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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176411
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06V 30/00 20220101AFI20231206BHJP
【FI】
G06V30/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088678
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】有福 直也
【テーマコード(参考)】
5B064
【Fターム(参考)】
5B064AA01
5B064CA07
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して、所定の機能の利用を適切に制限することができる技術等を提供すること。
【解決手段】入力画像を取得する取得部と、第1の設定に基づき、前記入力画像に含まれている文字を認識する文字認識の処理を行う文字認識部と、前記文字認識の処理の結果に基づいて入力画像に画像処理を実行する画像処理部と、前記画像処理の結果と、前記文字認識の処理の結果のうち少なくともいずれか1つを利用して出力ファイルを出力する出力部と、前記第1の設定にかかわらず、第2の設定がされているときは、前記出力部において前記文字認識の処理の結果の利用を制限する制御部とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像を取得する取得部と、
第1の設定に基づき、前記入力画像に含まれている文字を認識する文字認識の処理を行う文字認識部と、
前記文字認識の処理の結果に基づいて入力画像に画像処理を実行する画像処理部と、
前記画像処理の結果と、前記文字認識の処理の結果のうち少なくともいずれか1つを利用して出力ファイルを出力する出力部と、
前記第1の設定にかかわらず、第2の設定がされているときは、前記出力部において前記文字認識の処理の結果の利用を制限する制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の設定は、前記文字認識部における文字認識の処理の設定をする第1の設定画面において設定可能であり、
前記第2の設定は、前記第1の設定画面とは異なり、前記画像処理装置の機能を設定する第2の設定画面において行う
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第2の設定画面は、前記第2の設定において前記文字認識の処理を制限するか否かを設定する項目が含まれる
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の設定画面は、更に前記文字認識の処理の結果を利用可能な画像処理を設定する項目を含む
請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理部は、前記画像処理として、少なくとも前記入力画像の傾き補正、前記入力画像の向き補正の何れかの処理を実行する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、
前記入力画像に、前記文字認識の処理の結果が含まれた出力ファイルを出力することが可能であり、
前記第2の設定がされているときは、前記文字認識の処理の結果が含まれていない出力ファイルを出力する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記出力部は、
前記入力画像に、前記文字認識の処理の結果が含まれた出力ファイルを出力することが可能であり、
前記第2の設定がされているときは、コピー禁止の属性が付加された前記文字認識の処理の結果が含まれた出力ファイルを出力する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の設定にかかわらず、前記第2の設定がされているときは、前記文字認識の処理の実行を禁止する
請求項1から7の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
第1の設定に基づき、画像に含まれている文字を認識する文字認識の処理を行い、
前記文字認識の処理の結果に基づいて入力画像に画像処理を実行し、
前記第1の設定にかかわらず、前記文字認識の処理を制限する第2の設定がされているときは、前記画像処理の結果を利用して出力ファイルを出力し、前記文字認識の処理を制限する第2の設定がされていないときは、前記画像処理の結果と、前記文字認識の処理の結果とを利用して出力ファイルを出力する、
画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置は、セキュリティの観点等からユーザに対して所定の処理を実行することを制限する技術が知られている。
【0003】
例えば、紙原稿からベクトルデータを取得する前に元の紙原稿を再利用可能なベクトルデータに変換するか否かを好適に設定することができる技術が、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-167937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、例えば、ユーザに対して、所定の機能の利用を適切に制限することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の画像処理装置は、入力画像を取得する取得部と、第1の設定に基づき、前記入力画像に含まれている文字を認識する文字認識の処理を行う文字認識部と、前記文字認識の処理の結果に基づいて入力画像に画像処理を実行する画像処理部と、前記画像処理の結果と、前記文字認識の処理の結果のうち少なくともいずれか1つを利用して出力ファイルを出力する出力部と、前記第1の設定にかかわらず、第2の設定がされているときは、前記出力部において前記文字認識の処理の結果の利用を制限する制御部と、を備える。
【0007】
本開示の画像処理方法は、第1の設定に基づき、画像に含まれている文字を認識する文字認識の処理を行い、前記文字認識の処理の結果に基づいて入力画像に画像処理を実行し、前記第1の設定にかかわらず、前記文字認識の処理を制限する第2の設定がされているときは、前記画像処理の結果を利用して出力ファイルを出力し、前記文字認識の処理を制限する第2の設定がされていないときは、前記画像処理の結果と、前記文字認識の処理の結果とを利用して出力ファイルを出力する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、例えば、ユーザに対して、所定の機能の利用を適切に制限することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態におけるシステムの概要を説明するための図である。
図2】第1実施形態における画像形成装置10のハードウェアの構成を説明する図である。
図3】第1実施形態における端末装置20のハードウェアの構成を説明する図である。
図4】第1実施形態におけるソフトウェアの構成を説明する図である。
図5】第1実施形態における(a)ジョブ設定テーブルのデータ構成の一例、(b)システム設定のデータ構成の一例を説明する図である。
図6】第1実施形態における画面遷移を模式的に説明する図である。
図7】第1実施形態における処理(メイン処理)について説明するフロー図である。
図8】第1実施形態における処理(ジョブ設定処理)について説明するフロー図である。
図9】第1実施形態における処理(ジョブ実行処理)について説明するフロー図である。
図10】第1実施形態における表示画面(システム設定画面)の一例を示す図である。
図11】第1実施形態における表示画面(ジョブ設定画面)の一例を示す図である。
図12】第2実施形態における表示画面(システム設定画面)の一例を示す図である。
図13】第3実施形態における処理(ジョブ実行処理)について説明するフロー図である。
