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特開2023-176357情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176357
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20231206BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B65G1/137 E
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088599
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】友國 貴史
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022FF21
3F022JJ11
3F022LL07
3F022MM52
3F022QQ13
3F522AA02
3F522BB25
3F522BB35
3F522CC01
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD33
3F522FF03
3F522GG07
3F522GG44
3F522JJ02
3F522JJ04
3F522LL46
3F522LL54
3F522LL56
3F522LL62
(57)【要約】
【課題】物品が格納されている高さを効果的に変更することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、第1のインターフェースと、第2のインターフェースと、プロセッサと、を備える。第1のインターフェースは、ケースから物品をピッキングする出庫オーダを取得する。第2のインターフェースは、異なる高さに格納されている前記ケースを交換する取出装置に接続する。プロセッサは、前記出庫オーダに基づいて、異なる高さに格納されている2つの前記ケースを選択し、前記第2のインターフェースを通じて、前記取出装置に、選択された2つの前記ケースを交換させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースから物品をピッキングする出庫オーダを取得する第1のインターフェースと、
異なる高さに格納されている前記ケースを交換する取出装置に接続する第2のインターフェースと、
前記出庫オーダに基づいて、異なる高さに格納されている2つの前記ケースを選択し、
前記第2のインターフェースを通じて、前記取出装置に、選択された2つの前記ケースを交換させる、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、2つの前記ケースとして、前記出庫オーダが示す前記物品を格納する前記ケースと、所定の高さよりも低い位置に格納されている前記ケースと、を選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の高さは、前記物品をピッキングするオペレータが届く高さである、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記物品が盗難される危険度を示す物品情報に基づいて、2つの前記ケースを選択する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、2つの前記ケースとして、前記危険度が所定の閾値以上である物品を格納する前記ケースと、前記所定の高さよりも高い位置に格納されている前記ケースと、を選択する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、2つの前記ケースとして、同一の棚に格納される前記ケースを選択する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、2つの前記ケースとして、前記棚において同一の面に位置するケースを選択する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ケースを格納する棚を搬送する棚搬送システムに接続する第3のインターフェースを備え、
前記プロセッサは、前記第3のインターフェースを通じて、前記棚搬送システムに、2つの前記ケースを格納する棚を前記取出装置まで搬送させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記第3のインターフェースを通じて、前記棚搬送システムに、前記棚を、前記物品をピッキングするステーションまで搬送させる、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記物品のピッキングを行わない期間において、前記第2のインターフェースを通じて前記取出装置に選択された2つの前記ケースを交換させる、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
ケースから物品をピッキングする出庫オーダを取得し、
前記出庫オーダに基づいて、異なる高さに格納されている2つの前記ケースを選択し、
前記ケースを交換する取出装置に、選択された2つの前記ケースを交換させる、
情報処理方法。
【請求項12】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
ケースから物品をピッキングする出庫オーダを取得する機能と、
前記出庫オーダに基づいて、異なる高さに格納されている2つの前記ケースを選択する機能と、
前記ケースを交換する取出装置に、選択された2つの前記ケースを交換させる機能と、
を実行させるプログラム。
【請求項13】
取出装置と情報処理装置とを備えるシステムであって、
前記取出装置は、
前記情報処理装置に接続する通信インターフェースと、
物品を格納するケースを把持する把持機構と、
前記情報処理装置からの制御に従って、前記把持機構を用いて、異なる高さに格納されている2つの前記ケースを交換する第1のプロセッサと、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記物品をピッキングする出庫オーダを取得する第1のインターフェースと、
