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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176315
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20231206BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20231206BHJP
   F21V 29/10 20150101ALI20231206BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20231206BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20231206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231206BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20231206BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20231206BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21V29/503
F21V29/10
F21V29/70
F21V31/00 100
F21Y115:10 500
F21Y115:10 300
F21Y115:10 100
F21Y115:15
F21Y115:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088541
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山岡 裕幸
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014NA01
(57)【要約】
【課題】単純な構造にし易く、光源モジュールが発する熱を効率的に放熱し易い照明器具を提供すること。
【解決手段】照明器具1は、少なくとも一部が建物に設けられた孔の内部に配置される照明器具である。照明器具1は、第1面61aに発光部62が実装され、第1面61aとは反対側の第2面62bに電子部品が実装された基板61と、高さ方向に関して第2面61bを覆うように配置される天板80と、を備える。電子部品は、第2面61bにおける発光部62の裏側部分61cに間隔をおいた箇所に実装される。裏側部分61cが、天板80に当接する。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が建物に設けられた孔の内部に配置される照明器具であって、
第1面に発光部が実装され、前記第1面とは反対側の第2面に電子部品が実装された基板と、
高さ方向に関して前記第2面を覆うように配置される天板と、を備え、
前記電子部品は、前記第2面における前記発光部の裏側部分に間隔をおいた箇所に実装され、
前記裏側部分が、前記天板に当接している、照明器具。
【請求項2】
前記第1面において前記発光部が実装された領域の周囲に当接する端面、及び前記発光部からの光を反射させる内周面を有する反射板を備え、
前記基板が、前記反射板と前記天板とで挟持されている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記高さ方向に圧縮可能であって、高さ方向の公差を吸収可能な緩衝部を備える、請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記天板が固定され、前記高さ方向に前記第1面の一部を被覆するベース部材と、
前記発光部が出射した光の出射側の開口を画定する内周面を有する枠体と、を備え、
前記緩衝部は、前記ベース部材と前記枠体とで挟持されている、
請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
透光性の本体と、前記本体と一体となっていると共に光出射側とは反対側の端部に位置するフランジとを含むカバーを備え、
前記緩衝部は、前記フランジである、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記天板は、前記第2面に当接する箇所とは別の部分に、前記発光部が照射する光の照射方向とは逆方向に突出する天板部と、それに繋がる一対の側壁部とを有し、
前記電子部品が、前記天板部と、前記一対の側壁部に覆われている、請求項1又は2に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明器具としては、特許文献1に記載されているダウンライトがある。このダウンライトは、光源モジュール、放熱器、電源装置、反射板、及び化粧枠を備え、光源モジュールは、放熱器内に設置されている。このダウンライトは、電源装置を放熱器の側方から組み付ける一方、反射板、及び化粧枠を光源モジュールの光出射側から組み付けている。このダウンライトは、複数の部品を異なる方向から組み付け、多数のねじを用いて一体に統合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-053357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記照明器具は、放熱器内に光源モジュールを収容することで光源モジュールが発する熱を放熱しているので、照明器具の構造が複雑になり易く、照明器具が大型化し易い。そこで、本開示の目的は、単純な構造にし易く、発光部が発する熱を効率的に放熱し易い照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本開示に係る照明器具は、少なくとも一部が建物に設けられた孔の内部に配置される照明器具であって、第1面に発光部が実装され、第1面とは反対側の第2面に電子部品が実装された基板と、高さ方向に関して第2面を覆うように配置される天板と、を備え、電子部品は、第2面における発光部の裏側部分に間隔をおいた箇所に実装され、裏側部分が、天板に当接している、
