(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176310
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
G01F 3/22 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
G01F3/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088525
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000150109
【氏名又は名称】株式会社竹中製作所
(71)【出願人】
【識別番号】322003732
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真一
(72)【発明者】
【氏名】金澤 一弘
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 孝憲
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭治
(72)【発明者】
【氏名】村中 一郎
(72)【発明者】
【氏名】西口 一弘
(72)【発明者】
【氏名】松井 彰
(72)【発明者】
【氏名】石橋 卓也
(72)【発明者】
【氏名】酒向 正義
(72)【発明者】
【氏名】各務 亮
(72)【発明者】
【氏名】浅野 博昭
(72)【発明者】
【氏名】能登 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雄太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 薫
(72)【発明者】
【氏名】中村 政則
(72)【発明者】
【氏名】森井 良浩
(72)【発明者】
【氏名】中田 圭祐
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CA03
2F030CC13
2F030CE13
2F030CE17
2F030CF11
(57)【要約】
【課題】ガスメータを設置する施工業者が端子部に別機器の配線接続を行う際には、遮断ボタンカバー部を開くことなく、端子カバー部だけを取り外すことができ、需要者が遮断ボタン部を操作する際には、端子カバー部を開くことなく、遮断ボタン用ねじを取り外すことで遮断ボタンカバー部を開閉できるガスメータを提供する。
【解決手段】制御基板20には、表示部21と、端子部22と、遮断ボタン部23とを備え、前面カバー30は、前面カバー本体31と、端子カバー部32と、遮遮断ボタンカバー部33とを有し、端子カバー部32は、端子カバー用ねじ51の着脱によって、前面カバー本体31に対して着脱でき、遮断ボタンカバー部33は、遮断ボタン用ねじ52を取り外すことで前面カバー本体31に対して開閉でき、遮断ボタン用ねじ52を装着することで前面カバー本体31に対して開閉できない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流量計測部及びガス流路遮断機構を内部に有して鉄材で形成されるガスメータ本体と、
前記ガス流量計測部及び前記ガス流路遮断機構と配線接続される制御基板と、
前記ガスメータ本体に取り付けられて前記制御基板を覆う前面カバーと
を有するガスメータであって、
前記制御基板には、表示部と、外部の配線と接続される端子部と、手動でガス流路を遮断する遮断ボタン部とを備え、
前記前面カバーは、
前記端子部と前記遮断ボタン部とを除いて前記制御基板を覆う前面カバー本体と、
前記端子部を覆い前記前面カバー本体にねじ止めされる端子カバー部と、
前記遮断ボタン部を覆い前記前面カバー本体に開閉可能に取り付けられる遮断ボタンカバー部と
を有し、
前記端子カバー部は、端子カバー用ねじの着脱によって、前記前面カバー本体に対して着脱でき、
前記遮断ボタンカバー部は、遮断ボタン用ねじを取り外すことで前記前面カバー本体に対して開閉でき、前記遮断ボタン用ねじを装着することで前記前面カバー本体に対して開閉できない
ことを特徴とするガスメータ。
【請求項2】
前記制御基板には、
前記表示部の下方に前記端子部が配置され、
前記遮断ボタン部の一方に前記端子部が配置され、
前記前面カバー本体には、
前記端子部の一方に、前記端子カバー用ねじを取り付ける第1ねじ穴を配置し、
前記端子部の他方であって前記遮断ボタン部の下方に、前記端子カバー用ねじを取り付ける第2ねじ穴を配置し、
前記遮断ボタン部の他方に、前記遮断ボタン用ねじを取り付ける第3ねじ穴を配置し、
前記第3ねじ穴の側方に遮断ボタン部取付基台を配置し、
