(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176320
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】計量キャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/20 20060101AFI20231206BHJP
B65D 41/26 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B65D47/20 210
B65D41/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088546
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】前田 信也
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB17
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HB01
3E084HD04
3E084KB01
3E084LB02
(57)【要約】
【課題】簡単な操作によって内容液を計量できる計量キャップ付き容器を提供する。
【解決手段】容器本体1と、中栓部材2と、キャップ本体3と、計量室4と、蓋体5とを備え、中栓部材2は、内筒24と、内筒24に外嵌される外筒25と、空気置換筒26と、を有し、内筒24は内側開口孔24bを有し、外筒25は、外側開口孔25aと、被係合部25bと、を有し、蓋体5は係合部54を有し、外筒25は、外側開口孔25aと内側開口孔24bとが連通することで、計量室4と容器本体1の内部とが連通する下降位置と、外側開口孔25aと内側開口孔24bとの連通が遮断されることで、計量室4と容器本体1の内部との連通が遮断される上昇位置と、の間で上下動し、下降位置では、被係合部25bと係合部54とが係合され、かつ蓋体5が注出孔35aを閉塞し、上昇位置では、被係合部25bと係合部54との係合が解除され、かつ蓋体5が注出孔35aを開放する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に設けられる有底筒状の中栓部材と、
前記中栓部材を上側から覆う有頂筒状のキャップ本体と、
前記中栓部材と前記キャップ本体との間に画成される計量室と、
前記キャップ本体の頂壁を貫通する注出孔を開放可能に閉塞する蓋体と、を備え、
前記中栓部材は、
前記中栓部材の底壁から上側に延びる内筒と、
前記内筒に対して上下動可能に外嵌される外筒と、
前記底壁のうち前記内筒とは異なる位置から上側に延び、前記容器本体の内部と前記計量室とを連通する空気置換筒と、を有し、
前記内筒は、前記内筒の周壁を貫通し、前記容器本体の内部と連通する内側開口孔を有し、
前記外筒は、
前記外筒の周壁を貫通する外側開口孔と、
上下方向から見て、前記注出孔と重なって配置される被係合部と、を有し、
前記蓋体は、前記被係合部に着脱可能に係合する係合部を有し、
前記外筒は、
前記外側開口孔と前記内側開口孔とが連通することで、前記計量室と前記容器本体の内部とが連通する下降位置と、
前記外側開口孔と前記内側開口孔との連通が遮断されることで、前記計量室と前記容器本体の内部との連通が遮断される上昇位置と、の間で上下動し、
前記下降位置では、前記被係合部と前記係合部とが係合され、かつ、前記蓋体が前記注出孔を閉塞し、
前記上昇位置では、前記被係合部と前記係合部との係合が解除され、かつ、前記蓋体が前記注出孔を開放する、
計量キャップ付き容器。
【請求項2】
前記容器本体は、スクイズ変形可能であり、
前記注出孔から内容液が注出される方向は、当該計量キャップ付き容器の前後方向のうち前側であり、
前記空気置換筒は、上下方向から見て、前記前後方向と直交する左右方向において、前記内筒と並んで配置される、
請求項1に記載の計量キャップ付き容器。
【請求項3】
前記容器本体は、スクイズ変形可能であり、
前記空気置換筒は、前記計量室と前記容器本体の内部とを連通する連通孔を有し、
前記連通孔は、前記中栓部材の前記底壁に開口する、
請求項1または2に記載の計量キャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量キャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば洗濯洗剤等の内容液が収容される容器本体と、容器本体の口部に着脱可能に装着される計量キャップと、を備える計量キャップ付き容器が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、使用者が計量キャップを容器本体から取り外し、計量キャップの目盛り部に合わせて内容液を注ぎ入れ、計量を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の計量キャップ付き容器では、簡単な操作によって内容液を計量できるようにする点に改善の余地があった。
