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特開2023-176412画像出力装置、画像出力方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176412
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】画像出力装置、画像出力方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231206BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231206BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H04N1/00 Z
H04N1/00 127B
B41J29/42 F
B41J29/38 202
B41J29/38 203
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088679
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】西井 雄一
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ30
2C061HK05
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN15
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC30
5C062AC34
5C062AE15
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】特定の機能を制限したとしても、適切に処理を実行することが可能な技術を提供すること。
【解決手段】画像出力装置の動作の設定に用いるシステムの設定項目を含む第1の設定画面と、ジョブ実行時の動作の設定に用いるジョブの設定項目を含む第2の設定画面とを表示する制御を行う制御部と、前記ジョブ実行時の動作の設定に基づいて、ジョブを実行することで画像を出力する画像出力部と、を備え、前記制御部は、前記第1の設定画面で特定の機能の利用を禁止したときは、前記第2の設定画面において、特定の機能を利用する前記ジョブの設定項目を選択不可とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力装置の動作の設定に用いるシステムの設定項目を含む第1の設定画面と、ジョブ実行時の動作の設定に用いるジョブの設定項目を含む第2の設定画面とを表示する制御を行う制御部と、
前記ジョブ実行時の動作の設定に基づいて、ジョブを実行することで画像を出力する画像出力部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1の設定画面で特定の機能の利用を禁止したときは、前記第2の設定画面において、特定の機能を利用する前記ジョブの設定項目を選択不可とする
画像出力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の設定画面で特定の機能の利用を禁止したときは、前記第1の設定画面において、特定の機能に関するシステムの設定項目を選択不可とする
請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記設定項目を非表示にする請求項1又は2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記設定項目の表示態様を変化して表示する請求項1又は2に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記特定の機能は、文字認識の機能であって、
前記制御部は、前記第1の設定画面で前記文字認識の機能の利用を禁止したときは、第2の設定画面において、当該文字認識の機能の利用を選択不可とする及び/又は当該文字認識の機能を利用した画像のフォーマットを選択不可とする
請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記画像出力部は、前記文字認識の機能を実行した結果、出力される文字データを含む画像を出力可能である請求項5に記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記システムの設定項目に前記出力される文字データに関する設定が含まれており、
前記制御部は、前記第1の設定画面で文字認識の機能の利用を禁止したときは、前記第1の設定画面において、前記出力される文字データに関する設定を選択不可とする
請求項5に記載の画像出力装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第2の設定画面において、選択不可とされている設定項目が選択されたとき、認証を実行し、
前記認証が認められた場合は、前記選択不可とされている設定項目を選択可能とする
請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記認証によりユーザが前記特定の機能を利用する権限を有することが確認できたときは、前記設定項目を選択可能とする請求項8に記載の画像出力装置。
