(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176253
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】射出成形装置および射出成形方法
(51)【国際特許分類】
B22D 17/20 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
B22D17/20 N
B22D17/20 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088434
(22)【出願日】2022-05-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】594143721
【氏名又は名称】アトラス化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】穂坂 昌之
(57)【要約】
【課題】低い温度で液体状となり、粘性が低い低融点の金属材料でも成形することが可能な射出成形装置および射出成形方法を提供する。
【解決手段】射出成形装置1は、ヒーター11により加熱されたシリンダ12内のスクリュー13の回転により錫を溶融してノズル14の方向へ移送するものである。この射出成形装置1は、ノズル14の温度を調整する温度調整器2と、ノズル14の温度を測定するセンサ3と、センサ3からの温度情報に基づいてノズル14の温度を錫の融点未満である第1ノズル温度または融点以上である第2ノズル温度とすることを温度調整器2を制御して行う制御装置4とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターにより加熱されたシリンダ内のスクリューの回転により金属材料を溶融してノズルの方向へ移送する射出成形装置であり、
前記ノズルの温度を調整する温度調整器と、前記ノズルの温度を測定するセンサと、前記センサからの温度情報に基づいて前記ノズルの温度を前記金属材料の融点未満である第1ノズル温度または融点以上である第2ノズル温度とすることを前記温度調整器を制御して行う制御装置とを備えた射出成形装置。
【請求項2】
前記制御装置は、射出前に前記ノズルを前記第1ノズル温度とし、射出時に前記ノズルを前記第2ノズル温度とし、射出後に前記ノズルを前記第1ノズル温度とする制御を行う請求項1記載の射出成形装置。
【請求項3】
前記温度調整器は、前記ノズルを加熱するヒーターと、前記ノズルを冷却する冷却装置とを備えた請求項1または2記載の射出成形装置。
【請求項4】
前記冷却装置は、エアブローにより形成された請求項3記載の射出成形装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記ノズルに前記金属材料が凝固しているときに、射出前で成形型に前記ノズルが接触した状態で、前記凝固した金属材料に対して、前記スクリューを前進させて、射出時の射出保圧より低い所定値に操作盤により設定された射出待機圧力を掛ける制御を行う請求項2記載の射出成形装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記ノズルの温度を前記第1ノズル温度から前記第2ノズル温度へ変更すると共に、前記射出待機圧力を掛ける前記スクリューが前進したことを検知したときに、前記スクリューを更に前進させて、前記射出待機圧力から前記射出保圧へ切り替える制御を行う請求項5記載の射出成形装置。
【請求項7】
前記シリンダは、上下方向に沿った状態または水平に対して傾斜した状態に配置された請求項1記載の射出成形装置。
【請求項8】
ヒーターにより加熱されたシリンダ内のスクリューの回転により金属材料を溶融してノズルの方向へ移送する射出成形装置の射出成形方法であり、
前記金属材料が溶融された溶融金属を前記ノズルから射出する前の待機状態のときに、制御装置が前記ノズルの温度を測定するセンサからの温度情報に基づいて温度調整器を制御して、前記ノズルの温度を前記金属材料の融点未満とする工程と、
前記制御装置が前記温度調整器を制御して、前記ノズルの温度を前記金属材料の融点以上として、前記ノズルから溶融金属を射出する工程とを含む射出成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低融点の金属材料を溶融させて成形する射出成形装置および射出成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出成形は、シリンダに樹脂製の原料や金属製の原料を供給してシリンダ内にて溶融し混練して金型に注入して硬化させることで成形が行われる。