【0005】
本発明は、簡単な操作によって内容液を計量できる計量キャップ付き容器を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の計量キャップ付き容器の一つの態様は、内容液が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に設けられる有底筒状の中栓部材と、前記中栓部材を上側から覆う有頂筒状のキャップ本体と、前記中栓部材と前記キャップ本体との間に画成される計量室と、前記キャップ本体の頂壁を貫通する注出孔を開放可能に閉塞する蓋体と、を備え、前記中栓部材は、前記中栓部材の底壁から上側に延びる内筒と、前記内筒に対して上下動可能に外嵌される外筒と、前記底壁のうち前記内筒とは異なる位置から上側に延び、前記容器本体の内部と前記計量室とを連通する空気置換筒と、を有し、前記内筒は、前記内筒の周壁を貫通し、前記容器本体の内部と連通する内側開口孔を有し、前記外筒は、前記外筒の周壁を貫通する外側開口孔と、上下方向から見て、前記注出孔と重なって配置される被係合部と、を有し、前記蓋体は、前記被係合部に着脱可能に係合する係合部を有し、前記外筒は、前記外側開口孔と前記内側開口孔とが連通することで、前記計量室と前記容器本体の内部とが連通する下降位置と、前記外側開口孔と前記内側開口孔との連通が遮断されることで、前記計量室と前記容器本体の内部との連通が遮断される上昇位置と、の間で上下動し、前記下降位置では、前記被係合部と前記係合部とが係合され、かつ、前記蓋体が前記注出孔を閉塞し、前記上昇位置では、前記被係合部と前記係合部との係合が解除され、かつ、前記蓋体が前記注出孔を開放する。
【0007】
この計量キャップ付き容器によって内容液を計量し、注出する手順は、例えば下記の通りである。
まず、外筒が下降位置とされ、被係合部と係合部とが係合され、蓋体が注出孔を閉塞した状態で、容器を倒立姿勢とする。容器本体の内容液は、内筒の内部、内側開口孔及び外側開口孔を通して、計量室に流入する。このとき、計量室の空気は、空気置換筒を通して容器本体の内部へ流出する。すなわち、計量室内で空気と内容液とが置換される。
【0008】
次に、倒立姿勢の容器を正立姿勢に戻す。計量室には、空気置換筒の上端開口位置等に応じて、所定量の内容液が計量され、貯留される。
【0009】
次に、蓋体を開けて注出孔を開放する。このとき、蓋体の係合部が外筒の被係合部を引き上げるので、外筒は上昇位置に上昇し、さらに蓋体を開いていくことで、係合部と被係合部との係合が解除される。また、外筒が上昇位置に移動することで、外側開口孔と内側開口孔との連通が遮断され、計量室と容器本体の内部との連通も遮断される。
【0010】
この状態から容器を傾けていき、注出孔を下側へ向けると、計量室に貯留された所定量の内容液が、注出孔を通してキャップ外部に注出される。
内容液の注出後は、蓋体を閉じて注出孔を閉塞する。このとき、蓋体の係合部が外筒の被係合部を押し下げるので、外筒は下降位置に下降し、さらに蓋体を閉じていくことで、係合部と被係合部とが再び係合される。
【0011】
本発明の計量キャップ付き容器によれば、従来のように計量キャップを容器本体から取り外し、内容液を注ぎ入れて計量するという操作が不要である。具体的に本発明では、容器を倒立姿勢にし、正立姿勢に戻すという簡単な操作により、内容液を計量することができる。そして蓋体を開くことで、計量した所定量の内容液を注出することができる。このため、操作性がよい。
【0012】
前記計量キャップ付き容器において、前記容器本体は、スクイズ変形可能であり、前記注出孔から内容液が注出される方向は、当該計量キャップ付き容器の前後方向のうち前側であり、前記空気置換筒は、上下方向から見て、前記前後方向と直交する左右方向において、前記内筒と並んで配置されることが好ましい。
【0013】
この計量キャップ付き容器は、例えば、内容液を任意の量だけ追加で注出したい場合などに、蓋体を開け注出孔を下側へ向けた姿勢で、容器本体をスクイズ変形させることにより、空気置換筒を通して内容液を注出することができる。
【0014】
このような使用時において、上記構成のように、空気置換筒が内筒と左右方向に並んで配置されていれば、空気置換筒から注出された内容液が、内筒及び外筒に当たりにくくなる。空気置換筒からの内容液の注出を安定して行うことができる。
【0015】
前記計量キャップ付き容器において、前記容器本体は、スクイズ変形可能であり、前記空気置換筒は、前記計量室と前記容器本体の内部とを連通する連通孔を有し、前記連通孔は、前記中栓部材の前記底壁に開口することが好ましい。
【0016】
容器本体をスクイズ変形させることにより、空気置換筒を通して内容液を任意の量だけ追加で注出しようとするときに、上記構成のように、空気置換筒の連通孔が中栓部材の底壁に開口していれば、例えば空気置換筒が底壁から下側に突出しているような構成に比べて、容器本体の内容液の残量が少なくなっても、内容液を安定して注出しやすい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の前記態様の計量キャップ付き容器によれば、簡単な操作によって内容液を計量できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本実施形態の計量キャップ付き容器の一部を示す縦断面図であり、詳しくは、蓋体が閉状態かつ外筒が下降位置とされた計量キャップ付き容器の正立姿勢を表す。
