持部及び前記第2挟持部のうちの少なくとも一方は、前記端子台において前記差込口の延在方向に延びる側面に対向する対向面を有する側壁部につながって、その側壁部と一体に構成されており、
前記ケースは、前記対向面に第1係止部を有し、
前記側壁部が、前記第1係止部に係止されるケース用係止部を有する、電気器具。
【請求項3】
前記第1係止部が、前記差込口の延在方向に間隔をおいて位置すると共に前記延在方向に直交する直交方向に略平行に延在する2つの突条部を含み、
前記第1ケース用係止部が、前記2つの突条部で画定される溝に嵌入する平板部を含む、請求項1又は2に記載の電気器具。
【請求項4】
前記カバーが、前記2つの突条部を有し、
前記本体が、前記2つの突条部のうちで前記差込口側に位置する外側突条部と同一の直線上に配置されて略前記直交方向に延在する突条部を有する、請求項3に記載の電気器具。
【請求項5】
前記第2係止部が、前記カバーから前記第2挟持部側に突出する第1突出部を有すると共に前記本体から前記第2挟持部側に突出する第2突出部を有し、
前記第2挟持部が、前記第1突出部の少なくとも一部が挿入される第1孔を有すると共に前記第2突出部の少なくとも一部が挿入される第2孔を有する、請求項1に記載の電気器具。
【請求項6】
前記第2挟持部と、前記直交方向と前記端子台の高さ方向とを含む平面と、を有する一体部材を備え、
前記第2突出部が、前記平面と面接触している、請求項5に記載の電気器具
【請求項7】
前記端子台が、前記端子に電気的に接続されると共に前記本体から突出する端子刃を有する、請求項1又は2に記載の電気器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子台を含む電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気器具としては、特許文献1に記載されているものがある。この電気器具は、基板に実装されたLEDを含むLEDソケットと、端子台取付板に取り付けられた電源端子台とを備える。この電気器具では、LEDに電気的に接続されたリード線をLEDソケットから延出させて電源端子台に電気的に接続することで外部からの電力をLEDに供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013‐77401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、電源端子台は、端子台取付板等の端子台固定部にねじ止めされている。しかし、ねじを用いて電源端子台の固定を行うと、電気器具の組立性が悪化し、電気器具が大型化し易い。そこで、本開示の目的は、コンパクト化し易く、組立性も良好な電気器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本開示に係る電気器具は、第1挟持部及び第2挟持部と、第1挟持部と第2挟持部に挟持されると共に、外部の配線を電源装置に電気的に接続するための端子台と、を備え、端子台は、配線が電気的に接続される端子と、端子を収容するケースと、を有し、ケースは、配線の差込口及び本体用係止部を有するカバーと、本体用係止部に係止されるカバー用係止部を有する本体と、を有し、ケースは、第1挟持部に対向する第1対向面に第1係止部を有すると共に、第2挟持部に対向する第2対向面に第2係止部を有し、第1挟持部が、第1係止部に係止される第1ケース用係止部を有すると共に、第2挟持部が、第2係止部に係止される第2ケース用係止部を有する。
【0006】
また、本開示に係る電気器具は、第1挟持部と第2挟持部に挟持されると共に、外部の配線を電源装置に電気的に接続するための端子台と、を備え、端子台は、配線が電気的に接続される端子と、端子を収容するケースと、を有し、ケースは、配線の差込口及び本体用係止部を有するカバーと、本体用係止部に係止されるカバー用係止部を有する本体と、を有し、第1挟持部及び第2挟持部のうちの少なくとも一方は、端子台において差込口の延在方向に延びる側面に対向する対向面を有する側壁部につながって、その側壁部と一体に構成されており、ケースは、対向面に第1係止部を有し、側壁部が、第1係止部に係止されるケース用係止部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、コンパクト化し易く、組立性も良好な電気器具を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の電気器具の一実施形態に係る照明器具の斜視図である。
図2】照明器具の分解斜視図である。
図3】光源モジュールを斜め第1側から見たときの斜視図である。
図4】第1及び第2係止片を内側に折り返した状態のベース部材を斜め第2側から見たときの斜視図である。
図5】天板を斜め第1側から見たときの斜視図である。
図6】端子台の配線差込側を斜め後方から見たときの斜視図である。
図7】端子台の電源装置への接続側を斜め前方から見たときの斜視図である。
図8】端子台のカバーを電源装置側かつ斜め第2側から見たときの斜視図である。
図9】端子台のカバーを斜め側方側から見たときの斜視図である。
図10】端子台の本体を電源装置側かつ斜め第2側から見たときの斜視図である。
図11】端子台の本体を電源装置側かつ斜め第1側から見たときの斜視図である。
図12】端子台を斜め第2側から見たときの斜視図である。
図13】端子台を斜め第1側から見たときの斜視図である。
図14】端子台を高さ方向と奥行方向とを含む平面で切断したときの端子台の断面図である。
図15図14とは異なる幅方向位置で端子台を高さ方向と奥行方向とを含む平面で切断したときの端子台の断面図である。
