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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176400
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴出器
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20230101AFI20231206BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B05B11/00 102E
B05B11/00 102G
B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088658
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宏太郎
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PC02
3E014PC03
3E014PD12
3E014PD13
3E014PE14
3E014PE30
3E014PF10
(57)【要約】
【課題】意図しない外力に対してストッパーによる規制が強固でありつつ規制の意図した解除は容易であるトリガー式液体噴出器を提供すること。
【解決手段】ストッパー60が、トリガー部に回転軸回りに回転自在に設けられかつ規制位置において主シリンダ42に当接または近接してトリガー部の前方への移動を規制するストッパー本体61と、規制位置において主シリンダ42の内周面42Aに係止され、ストッパー60が規制解除位置に移動することを規制する規制係止部91Aを有する操作体62と、を備え、操作体62が、規制係止部91Aが内周面42Aから離間するように、ストッパー本体61に弾性変位可能に設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、
前記噴出器本体の前方側に配設され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部と、
を備え、
前記噴出器本体が、
上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸い上げる縦供給筒部と、
前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部、前記トリガー部の揺動に連動して前後方向に移動するピストン、及び、前記ピストンの移動に伴って内部が加圧及び減圧し、内部が前記縦供給筒部内に連通するシリンダを有し、前記トリガー部の後方への移動によって液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、
を備えるトリガー式液体噴出器であって、
前記トリガー部には、前記噴出器本体に当接または近接して前記トリガー部の後方への移動を規制する規制位置と前記規制が解除されて前記トリガー部の後方への移動が許容される規制解除位置との間で、前記トリガー部に対して前記前後方向に交差する方向に延在する回転軸回りに回転自在に支持されたストッパーが装着されており、
前記ストッパーが、
前記トリガー部に前記回転軸回りに回転自在に設けられかつ前記規制位置において前記噴出器本体に当接または近接して前記トリガー部の後方への移動を規制するストッパー本体と、
前記規制位置において前記噴出器本体の被係止部に係止され、前記ストッパーが前記規制解除位置に移動することを規制する規制係止部を有する操作体と、
を備え、
前記操作体が、前記規制係止部が前記被係止部から離間するように、前記ストッパー本体に弾性変位可能に設けられていることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
【請求項2】
前記操作体が、前記規制係止部が設けられた操作部と、前記操作部と前記ストッパー本体とを連結する弾性変形可能な連結部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項3】
前記連結部が、
前記ストッパー本体から前記操作部に向けて突出する本体側突出部と、
前記操作部から前記ストッパー本体に向けて突出し、前記本体側突出部よりも前方に位置する操作側突出部と、
前記本体側突出部及び前記操作側突出部を接続し、前方に向かうにしたがって前記ストッパー本体から離間しつつ前記操作部に近接する帯状部と、
を有することを特徴とする請求項2に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項4】
前記被係止部が、前記シリンダの内面に設けられており、
前記規制係止部が、前記シリンダ内に挿入されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式液体噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、噴出器本体の前方側に配設され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部と、を備え、噴出器本体が、上下方向に延在し、容器体内の液体を吸い上げる縦供給筒部と、縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部、トリガー部の揺動に連動して前後方向に移動するピストン、及び、ピストンの移動に伴って内部が加圧及び減圧し、内部が縦供給筒部内に連通するシリンダを有し、トリガー部の後方への移動によって液体を縦供給筒部内から噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器が提案されている。