図14】第3実施形態における表示画面(システム設定画面)の一例を示す図である。
図15】第4実施形態における処理(ジョブ実行処理)について説明するフロー図である。
図16】第4実施形態における表示画面(システム設定画面)の一例を示す図である。
図17】第5実施形態におけるソフトウェアの構成を説明する図である。
図18】第5実施形態における処理(ジョブ実行処理)について説明するフロー図である。
図19】第6実施形態における処理(ジョブ実行処理)について説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示を提供した一つの実施形態であり、以下の記載に基づいて本開示の内容が限定して解釈されるものではない。
【0011】
一般的な画像処理装置において、取得した原稿の画像に対して文字認識の処理を実行し、文字認識の結果を出力する機能(例えば、OCR機能)が知られている。ここで、OCR機能のON/OFFは、ジョブ実行時の設定画面(例えば、スキャンモードの設定画面)で、ユーザが自由に設定できる仕様になっている。
【0012】
しかし、ユーザが、OCR機能を利用すると、例えば、文字認識した結果であるテキストが埋め込まれたファイルが出力されるが、このようなファイルは検索機能や、コピー機能を利用することにより、ユーザはテキストとして情報を容易に取り出すことができてしまう。情報漏えい防止のため、画像処理装置において、OCR機能を禁止したいという要望があった。
【0013】
しかし、OCR機能を禁止してしまうと、OCR機能を前提にした機能(例えば、天地判定機能、ファイル名自動設定機能、名刺スキャン機能、翻訳機能等)も付随して使用不可となってしまい、ユーザビリティの低下を招くおそれがあった。
【0014】
このように、画像処理装置において実行する処理(機能)のうち、ユーザに利用される場合と、装置の内部処理として利用される場合がある。このような、両者で使用される特定の処理(特定の機能)について、ユーザには利用を制限しつつ、装置の内部処理としては利用できることにより、例えば、セキュリティを確保することと、ユーザの使用上の利便性を維持することとを以下の実施形態で実現する。
【0015】
これにより、例えば画像処理装置の一例として、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)のシステム設定画面において、OCR機能の許可/禁止に関する設定を追加することで、MFPのシステムとしてOCR機能を禁止することが可能となり、結果として、情報漏洩を未然に防ぐことができるようになる。
【0016】
また、例えば、MFPのシステムとしてOCR機能が禁止されていても、OCR機能を前提にした機能(天地判定機能、ファイル名自動設定機能、名刺スキャン機能、翻訳機能など)については、機能を一部制限した状態で使用可能とすることで、セキュリティの担保とユーザビリティの維持を両立することが可能となる。
【0017】
[1.第1実施形態]
[1.1 システム全体]
図1は、システム1の概要を説明する図である。システム1は、ネットワークに画像処理装置の一例として画像形成装置10が接続されている。ここで、画像形成装置は、一般的にはプリンタ、複合機(MFP)、コピー機、ファクシミリと呼ばれる装置である。
【0018】
また、ネットワークNWには、端末装置20や、端末装置30等が接続されてもよい。端末装置20は、画像形成装置10にジョブを投入したり、システム設定画面を表示したりすることが可能な装置である。端末装置20は、例えば、ネットワークNWに接続する装置(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォン等のような装置)であってもよい。図1では、端末装置20はコンピュータ、端末装置30はスマートフォンを一例として示している。なお、本明細書において、端末装置20を例に説明する。
【0019】
また、端末装置20(端末装置30)は、画像形成装置10と同一のネットワークNWに接続されていることとして説明しているが、他のネットワークに接続されてもよい。例えば、端末装置20は、外部ネットワークであるインターネットを介して画像形成装置10に接続してもよい。
【0020】
[1.2 ハードウェア構成]
各装置のハードウェア構成について、以下、図を参照して説明する。図2は画像形成装置10、図3は端末装置20のハードウェア構成の一例を示した図である。
【0021】
[1.2.1 画像形成装置]
図2に示すように、画像形成装置10は制御部100と、記憶装置としてストレージ110、ROM(Read Only Memory)120及びRAM(Random Access Memory)130と、表示部140と、操作部150と、画像形成部160と、画像読取部162と、通信部170とを有している。
【0022】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、ストレージ110や、ROM120に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の制御装置/演算装置(CPU(Central Processing Unit)、SoC(System on a Chip))により実現されてもよい。
【0023】
ストレージ110は、プログラムや、データを記憶可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)といった記憶装置で構成されてもよい。また、ストレージ110は、外部に接続可能なUSBメモリといった構成でもよい。また、ストレージ110は、例えばクラウド上にある記憶領域であってもよい。
【0024】
ROM120は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することが可能な不揮発性のメモリである。
【0025】
RAM130は、主に制御部100が処理を実行時に利用するメインメモリである。RAM130は、ストレージ110や、ROM120から読み出したプログラムや、実行時の結果を含むデータを一時的に保持する書換え可能なメモリである。
【0026】
表示部140は、各種情報や、実行画面を表示可能な表示装置である。表示部140は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ等の表示装置であってもよい。また、表示部140は、表示装置が接続可能なインタフェースを含む。例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)や、DVI(Digital Visual Interface)、Display Portを介して接続される外部の表示装置で構成されてもよい。
【0027】
操作部150は、ユーザからの操作入力が可能な操作装置である。例えば、表示部140と一体となったタッチパネルや、操作ボタン等の操作装置であってもよい。また、操作部150は、操作装置が接続可能なインタフェースを含んでもよい。例えば、画像形成装置10は、異なる操作装置(タッチパネルを有した操作装置)を接続してもよい。
【0028】
通信部170は、他の装置と通信をする通信インタフェースである。例えば、有線接続や無線接続が提供可能なネットワークインタフェースであってもよい。本実施形態においては、ネットワークNWを介して他の装置と通信可能となっている。
【0029】
画像形成部160は、画像を例えば記録紙に形成する。画像形成部160は、例えば、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録紙上に転写することによって画像を形成する。画像形成部160は、プリンタ等の画像形成装置として構成されてもよい。また、画像形成部160は、電子的に画像ファイルとして画像を形成してもよい。
【0030】
画像読取部162は、原稿(画像)を読取り、画像データとして出力する。画像読取部262は、例えばスキャナであり、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)を利用した読取装置であってもよい。
【0031】
[1.2.2 端末装置]