例えば、低融点の金属を溶融させて射出成形する装置が特許文献1にて知られている。
【0003】
特許文献1に記載の金属材料の溶融射出成形方法および溶融射出装置は、水平に設置したプランジャ内装の射出装置と、射出装置の側部に先端側を下向きに傾斜させて並設したスクリュー内装の溶融供給装置とを備えている。この溶融射出装置は、スクリューの回転により、金属材料を液相線以上の温度に溶融混練し、傾斜を利用して脱気及び外気の侵入を防止しつつ溶融金属を先方へ移送して、射出装置のプランジャ前面に供給計量して、プランジャの前進により溶融金属を液相線以上の温度で射出する、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、溶融金属がスクリューに押し出され、溶融供給装置から射出装置の射出シリンダ内に流入して、プランジャを前進移動してノズルから金型に溶融金属を充填するときに、粘性が低く液体状になった溶融金属が漏れ出てしまうおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、低い温度で液体状となり、粘性が低い低融点の金属材料でも成形することが可能な射出成形装置および射出成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ヒーターにより加熱されたシリンダ内のスクリューの回転により金属材料を溶融してノズルの方向へ移送する射出成形装置であり、前記ノズルの温度を調整する温度調整器と、前記ノズルの温度を測定するセンサと、前記センサからの温度情報に基づいて前記ノズルの温度を前記金属材料の融点未満である第1ノズル温度または融点以上である第2ノズル温度とすることを前記温度調整器を制御して行う制御装置とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明は、ヒーターにより加熱されたシリンダ内のスクリューの回転により金属材料を溶融してノズルの方向へ移送する射出成形装置の射出成形方法であり、前記金属材料が溶融された溶融金属を前記ノズルから射出する前の待機状態のときに、制御装置が前記ノズルの温度を測定するセンサからの温度情報に基づいて温度調整器を制御して、前記ノズルの温度を前記金属材料の融点未満とする工程と、前記制御装置が前記温度調整器を制御して、前記ノズルの温度を前記金属材料の融点以上として、前記ノズルから溶融金属を射出する工程とを含むことを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、制御装置が、センサからの温度情報に基づいて、温度調整器を制御して、ノズルの温度を金属材料の融点未満である第1ノズル温度として、ノズルに位置する溶融金属を凝固させて栓としたり、ノズルの温度を融点以上である第2ノズル温度として、ノズルに位置する溶融金属を溶解させたりすることで、シリンダ内の溶融金属がノズルから漏れ出ることが防止したり、シリンダ内の溶融金属を射出したりすることができる。
【0010】
前記制御装置は、射出前に前記ノズルを前記第1ノズル温度とし、射出時に前記ノズルを前記第2ノズル温度とし、射出後に前記ノズルを前記第1ノズル温度とする制御を行うことができる。
そうすることで、射出前に、ノズルに位置する溶融金属を凝固させ、ノズルの栓とすることができ、射出するときに、ノズルに位置する凝固した金属材料を溶融させ、シリンダ内の溶融金属をノズルから射出することができる。
【0011】
前記温度調整器は、前記ノズルを加熱するヒーターと、前記ノズルを冷却する冷却装置とを備えたものとすることができる。そうすることで、ノズルを加熱したり、冷却したりすることができる。
【0012】
前記冷却装置は、エアブローにより形成されたものとすることができる。冷却装置をエアブローとすることで、エアブローをノズルから離間した位置に設置することができる。
【0013】
前記制御装置は、前記ノズルに前記金属材料が凝固しているときに、射出前で成形型に前記ノズルが接触した状態で、前記凝固した金属材料に対して、前記スクリューを前進させて、射出時の射出保圧より低い所定値に操作盤により設定された射出待機圧力を掛ける制御を行うものとすることができる。ノズルに金属材料が凝固しているときに、凝固した金属材料に対して、制御装置が、スクリューを前進させて、射出時の射出保圧より低い所定値に操作盤により設定された射出待機圧力を掛けることで、ノズルにおける先端密度を安定させることができる。
【0014】