【0003】
このようなトリガー式液体噴出器では、トリガー部の後方への移動を規制するストッパーが設けられているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このストッパーは、トリガー部に対して回転軸回りに回転自在に支持されており、トリガー部から後方に突出してシリンダに当接または近接する規制部とトリガー部から前方に突出する操作部とを有している。そして、操作部を上方に移動させてストッパーを回転軸回りに回転させる操作によって、規制部が下方に移動され、規制部による規制が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-103162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したストッパーでは、輸送時や陳列時において、操作部に意図せず外力がかかることにより、ストッパーによる規制が解除され、トリガー部が後方に引かれることもある。ここで、意図的ではない外力に対するストッパーによる上記規制は強固であることが望ましい一方で、ユーザによる意図的な上記規制の解除は容易であることが望ましい。
【0006】
そこで、本発明は、意図しない外力に対してストッパーによる規制が強固でありつつ規制の意図した解除は容易であるトリガー式液体噴出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明のトリガー式液体噴出器は、液体が収容された容器体に装着される噴出器本体と、前記噴出器本体の前方側に配設され、液体を噴射する噴出孔が形成されたノズル部と、を備え、前記噴出器本体が、上下方向に延在し、前記容器体内の液体を吸い上げる縦供給筒部と、前記縦供給筒部の前方に前方付勢状態で後方に移動自在に配設されたトリガー部、前記トリガー部の揺動に連動して前後方向に移動するピストン、及び、前記ピストンの移動に伴って内部が加圧及び減圧し、内部が前記縦供給筒部内に連通するシリンダを有し、前記トリガー部の後方への移動によって液体を前記縦供給筒部内から前記噴出孔側に向けて流通させるトリガー機構と、を備えるトリガー式液体噴出器であって、前記トリガー部には、前記噴出器本体に当接または近接して前記トリガー部の後方への移動を規制する規制位置と前記規制が解除されて前記トリガー部の後方への移動が許容される規制解除位置との間で、前記トリガー部に対して前記前後方向に交差する方向に延在する回転軸回りに回転自在に支持されたストッパーが装着されており、前記ストッパーが、前記トリガー部に前記回転軸回りに回転自在に設けられかつ前記規制位置において前記噴出器本体に当接または近接して前記トリガー部の後方への移動を規制するストッパー本体と、前記規制位置において前記噴出器本体の被係止部に係止され、前記ストッパーが前記規制解除位置に移動することを規制する規制係止部を有する操作体と、を備え、前記操作体が、前記規制係止部が前記被係止部から離間するように、前記ストッパー本体に弾性変位可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
この発明では、操作体をストッパー本体に対して弾性変位させると、規制係止部が噴出器本体の被係止部から離間移動し、噴出器本体との係止状態が解除されるまたは係止状態が弱化するので、規制位置における規制係止部と噴出器本体との係止を強固にしても、上記規制を意図的に解除する際に、ストッパーが規制位置から規制解除位置まで容易に移動可能となる。
【0009】
また、本発明のトリガー式液体噴出器では、前記操作体が、前記規制係止部が設けられた操作部と、前記操作部と前記ストッパー本体とを連結する弾性変形可能な連結部と、を備えてもよい。
この発明では、操作部をストッパー本体に向けて移動させることにより、連結部が弾性変位し、操作部に設けられた規制係止部が噴出器本体の被係止部から離間する。
【0010】
また、本発明のトリガー式液体噴出器では、前記連結部が、前記ストッパー本体から前記操作部に向けて突出する本体側突出部と、前記操作部から前記ストッパー本体に向けて突出し、前記本体側突出部よりも前方に位置する操作側突出部と、前記本体側突出部及び前記操作側突出部を接続し、前方に向かうにしたがって前記ストッパー本体から離間しつつ前記操作部に近接する帯状部と、を有してもよい。
この発明では、操作部をストッパー本体に向けて押し込むと、操作側突出部と帯状部との接続部分及び本体側突出部と帯状部との接続部分を起点として連結部が弾性変形し、操作部に設けられた規制係止部が噴出器本体の被係止部から離間する。
【0011】
また、本発明のトリガー式液体噴出器では、前記被係止部が、前記シリンダの内面に設けられており、前記規制係止部が、前記シリンダ内に挿入されてもよい。