図3に示すように、端末装置20は、制御部200と、記憶装置としてストレージ210、ROM220及びRAM230と、表示部240と、操作部250と、通信部260とを有している。
【0032】
これらの構成は、上述した画像形成装置10における構成と基本的な構成は同様である。例えば、制御部200は、端末装置20の全体を制御するための機能部である。制御部200は、ストレージ210や、ROM220に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の制御装置/演算装置(CPU(Central Processing Unit)、SoC(System on a Chip))により実現されてもよい。
【0033】
ストレージ210は、プログラムや、データを記憶可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)といった記憶装置で構成されてもよい。また、ストレージ210は、外部に接続可能なUSBメモリや、CD-ROMドライブ、BD-ドライブといった構成でもよい。また、ストレージ110は、例えばクラウド上にある記憶領域であってもよい。
【0034】
[1.3 ソフトウェア構成]
ソフトウェアの構成について、図4を参照して説明する。図4は、画像形成装置10と、端末装置20とのソフトウェアの構成について説明する図である。
【0035】
画像形成装置10の制御部100は、ストレージ110又はROM120に記憶されたプログラム(アプリケーション)を実行することで、ジョブ実行部1010、文字認識部1012、画像処理部1014、画像出力部1016、システム設定部1030、ユーザインタフェース提供部(UI提供部)1040として機能する。
【0036】
また、画像形成装置10のストレージ110は、ジョブ設定テーブル1110と、システム設定テーブル1120とを記憶する。
【0037】
ジョブ実行部1010は、ユーザにより選択されたジョブを実行する。ジョブは、例えばコピー機能を実現するコピージョブ、端末装置20から送信された印刷データに基づいて印刷を行う印刷ジョブ、例えば、画像読取部162がスキャナ装置の場合、原稿を読み取り画像データとして出力するスキャンジョブ、画像データをファクシミリ通信で送受信するファクシミジョブ等であってもよい。ジョブ実行部1010は、実行するジョブにより、文字認識処理、画像処理、ファイル出力処理を実行する。
【0038】
また、ジョブ実行部1010は、ユーザがジョブを実行するための画面を表示する。例えば、ジョブ実行部1010は、ユーザがジョブを投入するためのジョブモード画面、ジョブ実行時の設定をユーザが行うジョブ設定画面、ユーザがジョブを実行したときに表示するジョブ実行画面等を表示する。
【0039】
文字認識部1012は、文字認識を行う。例えば、画像読取部162が読み取った画像に対して、文字認識処理を実行することで、文字データの出力が可能である。文字認識部1012は、例えば、文字のパターンを認識することにより文字認識を行ってもよい。文字認識部1012が実現する文字認識処理は、例えばOCR(Optical Character Recognition)処理と呼ばれるものであり、レイアウト解析処理、行又は文字の切り出し処理、文字パターンのマッチング処理等を含んでいる。
【0040】
画像処理部1014は、画像に対する各種処理を実行する。画像処理部1014は、例えば画像の階調を変換する階調変換処理や、画像の鮮鋭化を行う鮮鋭化処理といった一般的な画像処理の他にも、種々の機能を実現することができる。
【0041】
また、画像処理部1014は、文字認識部1012が実行する処理の結果や、文字認識部1012が出力する文字データを利用して、特定の処理を実行してもよい。例えば、画像処理部1014は、文字認識部1012が文字認識時に判定した文字の向きを利用することで画像の向きを判定する処理(天地判定処理)を実行してもよい。また、例えば、画像処理部1014は、文字認識部1012が出力した文字データに基づいてファイル名を設定するファイル名自動設定処理を実行してもよい。
【0042】
また、画像処理部1014は、入力された画像から、特定のパターンを抽出し、複数の画像を出力する処理を実現してもよい。例えば、画像処理部1014は、入力された画像から、名刺の画像を検出し、名刺データとして出力する処理(名刺スキャン処理)を実現してもよい。画像処理部1014は、文字認識部1012が出力した文字データから、名刺に記載されている会社名、氏名、役職、住所、電話番号等を認識し、宛先情報として出力してもよい。
【0043】
画像出力部1016は、所定の画像を出力する。例えば、画像読取部162が読み取った画像(入力画像)に対して、文字認識部1012が文字認識処理を実行する。画像出力部1016は、画像読取部162が読み取った画像(入力画像)と、文字認識部1012が認識した結果の文字データとを併せて、画像(出力画像)として出力することができる。
【0044】
また、画像出力部1016は、画像をファイルとして出力することができる。例えば、画像出力部1016は、画像データのファイル(画像ファイル)や、ドキュメントファイルとして出力することができる。また、画像出力部1016は、一時的に画像データを出力し、当該画像を他の装置に出力してもよい。例えば、画像出力部1016は、画像形成部160に画像を出力することで、記録紙に画像を印刷することができる。また、画像出力部1016は、画像形成部160や、通信部170を介して画像をファクシミリ通信を介して他の装置に出力してもよい。
【0045】
また、画像出力部1016は、画像処理部1014が処理した画像を所定のフォーマットのファイルで出力することができる。画像出力部1016は、例えばPDF(Portable Document Format)ファイル、文章ファイル(例えば、DOC形式ファイル、DOCX形式ファイル、ODT形式ファイル等)、表計算ファイル(例えば、XLS形式ファイル、XLSX形式ファイル、ODS形式ファイル等)、画像ファイル(例えば、TIFF形式、JPEG形式等)といった種々の形式のファイルを出力することができる。このように、画像出力部1016は、出力部(ファイル出力部)として機能する。
【0046】
システム設定部1030は、画像形成装置10のシステム全体の設定であるシステム設定を行う。ここで、システム設定とは、画像形成装置10が動作するときに共通して利用される設定であり、ジョブを実行するときにも利用される設定である。システム設定部1030は、一般的には特定のユーザ(例えば管理者ユーザ)により設定されたり、更新されたりする。システム設定部1030は、システム設定を記憶領域であるストレージ110にシステム設定テーブル1120として記憶する。
【0047】
また、システム設定部1030は、UI提供部1040を介して外部の端末装置20によりシステム設定を変更することができる。UI提供部1040は、例えば、接続された端末装置20に、WEBインタフェースを提供しシステム設定の変更を可能にする。
【0048】
例えば、端末装置20の制御部200は、UI表示部2010を実行すると、UI提供部1040において提供されるUIを表示する。例えば、UI表示部2010は、端末装置20において、WEBブラウザにおいて実現する。また、UI表示部2010は、端末装置20において実行される専用のアプリケーションであってもよい。
【0049】
UI表示部2010は、UI提供部1040を介してシステム設定部1030にアクセスすることができる。そして、ユーザは、UI表示部2010に表示されているシステム設定を変更することで、端末装置20を経由して画像形成装置10のシステム設定の変更が可能となる。
【0050】
なお、以下の実施形態においては、システム設定画面は画像形成装置10において表示されることを例に説明するが、このように端末装置20等の外部装置において表示されてもよい。
【0051】
ジョブ設定テーブル1110は、ジョブ設定を記憶する。ジョブ設定は、ジョブ実行部1010がジョブを実行するときに参照する設定値を含んでいる。ユーザは、ジョブを実行する前に、設定値を変更することができる。図5(a)は、ジョブ設定テーブル1110の一例について示した図である。
