特開 2023-176352 車両用表示装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023176352

(43)【公開日】2023-12-13

(54)【発明の名称】車両用表示装置

(51)【国際特許分類】

   F21S 43/31 20180101AFI20231206BHJP

   F21S 43/14 20180101ALI20231206BHJP

   F21S 43/16 20180101ALI20231206BHJP

   F21S 43/20 20180101ALI20231206BHJP

   F21S 43/40 20180101ALI20231206BHJP

   F21V 14/04 20060101ALI20231206BHJP

   F21V 9/35 20180101ALI20231206BHJP

   F21V 9/40 20180101ALI20231206BHJP

   F21V 7/05 20060101ALI20231206BHJP

   F21V 7/09 20060101ALI20231206BHJP

   F21V 7/00 20060101ALI20231206BHJP

   F21V 5/04 20060101ALI20231206BHJP

   F21V 5/00 20180101ALI20231206BHJP

   F21V 9/08 20180101ALI20231206BHJP

   F21S 43/37 20180101ALI20231206BHJP

   G02B 26/10 20060101ALN20231206BHJP

   F21W 103/60 20180101ALN20231206BHJP

   F21Y 115/30 20160101ALN20231206BHJP

【ＦＩ】

F21S43/31

F21S43/14

F21S43/16

F21S43/20

F21S43/40

F21V14/04

F21V9/35

F21V9/40 200

F21V7/05

F21V7/09 510

F21V7/00 590

F21V5/04 400

F21V5/00 510

F21V9/08 100

F21S43/37

G02B26/10 C

F21W103:60

F21Y115:30

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022088590

(22)【出願日】2022-05-31

(71)【出願人】

【識別番号】000231512

【氏名又は名称】日本精機株式会社

(72)【発明者】

【氏名】齊藤 一

(72)【発明者】

【氏名】佐治 俊輔

【テーマコード（参考）】

2H045

【Ｆターム（参考）】

2H045AB72

2H045BA12

(57)【要約】

【課題】 車両用表示装置の小型化に寄与する。
【解決手段】 本開示の車両用表示装置１は、路面に画像ＩＭＧを表示することにより車両Ｖの挙動に伴う警告などを外部に伝える表示装置である。車両用表示装置１は、光源１１と、複数の鏡２５，２７と、走査部２９を下ケース１１に収容している。光源１１が出力した光は、下ケース１１の各隅部を沿うように複数回折り返された後、走査部２９に入射する。そして、走査部２９は、光源１１から走査部２９に至る光路が通る平面をＸＺ平面と定義したとき、このＸＺ平面と交わる方向にある下ケース１１の底面に形成された出射口１１０に向けて光を反射するように構成した。
【選択図】 図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

レーザ光を出力する光源、
前記レーザ光を反射する複数の反射鏡、
前記反射鏡の最後段の鏡が反射した光を外部に向けて反射する走査部、を備え、前記走査部が反射した光によって路面に画像を表示する車両用表示装置であって、
前記光源から前記走査部に至る光路が通る平面をＸＺ平面と定義したとき、前記走査部は前記ＸＺ平面と交わる方向に向けて反射する、
ことを特徴とする車両用表示装置。

【請求項2】

前記複数の反射鏡は、前記レーザ光を折り返す第１反射鏡と、前記第１反射鏡が反射した光をさらに折り返す第２反射鏡と、を備え、
前記光源から前記第１反射鏡に至る光路を第１光路、前記第１反射鏡から前記第２反射鏡に至る光路を第２光路と定義したとき、
前記第１光路は前記第２光路よりも長く、
前記第１光路上に、前記レーザ光を蛍光に変換する蛍光部と、前記蛍光をコリメートするコリメータレンズを配置した、
ことを特徴とする請求項１に記載の車両用表示装置。

【請求項3】

前記第１光路上に、フォーカスレンズを配置し、
前記第２光路上に、カラーフィルタを配置した、
ことを特徴とする請求項２に記載の車両用表示装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、路面に画像を表示する車両用表示装置に関する。

【背景技術】

【0002】

走行路面に図形を表示する車両用表示装置が、特許文献１に開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】国際特許公開第２０１６／０７２４８４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

このような車両用表示装置においては、小型化することが求められている。

【0005】

そこで、本開示は路面に画像を表示する車両用表示装置において、小型化することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示の車両用表示装置は、
レーザ光を出力する光源、
前記レーザ光を反射する複数の反射鏡、
前記反射鏡の最後段の鏡が反射した光を外部に向けて反射する走査部、を備え、前記走査部が反射した光によって路面に画像を表示する車両用表示装置であって、
前記光源から前記走査部に至る光路が通る平面をＸＺ平面と定義したとき、前記走査部は前記ＸＺ平面と交わる方向に向けて反射する。

