(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176291
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088498
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩下 絵里
(72)【発明者】
【氏名】山根 拓也
(72)【発明者】
【氏名】清水 保章
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅人
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605AA08
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB14
5H605CC01
5H605CC06
5H605EC01
5H605EC04
5H605EC20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】部品点数を減らして製造コストを低減可能なモータを提供する。
【解決手段】ロータ20と、ステータと、ステータ収容部141と、絶縁部材300と、回路基板と、を備える。ロータ20は、中心軸Cを中心として回転する。ステータは、ロータ20の径方向に対向して配置される。ステータ収容部141は、ステータを収容し、軸方向一方側の端面に開口部を有して筒状である。絶縁部材300は、ステータの軸方向一方側の端面を覆う。回路基板は、ステータ収容部141の外部に配置されるとともに、導線33aを介してステータと電気的に接続されてロータ20の駆動を制御する。絶縁部材300は、案内部を有する。案内部は、導線33aを回路基板へ案内する。導線33aは、案内部に案内されて回路基板に直接接続されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心として回転するロータと、
前記ロータの径方向に対向して配置されるステータと、
前記ステータを収容し、軸方向一方側の端面に開口部を有する筒状のステータ収容部と、
前記ステータの軸方向一方側の端面を覆う絶縁部材と、
前記ステータ収容部の外部に配置されるとともに、導線を介して前記ステータと電気的に接続されて前記ロータの駆動を制御する回路基板と、を備え、
前記絶縁部材は、
前記導線を前記回路基板へ案内する案内部を有し、
前記導線は、前記案内部に案内されて前記回路基板に直接接続されている、モータ。
【請求項2】
前記絶縁部材は、
前記ステータの軸方向一方側の端面と軸方向に対向する環状の環状部をさらに有し、
前記環状部は、
軸方向に貫通して前記導線が挿通する貫通孔が形成されている、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記貫通孔の一部は、前記環状部の外周縁まで延びて径方向外端が開放されている、請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記環状部は、軸方向一方側の端面から突出し、前記貫通孔の少なくとも一部を囲む案内壁部を有し、
前記案内壁部は、前記案内部を構成している、請求項2又は請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記絶縁部材は、
前記貫通孔の径方向外側に配置されるとともに、径方向外側に延びる溝部を有し、
前記溝部は、前記案内部を構成している、請求項2又は請求項3に記載のモータ。
【請求項6】
前記案内部は、複数の前記導線をそれぞれ独立して案内する、請求項1~請求項3のいずれかに記載のモータ。
【請求項7】
前記ステータ収容部は、軸方向一方側の端部において、軸方向一方側の端面から軸方向他方側に切り欠かれた切欠凹部を有し、
前記絶縁部材は、
前記環状部の外周部から軸方向他方側に延びて前記ステータ収容部の内部に配置される筒状の周壁部と、
前記周壁部の外周面から径方向外側に突出するとともに、前記切欠凹部を介して前記ステータ収容部の外側に延びる絶縁突出部と、を有する、請求項2に記載のモータ。
【請求項8】
前記ステータは、
前記中心軸を囲む筒状のコアバックと、前記コアバックから径方向内側に突出して周方向に複数配置されるティースと、を有するステータコアと、
前記コアバックと前記ティースとを覆うインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記ティースの周囲に前記導線が巻かれて形成されたコイルと、を有し、
前記周壁部の軸方向他方側の端部の径方向内端は、前記コアバックの径方向外端よりも径方向内側に位置する、請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
前記インシュレータは、前記ステータコアの軸方向一方側の端面を覆う平壁部を有し、
前記平壁部の径方向外端は、前記コアバックの径方向外端よりも径方向内側に位置し、
前記周壁部の軸方向他方側の端は、前記平壁部の径方向外側において、前記コアバックの軸方向一方側の端面と接触する、請求項8に記載のモータ。
【請求項10】
前記回路基板を保持して前記絶縁部材に固定される板状の基板固定部をさらに備え、
前記基板固定部は、
軸方向一方側の端面が軸方向他方側に凹んで形成されるとともに、前記絶縁突出部が内部に配置される固定凹部を有する、請求項7に記載のモータ。
【請求項11】
前記基板固定部は、
前記固定凹部に隣接して配置されるとともに、径方向外面から径方向外側に突出する係合凸部を有し、