図16図14及び図15とは異なる幅方向位置で端子台を高さ方向と奥行方向とを含む平面で切断したときの端子台の断面図である。
図17】端子台カバーの斜視図である。
図18】端子台カバーの端子台に対する取付方法について説明する図である。
図19】ベース部材に対する端子台の位置決めについて説明するための斜視図である。
図20】電源装置の一対の刃受け部に対する端子台の一対の端子刃の差し込みについて説明するための斜視図である。
図21】電源装置のコネクタを斜め第2側から見たときの斜視図である。
図22】照明器具の端子台周辺における高さ方向と端子台の挿入方向とを含む断面図である。
図23】ベース部材に対する天板の係止構造について説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施例では、特にことわらない限り、長手方向は、略矩形の板形状を有する基板61の長手方向を意味し、幅方向は、特にことわらない限り、基板61の幅方向を意味する。長手方向と、幅方向は、互いに直交する。また、高さ方向は、照明器具1の高さ方向を意味し、第1直交方向は、高さ方向に直交する方向を意味する。高さ方向は、端子台70の高さ方向に一致し、本実施形態では、基板61の厚さ方向にも一致する。
【0010】
また、以下の実施例では、照明器具1の高さ方向における光出射側を第1側と言及し、照明器具の高さ方向における光出射側とは反対側を第2側と言及する。また、以下で、周方向は、枠体10(反射板)40の周方向のことであり、また、径方向は、枠体10(反射板)40の周方向のことである。また、第2直交方向は、以下で説明する端子台70の差込口72,73の延在方向に直交する方向を意味する。
【0011】
また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。
【0012】
図1は、本開示の電気器具の一実施形態に係る照明器具1の斜視図である。図1に示すように、照明器具1は、ダウンライトであり、複数の取付バネ5、枠体10、ベース部材50、及び天板80を備える。ベース部材50は、基板61(図2参照)の第1側の第1面の一部を被覆する。基板61の第1面の他の一部に実装されている発光部62(図3参照)から第1側に出射された光が、枠体10の第1側の開口から第1側に出射される。枠体10、ベース部材50、取付バネ5、及び天板80は、この順に第1側から第2側に重ねられ、複数の雄ねじ7で互いに固定されて一体に統合される。
【0013】
複数の取付バネ5は、周方向に間隔をおいて設置される。取付バネ5は、例えば、ステンレス等の鋼板で構成され、照明器具1を天井面に固定する部材である。取付バネ5は、屈曲部5bを有し、板バネ構造を有する。取付バネ5を歪ませて、取付バネ5の根元側部分5aが天井に設けられた埋込孔(図示せず)の周囲に沿って埋込孔高さ方向に延在するように取付バネ5を変位させ、少なくとも一部が埋込孔の内周面を径方向外方側に押圧するようにする。
【0014】
埋込孔は、例えば、天井に設けられて鉛直方向に延在する円筒孔である。根元側部分5aよりも先端側に位置する静止部5cを、埋込孔から径方向の外方側に延在すると共に天井裏に沿うように天井裏に静止させる。このようにして、取付バネ5、ひいては、照明器具1を埋込孔の周囲に固定する。
【0015】
図2は、照明器具1の分解斜視図である。図2に示すように、照明器具1は、枠体10、パッキン20、カバー30、反射板40、ベース部材50、取付バネ5、光源モジュール60、端子台70、及び天板80を備える。照明器具1は、高さ方向の第1側から第2側に、枠体10、パッキン20、カバー30、反射板40、ベース部材50、取付バネ5、光源モジュール60及び端子台70、天板80の順に積み重ねられて一体に統合される。
【0016】
詳しくは、枠体10は、円筒部11、円錐台部12、フランジ13、及び複数の板状部14を有する。複数の板状部14は、周方向に間隔をおいて位置する。板状部14は、略矩形の平面形状を有して略第1直交方向(高さ方向に直交する方向)に広がって、貫通孔14aを有する。
【0017】
フランジ13の第2側には、環状のパッキン20が載置される。パッキン20は、周方向に間隔をおいて位置する複数の切欠き22を有する。パッキン20は、複数の切欠き22が複数の板状部14に高さ方向に重なるようにフランジ13上に載置される。パッキン20は、ゴム等の弾性材料で構成される。
【0018】
パッキン20は、フランジ13と天井面とで挟持され、フランジ13と天井面との間の気密性を確保する。パッキン20は、周方向に間隔をおいて位置すると共に径方向に延在する複数の板状のリブ21を有する。リブ21の径方向外方の端部は、埋込孔の内周面に接触し、その結果、枠体10の中心軸が、埋込穴の中心からずれるのが抑制される。
【0019】
枠体10の円筒部11内には、カバー30の本体31が第2側から挿入される。カバー30は、本体31と、本体31の第2側の端部に繋がるフランジ32を有する。本体31は、透光性と光拡散性を有する樹脂、例えば、アクリルやポリカーボネート等で構成され、居室側に露出する部分を有し、発光部62を保護する。本体31は、第1側の開口が第1側に凸のドーム状の封鎖部で塞がれた円筒形状を有する。本体31は、枠体10の円筒部11の内径よりも僅かに小さい外径を有し、枠体10の円筒部11内に嵌め込まれて取り付けられる。
【0020】
フランジ32は、枠体10の円筒部11の外径よりも大きな外径を有する。フランジ32は、本体31を円筒部11内に嵌め込む際に円筒部11の第2側の環状端に載置される。フランジ32は、弾性を有して圧縮可能な弾性材料、例えば、エラストマーやシリコーン等のゴム材料で構成され、パッキンの役割を担い、虫の侵入や反射板40等の部材の公差を吸収するために設けられる。