前記制御装置は、前記ノズルの温度を前記第1ノズル温度から前記第2ノズル温度へ変更すると共に、前記射出待機圧力を掛ける前記スクリューが前進したことを検知したときに、前記スクリューを更に前進させて、前記射出待機圧力から前記射出保圧へ切り替える制御を行うことができる。制御装置は、ノズルの温度を第1ノズル温度から第2ノズル温度へ変更することで凝固した金属材料が溶融する。そうすることで、射出待機圧力を掛けるスクリューが前進する。従って、制御装置が、このスクリューの前進を検知することで、金属材料が溶融したことを検知することができるので、待機状態である射出待機圧力から、射出時の射出保圧へ切り替えることができる。
【0015】
前記シリンダは、上下方向に沿った状態または水平に対して傾斜した状態に配置されたものとすることができる。上下方向に沿った状態または水平に対して傾斜した状態にシリンダが配置されていることで、溶融した金属材料が下方へ流れるので、シリンダから溶融金属をしっかりと射出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、シリンダ内の溶融金属がノズルから漏れ出ることを防止したり、シリンダ内の溶融金属を射出したりすることができるので、低い温度で液体状となり、粘性が低い低融点の金属材料でも成形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態に係る射出成形装置の構成を説明するための図である。
【
図2】
図1に示す射出成形装置のノズルの状態を説明するための図であり、(A)はノズルに位置する溶融金属が凝固することを示す図、(B)はノズルの先端が成形型に接触した状態の図、(C)は射出動作開始した状態の図、(D)はノズル内の錫が再び凝固した状態の図である。
【
図3】
図1に示す射出成形装置の射出成形方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る射出成形装置を図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る射出成形装置は、低融点金属の一例である錫を金属材料にとして成形品を製造するものである。
【0019】
図1に示す射出成形装置1は、粒状の金属材料である錫のペレットPを、ヒーター11により加熱されたシリンダ12内のスクリュー13の回転により溶融混練してノズル14の方向へ移送して、成形型Mへ射出するものである。
シリンダ12は、上下方向に延びるように設置された縦型である。
【0020】
図1に示す射出成形装置1は、ノズル14の温度を錫の融点未満または融点以上とする温度調整器2と、ノズル14の温度を測定するセンサ3と、センサ3からの温度情報に基づいて温度調整器2を制御する制御装置4とを備えている。
また、ヒーター11にもシリンダ12の温度を測定するセンサ5が設置され、制御装置4に接続され、ヒーター11は制御装置4により温度制御される(なお、
図1では、シリンダ12の左側におけるヒーター11に設置されたセンサ5から制御装置4への配線は省略している。)。
スクリュー13の回転、進退制御も、制御装置4により制御される。
更に、制御装置4には、ノズル14内部の溶融金属の圧力を測定するセンサが接続されている。
【0021】
温度調整器2は、ノズル14を加熱するヒーター21と、ノズル14を冷却する冷却装置として圧縮エアをノズル14に向かって送風するブロー22とを備えている。
【0022】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る射出成形装置1の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。
まず、制御装置4の操作盤(図示せず)を操作して設定を行う。
操作盤では、シリンダ温度設定、ノズル温度設定、射出待機圧力設定、射出保圧設定、射出移行量設定、計量設定などが設定できる。
【0023】
シリンダ温度設定は、ヒーター11によるシリンダ12の温度設定である。例えば、250℃~260℃等とすることができる。
ノズル温度設定は、ヒーター21によるノズル14の温度設定である。例えば、ノズル14の待機温度である第1ノズル温度を、錫の融点は223℃であるため220℃とすることができる。また、射出する際の昇温温度である第2ノズル温度を300℃とすることができる。
【0024】
射出待機圧力設定は、射出待機状態時の溶融金属に掛ける圧力設定である。射出保圧設定は、射出時の溶融金属に掛ける圧力設定である。射出移行量設定は、ノズル14の金属が溶融してスクリュー13が前進する際の前進量の設定である。計量設定は、次の成形にて使用される錫(金属材料)の量である。
【0025】
以上のような設定が完了した状態で射出成形装置1は運転される。射出成形装置1は制御装置4により制御される。
【0026】