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、単純な構造にし易く、発光部が発する熱を効率的に放熱し易い照明器具を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に係る照明器具の斜視図である。
図2】照明器具の分解斜視図である。
図3A】枠体を斜め第2側(光出射側とは反対側)から見たときの斜視図である。
図3B】枠体を斜め第1側(光出射側)から見たときの斜視図である。
図4A】カバーを斜め第2側から見たときの斜視図である。
図4B】カバーを径方向の外方側(側方)から見たときの側面図である。
図5】枠体に対するカバーの位置決めを説明するための斜視図である。
図6A】反射板を斜め第2側から見たときの斜視図である。
図6B】反射板を斜め第1側から見たときの斜視図である。
図7】カバーに嵌め込まれた反射板を示す斜視図である。
図8】ベース部材を斜め第2側から見たときの斜視図である。
図9】反射板に対するベース部材の組み付けについて説明するための斜視図である。
図10】反射板に対する光源モジュールの組み付けについて説明するための斜視図である。
図11A】光源モジュールを斜め第1側から見たときの斜視図である。
図11B】光源モジュールを斜め第2側から見たときの斜視図である。
図12】反射板に対する光源モジュールの係止構造を説明するための斜視図である。
図13】ベース部材における一対の第1係止片と一対の第2係止片の折り曲げについて説明する斜視図である。
図14】一対の第1係止片と一対の第2係止片を用いた基板の拘束について説明する斜視図である。
図15】照明器具において、カバー、反射板、及び基板を高さ方向の第1側から見たときの平面図である。
図16A】端子台を電源装置への接続側かつ斜め第2側から見たときの斜視図である。
図16B】端子台を電源装置への接続側とは反対側かつ斜め第2側から見たときの斜視図である。
図16C】端子台を電源装置への接続側とは反対側かつ斜め第1側から見たときの斜視図である。
図17】端子台カバーの斜視図である。
図18】端子台に対する端子台カバーの取り付けを説明するための斜視図である。
図19】ベース部材に対する端子台の位置決めについて説明するための斜視図である。
図20】電源装置の一対の刃受け部に対する端子台の一対の刃型の端子の差し込みについて説明するための斜視図である。
図21A】天板を斜め第1側から見たときの斜視図である。
図21B】天板を斜め第2側から見たときの斜視図である。
図22】照明器具の端子台周辺における高さ方向と端子台の挿入方向とを含む断面図である。
図23】ベース部材に対する天板の係止構造について説明するための斜視図である。
図24】天板、取付バネ、ベース部材、及び枠体の雄ねじによる固定について説明するための斜視図である。
図25】天板、取付バネ、ベース部材、及び枠体の雄ねじによる固定について説明するための断面図である。
図26】一体に統合された照明器具の第2側の断面図である。
図27図26における反射板周辺の拡大断面図である。
図28】一体に統合された照明器具のカバーのフランジ周辺の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。
【0009】
また、以下では、発光部が、LED(Light Emitting Diode)を含む場合について説明するが、発光部は、SMD(Surface Mount Device)型のLEDチップを含んでもよく、COB(Chip On Board)型のLEDチップを含んでもよい。又は、発光部は、砲弾型のLEDを含んでもよく、FLUX型のLEDを含んでもよい。又は、発光部は、LED以外の半導体発光素子を含んでもよい。又は、発光部は、有機EL(Electro Luminescence)素子もしくは無機EL素子等の固体発光素子を含んでもよい。
【0010】
また、本開示の照明器具は、枠体の内周面の中心軸が、鉛直方向に平行になっている状態で天井等に固定されてもよい。又は、本開示の照明器具は、向きを調整できるユニバーサル型の照明器具でもよく、枠体の内周面の中心軸が鉛直方向に対して傾斜している状態で天井等に固定されてもよい。
【0011】
また、以下の実施例では、照明器具の高さ方向(枠体の高さ方向に一致)における光出射側を第1側と言及し、照明器具の高さ方向における光出射側とは反対側を第2側と言及する。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。
【0012】
また、以下の実施例では、特にことわらない限り、長手方向は、略矩形の板形状を有する基板61の長手方向を意味し、幅方向は、特にことわらない限り、基板61の幅方向を意味する。長手方向と、幅方向は、互いに直交する。また、高さ方向は、照明器具1の高さ方向を意味し、直交方向は、高さ方向に直交する方向を意味する。高さ方向は、枠体10の高さ方向に一致し、本実施形態では、基板61の厚さ方向にも一致する。
【0013】
また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。
【0014】