【0052】
例えば、ジョブ設定テーブル1110は、ジョブモード(例えば、「e-mail scan」)と、ジョブを実行したときに出力されるファイル形式であるフォーマット(例えば、「PDF」)と、文字認識の処理を実行するか(OCR機能を利用するか)(例えば、「ON」)と、画像をスキャンする解像度(又は、出力するファイルの解像度)(例えば、「400dpi」)と、出力するファイルの圧縮率(例えば、「中」)と、出力するファイルについて暗号化をするか(例えば、「OFF」)と、ファイルを出力する方法(例えば、ページ毎にファイルを出力することについて「OFF」)等を記憶することが可能である。
【0053】
ジョブ実行部1010は、ジョブ実行時にジョブ設定テーブル1110に記憶されているジョブ設定を参照してジョブを実行する。
【0054】
システム設定テーブル1120は、画像形成装置10において共通のシステムの設定を記憶する。図5(b)は、システム設定テーブル1120の一例について示した図である。
【0055】
例えば、システム設定テーブル1120は、設定項目として「PC-Faxからの送信禁止」について、設定値(例えば、「OFF」)を記憶する。また、システム設定テーブル1120は、ユーザ間における共通の設定を記憶することができる。例えば、ユーザがジョブの実行時にOCR機能を利用できるか否かを示す設定(例えば、「OCRの禁止」「OFF」)を記憶している。
【0056】
ここで、ユーザが画像形成装置10においてOCR機能を利用できるか否かの設定はシステム設定(システム設定テーブル1120)と、ジョブ設定(ジョブ設定テーブル1110)とに記憶されている。OCR機能の利用については、システム設定と、ジョブ設定とは、原則としてシステム設定において設定されている設定値が優先される。したがって、システム設定において、OCR機能が利用できない(OCRの禁止「ON」)ときは、ジョブ設定においてOCR機能を有効にすることができないことが好ましい。
【0057】
なお、本実施形態における「OCR機能を利用できない」ということは、ユーザが原稿に対して文字認識の処理の結果を自由に利用できないことをいう。したがって、画像形成装置10(制御部100)が、文字認識の処理の実行を禁止することまでを含まない。一般的にユーザがOCR機能を利用すると、画像形成装置10は、例えば原稿(画像)から、ユーザが利用可能な形で文字データを出力する。本実施形態において、OCR機能が利用できない場合、文字データが出力されないことになる。
【0058】
また、OCR機能が利用できないことは、制限的に文字データを出力する場合を含めてもよい。例えば、OCR機能が利用できないときは、制御部100は、文字データをファイルに埋め込んで出力するが、当該文字データはコピーできない制限をかけたり、編集できない制限をかけたりしてもよい。
【0059】
[1.4 画面遷移]
本実施形態における画面遷移について、図6を参照して説明する。画像形成装置10は、例えばホーム画面(D10)、システム設定画面(D12)、ジョブモード画面(D14)、ジョブ設定画面(D16)、ジョブ実行画面(D18)を切り替えることができる。
【0060】
まず、画像形成装置10は、ホーム画面(D10)を表示する。ホーム画面(D10)は、例えばメニューモード(ホームモード)のときに表示される画面である。ユーザはホーム画面から、ホーム画面に表示されている項目を選択したり、ジョブを投入したりすることで、各モードに切り替えることが可能である。
【0061】
ここで、ユーザが、ホーム画面(D10)から、システム設定の選択を行うと、画像形成装置10は、メニューモードからシステム設定モードに遷移する。システム設定モードになると、システム設定部1030が、システム設定画面(D12)を表示する。システム設定画面(D12)は、画像形成装置10が動作する上で共通の設定であるシステム設定を変更することが可能な画面であり、画像形成装置の機能を設定する。システム設定画面は、画像形成装置10において表示されてもよいし、画像形成装置10にアクセスした外部の端末装置20において表示されてもよい。システム設定モードは、例えば管理者が実行するモードである。したがって、システム設定画面(D12)は、例えば管理者が表示する。
【0062】
画像形成装置10は、システム設定画面(D12)において、管理者によりシステム設定の設定値が変更されたり、登録されたりした後は、ホームモードに遷移し、ホーム画面(D10)が表示される。
【0063】
ユーザが、ホーム画面(D10)においてジョブモードを選択すると、画像形成装置10は、選択されたジョブモードを実行する。ジョブモードが実行されると、制御部100(ジョブ実行部1010)は、実行したジョブに対応するジョブモード画面(D14)を表示する。例えば、ジョブモードを実行するジョブモード画面としては、コピージョブを実行するコピー画面、スキャンジョブを実行するスキャン画面、FAX通信のジョブを実行するFAX画面等がある。
【0064】
ここで、ユーザは、ジョブモードにおける設定を変更する場合、ジョブ設定を選択する。ユーザによりジョブ設定が選択されると、画像形成装置10は、ジョブ設定画面(D16)を表示する。ユーザは、ジョブ設定画面において、実行するジョブの設定について変更することが可能である。また、ユーザは、ジョブにおいて利用する機能を選択することができる。例えば、ユーザはOCR機能を利用することを選択することができる。
【0065】
そして、ユーザによりジョブ設定画面により、ジョブ設定が行われた後は、画像形成装置10は、ジョブモード画面(D14)に画面を遷移する。そして、ユーザによりジョブの実行を指示された場合、画像形成装置10は、ジョブ実行画面(D18)を表示し、ジョブを実行する。画像形成装置10は、ジョブの実行を完了すると、再びジョブモード画面(D14)に画面を遷移する。また、ジョブモードを終了すると、画像形成装置10は、ホームモードに遷移し、ホーム画面(D10)を表示する。
【0066】
なお、ジョブ設定をする設定項目は、ジョブ設定画面(D16)だけでなく、ジョブモード画面(D14)に表示してもよい。例えば、よく使う設定の項目(例えば、ファイルの出力フォーマットの選択、原稿を読み取る解像度等)は、ジョブモード画面に表示してもよい。また、ジョブモード画面に使用頻度の高い設定値を表示し、使用頻度の低い設定値はジョブ設定画面に表示してもよい。
【0067】
このように、本実施形態の画像形成装置10は、設定画面として2つの設定画面を有している。すなわち、画像形成装置10は、第1の設定画面として、ユーザが主に利用するジョブ設定画面と、第2の設定画面として、システム管理者が主に利用するシステム設定画面とを有している。
【0068】
なお、図6において説明したそれぞれの画面は、画像形成装置10において表示されてもよいし、他の装置において表示されてもよい。例えば、端末装置20や、端末装置30はWEBブラウザを介して各画面を表示してもよい。また、端末装置20や、端末装置30は、操作用アプリケーション、設定用アプリケーション等のアプリケーションを実行し、当該アプリケーションにおいて各画面を表示してもよい。
【0069】
[1.5 処理の流れ]
[1.5.1 メイン処理]
つづいて、本実施形態におけるメインとなる処理の流れについて図7を参照して説明する。制御部100は、画像形成装置10において、ホーム画面を表示する(ステップS10)。つづいて、制御部100は、ユーザに処理を選択させる(ステップS12)。ここで、ユーザによりジョブの実行が選択されると(ステップS12;ジョブ実行)、ジョブ実行部1010は、ジョブの実行を開始する。
【0070】
ジョブ実行部1010は、ジョブ実行画面を表示する(ステップS14)。そして、必要に応じて、ジョブ実行部1010は、ジョブ設定処理を実行する(ステップS16)。そして、ユーザによりジョブの設定が行われた後、ジョブ実行部1010は、ジョブ設定に基づいてジョブを実行する(ステップS18)。なお、制御部100は、ユーザによりジョブ設定を行う操作がなければ、ジョブ設定処理を実行しなくてもよい。
【0071】