【発明の効果】

【0007】

本開示によれば、路面に画像を表示する車両用表示装置を小型化することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】本開示の車両用表示装置が搭載された車両を示す図。

【図2】本開示の車両用表示装置の搭載箇所を示す図。

【図3】本開示の車両用表示装置の斜視図。

【図4】本開示の車両用表示装置の内部構造を示す斜視図。

【図5】本開示の車両用表示装置の内部構造を示す上面図。

【図6】カラーフィルタの構造を示す斜視図。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、添付図面を参照しながら本開示の車両用表示装置１の実施形態を説明する。

【0010】

図１から図２を参照して説明する。本開示の車両用表示装置１は、路面に画像を表示することにより車両Ｖの挙動に伴う警告などを外部に伝える表示装置である。車両Ｖの挙動とは、例えば、車両Ｖの右左折動作や駐車の際の後進である。

【0011】

車両用表示装置１は、例えば、車両Ｖの背面のバックドアＢＤの下方に位置するリアバンパーＲＢ内部に搭載されている。車両用表示装置１は、リアバンパーＲＢに設置されたライセンスプレートＮＰの上方から下方の路面に向けて画像ＩＭＧを表す表示光ＤＬを投射することにより、路面に画像ＩＭＧを表示する。図１の実施例では、車両Ｖの後進によって外部の人に注意を促す警告を画像ＩＭＧとして表示するものである。

【0012】

図３から図５を参照して説明する。車両用表示装置１は、下ケース１１及び上ケース１２から構成されるケース体によって覆われ、下ケース１１に形成された出射口１１０から表示光ＤＬを出射する。ここで、後述する説明を理解しやすくするため、ケース体（下ケース１１及び上ケース１２）の横方向をＸ軸、縦方向をＹ軸、奥行き方向をＺ軸と便宜上定義する。また、図４から図６において、光が通る光路を符号Ｌとして示している。

【0013】

車両用表示装置１は、光源２１、フォーカスレンズ２２、蛍光部２３、コリメータレンズ２４、第１反射鏡２５、カラーフィルタ２６、第２反射鏡２７、第３反射鏡２８、走査部２９、制御部（図示しない）、を備えている。これら部材は、ケース体（下ケース１１及び上ケース１２）に収容される。

【0014】

光源２１は、レーザ光を出力するレーザ光源である。光源２１は、例えば、中心波長が約４５０ナノメートルの青色レーザダイオードである。このレーザダイオードは、高出力なマルチモードレーザダイオードであることが好ましい。光源２１は、下ケース１１の第１隅部１１１に配置され、下ケース１１の長手方向（Ｘ軸方向）に向かう方向にある第２隅部１１２に配置された第１反射鏡２５に向けてレーザ光を出力する。

【0015】

フォーカスレンズ２２は、光源２１が出力したレーザ光の焦点位置を調整するためのレンズであり、対をなす２つのレンズから構成される。フォーカスレンズ２２によって、蛍光部２３に入射するレーザ光のスポット径が小さくなるように集光される。フォーカスレンズ２２は、光源２１と蛍光部２３の間に位置する。

【0016】

蛍光部２３は、光源２１が出力したレーザ光によって励起されて蛍光を出力する蛍光体である。蛍光体は、例えば、ＹＡＧ蛍光体であり、中心波長が約４５０ナノメートルの青色光によって励起されて白色光の蛍光を出力する。蛍光体は、薄い円板状の透明基材上に蛍光体層として形成され、この円板状の透明基材はモータによって回転可能に構成されている。尚、この透明基材は、加熱変形が生じにくい耐熱材料である石英ガラスや水晶ガラス、あるいはサファイヤガラスで構成することが好ましい。蛍光部２３は、フォーカスレンズ２２とコリメータレンズ２４の間に位置する。

【0017】

コリメータレンズ２４は、蛍光部２３から出力された蛍光を平行光が得られるように収差補正するレンズである。コリメータレンズ２４は、蛍光部２３と第１反射鏡２５の間に位置する。

【0018】

第１反射鏡２５は、コリメータレンズ２４から出力された平行光を第２反射鏡２７に向けて反射する鏡である。第２隅部１１２に配置された第１反射鏡２５は、第２隅部１１２と下ケース１１の短手方向（Ｚ軸方向）において対向する第３隅部１１３に配置された第２反射鏡２７に向けて光を折り返す。

【0019】

カラーフィルタ２６は、蛍光部２３が出力した蛍光のうち特定の波長のみを透過するパスフィルタである。カラーフィルタ２６は、第１反射鏡２５と第２反射鏡２７の間に位置する。