【請求項10】
画像出力装置の動作の設定に用いるシステムの設定項目を含む第1の設定画面と、ジョブ実行時の動作の設定に用いるジョブの設定項目を含む第2の設定画面とを表示し、
前記ジョブ実行時の動作の設定に基づいて、ジョブを実行することで画像を出力する、
画像出力方法であって、
前記第1の設定画面で特定の機能の利用を禁止したときは、前記第2の設定画面において、特定の機能を利用する前記ジョブの設定項目を選択不可とする画像出力方法。
【請求項11】
コンピュータに、
画像出力装置の動作の設定に用いるシステムの設定項目を含む第1の設定画面と、ジョブ実行時の動作の設定に用いるジョブの設定項目を含む第2の設定画面とを表示する制御を行う制御機能と、
前記ジョブ実行時の動作の設定に基づいて、ジョブを実行することで画像を出力する画像出力機能と、
を実現させるプログラムであって、
前記制御機能は、前記第1の設定画面で特定の機能の利用を禁止したときは、前記第2の設定画面において、特定の機能を利用する前記ジョブの設定項目を選択不可とする
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像出力装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
画像出力装置は、セキュリティの観点等からユーザに対して所定の処理を実行することを制限する技術が知られている。
【0003】
例えば、紙原稿からベクトルデータを取得する前に元の紙原稿を再利用可能なベクトルデータに変換するか否かを好適に設定することができる技術が、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-167937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、例えば、特定の機能を制限したとしても、適切に処理を実行することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の画像出力装置は、画像出力装置の動作の設定に用いるシステムの設定項目を含む第1の設定画面と、ジョブ実行時の動作の設定に用いるジョブの設定項目を含む第2の設定画面とを表示する制御を行う制御部と、前記ジョブ実行時の動作の設定に基づいて、ジョブを実行することで画像を出力する画像出力部と、を備え、前記制御部は、前記第1の設定画面で特定の機能の利用を禁止したときは、前記第2の設定画面において、特定の機能を利用する前記ジョブの設定項目を選択不可とする。
【0007】
本開示の画像出力方法は、画像出力装置の動作の設定に用いるシステムの設定項目を含む第1の設定画面と、ジョブ実行時の動作の設定に用いるジョブの設定項目を含む第2の設定画面とを表示するステップと、前記ジョブ実行時の動作の設定に基づいて、ジョブを実行することで画像を出力するステップと、を含む画像出力方法であって、前記第1の設定画面で特定の機能の利用を禁止したときは、前記第2の設定画面において、特定の機能を利用する前記ジョブの設定項目を選択不可とする。
【0008】
本開示のプログラムは、コンピュータに、画像出力装置の動作の設定に用いるシステムの設定項目を含む第1の設定画面と、ジョブ実行時の動作の設定に用いるジョブの設定項目を含む第2の設定画面とを表示する制御を行う制御機能と、前記ジョブ実行時の動作の設定に基づいて、ジョブを実行することで画像を出力する画像出力機能と、を実現するプログラムであって、前記制御機能は、前記第1の設定画面で特定の機能の利用を禁止したときは、前記第2の設定画面において、特定の機能を利用する前記ジョブの設定項目を選択不可とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、特定の機能を制限したとしても、適切に処理を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態におけるシステムの概要を説明するための図である。
図2】第1実施形態における画像形成装置のハードウェアの構成を説明する図である。
図3】第1実施形態における端末装置のハードウェアの構成を説明する図である。
図4】第1実施形態におけるソフトウェアの構成を説明する図である。
図5】第1実施形態における(a)ジョブ設定テーブルのデータ構成の一例、(b)システム設定のデータ構成の一例、(c)フォーマット設定テーブルの一例を説明する図である。
図6】第1実施形態における画面遷移を模式的に説明する図である。
図7】第1実施形態における処理(メイン処理)について説明するフロー図である。
図8】第1実施形態における処理(システム設定処理)について説明するフロー図である。
図9】第1実施形態における処理(ジョブ設定処理)について説明するフロー図である。
図10】第1実施形態における表示画面(システム設定画面)の一例を示す図である。
図11】第1実施形態における表示画面(システム設定画面)の一例を示す図である。
図12】第1実施形態における表示画面(システム設定画面)の一例を示す図である。
図13】第1実施形態における(a)制限されたフォーマットの一例、(b)制限されていないフォーマットの一例を示す図である。