【
図2】
図2は、中栓部材を後側から見た背面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の計量キャップ付き容器の一部を示す縦断面図であり、詳しくは、蓋体が閉状態かつ外筒が下降位置とされた計量キャップ付き容器の倒立姿勢を表す。
【
図5】
図5は、本実施形態の計量キャップ付き容器の一部を示す縦断面図であり、詳しくは、蓋体が開状態かつ外筒が上昇位置とされた計量キャップ付き容器の正立姿勢を表す。
【
図6】
図6は、本実施形態の計量キャップ付き容器の一部を示す縦断面図であり、詳しくは、蓋体が開状態かつ外筒が上昇位置とされた計量キャップ付き容器の計量室から、計量された内容液を注出している状態を表す。
【
図7】
図7は、本実施形態の計量キャップ付き容器の一部を示す縦断面図であり、詳しくは、蓋体が開状態かつ外筒が上昇位置とされた計量キャップ付き容器の容器本体をスクイズ変形させることで、容器本体内の内容液を、空気置換筒を通して容器外部に注出している状態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態の計量キャップ付き容器10について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、計量キャップ付き容器10は、内容液Lが収容される容器本体1と、容器本体1の口部11に設けられる有底筒状の中栓部材2と、口部11に設けられる有頂筒状のキャップ本体3と、中栓部材2とキャップ本体3との間に画成される計量室4と、キャップ本体3にヒンジ6を介して接続される有頂筒状の蓋体5と、を備える。
容器本体1の口部11、中栓部材2、キャップ本体3及び蓋体5は、キャップ軸Oを共通軸として、互いに同軸に配置される。
【0020】
本実施形態では、キャップ軸Oが延びる方向を上下方向と呼ぶ。中栓部材2と蓋体5とは、上下方向において、互いに異なる位置に配置される。上下方向のうち、中栓部材2から蓋体5へ向かう方向を上側と呼び、蓋体5から中栓部材2へ向かう方向を下側と呼ぶ。
上下方向から見た平面視で、キャップ軸Oと直交する方向を径方向と呼ぶ。径方向のうち、キャップ軸Oに近づく方向を径方向内側と呼び、キャップ軸Oから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。
また、キャップ軸O回りに周回する方向を周方向と呼ぶ。
【0021】
ヒンジ6は、キャップ本体3の周方向の一部と、蓋体5の周方向の一部とを連結している。
本実施形態では、上下方向から見た平面視で、ヒンジ6の周方向の中心と、キャップ軸Oと、を通る図示しない仮想直線が延びる方向を、前後方向と呼ぶ。前後方向は、径方向のうちの1つの方向である。前後方向のうち、ヒンジ6からキャップ軸Oへ向かう方向を前側と呼び、キャップ軸Oからヒンジ6へ向かう方向を後側と呼ぶ。
【0022】
また、上下方向から見た平面視で、前後方向と直交する方向を左右方向と呼ぶ。左右方向は、径方向のうちの、上記前後方向とは別の1つの方向である。計量キャップ付き容器10を前側から見て、左右方向のうち、キャップ軸Oから左へ向かう方向を左側と呼び、キャップ軸Oから右へ向かう方向を右側と呼ぶ。
【0023】
容器本体1に収容される内容液Lは、例えば洗濯洗剤等の液体である。容器本体1は、有底筒状をなしている。容器本体1は、容器本体1の上端部に配置される口部11と、容器本体1の下端部に配置される図示しない底部と、上下方向において口部11と底部との間に配置される胴部12と、を有する。
【0024】
口部11は、キャップ軸Oを中心とする円筒状であり、上下方向に延びる。口部11は、口部11の外周面に雄ネジ部11aを有する。
特に図示しないが、底部は、キャップ軸Oと略垂直な方向に拡がる板状である。
【0025】
胴部12は、キャップ軸Oを中心とする筒状であり、上下方向に延びる。胴部12の上端部は、口部11の下端部と接続する。胴部12の下端部は、底部の外周部と接続する。胴部12は、口部11よりも直径寸法が大きい。胴部12は、使用者が強く(所定以上の力で)把持するなどにより、スクイズ変形可能である。
【0026】
中栓部材2は、口部11内に嵌合する。
図1及び
図2に示すように、中栓部材2は、周壁21と、フランジ22と、底壁23と、内筒24と、外筒25と、空気置換筒26と、を有する。
【0027】
周壁21は、キャップ軸Oを中心とする円筒状である。周壁21のうち上側部分は、周壁21のうち下側部分よりも直径寸法が大きい。周壁21は、周壁21の上側部分を径方向に貫通する切欠き部21aを有する。切欠き部21aは、周壁21の上端面に開口し、この上端面から下側に延びる。本実施形態では切欠き部21aが、周壁21の後端部に配置される。周壁21のうち上側部分の下端部は、口部11の内周面に嵌合する。