前記取出装置に接続する第2のインターフェースと、
前記出庫オーダに基づいて、異なる高さに格納されている2つの前記ケースを選択し、
前記第2のインターフェースを通じて、前記取出装置に、選択された2つの前記ケースを交換させる、
第2のプロセッサと、
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動搬送車を用いて物品を格納する棚をワークステーションに搬送するシステムが提供されている。ワークステーションでは、オペレータが自動搬送車によって搬送された棚から物品をピッキングする。
【0003】
ピッキングする物品が棚の上方に格納されている場合、オペレータは、梯子などを用いる必要があり、ピッキングにかかる時間が増加する。
【0004】
また、ピッキングする必要がない高価な物品がオペレータの手が届く下方に格納されている場合、盗難の危険が増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4423616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、物品が格納されている高さを効果的に変更することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、情報処理装置は、第1のインターフェースと、第2のインターフェースと、プロセッサと、を備える。第1のインターフェースは、ケースから物品をピッキングする出庫オーダを取得する。第2のインターフェースは、異なる高さに格納されている前記ケースを交換する取出装置に接続する。プロセッサは、前記出庫オーダに基づいて、異なる高さに格納されている2つの前記ケースを選択し、前記第2のインターフェースを通じて、前記取出装置に、選択された2つの前記ケースを交換させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る制御システムの構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係るAGV棚の構成例を概略的に示す図である。
図3図3は、実施形態に係る制御システムの構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係るWESの構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係るAGVの構成例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る取出装置の構成例を概略的に示す図である。
図7図7は、実施形態に係る取出装置の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態に係る取出装置の動作例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るWESの動作例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係る取出装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る制御システムは、物流システムなどにおいて棚から物品をピッキングする。制御システムは、自動搬送車(automated guided vehicle(AGV))を用いてAGV棚をワークステーションに搬送する。制御システムは、ワークステーションにおいてAGV棚から物品をピッキングする。制御システムは、オペレータ又はロボットにAGV棚から物品をピッキングさせる。
たとえば、制御システムは、物流センタ又は倉庫などで用いられる。
【0010】
図1は、実施形態に係る制御システム100の構成例を示す図である。
図1に示すように、制御システム100は、ワークステーションP(P1乃至P3)、取出装置5、AGV7、AGV棚8、ピッキングロボット111、及び表示装置112などを備える。
【0011】
ワークステーションP1乃至P3には、ピッキングロボット111及び表示装置112がそれぞれ設置される。制御システムは、各ワークステーションP1乃至P3において、ピッキングロボット111を稼働しピッキングロボット111により物品をピッキングすることができる。また、制御システムは、ピッキングロボット111の稼働を停止してオペレータ113を配置しオペレータ113に物品をピッキングさせることもできる。オペレータ113は、表示装置112に表示される物品処理スケジュール等を目視確認して物品を処理することができる。なお、表示装置112は、オペレータ113に割り当てられた無線通信端末であってもよい。
【0012】
また、ワークステーションP1乃至P3に表示装置112を設置し、一部のワークステーションにピッキングロボット111を設置するようにしてもよい。この場合、ピッキングロボット111が設置されていないワークステーションは、オペレータ113用のワークステーションとして利用される。なお、ピッキングロボット111が設置されているワークステーションは、ピッキングロボット111用及びオペレータ113用の何れのワークステーションとしても利用可能である。
【0013】
なお、制御システム100は、複数のカメラを備えてもよい。また、複数のカメラのうちの1又は数台を固定式カメラとし、残りを移動式カメラとしてもよい。固定式カメラは、例えば天井、壁面、及びワークステーションP1乃至P3に対する上面と側面等に固定されたカメラであり、倉庫全体及び倉庫内で処理される物品を撮影し、撮影データをリアルタイムに出力する。撮影データは、撮影日時データ(撮影時刻含む)及び撮影画像データを含む。撮影画像データは、静止画データ及び動画データである。また、固定式カメラは、後述するWES10からの撮影制御信号に基づき上下左右に回動してもよい。固定式カメラが、上下左右に回動することにより、広範囲に倉庫内を監視することができる。
【0014】
AGV7は、後述する棚搬送システム20からの制御信号に基づき動作する。たとえば、AGV7は、指定された積み込み位置へ向かって走行し、指定された積み込み位置のAGV棚8を持ち上げる。AGV7は、指定された積み降ろし位置へ向かって走行し、指定された積み降ろし位置でAGV棚8を降ろす。
【0015】