図14】第1実施形態における表示画面(ジョブ設定画面)の一例を示す図である。
図15】第1実施形態における表示画面(ジョブ設定画面)の一例を示す図である。
図16】第2実施形態における処理(システム設定処理)について説明するフロー図である。
図17】第2実施形態における処理(ジョブ設定処理)について説明するフロー図である。
図18】第2実施形態における表示画面(システム設定画面)の一例を示す図である。
図19】第2実施形態における表示画面(ジョブ設定画面)の一例を示す図である。
図20】第3実施形態における処理(ジョブ設定処理)について説明するフロー図である。
図21】第3実施形態における表示画面(ジョブ設定画面)の一例を示す図である。
図22】第3実施形態における表示画面(ジョブ設定画面)の一例を示す図である。
図23】第4実施形態における処理(ジョブ実行処理)について説明するフロー図である。
図24】第4実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示を提供した一つの実施形態であり、以下の記載に基づいて本開示の内容が限定して解釈されるものではない。
【0012】
一般的な画像出力装置や、画像処理装置において、取得した原稿の画像に対して文字認識の処理を実行し、文字認識の結果を出力する機能(例えば、OCR(Optical Character Recognition)機能)が知られている。ここで、OCR機能のON/OFFは、ジョブ実行時の設定画面(例えば、スキャンモードの設定画面)で、ユーザが自由に設定できる仕様が一般的である。
【0013】
一方、セキュリティの観点等から、OCR機能の許可/禁止を装置のシステム設定で一律に設定したいという要望がある。しかし、OCR機能の利用を禁止する設定が装置のシステム設定でされた場合、UI(ユーザインタフェース)画面において、OCR機能に関連する項目の表示を制御しないと、ユーザにとって、どの項目が現在設定できないのか、表示上確認することができないという課題が生じていた。
【0014】
このように、画像出力装置において利用できる機能のうち、当該機能が禁止されているか、許可されているかに応じて、UI(ユーザインタフェース)画面において、当該機能に関連する項目の表示を制御する点に関して、以下の実施形態で実現する。
【0015】
これにより、例えば画像出力装置の一例として、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)のシステム設定画面において、OCR機能の利用を禁止する設定をすると、システム設定側(システム設定画面)のOCRに関連する設定項目が制限されたり、画像出力装置のUI(例えば、ジョブ実行時にジョブの設定を行うジョブ設定画面)においても、OCRに関連する設定項目が制限されたりする。
【0016】
したがって、適切に表示が制限されていることから、システム設定画面を利用する管理者だけでなく、ジョブを実行するときに表示するジョブ設定画面を利用するエンドユーザに対してもユーザビリティを担保できる。
【0017】
[1.第1実施形態]
[1.1 システム全体]
図1は、システム1の概要を説明する図である。システム1は、ネットワークに画像出力装置の一例として画像形成装置10が接続されている。ここで、画像形成装置は、一般的にはプリンタ、複合機(MFP)、コピー機、ファクシミリと呼ばれる装置である。
【0018】
また、ネットワークNWには、端末装置20や、端末装置30等が接続されてもよい。端末装置20は、画像形成装置10にジョブを投入したり、システム設定画面を表示したりすることが可能な装置である。端末装置20は、例えば、ネットワークNWに接続する装置(例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォン等のような装置)であってもよい。図1では、端末装置20はコンピュータ、端末装置30はスマートフォンを一例として示している。なお、本明細書において、端末装置20を例に説明する。
【0019】
また、端末装置20(端末装置30)は、画像形成装置10と同一のネットワークNWに接続されていることとして説明しているが、他のネットワークに接続されてもよい。例えば、端末装置20は、外部ネットワークであるインターネットを介して画像形成装置10に接続してもよい。
【0020】
[1.2 ハードウェア構成]
各装置のハードウェア構成について、以下、図を参照して説明する。図2は画像形成装置10、図3は端末装置20のハードウェア構成の一例を示した図である。
【0021】
[1.2.1 画像形成装置]
図2に示すように、画像形成装置10は制御部100と、記憶装置としてストレージ110、ROM(Read Only Memory)120及びRAM(Random Access Memory)130と、表示部140と、操作部150と、画像形成部160と、画像読取部162と、通信部170とを有している。
【0022】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、ストレージ110や、ROM120に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の制御装置/演算装置(CPU(Central Processing Unit)、SoC(System on a Chip))により実現されてもよい。