この発明では、ストッパーが回転軸回りに規制位置から規制解除位置に向けて移動しようとしても、規制係止部がシリンダの内面に係止することによってストッパーの意図しない規制解除位置に向けた移動を規制する。
【発明の効果】
【0012】
この発明にかかるトリガー式液体噴出器によれば、操作体をストッパー本体に対して弾性変位させると、規制係止部が噴出器本体の被係止部から離間移動し、噴出器本体との係止状態が解除されるまたは係止状態が弱化するので、ストッパーの意図した規制解除位置への移動のための操作性を簡素化しつつ、ストッパーの意図しない規制解除位置への移動を強固に規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態にかかるトリガー式液体噴出器を示す軸方向断面図である。
図2図1のトリガー部を示す拡大断面図である。
図3図1のストッパーを示す後面図である。
図4図1のストッパーを示す下面図である。
図5図1のストッパーの使用方法を示す下面図である。
図6】本発明の第2実施形態にかかるトリガー式液体噴出器のストッパーを示す側面図である。
図7図6のストッパーを示す下面図である。
図8図6のストッパーの成形状態を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明によるトリガー式液体噴出器の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態にかかるトリガー式液体噴出器1は、図1に示すように、液体を収容する容器体Aに装着可能である噴出器本体2と、液体を噴出する噴出孔3Aが形成され、噴出器本体2に装着されたノズル部材(ノズル部)3と、噴出器本体2及びノズル部材3を覆うカバー体4と、を備える。
【0015】
噴出器本体2は、縦供給筒部11と、接続筒部12と、シリンダ用筒部13と、装着キャップ14と、貯留シリンダ15と、貯留プランジャ16と、付勢部材17と、射出筒部18と、トリガー機構19と、ボール弁20と、貯留弁21と、を備える。
ここで、縦供給筒部11の中心軸線を軸線O1とし、この軸線O1に沿う容器体A側を下側、その反対側を上側、軸線O1に沿う方向を上下方向と称し、上下方向から見て、軸線O1に交差する一方向を前後方向と称し、上下方向及び前後方向に直交する方向を左右方向と称する。また、貯留シリンダ15の中心軸線を軸線O2とし、この軸線O2は、前後方向に延在しており、軸線O2に沿うノズル部材3側を前側と称する。
【0016】
縦供給筒部11は、上下方向に延在しており、縦供給筒部11の内部には、上下方向に延在すると共に容器体Aから液体を吸い上げるパイプ31が嵌合されている。
接続筒部12は、縦供給筒部11の上端部に設けられており、縦供給筒部11から前方に延在している。接続筒部12の内部は、縦供給筒部11の内部に連通している。また、接続筒部12の前端開口部には、この前端開口部を閉塞する閉塞栓32が装着されている。
シリンダ用筒部13は、縦供給筒部11のうち接続筒部12よりも下方に設けられており、縦供給筒部11から前方に延在している。シリンダ用筒部13の内部は、縦供給筒部11の内部に連通している。
装着キャップ14は、容器体Aの口部に螺着される。
【0017】
貯留シリンダ15は、縦供給筒部11及び接続筒部12の上方に配置されている。貯留シリンダ15の内部には、後述するトリガー部41の後方への揺動によって縦供給筒部11及び接続筒部12内を通過した液体が供給される。貯留シリンダ15の前端部の下側部分には、接続筒部12の内部に連通する供給孔15Aが形成されている。
【0018】
貯留プランジャ16は、貯留シリンダ15の内部に軸線O2に沿う前後方向に移動可能に配設されている。これにより、貯留プランジャ16は、貯留シリンダ15内を前後方向に液密に摺動する。貯留プランジャ16は、貯留シリンダ15内への液体の供給に伴って後方に向けて移動する。貯留プランジャ16は、接続筒部12内を通じた縦供給筒部11と噴出孔3Aとの連通を遮断し、かつ後方に移動したときに、接続筒部12内を通じた縦供給筒部11内と噴出孔3Aとの連通を許容する。そのため、貯留プランジャ16は、最前方位置において、接続筒部12を通じた縦供給筒部11の内部と噴出孔3Aとの連通を遮断し、最前方位置から後方に移動すると、接続筒部12内を通じた縦供給筒部11の内側と噴出孔3Aとの連通を許容する。そして、貯留シリンダ15のうち貯留プランジャ16よりも前方に位置する空間は、貯留空間16Aとして機能する。
貯留空間16Aは、縦供給筒部11の内部及び接続筒部12の内部を通過して供給孔15Aを通過した液体が貯留される。貯留空間16Aは、後述する射出筒部18の内部と連通可能となっている。
【0019】
付勢部材17は、貯留プランジャ16を前方に向けて付勢している。これにより、貯留シリンダ15及び貯留プランジャ16では、貯留プランジャ16が後方に移動するまでの間、貯留空間16A内で液体を加圧することが可能となる。その後、貯留空間16Aの液圧が所定値に達すると、貯留プランジャ16が付勢部材17の前方付勢力に抗して後方に移動する。これにより、貯留空間16Aに貯留された液体は、噴出孔3A側に供給される。このように、貯留プランジャ16は、蓄圧弁として機能する。
射出筒部18は、貯留シリンダ15から前方に向けて延在しており、貯留空間16A及び接続筒部12の内部を通して縦供給筒部11の内部に連通している。
【0020】