【0021】
本体31及びフランジ32は、2色成形で一体に構成されてもよく、又は、互いに別体として形成され、その後、フランジ32を本体31に接着剤等で取り付けることで一体にされてもよい。フランジ32は、径方向外方に開口する複数の切欠き35を有する。複数の切欠き35は、周方向に間隔をおいて位置する。複数の板状部14は、複数の切欠き35に嵌め込まれ、この嵌め込みで、カバー30が枠体10に対して周方向に位置決めされる。
【0022】
反射板40は、第2側からカバー30に重ねられる。反射板40は、樹脂製の不透過部材や鋼板で構成される。反射板40は、コーン形状(円錐台形状)の本体41と、複数のリブ42と、複数の突出部47を有する。本体41は、第1側に行くにしたがって末広がりとなるテーパ外周面(例えば、円錐外周面)43と、第1側に行くにしたがって末広がりとなるテーパ内周面(図示せず)を有する。テーパ内周面は、発光部62からの光を反射する反射面であり、例えば、滑らかに鏡面仕上げされる。テーパ内周面は、発光部62からの光を効率よく居室側へ反射させ、発光部62からの光の配光を制御する。
【0023】
複数のリブ42は、周方向に間隔をおいて位置する。各リブ42は、突条構造を有し、本体41のテーパ外周面43から径方向外方側に突出し、高さ方向に延在する。リブ42の径方向外方側の端面は、高さ方向に略平行に延在する。突出部47は、リブ42の第2側の端面から第2側に突出する。反射板40は、その末広がり側が第1側に位置する姿勢で、カバー30のフランジ32側の開口からカバー30内に嵌め込まれる。この嵌め込みは、リブ42の周方向位置が枠体10の板状部14の貫通孔14aの中心の周方向位置に略一致するように行う。
【0024】
ベース部材50は、第2側から反射板40に重ねられる。ベース部材50は、鋼板で構成され、反射板40を通す貫通孔51を有する。貫通孔51は、円筒孔52と、円筒孔52に連通して円筒孔52から径方向外方側に延びる複数のリブ挿通孔53を含む。リブ挿通孔53は、反射板40のリブ42の平面形状に対応する平面形状を有する。
【0025】
複数のリブ42を複数のリブ挿通孔53に嵌合させることで、ベース部材50が反射板40に対して相対移動不可能になり反射板40に対して位置決めされる。ベース部材50が反射板40に対して位置決めされている状態で、反射板40の第2側の一部が、貫通孔51から第2側に突出する。
【0026】
ベース部材50は、取付バネ5の平板状の取付部5dが載置される複数の載置部54を有する。2つの載置部54は、略矩形の板形状を有する基板61の幅方向に対向するように位置する。ベース部材50は、更に、各載置部54から第2側に突出する一対の2つの板状のリブ55を有する。一対の板状のリブ55は、長手方向に間隔をおいて対向し、幅方向と高さ方向を含む方向に広がる。載置部54には、貫通孔57(図4参照)が設けられ、取付バネ5の取付部5dにも、貫通孔5eが設けられる。
【0027】
取付バネ5は、ベース部材50の第2側に重ねられる。詳しくは、取付部5dの貫通孔5eが載置部54の貫通孔57に高さ方向に一致すると共に取付部5dの長手方向の両側縁部が一対の板状のリブ55に当接するように取付部5dを載置部54上に載置する。一対の板状のリブ55は、ベース部材50に対して取付バネ5が相対回転することを防止するストッパの役割を果たす。
【0028】
続いて、第2側から光源モジュール60を、ベース部材50か第2側に突出している反射板40の第2側の環状の端面29に当接させる。図3は、光源モジュール60を斜め第1側から見たときの斜視図である。図3に示すように、光源モジュール60は、基板61、基板61の第1側の第1面61aに実装される発光部62、及び基板61の第2側の第2面61b(図2参照)に実装される電源装置63を含む。発光部62は、例えば、SMD(Surface Mount Device)型の複数のLEDチップ62aを含み、複数のLEDチップ62aは、例えば、同一の円上に等間隔に配置される。
【0029】
なお、発光部は、COB(Chip On Board)型のLEDチップを含んでもよい。又は、発光部は、砲弾型のLEDを含んでもよく、FLUX型のLEDを含んでもよい。又は、発光部は、LED以外の半導体発光素子を含んでもよい。又は、発光部は、有機EL(Electro Luminescence)素子もしくは無機EL素子等の固体発光素子を含んでもよい。
【0030】
電源装置63は、複数の電子部品63aを含み、複数の電子部品63aは、例えば、1以上のコンデンサと1以上のコイルを含む。電源装置63は、交流電力を直流電力に変換すると共に電圧を所定電圧まで降圧する。発光部62は、電源装置63に対して長手方向に間隔をおいて配置される。発光部62を配置した部分の逆側に電源装置63を配置しないようにして、LEDチップ62aが発する熱の放熱性を向上させている。
【0031】
基板61は、長手方向の第1側に一対の貫通孔65を有する。一対の貫通孔65は、基板61の幅方向に間隔をおいて配置される。図2を参照して、第1面61aを第1側にした状態で、第2側から光源モジュール60を反射板40に近づけて、一対の貫通孔65に反射板40の一対の突出部47を嵌合させる。
【0032】
これにより、光源モジュール60が反射板40に対して相対移動不可能になり反射板40に対して位置決めされる。光源モジュール60が反射板40に対して位置決めされている状態で、反射板40の第2側の円形の開口33の中心と、発光部62の中心とが、略高さ方向に重なる。このため、略周方向に対称な光が枠体10から出射する。
【0033】