【0023】
ストレージ110は、プログラムや、データを記憶可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)といった記憶装置で構成されてもよい。また、ストレージ110は、外部に接続可能なUSBメモリといった構成でもよい。また、ストレージ110は、例えばクラウド上にある記憶領域であってもよい。
【0024】
ROM120は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することが可能な不揮発性のメモリである。
【0025】
RAM130は、主に制御部100が処理を実行時に利用するメインメモリである。RAM130は、ストレージ110や、ROM120から読み出したプログラムや、実行時の結果を含むデータを一時的に保持する書換え可能なメモリである。
【0026】
表示部140は、各種情報や、実行画面を表示可能な表示装置である。表示部140は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)や、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ等の表示装置であってもよい。また、表示部140は、表示装置が接続可能なインタフェースを含む。例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)や、DVI(Digital Visual Interface)、Display Portを介して接続される外部の表示装置で構成されてもよい。
【0027】
操作部150は、ユーザからの操作入力が可能な操作装置である。例えば、表示部140と一体となったタッチパネルや、操作ボタン等の操作装置であってもよい。また、操作部150は、操作装置が接続可能なインタフェースを含んでもよい。例えば、画像形成装置10は、異なる操作装置(タッチパネルを有した操作装置)を接続してもよい。
【0028】
通信部170は、他の装置と通信をする通信インタフェースである。例えば、有線接続や無線接続が提供可能なネットワークインタフェースであってもよい。本実施形態においては、ネットワークNWを介して他の装置と通信可能となっている。
【0029】
画像形成部160は、画像を例えば記録紙に形成する。画像形成部160は、例えば、像担持体を含み、当該像担持体上にトナー画像を形成し、当該像担持体上の画像を記録紙上に転写することによって画像を形成する。画像形成部160は、プリンタ等の画像形成装置として構成されてもよい。また、画像形成部160は、電子的に画像ファイルとして画像を形成してもよい。
【0030】
画像読取部162は、原稿(画像)を読取り、画像データとして出力する。画像読取部162は、例えばスキャナであり、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)を利用した読取装置であってもよい。
【0031】
[1.2.2 端末装置]
図3に示すように、端末装置20は、制御部200と、記憶装置としてストレージ210、ROM220及びRAM230と、表示部240と、操作部250と、通信部260とを有している。
【0032】
これらの構成は、上述した画像形成装置10における構成と基本的な構成は同様である。例えば、制御部200は、端末装置20の全体を制御するための機能部である。制御部200は、ストレージ210や、ROM220に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の制御装置/演算装置(CPU(Central Processing Unit)、SoC(System on a Chip))により実現されてもよい。
【0033】
ストレージ210は、プログラムや、データを記憶可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)といった記憶装置で構成されてもよい。また、ストレージ210は、外部に接続可能なUSBメモリや、CD-ROMドライブ、BD-ドライブといった構成でもよい。また、ストレージ110は、例えばクラウド上にある記憶領域であってもよい。
【0034】
[1.3 ソフトウェア構成]
ソフトウェアの構成について、図4を参照して説明する。図4は、画像形成装置10と、端末装置20とのソフトウェアの構成について説明する図である。
【0035】
画像形成装置10の制御部100は、ストレージ110又はROM120に記憶されたプログラム(アプリケーション)を実行することで、ジョブ実行部1010、文字認識部1012、画像処理部1014、画像出力部1016、システム設定部1030、ユーザインタフェース提供部(UI提供部)1040として機能する。
【0036】
また、画像形成装置10のストレージ110は、ジョブ設定テーブル1110と、システム設定テーブル1120と、フォーマット設定テーブル1122とを記憶する。
【0037】
ジョブ実行部1010は、ユーザにより選択されたジョブを実行する。ジョブは、例えばコピー機能を実現するコピージョブ、端末装置20から送信された印刷データに基づいて印刷を行う印刷ジョブ、例えば、画像読取部162がスキャナ装置の場合、原稿を読み取り画像データとして出力するスキャンジョブ、画像データをファクシミリ通信で送受信するファクシミジョブ等であってもよい。ジョブ実行部1010は、実行するジョブにより、文字認識処理、画像処理、ファイル出力処理を実行する。