また、ホーム画面においてシステム設定が選択されると(ステップS12;システム設定)、制御部100は、システム設定モードに動作モードを切り替える。システム設定モードでは、システム設定部1030は、システム設定画面を表示部140に表示する(ステップS20)。システム設定部1030は、ユーザにより変更されたシステム設定の設定値を変更する(ステップS30)。なお、システム設定画面は、UI提供部1040を介して端末装置20等の外部の装置で表示されてもよい。
【0072】
ここで、図7では、システム設定の設定項目のうち、OCR機能の利用に着目して説明する。制御部100は、システム設定においてOCR機能の利用が禁止されているか否かを判定する(ステップS32)。
【0073】
OCR機能の利用が禁止として設定されたとき、制御部100(システム設定部1030)は、OCR機能の利用を禁止に設定する(ステップS32;Yes→ステップS36)。また、OCR機能の利用が許可として設定されたとき、制御部100(システム設定部1030)は、OCR機能の利用を許可とする(ステップS32;No→ステップS34)。
【0074】
このように、図7の処理を実行した制御部100は、ジョブモードにおける設定を、システム設定モードにおいても行うことができる。
【0075】
[1.5.2 ジョブ設定処理]
図8は、制御部100が実行するジョブ設定処理の流れについて説明したフロー図である。ジョブ設定処理は、図7のステップS16において実行される処理であり、ジョブモードにおいて実行される。
【0076】
制御部100は、システム設定でOCR機能の利用が禁止(例えば、「OCRの禁止」が「ON」)となっているときは、OCR機能の選択を禁止(選択不可)とする(ステップS52;Yes→ステップS54)。
【0077】
OCR機能の選択を禁止するとは、例えば制御部100は、表示部140において、OCR機能を有効化する操作ボタンが表示されている場合、当該操作ボタンを選択できないように表示する。選択できないように表示するとは、例えば制御部100は、操作ボタンをグレーアウト表示して選択できなくしてもよいし、操作ボタンを非表示として選択できなくしてもよい。また、制御部100は、操作ボタンが選択された場合に「選択できません」といったエラー表示を行ってもよい。
【0078】
つづいて、制御部100は、OCR機能を有効とする操作ボタンがユーザにより選択されたとき(ステップS56;Yes)、OCR機能の有効、無効を切り替える(ステップS58)。すなわち、制御部100は、OCR機能が「OFF」(無効)のとき、ユーザにより操作ボタンが選択されるとOCR機能を「ON」(有効)に切り替えることができる。また、制御部100は、既にOCR機能が「ON」(有効)のとき、ユーザにより操作ボタンが選択されると、OCR機能を「OFF」(無効)に切り替えることができる。このように、例えば、OCR機能を示す操作ボタンはトグルボタンになっており、OCR機能の有効/無効を容易に切り替えることが出来る。なお、操作ボタンは、例えばボタン表示だけでなく、チェックボックスや、ラジオボタン、プルダウンメニューといった他の選択方法であってもよい。
【0079】
なお、システム設定において、OCR機能が「無効」とされているとき、制御部100はステップS54においてOCR機能の選択を禁止(選択不可)とする。OCR機能が無効となっているとき、ユーザはOCR機能を利用する操作ボタンを選択することができない。
【0080】
つづいて、ユーザにより他の設定項目が選択されると、制御部100は、選択された項目に応じてジョブの設定を変更する(ステップS60;Yes→ステップS62)。
【0081】
このように、ジョブ設定処理は、制御部100(ジョブ実行部1010)が、ジョブを実行するときの設定を、ユーザの選択により行うことが可能である。
【0082】
[1.5.3 ジョブ実行処理]
ジョブ実行処理について、図9を参照して説明する。ジョブ実行処理は、制御部100(ジョブ実行部1010)が実行する処理である。
【0083】
まず、制御部100(ジョブ実行部1010)は、原稿取得処理を実行する(ステップS102)。制御部100は、原稿取得処理を実行すると、例えば、画像読取部162から原稿を読み取り、画像として取得する。また、制御部100は、通信部170を介して、例えば、他の装置から画像を取得したり、外部メモリ(例えば、USBメモリ等)から画像を取得したりしてもよい。
【0084】
つづいて、制御部100は、OCR機能の利用が「禁止」されているか否かを判定する(ステップS104)。もし、OCR機能の利用が「禁止」されていないときは(ステップS104;No)、制御部100は文字認識の処理を実行する(ステップS120)。具体的には、文字認識部1012が、ステップS102で取得した画像に対して文字認識の処理を実行し、認識した文字に基づく文字データを出力する。
【0085】
制御部100(画像処理部1014)は、設定されている画像処理を実行する(ステップS122)。例えば、本図では、天地判定が有効であれば、画像処理部1014は、文字認識処理の結果に基づいて、原稿の向きを判定する。そして、制御部100は、必要に応じて原稿の向きの傾きを判定し、判定した角度を回転することで、原稿の向きを正しくした画像(入力画像の向き補正をした出力画像)や、傾きを補正したりした画像(入力画像の傾き補正をした出力画像)を出力する。
【0086】
そして、画像出力部1016は、文字認識処理により出力された文字データが含まれたファイルを出力する(ステップS124)。例えば、画像出力部1016は、画像と、文字データを埋め込んだファイル(例えば、ドキュメントファイル、PDFファイル)を出力する。すなわち、制御部100(画像出力部1016)は、認識した文字に対して、出力ファイルへの埋め込みを行う。
【0087】
このように、OCR機能の利用が禁止されていないとき、制御部100は、出力画像と、文字データとが含まれているファイルを出力する。なお、制御部100(画像出力部1016)は、画像とは異なる文字データに基づくファイルを出力してもよい。制御部100(画像出力部1016)が出力するファイルは、例えば、ワープロソフトや、表計算ソフトで利用可能なドキュメントファイル(例えば、DOCXファイル、XLSXファイル、PPTXファイル等)であってもよい。また、出力されるファイルは、他の端末装置でレイアウトを維持して表示可能なファイル(例えば、PDFファイル)であってもよい。また、画像出力部1016は、出力画像に基づくファイル(画像ファイル)と、文字データに基づくファイル(テキストファイル、HTMLファイル等)を併せて出力してもよい。
【0088】
ステップS104に戻り、OCR機能の利用が「禁止」されているとき、制御部100は、画像処理においてのみ文字認識の処理を実行する。すなわち、OCR機能の利用が禁止されているとき、ユーザは文字認識の処理を実行した結果を利用することができない。ユーザから見れば、文字データが出力されないことから、OCR機能は利用できていないと感じることになる。
【0089】
例えば、制御部100(画像処理部1014)が、画像処理を実行するとき、文字認識における結果を利用するのであれば、文字認識の処理を実行する。例えば、図9は、制御部100(画像処理部1014)は、天地判定機能が有効である場合(ステップS106;Yes)、文字認識の処理を実行する(ステップS108)。
【0090】
すなわち、制御部100(文字認識部1012)は、画像に含まれる文字を認識し、認識した文字に関する情報を出力する。認識した文字に関する情報は、例えば文字の向きが含まれる。制御部100(画像処理部1014)は、文字認識処理により判定された文字の向きから原稿の向きを判定し、原稿の向きが正方向となるように修正する処理を実行する(ステップS110)。
【0091】
そして、制御部100(画像出力部1016)は、OCR機能の利用が禁止されていることから、出力画像は含まれるが、文字データが含まれていないファイルを出力する(ステップS112)。
【0092】