ベース部材50は、底板部56(図4参照)と、底板部56の幅方向の両側端部から高さ方向の第2側に突出する一対の側壁部9を有する。一対の側壁部9は、長手方向に間隔をおいて配置される一対の第1係止片58及び一対の第2係止片59を有する。光源モジュール60を反射板40に対して位置決めした後、図4に示すように、一対の第1係止片58及び一対の第2係止片59を幅方向内側に折り返して基板61の第2面61bに係止させることで照明器具1に外力が作用した際の基板61の第2側の湾曲を抑制する。
【0034】
続いて、第2側から端子台70をベース部材50に近づけて端子台70をベース部材50に位置決めする。この位置決めについては、後で詳述する。その後、天板80を第2側からベース部材50に近づけて天板80で光源モジュール60の第2側を覆っている状態で天板80をベース部材50に固定する。
【0035】
図5は、天板80を斜め第1側から見たときの斜視図である。図5に示すように、天板80は、第1天板部81、第2天板部82、及び第3天板部83を含む。第1天板部81は、光源モジュール60の長手方向の第1側を覆うと共に高さ方向の第1側に位置して略第1直交方向に広がる。第2天板部82は、第1天板部81における長手方向の第2側に繋がる。第2天板部82は、長手方向の第2側に行くにしたがって高さ方向の第2側に移動するように傾斜する。また、第3天板部83は、第2天板部82における長手方向の第2側に繋がり、略第1直交方向に広がる。
【0036】
このことから、天板80の高さは、長手方向の第1側よりも第2側の方が高くなる。よって、天板80の側壁84の高さは、長手方向の第1側の一対の側壁部84aの方が長手方向の第2側の一対の側壁部84bよりも低くなり、天板80が収容するスペースは、長手方向の第1側よりも第2側の方が広くなる。電源装置63は、この広いスペースで配置される。
【0037】
天板80は、一対の側壁部84aの第1側の端部から幅方向外側に広がる一対の板状部85を更に有する。板状部85は、略第1直交方向に広がる。各板状部85は、貫通孔88を有する。また、天板80は、長手方向の第2側の側壁97に端子台70を固定するための凹部98を有する。図1に示すように、板状部85の貫通孔88が、ベース部材50の載置部54上に載置されている取付バネ5の取付部5dの貫通孔5e上に重なると共に板状部85が一対のリブ55で拘束されるように天板80を取付バネ5上に配置する。
【0038】
この状態で、天板80の板状部85の貫通孔88が、高さ方向に、取付バネ5の貫通孔5eに重なるだけでなく、ベース部材50の載置部の貫通孔57にも重なり、更には、高さ方向に枠体10の貫通孔14aにも重なる。高さ方向に重なっている4つの貫通孔88,5e,57,14aには、雄ねじ7を締め込むことで、照明器具1の全ての部材が組付けられ一体に統合される。なお、天板80をベース部材50に固定する際、端子台70に対して位置決めする。この位置決めについては、後で詳述する。
【0039】
照明器具1の全ての部材が組付けられて、一体に統合された状態で、基板61において発光部62が実装された部分の裏側の第1面部が、第1天板部81の底面に密着した状態で当接するようになっている。このことから、発光部62が発した熱を、第1天板部81、ひいては、熱容量が大きな天板80全体に伝導させることができ、発光部62が発した熱を必須部品である天板80を用いて効率的に外部に放熱させることができる。
【0040】
次に端子台70の構成、及びその取付構造について詳細に説明する。図6は、端子台70の配線差込側を斜め後方から見たときの斜視図であり、図7は、端子台70の電源装置63への接続側を斜め前方から見たときの斜視図である。図6に示すように、端子台70は、高さ方向に間隔をおいて位置する一対の第1差込口72と、一対の第2差込口73と、工具挿通孔79を有する。
【0041】
一対の第1差込口72は、幅方向(基板61の幅方向に一致)に間隔をおいて位置し、同じ高さに位置する。また、一対の第2差込口73も、幅方向に間隔をおいて位置し、同じ高さに位置する。また、工具挿通孔79は、端子台70の配線差込側の中央部に位置する。また、図7示すように、端子台70は、幅方向に間隔をおいて位置する一対の端子刃71を有する。
【0042】
一対の第1差込口72の一方には、例えば、図示しない商用電源の接地側電線が差し込まれて一方の端子刃71に電気的に接続され、一対の第1差込口72の他方には、商用電源の電線が電気的に接続され、他方の端子刃71に電気的に接続される。一対の第2差込口73の一方は、接地側電線と電気的に接続される配線を通過させる孔であり、一対の第2差込口73の他方は、電線と電気的に接続される配線を通過させる孔である。一対の第2差込口73は、建物に複数の照明器具1を設置するときに、商用電源からの交流電力を、照明器具1を介して他の照明器具1に供給する際に用いられる。
【0043】
図6に示すように、端子台70は、樹脂製のカバー110と、樹脂製の本体130と、一対の端子刃71を含む複数の電気部品を備える。カバー110と、本体130は、次に説明する係止構造により統合されて一体化される。カバー110と、本体130は、互いに相俟ってケース195を構成する。
【0044】
図8は、カバー110を電源装置63側かつ斜め第2側から見たときの斜視図であり、図9は、カバー110を斜め側方側から見たときの斜視図である。図8に示すように、カバー110は、幅方向に間隔をおいて位置する一対の第1本体用係止部111を高さ方向の第2側に有すると共に、幅方向に間隔をおいて位置する一対の第2本体用係止部112を高さ方向の第1側に有する。第1及び第2本体用係止部111,112の夫々は、奥行方向(基板61の長手方向に一致)の電源装置63側に突出する。
【0045】