前記絶縁部材は、
前記絶縁突出部の軸方向他方側の端面から軸方向他方側に延びて前記固定凹部の内部に配置される絶縁連結部を有し、
絶縁連結部は、
軸方向他方側の端部に配置され、前記係合凸部と係合する係合凹部を有する、請求項10に記載のモータ。
【請求項12】
前記ステータは、軸方向一方側の端面から軸方向一方側に突出して周方向に複数配置されるステータ凸部を有し、
前記絶縁部材は、
前記環状部の外周部から軸方向他方側に突出するとともに、周方向に隣り合う前記ステータ凸部の間に嵌まる絶縁凸部を有する、請求項2又は請求項3に記載のモータ。
【請求項13】
前記絶縁部材の軸方向一方側に配置され、前記開口部を覆う蓋部をさらに備える、請求項1~請求項3のいずれかに記載のモータ。
【請求項14】
前記導線と前記蓋部との間に絶縁テープが配置されている、請求項13に記載のモータ。
【請求項15】
前記回路基板は、前記蓋部に固定されている、請求項13に記載のモータ。
【請求項16】
前記絶縁部材の軸方向一方側に配置され、前記開口部を覆う蓋部をさらに備え、
前記蓋部は、外周縁から径方向内側に凹む蓋凹部を有し、
前記絶縁部材は、前記環状部の外周部から軸方向一方側に突出する環状凸部を有し、
前記環状凸部は、前記蓋凹部に嵌る、請求項2又は請求項3に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータは、ロータと、ステータと、ケース(ステータ収容部)と、回路基板と、、を備える。ロータは、軸方向に延びるロータシャフトを有する。ステータは、ロータと径方向に対向する。ケースは、ステータを収容する。ステータから引き出された導線は、フレキシブルプリント基板を介して回路基板に接続される。回路基板は、ロータの回転を制御する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のモータでは、フレキシブルプリント基板等の部品点数が増えて製造コストが増加する可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、部品点数を減らして製造コストを低減可能なモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータは、ロータと、ステータと、ステータ収容部と、絶縁部材と、回路基板と、を備える。ロータは、中心軸を中心として回転する。ステータは、ロータの径方向に対向して配置される。ステータ収容部は、ステータを収容し、軸方向一方側の端面に開口部を有して筒状である。絶縁部材は、ステータの軸方向一方側の端面を覆う。回路基板は、ステータ収容部の外部に配置されるとともに、導線を介してステータと電気的に接続されてロータの駆動を制御する。絶縁部材は、案内部を有する。案内部は、導線を回路基板へ案内する。導線は、案内部に案内されて回路基板に直接接続されている。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、部品点数を減らして製造コストを低減可能なモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係るモータの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係るモータの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係るモータの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係るモータの縦断面斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係るモータのステータの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係るモータの絶縁部材の斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施形態に係るモータの絶縁部材の斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1実施形態に係るモータの一部を拡大して示す分解斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態に係るモータの一部を拡大して示す分解斜視図である。
【
図10】
図10は、本発明の第2実施形態に係るモータの斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の第2実施形態に係るモータの斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の第2実施形態に係るモータの斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の第2実施形態に係るモータの斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の第2実施形態に係るモータの縦断面斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の第2実施形態に係るモータの分解斜視図である。
【
図16】
図16は、本発明の第2実施形態に係るモータの絶縁部材の上面図である。
【
図17】
図17は、本発明の第2実施形態に係るモータの絶縁部材の斜視図である。
【
図18】