【0038】
また、ジョブ実行部1010は、ユーザがジョブを実行するための画面を表示する。例えば、ジョブ実行部1010は、ユーザがジョブを投入するためのジョブモード画面、ジョブ実行時の設定をユーザが行うジョブ設定画面、ユーザがジョブを実行したときに表示するジョブ実行画面等を表示する。
【0039】
文字認識部1012は、文字認識を行う。例えば、画像読取部162が読み取った画像に対して、文字認識処理を実行することで、文字データの出力が可能である。文字認識部1012は、例えば、文字のパターンを認識することにより文字認識を行ってもよい。文字認識部1012が実現する文字認識処理は、例えばOCR(Optical Character Recognition)処理と呼ばれるものであり、レイアウト解析処理、行又は文字の切り出し処理、文字パターンのマッチング処理等を含んでいる。
【0040】
画像処理部1014は、画像に対する各種処理を実行する。画像処理部1014は、例えば画像の階調を変換する階調変換処理や、画像の鮮鋭化を行う鮮鋭化処理といった一般的な画像処理の他にも、種々の機能を実現することができる。
【0041】
また、画像処理部1014は、文字認識部1012が実行する処理の結果や、文字認識部1012が出力する文字データを利用して、特定の処理を実行してもよい。例えば、画像処理部1014は、文字認識部1012が文字認識時に判定した文字の向きを利用することで画像の向きを判定する処理(天地判定処理)を実行してもよい。また、例えば、画像処理部1014は、文字認識部1012が出力した文字データに基づいてファイル名を設定するファイル名自動設定処理を実行してもよい。
【0042】
また、画像処理部1014は、入力された画像から、特定のパターンを抽出し、複数の画像を出力する処理を実現してもよい。例えば、画像処理部1014は、入力された画像から、名刺の画像を検出し、名刺データとして出力する処理(名刺スキャン処理)を実現してもよい。画像処理部1014は、文字認識部1012が出力した文字データから、名刺に記載されている会社名、氏名、役職、住所、電話番号等を認識し、宛先情報として出力してもよい。
【0043】
画像出力部1016は、所定の画像を出力する。例えば、画像読取部162が読み取った画像(入力画像)に対して、文字認識部1012が文字認識処理を実行する。画像出力部1016は、画像読取部162が読み取った画像(入力画像)と、文字認識部1012が認識した結果の文字データとを併せて、画像(出力画像)として出力することができる。
【0044】
また、画像出力部1016は、画像をファイルとして出力することができる。例えば、画像出力部1016は、画像データのファイル(画像ファイル)や、ドキュメントファイルとして出力することができる。また、画像出力部1016は、一時的に画像データを出力し、当該画像を他の装置に出力してもよい。例えば、画像出力部1016は、画像形成部160に画像を出力することで、記録紙に画像を印刷することができる。また、画像出力部1016は、画像形成部160や、通信部170を介して画像をファクシミリ通信を介して他の装置に出力してもよい。
【0045】
また、画像出力部1016は、画像処理部1014が処理した画像を所定のフォーマットのファイルで出力することができる。画像出力部1016は、例えばPDF(Portable Document Format)ファイル、文章ファイル(例えば、DOC形式ファイル、DOCX形式ファイル、ODT形式ファイル等)、表計算ファイル(例えば、XLS形式ファイル、XLSX形式ファイル、ODS形式ファイル等)、画像ファイル(例えば、TIFF形式、JPEG形式等)といった種々の形式のファイルを出力することができる。
【0046】
システム設定部1030は、画像形成装置10のシステム全体の設定であるシステム設定を行う。ここで、システム設定とは、画像形成装置10が動作するときに共通して利用される設定であり、ジョブを実行するときにも利用される設定である。システム設定部1030は、一般的には特定のユーザ(例えば管理者ユーザ)により設定されたり、更新されたりする。システム設定部1030は、システム設定を記憶領域であるストレージ110にシステム設定テーブル1120として記憶する。
【0047】
また、システム設定部1030は、UI提供部1040を介して外部の端末装置20によりシステム設定を変更することができる。UI提供部1040は、例えば、接続された端末装置20に、WEBインタフェースを提供しシステム設定の変更を可能にする。
【0048】
例えば、端末装置20の制御部200は、UI表示部2010を実行すると、UI提供部1040において提供されるUIを表示する。例えば、UI表示部2010は、端末装置20において、WEBブラウザにおいて実現する。また、UI表示部2010は、端末装置20において実行される専用のアプリケーションであってもよい。
【0049】
UI表示部2010は、UI提供部1040を介してシステム設定部1030にアクセスすることができる。そして、ユーザは、UI表示部2010に表示されているシステム設定を変更することで、端末装置20を経由して画像形成装置10のシステム設定の変更が可能となる。