第1及び第2本体用係止部111,112の夫々は、矩形の板形状を有する。第1本体用係止部111には、平面視が略矩形の貫通孔113が設けられ、第2本体用係止部112には、平面視が略矩形の貫通孔114が設けられている。図9に示すように、第1本体用係止部111は、先端側に行くにしたがって第2側に僅かに傾斜し、第2本体用係止部112は、先端側に行くにしたがって第1側に僅かに傾斜する。第1本体用係止部111は、その弾性により高さ方向の第2側に撓むことが可能になっており、第2本体用係止部112は、その弾性により高さ方向の第1側に撓むことが可能になっている。
【0046】
図10は、本体130を電源装置63側かつ斜め第2側から見たときの斜視図であり、図11は、本体130を電源装置63側かつ斜め第1側から見たときの斜視図である。図10に示すように、本体130は、幅方向に間隔をおいて位置する一対の第1カバー用係止部131を高さ方向の第2側に有する。第1カバー用係止部131は、係止爪で構成され、係止爪の第2側の面131aは、奥行方向の電源装置63側に行にしたがって第2側に移動する傾斜面となっている。
【0047】
また、図11に示すように、本体130は、幅方向に間隔をおいて位置する一対の第2カバー用係止部132を高さ方向の第1側に有する。第2カバー用係止部132は、係止爪で構成され、係止爪の第1側の面132aは、奥行方向の電源装置63側に行にしたがって第1側に移動する傾斜面となっている。
【0048】
第1及び第2カバー用係止部131,132は、本体130における奥行方向の電源装置63側の端部に設けられている。第1カバー用係止部131は、その弾性により高さ方向の第1側に撓むことが可能になっており、第2カバー用係止部132は、その弾性により高さ方向の第2側に撓むことが可能になっている。
【0049】
図12は、端子台70を斜め第2側から見たときの斜視図であり、図13は、端子台70を斜め第1側から見たときの斜視図である。図12及び図13に示すように、本体130をカバー110に対して矢印Aで示す奥行方向の一方側に相対移動させることで、第1本体用係止部111の貫通孔113内に第1カバー用係止部131を嵌合させると共に、第2本体用係止部112の貫通孔114内に第2カバー用係止部132を嵌合させることで、本体130とカバー110を互いに係合して一体に統合する。
【0050】
この係合を行う際、第1及び第2本体用係止部111,112を一時的に高さ方向の外側に撓ませると共に、第1及び第2カバー用係止部131,132を一時的に高さ方向の中央側に撓ませる。本実施形態では、係合の際に、第1及び第2本体用係止部111,112と、第1及び第2カバー用係止部131,132の両方を高さ方向に撓ませるようになっているので、第1及び第2本体用係止部111,112と、第1及び第2カバー用係止部131,132とが、係合の際に過度に撓むことがなくて、係合の際に破損しにくい。
【0051】
次に図示しない外部の配線を、端子刃71に電気的に接続する方法について簡単に説明する。図14図15、及び図16は、互いに幅方向の異なる位置で端子台70を高さ方向と奥行方向とを含む平面で切断したときの端子台70の断面図である。
【0052】
図14に示すように、端子台70は、差込口72,73毎に、端子刃71に電気的に接続されている内部端子153に図示しない外部の配線を付勢する金属製の第1付勢部材151と金属性の第2付勢部材152を有する。第1付勢部材151は、第2付勢部材152に対して奥行方向に間隔をおいて位置し、第2付勢部材152は、第1付勢部材151よりも奥行方向の差込口72,73側に位置する。
【0053】
図6及び図15に示すように、端子台70は、工具挿通孔79に挿通されたマイナスドライバー等の工具の先端部で、奥行方向の電源装置63側に押圧される押圧部材159を備える。図15及び図16に示すように、押圧部材159は、連結部材162,163,164を介して第2付勢部材152に繋がっている。この連結機構により、押圧部材159が工具で奥行方向の電源装置63側に押圧されると、第2付勢部材152が高さ方向の中央側に倒れ、第2付勢部材152と内部端子153の高さ方向の隙間が大きくなる。
【0054】
その状態で、外部の配線を差込口72,73に差し込み、配線の先端側を、第1付勢部材151と内部端子153の間に押し込む。その後、工具を差込口72,73から引き抜くことで、配線が、第1及び第2付勢部材151,152と内部端子153とで挟持されて固定され、その結果、配線が、内部端子153に電気的に接続されている端子刃71に電気的に接続されるようになっている。なお、外部の配線を端子台の内部端子に電気的に接続する構造として、公知の端子台で採用されている如何なる構造を用いてもよい。
【0055】
図17は、端子台カバー90の斜視図である。端子台カバー90は、端子台70における外部配線の差し込み側を被覆する。端子台カバー90は、例えば、エラストマーやシリコーン等のゴム材で構成される。図12及び図13に示すように、端子台70は、外部側に突出する三つの突条部(リブ)77a,77b,77cを第2側の面及び両側側面に有する。また、図17に示すように、端子台カバー90は、突条部77a,77b,77cに対応する三つの挿通孔91a,91cを有する。
【0056】
図18に示すように、三つの挿通孔91a,91cに三つの突条部77a,77b,77cを挿通させることで、端子台70に端子台カバー90を取り付ける。外部の配線を接続する際、その配線で端子台カバー90の一部を突き破る。端子台70に端子台カバー90を装着することで、屋根裏の断熱材から放出される異物等が端子台70内に入り込むことを抑制できる。
【0057】