前記端子カバー部には、
前記第1ねじ穴に対応する第4ねじ穴と、前記第2ねじ穴に対応する第5ねじ穴とを有し、
前記遮断ボタンカバー部には、
前記第3ねじ穴に対応する第6ねじ穴と、
軸部によって回動するヒンジ部と、
前記ヒンジ部を取り付ける遮断ボタン部取付部と
を有し、
前記遮断ボタン部取付基台に前記遮断ボタン部取付部を取り付ける
ことを特徴とする請求項1に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記遮断ボタン部取付基台には第7ねじ穴を有し、
前記遮断ボタン部取付部には第8ねじ穴を有し、
前記第7ねじ穴と前記第8ねじ穴とに締結ねじを取り付けることで前記遮断ボタン部取付基台に前記遮断ボタン部取付部を取り付ける
ことを特徴とする請求項2に記載のガスメータ。
【請求項4】
前記遮断ボタン部取付基台には、位置決め用孔を有し、
前記遮断ボタン部取付部に形成した突起部を前記位置決め用孔に嵌め込む
ことを特徴とする請求項3に記載のガスメータ。
【請求項5】
前記前面カバー本体には、
前記端子部の上方及び側方に立設したリブを形成し、
前記端子カバー部の背面には、
前記リブに当接する位置にスポンジパッキンを設けた
ことを特徴とする請求項1に記載のガスメータ。
【請求項6】
前記リブの上面及び外面には溝を形成し、
前記端子カバー部の下面には、配線用開口を形成した
ことを特徴とする請求項5に記載のガスメータ。
【請求項7】
前記軸部を金属材とし、前記軸部以外の前記前面カバーを樹脂材とした
ことを特徴とする請求項2に記載のガスメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流量計測部及びガス流路遮断機構を内部に有するガスメータに関する。
【背景技術】
【0002】
工場などに設置されて用いられ、内部にガスを遮断させる遮断弁を有する大型膜式マイコンメーターは、安全機能の制御及び外部との通信を行う制御基板を搭載したコントローラーケース部と、膜の駆動により計測を行う本体と、機械式カウンターにて指針値を表示する表示部とから構成されている(例えば特許文献1)。
コントローラーケース部には、外部と通信を行うための端子線を収納するカバーが取付られており、ガスメータを設置する場合には、他機器と接続する必要があるため、施工業者がカバーを開けて配線作業を実施する。
コントローラーケース部には、手動遮断スイッチが設けられており、手動遮断スイッチを保護するスイッチカバーが取り付けられている。緊急時やガスの利用を長期間停止させる場合には、需要者が手動遮断スイッチを操作することでガスメータ内部の遮断弁を閉じ、ガス漏れなどの危険を防止する。
スイッチの保護及びイタズラ防止の観点から、通常時にはスイッチカバーはねじで固定されて開閉できず、操作を行う際にはねじを外し、スイッチカバーを開けることで手動遮断スイッチを押すことが可能になる。
このような大型膜式マイコンガスメーターを軽量かつ小型化するために、超音波式にする場合には、計測原理が電子式となるため、機械式カウンターを使用することは望ましくない。
そのため、制御基板に液晶表示部を設け、指針値を表示させる方法が用いられる(例えば特許文献2)。
制御基板に液晶表示を設ける場合には、視認性を確保するために、制御基板をガスメータの前面に配置することが求められる。また、制御基板の部品実装面を増やさないため、制御基板に実装される部品は液晶表示と同じ面に配置することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1088204号公報
【特許文献2】意匠登録第1537126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示部を設けた制御基板は、家庭用超音波式ガスメータで広く使用されているが、業務用超音波式ガスメータでは実用化されたことがなく、制御基板の一つの面に液晶表示、端子、及び手動遮断スイッチが実装されることはなかった。
制御基板の一つの面に液晶表示、端子、及び手動遮断スイッチを実装すると、限られた実装面の中に電子部品が集中し、過密状態となってしまう。
特に端子と手動遮断スイッチを近接した位置に実装しなければならず、端子及び手動遮断スイッチにはそれぞれにカバーを取り付ける必要があり、操作時以外においてはねじで固定されなければならない。
また、前述のように端子及び手動遮断スイッチの操作者が異なるため、それぞれのカバーは独立して開閉できなければならない。
【0005】