【0028】
周壁21のうち下側部分は、口部11の内周面よりも径方向内側に配置される。周壁21のうち下側部分と、口部11の内周面との間には、小さな隙間が設けられる。
【0029】
フランジ22は、周壁21のうち上側部分の下端部から、径方向外側に突出し、周方向に延びる。フランジ22は、キャップ軸Oを中心とする円環板状である。フランジ22の下面は、口部11の上端面に接触する。
【0030】
底壁23は、キャップ軸Oと垂直な方向に拡がる板状である。具体的に、底壁23は、キャップ軸Oを中心とする円板状である。底壁23の外周部は、周壁21の下端部と接続される。
【0031】
内筒24は、底壁23から上側に延びる。内筒24は、上下方向に延びる有頂筒状であり、本実施形態では有頂円筒状である。
図1に示すように、内筒24の中心軸Cは、キャップ軸Oと平行に延びる。すなわち、中心軸Cが延びる方向は、上下方向に相当する。内筒24の中心軸Cは、キャップ軸Oよりも前側に位置する。なお、中心軸Cは、計量キャップの中心軸であるキャップ軸Oと区別して、筒中心軸Cなどと言い換えてもよい。
【0032】
本実施形態では、上下方向から見た平面視で、中心軸Cと直交する方向を、筒径方向と呼ぶ。筒径方向のうち、中心軸Cに近づく方向を筒径方向の内側と呼び、中心軸Cから離れる方向を筒径方向の外側と呼ぶ。
また、中心軸C回りに周回する方向を筒周方向と呼ぶ。
【0033】
図1及び
図2に示すように、内筒24は、周壁24fと、頂壁24gと、下端開口部24aと、内側開口孔24bと、回り止めリブ24cと、規制突起24dと、乗越え突起24eと、シール突起24hと、を有する。
【0034】
周壁24fは、中心軸Cを中心とする円筒状であり、上下方向に延びる。
頂壁24gは、中心軸Cを中心とする円板状であり、中心軸Cと垂直な方向に拡がる。頂壁24gの外周部は、周壁24fの上端部と接続される。
【0035】
下端開口部24aは、内筒24の下端部に位置し、底壁23に開口する。内筒24の内部は、下端開口部24aを通して、容器本体1の内部と連通する。
【0036】
内側開口孔24bは、内筒24の周壁24fを貫通する。具体的に、内側開口孔24bは、内筒24の周壁24fの上端部に配置され、内筒24の周壁24fを筒径方向に貫通している。内側開口孔24bは、内筒24の内部及び下端開口部24aを通して、容器本体1の内部と連通する。本実施形態では内側開口孔24bが、四角形孔状をなす。内側開口孔24bは、筒周方向に互いに間隔をあけて、複数設けられる。本実施形態では内側開口孔24bが、内筒24の周壁24fのうち少なくとも前端部と後端部とにそれぞれ配置される。
【0037】
回り止めリブ24cは、内筒24の周壁24fから筒径方向の外側に突出し、上下方向に延びる。本実施形態では回り止めリブ24cが、内筒24の周壁24fのうち後端部に配置される。回り止めリブ24cの上端部は、内筒24の周壁24fのうち上下方向の略中央部に位置する。回り止めリブ24cの下端部は、底壁23の上面に接続される。
【0038】
規制突起24dは、内筒24の周壁24fから筒径方向の外側に突出し、筒周方向に延びる。規制突起24dは、中心軸Cを中心とする円形リング状の突起である。規制突起24dは、回り止めリブ24cの上端部よりも上側に配置される。規制突起24dは、内側開口孔24bよりも下側に配置される。
【0039】
乗越え突起24eは、内筒24の周壁24fから筒径方向の外側に突出し、筒周方向に延びる。乗越え突起24eは、中心軸Cを中心とする円形リング状の突起である。乗越え突起24eは、規制突起24dの下側に配置される。乗越え突起24eは、規制突起24dと隙間をあけて並んで配置される。乗越え突起24eは、回り止めリブ24cの上端部よりも上側に配置される。乗越え突起24eが内筒24の外周面から筒径方向の外側に突出する突出量は、規制突起24dが内筒24の外周面から筒径方向の外側に突出する突出量よりも小さい。
【0040】
シール突起24hは、内筒24の周壁24fの外周面から筒径方向の外側に突出し、筒周方向に延びる。シール突起24hは、中心軸Cを中心とする円形リング状の突起である。シール突起24hは、内側開口孔24bの上側と下側とに、少なくとも一対設けられる。各シール突起24hは、外筒25の後述する周壁25fの内周面に、筒周方向の全周にわたって接触する。シール突起24hにより、内筒24の外周面と外筒25の内周面との間がシールされる。
【0041】
図1及び
図3に示すように、外筒25は、上下方向に延びる有頂筒状であり、本実施形態では有頂円筒状である。外筒25は、内筒24に対して上下動可能に外嵌される。外筒25の中心軸は、内筒24の中心軸Cと同軸に配置される。すなわち、中心軸Cは、内筒24及び外筒25の共通軸とされている。
【0042】
外筒25は、周壁25fと、頂壁25gと、外側開口孔25aと、被係合部25bと、回り止めスリット25cと、係止突起25dと、を有する。