次に、ベース部材50に対する端子台70の位置決めについて説明する。図4に示すようにベース部材50は、略第1直交方向に広がる底板部56に段部171を介して繋がる板状部188を長手方向の片側の端部に有する。段部171は、幅方向と高さ方向を含む方向に広がり、板状部188は、略第1直交方向に広がり、底板部56よりも高さ方向の第2側に位置する。板状部188は、高さ方向からの平面視が略矩形である一対の貫通孔46、及び高さ方向からの平面視が略矩形であって幅方向に延在する貫通孔48を長手方向の第2側に有する。
【0058】
一方、図13に示すように、端子台70は、高さ方向からの平面視が略円形で第1側に突出する一対の突出部74、及び高さ方向からの平面視が略矩形で幅方向に延在すると共に第1側に突出部139を高さ方向の第1側に有する。図19に示すように、この一対の突出部74を一対の貫通孔46に第2側から嵌め込むと共に、突出部139を貫通孔48に第2側から嵌め込む。更には、図20に示すように、端子台70の一対の端子刃71の夫々を、電源装置63の一対の刃受け部69に差し込む。このようにして、ベース部材50に対する端子台70の位置決めを行う。
【0059】
図21は、端子刃71を電気的に接続する電源装置63のコネクタ160を斜め第2側から見たときの斜視図である。図21に示すように、コネクタ160の刃受け部69は、端子刃71を電気的に接続する一対の挟持端子161を有し、一対の挟持端子161は、幅方向に対向し、互いに近接配置される。第2側から端子台70を電源装置63に近づけて端子刃71を一対の挟持端子161の間に高さ方向の第2側から差し込む。このようにして、一対の端子刃71を一対の挟持端子161で挟持固定することで、端子台70が、電源装置63に電気的に接続される。
【0060】
図13に示すように、一対の突出部74は、カバー110から第1側に突出し、突出部139は、本体130から第1側に突出する。また、図19に示すように、ベース部材50は、高さ方向と幅方向とを含む方向に広がる平面170を有する段部171を含む。また、突出部139は、奥行方向の電源装置63側の端面に平面170に当接する平面部175(図13参照)を有し、ベース部材50の段部171の平面170は、本体130の平面部175を面接触で受け止めている。このことから、カバー110及び本体130の夫々が、互いに独立にベース部材50に対して位置決めされている。
【0061】
次に、端子台70に対する天板80の位置決めについて説明する。図12に示すように、カバー110は、第2直交方向(差込口72,73の延在方向に直交する方向)に間隔をおいて位置する2組の2つの突条部(リブ)181a,181bを有し、各組の2つの突条部181a,181bは、差込口72,73の延在方向に間隔をおいて位置すると共に第2直交方向に略平行に延在し、より詳しくは、端子台70の幅方向に延在する。
【0062】
本体130は、第1組の2つの突条部181a,181bのうちで差込口72,73側に位置する外側突条部181aと、第2組の2つの突条部181a,181bのうちで差込口72,73側に位置する外側突条部181aの間に配置されて第2直交方向に略延在する突条部(リブ)183を有する。突条部183は、端子台70の幅方向に延在する。2つの外側突条部181aと突条部183は、同一の直線上に位置する。カバー110は、各組の2つの突条部181a,181bの間に2つの突条部181a,181bで画定される溝95を有する。
【0063】
図22は、照明器具1の端子台70周辺における高さ方向と上記延在方向とを含む断面図である。図22に示すように、天板80の第3天板部83は、幅方向と高さ方向を含む方向に広がる板状部96を有する。また、図5に示すように、天板80は、側壁97から第1側に突出する一対の突出部86を有する。また、図4及び図19に示すように、ベース部材50は、長手方向の第2側に一対の突出部86の平面形状(高さ方向から見たときの平面形状)に対応する平面形状(高さ方向から見たときの平面形状)を有する一対の貫通孔39を有する。貫通孔39は、スリット形状でもよく、突出部86は、板形状を有してもよい。
【0064】
図22に示すように、板状部96をベース部材50に対して位置決めされている端子台70の溝95に最後まで嵌入させると共に、図23に示すように、一対の突出部86を一対の貫通孔39に挿入する。その後、図19に示すように、突出部86において貫通孔39から第1側に突出している突出部分86aを略直交方向にカシメて折り返すことで、天板80をベース部材50に固定する。端子台70の溝95に対する板状部96の嵌入で、端子台70を天板80に位置決めすることができる。
【0065】
また、板状部96を端子台70の溝95に嵌入した状態で、本体130の突条部183における奥行方向の電源装置63側の平面が、板状部96の奥行方向の外側の平面と当接するようになっている。上述の雄ねじ7の締め込みを行うことで、天板80及びベース部材50の両方に対して位置決めされた端子台70を、第3天板部83とベース部材50の板状部188で挟持でき、第3天板部83と板状部188に堅固に固定できる。
【0066】
以上、電気器具(照明器具1)は、第1挟持部(第3天板部83)及び第2挟持部(ベース部材50の板状部188)と、第3天板部83と板状部188に挟持されると共に、外部の配線を電源装置63に電気的に接続するための端子台70を備える。また、端子台70は、配線が電気的に接続される内部端子153と、内部端子153を収容するケース195を有する。また、ケース195は、配線の差込口72,73及び本体用係止部111,112を有するカバー110と、本体用係止部111,112に係止されるカバー用係止部131,132を有する本体130と、を有する。また、ケース195は、第3天板部83に対向する第1対向面に第1係止部(溝95及び突条部183)を有すると共に、板状部188に対向する第2対向面に第2係止部(一対の突出部74及び突出部139)を有し、第3天板部83が、溝95及び突条部183に係止される第1カバー用係止部(板状部96)を有すると共に、板状部188が、一対の突出部74及び突出部139に係止される第2カバー用係止部(一対の貫通孔46及び貫通孔48)を有する。