図1は、本開示の一実施形態に係る照明器具1の斜視図である。図1に示すように、照明器具1は、ダウンライトであり、複数の取付バネ5、枠体10、ベース部材50、及び天板80を備える。ベース部材50は、基板61(図2参照)の第1側の第1面の一部を被覆する。基板61の第1面の他の一部に実装されている発光部62(図12A参照)から第1側に出射された光が、枠体10の第1側の開口から第1側に出射される。
【0015】
枠体10、ベース部材50、取付バネ5、及び天板80は、この順に第1側から第2側に重ねられ、固定部材の一例としての複数の雄ねじ7で互いに固定されて一体に統合される。取付バネ5の数と、雄ねじ7の数は、一致する。本実施形態では、照明器具1は、2つの取付バネ5と、2つの雄ねじ7を有する。
【0016】
複数の取付バネ5は、周方向に間隔をおいて設置され、本実施形態では、2つの取付バネ5が、周方向に等間隔に設置される。取付バネ5は、例えば、ステンレス等の鋼板で構成され、照明器具1を天井面に固定する部材である。取付バネ5は、屈曲部5bを有し、板バネ構造を有する。取付バネ5を歪ませて、取付バネ5の根元側部分5aが天井に設けられた埋込孔(図示せず)の周囲に沿って埋込孔高さ方向に延在するように取付バネ5を変位させ、取付バネ5の少なくとも一部が埋込孔の内周面を径方向外方側に押圧するようにする。このようにして、取付バネ5が取り付けられた照明器具1を、少なくともその一部が埋込孔内に位置している状態で埋込孔周辺に固定する。
【0017】
埋込孔は、例えば、天井に設けられて鉛直方向に延在する円筒孔である。照明器具1は、例えば、取付バネ5の先端が高さ方向の第2側に位置するように取付バネ5を径方向内側に押さえながら、照明器具1を天板80側(室側)から埋込孔に押し込むことで埋込孔周辺に固定される。照明器具1を水平面に対して傾斜する傾斜天井に取り付ける場合には、取付バネ5が傾斜天井に設けられた埋込孔の軸方向に延在するように取り付ける。
【0018】
なお、照明器具の少なくとも一部が配置される埋込孔は、例えば、天井に設けられた円筒形の貫通孔であるが、照明器具の少なくとも一部が配置される埋込孔は、天井に設けられた円筒形以外の形状の貫通孔でもよい。また、照明器具の少なくとも一部が配置される埋込孔は、天井に設けられた有底の孔でもよい。また、照明器具の少なくとも一部が配置される埋込孔は、建物に設けられればよく、天井以外の壁部等に設けられてもよい。
【0019】
図2は、照明器具1の分解斜視図である。図2に示すように、照明器具1は、枠体10、パッキン20、カバー30、反射板40、ベース部材50、取付バネ5、光源モジュール60、端子台70、及び天板80を備える。照明器具1は、高さ方向の第1側から第2側に、枠体10、パッキン20、カバー30、反射板40、ベース部材50、取付バネ5、光源モジュール60及び端子台70、天板80の順に積み重ねられる。そして、以下で詳述する複数の係止構造と複数の雄ねじ7を用いて一体に統合される。本実施形態では、照明器具1には、枠体10、ベース部材50、取付バネ5、及び天板80を互いに固定して統合する雄ねじ7以外の雄ねじは、存在しない。
【0020】
以下、各部材(部位)の構成と、複数の部材(部位)の統合構造について詳細に説明する。図3Aは、枠体10を斜め第2側から見たときの斜視図であり、図3Bは、枠体10を斜め第1側から見たときの斜視図である。図2図3A、及び図3Bに示すように、枠体10は、金属又は樹脂で構成される一体部材であり、円筒部11、円錐台部12、フランジ13、及び複数の板状部14を含む。枠体10は、例えば、鋼板で構成されてもよく、ダイカストで作成されてもよく、樹脂材を用いて射出成形で作成されてもよい。
【0021】
円筒部11は、第2側に配置されて第2側の略円形の開口を画定し、円筒内周面11aを有する。また、円錐台部12は、円筒部11の第1側の端部に繋がり、第1側に行くにしたがって拡径するテーパ外周面12a及びテーパ内周面12bを有する。テーパ外周面12aは、例えば、円錐外周面で構成され、テーパ内周面12bは、例えば、円錐内周面で構成される。円錐台部12は、居室側に露出する部分を含む。テーパ内周面12bは、配光制御を兼ね、略円形の第1側の開口を画定する。
【0022】
複数の板状部14は、枠体10の第2側の端部に周方向に間隔をおいて設けられ、本実施形態では、2つの板状部14が、枠体10の第2側の端部に周方向に同じ間隔をおいて配置される。板状部14は、板形状を有し、略直交方向の外側に延在し、枠体10の径方向の外方側に延在する。各板状部14には、その中央部に高さ方向に貫通する貫通孔14aが設けられ、貫通孔14aは、ねじ孔になっている。フランジ13は、円環形状を有し、円錐台部12の第1側の端部から径方向外方側に広がっている。
【0023】
図2に示すように、枠体10のフランジ13には、第2側からパッキン20が重ねられる。パッキン20は、フランジ13の第2側の端面に載置される。パッキン20は、環状部材であり、ゴム等の弾性材料で構成される。パッキン20は、フランジ13と天井面とで挟持され、フランジ13と天井面との間の気密性を確保する。図2に示すように、パッキン20は、周方向に間隔をおいて位置すると共に径方向に延在する複数の板状のリブ21を有する。リブ21の径方向外方の端部は、埋込孔の内周面に接触し、その結果、枠体10の中心軸が、埋込穴の中心からずれるのが抑制される。
【0024】
図2に示すように、パッキン20は、周方向に間隔をおいて位置する複数の切欠き22を有し、本実施形態では、周方向に同じ間隔をおいて位置する2つの切欠き22を有する。切欠き22の数は、板状部14の数に一致する。切欠き22の最短距離は、取付バネ5の幅よりも大きくなっている。図2に示すように、パッキン20は、複数の切欠き22の周方向位置が、複数の板状部14の周方向位置に一致するようにフランジ13上に配置される。
【0025】