トリガー機構19は、トリガー部41と、主シリンダ(シリンダ)42と、主ピストン(ピストン)43と、付勢バネ44と、を備えている。トリガー機構19は、トリガー部41の後方への揺動によって、液体を縦供給筒部11の内部から接続筒部12の内部を通して噴出孔3Aに向けて流通させる。
トリガー部41は、上端部がノズル部材3、カバー体4及び閉塞栓32によって画成される空間に配置されており、縦供給筒部11の前方において前方付勢状態で後方に移動可能に配設されている。トリガー部41は、上下方向に延在しており、トリガー部41の上端部は、ノズル部材3に軸支され、トリガー部41の下端部は、主シリンダ42の前方に配置されている。
【0021】
トリガー部41は、図1及び図2に示すように、トリガー前壁部51と、トリガー前壁部51の左右両縁部から後方に向けて延在する一対のトリガー側壁部52と、トリガー前壁部51から後方に延在する押込壁部53と、トリガー前壁部51から後方に延在する収納上壁部54及び収納下壁部55と、トリガー前壁部51の下端縁から後方に延在するトリガー下壁部56と、を備える。
トリガー前壁部51は、ほぼ上下方向に沿って延在する上側部分51Aと、上側部分51Aの下端縁に連設され、上方から下方に向かうにしたがって後方に向かうように傾斜する接続部分51Bと、接続部分51Bの下端縁に連設されて上方から下方に向かうにしたがって前方に向かうように湾曲する下側部分51Cと、を有する。
上側部分51Aは、ノズル部材3の規制壁部3Bに近接または当接している。これにより、トリガー部41のさらなる前方への回動が規制される。
下側部分51Cには、トリガー部41の操作時に指がかけられる。
【0022】
トリガー側壁部52の上端部は、ノズル部材3に軸支されている。これにより、トリガー部41は、前後方向に揺動可能となっている。また、トリガー側壁部52の上下方向の中間部分には、後述するストッパー60が軸支されている。さらに、トリガー側壁部52のうち収納上壁部54と収納下壁部55との間の部分は、収納上壁部54及び収納下壁部55と共にストッパー60を収納可能な収納凹部41Aを画成する。そして、トリガー側壁部52には、ストッパー60の後述するストッパー軸部81Aを後方から収納凹部41Aに導入するための導入溝部52Aと、導入溝部52Aの前方に連なる軸支凹部52Bと、が形成されている。
【0023】
押込壁部53は、トリガー前壁部51のうち下側部分51Cから後方に向けて延在しており、主ピストン43の前端部に近接または当接している。また、押込壁部53の後端面は、左右方向外側から左右方向の中央に向かうにしたがって前方に向かうように窪んでおり、主シリンダ42の前端部を左右方向で挟むように位置している。これにより、トリガー部41の前後方向の揺動に伴って、主ピストン43が前後方向に移動する。
収納上壁部54は、押込壁部53よりも下方においてトリガー前壁部51のうち下側部分51Cから後方に向けて延在しており、収納下壁部55は、収納上壁部54よりも下方においてトリガー前壁部51のうち下側部分51Cから後方に向けて延在している。
【0024】
ストッパー60は、図1から図4に示すように、前端部がトリガー部41に軸支された板状のストッパー本体61と、ストッパー本体61の左右方向外側に配設され、ストッパー本体61に対して弾性変位可能に接続された一対の操作体62と、を備える。
ストッパー本体61は、前後方向に延在し、前端部がトリガー部41に軸支された板状基部81と、板状基部81の後端部から上方に向けて突出するストッパー後壁部82と、板状基部81の左右方向縁部から上方に向けて突出するストッパー側壁部83と、を有する。
【0025】
板状基部81は、前方に向かうにしたがって下方に向けて若干傾斜するように延在している。また、板状基部81の前端部の両側面には、左右方向外側に向けて突出するストッパー軸部81Aが設けられている。ストッパー軸部81Aは、軸支凹部52Bに収容されている。これにより、ストッパー60は、主シリンダ42の内周面(被係止部、内面)42Aに近接または当接する規制位置と主シリンダ42の内周面42Aから離間してストッパー60の回動を許容する規制解除位置との間で回転軸回りに回転可能となっている。ここで、板状基部81は、規制解除位置にある状態で、トリガー部41のトリガー前壁部51に沿って延在し、ストッパー本体61は、収納凹部41Aの内部に収納される。
【0026】
ストッパー後壁部82の下端部には、後方に向けて突出する係止突部82Aが形成されている。係止突部82Aは、後面視で主シリンダ42の内周面42Aに沿う円弧状をなしており、主シリンダ42の内周面42Aに上方から係止している。なお、係止突部82Aは、ストッパー60が規制解除位置にある状態で、収納下壁部55の上面に係止する。また、ストッパー後壁部82の上端縁には、主ピストン43の下端部における外周面形状に対応する逃凹部82Bが形成されている。
ストッパー側壁部83は、板状基部81の後端部から前方に向けて延在し、板状基部81の前端縁よりも後方において終端している。
【0027】
操作体62は、規制位置において主シリンダ42の内周面42Aに係止可能な規制係止部91Aが設けられた操作部91と、操作部91とストッパー本体61のストッパー側壁部83とを連結し、ストッパー本体61に対して弾性変形可能に形成された連結部92と、を有する。