【0067】
本開示によれば、ケース195のカバー110と本体130を、ねじを用いずに係止構造を用いて統合する。また、端子台70と第3天板部83を、ねじを用いずに係止構造を用いて統合すると共に、端子台70と板状部188を、ねじを用いずに係止構造を用いて統合する。したがって、組立性を悪化させるねじ締め工程を削減でき、端子台にねじ固定をおこなうためのスペースを設ける必要もない。よって、照明器具(電気器具)1をコンパクト化し易く、照明器具1の組立性も良好なものにできる。
【0068】
更には、外部から配線を端子台70に差し込んで電気的に接続するとき、端子台70は、図14に矢印αで示す端子台70の奥行方向の電源装置63側の大きな力を受ける。より詳しくは、マイナスドライバー等の工具による押圧で付勢端子を通じて、本体130がα方向に押される。また、端子台70から配線を引く抜く際に、端子台70は、図14に矢印βで示す端子台70の奥行方向の電源装置63側とは反対側の大きな力を受ける。
【0069】
これに対し、本開示によれば、マイナスドライバー等の工具付勢端子を押圧して、外部から配線を端子台70に差し込む際、端子台70にかかる矢印αで示す方向の力の一部を、第1係止部を介して第1ケース用係止部が受けることができ剛性が高い第1挟持部で受けることができる。また、外部から配線を端子台70に差し込む際、端子台70にかかる矢印αで示す方向の力の一部を、第2係止部を介して第2ケース用係止部が受けることができ剛性が高い第2挟持部で受けることができる。
【0070】
また、配線を端子台70から引き抜く際に、端子台70にかかる矢印βで示す方向の力の一部を、第1係止部を介して第1ケース用係止部が受けることができ剛性が高い第1挟持部受けることができる。配線を端子台70から引き抜く際に、端子台70にかかる矢印βで示す方向の力の一部を、第2係止部を介して第2ケース用係止部が受けることができ剛性が高い第2挟持部で受けることができる。よって、いずれの場合でも、端子台70に過度な力が作用することがなく、端子台70の破損を抑制できる。
【0071】
また、端子台70における第1挟持部(例えば、第3天板部83)に対する第1係止部が、差込口72,73の延在方向に間隔をおいて位置すると共にその延在方向に直交する直交方向に略平行に延在する2つの突条部181a,181bを含んでもよい。また、2つの突条部181a,181bは、上記延在方向に対向して溝95を画定してもよい。そして、第1挟持部における端子台70に対する第1ケース用係止部が、2つの突条部181a,181bで画定される溝95に嵌入する平板状の板状部96を含んでもよい。
【0072】
本構成によれば、第1係止部と第1ケース用係止部の係止を、幅方向に延在する溝95に板状部96を嵌合させることで行うので、配線の差し込みと配線の引き抜きのいずれの場合でも、第1挟持部が幅方向の広範囲に亘って、端子台70にかかった力の一部を受けることができる。よって、端子台70の破損を更に効果的に抑制できる。
【0073】
また、カバー110が、上記2つの突条部181a,181bを有してもよい。また、本体130が、2つの突条部181a,181bのうちで差込口72,73側に位置する外側突条部181aと同一の直線上に配置されて略前記直交方向に延在する突条部183を有してもよい。
【0074】
外部から配線を端子台70に差し込む際、特にケース195のうちで奥行方向の電源装置63側に位置する本体130に上記α方向の大きな力が作用する。また、端子台70から配線を引き抜く際、特にケース195のうちで奥行方向の電源装置63側とは反対側に位置するカバー110に上記β方向の大きな力が作用する。
【0075】
これに対し、本構成によれば、外部から配線を端子台70に差し込む際に、マイナスドライバー等の工具による付勢端子の押圧に基づいて、本体130にα方向の大きな力が付与されても、本体130の突条部183が幅方向の広範囲に亘って天板80の板状部96を押圧し、その結果、天板80が幅方向の広範囲に亘って本体130にかかった力の一部を受けることができる。よって、外部から配線を端子台70に差し込む際に破損し易い本体130の破損を効果的に抑制できる。
【0076】
また、端子台70から配線を引き抜く際、2つの突条部181a,181bが幅方向の広範囲に亘って天板80の板状部96を押圧し、その結果、天板80が幅方向の広範囲に亘ってカバー110にかかった力の一部を受けることができる。よって、端子台70から配線を引く抜く際に破損し易いカバー110の破損を効果的に抑制できる。
【0077】
また、端子台70における第2挟持部(例えば、ベース部材50の板状部188)に対する第2係止部が、カバー110から第2挟持部側に突出する第1突出部(突出部74)を有すると共に本体130から第2挟持部側に突出する第2突出部(突出部139)を有してもよい。また、第2挟持部が、第1突出部の少なくとも一部が挿入される第1孔(貫通孔46)を有すると共に第2突出部の少なくとも一部が挿入される第2孔(貫通孔48)を有してもよい。
【0078】