なお、本実施形態では、フランジ13が、高さ方向からの平面視で、円環状の形状を有する場合について説明した。また、円錐台部12が、枠体10におけるフランジ13の第2側に位置し、フランジ13の第2側の端面に高さ方向からの平面視で円形の外縁を有するパッキン20を配置する場合について説明した。しかし、フランジは、高さ方向からの平面視で、矩形の枠型の環状形状を有してもよい。そして、角錐台部が、枠体におけるフランジの第2側に位置し、フランジの第2側の端面に高さ方向からの平面視で矩形の外縁を有するパッキンを配置してもよい。
【0026】
図2に示すように、カバー30は、枠体10の第2側から枠体10に重ねられる。図4Aは、カバー30を斜め第2側から見たときの斜視図であり、図4Bは、カバー30を径方向の外方側(側方)から見たときの側面図である。図4A、及び図4Bに示すように、カバー30は、本体31と、本体31の第2側の端部に繋がると共に緩衝部の一例であるフランジ32とを有する。
【0027】
本体31は、透光性と光拡散性を有する樹脂、例えば、アクリルやポリカーボネート等で構成され、居室側に露出する部分を有し、発光部62を保護する。本体31は、第1側の面が塞がれた円筒形状を有する。図4Bに示すように、本体31の円筒部33の第1側の開口を封鎖する封鎖部34は、第1側に凸のドーム形状を有し、径方向の中心が最も第1側に位置するようになっている。なお、カバーの本体は、集光タイプに使われるフレネルレンズ形状等を備えていてもよく、その場合、本体は、透明の材料で構成される。
【0028】
本体31は、枠体10の円筒部11の内径よりも僅かに小さい外径を有する。図5に示すように、本体31は、枠体10の円筒部11内に嵌め込まれて取り付けられる。フランジ32は、枠体10の円筒部11の外径よりも大きな外径を有する。フランジ32は、本体31を円筒部11内に嵌め込む際に円筒部11の第2側の環状端に載置される。フランジ32は、弾性を有して圧縮可能な弾性材料、例えば、エラストマーやシリコーン等のゴム材料で構成され、パッキンの役割を担い、虫の侵入や反射板40等の部材の公差を吸収するために設けられる。
【0029】
なお、本実施形態では、本体31及びフランジ32は、2色成形で一体に構成される。2色成形で一体に構成することで、本体31とフランジ32とを接着剤等で取り付ける工程を省略することができる。もちろん、本体31とフランジ32は、別体として構成され、その後、フランジ32を本体31に接着剤等で取り付けてもよい。
【0030】
図2、及び図4Aに示すように、フランジ32は、径方向外方に開口する複数の切欠き35を有する。複数の切欠き35は、周方向に間隔をおいて位置し、本実施形態では、2つの切欠き35が、周方向に同じ間隔をおいて位置する。切欠き35の数は、板状部14の数に一致する。図5に示すように、複数の板状部14を、複数の切欠き35に嵌め込むようになっており、この嵌め込みで、カバー30が枠体10に対して周方向に位置決めされる。
【0031】
図2に示すように、反射板40は、カバー30の第2側からカバー30に重ねられる。反射板40は、樹脂製の不透過部材や鋼板で構成される。図6Aは、反射板40を斜め第2側から見たときの斜視図であり、図6Bは、反射板40を斜め第1側から見たときの斜視図である。図2図6A、及び図6Bに示すように、反射板40は、コーン形状(円錐台形状)の本体41と、複数のリブ42を有する。
【0032】
本体41は、第1側に行くにしたがって末広がりとなるテーパ外周面(例えば、円錐外周面)43と、第1側に行くにしたがって末広がりとなるテーパ内周面(例えば、円錐内周面)45を有する。テーパ内周面45は、発光部62からの光を反射する反射面であり、例えば、滑らかに鏡面仕上げされる。テーパ内周面45は、発光部62からの光を効率よく居室側へ反射させ、発光部62からの光の配光を制御する。
【0033】
複数のリブ42は、周方向に間隔をおいて位置し、本実施形態では、2つのリブ42が、周方向に同じ間隔をおいて位置する。各リブ42は、突条構造を有し、本体41のテーパ外周面43から径方向外方側に突出し、高さ方向に延在する。リブ42の径方向外方側の端面42aは、高さ方向に略平行に延在する。
【0034】
反射板40は、更に、リブ42の第2側の端面から第2側に突出する突出部47を有する。図7に示すように、反射板40は、その末広がり側が第1側に位置する姿勢で、カバー30のフランジ32側の開口からカバー30内に嵌め込まれる。この嵌め込みは、リブ42の周方向位置が枠体10の板状部14の貫通孔14aの中心の周方向位置に略一致するように行う。
【0035】
図2に示すように、ベース部材50は、反射板40の第2側から反射板40に重ねられる。図8は、ベース部材50を斜め第2側から見たときの斜視図である。図8に示すように、ベース部材50は、鋼板で構成され、反射板40を通す貫通孔51を有する。貫通孔51は、円筒孔52と、円筒孔52に連通して円筒孔52から径方向外方側に延びる複数のリブ挿通孔53を含み、本実施形態では、2つのリブ挿通孔53を含む。2つのリブ挿通孔53は、円筒孔52の径方向に対向する。リブ挿通孔53は、リブ42の平面形状に対応する平面形状を有する。
【0036】
図9に示すように、一対のリブ42が一対のリブ挿通孔53に高さ方向に重なっている状態で、ベース部材50を反射板40の第2側から反射板40に近づける。そして、図10に示すように、一対のリブ42を一対のリブ挿通孔53に嵌合させる。一対のリブ挿通孔53に対する一対のリブ42の嵌合により、ベース部材50が反射板40に対して相対移動不可能になり反射板40に対して位置決めされる。
【0037】