そこで本発明は、ガスメータを設置する施工業者が端子部に別機器の配線接続を行う際には、遮断ボタンカバー部を開くことなく、端子カバー部だけを取り外すことができ、需要者が遮断ボタン部を操作する際には、端子カバー部を開くことなく、遮断ボタン用ねじを取り外すことで遮断ボタンカバー部を開閉できるガスメータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明のガスメータ1は、ガス流量計測部及びガス流路遮断機構を内部に有して鉄材で形成されるガスメータ本体10と、前記ガス流量計測部及び前記ガス流路遮断機構と配線接続される制御基板20と、前記ガスメータ本体10に取り付けられて前記制御基板20を覆う前面カバー30とを有するガスメータ1であって、前記制御基板20には、表示部21と、外部の配線と接続される端子部22と、手動でガス流路を遮断する遮断ボタン部23とを備え、前記前面カバー30は、前記端子部22と前記遮断ボタン部23とを除いて前記制御基板20を覆う前面カバー本体31と、前記端子部22を覆い前記前面カバー本体31にねじ止めされる端子カバー部32と、前記遮断ボタン部23を覆い前記前面カバー本体31に開閉可能に取り付けられる遮断ボタンカバー部33とを有し、前記端子カバー部32は、端子カバー用ねじ51の着脱によって、前記前面カバー本体31に対して着脱でき、前記遮断ボタンカバー部33は、遮断ボタン用ねじ52を取り外すことで前記前面カバー本体31に対して開閉でき、前記遮断ボタン用ねじ52を装着することで前記前面カバー本体31に対して開閉できないことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のガスメータ1において、前記制御基板20には、前記表示部21の下方に前記端子部22が配置され、前記遮断ボタン部23の一方に前記端子部22が配置され、前記前面カバー本体31には、前記端子部22の一方に、前記端子カバー用ねじ51を取り付ける第1ねじ穴41を配置し、前記端子部22の他方であって前記遮断ボタン部23の下方に、前記端子カバー用ねじ51を取り付ける第2ねじ穴42を配置し、前記遮断ボタン部23の他方に、前記遮断ボタン用ねじ52を取り付ける第3ねじ穴43を配置し、前記第3ねじ穴43の側方に遮断ボタン部取付基台36を配置し、前記端子カバー部32には、前記第1ねじ穴41に対応する第4ねじ穴44と、前記第2ねじ穴42に対応する第5ねじ穴45とを有し、前記遮断ボタンカバー部33には、前記第3ねじ穴43に対応する第6ねじ穴46と、軸部33aによって回動するヒンジ部33bと、前記ヒンジ部33bを取り付ける遮断ボタン部取付部33cとを有し、前記遮断ボタン部取付基台36に前記遮断ボタン部取付部33cを取り付けることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のガスメータ1において、前記遮断ボタン部取付基台36には第7ねじ穴47を有し、前記遮断ボタン部取付部33cには第8ねじ穴48を有し、前記第7ねじ穴47と前記第8ねじ穴48とに締結ねじ53を取り付けることで前記遮断ボタン部取付基台36に前記遮断ボタン部取付部33cを取り付けることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載のガスメータ1において、前記遮断ボタン部取付基台36には、位置決め用孔36a、36bを有し、前記遮断ボタン部取付部33cに形成した突起部を前記位置決め用孔36a、36bに嵌め込むことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載のガスメータ1において、前記前面カバー本体31には、前記端子部22の上方及び側方に立設したリブ37a、37bを形成し、前記端子カバー部32の背面には、前記リブ37a、37bに当接する位置にスポンジパッキン61を設けたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載のガスメータ1において、前記リブ37a、37bの上面及び外面には溝38a、38bを形成し、前記端子カバー部32の下面には、配線用開口32aを形成したことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項2に記載のガスメータ1において、前記軸部33aを金属材とし、前記軸部33a以外の前記前面カバー30を樹脂材としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、施工業者が配線するために端子カバー部を開けた際に、誤って遮断ボタン部を操作してガスメータを遮断させてしまうことがなく、需要者が遮断ボタン部を操作することによって端子カバー部を開くことがないために、端子部の防水性を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例によるガスメータの外観斜視図
【
図2】前面カバーを取り外した状態での同ガスメータの正面図