【0043】
周壁25fは、中心軸Cを中心とする円筒状であり、上下方向に延びる。
頂壁25gは、中心軸Cを中心とする円板状であり、中心軸Cと垂直な方向に拡がる。頂壁25gの外周部は、周壁25fの上端部と接続される。
【0044】
外側開口孔25aは、外筒25の周壁25fを貫通する。具体的に、外側開口孔25aは、外筒25の周壁25fの上端部に配置され、外筒25の周壁25fを筒径方向に貫通している。本実施形態では外側開口孔25aが、四角形孔状をなす。外側開口孔25aは、筒周方向に互いに間隔をあけて、複数設けられる。本実施形態では外側開口孔25aが、外筒25の周壁25fのうち少なくとも前端部と後端部とにそれぞれ配置される。
【0045】
外側開口孔25aと内側開口孔24bとは、開口形状及び開口面積が互いに同一とされている。
図1に示すように、外筒25が上下方向の移動範囲のうち最下端に位置している状態(以下、下降位置と呼ぶ)では、筒径方向から見て、外側開口孔25aと内側開口孔24bとが重なる。また、
図5に示すように、外筒25が上下方向の移動範囲のうち最上端に位置している状態(以下、上昇位置と呼ぶ)では、筒径方向から見て、外側開口孔25aと内側開口孔24bとは重ならない。
【0046】
具体的に、外筒25は、外側開口孔25aと内側開口孔24bとが連通する下降位置と、外側開口孔25aと内側開口孔24bとの連通が遮断される上昇位置と、の間で上下動する。
図1に示す外筒25の下降位置では、外側開口孔25a、内側開口孔24b及び内筒24の内部を通して、計量室4と容器本体1の内部とが連通する。また、
図5に示す外筒25の上昇位置では、外側開口孔25aと内側開口孔24bとの連通が遮断されることで、計量室4と容器本体1の内部との連通が遮断される。
【0047】
図1及び
図3に示すように、被係合部25bは、外筒25の頂壁25gから上側に突出する。本実施形態では被係合部25bが、中心軸Cを中心とする筒状であり、具体的には円筒状である。被係合部25bの直径寸法は、外筒25の周壁25fの直径寸法よりも小さい。
【0048】
被係合部25bは、被係合突起25eを有する。
被係合突起25eは、被係合部25bの外周面から筒径方向の外側に突出し、筒周方向に延びる。被係合突起25eは、中心軸Cを中心とする円形リング状の突起である。被係合突起25eは、被係合部25bの外周面の上端部に配置される。
【0049】
回り止めスリット25cは、外筒25の周壁25fを筒径方向に貫通し、上下方向に延びる。回り止めスリット25cは、外筒25の周壁25fの下端部に配置される。本実施形態では回り止めスリット25cが、外筒25の周壁25fのうち後端部に配置される。
回り止めスリット25cには、回り止めリブ24cが挿入されている。これにより、外筒25と内筒24とは、中心軸C回りにおいて互いに回り止めされている。
【0050】
係止突起25dは、外筒25の周壁25fから筒径方向の内側に突出し、筒周方向に延びる。係止突起25dは、中心軸Cを中心とする略円形リング状の突起である。係止突起25dは、外筒25の周壁25fの下端部に配置される。本実施形態では係止突起25dの筒周方向の一部(具体的には後端部)が、回り止めスリット25cによって分断されている。
【0051】
係止突起25dは、内筒24の乗越え突起24eを上下方向に乗り越え可能である。また係止突起25dは、内筒24の規制突起24dを下側へ向けては乗り越え可能であるが(組み立て時)、上側へ向けては乗り越え不能である。このため、
図5に示すように、係止突起25dが規制突起24dに対して下側から接触した状態が、外筒25の移動範囲の最上端(上昇端)とされる。
【0052】
図1に示す外筒25の下降位置から
図5に示す外筒25の上昇位置へと、外筒25が上昇移動するときに、係止突起25dは、乗越え突起24eに摺接しつつ、乗越え突起24eを上側へ向けて乗り越える。
図5に示す上昇位置では、係止突起25dは、上下方向において規制突起24dと乗越え突起24eとの間に挟持されており、これにより外筒25は、上昇位置に保持される。
【0053】
図5に示す外筒25の上昇位置から
図1に示す外筒25の下降位置へと、外筒25が下降移動するときに、係止突起25dは、乗越え突起24eに摺接しつつ、乗越え突起24eを下側へ向けて乗り越える。
図1に示すように、外筒25の頂壁25gが、内筒24の頂壁24gに対して上側から接触することにより、外筒25のそれ以上の下側へ向けた移動は規制され、これにより外筒25は、下降位置に保持される。すなわち本実施形態では、
図1に示すように、外筒25の頂壁25gが内筒24の頂壁24gに対して上側から接触した状態が、外筒25の移動範囲の最下端(下降端)とされる。
【0054】
図1及び
図2に示すように、空気置換筒26は、中栓部材2の底壁23から上側に延びる。空気置換筒26は、上下方向に延びる筒状であり、本実施形態では円筒状である。空気置換筒26の中心軸は、キャップ軸O及び中心軸Cと平行に延びる。すなわち、空気置換筒26の中心軸が延びる方向は、上下方向に相当する。空気置換筒26の中心軸は、キャップ軸Oよりも前側に位置する。また空気置換筒26の中心軸は、左右方向において、キャップ軸O及び中心軸Cとは異なる位置に配置される。