図8に示すように、ベース部材50は、取付バネ5の平板状の取付部5d(図2参照)が載置される複数の載置部54を有し、本実施形態では、2つの載置部54を有する。2つの載置部54は、略矩形の板形状を有する基板61(図11A参照)の幅方向に対向するように位置する。ベース部材50は、更に、各載置部54から第2側に突出する一対の板状のリブ55を有する。一対の板状のリブ55は、長手方向に間隔をおいて対向し、幅方向と高さ方向を含む方向に広がる。載置部54には、貫通孔57が設けられ、取付バネ5の取付部5dにも、貫通孔5e(図2参照)が設けられる。
【0038】
図2に示すように、取付バネ5は、ベース部材50の第2側に重ねられる。詳しくは、取付部5dの貫通孔5eが載置部54の貫通孔57に高さ方向に一致すると共に取付部5dの長手方向の両側縁部が一対の板状のリブ55に当接するように取付部5dを載置部54上に載置する。取付バネ5の取付部5aは、長手方向の両側に長手方向に延在する一対のリブ5c(図1参照)を有する。この一対のリブ5cは、取付部5dが載置部54上の取付位置に配置された場合に一対の板状のリブ55に幅方向に係合する。一対の板状のリブ55は、ベース部材50に対して取付バネ5が相対回転することを防止するストッパの役割を果たす。
【0039】
続いて、図10に示すように、光源モジュール60を、ベース部材50の第2側からベース部材50に高さ方向に近づけてベース部材50から突出している反射板40の第2側の環状の端面29に当接させる。図11Aは、光源モジュール60を斜め第1側から見たときの斜視図であり、図11Bは、光源モジュール60を斜め第2側から見たときの斜視図である。
【0040】
図11Aに示すように、光源モジュール60は、基板61、基板61の第1面61aに実装される発光部62、及び基板61の第2面61bに実装される電源装置63を含む。本実施形態では、発光部62は、SMD(Surface Mount Device)型の複数のLEDチップ62aを含む。複数のLEDチップ62aは、例えば、同一の円上に等間隔に配置される。
【0041】
電源装置63は、複数の電子部品63aを含む。複数の電子部品63aは、例えば、1以上のコンデンサと1以上のコイルを含む。電源装置63は、交流電力を直流電力に変換すると共に電圧を所定電圧まで降圧する。
【0042】
発光部62は、基板61における高さ方向の第1側の第1面61aの長手方向の第1側に実装される。また、図11Bに示すように、電源装置63は、基板61における高さ方向の第2側の第2面61bの長手方向の第2側に実装される。
【0043】
本実施形態では、発光部62は、電源装置63に対して長手方向に間隔をおいて配置される。発光部62を配置した部分の逆側に電源装置63を配置しないようにして、LEDチップ62aが発する熱の放熱性を向上させている。なお、セラミックコンデンサー、IC等のリフロー部品が、基板61の第1面61aにおける発光部62に長手方向に間隔をおいた部分に実装されてもよく、実装されなくてもよい。
【0044】
基板61は、長手方向の第1側に一対の貫通孔65を有する。一対の貫通孔65は、基板61の幅方向に間隔をおいて配置される。図10に示すように、反射板40の一対の突出部47が、光源モジュール60の一対の貫通孔65に高さ方向に重なっている状態で、光源モジュール60を反射板40の第2側から反射板40に近づける。そして、図12に示すように、一対の突出部47を一対の貫通孔65に嵌合させる。一対の貫通孔65に対する一対の突出部47の嵌合により、光源モジュール60が反射板40に対して相対移動不可能になり反射板40に対して位置決めされる。
【0045】
図13に示すように、ベース部材50は、底板部56と、底板部56の幅方向(基板61の幅方向に一致)の両側端部から高さ方向の第2側に突出する一対の側壁部9を有する。また、一対の側壁部9は、ベース部材50の長手方向(基板61の長手方向に一致)に間隔をおいて配置される一対の第1係止片58及び一対の第2係止片59を有する。
【0046】
一対の第1係止片58は、同じ高さに存在し、幅方向に対向する。一対の第2係止片59も、同じ高さに存在し、幅方向に対向する。図8及び図13に示すように、一対の第1係止片58及び一対の第2係止片59は、ベース部材50の幅方向内側に折り曲げ可能になっており、折り返し可能になっている。
【0047】
図14に示すように、光源モジュール60を反射板40に対して相対移動不可能にした後、一対の第1係止片58を略直交方向に旋回させるようにベース部材50の幅方向内側に折り曲げる。そして、一対の第1係止片58で基板61の第2面61bにおける長手方向の第1側を高さ方向の第1側に押圧する。また、光源モジュール60を反射板40に対して相対移動不可能にした後、一対の第2係止片59をその先端の高さ位置が第1側に変位するようにベース部材50の幅方向内側に折り曲げる。そして、一対の第2係止片59で基板61の第2面61bにおける長手方向の第2側を高さ方向の第1側に押圧する。
【0048】
このようにして、ベース部材50の持ち上げ等で、光源モジュール60において反射板40から離れた側に応力がかかっても基板61に過度な応力がかかりにくいようにし、基板61が湾曲することを抑制している。
【0049】
図15は、照明器具1において、カバー30、反射板40、及び基板61の第1面61aを高さ方向の第1側から見たときの平面図である。反射板40の環状の端面29は、基板61の第1面61aにおいて発光部62が実装された領域の周囲に当接するようになっている。より詳しくは、光源モジュール60を反射板40に対して相対移動不可能にした後で、図15に示す平面図において、反射板40の第1側の円形の開口48の中心と発光部62の中心とが略一致し、開口48の中心と発光部62の中心が高さ方向に略重なるようになっている。
【0050】