操作部91は、操作内壁部93と、操作内壁部93よりも左右方向外側に配設された操作外壁部94と、操作内壁部93と操作外壁部94とを接続する接続壁部95と、を有する。
【0028】
操作内壁部93は、左右方向で見たときに矩形状をなす板状部材であり、ストッパー本体61よりも下方に突出していない。また、操作内壁部93の上端部には、左右方向内側に突出するフランジ部93Aが形成されている。フランジ部93Aの上端部には、前方に向けて突出し、主シリンダ42内に挿入された規制係止部91Aが設けられている。規制係止部91Aは、主ピストン43の左右両側に配設されており、主シリンダ42の内周面42Aに対してうえ方から係止可能とはなっているが、内周面42Aから離間している。規制係止部91Aの上面は、前方から後方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜している一方、規制係止部91Aの下面は、前後方向及び左右方向に沿う平面に延在している。規制係止部91Aは、係止突部82Aよりも後方に突出している。
【0029】
操作外壁部94は、左右方向で見たときに円状をなす板状部材であり、ストッパー本体61よりも下方に突出していない。なお、操作外壁部94の上端部は、ストッパー本体61よりも上方に突出している。また、操作外壁部94と操作内壁部93との左右方向の間隔は、トリガー部41のトリガー側壁部52の左右方向の厚さと同等となっている。操作外壁部94及び操作内壁部93は、規制解除位置において、トリガー部41のトリガー側壁部52を左右方向で挟み込む。
接続壁部95は、操作外壁部94の上端部と操作内壁部93の上端縁とを接続している。接続壁部95は、規制解除位置において、トリガー部41のトリガー側壁部52の前面に近接または当接しており、規制解除位置にあるストッパー60がこの規制解除位置よりも規制位置からさらに離間する方向に回動することを規制する。
【0030】
連結部92は、ストッパー本体61のストッパー側壁部83から左右方向外側に突出する本体側突出部96と、操作部91の操作内壁部93から左右方向内側に突出する操作側突出部97と、本体側突出部96と操作側突出部97とを接続する帯状部98と、を有する。
本体側突出部96は、ストッパー側壁部83の後端部から左右方向外側に突出している。
操作側突出部97は、本体側突出部96よりも前方において操作内壁部93から左右方向内側に突出している。
帯状部98は、上面視で前方に向かうにしたがって左右方向外側に向かうように直線状に延在している。なお、帯状部98の形状は、直線状に限らず、波状など他の形状であってもよい。
なお、連結部92の上下方向の長さは、操作内壁部93の上下方向の長さと同等となっている。すなわち、帯状部98の上下方向の長さである帯状部98の幅は、帯状部98の左右方向の長さである帯状部98の厚さよりも大きくなっている。これにより、連結部92が捻られることが抑制されている。
【0031】
主シリンダ42は、前端部が前方に開口すると共に後端部が閉塞された有底筒状をなしており、主シリンダ42の後端部には、縦供給筒部11の内部に連通する開口部が形成されている。
主ピストン43は、主シリンダ42の内部に配置されており、後端部が後方に開口すると共に前端部が閉塞された有頂筒状をなしており、主ピストン43の前端部には、トリガー部41の押込壁部53が当接している。これにより、主ピストン43は、トリガー部41の揺動に連動して前後方向に移動可能となっており、主ピストン43の前後方向の移動に伴って、主シリンダ42の内部を加圧及び減圧する。
【0032】
付勢バネ44は、主ピストン43及び主シリンダ42と同軸に配設されており、主ピストン43、ひいてはトリガー部41を前方に付勢する。
ボール弁20及び貯留弁21は、縦供給筒部11の内部に設けられている。ボール弁20は、主シリンダ42の加圧時に縦供給筒部11の内部を通した容器体Aの内部と主シリンダ42の内部との連通を遮断すると共に、主シリンダ42の内部の減圧時に上方に向けて変位することにより、縦供給筒部11の内部を通した容器体Aの内部と主シリンダ42の内部との連通を許容する逆止弁を構成する。
貯留弁21は、ボール弁20の上方に配置されており、縦供給筒部11の内部から接続筒部12の内部を通した貯留シリンダ15の内部への液体の供給を許容すると共に、貯留シリンダ15の内部から縦供給筒部11の内部への液体の流出を規制する逆止弁を構成する。
【0033】
ノズル部材3は、射出筒部18に組み付けられており、射出筒部18に対して前方から外嵌された装着筒部71と、装着筒部71の内側に位置するノズル軸部72と、ノズル軸部72に装着されたノズルキャップ73と、を備えている。ノズルキャップ73には、前方に開口して液体を前方に向けて噴出させる噴出孔3Aが形成されている。
カバー体4は、縦供給筒部11のうち下端部を除く全体、射出筒部18の全体及び貯留シリンダ15の全体を少なくとも左右両側及び上方から覆うように設けられている。
【0034】
次に、以上のような構成のトリガー式液体噴出器1の使用方法を説明する。
なお、トリガー部41を事前に操作することによってトリガー式液体噴出器1の各部の内部には液体が充填されており、縦供給筒部11の内部に液体を吸い上げることができる状態になっているものとする。
【0035】