【0055】
具体的に、空気置換筒26は、中栓部材2の底壁23のうち、内筒24とは異なる位置から上側に延びる。本実施形態では空気置換筒26が、上下方向から見て、内筒24とヒンジ6が並ぶ前後方向と直交する左右方向において、内筒24と並んで配置される。空気置換筒26は、底壁23のうち内筒24の右側に位置する部分から、上側に突出する。すなわち、本実施形態において空気置換筒26は、内筒24の右側に並んで配置される。
【0056】
空気置換筒26の上端開口部は、内筒24の内側開口孔24bよりも下側に位置している。空気置換筒26の直径寸法は、内筒24の直径寸法よりも小さい。空気置換筒26は、連通孔26aを有する。
【0057】
連通孔26aは、空気置換筒26を上下方向に貫通する孔であり、空気置換筒26の内周面により構成される。連通孔26aの下端部は、中栓部材2の底壁23に開口する。このため、空気置換筒26は、底壁23よりも下側には突出していない。連通孔26aは、容器本体1の内部と計量室4とを連通する。すなわち、空気置換筒26は、容器本体1の内部と計量室4とを連通する。
【0058】
図1に示すように、キャップ本体3は、中栓部材2を上側から覆う。本実施形態ではキャップ本体3が、口部11に取り付けられる。キャップ本体3は、周壁31と、頂壁32と、を有する。
【0059】
キャップ本体3の周壁31は、装着筒部33と、嵌合筒部34と、を有する。
装着筒部33は、キャップ軸Oを中心とする有頂円筒状である。装着筒部33は、装着筒部33の内周面に雌ネジ部33aを有する。雌ネジ部33aは、口部11の雄ネジ部11aと螺着される。すなわち、装着筒部33は、口部11に着脱可能に螺着される。
【0060】
装着筒部33の頂壁は、キャップ軸Oを中心とする円環板状である。装着筒部33の頂壁の外周部は、装着筒部33の周壁の上端部と接続される。装着筒部33の頂壁の内周部は、フランジ22に対して上側から接触する。
【0061】
嵌合筒部34は、キャップ軸Oを中心とする円筒状である。嵌合筒部34は、装着筒部33の上側に配置される。嵌合筒部34は、装着筒部33の頂壁の内周部から、上側に延びる。嵌合筒部34の直径寸法は、装着筒部33の直径寸法よりも小さい。嵌合筒部34の内周面には、中栓部材2の周壁21の上側部分が嵌合する。
【0062】
嵌合筒部34は、嵌合筒部34の内周面から径方向内側に突出する凸部34aを有する。本実施形態では凸部34aが、嵌合筒部34の内周面のうち後端部に配置される。凸部34aは、中栓部材2の切欠き部21aに挿し込まれており、切欠き部21aと係合される。これにより、キャップ本体3と中栓部材2とは、キャップ軸O回りに位置合わせされており、かつ回り止めされている。
【0063】
キャップ本体3の頂壁32は、キャップ軸Oと垂直な方向に拡がる板状である。具体的に、頂壁32は、キャップ軸Oを中心とする円板状である。頂壁32の外周部は、嵌合筒部34の上端部と接続される。頂壁32は、注出筒35を有する。
【0064】
注出筒35は、内筒24及び外筒25の中心軸Cと同軸に配置される。注出筒35は、中心軸Cを中心とするテーパ筒状である。注出筒35は、上側へ向かうに従い拡径する。
【0065】
注出筒35の内周面には、注出孔35aが形成されている。注出孔35aは、注出筒35を上下方向に貫通している。言い換えると、注出孔35aは、頂壁32を上下方向に貫通している。注出孔35aは、上側へ向かうに従い拡径するテーパ孔状である。内容液Lは、注出孔35aを通してキャップ外部に注出される。注出孔35aから内容液Lが注出される方向は、計量キャップ付き容器10の前後方向のうち、前側である(
図6を参照)。
上下方向から見て、注出孔35aと被係合部25bとは、重なって配置される。具体的に、上下方向から見て、被係合部25bは、その全体が注出孔35a内に配置される。
【0066】
蓋体5は、キャップ本体3の頂壁32を上側から覆う。蓋体5は、周壁51と、頂壁52と、開閉操作部55と、閉塞筒53と、係合部54と、を有する。
【0067】
蓋体5の周壁51は、キャップ軸Oを中心とする円筒状である。周壁51の下端開口部内には、キャップ本体3の頂壁32の外周部が内挿される。
【0068】
蓋体5の頂壁52は、キャップ軸Oと垂直な方向に拡がる板状である。具体的に、頂壁52は、キャップ軸Oを中心とする円板状である。頂壁52の外周部は、周壁51の上端部と接続される。
【0069】
開閉操作部55は、蓋体5の周壁51の前方下端部に配置される。開閉操作部55は、周壁51の前方下端部から、前側へ向けて突出する突起状をなす。
【0070】
閉塞筒53は、頂壁52から下側に延びる。閉塞筒53は、上下方向に延びる筒状であり、具体的には円筒状である。閉塞筒53は、内筒24及び外筒25の中心軸Cと同軸に配置される。
【0071】
図1に示すように、蓋体5が閉じた状態(蓋体5の閉状態)において、閉塞筒53は、注出孔35a内に嵌合する。詳しくは、閉塞筒53の外周面のうち下端部が、注出孔35aの下端開口部内に、筒周方向の全周にわたって液密に接触する。これにより閉塞筒53は、注出孔35aを閉塞する。