図18は、本発明の第2実施形態に係るモータのステータの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、
図1に示すモータ100の中心軸Cの延びる方向を単に「軸方向」と呼び、モータ100の中心軸Cを中心とする径方向及び周方向を単に「径方向」及び「周方向」と呼ぶ。また、軸方向に平行な断面を「縦断面」と呼ぶ。また、「平行」は、厳密な意味で平行を表すものではなく、略平行を含む。
【0010】
また、説明の便宜上、軸方向を上下方向とし、
図1における上下方向をモータ100の上下方向として各部の形状及び位置関係を説明する。例えば、軸方向一方側を軸方向上側、または上側とする。軸方向他方側を軸方向下側、または下側とする。また、軸方向一方端を上端とし、軸方向他方端を下端とする。また、軸方向一方側の端面を上端面とし、軸方向他方側の端面を下端面とする。なお、この上下方向の定義がモータ100の使用時の向き及び位置関係を限定するものではない。
【0011】
<第1実施形態>
<1.モータの構成>
本発明の例示的な実施形態のモータ100について説明する。
図1、
図2は、本発明の実施形態に係るモータ100の斜視図である。
図2において、蓋部142は図示しない。また、
図2において、導線33aを破線で示す。
図3は、モータ100の分解斜視図である。
図4は、モータ100の縦断斜視面図である。
【0012】
モータ100は、ロータ20と、ステータ30と、ステータ収容部141と、蓋部142と、絶縁部材300と、回路基板210と、を備えている。ステータ収容部141及び回路基板210は、絶縁部材300を介して連結されている。
【0013】
回路基板210は、ステータ収容部141の径方向外側に位置し、ロータ20の回転を制御する。回路基板210は、基板固定部220を介して絶縁部材300に固定され、径方向外側から基板蓋部230により覆われる。基板固定部220及び基板蓋部230の構造については後で詳細に説明する。
【0014】
回路基板210は、コネクタ部211を有し、コネクタ部211は、外部電源からの駆動電流を回路基板210に供給する。また、回路基板210は、後述する導線33aを介してステータ30と電気的に接続されている。
【0015】
<2.ステータ収容部の構成>
ステータ収容部141は、上端面(軸方向一方側の端面)に開口部141aを有し、有底筒状に形成されている。ステータ収容部141は、内部にロータ20と、ステータ30と、を収容する。ステータ収容部141は、底面から下側(軸方向他方側)Z2に突出する下軸受保持部141bを有する。下軸受保持部141bは、中心軸C上に配置され、筒状に形成されている。下軸受保持部141bには、下軸受152が、収容されて保持されている。
【0016】
また、ステータ収容部141は、切欠凹部141cを有する。切欠凹部141cは、テータ収容部141の上端部(軸方向一方側の端部)において、上端面(軸方向一方側の端面)から下側(軸方向他方側)Z2に切り欠かれて形成されている。
【0017】
<3.蓋部の構成>
蓋部142は、絶縁部材300の上側(軸方向一方側)Z1に配置され、ステータ収容部141の開口部141aを覆う。蓋部142は、円板状に形成され、ステータ収容部141の内部に圧入により固定されている。蓋部142により、ステータ収容部141の内部に配置された絶縁部材300が、軸方向に固定される。蓋部142は、上軸受保持部142bを有する。上軸受保持部142bは、中心軸C上に配置され、筒状に形成されている。上軸受保持部142bには、上軸受151が、収容されて保持されている。
【0018】
<4.ロータの構成>
ロータ20は、シャフト21と、ロータコア22と、ロータマグネット23と、を備える。シャフト21は、中心軸Cに沿って延びた回転軸を形成し、柱状に形成されている。シャフト21は、上軸受151と下軸受152とによって、軸周りに回転可能に支持されている。シャフト21の上端部は、上軸受保持部142bよりも上側(軸方向一方側)Z1に突出している。
【0019】
ロータコア22は、円筒状に形成され、内部にシャフト21が圧入により固定されている。ロータマグネット23は、ロータコア22の径方向外端部において、周方向に複数配列されている。ロータコア22及びロータマグネット23は、シャフト21と一体となって回転する。
【0020】
<5.ステータの構成>
図5は、ステータ30の斜視図であり、
図5において、コイル33は図示しない。ステータ30は、ロータ20の径方向外側に配置される。すなわち、ステータ30は、ロータ20と径方向に対向する。ステータ30は、筒状に形成され、ステータ30の内部にロータ20が配置される。ステータ30は、ステータコア31と、コイル33と、インシュレータ34と、を備える。
【0021】
ステータコア31は、電磁鋼板等の磁性体を軸方向に複数積層して形成される。ステータコア31は、分割コア3100を周方向に複数連結して形成される。例えば、本実施形態の分割コア3100の数は、12個である。分割コア3100は、一体に形成された分割コアバック3110及びティース3120を有する。
【0022】
分割コアバック3110は、円弧状に形成され、周方向に複数連結して中心軸Cを囲む筒状のコアバック3130を形成する。ステータコア31は、ステータ収容部141の内部に圧入され、分割コアバック3110が周方向に複数連結した状態で保持される。
【0023】