【0020】

カラーフィルタ２６は、赤色の波長の光のみを透過する赤フィルタ２６１Ｒと、緑色の波長の光のみを透過する緑フィルタ２６１Ｇと、青色の波長のみを透過する青フィルタ２６１Ｂと、可視光の全ての帯域の光を透過する白フィルタ２６１Ｗの複数のフィルタを備える。これら複数のフィルタ２６１Ｒ、２６１Ｇ、２６１Ｂ、２６１Ｗは、光路Ｌの光軸に直交するＸ軸方向にならんで配置されている。カラーフィルタ２６は、これら複数のフィルタ２６１Ｒ、２６１Ｇ、２６１Ｂ、２６１ＷをＸ軸方向に平行移動させる駆動部２６２を備えており、駆動部２６２によっていずれかのフィルタを蛍光が通過するようにフィルタを移動可能になっている。駆動部２６２は、例えば、直線移動するリードスクリュー式の駆動部である。このカラーフィルタ２６によって、白色の蛍光から、赤、緑、青、白の４つの色に変換することができる。

【0021】

第２反射鏡２７は、第１反射鏡２５が反射した光を第３反射鏡２８に向けて反射する鏡である。第２反射鏡２７は、第３隅部１１３に位置する。

【0022】

第３反射鏡２８は、第２反射鏡２７が反射した光を走査部２９に向けて反射する鏡である。第３反射鏡２８は、下ケース１１の第３隅部１１３と第４隅部１１４の間に位置し、下ケース１１の中央に位置する走査部２９に向けて光を折り返す。

【0023】

走査部２９は、入射した光を走査して画像ＩＭＧを表示するＭＥＭＳ（Micro Electro Mechanical System）ミラーである。走査部２９は、第３反射鏡２８が反射した光を下ケース１１の底面に形成された出射口１１０に向けて反射し、画像ＩＭＧを表す表示光ＤＬを出射口１１０から出射する。

【0024】

制御部は、マイクロコントローラや各種制御のための電子部品が実装された回路基板である。制御部は、光源１１、蛍光部２３、カラーフィルタ２６、走査部２９を制御する。制御部１１は、光源１１を所定の輝度に点灯あるいは消灯させる。制御部１１は、モータを制御して円板状の透明基材を回転させる。制御部１１は、駆動部２６２を制御して複数のフィルタ２６１Ｒ、２６１Ｇ、２６１Ｂ、２６１Ｗを平行移動させる。制御部１１は、走査部２９を制御して所定の画像を表示させる。

【0025】

以上に示したように、本開示の車両用表示装置１は、光源１１が出力した光は、下ケース１１の各隅部を沿うように複数回折り返された後、走査部２９に入射する。そして、走査部２９は、光源１１から走査部２９に至る光路が通る平面をＸＺ平面と定義したとき、このＸＺ平面と直交するＹＺ平面に沿う方向にある下ケース１１の底面に形成された出射口１１０に向けて光を反射するように構成した。
このように構成することで、ケース体内における光路長を長く確保しつつ、ケース体を薄く小型な筐体とすることができるため、小型化に寄与する。

【0026】

また、本開示の車両用表示装置１は、光源１１から第１反射鏡２５に至る光路を第１光路として定義し、第１反射鏡２５から第２反射鏡２７に至る光路を第２光路として定義したとき、第１光路を第２光路よりも長く設定した。そして、第１光路上に蛍光部２３と、コリメータレンズ２４を配置した。
このように構成することで、蛍光部２３によって拡散した光を平行光にするにあたって、光路長を長く確保しつつ、ケース体を薄く小型な筐体とすることができるため、小型化に寄与する。

【0027】

さらに、本開示の車両用表示装置１は、第１光路上にフォーカスレンズ２２を配置し、第２光路上にカラーフィルタ２６を配置した。
このように構成することで、フォーカスレンズ２２およびコリメータレンズ２４によって光源１１の出射時の光よりもスポット径が小さくなった後にカラーフィルタ２６を通過するように構成されるため、カラーフィルタ２６を小型化できる。

【0028】

以上、本開示の車両用表示装置１の第１実施形態を説明したが、以下の変更をしてもよい。

【0029】

車両用表示装置１は、車両ＶのリアバンパーＲＢ内部以外に搭載するものであってもよい。例えば、車両Ｖのフロントバンパーのコーナ部、サイドミラー、ドアなどに搭載するものであってもよい。

【符号の説明】

【0030】

１ …車両用表示装置
２１ …光源
２２ …フォーカスレンズ
２３ …蛍光部
２４ …コリメータレンズ
２５ …第１反射鏡
２６ …カラーフィルタ
２７ …第２反射鏡
２８ …第３反射鏡
２９ …走査部
Ｖ …車両
ＤＬ …表示光
ＩＭＧ…画像

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】