規制位置において、ストッパー60の係止突部82Aは、主シリンダ42の内周面42Aに係止しており、ストッパー60の規制係止部91Aは、主シリンダ42の内周面42Aに上方から係止可能となっている。これにより、ストッパー60に対して下方に向かう力が意図せずかかっても、主シリンダ42の内周面42Aに係止している係止突部82Aによって、ストッパー60が意図せず規制位置から規制解除位置まで移動されることが規制されている。また、規制係止部91Aが主シリンダ42の内周面42Aから係止解除される程度の下方に向かう力がかかっても、規制係止部91Aが主シリンダ42の内周面42Aに上方から係止することにより、ストッパー60が意図せず規制位置から規制解除位置まで移動されることが規制されている。上述のように、規制係止部91Aの後方への突出量が係止突部82Aの後方への突出量よりも大きいので、規制係止部91Aが主シリンダ42の内周面42Aから係止解除される程度の力であっても、係止突部82Aが主シリンダ42の内周面42Aに対して上方から係止し、ストッパー60が意図せず規制位置から規制解除位置まで移動されることが規制されている。また、規制係止部91Aの下面が前後方向及び左右方向に沿う平面に延在しているので、規制係止部91Aの下面が主シリンダ42の内周面42Aに当接しても、規制係止部91Aが主シリンダ42の内周面42Aに沿って前方に変位することが抑制されている。
【0036】
まず、規制位置にあるストッパー60の一対の操作外壁部94を左右方向で挟んで操作外壁部94を左右方向内側に押し込む。上述のように、帯状部98が本体側突出部96から操作側突出部97まで前方に延在しているので、操作外壁部94を左右方向内側に押し込むと、連結部92は、帯状部98と本体側突出部96との接続部分及び帯状部98と操作側突出部97との接続部分をそれぞれ起点として弾性変形する。そして、操作部91は、左右方向内側に変位しながら前方に変位する。これにより、操作部91の規制係止部91Aは、図5に示すように、上面視で主シリンダ42よりも前方へ変位する。なお、係止突部82Aは、ストッパー60を回転軸回りに下方に回転させたときに主シリンダ42の内周面42Aに係止しなければ、上面視で主シリンダ42よりも完全に前方に変位しなくてもよい。
そして、操作外壁部94を左右方向内側に押し込みながら、ストッパー60を回転軸回りに下方に回転させて規制位置から規制解除位置まで移動させる。
【0037】
ストッパー60を規制解除位置まで移動させると、ストッパー本体61の板状基部81は、トリガー部41のトリガー前壁部51に沿って延在する。また、操作部91の操作外壁部94及び操作内壁部93は、収納凹部41Aを画成する一対のトリガー側壁部52を各別に左右方向で挟持する。さらに、ストッパー60の規制係止部91Aは、収納凹部41Aを画成する収納下壁部55に係止する。これにより、ストッパー60は、意図せず規制解除位置から離脱することが規制されている。
また、ストッパー60の前方には、収納凹部41Aを画成するトリガー前壁部51が存在している。そのため、ストッパー60は、意図せず規制解除位置からさらに前方に移動することが規制されている。これによっても、ストッパー60がトリガー部41よりも前方へ露出することが抑制されている。
このようにして、ストッパー60による規制を解除する。
【0038】
なお、規制解除位置から規制位置まで移動させる際には、一対の操作部91の操作外壁部94を左右方向で挟み込み、回動軸回りに回動させる。規制係止部91Aは、主シリンダ42の前端部に当接するが、規制係止部91Aの上面が前方から後方に向かうにしたがって下方に向かうように傾斜しているので、規制係止部91Aが前方へ変位して主シリンダ42の前端部を乗り越えた後、復元変位する。これにより、規制係止部91Aは、主シリンダ42の内周面42Aに上方から係止可能な状態になる。また、係止突部82Aは、規制係止部91Aよりも後方への突出量が小さいので、係止突部82Aが前方へ変位することなく主シリンダ42の前端部を乗り越えた後、主シリンダ42の内周面42Aに上方から係止する。
このようにして、ストッパー60を規制位置とする。
【0039】
ストッパー60を規制解除位置まで移動させた後、トリガー部41を付勢バネ44の付勢力に抗して後方に引くと、主ピストン43が最前方位置から後方に移動し、主シリンダ42の内部が加圧される。これにより、主シリンダ42の内部にある液体は、縦供給筒部11に供給され、供給された液体は、ボール弁20を下方に押し付けると共に貯留弁21を押し上げる。ここで、トリガー部41の後方への移動を規制する規制位置及びこの規制を解除した規制解除位置の双方において、ストッパー60がトリガー部41よりも前方に露出することが抑制され、トリガー部41を引く際にトリガー部41にかけた指がストッパー60と干渉しにくくなる。
【0040】
これにより、縦供給筒部11の内部にある液体は、接続筒部12の内部及び供給孔15Aを通して貯留シリンダ15の貯留空間16Aに供給され、貯留空間16Aは、加圧される。貯留空間16Aの加圧に伴って貯留プランジャ16は、付勢部材17の付勢力に抗して最前進位置から後方に向けて移動し、貯留空間16Aに液体を貯留していく。また、圧力が高まった貯留空間16Aの液体は、射出筒部18を通じて噴出孔3Aに導かれ、噴出孔3Aから前方に噴射される。
このように、トリガー部41を後方に引くごとに、液体は、噴出孔3Aから噴出されると共に貯留プランジャ16を後方に移動させて貯留空間16Aに液体を貯留していく。