AGV棚8は、物品を格納する棚である。AGV棚8は、高さが異なる2つ以上の区画を備える。たとえば、AGV棚8は、複数の棚段から構成される。AGV棚8は、各棚段に物品を格納するケースを備える。
【0016】
また、AGV棚8は、四本の支柱で直立する。AGV棚8の棚下の高さは(床面から棚底までの高さ)、AGV7の高さよりも高い。これにより、AGV7は、AGV棚8の棚下に潜り込むことができる。棚下に潜り込んだAGV7は、プッシャーにより床面から支柱の先端が数センチ離れる程度にAGV棚8を持ち上げて、AGV棚8を持ち上げた状態で走行する。このようにしてAGV7は、AGV棚8を搬送する。
【0017】
また、AGV棚8には、固定式カメラ又は移動式カメラ等で読み取り可能な棚識別情報が貼り付けられていてもよい。物品にも、固定式カメラ又は移動式カメラ等で読み取り可能な物品識別情報が貼り付けられていてもよい。例えば、棚識別情報及び物品識別情報は、バーコードや二次元コードである。なお、制御システムは、固定式カメラ又は移動式カメラとは別に、これら棚識別情報及び物品識別情報を読み取る複数のリーダを備えてもよい。
AGV棚8については、後に詳述する。
【0018】
ワークステーションP1乃至P3は、AGV7により搬送されたAGV棚8を受け入れる。ワークステーションP1乃至P3で受け入れられたAGV棚8には、物品が格納されている。ピッキングロボット111による物品処理が指定されている場合には、ピッキングロボット111は、AGV棚8に収容された物品を把持(グリップ)してピッキングする。オペレータ113による物品処理が指定されている場合には、配置されたオペレータ113は、手作業により、AGV棚8に収容された物品を把持してピッキングする。また、ワークステーションP1乃至P3に対応して設けられる表示装置112は、物品処理スケジュールに加えて、オペレータ113のピッキング作業を支援する情報、例えば処理対象となる物品の画像及び物品識別情報を表示する。オペレータ113は、表示装置112の表示内容を目視確認して、物品をピッキングする。
【0019】
また、ワークステーションP1乃至P3は、ピッキングロボット111又はオペレータ113を用いてAGV棚8に物品を格納するものであってもよい。
【0020】
取出装置5は、WES10からの制御に従って、AGV棚8において異なる高さに格納されているケースをスワップする。即ち、取出装置5は、AGV棚8が格納するケースの位置を交換する。取出装置5は、AGV7が搬送したAGV棚8が格納するケースをスワップする。また、取出装置5は、WES10からの制御に従って物品のピッキングのためにAGV棚8からケースを取り出すものであってもよい。
取出装置5については、後に詳述する。
【0021】
次に、AGV棚8について説明する。
図2は、AGV7によってワークステーションPに搬送されたAGV棚8の例を示す。
【0022】
ここでは、AGV棚8は、AGV7に積載されている。また、AGV棚8は、オペレータ113が物品をピッキングすることができる位置に搬送されているものとする。
【0023】
図2が示すように、AGV棚8は、複数のケース9を備える。AGV棚8は、複数の棚段を備え、各棚段にケース9を格納する。ここでは、各棚段は、2つのケース9を格納する。
【0024】
また、AGV棚8は、オペレータ113が梯子などを使用せずに届く高さ、及び、当該高さよりも高い位置にケース9を格納する。
【0025】
ここでは、AGV棚8がケース9を格納する領域であってオペレータ113が梯子などを使用せずに届く範囲を効率向上エリアと呼称する。即ち、効率向上エリアは、オペレータ113が梯子などを使用せずに物品をピッキングすることができるエリアである。効率向上エリアは、所定の高さ(オペレータ113が届く高さ)よりも低いエリアである。
【0026】
また、AGV棚8がケース9を格納する領域であって効率向上エリアよりも高い範囲を盗難防止エリアと呼称する。即ち、盗難防止エリアは、オペレータ113が梯子などを使用しなければ物品をピッキングすることができないエリアである。盗難防止エリアは、所定の高さ(オペレータ113が届く高さ)よりも高いエリアである。
【0027】
次に、制御システム100の制御系について説明する。
図3は、実施形態に係る制御システム100の制御系の構成例を示すブロック図である。図3が示すように、制御システム100は、WMS2、取出装置5、AGV7、WES10、及び、棚搬送システム20などを備える。
【0028】
WES10は、WMS2、取出装置5、棚搬送システム20に接続する。棚搬送システム20は、AGV7に接続する。
【0029】
WMS2(Warehouse Management System)は、倉庫管理システムと呼ばれ、1又は複数のコンピュータで実現可能である。WMS2は、AGV棚8から物品をピッキングすることを指示する出庫オーダをWES10に送信する。また、WMS2は、AGV棚8に物品を入庫することを指示する入庫オーダをWES10に送信するものであってもよい。
【0030】
また、WMS2は、物品に関する物品情報を格納する。物品情報は、物品の名称、ID、価格及び盗難危険度などを示す。盗難危険度は、物品の盗難されやすさを示す指標である。たとえば、盗難危険度は、0(危険性無し)から5(危険性最大)までの値である。盗難危険度は、オペレータの操作に基づいて設定される。また、盗難危険度は、WMS2が物品の価格、外寸、重量などに基づいて設定するものであってもよい。
【0031】
WMS2は、WES10からのリクエストに従って、物品情報をWES10に送信する。
【0032】
WES10(Warehouse Execution System)(情報処理装置)は、倉庫運用管理システムと呼ばれ、1又は複数のコンピュータで実現可能である。WES10は、WMS2からの出庫オーダなどに基づいて、取出装置5及び棚搬送システム20などを制御する。WES10については、後に詳述する。
【0033】
棚搬送システム20は、WES10からの制御に従って、AGV7を制御する。たとえば、棚搬送システム20は、AGV7を用いてAGV棚8をワークステーションPに搬送する。また、棚搬送システム20は、AGV7を用いてワークステーションPからAGV棚8を戻す。
【0034】