射出成形装置1の運転が開始されると、成形型の上型M2を下降させて下型M1と型締めされる。このとき、制御装置4は、センサ3が測定した温度情報に基づいて、ノズル14のヒーター21を制御して、第1ノズル温度として融点未満とする(
図3のステップS10参照)。そうすることで、
図2(A)に示すように、シリンダ12では溶融した錫T1がノズル14に位置することで錫T2が凝固する。そのため、錫T2はノズル14の栓として機能する。
従って、ノズル14内の錫T2が凝固しているので、ノズル14が成形型Mから離間した状態でも、シリンダ12内で溶融している錫T1がノズル14から漏れ出ることを防止することができる。
【0027】
次に、ノズル14(シリンダ12)を前進させる(ステップS20参照)。
図2(B)に示すように、ノズル14を前進させることで、ノズル14の先端が成形型Mに接触する(ステップS30参照)。以下、これをノズルタッチと称す。
ノズル14の先端が成形型Mに接触したことを制御装置4が検知すると、
図1に示すスクリュー13を回転させて前進させる(ステップS40参照)。
【0028】
次に、スクリュー13の前進により射出待機圧力設定にて設定された、射出保圧より低い射出待機圧力に達することを制御装置4が検知すると、スクリュー13の前進を停止させる(ステップS50参照)。例えば、射出保圧は100MPaとすることができ、射出待機圧力を5MPaとすることができる。
このように、制御装置4が、射出時の射出保圧より低い所定値に操作盤により設定された射出待機圧力をノズル14に加えることで、ノズル14における先端密度を安定させることができる。なお、射出待機圧力は、射出成形装置の構造、環境などにより変わるため、好適な値を操作盤により設定することができる。
【0029】
そして、制御装置4は、ノズル14に射出待機圧力を掛けることを保持しながら(ステップS60参照)、ノズル14の温度をヒーター21により加熱しながら、センサ3により温度を測定して、温度情報に基づいて、融点以上とする第2ノズル温度に上昇させる(ステップS70参照)。
【0030】
ノズル14の温度が第2ノズル温度に上昇して、ノズル14で凝固した錫T2が溶融して液状化することで、射出待機圧力が掛かったスクリュー13が、溶融した錫の分、わずかに前進する。この前進を制御装置4が検知することで、ノズル14の錫T2が溶融したことを検知することができる(ステップS80参照)。従って、待機状態である射出待機圧力から、射出時の射出保圧へ切り替えることができる。
【0031】
そこで、制御装置4は、スクリュー13を更に回転させることで前進させて、射出待機圧力から射出保圧設定にて設定された射出保圧にて、
図2(C)に示すように、射出動作を開始する(ステップS90参照)。射出動作が開始されることで、ノズル14から錫Tが成形型Mへ充填される。
【0032】
制御装置4が射出動作の完了(射出保圧完了(ステップS100参照))を検知すると、ノズル14の温度制御を、第2ノズル温度から第1ノズル温度へ変更する(ステップS110参照)と共に、ブロー22(
図1参照)を制御して、圧縮エアをノズル14に向かって送風する(ステップS120参照)。そうすることで、
図2(D)に示すようにノズル14内の錫T2が再び凝固して栓となる。
【0033】
制御装置4が、センサ3によりノズル14の温度が、第1ノズル温度への下降完了を検知すると(ステップS130参照)、計量設定にてスクリュー13を回転させる(ステップS140参照)。ノズル14が成形型Mから離間して、ノズルタッチした状態が解除されても、ノズル14内の錫が凝固しているためシリンダ12内で溶融している錫がノズル14から漏れ出ることが防止できる。
【0034】
制御装置4が計量完了を検知すると(ステップS150参照)、シリンダ12を後退させることで、ノズル14を後退させる(ステップS160参照)。射出成形が完了したことにより、成形型Mを型開きすることで、錫製の製品を取り出すことができる。
【0035】
以上のように、本実施の形態に係る射出成形装置1によれば、射出前と射出後にノズル14内の錫を凝固させた状態としたり、凝固した錫を溶解させて、シリンダ内の溶融金属を射出したりすることができる。従って、射出成形装置1は、ノズル14から溶融状態の錫が漏れ出ることが防止できるので、低い温度で液体状となり、粘性が低い低融点の錫でも成形することが可能である。
【0036】
なお、上記説明では、1回の射出動作(ショット)にてノズル14を後退させているが、複数回のショットが可能であれば、制御装置4は、全部の成形品の成形が完了した後にノズル14を後退させることができる。
【0037】