ティース3120は、各分割コアバック3110から径方向内側に延びる。ティース3120は、複数の分割コアバック3110を周方向に連結した状態において、周方向に複数等間隔に配置される。すなわち、ステータコア31は、中心軸Cを囲む筒状のコアバック3130と、コアバック3130から径方向内側に突出して周方向に複数配置されるティース3120と、を有する。
【0024】
インシュレータ34は、各分割コア3100に装着され、コアバック3130とティース3120とを覆う絶縁性の樹脂成形品である。インシュレータ34は、平壁部34a及び側壁部34bを有する。平壁部34aは、コアバック3130及びティース3120の上端面(軸方向一方側の端面)及び下端面(軸方向他方側の端面)を覆う。平壁部34aの径方向外端は、コアバック3130の径方向外端よりも径方向内側に位置する。側壁部34bは、ティース3120の両側面及びコアバック3130の内周面を覆う。
【0025】
コイル33は、ティース3120の周囲に導線33a(
図2参照)がインシュレータ34を介して巻き回されて形成されている。ステータコア31と導線33aとは、インシュレータ34を介して絶縁される。コイル33は、例えば、U相、V相、W相の順で周方向に配置されている。コイル33に駆動電流が供給されると、磁場が発生し、この磁場によってロータ20が回転する。
【0026】
<6.絶縁部材の構成>
図6及び
図7は、絶縁部材300の斜視図であり、
図6は、絶縁部材300を軸方向上側(軸方向一方側)Z1から見た状態を示し、
図7は、絶縁部材300を軸方向下側(軸方向他方側)Z2から見た状態を示す。絶縁部材300は、絶縁性の樹脂成形品であり、ステータ30の上端面(軸方向一方側の端面)を覆う。絶縁部材300は、環状部310と、周壁部320と、絶縁突出部330と、絶縁連結部340と、一対の絶縁支持部350と、を有する。
【0027】
環状部310は、中心軸Cを囲んで環状に形成され、中心軸Cに垂直に拡がる板状体である。環状部310は、ステータ30の上端面(軸方向一方側の端面)と軸方向に対向する。環状部310は、軸方向に貫通して導線33aが挿通する貫通孔311が形成されている。
【0028】
周壁部320は、環状部310の外周部から軸方向下側(軸方向他方側)に延びて筒状に形成される。周壁部320は、ステータ収容部141の内部に配置され、ステータ収容部141と径方向に対向する。
【0029】
絶縁部材300をステータ収容部141の内部に配置に配置した状態において、周壁部320の下端部(軸方向他方側の端部)の径方向内端は、コアバック3130の径方向外端よりも径方向内側に位置する。これにより、周壁部320の下端部(軸方向他方側の端部)が、ステータ30と接触し、絶縁部材300がステータ収容部141内において、安定して保持される。
【0030】
また、インシュレータ34の平壁部34aの径方向外端は、コアバック3130の径方向外端よりも径方向内側に位置しており(
図5参照)、周壁部320の下端(軸方向他方側の端)は、平壁部34aの径方向外側において、コアバック3130の上端面(軸方向一方側の端面)と接触する(
図4参照)。周壁部320の下端(軸方向他方側の端)が、コアバック3130と接触することで、絶縁部材300が、ステータ収容部141内において、ガタつくこと防止できる。
【0031】
絶縁突出部330は、周壁部320の外周面から径方向外側に突出するとともに、切欠凹部141cを介してステータ収容部141の外側に延びる。これにより、絶縁部材300は、ステータ収容部141に対する周方向の位置決めが容易になる。従って、モータ100の組立て作業性がより向上する。また、絶縁突出部330の下端面(軸方向他方側の端面)は、切欠凹部141cの底面に接触する。これにより、絶縁部材300が、ステータ収容部141内において、より安定して保持される。
【0032】
絶縁突出部330は、上端面(軸方向一方側の端面)上に溝部331が配置される。溝部331は、貫通孔311の径方向外側に配置されるとともに、径方向外側に延びる。
【0033】
溝部331は、周方向に並んで3箇所設けられている。U相、V相、W相のコイル33を構成する各導線33aの一端部は、各溝部331に沿って配置される(
図2参照)。これにより、貫通孔311を介して絶縁部材300の外側に引出された導線33aが、径方向外側に向かって回路基板210に案内される。このとき、貫通孔311は、各導線33aをそれぞれ独立して案内する。これにより、複数の導線33aを確実に回路基板210へ案内できる。
【0034】
径方向外側に案内された導線33aの一端部は、半田付けにより回路基板210に直接電気接続される。これにより、導線33aと回路基板210との間にコネクタ等の中間部材を省くことがでる。従って、部品点数を削減してモータ100の製造コストを低減できる。
【0035】
本実施形態において、溝部331が、案内部332を構成している(
図2参照)。すなわち、案内部332は、絶縁部材300の外側に引出された導線33aを回路基板210に案内している。
【0036】
また、貫通孔311上において、導線33aと蓋部142との間に絶縁テープを配置してもよい。これにより、導線33aと蓋部142との短絡を防止できる。
【0037】
絶縁連結部340は、絶縁突出部330の下端面(軸方向他方側の端面)から軸方向下側(軸方向他方側)Z2に延びる。絶縁連結部340は、連結係合部341と、連結溝部342と、を有する。連結係合部341は、絶縁連結部340の下端(軸方向他方側の端)から軸方向下側(軸方向他方側)Z2に突出し、径方向に貫通する係合凹部341aを有する。連結溝部342は、絶縁連結部340の両側面に配置され、軸方向に延びる。
【0038】