【
図3】本実施例によるガスメータの前面カバーを示す外観斜視図
【
図4】本実施例によるガスメータの前面カバーを示す要部外観斜視図
【
図5】本実施例によるガスメータの端子カバー部を示す図
【
図6】端子カバー部及び遮断ボタンカバー部が取り付けられて遮断ボタンカバー部を閉じた状態での同前面カバーを示す図
【
図7】端子カバー部及び遮断ボタンカバー部が取り付けられて遮断ボタンカバー部を開いた状態での同前面カバーを示す図
【
図8】端子カバー部が取り外され遮断ボタンカバー部が取り付けられて遮断ボタンカバー部を開いた状態での同前面カバーを示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態によるガスメータは、制御基板には、表示部と、外部の配線と接続される端子部と、手動でガス流路を遮断する遮断ボタン部とを備え、前面カバーは、端子部と遮断ボタン部とを除いて制御基板を覆う前面カバー本体と、端子部を覆い前面カバー本体にねじ止めされる端子カバー部と、遮断ボタン部を覆い前面カバー本体に開閉可能に取り付けられる遮断ボタンカバー部とを有し、端子カバー部は、端子カバー用ねじの着脱によって、前面カバー本体に対して着脱でき、遮断ボタンカバー部は、遮断ボタン用ねじを取り外すことで前面カバー本体に対して開閉でき、遮断ボタン用ねじを装着することで前面カバー本体に対して開閉できないものである。
本実施の形態によれば、ガスメータを設置する施工業者が端子部に別機器の配線接続を行う際には、遮断ボタンカバー部を開くことなく、端子カバー部だけを取り外すことができ、需要者が遮断ボタン部を操作する際には、端子カバー部を開くことなく、遮断ボタン用ねじを取り外すことで遮断ボタンカバー部を開閉できる。従って、施工業者が配線するために端子カバー部を開けた際に、誤って遮断ボタン部を操作してガスメータを遮断させてしまうことがなく、需要者が遮断ボタン部を操作することによって端子カバー部を開くことがないために、端子部の防水性を担保することができる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるガスメータにおいて、制御基板には、表示部の下方に端子部が配置され、遮断ボタン部の一方に端子部が配置され、前面カバー本体には、端子部の一方に、端子カバー用ねじを取り付ける第1ねじ穴を配置し、端子部の他方であって遮断ボタン部の下方に、端子カバー用ねじを取り付ける第2ねじ穴を配置し、遮断ボタン部の他方に、遮断ボタン用ねじを取り付ける第3ねじ穴を配置し、第3ねじ穴の側方に遮断ボタン部取付基台を配置し、端子カバー部には、第1ねじ穴に対応する第4ねじ穴と、第2ねじ穴に対応する第5ねじ穴とを有し、遮断ボタンカバー部には、第3ねじ穴に対応する第6ねじ穴と、軸部によって回動するヒンジ部と、ヒンジ部を取り付ける遮断ボタン部取付部とを有し、遮断ボタン部取付基台に遮断ボタン部取付部を取り付けるものである。
本実施の形態によれば、限られたスペースの中で端子部と遮断ボタン部とが隣接して配置された状態で、端子カバー部の着脱と遮断ボタンカバー部の開閉とをそれぞれ独立して行わせることができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態によるガスメータにおいて、遮断ボタン部取付基台には第7ねじ穴を有し、遮断ボタン部取付部には第8ねじ穴を有し、第7ねじ穴と第8ねじ穴とに締結ねじを取り付けることで遮断ボタン部取付基台に遮断ボタン部取付部を取り付けるものである。
本実施の形態によれば、遮断ボタンカバー部を前面カバー本体に対して確実に取り付けることができるとともに安定した開閉動作を行わせることができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態によるガスメータにおいて、遮断ボタン部取付基台には、位置決め用孔を有し、遮断ボタン部取付部に形成した突起部を位置決め用孔に嵌め込むものである。
本実施の形態によれば、限られたスペースの中で、遮断ボタン部取付基台に遮断ボタン部取付部を正確に安定して取り付けることができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態によるガスメータにおいて、前面カバー本体には、端子部の上方及び側方に立設したリブを形成し、端子カバー部の背面には、リブに当接する位置にスポンジパッキンを設けたものである。
本実施の形態によれば、端子部に対する防水性を確保することができる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態によるガスメータにおいて、リブの上面及び外面には溝を形成し、 端子カバー部の下面には、配線用開口を形成したものである。