棚搬送システム20は、各AGV棚8のケース9が格納する物品を示す在庫情報を予め格納する。たとえば、在庫情報は、AGV棚8の識別子、AGV棚8が格納しているケース9の位置(高さ)、及び、ケース9に格納されている物品を示す識別子などを対応付けて格納する。
【0035】
棚搬送システム20は、所定の物品を出庫する出庫オーダをWES10から受信すると、在庫情報を参照して当該物品を格納するAGV棚8を特定する。
【0036】
AGV棚8を特定すると、棚搬送システム20は、AGV7を用いて特定されたAGV棚8をワークステーションPの1つに搬送する。棚搬送システム20は、オペレータ又はロボットを用いて、搬送されたAGV棚8のケース9から当該物品をピッキングさせる。
【0037】
また、棚搬送システム20は、WES10の制御に従って、AGV棚8を取出装置5まで搬送する。即ち、棚搬送システム20は、取出装置5がケース9を交換可能な位置までAGV棚8を搬送する。
【0038】
また、棚搬送システム20は、WES10からリクエストに従って又は所定にタイミングで、在庫情報をWES10に送信する。
【0039】
次に、WES10について説明する。
図4は、WES10の構成例を示すブロック図である。図4が示すように、WES10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、操作部16、表示部17、取出装置インターフェース18及び棚搬送システムインターフェース19などを備える。
【0040】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、操作部16、表示部17、取出装置インターフェース18及び棚搬送システムインターフェース19と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、WES10は、図4が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、WES10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0041】
プロセッサ11(第2のプロセッサ)は、WES10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0042】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0043】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、WES10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0044】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0045】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、WES10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0046】
通信部15(第1のインターフェース)は、WMS2などとデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部15は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートする。
【0047】
操作部16は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部16は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。たとえば、操作部16は、マウス、キーボード又はタッチパネルなどから構成される。
【0048】
表示部17は、プロセッサ11からの画像データを表示する。たとえば、表示部17は、液晶モニタから構成される。なお、操作部16がタッチパネルから構成される場合、表示部17は、操作部16としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0049】
取出装置インターフェース18(第2のインターフェース)は、取出装置5とデータを送受信するためのインターフェースである。取出装置インターフェース18は、ネットワークなどを介して取出装置5に接続する。たとえば、取出装置インターフェース18は、有線又は無線のLAN接続をサポートする。
【0050】
棚搬送システムインターフェース19(第3のインターフェース)は、棚搬送システム20とデータを送受信するためのインターフェースである。棚搬送システムインターフェース19は、ネットワークなどを介して棚搬送システム20に接続する。たとえば、棚搬送システムインターフェース19は、有線又は無線のLAN接続をサポートする。
【0051】
なお、通信部15、取出装置インターフェース18及び棚搬送システムインターフェース19(又は、これらの一部)は、一体的に構成されるものであってもよい。
【0052】
次に、AGV7について説明する。
図5は、実施形態に係るAGV7の構成例を示すブロック図である。
AGV7は、プロセッサ71、ROM72、RAM73、補助記憶デバイス74、通信インターフェース75、駆動部76、センサ77、バッテリー78、充電機構79及びタイヤ70などを備える。
【0053】
プロセッサ71は、AGV7全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ71は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ71は、内部メモリ、ROM72又は補助記憶デバイス74が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0054】
たとえば、プロセッサ71は、CPUである。なお、プロセッサ71は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウエアにより実現されてもよい。
【0055】
プロセッサ71は、加速、減速、停止、方向転換及びAGV棚8の積み降ろし等の動作に必要な演算及び制御などの処理を行う。プロセッサ71は、棚搬送システム20などからの制御信号に基づき、ROM72等に記憶されたプログラムを実行することにより、駆動信号を生成し各部に出力する。