一対の絶縁支持部350は、絶縁連結部340の両側面からそれぞれ周方向に突出してステータ収容部141の外周面に接触する。これにより、絶縁部材300が、ステータ収容部141に対してより安定して保持される。
【0039】
<7.回路基板の固定構造>
図8、
図9は、モータ100の一部を拡大して示す分解斜視図であり、
図9は、回路基板210が基板固定部220に固定された状態を示す。基板固定部220は、矩形の板状に形成され、固定凹部221と、係合凸部222と、固定環状部223と、固定連結部224と、基板保持部225と、を有する。
【0040】
固定凹部221は、基板固定部220の上端面(軸方向一方側の端面)が軸方向下側(軸方向他方側)に凹んで形成される。
【0041】
係合凸部222は、固定凹部221の軸方向下側(軸方向他方側)Z2に隣接して配置される基板固定部220の径方向外面から径方向外側に突出する。
【0042】
固定凹部221の内周縁を連結溝部342に沿って摺動させることにより、基板固定部220と絶縁部材300とを容易に連結固定することができる。このとき、固定凹部221の内部に絶縁連結部340が配置される。これにより、基板固定部220を、絶縁部材300の径方向外側に配置できる。また、係合凸部222は、絶縁部材300の係合凹部341aと係合する。これにより、基板固定部220を、絶縁部材300に対して軸方向に固定できる。
【0043】
固定環状部223は、基板固定部220の径方向内面から径方向内側に突出し、軸方向に貫通する固定貫通孔223aを有する。固定貫通孔223aの内部には、下軸受保持部141bが配置される(
図4参照)。これにより、基板固定部220が、ステータ収容部に対して安定して固定される。
【0044】
固定連結部224は、基板固定部220の上端面(軸方向一方側の端面)及び下端面(軸方向他方側の端面)から径方向外側に突出し、軸方向に貫通する係合貫通孔224aを有する。本実施形態において、固定連結部224は、基板固定部220の上端面(軸方向一方側の端面)に2カ所、下端面(軸方向他方側の端面)に1カ所設けられている。
【0045】
基板保持部225は、基板固定部220の両側端面及び下端面(軸方向他方側の端面)から径方向外側に突出し、先端部に保持突起部225aを有する。本実施形態において、基板保持部225は、両側端面に1カ所ずつ、下端面(軸方向他方側の端面)に2カ所設けられている。
【0046】
基板固定部220と回路基板210とは、保持突起部225aを回路基板210の周縁部に形成された基板切欠部212に挿入することにより固定される。
【0047】
<8.基板蓋部と基板固定部との連結構造>
基板蓋部230は、蓋天面部231と蓋周壁部232とを有する。蓋天面部231は、矩形状の平面板であり、回路基板210を径方向外側から覆う。蓋周壁部232は、蓋天面部231の周縁から径方向内側に突出する。蓋周壁部232の外面には、係合凸部232aが形成されている。係合凸部232aを係合貫通孔224aに挿入することにより、係合凸部232aが、係合貫通孔224aの周囲と係合する。これにより、基板蓋部230が基板固定部220に固定される。
【0048】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態のモータ700について説明する。
図10~
図13は、モータ700の斜視図であり、
図12において、回路基板510及び保護板540を省き、導線433aを破線で示す。また、
図13において、蓋部442、回路基板510及び保護板540を省いている。
図14は、モータ700の縦断面斜視図である。
図15は、モータ700の分解斜視図である。
【0049】
第2実施形態では回路基板510が、蓋部442に直接固定される。これにより、部品点数を削減できる。
【0050】
モータ700は、ロータ420と、ステータ430と、ステータ収容部441と、蓋部442と、絶縁部材600と、回路基板510と、保護板540と、を備えている。
【0051】
回路基板510は、蓋部442の軸方向上側(軸方向一方側)Z1に位置し、ロータ420の回転を制御する。回路基板510は、コネクタ部511を有し、コネクタ部511は、外部電源からの駆動電流を回路基板510に供給する。本実施形態では、コネクタ部511は、回路基板510の下端面(軸方向他方側の端面)に配置されている。また、回路基板510は、後述する導線433aを介してステータ430と電気的に接続されている。
【0052】
回路基板510は、回路基板510の軸方向上側(軸方向一方側)Z1に配置される保護板540と蓋部442との間に挟まれて固定されている。保護板540を回路基板510の軸方向上側(軸方向一方側)Z1に配置することにより、モータ700の組立て時に、回路基板510の外面に工具等が接触して破損することを防止できる。なお。回路基板510の固定構造については後で詳細に説明する。
【0053】
<10.ステータ収容部の構成>
ステータ収容部441は、上端面(軸方向一方側の端面)に開口部441aを有し、有底筒状に形成されている。ステータ収容部441は、内部にロータ420と、ステータ430と、を収容する。ステータ収容部441は、底面から下側(軸方向他方側)Z2に突出する下軸受保持部441bを有する。下軸受保持部441bは、中心軸C上に配置され、筒状に形成されている。下軸受保持部441bには、下軸受452が、収容されて保持されている。
【0054】
<11.蓋部の構成>