本実施の形態によれば、端子カバー部の裏面に侵入した雨水を溝に沿って落下させ、配線用開口から排出させることができる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態は、第2の実施の形態によるガスメータにおいて、軸部を金属材とし、軸部以外の前面カバーを樹脂材としたものである。
本実施の形態によれば、軸部を金属材とすることで需要者が操作する遮断ボタンカバー部の開閉動作に対する強度を担保することができる。
【実施例0016】
以下本発明の一実施例によるガスメータについて説明する。
図1は本実施例によるガスメータの外観斜視図、
図2は前面カバーを取り外した状態での同ガスメータの正面図である。
ガスメータ1は、ガス流量計測部及びガス流路遮断機構を内部に有し、ガスメータ本体10にはガス流入口2及びガス流出口3を形成している。ガス流入口2からガス流出口3までのガス流路(図示せず)には遮断弁(図示せず)を設けている。遮断弁は、ガスメータ本体10内に形成されるガス流路を遮断する。ガスメータ1には、遮断弁を弁閉状態から弁開状態に復帰させるガスメータ復帰装置4を備えている。
ガスメータ本体10は鉄材で形成され、ガスメータ本体10の前面には、ガスメータ復帰装置4を取り付ける復帰ボタン用開口11と、前面カバー30で覆われる制御基板用開口12とを有している。
図2に示すように、制御基板用開口12には、ガス流量計測部及びガス流路遮断機構と配線接続される制御基板20が配置される。
制御基板20には、表示部21と、外部の配線と接続される端子部22と、手動でガス流路を遮断する遮断ボタン部23とを備えている。
制御基板20は、表示部21の下方に端子部22が配置され、遮断ボタン部23の一方に端子部22が配置されている。
図1に示す前面カバー30は、ガスメータ本体10に取り付けられて制御基板20を覆う。
【0017】
図3は本実施例によるガスメータの前面カバーを示す外観斜視図であり、
図3(a)は同前面カバーの外観斜視図、
図3(b)は端子カバー部及び遮断ボタンカバー部を取り外した前面カバー本体の外観斜視図である。なお、
図3では制御基板を図示している。
【0018】
前面カバー30は、端子部22と遮断ボタン部23とを除いて制御基板20を覆う前面カバー本体31と、端子部22を覆い前面カバー本体31にねじ止めされる端子カバー部32と、遮断ボタン部23を覆い前面カバー本体31に開閉可能に取り付けられる遮断ボタンカバー部33とを有している。
なお、前面カバー本体31には、遮断ボタン部23を覆う遮断ボタン部カバー34を設けている。遮断ボタン部カバー34は、遮断ボタン部23への雨水の侵入を防止する。
また、前面カバー本体31には、表示部21を視認可能にする可視部35を設けている。
【0019】
図3(b)に示すように、前面カバー本体31には、端子部22の一方に、端子カバー用ねじ51を取り付ける第1ねじ穴41を配置し、端子部22の他方であって遮断ボタン部23の下方に、端子カバー用ねじ51を取り付ける第2ねじ穴42を配置している。
端子部22は遮断ボタン部23の一方に配置され、遮断ボタン部23の他方には、遮断ボタン用ねじ52を取り付ける第3ねじ穴43を配置している。
前面カバー本体31には、第3ねじ穴43の側方に遮断ボタン部取付基台36を配置している。
【0020】
図3(a)に示すように、端子カバー部32には、第1ねじ穴41に対応する第4ねじ穴44と、第2ねじ穴42に対応する第5ねじ穴45とを有している。
遮断ボタンカバー部33には、第3ねじ穴43に対応する第6ねじ穴46と、軸部33aによって回動するヒンジ部33bと、ヒンジ部33bを取り付ける遮断ボタン部取付部33cとを有している。
遮断ボタン部取付部33cは、遮断ボタン部取付基台36に取り付けられる。
【0021】
図3(b)に示すように、遮断ボタン部取付基台36には第7ねじ穴47と位置決め用孔36a、36bを有している。
前面カバー本体31には、端子部22の上方及び側方に立設したリブ37a、37bを形成し、リブ37a、37bの上面及び外面には溝38a、38bを形成している。
なお、前面カバー30は、軸部33aを金属材とし、軸部33a以外を樹脂材とすることが好ましい。軸部33aを金属材とすることで需要者が操作する遮断ボタンカバー部33の開閉動作に対する強度を担保することができる。
【0022】
図4は本実施例によるガスメータの前面カバーを示す要部外観斜視図であり、
図4(a)は端子カバー部及び遮断ボタンカバー部が取り付けられて遮断ボタンカバー部を閉じた状態での同前面カバーの要部外観斜視図、
図4(b)は端子カバー部が取り外されて遮断ボタンカバー部を閉じた状態での同前面カバーの要部外観斜視図、