【0056】
例えば、棚搬送システム20は、AGV7を現在位置から第1の位置(目的のAGV棚8の棚配置位置)へ移動させて第1の位置から第2の位置(目的のワークステーションPの位置)へ移動させる制御信号を送信する。また、棚搬送システム20は、AGV7を第2の位置から第1の位置へ移動させる制御信号を送信する。AGV7のプロセッサ71は、棚搬送システム20から送信される制御信号に応じた駆動信号を出力する。これにより、AGV7は、現在位置から第1の位置へ移動し、第1の位置から第2の位置へ移動し、第2の位置から第1の位置へ移動する。また、プロセッサ71は、棚搬送システム20から送信される制御信号に含まれるAGV棚8の積み降ろし指示に応じた駆動信号を出力する。これにより、AGV7は、プッシャーによりAGV棚8を持ち上げたり、持ち上げたAGV棚8を降ろしたりする。
【0057】
ROM72は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する。また、ROM72は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。RAM73は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM73は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0058】
補助記憶デバイス74は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス74は、プロセッサ71が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ71での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0059】
通信インターフェース75は、無線LANアクセスポイントなどを通じて棚搬送システム20などとデータを送受信するインターフェースである。たとえば、通信インターフェース75は、無線LAN接続をサポートする。
【0060】
駆動部76は、モータ等であり、プロセッサ71から出力される駆動信号に基づきモータを回転又は停止する。モータの動力は、タイヤ70に伝達され、操舵機構に伝達される。このようなモータからの動力により、AGV7は、目的位置へ移動する。駆動部76は、AGV7及びAGV棚8を搬送する搬送機構として機能する。
【0061】
また、AGV7がAGV棚8下に潜り込んだ状態で、駆動部76は、プロセッサ71から出力される駆動信号に基づきモータを回転(順回転)する。このモータからの動力によりプッシャーが上昇しAGV棚8が持ち上げられる。また、AGV7が目的位置に到達した後、駆動部76は、プロセッサ71から出力される駆動信号に基づきモータを回転(逆回転)する。このモータからの動力によりプッシャーが下降しAGV棚8が床面に降ろされる。
【0062】
センサ77は、複数の反射センサである。各反射センサは、AGV7の周囲に取り付けられる。各反射センサは、レーザ光を照射し、レーザ光を照射してからレーザ光が物体で反射して戻るまでの時間を検出し、検出された時間に基づき物体までの距離を検知し、検知信号をプロセッサ71へ通知する。プロセッサ71は、センサ77からの検知信号に基づき、AGV7の走行を制御する制御信号を出力する。例えば、プロセッサ71は、センサ77からの検知信号に基づき、物体への衝突を回避する減速又は停止等の制御信号を出力する。なお、センサ77以外に、カメラを備え、カメラが、周辺を撮影し撮影画像をプロセッサ71へ出力してもよい。この場合、プロセッサ71は、撮影画像を解析し、物体への衝突を回避する減速又は停止等の制御信号を出力する。
【0063】
バッテリー78は、駆動部76等に必要な電力を供給する。充電機構79は、充電ステーションとバッテリー78とを接続する機構であり、バッテリー78は、充電機構79を介して充電ステーションなどから供給される電力により充電される。
【0064】
次に、取出装置5について説明する。
図6は、取出装置5の側面図である。
図6が示すように、取出装置5は、ベース501を備える。ベース501は、取出装置5全体を支持する支持機構として機能する。
【0065】
また、ベース501には、上部に延びる部材502が形成されている。たとえば、部材502は、上方に伸びる2つの棒状の部材と当該部材間に渡って形成される棒状の部材とから構成される。即ち、部材502は、はしご状に形成されている。
【0066】
部材502には、背面トレイ503が形成されている。背面トレイ503は、部材502から水平方向に延びる板状の部材である。背面トレイ503は、ケース9を積載する。
【0067】
部材502には、シャトル部504が形成されている。シャトル部504は、部材502に対して背面トレイ503と逆方向に形成されている。シャトル部504は、後述する駆動部56などにより部材502に沿って上下に移動可能である。
【0068】
シャトル部504(把持機構)は、前方(図6では、右側)にあるケース9を把持する。シャトル部504は、把持されたケース9を背面トレイ503に積載する。
また、シャトル部504は、背面トレイ503に積載されているケース9を把持する。シャトル部504は、把持されたケース9を前方で開放する。
【0069】
シャトル部504は、AGV棚8の各棚段からケース9を取得することができる。また、シャトル部504は、AGV棚8の各棚段へケース9をセットすることができる。
【0070】
また、シャトル部504は、センサ505を備える。センサ505は、前方に存在するケース9を検知する。センサ505は、ケース9に添付されているコードなどを読み取るものであってもよい。センサ505は、照明などを備えるものであってもよい。
【0071】
次に、取出装置5の制御系について説明する。
図5は、取出装置5の構成例を示すブロック図である。取出装置5は、プロセッサ51、ROM52、RAM53、NVM54、通信部55、駆動部56及びセンサ505などを備える。
【0072】