【0041】
そして、トリガー部41を解放すると、主ピストン43は、付勢バネ44の復元力によって前方に向けて復元移動し、主シリンダ42の内部を減圧させる。これにより、貯留弁21が閉弁した状態でボール弁20を上昇させることが可能となり、容器体Aの内部の液体を縦供給筒部11の内部に吸い上げて主シリンダ42の内部に導入することが可能となる。したがって、次回の噴出の準備が整う。
【0042】
一方、トリガー部41の後方への移動を停止すると、付勢部材17の付勢力によって貯留プランジャ16が最前進位置に向けて前進する。ここで、貯留弁21は、閉弁しており、貯留空間16Aから縦供給筒部11の内部への液体の逆流を阻止している。
これにより、貯留空間16Aに貯留されている液体は、射出筒部18を通して噴出孔3Aから噴射される。したがって、トリガー部41を後方に引いたときだけではなく、トリガー部41を操作しない状態でも液体を噴出させることができ、液体の連続噴出が可能となる。
以上のようにして、トリガー式液体噴出器1から液体を噴出させる。
【0043】
以上のような構成の本実施形態にかかるトリガー式液体噴出器1によれば、操作部91をストッパー本体61に向けて押し込むと、帯状部98と操作側突出部97との接続部分及び帯状部98と本体側突出部96との接続部分を起点として帯状部98が弾性変形し、操作部91に設けられた規制係止部91Aが主シリンダ42から離間するように前方へ変位する。これにより、主シリンダ42との係止状態が解除されるまたは係止状態が弱化するので、規制位置における規制係止部91Aと主シリンダ42との係止を強固にしても、上記規制を意図的に解除する際に、ストッパー60が規制位置から規制解除位置まで容易に移動可能となる。ここで、規制位置にあるストッパー60が回転軸回りに規制解除位置に向けて移動しようとしても、規制係止部91Aが主シリンダ42の内周面42Aに上方から係止することでストッパー60の意図しない規制解除位置に向けて移動を規制する。
【0044】
続いて、本発明によるトリガー式液体噴出器の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、ここで説明する実施形態は、その基本的構成が上述した実施形態と同様であり、上述した実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、以下の図面において上記図面と同一構成要素に同一符号を付し、この説明を省略する。
【0045】
本実施形態にかかるトリガー式液体噴出器のストッパー100は、図6から図8に示すように、タンパーエビデンス機能を有しており、ストッパー本体101と、規制係止部91Aが設けられた一対の操作体102と、ストッパー本体101に対して弱化部103を介して分離可能に接続された規制体104と、を備える。
【0046】
ストッパー本体101は、上記第1実施形態にかかるストッパー本体61と同様の構成を有しているが、板状基部110の前端縁は、弱化部103を介して規制体104に連結されている。
操作体102は、上記第1実施形態にかかる操作体102と同様の構成を有しているが、操作体102の連結部111は、操作外壁部94の上端部と操作内壁部93の上端部とを接続する上面視で矩形状の板状部材である。連結部111は、操作部91の操作外壁部94よりも前方に設けられている。
【0047】
弱化部103は、ストッパー100のストッパー本体61の上下方向の厚さ及び規制板部121の上下方向の厚さよりも薄肉とすることによって形成されており、弱化部103には、左右方向に間隔を開けて弱化開口部103Aが形成されている。
規制体104は、板状基部110に沿って延在する規制板部121と、規制板部121の後端部から上方に向けて突出する規制挿入部122と、規制挿入部122よりも前方において規制板部121から下方に向けて突出するツマミ部123と、を有する。
規制挿入部122は、左右方向でストッパー本体101のストッパー側壁部83と操作体102の操作内壁部93のフランジ部93Aとの間に挿入されており、規制挿入部122の上端部には、左右方向内側に向けて突出する離脱防止突部122Aが形成されている。
【0048】
このような構成のストッパー100は、図8に示すように一体成形することによって形成されており、規制体104をストッパー本体101に対して弱化部103回りに下方に回動させることによって規制挿入部122を左右方向でストッパー本体101のストッパー側壁部83と操作体102の操作内壁部93のフランジ部93Aとの間に挿入する。なお、規制挿入部122の離脱防止突部122Aは操作内壁部93よりも上方に突出し、操作内壁部93の上端縁に対して上方から係止する。規制体104をストッパー本体101に対して弱化部103回りに回動させると、ツマミ部123は、下方に向けて延在している。
【0049】
以上のような構成のトリガー式液体噴出器の使用方法は、上記第1実施形態にかかるトリガー式液体噴出器1の使用方法と同様であるが、図7に示すように、規制挿入部122を左右方向でストッパー本体101のストッパー側壁部83と操作体102の操作内壁部93のフランジ部93Aとの間に挿入されているので、操作体102の操作部91を左右方向内側に変位させることが規制されている。