次に、端子台70の構成と、ベース部材50に対する端子台70の位置決めについて説明する。図16Aは、端子台70を電源装置63への接続側かつ斜め第2側から見たときの斜視図であり、図16Bは、端子台70を電源装置63への接続側とは反対側かつ斜め第2側から見たときの斜視図である。また、図16Cは、端子台70を電源装置63への接続側とは反対側かつ斜め第1側から見たときの斜視図である。
【0051】
端子台70は、商用電源からの交流電力を電源装置63に電気的に接続する部品である。図16Aに示すように、端子台70は、幅方向(基板61の幅方向に一致)に間隔をおいて位置する一対の刃型の端子71を有する。
【0052】
図16Bに示すように、端子台70は、高さ方向に間隔をおいて位置する一対の第1挿通孔72と一対の第2挿通孔73を有する。一対の第1挿通孔72は、幅方向に間隔をおいて位置し、同じ高さに位置する。また、一対の第2挿通孔73も、幅方向に間隔をおいて位置し、同じ高さに位置する。例えば、一対の第1挿通孔72の一方には、図示しない商用電源の接地側電線が差し込まれて一方の刃型の端子71に電気的に接続され、一対の第1挿通孔72の他方には、商用電源の電線が電気的に接続され、他方の刃型の端子71に電気的に接続される。
【0053】
また、一対の第2挿通孔73の一方は、接地側電線と電気的に接続される配線を通過させる孔であり、一対の第2挿通孔73の他方は、電線と電気的に接続される配線を通過させる孔である。一対の第2挿通孔73は、建物に複数の照明器具1を設置するときに、商用電源からの交流電力を、照明器具1を介して他の照明器具1に供給する際に用いられる。図16Cに示すように、端子台70は、第1側に突出する一対の突出部74を有する。
【0054】
図17は、端子台カバー90の斜視図である。端子台カバー90は、端子台70における商用電源の接続側を被覆し、挿通孔72,73と工具挿通孔79に対応する部分に薄肉部を有する。詳述しないが、工具挿通孔79は、刃型の端子71に外部の配線を電気的に接続したり、端子台70から配線を離脱させる際にマイナスドライバー等の工具を挿通する孔である。工具挿通孔79に工具の先端側を挿通することで、配線(接地側電線及び電線)を挟持する一対の金属部分の隙間を一時的に広げることで、配線の接続や配線離脱を可能にする。
【0055】
なお、端子台は、交流電源側の接地側電線及び電線を、一対の刃型の端子71に電気的に接続できる如何なる内部構造を有してもよく、公知の如何なる構造を用いて当該電気的接続を行ってもよい。端子台カバー90は、例えば、エラストマーやシリコーン等のゴム材で構成される。外部の配線を接続する際、その配線で端子台カバー90の薄肉部の一部を突き破る。端子台カバー90は、断熱材から放出される異物等が端子台70内に入り込むことを抑制する。
【0056】
図16Bに示すように、端子台70は、外部側に突出する三つの突条部77a,77b,77cを第2側の面及び両側側面に有する。また、図17に示すように、端子台カバー90は、突条部77a,77b,77cに対応する三つの挿通孔91a,91cを有する。図18に示すように、三つの挿通孔91a,91cに三つの突条部77a,77b,77cを挿通させることで、端子台70に端子台カバー90を取り付ける。なお、本開示の照明器具は、端子台カバーを有さなくてもよい。
【0057】
次に、ベース部材50に対する端子台70の位置決めについて説明する。図13に示すようにベース部材50は、長手方向の第2側に一対の貫通孔46を有する。一方、端子台70は、第1側に突出する一対の突出部74を有する。図19に示すように、この一対の突出部74を一対の貫通孔46に第2側から嵌め込むと共に、図20に示すように、端子台70の一対の刃型の端子71の夫々を、電源装置63の一対の刃受け部69に差し込む。各刃受け部69は、刃型の端子71を挟持する金属製の挟持部を含む。このようにして、ベース部材50に対する端子台70の位置決めを行う。
【0058】
続いて、図2に示すように、鋼製の天板80を、ベース部材50の第2側からベース部材50に高さ方向に近づけて、天板80をベース部材50に重ねる。そして、天板80を端子台70に位置決めすると共に、ベース部材50に固定する。図21Aは、天板80を斜め第1側から見たときの斜視図であり、図21Bは、天板80を斜め第2側から見たときの斜視図である。図21Aに示すように、天板80は、光源モジュール60の高さ方向の第2側と、側方の少なくとも一部とを覆うカバー部材である。
【0059】
天板80は、第1天板部81、第2天板部82、及び第3天板部83を含む。第1天板部81は、光源モジュール60の長手方向の第1側を覆うと共に高さ方向の第1側に位置して略直交方向に広がる。第2天板部82は、第1天板部81における長手方向の第2側に繋がる。第2天板部82は、長手方向の第2側に行くにしたがって高さ方向の第2側に移動するように傾斜する。また、第3天板部83は、第2天板部82における長手方向の第2側に繋がり、略直交方向に広がる。
【0060】
このことから、図21Bに示すように、天板80の高さは、長手方向の第1側よりも第2側の方が高くなる。よって、天板80の側壁84の高さは、長手方向の第1側の一対の側壁部84aの方が長手方向の第2側の一対の側壁部84bよりも低くなり、天板80が収容するスペースは、長手方向の第1側よりも第2側の方が大きくなる。
【0061】
天板80は、一対の側壁部84aの第1側の端部から幅方向外側に広がる一対の板状部85を有する。板状部85は、略直交方向に広がる。各板状部85は、貫通孔88を有する。天板80は、長手方向の第2側の側壁97に端子台70を固定するための凹部98を有する。また、天板80は、側壁97から第1側に突出する一対の突出部86を有する。
【0062】