【0072】
また、
図5に示すように、蓋体5が開いた状態(蓋体5の開状態)では、注出孔35aに対する閉塞筒53の嵌合状態は解除され、注出孔35aはキャップ外部に開放される。すなわち、蓋体5の閉塞筒53は、注出孔35aを開放可能に閉塞する。
【0073】
図1に示すように、係合部54は、頂壁52から下側に延びる。本実施形態では係合部54が、中心軸Cを中心とする筒状であり、具体的には円筒状である。係合部54の直径寸法は、閉塞筒53の直径寸法よりも小さい。係合部54は、閉塞筒53の筒径方向の内側に配置される。係合部54の下端部は、閉塞筒53の下端部よりも下側に突出する。
【0074】
また係合部54の直径寸法は、外筒25の被係合部25bの直径寸法よりも大きい。被係合部25bは、係合部54の下端開口部内に嵌合される。これにより、被係合部25bは、係合部54に係合される。
【0075】
係合部54は、係合突起54aを有する。
係合突起54aは、係合部54の内周面から筒径方向の内側に突出し、筒周方向に延びる。係合突起54aは、中心軸Cを中心とする円形リング状の突起である。係合突起54aは、係合部54の内周面の下端部に配置される。
【0076】
図1に示すように、蓋体5の閉状態においては、係合突起54aは、被係合突起25eの下側に配置されており、被係合突起25eに対して下側から接触し、または隙間をあけて対向する。
【0077】
使用者が開閉操作部55を操作し、
図1に示す蓋体5の閉状態から
図5に示す蓋体5の開状態へと、蓋体5を開いていくと、係合突起54aが被係合突起25eを上側へ押し上げることで、外筒25が上側に引き上げられる。外筒25は、内筒24に対して上昇移動していき、外筒25の係止突起25dが、内筒24の乗越え突起24eを上側へ乗り越える。
【0078】
次いで、外筒25の係止突起25dが、内筒24の規制突起24dに下側から接触する。これにより、外筒25のそれ以上の上昇移動は規制され、外筒25は上昇位置とされる。この状態から、さらに使用者が蓋体5を開いていくと、係合突起54aが被係合突起25eに摺接しつつ、被係合突起25eを上側へ乗り越えていき、係合部54と被係合部25bとの嵌合状態が解除される。すなわち、被係合部25bに対する係合部54の係合は、解除される。
このように、本実施形態の係合部54は、被係合部25bに着脱可能に係合する。
【0079】
詳しくは、
図1に示す外筒25の下降位置では、被係合部25bと係合部54とが係合され、かつ、蓋体5の閉塞筒53が注出孔35aを閉塞する。また、
図5に示す外筒25の上昇位置では、被係合部25bと係合部54との係合が解除され、かつ、蓋体5の閉塞筒53が注出孔35aを開放する。
【0080】
図1に示すように、ヒンジ6は、少なくとも、キャップ本体3の周壁31の後端部と、蓋体5の周壁51の後端部とを接続している。本実施形態では、キャップ本体3、蓋体5及びヒンジ6が、単一の部材により一体に形成されている。
【0081】
計量室4は、中栓部材2の周壁21、底壁23、キャップ本体3の嵌合筒部34、頂壁32、蓋体5の閉塞筒53及び頂壁52により画成される、キャップ内部の室(空間)である。
図1に示すように、蓋体5を閉状態とした容器の正立姿勢から、
図4に示すように容器を倒立姿勢とし、再び容器を正立姿勢に戻すことで(
図5を参照)、計量室4には所定量(または任意の量)の内容液Lが貯留される。
【0082】
以上説明した本実施形態の計量キャップ付き容器10によって内容液Lを計量し、注出する手順は、例えば下記の通りである。
まず、
図1に示すように外筒25が下降位置とされ、被係合部25bと係合部54とが係合され、蓋体5が注出孔35aを閉塞した状態で、
図4に示すように容器を倒立姿勢とする。容器本体1の内容液Lは、内筒24の内部、内側開口孔24b及び外側開口孔25aを通して、計量室4に流入する。このとき、計量室4の空気は、空気置換筒26を通して容器本体1の内部へ流出する。すなわち、計量室4内で空気と内容液Lとが置換される。
【0083】
次に、倒立姿勢の容器を正立姿勢に戻す(
図5を参照)。計量室4には、空気置換筒26の上端開口位置等に応じて、所定量の内容液Lが計量され、貯留される。
【0084】
次に、
図5に示すように蓋体5を開けて、注出孔35aを開放する。このとき、蓋体5の係合部54が外筒25の被係合部25bを引き上げるので、外筒25は上昇位置に上昇し、さらに蓋体5を開いていくことで、係合部54と被係合部25bとの係合が解除される。また、外筒25が上昇位置に移動することで、外側開口孔25aと内側開口孔24bとの連通が遮断され、計量室4と容器本体1の内部との連通も遮断される。
【0085】
この状態から容器を傾けていき、
図6に示すように、注出孔35aを下側へ向けると、計量室4に貯留された所定量の内容液Lが、注出孔35aを通してキャップ外部に注出される。
内容液Lの注出後は、