蓋部442は、絶縁部材600の軸方向上側(軸方向一方側)Z1に配置され、ステータ収容部441の開口部441aを覆う。蓋部442は、円板状に形成され、ステータ収容部441の内部に圧入により固定されている。蓋部442により、ステータ収容部441の内部に配置された絶縁部材600が、軸方向に固定される。蓋部442は、支持片4421と、位置決め片4422と、蓋凹部4423と、蓋貫通孔442aと、上軸受保持部442bを有する。
【0055】
支持片4421及び位置決め片4422は、蓋部442の外周部において、上端面(軸方一端面)から軸方向上側(軸方向一方側)Z1に突出する。本実施形態では、支持片4421及び位置決め片4422は、2箇所ずつ設けられ、周方向に等間隔で交互に配置される。これにより、回路基板510を蓋部442に対し、安定して固定できる。
【0056】
支持片4421及び位置決め片4422の先端部は、径方向外側に屈曲し、回路基板510の下端面(軸方向他方側の端面)と接触している。これにより、回路基板510と蓋部442とは、隙間を介して軸方向に対向している。隙間を設けることにより、導線433aを蓋部442の外側に引出す際に、導線433aを引き回すスペースができて作業性が向上する。
【0057】
支持片4421の先端部は、軸方向に貫通する支持ネジ孔4421aが形成されてる。また、位置決め片4422は、先端部から軸方向上側(軸方向一方側)Z1に突出する突起部4422aを有する。
【0058】
蓋凹部4423は、蓋部442の外周縁から径方向内側に凹んで形成される。本実施形態では、蓋凹部4423は、支持片4421及び位置決め片4422の根元部において、径方向外側に隣接して配置される。
【0059】
蓋貫通孔442aは、軸方向に貫通し、後述する絶縁部材600の案内壁部670が挿通する。
【0060】
蓋部442をステータ収容部441の内部に圧入する際に、蓋貫通孔442aに案内壁部670を挿通する。このとき、絶縁部材600の環状凸部660が、蓋凹部4423に嵌る。これにより、蓋部442は、絶縁部材600に対する周方向の位置決めが容易になる。
【0061】
上軸受保持部442bは、中心軸C上に配置され、筒状に形成されている。上軸受保持部442bには、上軸受451が、収容されて保持される。
【0062】
<12.保護板の構成>
保護板540は、矩形の板状に形成され、固定片541と、屈曲片542と、保護凸部543と、を有する。固定片541及び屈曲片542は、保護板540の外周部において、下端面(軸方他端面)から軸方向下側(軸方向他方側)Z2に突出する。
【0063】
本実施形態では、固定片541及び屈曲片542は、保護板540の角部に2箇所ずつ設けられ、周方向に交互に配置される。すなわち、保護板540は、下端面(軸方向他方側の端面)から軸方向下側(軸方向他方側)Z2に突出するとともに、先端部が径方向に屈曲する屈曲片542を周方向に複数有する。
【0064】
固定片541及び屈曲片542を、保護板540の角部に中心軸Cを挟んで対向して配置することにより、保護板540を回路基板510に対し、より安定して固定できる。
【0065】
固定片541及び屈曲片542の先端部は、径方向外側に屈曲し、回路基板510の上端面(軸方向一方側の端面)と接触している。これにより、回路基板510と保護板540とは、隙間を介して軸方向に対向している。隙間を設けることにより、保護板540が回路基板510と接触して回路基板510が破損することをより防止できる。
【0066】
なお、保護板540と回路基板510との間には熱伝導部材を配置してもよい。これにより、回路基板510の熱を保護板540から効率よく放熱することができる。
【0067】
固定片541の先端部は、軸方向に貫通する固定孔541aが形成されてる。屈曲片542の先端部は、軸方向に貫通する屈曲貫通孔542aが形成されてる。
【0068】
また、固定片541又は屈曲片542と回路基板510とを電気的に接続することにより、回路基板510のグランドを固定片541又は屈曲片542を介してとることができる。
【0069】
保護凸部543は、保護板540の外周部から軸方向下側(軸方向他方側)Z2に突出する。本実施形態では、保護凸部543は、1箇所設けられている(
図11参照)。
【0070】
<13.絶縁部材の構成>
図16及び
図17は、絶縁部材600の上面図及び斜視図である。絶縁部材600は、ステータ430の上端面(軸方向一方側の端面)を覆い、環状部610と、環状凸部660と、案内壁部670と、絶縁凸部680と、を有する。
【0071】
環状部610は、中心軸Cを囲んで環状に形成され、中心軸Cに垂直に拡がる板状体である。環状部610は、ステータ430の上端面(軸方向一方側の端面)と軸方向に対向する。環状部610は、軸方向に貫通して導線433aが挿通する貫通孔611が形成されている。本実施形態では、貫通孔611が周方向に3個並んで配置されている。U相、V相、W相のコイル433を構成する導線433aは、各貫通孔611に挿通される。
【0072】
案内壁部670は、環状部610の上端面(軸方向一方側の端面)から突出し、貫通孔611の少なくとも一部を囲む。本実施形態では、案内壁部670は、各貫通孔611を囲んでいる。これにより、貫通孔611を介して絶縁部材600の外側に引出された各導線433aが、案内壁部670に沿って軸方向上側(軸方向一方側)Z1に向かって延びる(
図12参照。)このとき、案内壁部670は、各導線33aをそれぞれ独立して案内する。これにより、複数の導線433aを確実に回路基板510へ案内できる。
【0073】