図22は、照明器具1の端子台70周辺における高さ方向と端子台70の挿入方向とを含む断面図である。図22に示すように、端子台70は、第2側の端面に幅方向に延在する溝95を有し、天板80は、その溝95に嵌合する板状部96を有する。また、図8に示すように、ベース部材50は、長手方向の第2側に一対の突出部86の平面形状(高さ方向から見たときの平面形状)に対応する平面形状(高さ方向から見たときの平面形状)を有する一対の貫通孔39を有する。貫通孔39は、スリット形状でもよく、突出部86は、板形状を有してもよい。
【0063】
図22に示すように、板状部96をベース部材50に対して位置決めされている端子台70の溝95に最後まで嵌入させると共に、図23に示すように、一対の突出部86を一対の貫通孔39に挿入する。その後、図19に示すように、突出部86において貫通孔39から第1側に突出している突出部分86aを略直交方向にカシメて折り返すことで、天板80をベース部材50に堅固に固定する。端子台70の溝95に対する板状部96の嵌入で、端子台70を天板80に位置決めすることができる。
【0064】
天板80をこのようにベース部材50に固定すると、図24に示すように、天板80の板状部85がベース部材50の載置部54(図8参照)に載置されている取付バネ5の平板状の取付部5d(図2参照)に第2側から重なるようになっている。また、取付部5dの貫通孔5e(図2参照)が載置部54の貫通孔57(図8参照)に重なっている状態で載置部54が一対の板状のリブ55で拘束されている場合、天板80の板状部85の貫通孔88も、高さ方向に、貫通孔5eと貫通孔57に重なるようになっており、更には、高さ方向に枠体10の貫通孔14aにも重なるようになっている。
【0065】
図24及び図25に示すように、高さ方向に重なっている4つの貫通孔88,5e,57,14aには、第2側から一体不可分の雄ねじ7が締め込まれる。最も第1側に位置する貫通孔14aがねじ孔になっているので、この雄ねじ7の締め込みで、天板80、取付バネ5、ベース部材50、及び枠体10が互いに固定され、一体に統合される。なお、雄ねじ7の締め込みと、突出部分86aの略直交方向へのカシメは、どちらを先に行ってもよい。
【0066】
上述のように、パッキン20は、複数の切欠き22の周方向位置が、複数の板状部14の周方向位置に一致するようにフランジ13上に配置される。この状態で、天板80、取付バネ5、ベース部材50、及び枠体10の固定を行うと、図1に示すように、取付バネ5の一部がパッキン20の切欠き22に嵌り込み、取付バネ5に対してパッキン20が略相対回転不可能になる。
【0067】
以上説明した、複数の2部材間の位置決め構造と、天板80、取付バネ5、ベース部材50、及び枠体10の雄ねじ7による固定とにより、照明器具1が一体に統合されるようになっている。
【0068】
図26は、一体に統合された照明器具1の第2側の断面図であり、図27は、図26における反射板40周辺の拡大断面図である。また、図28は、一体に統合された照明器具1のカバー30のフランジ32周辺の拡大断面図である。図26に示すように、高さが高い電源装置63は、第2天板部82と第3天板部83と基板61とで囲まれたスペースに収容される。
【0069】
また、コーン形状を有する反射板40は、第1側の縁が光源モジュール60の基板61の第1面61aを押し上げるように接触する。光源モジュール60は、発光部62が実装されている第1面部分の逆側の第2面部分が、平坦でフラットな面になっている。第1天板部81の第1側の面は、その平坦でフラットな面に広範囲に当接している。
【0070】
カバー30のフランジ32は、弾性を有してパッキンの機能を有し、圧縮可能になっている。図27及び図28に示すように、上述の雄ねじ7を用いた、天板80、取付バネ5、ベース部材50、及び枠体10の固定により、フランジ32が枠体10とベース部材50の間に挟持されて圧縮される。このフランジ32の圧縮代で、カバー30の内部に配置された反射板40が、光源モジュール60の基板61を常に第2側に押し上げた状態が維持される。フランジ32の圧縮代で、反射板40の公差ばらつきを吸収でき、基板61と天板80の第1天板部81を密着させることができる。
【0071】
これにより、第1天板部81に密着している第2面部分の逆側に位置する第1面部分に実装されている発光部62から放出された熱を、図26に矢印Aに示すように第2天板部82を介して第3天板部83まで広範囲に伝熱させることができ、矢印B1,B2,B3に示す方向に外部に放熱させることができる。
【0072】
天板80を、アルミニウム等の放熱性が高い金属で構成すると、放熱を効率的に行うことができて好ましい。また、フランジ32が枠体10とベース部材50の間に挟持されて圧縮されるため、枠体10とベース部材50の間から、虫や異物が照明器具1の内部に入り込むことを確実に防止でき、防虫性に優れた照明器具1を実現できる。
【0073】
以上、照明器具1は、少なくとも一部が建物に設けられた孔の内部に配置される照明器具である。また、照明器具1は、第1面61aに発光部62が実装され、第1面61aとは反対側の第2面62bに電子部品63aが実装された基板61と、高さ方向に関して第2面61bを覆うように配置される天板80と、を備える。また、電子部品63aは、第2面61bにおける発光部62の裏側部分61c(図27参照)に間隔をおいた箇所に実装され、裏側部分61cが、天板80に当接している。
【0074】
本開示によれば、基板61の第2側を被覆する必須の部品であって容積が大きくて熱容量も大きい天板80を利用して、天板80を第2面61bにおける発光部62の裏側部分61cに当接させる。すなわち、基板61において発光部62の裏側に位置して温度が高くなる裏側部分61cが熱容量が大きい天板80に密着する。したがって、必須の部品を用いて発光部62が発する熱を効率的に放熱でき、照明器具1を単純な構造にし易く、発光部62が発する熱も効率的に放熱し易い。
【0075】