本構成によれば、カバー110と本体130の両方を、孔と突出部を利用した係止を用いて第2挟持部に係止できる。したがって、カバー110と本体130の両方において、カバー110にかかったα方向及びβ方向の力の一部を第2挟持部で受けることができ、本体130にかかったα方向及びβ方向の力の一部も第2挟持部で受けることができる。よって、配線の出し入れの際に、カバー110が損傷することを更に効果的に抑制でき、本体130が損傷することも更に効果的に抑制できる。
【0079】
また、第2挟持部(板状部188)と、差込口72,73と直交する直交方向と端子台70の高さ方向とを含む平面170とを有する一体部材(ベース部材50)を備えてもよい。そして、第2突出部(突出部139)が、平面170と面接触してもよい。
【0080】
本構成によれば、直交方向(端子台70の幅方向)の広範囲に亘って平面170が第2突出部からα方向の力を受けることができる。したがって、第2突出部が受ける単位体積当たりの力を低減できるので、配線の差し込みの際に、第2突出部に切断等の損傷が生じることを効果的に抑制できる。
【0081】
また、端子台70が、内部端子153に電気的に接続されると共に本体130から突出する端子刃71を有してもよい。
【0082】
本構成によれば、リードを用いて端子台70と電源装置63を電気的に接続しない。よって、端子台70と電源装置63をコンパクトな構造で電気的に接続でき、照明器具1の顕著なコンパクト化を実現し易い。
【0083】
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0084】
例えば、上記実施形態では、ケース195のカバー110と本体130の係止を、係止爪とその係止爪を嵌め込む孔を用いて行ったが、カバーと本体の係止は、それ以外の如何なる係止構造を用いて行ってもよく。例えば、カバーと本体の係止は、2つの係止爪を用いて、係止爪同士を係合させることで行ってもよい。
【0085】
また、端子台において第1挟持部と係止する第1係止部が、カバー又は本体の一方のみに含まれてもよく、端子台において第2挟持部と係止する第2係止部も、カバー又は本体の一方のみに含まれてもよい。
【0086】
また、カバー110と第1挟持部との係合を、溝95と板状部96を用いて行う場合について説明したが、本体と第1挟持部との係合も、溝と板状部を用いて行ってもよい。また、本体130と第2挟持部の係止を面接触で行う場合について説明したが、本体と第2挟持部の係止は、面接触で行わなくてもよい。
【0087】
また、端子台70と第1挟持部の係止を、溝95及び突条部183と、溝95に嵌り込む板状部96を用いて行うと共に、端子台70と第2挟持部の係止を、突出部74,139と、貫通孔46,48を用いて行う場合について説明した。しかし、端子台と第1挟持部の係止を、孔(貫通孔でも有底の孔でもどりらでもよい)とその孔に嵌り込む突出部を用いて行ってもよく、端子台と第2挟持部の係止を、溝とその溝に嵌り込む板状部を用いて行ってもよい。
【0088】
また、端子台と第1挟持部の係止と端子台と第2挟持部の係止の両方を、溝とその溝に嵌り込む板状部を用いて行ってもよく、端子台と第1挟持部の係止と端子台と第2挟持部の係止の両方を、孔(貫通孔でも有底の孔でもどりらでもよい)とその孔に嵌り込む突出部を用いて行ってもよい。また、端子台と第1挟持部との係止及び端子台と第2挟持部との係止のうちの少なくとも一方を、溝とその溝に嵌り込む板状部の係止と、孔(貫通孔でも有底の孔でもどりらでもよい)とその孔に嵌り込む突出部の係止の両方を用いて行ってもよい。
【0089】
また、端子台のケースの高さ方向の第1側の面やケースの高さ方向の第2側の面に係止部が存在する場合について説明した。しかし、係止部は、端子台のケースの側面に存在してもよい。詳しくは、電気器具は、第1挟持部と第2挟持部に挟持されると共に、外部の配線を電源装置に電気的に接続するための端子台と、を備えてもよい。
【0090】
また、端子台は、配線が電気的に接続される端子と、端子を収容するケースと、を有してもよい。また、ケースは、配線の差込口及び本体用係止部を有するカバーと、本体用係止部に係止されるカバー用係止部を有する本体と、を有してもよい。また、第1挟持部及び第2挟持部のうちの少なくとも一方は、端子台において差込口の延在方向に延びる側面に対向する対向面を有する側壁部につながって、その側壁部と一体に構成されてもよい。そして、ケースが、上記対向面に第1係止部を有し、側壁部が、第1係止部に係止されるケース用係止部を有してもよい。
【0091】
なお、この場合では、突条部(リブ)と、それに嵌合する溝は、ともに高さ方向に延在する。また、突条部は、側壁部とケースのいずれに形成されてもよく、溝も、側壁部とケースのいずれに形成されてもよい。
【0092】
また、電気器具が、照明器具1である場合について説明したが、本開示の電気器具は、外部からの配線を電源装置に電気的に接続するための端子台を有する如何なる電気器具でもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 照明器具、 ベース部材の46,48 貫通孔、 50 ベース部材、 63 電源装置、 70 端子台、 71 端子刃、 72,73 差込口、 74 カバーの突出部、 80 天板、 83 第3天面部、 95 溝、 96 第3天板部の板状部、 110 カバー、 111,112 本体用係止部、 130 本体、 131,132 カバー用係止部、 139 本体の突出部、 153 内部端子、 170 ベース部材の平面、 181a カバーの外側突条部、 カバーの181b 突条部、 183 本体の突条部、 188 ベース部材の板状部 195 ケース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23