プロセッサ51(第1のプロセッサ)は、取出装置5全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ51は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ51は、内部メモリ、ROM52又はNVM54が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0073】
たとえば、プロセッサ51は、CPUである。なお、プロセッサ51は、LSI、ASIC、又はFPGA等のハードウエアにより実現されてもよい。
【0074】
ROM52は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する。また、ROM52は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。RAM53は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0075】
NVM54は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であり、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、NVM54は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ51での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0076】
通信部55(通信インターフェース)は、WES10などとデータを送受信するインターフェースである。通信部55は、ネットワークなどを介してWES10などに接続する。たとえば、通信部55は、無線LAN接続をサポートする。
【0077】
駆動部56は、シャトル部504を駆動する。たとえば、駆動部56は、シャトル部504を上下方向に移動させる。また、駆動部56は、シャトル部504の把持動作を行わせる。駆動部56は、シャトル部504を駆動させるモータ等である。
【0078】
なお、取出装置5は、図6及び図7が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、取出装置5から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0079】
次に、WES10が実現する機能について説明する。WES10が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0080】
まず、プロセッサ11は、所定の期間において処理する出庫オーダを取得する機能を有する。
プロセッサ11は、通信部15を通じて出庫オーダをWMS2から受信する。出庫オーダを受信すると、プロセッサ11は、所定の期間(たとえば、翌日など)において処理する出庫オーダを選別する。
【0081】
たとえば、プロセッサ11は、出庫オーダの期限などに基づいて、所定の期間において処理する出庫オーダを選別する。
【0082】
また、プロセッサ11は、選別された出庫オーダによってピッキングされる物品の物品情報を取得する機能を有する。
出庫オーダを選別すると、プロセッサ11は、通信部15を通じて、選別された出庫オーダによってピッキングされる物品の物品情報を要求するリクエストをWMS2に送信する。
【0083】
プロセッサ11は、通信部15を通じて、当該リクエストに対するレスポンスとして、物品情報を受信する。
【0084】
また、プロセッサ11は、物品情報などに基づいて、交換する2つのケース9(スワップ元のケース9及びスワップ先のケース9のセット)を選択する機能を有する。
【0085】
ここで、プロセッサ11は、棚搬送システムインターフェース19を通じて在庫情報を棚搬送システム20から取得するものとする。
【0086】
また、プロセッサ11は、スワップ元のケース9及びスワップ先のケース9をAGV棚8の同一の列(同一の面に面するケース9)から選択する。また、プロセッサ11は、異なる高さに格納されているスワップ元のケース9及びスワップ先のケース9を選択する。
【0087】
プロセッサ11は、出庫オーダの処理を効率化するため2つのケース9を選択する。即ち、プロセッサ11は、出庫オーダの物品を格納するケース9を効率向上エリアに格納するように、2つのケース9を選択する。
【0088】
たとえば、プロセッサ11は、在庫情報に基づいて、盗難防止エリアのケース9から、出庫オーダの物品を格納するケース9をスワップ元のケース9として選択する。
【0089】
スワップ元のケース9を選択すると、プロセッサ11は、スワップ元のケース9を格納するAGV棚8の効率向上エリアのケース9の中から、出庫オーダの物品を含まないケース9をスワップ先のケース9として選択する。
【0090】
また、プロセッサ11は、効率向上エリアのケース9から、スワップ元のケース9を選択してもよい。たとえば、プロセッサ11は、出庫オーダの出庫時刻が早いものがより上方に格納されるように、スワップ元のケース9及びスワップ先のケース9を選択してもよい。
【0091】
また、プロセッサ11は、物品の盗難を防止するため2つのケース9を選択する。即ち、プロセッサ11は、盗難危険度が高い物品を格納するケース9を盗難防止エリアに格納するように、2つのケース9を選択する。
【0092】
たとえば、プロセッサ11は、物品情報に基づいて、盗難危険度が所定の閾値以上である物品(危険物品)を選択する。危険物品を選択すると、プロセッサ11は、在庫情報に基づいて、効率向上エリアのケース9から、危険物品を格納するケース9をスワップ元のケース9として選択する。
【0093】
スワップ元のケース9を選択すると、プロセッサ11は、スワップ元のケース9を格納するAGV棚8の盗難防止エリアのケース9から、危険物品を格納しないケース9をスワップ先のケース9として選択する。たとえば、プロセッサ11は、盗難危険度が高いほど高い位置に格納されているケース9をスワップ先のケース9として選択する。即ち、プロセッサ11は、盗難危険度が高い危険物品ほど高い位置に格納されるようにスワップ先のケース9を選択する。
【0094】
また、プロセッサ11は、盗難防止エリアのケース9から、スワップ元のケース9を選択してもよい。たとえば、プロセッサ11は、盗難危険度が高い危険物品ほど高い位置に格納されるようにスワップ元のケース9及びスワップ先のケース9を選択してもよい。