本実施の形態では、シリンダ12を上下方向に沿った状態の縦型としたが、水平に対して傾斜した状態に配置したものとすることができる。シリンダが水平な状態の横型であれば、金属材料を溶融させるとシリンダ内の上半分が空洞になり、スクリューを回転させても、溶融金属をノズルの方向へ進行させ難くなる。上下方向に沿った状態または水平に対して傾斜した状態にシリンダが配置されていることで、溶融した金属材料が下方へ流れるので、シリンダから溶融金属をしっかりと射出することができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、圧縮エアを噴射するブローを、ノズル14を冷却する冷却装置としているが、例えば、ノズル14の周囲にウィータージャケットを設置して、水冷により冷却するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、成形型の上型M2を下降させて下型M1と型締めしていたが、反対に、下型を上昇させて上型と型締めするように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、錫(融点231.97℃)とする以外に、鉛(融点327.5℃)、カドミウム(融点321.03℃)、インジウム(融点156.61℃)、ビスマス(融点271.4℃)、アンチモン(融点630.74℃)などの金属や、易融合金を、低融点の金属材料として、成形品を製造する際に好適である。
【符号の説明】
【0040】
1 射出成形装置
11 ヒーター
12 シリンダ
13 スクリュー
14 ノズル
2 温度調整器
21 ヒーター
22 ブロー
3 センサ
4 制御装置
5 センサ
M 成形型
M1 下型
M2 上型
P ペレット
T,T1,T2 錫
【手続補正書】
【提出日】2023-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターにより加熱されたシリンダ内のスクリューの回転により錫を溶融してノズルの方向へ移送する射出成形装置であって、前記シリンダが上下方向に沿った状態で設置された射出成型装置であり、
前記ノズルの温度を調整する温度調整器と、前記ノズルの温度を測定するセンサと、前記センサからの温度情報に基づいて前記ノズルの温度を前記錫の融点未満である第1ノズル温度または融点以上である第2ノズル温度とすることを前記温度調整器を制御して行う制御装置とを備え、
前記制御装置は、射出前に前記ノズルを前記第1ノズル温度とし、射出時に前記ノズルを前記第2ノズル温度とし、射出後に前記ノズルを前記第1ノズル温度とする制御を行い、
また、前記ノズル内の前記錫が凝固しているときに、射出前で成形型に前記ノズルが接触した状態で、凝固した前記錫に対して、前記スクリューを前進させて、射出時の射出保圧より低い所定値に操作盤により設定された射出待機圧力を掛け、前記ノズルの温度を前記第1ノズル温度から前記第2ノズル温度へ変更すると共に、前記射出待機圧力を掛ける前記スクリューが前進したことを検知したときに、前記スクリューを更に前進させて、前記射出待機圧力から前記射出保圧へ切り替える制御を行う射出成形装置。
【請求項2】
前記温度調整器は、前記ノズルを加熱するヒーターと、前記ノズルを冷却する冷却装置とを備えた請求項1に記載の射出成形装置。
【請求項3】
前記冷却装置は、エアブローにより形成された請求項1または2に記載の射出成形装置。
【請求項4】
ヒーターにより加熱されたシリンダ内のスクリューの回転により錫を溶融してノズルの方向へ移送する射出成形装置であって、前記シリンダが上下方向に沿った状態で設置された射出成型装置の射出成形方法であり、
溶融された前記錫を前記ノズルから射出する前の待機状態のときに、制御装置が前記ノズルの温度を測定するセンサからの温度情報に基づいて温度調整器を制御して、前記ノズルの温度を前記錫の融点未満である第1ノズル温度とする工程と、
前記制御装置が前記温度調整器を制御して、前記ノズルの温度を前記錫の融点以上である第2ノズル温度として、前記ノズルから前記錫を射出する工程と、
前記制御装置が、前記ノズル内の前記錫が凝固しているときに、射出前で成形型に前記ノズルが接触した状態で、凝固した前記錫に対して、前記スクリューを前進させて、射出時の射出保圧より低い所定値に操作盤により設定された射出待機圧力を掛け、前記ノズルの温度を前記第1ノズル温度から前記第2ノズル温度へ変更すると共に、前記射出待機圧力を掛ける前記スクリューが前進したことを検知したときに、前記スクリューを更に前進させて、前記射出待機圧力から前記射出保圧へ切り替える制御を行う工程とを含む射出成形方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記冷却装置は、エアブローにより形成された請求項2に記載の射出成形装置。