軸方向上側(軸方向一方側)Z1に案内された各導線433aの一端部は、半田付けにより回路基板510に直接電気接続される。これにより、導線433aと回路基板510との間にコネクタ等の中間部材を省くことがでる。従って、部品点数を削減して製造コストを低減できるモータ700を提供できる。
【0074】
本実施形態において、案内壁部670が、案内部632を構成している(
図12参照)。すなわち、案内部632は、絶縁部材600の外側に引出された導線33aを回路基板510に案内している。
【0075】
また、本実施形態では、各貫通孔611は、環状部610の外周縁まで延びて径方向外端が開放されている。これにより、導線433aを開放された径方向外端から貫通孔611に容易に挿通することができ、モータ700の組立て作業性がより向上する。
【0076】
また、環状部610は、溝部631を有する。溝部631は、各貫通孔611の径方向外端から径方向外側に延びる。貫通孔611から引き出された導線433aを回路基板510に接続する際に、導線433aを溝部631に沿って径方向外側に屈曲させることができる。これにより、回路基板510を蓋部442に固定する際に導線433aの取り回しが容易になる。これにより、モータ700の組立て作業性がより向上する。
【0077】
環状凸部660は、環状部310の外周部から軸方向上側(軸方向一方側)Z1に突出して蓋部442の蓋凹部4423に嵌る。本実施形態では、環状凸部660は、周方向に等間隔で4箇所に配置される。これにより、蓋部442は、絶縁部材600に対する周方向の位置決めが容易になる。従って、モータ700の組立て作業性がより向上する。
【0078】
絶縁凸部680は、環状部610の外周部から軸方向下側(軸方向他方側)Z2に突出する。絶縁凸部680は、絶縁部材300をステータ収容部441の内部に配置に配置した状態において、周方向に隣り合う後述の凸壁部(ステータ凸部)434cの間に嵌まる。これにより、絶縁部材600は、ステータ収容部441に対する周方向の位置決めが容易になる。従って、モータ700の組立て作業性がより向上する。
【0079】
<12.回路基板の構成>
回路基板510は、基板凹部512と、基板切欠部513と、基板孔514と、基板位置決め孔515と、を有する。基板凹部512は、回路基板510の外周縁から径方向内側に凹み、保護板540の保護凸部543が嵌る。これにより、保護板540は、回路基板510に対する周方向の位置決めが容易になり、モータ700の組立て作業性がより向上する。
【0080】
基板切欠部513は、回路基板510の外周縁から径方向内側に凹み、コネクタ部511と軸方向に対向する。これにより、コネクタ部511が基板切欠部513を介して回路基板510から軸方向に露出する。従って、コネクタ部511と外部電源との接続において接触不良等がないかを基板切欠部513を介して容易に確認できる。
【0081】
基板孔514及び基板位置決め孔515は、回路基板510を軸方向に貫通し、角部に配置される。
【0082】
回路基板510を蓋部442に固定する際に、蓋部442の軸方向上側(軸方向一方側)Z1に回路基板510を配置し、突起部4422aを基板位置決め孔515に挿通させる。突起部4422a及び基板位置決め孔515は周方向に2箇所ずつ設けられており、回路基板510は、蓋部442に対する周方向の位置決めが容易になる。従って、支持ネジ孔4421a及び基板孔514を軸方向に容易に重ねることができる。
【0083】
このとき、突起部4422aは、回路基板510の外周部に配置されるとともに、回路基板510の上端面(軸方向一方側の端面)から突出する。これにより、突起部4422aを屈曲貫通孔542aに挿通させることにより、保護板540は、回路基板510に対する周方向の位置決めが容易になる。従って、支持ネジ孔4421a、基板孔514及び固定孔541aを軸方向に容易に重ねることができる。
【0084】
なお、本実施形態では、突起部4422aは、回路基板510とは別部材であるが、突起部4422aを回路基板510と一体に形成しても同様の効果が得られる。
【0085】
支持ネジ孔4421a、基板孔514及び固定孔541aは、ネジ550を介してネジ止めされる。これにより、固定片541を介して回路基板510と保護板540とを電気的に容易に接続される。
【0086】
なお、本実施形態では、ネジ止めして回路基板510と保護板540とを固定したが、ネジ止め以外の方法で回路基板510と保護板540とを固定してもよい。例えば、屈曲片542の先端部を径方向外側から径方向他方側に屈曲させ、回路基板510の外周縁に係止してもよい。これにより、部品点数をより削減してモータ700の製造コストをより低減できる。
【0087】
<13.ロータの構成>
ロータ420は、シャフト421と、ロータコア422と、ロータマグネット423と、を備える。シャフト421は、中心軸Cに沿って延びた回転軸を形成し、柱状に形成されている。シャフト421は、上軸受451と下軸受452とによって、軸周りに回転可能に支持されている。シャフト421の下端部は、下軸受保持部441bよりも軸方向下側(軸方向他方側)Z2に突出している。
【0088】
ロータコア422は、円筒状に形成され、内部にシャフト421が圧入により固定されている。ロータマグネット423は、ロータコア422の径方向外端部において、周方向に複数配列されている。ロータコア422及びロータマグネット423は、シャフト421と一体となって回転する。
【0089】
<14.ステータの構成>
図18は、ステータ430の分解斜視図であり、