【0095】
ここでは、プロセッサ11は、盗難の防止よりも出庫オーダの処理の効率化を優先してスワップ元のケース9及びスワップ先のケース9を選択する。即ち、プロセッサ11は、出庫オーダの物品が危険物品である場合、当該危険物品を格納するケース9が効率向上エリアに格納されるようにスワップ元のケース9及びスワップ先のケース9を選択する。
【0096】
プロセッサ11は、上記の動作により、スワップ元のケース9とスワップ先のケース9とのセットを1つ又は複数個設定する。
【0097】
また、プロセッサ11は、交換するケース9のセットを交換する機能を有する。
スワップ元のケース9とスワップ先のケース9とのセットを設定すると、プロセッサ11は、1つの未処理のセットを設定する。1つの未処理のセットを設定すると、プロセッサ11は、設定されたセットのケース9(スワップ元のケース9及びスワップ先のケース9)を格納するAGV棚8を特定する。
【0098】
AGV棚8を特定すると、プロセッサ11は、棚搬送システムインターフェース19を通じて、棚搬送システム20に特定されたAGV棚8を取出装置5まで搬送させる。
【0099】
棚搬送システム20がAGV7を用いてAGV棚8を取出装置5まで搬送すると、プロセッサ11は、取出装置インターフェース18を通じて、取出装置5に、スワップ元のケース9とスワップ先のケース9とを交換させる。たとえば、プロセッサ11は、取出装置インターフェース18を通じて、スワップ元のケース9を示す識別子とスワップ先のケース9を示す識別子とを含む制御信号を取出装置5に送信する。また、プロセッサ11は、取出装置インターフェース18を通じて、スワップ元のケース9が格納されている棚段(又は高さ)とスワップ先のケース9が格納されている棚段(高さ)とを示す制御信号を取出装置5に送信してもよい。
【0100】
取出装置5がスワップ元のケース9とスワップ先のケース9とを交換すると、プロセッサ11は、棚搬送システムインターフェース19を通じて、スワップが完了したことを示す通知を棚搬送システム20に送信する。たとえば、通知は、スワップ元のケース9を示す識別子とスワップ先のケース9を示す識別子とを含む。たとえば、棚搬送システム20は、通知に基づいて在庫情報を更新してもよい。
【0101】
通知を棚搬送システム20に送信すると、プロセッサ11は、棚搬送システムインターフェース19を通じて、棚搬送システム20にAGV棚8を所定の返却位置(たとえば、元の位置)まで搬送させる。
【0102】
プロセッサ11は、各セットについて同様にスワップ元のケース9とスワップ先のケース9とを交換する。
【0103】
次に、取出装置5が実現する機能について説明する。取出装置5が実現する機能は、プロセッサ51が内部メモリ、ROM52又はNVM54などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0104】
プロセッサ51は、WES10からの制御に従ってスワップ元のケース9とスワップ先のケース9とを交換する機能を有する。
図8は、取出装置5がスワップ元のケース9とスワップ先のケース9とを交換する動作例を示す。
【0105】
前述の通り、WES10のプロセッサ11は、取出装置インターフェース18を通じて、スワップ元のケース9を示す識別子とスワップ先のケース9を示す識別子とを含む制御信号を取出装置5に送信する。
【0106】
プロセッサ51は、通信部55を通じて制御信号を受信する。制御信号を受信すると、プロセッサ51は、駆動部56を制御して、シャトル部504をスワップ先のケース9の高さに移動する。シャトル部504を移動すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ先のケース9を把持する(手順A)。
【0107】
スワップ先のケース9を把持すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ先のケース9を背面トレイ503に積載する(手順B)。スワップ先のケース9を背面トレイ503に積載すると、プロセッサ51は、駆動部56を制御して、シャトル部504をスワップ元のケース9の高さに移動する。シャトル部504を移動すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ元のケース9を把持する(手順C)。
【0108】
スワップ元のケース9を把持すると、プロセッサ51は、駆動部56を制御して、シャトル部504をスワップ先のケース9が格納されていた棚段の高さに移動する。シャトル部504を移動すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ元のケース9を当該棚段にセットする(手順D)。
【0109】
スワップ元のケース9をセットすると、プロセッサ11は、シャトル部504を用いて背面トレイ503からスワップ先のケース9を把持する(手順E)。スワップ先のケース9を把持すると、プロセッサ51は、駆動部56を制御して、シャトル部504をスワップ元のケース9が格納されていた棚段の高さに移動する。シャトル部504を移動すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ先のケース9を当該棚段にセットする(手順F)。
プロセッサ11は、WES10からの制御信号に従って上記の動作を繰り返す。
【0110】
次に、WES10の動作例について説明する。
図9は、WES10の動作例について説明するためのフローチャートである。たとえば、WES10は、ピッキング処理を行わない期間(たとえば、夜間など)において以下の動作を実行する。
【0111】
まず、WES10のプロセッサ11は、所定の期間において処理する出庫オーダを取得する(S11)。出庫オーダを取得すると、プロセッサ11は、通信部15を通じて、出庫オーダの物品に関する物品情報をWMS2から取得する(S12)。
【0112】
物品情報を取得すると、プロセッサ11は、物品情報などに基づいて、スワップ先のケース9とスワップ元のケース9とのセットを選択する(S13)。セットを選択すると、プロセッサ11は、選択されたセットがあるかを判定する(S14)。
【0113】