そして、制御部100は、ファイル送信処理を実行する(ステップS114)。ファイル送信処理は、ステップS112又はステップS124において出力されたファイルを、他の装置に送信したり、記録媒体に出力したりする。また、制御部100は、ファイル送信処理において、ファイルをメールに添付して送信したり、クラウド上の領域にファイルを送信したりしてもよい。また、制御部100は、ファイルをSNS(Social networking service)に投稿したりしてもよい。
【0093】
[1.6 動作例]
動作例について、表示画面の一例を用いて説明する。図10は、表示画面W100を示す図であり、システム設定画面の一例である。表示画面W100は、領域R100に、設定項目が表示されている。この設定項目は、例えばグループ領域R104において選択されたグループに対応する設定項目が表示されている。
【0094】
そして、領域R100は、1又は複数の設定項目が表示されている。例えば、一例として、設定項目R102において、「OCRの禁止」を設定可能である。ここで、「OCRの禁止」を「ON」にすることで、ユーザはOCR機能の利用ができなくなる。
【0095】
領域R100において設定した項目は、登録ボタンB100を選択すると、新たにシステム設定テーブル1120に記憶される。また、領域R100において設定した項目は、更新ボタンB102を選択すると、システム設定テーブル1120に記憶されている内容が更新される。
【0096】
図11は、表示画面W110を示す図であり、ジョブ設定画面の一例である。表示画面W110は、領域R110において、出力するファイルのファイル形式を選択することができる。例えば、ユーザは、画像ファイルとして「TIFF」「XPS」「JPEG」、ドキュメントファイルとして「PDF」「テキスト」「RTF」、その他のファイルとして「DOCX」「XLSX」「PPTX」といった出力形式を選択することができる。
【0097】
また、ユーザは、PDFファイルを選択するときに、複数の種類から選択してもよい。例えば、ユーザは、PDFファイルの種類として「PDF/A-1a」「PDF/A-1b」や、「PDF/A-2」「PDF/X」といった形式を選択できてもよい。
【0098】
また、制御部100は、ファイルに応じて「暗号化」できてもよいし、圧縮率を設定できてもよい。また、制御部100は、ファイルにパスワードをかけてもよい。
【0099】
領域R112は、出力されたファイルの送信方法を選択させてもよい。例えば、表示画面W110の領域R112は、「E-mail」が選択されている。制御部100(画像出力部1016)は、出力するファイルをE-mailに添付して指定された宛先に送信する。E-mailの送信先は、事前に選択してもよいし、当該ジョブの実行後(例えば、スタートボタンを選択後)に選択してもよい。
【0100】
また、領域R114は、OCR機能を利用するかを選択するボタン(チェックボックス)が表示されている。例えば、ユーザが領域R114において、OCR機能を「ON」にすると、制御部100は、文字データを含んだファイル(例えば、文字データが埋め込まれたPDFファイル)を出力する。
【0101】
また、システム設定で、OCR機能の利用が禁止と設定されている場合、ユーザは領域R114のOCR機能の操作ボタンを選択することができない。
【0102】
[1.7 効果]
このように、本実施形態によれば、システム設定画面と、ジョブ設定画面との両方でOCR機能の利用の可否を設定することができる。また、システム設定画面においてOCR機能を禁止とすることで、ユーザによるOCR機能の利用を制限することができる。すなわち、管理者が、セキュリティを確保するために、ユーザによりOCR機能の利用をシステム設定画面において一律に禁止することができる。
【0103】
また、本実施形態では、OCR機能の利用と、画像形成装置10の文字認識の処理の実行とを切り離して管理している。したがって、ユーザにとっては、OCR機能を利用できないが、画像形成装置10は、セキュリティ上あまり関係のない文字認識の処理を実行することができる。すなわち、画像形成装置10は、文字認識の処理を実行することで、他の処理において、文字認識した文字データや、文字認識の処理の結果を利用することができる。これにより、画像形成装置10は、作成するファイル、画像データに対するセキュリティ性の確保と、使用上の利便性を維持することができる。
【0104】
[2.第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、システム設定画面において、ユーザのOCR機能の利用を禁止とした場合に、画像形成装置10が利用できる機能を設定するものである。なお、本実施形態は、第1実施形態と、異なる点のみを説明し、機能構成や処理について同様な点については説明を省略する。
【0105】
図12は、第2実施形態におけるシステム設定画面の一例を示す図である。図12の表示画面W200は、領域R200において、OCR機能の利用の可否を選択させることができる。
【0106】
また、領域R200において、OCR機能の利用を禁止としたとき、システム設定画面は、領域R202において、画像処理部1014が実行する処理の可否について選択させことができる。
【0107】
例えば、領域R202は、制御部100(例えば、画像処理部1014)が実行する処理として「天地判定機能」「ファイル名自動判定機能」「名刺スキャン機能」「翻訳機能」が設定できる。
【0108】
例えば、「天地判定機能」を「ON」とすると、画像処理部1014は、文字認識の処理の結果を利用して天地判定処理を実行する。この場合、ユーザは文字認識された文字データを含むファイルを出力させることはできないが、画像処理において、文字認識の処理の結果を利用して、天地判定機能を利用することができる。
【0109】
このように、本実施形態によれば、OCR機能の利用が制限されている場合であっても、制御部100(画像処理部1014)は、文字認識の処理の結果を利用する処理について制限なく実行することができる。また、本実施形態によれば、制御部100は、複数の処理のうち、実行可能な処理を選択することができる。
【0110】
[3.第3実施形態]
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、システム設定画面においてOCR機能の利用が「禁止」されている場合、画像出力部1016は、ファイルを出力するときに文字の編集やコピーを禁止する属性(編集禁止の属性、コピー禁止の属性)を付加してファイルを出力する実施形態である。なお、本実施形態は、第1実施形態と、異なる点のみを説明し、機能構成や処理について同様な点については説明を省略する。
【0111】
図13は、第1実施形態の図9を置き換えたフローチャートである。第1実施形態と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0112】
OCR機能の利用が禁止と設定されている場合(ステップS104;Yes)、制御部100(文字認識部1012)は、画像の文字認識処理を実行する(ステップS108)。
【0113】
そして、制御部100(画像出力部1016)は、文字データが含まれたファイルを出力する(ステップS302)。ここで、制御部100は、出力されたファイルの文字データに、保護設定を行う(ステップS304)。
【0114】
保護設定とは、文字データに対してセキュリティに関する属性を付加する設定をいう。保護設定としては、例えば「文字データの編集禁止」「文字データのコピーの禁止」「文字データの検索の禁止」といった設定であってもよい。
【0115】
ここで、制御部100は、保護設定を文字データに一律に設定できてもよいし、システム設定画面において個別に設定できてもよい。例えば、図14は、システム設定画面の一例を示した図である。図14の表示画面W300は、領域R300において、OCR機能の利用の可否について設定する領域である。ここで、領域R300において、ユーザによりOCR機能の利用が禁止(制限)されたとき、領域R302では、OCR機能について、更に保護設定を行うことができる。例えば、表示画面W300では、保護設定として、「文字列の編集を禁止」「文字列のコピーを禁止」を設定することができる。また、更に保護設定として「文字列の出力を禁止」を設定することができてもよい。また、保護設定は、複数設定できてもよいし、1つのみが選択できてもよい。