そこで、ツマミ部123を摘まんで下方に引っ張ることによって弱化部103を破断し、規制体104をストッパー本体101から分離する。これにより、操作部91の左右方向内側への変位の規制が解除される。
その後、ストッパー100の一対の操作外壁部94を左右方向で挟んで操作外壁部94を左右方向内側に押し込むと、操作外壁部94が連結部111よりも後方に位置しているので、連結部111は、連結部111を起点として操作部91の後端部がストッパー本体101に近接するように弾性変形し、規制係止部91Aは、前方かつ左右方向内側へ変位する。
このようにして、ストッパー100による規制を解除する。
その後のトリガー式液体噴出器の動作は、上記第1実施形態にかかるトリガー式液体噴出器1と同様である。
以上のようにして、本実施形態にかかるトリガー式液体噴出器から液体を噴出させる。
【0050】
以上のような構成の本実施形態にかかるトリガー式液体噴出器によっても、上記第1実施形態にかかるトリガー式液体噴出器1と同様の作用、効果を有するが、規制挿入部122を左右方向でストッパー本体101のストッパー側壁部83と操作体102の操作内壁部93のフランジ部93Aとの間に挿入されているので、操作体102の操作部91を左右方向内側に変位させることが規制されている。そのため、ストッパー100が規制解除位置に向けて移動することをより確実に防止できる。
また、規制体104とストッパー本体101との接続状態や規制体104の有無を確認することにより、トリガー式液体噴出器の使用の有無を容易に確認できる。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
例えば、トリガー式液体噴出器は、貯留シリンダを備えることによって液体の連続噴出を可能とする構成を有しているが、液体の連続噴出を可能としない構成とされてもよい。
ストッパーは、ストッパーの上端部にある回転軸回りに回転可能となっているが、例えばストッパーの下端部にある回転軸回りに回転可能となっていてもよい。また、ストッパーの回転軸は、前後方向に対して交差する方向に延在していればよく、左右方向に限られない。
ストッパーには、一対の操作体が設けられているが、一の操作体のみが設けられてもよい。
ストッパー本体の形状は、基部の外周縁から上方に壁部が立設された全体として箱状をなしているが、基部に開口部を形成することで全体として枠状をなすなど、他の形状をなしてもよい。
規制係止部は、操作内壁部の上端部に設けられているが、操作体のストッパー本体に対する弾性変位に伴って主シリンダから離間する方向に移動できる箇所であれば、操作内壁部の下端部や操作外壁部など、他の箇所に設けられてもよい。また、規制係止部は、規制位置において、主シリンダの内周面に係止可能ではあるものの主シリンダの内周面から離間しているが、主シリンダの内周面に当接していてもよい。さらに、規制係止部は、主シリンダの内周面に対して上方から係止可能となっているが、ストッパーが規制位置から規制解除位置に向けて移動することを規制できれば、他の方向から係止可能となっていてもよい。その上、規制係止部は、主シリンダの内周面に係止可能となっているが、主シリンダの他の箇所に係止可能となっていてもよい。さらに、規制係止部は、主シリンダに限らず噴出器本体の別の箇所に係止可能となっていてもよい。
操作体は、操作内壁部及び操作外壁部でトリガー部のトリガー側壁部を左右方向で挟み込んでいるが、操作内壁部及び操作外壁部のうちの一方を有していなくてもよい。また、操作体の形状は、ストッパー本体に向けて弾性変位可能であると共にこの弾性変位に伴って規制係止部がシリンダの被係止部から離間するように形成されていれば、第1実施形態のような突出部及び帯状部を有する形状や第2実施形態のような板状に限らず、他の形状であってもよい。
規制体は、ストッパー本体に弱化部を介して接続されているが、操作体に弱化部を介して接続されてもよく、ストッパー本体及び操作体双方に接続されてもよい。また、規制体は、ストッパー本体と操作体の操作部との間に挿入されることによって操作体のストッパー本体に向けた弾性変位を規制しているが、他の態様によって弾性変位を規制してもよい。
ストッパー本体には、係止突部が設けられているが、係止突部が設けられていなくてもよい。
ストッパーは、規制解除位置において収納凹部内に収容されており、トリガー部に対して前方に露出しないように構成されているが、トリガー部に収納凹部を設けずに収納凹部内に収容されない構成であってもよく、トリガー部に対して前方に露出するように構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明によれば、意図しない外力に対してストッパーによる規制が強固でありつつ規制の意図した解除は容易であるトリガー式液体噴出器に関して、産業上の利用可能性が認められる。
【符号の説明】
【0053】
1 トリガー式液体噴出器、2 噴出器本体、3 ノズル部材(ノズル部)、3A 噴出孔、11 縦供給筒部、19 トリガー機構、41 トリガー部、42 主シリンダ(シリンダ)、42A 内周面(被係止部,内面)、43 主ピストン(ピストン)、60,100 ストッパー、61,101 ストッパー本体、62,102 操作体、91 操作部、91A 規制係止部、92 連結部、96 本体側突出部、97 操作側突出部、98 帯状部、A 容器体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8