図1に示すように、蓋体5を閉じて注出孔35aを閉塞する。このとき、蓋体5の係合部54が外筒25の被係合部25bを押し下げるので、外筒25は下降位置に下降し、さらに蓋体5を閉じていくことで、係合部54と被係合部25bとが再び係合される。
【0086】
本実施形態の計量キャップ付き容器10によれば、従来のように計量キャップを容器本体1から取り外し、内容液Lを注ぎ入れて計量するという操作が不要である。具体的に本実施形態では、容器を倒立姿勢にし、正立姿勢に戻すという簡単な操作により、内容液Lを計量することができる。そして蓋体5を開くことで、計量した所定量の内容液Lを注出することができる。このため、操作性がよい。
【0087】
また本実施形態では、容器本体1の胴部12がスクイズ変形可能であり、
図2に示すように空気置換筒26は、左右方向において内筒24と並んで配置されている。
この計量キャップ付き容器10は、例えば、内容液Lを任意の量だけ追加で注出したい場合などに、
図7に示すように、蓋体5を開け注出孔35aを下側へ向けた姿勢で、容器本体1をスクイズ変形させることにより、空気置換筒26を通して内容液Lを注出することができる。
【0088】
このような使用時において、上記構成のように、空気置換筒26が内筒24と左右方向に並んで配置されていれば、空気置換筒26から注出された内容液Lが、内筒24及び外筒25に当たりにくくなる。空気置換筒26からの内容液Lの注出を安定して行うことができる。
【0089】
また本実施形態では、空気置換筒26の連通孔26aが、中栓部材2の底壁23に開口している。
図7に示すように、容器本体1をスクイズ変形させることにより、空気置換筒26を通して内容液Lを任意の量だけ追加で注出しようとするときに、上記構成のように、空気置換筒26の連通孔26aが中栓部材2の底壁23に開口していれば、例えば空気置換筒26が底壁23から下側に突出しているような構成に比べて、容器本体1の内容液Lの残量が少なくなっても、内容液Lを安定して注出しやすい。
【0090】
また本実施形態では、
図1及び
図5に示すように、外筒25及び内筒24の各中心軸Cが、キャップ軸Oよりも前側に位置している。
この場合、蓋体5がヒンジ6回りに回動する際、
図1及び
図5に示す縦断面視において、係合部54のヒンジ6回りの回転軌跡の曲率半径が大きくなる。このため、蓋体5による外筒25の引き上げストロークを大きく確保できるとともに、外筒25の上下動のストロークも大きく確保しやすくなる。
【0091】
これにより、外側開口孔25aと内側開口孔24bの各開口面積(特に上下方向の寸法)を大きく確保しつつも、外側開口孔25aと内側開口孔24bの連通と遮断とを安定して切り替えることが可能となる。また、注出孔35aについてもキャップ軸Oより前側に位置することとなるため、内容液Lをより注出しやすい。
【0092】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
【0093】
前述の実施形態では、内側開口孔24b及び外側開口孔25aが、それぞれ四角形孔状である例を挙げたが、これに限らない。特に図示しないが、内側開口孔24b及び外側開口孔25aはそれぞれ、例えば、四角形孔状以外の多角形孔状や円孔状等であってもよい。
【0094】
また前述の実施形態では、内側開口孔24bが、内筒24に筒周方向に並んで複数設けられ、外側開口孔25aが、外筒25に筒周方向に並んで複数設けられる例を挙げたが、これに限らない。内側開口孔24b及び外側開口孔25aは、各1つのみ設けられていてもよい。
【0095】
また、キャップ本体3は、透明な部材により形成されており、その周壁31に少なくとも1つの目盛り部を有していてもよい。なお、目盛り部が周壁31に複数設けられる場合、複数の目盛り部は、上下方向に互いに間隔をあけて配置される。
上記構成によれば、
図4に示すように容器を倒立姿勢とし、計量室4に流入する内容液Lが所望の目盛り部(図示省略)に達した時点で容器を正立姿勢に戻すことにより、任意の量の計量を行うことが可能である。
【0096】
また、中栓部材2の底壁23の上下方向の位置は、容器本体1の口部11の下端の上下方向の位置と同等か、またはそれよりも上側であってもよい。前述の実施形態で説明したように、中栓部材2の周壁21の下側部分の外周面と、口部11の内周面との間の隙間は小さい。このため上記構成によれば、注出孔35aを下側へ向けた姿勢に容器を傾けたときに、容器本体1の内容液Lの残量が少なくなっても、内容液Lを最後までより無駄なく注出しやすい。
【0097】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態及び変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…容器本体、2…中栓部材、3…キャップ本体、4…計量室、5…蓋体、6…ヒンジ、10…計量キャップ付き容器、11…口部、23…底壁、24…内筒、24b…内側開口孔、25…外筒、25a…外側開口孔、25b…被係合部、26…空気置換筒、26a…連通孔、32…頂壁、35a…注出孔、54…係合部、L…内容液