【0116】
このように、本実施形態によれば、ユーザに対してOCR機能の利用を禁止したとき、文字データの出力を行いつつ、文字データに対して保護設定をすることで、出力されたファイルに含まれる文字データをユーザが勝手に利用できないという設定をすることが可能である。
【0117】
[4.第4実施形態]
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、ユーザが出力するファイルとして、文字認識の処理が必須のフォーマットが選択されるときの実施形態である。なお、本実施形態は、第1実施形態と、異なる点のみを説明し、機能構成や処理について同様な点については説明を省略する。
【0118】
図15は、第1実施形態の図9を置き換えたフローチャートである。第1実施形態と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0119】
システム設定において、OCR機能の利用が禁止と設定されているとき(ステップS104;Yes)、ユーザにより出力するファイルのフォーマットが、文字認識の処理が必要なフォーマットが選択されているかを判定する(ステップS402)。
【0120】
ここで、文字認識の処理が必要なフォーマットとは、文字データに基づく内容が出力される出力ファイルをいう。例えば、出力するフォーマットが、文字データのみで構成されるテキストファイルや、ワープロソフト等で利用されるドキュメントファイル(例えば、DOCXファイル等)の形式をいう。
【0121】
文字データに基づく内容のフォーマットの出力ファイルは、文字データが必ず含まれるため、制御部100は、OCR機能を利用しないと出力することができない。そこで、OCR機能の利用が必要なフォーマットの出力ファイルがユーザにより選択された場合に(ステップS402;Yes)、制御部100は出力ファイルの出力が禁止されているか否かを判定する(ステップS404)。出力ファイルの禁止がされている情報は、例えばシステム設定として、システム設定テーブル1120に記憶されている。
【0122】
OCR機能の利用が禁止されており、ファイルの出力が禁止されているときは、制御部100はエラー処理を行う(ステップS404;Yes→ステップS406)。例えば、制御部100は、画面に「ファイルを出力できません」というエラーメッセージを表示し、当該フォーマットの選択を無効とする。
【0123】
制御部100は、ファイルの出力が禁止されていないとき(ステップS404;No)、変換先となるフォーマットが設定されているかを判定する(ステップS408)。例えば、変換先となるフォーマットは、システム設定(システム設定テーブル1120)に記憶されている。変換先となるフォーマットが設定されているときは、制御部100は、ユーザが選択したフォーマットに代替して、システム設定において設定されている変換先となるフォーマットを選択する(ステップS408;Yes→ステップS410)。
【0124】
制御部100は、変換先となるフォーマットが設定されていないときは、予め設定されている固定のフォーマットを選択する(ステップS408;No→ステップS412)。固定のフォーマットとは、画像形成装置10が予め設定しているフォーマットであってもよい。
【0125】
そして、制御部100(画像出力部1016)は、選択されたフォーマットの形式で出力ファイルを出力する(ステップS414)。
【0126】
また、OCR機能の利用が禁止されていないとき(ステップS104;No)、画像出力部1016は、文字認識の処理の結果を利用してユーザにより選択されたフォーマットの形式の出力ファイルを出力する(ステップS420)。
【0127】
なお、予めシステム設定において、OCR機能の利用が禁止されている場合、文字認識の処理が必要なファイルを出力ファイルとして選択できないようにしてもよい。この場合、ステップS402~S412の処理は実行しなくてもよい。
【0128】
図16は、システム設定画面の一例を示した図である。図16の表示画面W400は、領域R400において、OCR機能の利用の可否について設定する領域である。
【0129】
また、領域R402は、文字認識の処理が必要となるフォーマットの形式が選択された場合に、代替して変換されるフォーマットの形式を選択する領域である。例えば、領域R402は、PDF、TIFF、JPEGが代替して変換されるフォーマットとして選択可能となっている。
【0130】
また、領域R402は、エラー終了の項目を選択できるようにしてもよい。エラー終了の項目が選択されたときは、制御部100は、エラー処理を実行し、ファイルを出力しない(例えば、図15のS404:Yes→S406)。
【0131】
また、ジョブ設定画面において、制御部100は、出力可能なフォーマットのみを表示してもよい。例えば、図11で示したジョブ設定画面の領域R110は、出力可能なフォーマットが複数表示されている。この領域R110に表示されているフォーマットを、例えば出力可能なフォーマットのみ表示してもよい。また、領域R110に表示されているフォーマットのうち、選択できないものをグレーアウト表示としてもよい。
【0132】
このように、本実施形態では、OCR機能が利用できない場合であっても、文字認識の処理が必要なフォーマット形式のファイルをユーザは選択して出力することができる。なお、OCR機能が利用できないときは、制御部100は、出力ファイルに保護設定を行ってもよい。また、制御部100は、保護設定が行えない出力ファイルは選択できないことにしてもよい。例えば、制御部100は、OCR機能が利用できないときは、テキストファイルは選択できないが、保護設定が可能なDOCX形式は選択できるとしてもよい。
【0133】
[5.第5実施形態]
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、オプションの処理を行うときの実施形態である。なお、本実施形態は、第1実施形態と、異なる点のみを説明し、機能構成や処理について同様な点については説明を省略する。
【0134】
図17は、第5実施形態のソフトウェアの構成を説明する図であり、第1実施形態の図4を置き換えた図である。第1実施形態と比較し、本実施形態では、オプション処理部1050を追加した構成である。
【0135】
オプション処理部1050は、画像形成装置10にオプションの機能を提供する。オプション処理部1050は、予め画像形成装置10にインストールされていてもよいし、後から追加してもよい。例えば、本実施形態では、オプション処理部1050の一例として翻訳処理部1052の処理を実行することで、ユーザに翻訳機能を提供可能である。
【0136】
翻訳処理部1052は、文字(文字列)を所定の言語に翻訳する処理を実行する。例えば、文字認識部1012において出力された文字列(文字データ)に基づいて、設定された他の言語(例えば、日本語から英語、日本語から中国語、英語から中国語等)に翻訳して出力する。
【0137】
翻訳処理部1052は、例えば、画像出力部1016が出力する画像に翻訳後の文字列(文字データ)を埋め込んでもよい。また、画像出力部1016が出力する画像に含まれる言語の文字の画像を、翻訳後の言語に置き換えた文字の画像にした出力ファイルを出力してもよい。また、翻訳処理部1052は、翻訳後の文字データに基づいて、テキストファイルや、ドキュメントファイルを別に出力してもよい。
【0138】
図18は、第1実施形態の図9を置き換えたフローチャートである。第1実施形態と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0139】
OCR機能の利用が禁止されていないとき(ステップS104;No)、文字認識部1012は文字認識の処理を実行する(ステップS512)。翻訳処理部1052は、文字認識の結果である文字データに基づいて翻訳処理を実行する(ステップS514)。そして、画像出力部1016は、翻訳結果の文字データが含まれた出力ファイルを出力する(ステップS516)。なお、画像出力部1016は、翻訳後の文字データ以外に、文字認識部1012が認識した文字データを併せて含んでもよい。
【0140】