また、照明器具1は、第1面61aにおいて発光部62が実装された領域の周囲に当接する端面29、及び発光部62からの光を反射させるテーパ内周面45を有する反射板40を備えてもよい。そして、基板61が、反射板40と天板80とで挟持されてもよい。
【0076】
本構成によれば、反射板40を利用して、基板61と天板80を密着させることができ、発光部62で発生した熱を効率的に放熱できる。
【0077】
また、照明器具1は、高さ方向に圧縮可能であって、高さ方向の公差を吸収可能なフランジ(緩衝部)32を備えてもよい。そして、基板61が、フランジ32の高さ方向の圧縮によって反射板40と天板80とで挟持されてもよい。
【0078】
本構成によれば、反射板40等の部材に公差が生じた場合でも、その公差をフランジ32の高さ方向の圧縮で吸収でき、基板61を天板80に密着させることができる。したがって、個体差によらず放熱性に優れる照明器具1を実現できる。
【0079】
また、照明器具1は、天板80が固定され、高さ方向に第1面61aの一部を被覆するベース部材50と、発光部62が出射した光の出射側の開口を画定するテーパ内周面12bを有する枠体10と、を備えてもよい。また、緩衝部であるフランジ32が、ベース部材50と枠体10とで挟持されてもよい。
【0080】
本構成によれば、緩衝部の圧縮構造を単純な構造で実現できる。
【0081】
また、照明器具1は、透光性の本体31と、本体31と一体となっていると共に光出射側とは反対側の端部に位置するフランジ32とを含むカバー30を備えてもよい。そして、緩衝部が、フランジ32でもよい。
【0082】
本構成によれば、透光性のカバー30の第2側の端部に配置した緩衝部を用いて、天板80に対する基板61の密着構造を実現できる。
【0083】
また、天板80は、第2面61bに当接する箇所とは別の部分に、発光部62が照射する光の照射方向とは逆方向に突出する天板部(第3天板部83)と、それに繋がる一対の側壁部84bとを有してもよい。そして、電子部品63aが、第3天板部83と、一対の側壁部84b(図21B参照)に覆われてもよい。
【0084】
本構成によれば、照明器具1が、背が高い高背の電子部品63b(図11B参照)を有する場合でも、その高背の電子部品63bを天板80で容易に保護できる。
【0085】
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0086】
例えば、上記実施形態では、カバー30の本体31と一体に構成されるフランジ32を緩衝部とした。しかし、高さ方向に圧縮可能な緩衝部(例えば、弾性体で構成)は、枠体の第2側の端部等に設けてもよく、照明器具の高さ方向の如何なる箇所に設けてもよい。又は、本開示の照明器具は、高さ方向に圧縮可能な緩衝部が存在しなくてもよい。
【0087】
また、本開示の照明器具では、発光部からの発熱量が大きい場合、基板と天板が接触する面にグリスなどの伝熱部材を塗布してもよい。また、天板の第2側、特に、天板の第1天板部(発光部の逆側)の第2側に、放熱フィンを一体に構成又は取り付けることで、照明器具の放熱性を上げるようにしてもよい。
【0088】
また、反射板40と天板80で基板61を挟持する場合について説明したが、反射板以外の部材を用いて、基板を当該部材と天板で挟み込んでもよい。例えば、照明器具が、基板を固定する基板固定部を有し、基板を天板と基板固定部で挟持してもよい。そして、反射板が基板固定部に固定されていてもよい。
【0089】
また、主要部品である、天板80、ベース部材50、及び枠体10を全て同じ雄ねじ7を用いて互いに固定する場合について説明した。しかし、天板、本体、及び枠体の夫々の貫通孔は、全て雌ねじが設けられていない貫通孔でもよく、雄ねじ(ボルト)とナットを用いて、天板、本体、及び枠体を一体に固定してもよい。又は、天板、本体、及び枠体は、それ以外の周知の固定手段を用いて固定されてもよい。
【0090】
また、本開示の照明器具において、互いに係止する2つの係止部は、係止できれば如何なる構造で構成されてもよい。例えば、一方の係止部が、突出部であり、それに係止する他方の係止部が、貫通孔、有底の孔、溝、又は切欠きである場合、係止部の構造を互いに逆にしてもよく、一方の係止部が、貫通孔、有底の孔、溝、又は切欠きであり、それに係止する他方の係止部が、突出部でもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 照明器具、 5 取付バネ、 5d 取付バネの取付部、 5e 取付部の貫通孔、 7 雄ねじ、 10 枠体、 13 枠体のフランジ、 14 枠体の板状部、 14a 枠体の貫通孔、 20 パッキン、 22 枠体の切欠き、 29 反射板の端面、 30 カバー、 31 本体、 32 フランジ、 35 フランジの切欠き、 39 ベース部材の貫通孔、 40 反射板、 42 反射板のリブ、 46 ベース部材の貫通孔、 47 反射板の突出部、 50 ベース部材、 53 ベース部材のリブ挿通孔、 54 ベース部材の載置部、 55 ベース部材のリブ、 58 第1係止片、 59 第2係止片、 60 光源モジュール、 61 基板、 61a 基板の第1面、 61b 基板の第2面、 61c 裏側部分、 62 発光部、 62a LEDチップ、 63 電源装置、 63a,63b 電子部品、 65 基板の貫通孔、 69 刃受け部、 70 端子台、 71 端子、 74 端子台の突出部、 80 天板、 81 第1天板部、 82 第2天板部、 83 第3天板部、 84b 側壁部、 85 天板の板状部、 86 天板の突出部、 86a 突出部分、 88 天板の板状部の貫通孔、 90 端子台カバー、 95 端子台の溝、 96 天板の板状部。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28