セットがあると判定すると(S14、YES)、プロセッサ11は、棚搬送システムインターフェース19を通じて棚搬送システム20に、セットのケース9を格納するAGV棚8を取出装置5まで搬送させる(S15)。
【0114】
棚搬送システム20にAGV棚8を取出装置5まで搬送させると、プロセッサ11は、取出装置インターフェース18を通じて、取出装置5にスワップ先のケース9とスワップ元のケース9とを交換させる(S16)。
【0115】
取出装置5にスワップ先のケース9とスワップ元のケース9とを交換させると、プロセッサ11は、棚搬送システムインターフェース19を通じて、スワップが完了したことを示す通知を棚搬送システム20に送信する(S17)。
【0116】
通知を棚搬送システム20に送信すると、プロセッサ11は、棚搬送システムインターフェース19を通じて棚搬送システム20に、AGV棚8を所定の返却位置まで搬送させる(S18)。
【0117】
AGV棚8を所定の返却位置まで搬送させると、プロセッサ11は、未処理のセットがあるかを判定する(S19)。未処理のセットがあると判定すると(S19、YES)、プロセッサ11は、S15に戻る。
【0118】
未処理のセットがないと判定すると(S19、NO)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0119】
次に、取出装置5の動作例について説明する。
図10は、取出装置5の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0120】
まず、取出装置5のプロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ先のケース9を把持する(S21)。スワップ先のケース9を把持すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ先のケース9を背面トレイ503に積載する(S22)。
【0121】
スワップ先のケース9を背面トレイ503に積載すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ元のケース9を把持する(S23)。スワップ元のケース9を把持すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いて、スワップ先のケース9が格納されていた棚段にスワップ元のケース9をセットする(S24)。
【0122】
スワップ元のケース9をセットすると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いてスワップ先のケース9を背面トレイ503から把持する(S25)。スワップ先のケース9を背面トレイ503から把持すると、プロセッサ51は、シャトル部504を用いて、スワップ元のケース9が格納されていた棚段にスワップ先のケース9をセットする(S26)
スワップ先のケース9をセットすると、プロセッサ51は、動作を終了する。
なお、プロセッサ51は、WES10からの制御信号に従ってS21乃至S26を繰り返す。
【0123】
また、WES10のプロセッサ11は、AGV棚8においてスワップ元のケース9が積載されている列と異なる列(他面に面するケース9)からスワップ先のケース9を選択するものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、取出装置5がスワップ先のケース9を把持したタイミングで、棚搬送システム20にAGV棚8を回転させてもよい。
【0124】
また、プロセッサ11は、スワップ元のケース9を格納するAGV棚8と異なるAGV棚8のケース9からスワップ先のケース9を選択してもよい。この場合、プロセッサ11は、取出装置5がスワップ先のケース9を把持したタイミングで、棚搬送システム20に、スワップ先のケース9を格納するAGV棚8をスワップ元のケース9を格納するAGV棚8に入れ替えさせてもよい。
【0125】
また、プロセッサ11は、オペレータ113の身長に応じて盗難防止エリアと効率向上エリアとを設定してもよい。
また、プロセッサ11は、大きい又は重い物品ほど下方に格納されるようにスワップ元のケース9及びスワップ先のケース9を選択するものであってもよい。
【0126】
また、制御システム100は、複数の取出装置5を備えるものであってもよい。
また、取出装置5は、移動するものであってもよい。この場合、WES10のプロセッサ11は、取出装置5をAGV棚8まで移動させた後に、取出装置5にケース9を交換させてもよい。
【0127】
また、制御システム100は、ピッキング処理とケース9の交換とを同時並行で実行するものであってもよい。
【0128】
以上のように構成された制御システムは、出庫オーダに基づいて、ピッキングする物品を格納するケースをオペレータの手が届く範囲に置き換える。その結果、制御システムは、オペレータに効率的に物品をピッキングさせることができる。
【0129】
また、制御システムは、物品情報に基づいて、盗難される危険が大きい物品を格納するケースをオペレータの手が届かない範囲に置き換える。その結果、制御システムは、物品の盗難を防止することができる。
【0130】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0131】
2…WMS、5…取出装置、7…AGV、8…AGV棚、9…ケース、10…WES、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…通信部、16…操作部、17…表示部、18…取出装置インターフェース、19…棚搬送システムインターフェース、20…棚搬送システム、51…プロセッサ、52…ROM、53…RAM、54…NVM、55…通信部、56…駆動部、70…タイヤ、71…プロセッサ、72…ROM、73…RAM、74…補助記憶デバイス、75…通信インターフェース、76…駆動部、77…センサ、78…バッテリー、79…充電機構、100…制御システム、111…ピッキングロボット、112…表示装置、113…オペレータ、501…ベース、502…部材、503…背面トレイ、504…シャトル部、505…センサ。
図1
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