また、OCR認識の利用が禁止されているとき(ステップS104;Yes)、制御部100は文字認識の処理を利用した翻訳機能が有効かを判定する(ステップS502)。ここで、文字認識の処理を利用した翻訳機能が有効であるとき(ステップS502;Yes)、文字認識部1012は、文字認識の処理を実行する(ステップS504)。
【0141】
そして、翻訳処理部1052は、文字認識の処理の結果である文字データに基づいて翻訳処理を実行する(ステップS506)。
【0142】
画像出力部1016は、文字データが含まれていない出力ファイルを出力する(ステップS508)。ここで、画像出力部1016が、文字データが含まれていないファイルを出力する方法としては、以下の方法が考えられる。
【0143】
(1)画像出力部1016は、文字データを一切含まない状態で出力する。例えば、画像出力部1016は、画像処理部1014が画像データに含まれている翻訳前の文字の画像を、翻訳後の文字の画像に置き換えて画像を出力ファイルとして出力する。なお、画像出力部1016は、翻訳前の文字と併せて翻訳後の文字の画像を含めた出力ファイルとして出力してもよい。
【0144】
(2)画像出力部1016は、翻訳後の文字データが含まれているファイルを出力するが、保護設定を行う。画像出力部1016は、翻訳後の文字データに保護設定をことで、翻訳後の文字データの編集ができない状態、文字データのコピーができない状態等である出力ファイルを出力する。
【0145】
(3)画像出力部1016は、翻訳後の文字データに基づく出力ファイルを別に出力する。例えば、画像に基づく出力ファイルとは別に、翻訳後のテキストファイル又はドキュメントファイルを出力する。画像出力部106は、翻訳後のドキュメントファイルに保護設定を行ってもよい。
【0146】
なお、保護設定の範囲を設定することで、制御部100は、柔軟な形式でファイルを出力することが可能である。例えば、制御部100は、翻訳前の文字データのみ保護設定を設定してもよいし、翻訳後の文字データのみ保護設定をしてもよい。
【0147】
[6.第6実施形態]
第6実施形態について説明する。第6実施形態は、システムでOCR機能を禁止しているときでも、特定のユーザについてはOCR機能を許可する実施形態である。なお、本実施形態は、第1実施形態と、異なる点のみを説明し、機能構成や処理について同様な点については説明を省略する。
【0148】
図19は、第1実施形態の図9を置き換えたフローチャートである。第1実施形態と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0149】
制御部100は、OCR機能がシステム設定において禁止されているときであっても(ステップS104;Yes)、許可ユーザについてはOCR機能を利用可能とする(ステップS602;Yes)。
【0150】
ここで、OCR機能の利用が許可されているユーザは、管理者等の予め決められたユーザであってもよいし、ユーザ毎に設定してもよいし、グループ(例えば、管理者グループ)毎に設定してもよい。また、OCR機能の利用が許可されているユーザは、例えば認証されたユーザであってもよい。また、ユーザが、利用時にパスワードを入力することで、OCR機能の利用が許可されてもよい。
【0151】
[7.第7実施形態]
第7実施形態について説明する。上述した実施形態は、特定の機能としてOCR機能の場合について説明した。すなわち、システム設定画面において、特定の機能の利用を禁止すると、ユーザとしては、特定の機能が利用できないが、装置内部では特定の機能に対応する処理が実行できる。
【0152】
本実施形態では、特定の機能として、他の機能について適用する場合について説明する。例えば、特定の機能としてカラー出力機能を例に説明する。カラー出力機能とは、画像形成装置10が、カラーの印刷物や、カラーのファイルを出力する機能である。
【0153】
例えば、図9のステップS104において、OCR機能の代わりにカラー出力機能が禁止か否かを判定する。そして、カラー出力機能が禁止されているとき、制御部100は、カラー出力に関する処理を実行する。
【0154】
例えば、制御部100は、カラー画像を使用する処理(例えば、領域分離処理、画像鮮鋭化処理)が有効のときは、カラー画像に基づいて当該処理を実行する。そして、制御部100は、カラー出力機能が禁止されていることから、出力するファイルはモノクロファイル(グレースケールで表されたファイル、白黒の2値化されたファイル)にて出力する。また、制御部100は、印刷処理の場合は、モノクロの画像データに基づいて印刷処理を行う。
【0155】
また、制御部100は、カラー出力機能の利用が禁止されていないときは、ステップS120~S122の代わりにカラー画像に基づいてカラー画像を使用する処理を実行する。そして、制御部100は、カラー画像のファイルを出力する。また、制御部100は、印刷処理の場合は、カラーの画像データに基づいて印刷処理を行う。
【0156】
[8.変形例]
本開示は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0157】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、各実施形態を分けて説明しているが、可能な範囲で組み合わせて実行することが可能である。また、明細書に記載したいずれの技術についても、補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。
【0158】
また、各実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
【0159】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、BD(Blu-ray(登録商標)Disc)等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。
【0160】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバ装置の記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【0161】
また、上述したデータは、装置内に記憶されるものではなく、外部の装置に記憶されて、適宜呼び出されてもよい。例えば、データをNAS(Network Attached Storage)に記憶したり、クラウド上に記憶したりしてもよい。
【0162】
なお、本開示の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される技術の組み合わせも、その範囲に含むものである。本開示のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に記載しているが、特許請求の範囲に記載されていないことを理由として技術的範囲から排除する意思ではない。
【0163】
また、上述した明細書において、「~の場合」「~のとき」という記載については、一つの例として説明しているものであり、記載した内容に限られる構成としているものではない。これらの場合やときでない構成についても、当業者であれば自明である範囲についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0164】
また、明細書に記載した処理や、データの流れについて順番を伴った記載について、記載している順番に限られない。例えば、処理の一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有している。
【符号の説明】
【0165】
1 システム
10 画像形成装置
100 制御部
110 ストレージ
120 ROM
130 RAM
140 表示部
150 操作部
160 画像形成部
162 画像読取部
170 通信部
20 端末装置
200 制御部
210 ストレージ
220 ROM
230 RAM
240 表示部
250 操作部
260 通信部
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