図18においてコイル433を省いている。ステータ430は、ロータ420の径方向外側に配置される。すなわち、ステータ430は、ロータ420と径方向に対向する。ステータ430は、筒状に形成され、ステータ430の内部にロータ420が配置される。ステータ430は、ステータコア431と、コイル433と、インシュレータ434と、を備える。
【0090】
ステータコア431は、電磁鋼板等の磁性体を軸方向に複数積層して形成される。ステータコア431は、分割コア4310を周方向に複数連結して形成される。例えば、本実施形態の分割コア4310の数は、12個である。分割コア4310は、一体に形成された分割コアバック4311及びティース4312を有する。
【0091】
分割コアバック4311は、円弧状に形成され、周方向に複数連結して中心軸Cを囲む筒状のコアバック4313を形成する。ステータコア431は、ステータ収容部441の内部に圧入され、分割コアバック4311が周方向に複数連結した状態で保持される。
【0092】
ティース4312は、各分割コアバック4311から径方向内側に延びる。ティース4312は、複数の分割コアバック4311を周方向に連結した状態において、周方向に複数等間隔に配置される。すなわち、ステータコア431は、中心軸Cを囲む筒状のコアバック4313と、コアバック4313から径方向内側に突出して周方向に複数配置されるティース4312と、を有する。
【0093】
インシュレータ434は、各分割コア4310に装着され、コアバック4313とティース4312とを覆う絶縁性の樹脂成形品である。インシュレータ434は、平壁部434aと、側壁部434bと、凸壁部(ステータ凸部)434cと、を有する。
【0094】
平壁部434aは、コアバック4313及びティース4312の上端面(軸方向一方側の端面)及び下端面(軸方向他方側の端面)を覆う。平壁部434aの径方向外端は、コアバック4313の径方向外端よりも径方向内側に位置する。
【0095】
側壁部434bは、ティース4312の両側面及びコアバック4313の内周面を覆う。凸壁部434cは、分割コアバック4311と軸方向に対向する位置において、平壁部434aの上端面(軸方向一方側の端面)から軸方向上側(軸方向一方側)に突出する。すなわち、ステータ430は、ステータ430の上端面(軸方向一方側の端面)から軸方向一方側に突出して周方向に複数配置される凸壁部(ステータ凸部)434cを有する。
【0096】
コイル433は、ティース4312の周囲に導線433aがインシュレータ434を介して巻き回されて形成されている。ステータコア431と導線433aとは、インシュレータ434を介して絶縁される。コイル433は、例えば、U相、V相、W相の順で周方向に配置されており、同一相のコイルは周方向に隣接しない。コイル433に駆動電流が供給されると、磁場が発生し、この磁場によってロータ420が回転する。
【0097】
<15.その他>
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態は適宜任意に組み合わせることができる。例えば、第2実施形態において、屈曲片542に先端部から軸方向下側(軸方向他方側)Z1に突出する突起部を設け、位置決め片4222に当該突起部が挿通される貫通孔を設けてもよい。
【0098】
また、第1実施形態及び第2実施形態において、ステータ30、430は、ロータ20、420と径方向外側に対向して配置されるが、ステータ30、430は、ロータ20、4と径方向内側に対向して配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明のモータは、例えば、送風機等に利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
100、700 モータ
20、420 ロータ
21、421 シャフト
22、422 ロータコア
23、423 ロータマグネット
30、430 ステータ
31、431 ステータコア
33、433 コイル
33a、433a 導線
34、434 インシュレータ
34a、434a 平壁部
34b、434b 側壁部
141、441 ステータ収容部
141a、441a 開口部
141b、441b 下軸受保持部
141c 切欠凹部
142、442 蓋部
142b、442b 上軸受保持部
151、451 上軸受
152、452 下軸受
210、510 回路基板
211、511 コネクタ部
212、513 基板切欠部
220 基板固定部
221 固定凹部
222 係合凸部
223 固定環状部
223a 固定貫通孔
224 固定連結部
224a 係合貫通孔
225 基板保持部
225a 保持突起部
230 基板蓋部
231 蓋天面部
232 蓋周壁部
232a 係合凸部
300、600 絶縁部材
310、610 環状部
311、611 貫通孔
320 周壁部
330 絶縁突出部
331、631 溝部
332、632 案内部
340 絶縁連結部
341 連結係合部
341a 係合凹部
342 連結溝部
350 絶縁支持部
434c 凸壁部
442a 蓋貫通孔
512 基板凹部
514 基板孔
515 基板位置決め孔
540 保護板
540 蓋部
541 固定片
541a 固定孔
542 屈曲片
542a 屈曲貫通孔
543 保護凸部
550 ネジ
660 環状凸部
670 案内壁部
680 絶縁凸部
3100、4310 分割コア
3110、4311 分割コアバック
3120、4312 ティース
3130、4313 コアバック
4421 支持片
4421a 支持ネジ孔
4422 位置決め片
4422a 突起部
4423 蓋凹部
C 中心軸