図4(c)は端子カバー部が取り外されて遮断ボタンカバー部を開いた状態での同前面カバーの要部外観斜視図である。
遮断ボタン部取付部33cには第8ねじ穴48を有し、
図3(b)に示す第7ねじ穴47と第8ねじ穴48とに締結ねじ53を取り付けることで遮断ボタン部取付基台36に遮断ボタン部取付部33cを取り付けている。
また、遮断ボタン部取付部33cには突起部(図示せず)が形成され、突起部を
図3(b)に示す位置決め用孔36a、36bに嵌め込むことで、限られたスペースの中で、遮断ボタン部取付基台36に遮断ボタン部取付部33cを正確に安定して取り付けることができる。
【0023】
図5は本実施例によるガスメータの端子カバー部を示す図であり、
図5(a)は同端子カバー部の断面を示す要部斜視図、
図5(b)は同端子カバー部の要部斜視図、
図5(c)は同端子カバー部を裏面から見た要部斜視図、
図5(d)は同端子カバー部の下面を示す平面図である。
端子カバー部32の背面には、端子部22の上方及び側方に立設したリブ37a、37bに当接する位置にスポンジパッキン61を設けている。このように、スポンジパッキン61をリブ37a、37bに当接させることで、端子部22に対する防水性を確保することができる。
端子カバー部32の下面には、配線用開口32aを形成している。端子カバー部32の下面に配線用開口32aを形成することで、端子カバー部32の裏面に侵入した雨水を、リブ37a、37bの上面及び外面に形成した溝38a、38bに沿って落下させ、配線用開口32aから排出させることができる。
【0024】
図6は端子カバー部及び遮断ボタンカバー部が取り付けられて遮断ボタンカバー部を閉じた状態での同前面カバーを示す図であり、
図6(a)は同前面カバーを示す外観斜視図、
図6(b)は同前面カバーの正面図である。
端子カバー部32は、端子カバー用ねじ51によって前面カバー本体31に取り付けられ、遮断ボタンカバー部33は、遮断ボタン用ねじ52によって前面カバー本体31に取り付けられている。
このように、端子カバー部32は、端子カバー用ねじ51を装着することで前面カバー本体31に取り付けられる。また、遮断ボタンカバー部33は、遮断ボタン用ねじ52を装着することで前面カバー本体31に対して開くことはできない。
【0025】
図7は端子カバー部及び遮断ボタンカバー部が取り付けられて遮断ボタンカバー部を開いた状態での同前面カバーを示す図であり、
図7(a)は同前面カバーを示す外観斜視図、
図7(b)は同前面カバーの正面図である。
端子カバー部32は、端子カバー用ねじ51によって前面カバー本体31に取り付けられているが、遮断ボタン用ねじ52を取り外している。
このように、遮断ボタン用ねじ52を取り外すことで、遮断ボタンカバー部33は前面カバー本体31に対して開くことができる。
【0026】
図8は端子カバー部が取り外され遮断ボタンカバー部が取り付けられて遮断ボタンカバー部を開いた状態での同前面カバーを示す図であり、
図8(a)は同前面カバーを示す外観斜視図、
図8(b)は同前面カバーの正面図である。
端子カバー部32は、端子カバー用ねじ51を取り外すことで前面カバー本体31から取り外すことができる。また、遮断ボタン用ねじ52を取り外すことで、遮断ボタンカバー部33は、前面カバー本体31に対して開くことができる。
【0027】
このように、端子カバー部32は、端子カバー用ねじ51の着脱によって、前面カバー本体31に対して着脱でき、遮断ボタンカバー部33は、遮断ボタン用ねじ52を取り外すことで前面カバー本体31に対して開閉できる。
なお、遮断ボタンカバー部33はばね材を用いて常閉とし、遮断ボタン用ねじ52を取り外した状態では、常に閉状態を維持することが好ましい。
【0028】
以上のように、本実施例によれば、ガスメータ1を設置する施工業者が端子部22に別機器の配線接続を行う際には、遮断ボタンカバー部33を開くことなく、端子カバー部32だけを取り外すことができ、需要者が遮断ボタン部23を操作する際には、端子カバー部32を開くことなく、遮断ボタン用ねじ52を取り外すことで遮断ボタンカバー部33を開閉できる。従って、施工業者が配線するために端子カバー部32を開けた際に、誤って遮断ボタン部23を操作してガスメータ1を遮断させてしまうことがなく、需要者が遮断ボタン部23を操作することによって端子カバー部32を開くことがないために、端子部22の防水性を担保することができる。
また、本実施例によれば、限られたスペースの中で端子部22と遮断ボタン部23とが隣接して配置された状態で、端子カバー部32の着脱と遮断ボタンカバー部33の開閉とをそれぞれ独立して行わせることができる。
また、本実施例によれば、遮断ボタンカバー部33を前面カバー本体31に対して確実に取り付けることができるとともに安定した開閉動作を行わせることができる。