【0050】
なお、以下の実施形態においては、システム設定画面は画像形成装置10において表示されることを例に説明するが、このように端末装置20等の外部装置において表示されてもよい。
【0051】
ジョブ設定テーブル1110は、ジョブ設定を記憶する。ジョブ設定は、ジョブ実行部1010がジョブを実行するときに参照する設定値を含んでいる。ユーザは、ジョブを実行する前に、設定値を変更することができる。図5(a)は、ジョブ設定テーブル1110の一例について示した図である。
【0052】
例えば、ジョブ設定テーブル1110は、ジョブモード(例えば、「e-mail scan」)と、ジョブを実行したときに出力されるファイル形式であるフォーマット(例えば、「PDF」)と、文字認識の処理を実行するか(OCR機能を利用するか)(例えば、「ON」)と、画像をスキャンする解像度(又は、出力するファイルの解像度)(例えば、「400dpi」)と、出力するファイルの圧縮率(例えば、「中」)と、出力するファイルについて暗号化をするか(例えば、「OFF」)と、ファイルを出力する方法(例えば、ページ毎にファイルを出力することについて「OFF」)等を記憶することが可能である。
【0053】
ジョブ実行部1010は、ジョブ実行時にジョブ設定テーブル1110に記憶されているジョブ設定を参照してジョブを実行する。
【0054】
システム設定テーブル1120は、画像形成装置10において共通のシステムの設定を記憶する。図5(b)は、システム設定テーブル1120の一例について示した図である。
【0055】
例えば、システム設定テーブル1120は、設定項目として「PC-Faxからの送信禁止」について、設定値(例えば、「OFF」)を記憶する。また、システム設定テーブル1120は、ユーザ間における共通の設定を記憶することができる。例えば、ユーザがジョブの実行時にOCR機能を利用できるか否かを示す設定(例えば、「OCRの禁止」「OFF」)を記憶している。
【0056】
ここで、ユーザが画像形成装置10においてOCR機能を利用できるか否かの設定はシステム設定(システム設定テーブル1120)と、ジョブ設定(ジョブ設定テーブル1110)とに記憶されている。OCR機能の利用については、システム設定と、ジョブ設定とは、原則としてシステム設定において設定されている設定値が優先される。したがって、システム設定において、OCR機能が利用できない(OCRの禁止「ON」)ときは、ジョブ設定においてOCR機能を有効にすることができないことが好ましい。
【0057】
フォーマット設定テーブル1122は、画像出力部1016が出力するファイルのフォーマットにおいて、必要となる機能を設定しているテーブルである。例えば、図5(c)は、フォーマット設定テーブル1122のデータ構成の一例である。例えば、フォーマット(例えば、「DOCX」)に対応して、OCR機能の利用が必要であるか否かを記憶している。ここで「○」は、画像出力部1016が当該フォーマットでファイルを出力する場合には、OCR機能が必要であることを示す。また、「×」は、画像出力部1016が当該フォーマットでファイル出力する場合でも、OCR機能が必要でないことを示している。なお、フォーマット設定テーブル1122は、画像出力部1016等が内部情報として記憶していてもよい。
【0058】
[1.4 画面遷移]
本実施形態における画面遷移について、図6を参照して説明する。画像形成装置10は、例えばホーム画面(D10)、システム設定画面(D12)、ジョブモード画面(D14)、ジョブ設定画面(D16)、ジョブ実行画面(D18)を切り替えることができる。
【0059】
まず、画像形成装置10は、ホーム画面(D10)を表示する。ホーム画面(D10)は、例えばメニューモード(ホームモード)のときに表示される画面である。ユーザはホーム画面から、ホーム画面に表示されている設定項目を選択したり、ジョブを投入したりすることで、各モードに切り替えることが可能である。
【0060】
ここで、ユーザが、ホーム画面(D10)から、システム設定の選択を行うと、画像形成装置10は、メニューモードからシステム設定モードに遷移する。システム設定モードになると、システム設定部1030が、システム設定画面(D12)を表示する。システム設定画面(D12)は、画像形成装置10が動作する上で共通の設定であるシステム設定を変更することが可能な画面であり、画像形成装置の機能を設定する。システム設定画面は、画像形成装置10において表示されてもよいし、画像形成装置10にアクセスした外部の端末装置20において表示されてもよい。システム設定モードは、例えば管理者が実行するモードである。したがって、システム設定画面(D12)は、例えば管理者が表示する。
【0061】
画像形成装置10は、システム設定画面(D12)において、管理者によりシステム設定の設定値が変更されたり、登録されたりした後は、ホームモードに遷移し、ホーム画面(D10)が表示される。
【0062】
ユーザが、ホーム画面(D10)においてジョブモードを選択すると、画像形成装置10は、選択されたジョブモードを実行する。ジョブモードが実行されると、制御部100(ジョブ実行部1010)は、実行したジョブに対応するジョブモード画面(D14)を表示する。例えば、ジョブモードを実行するジョブモード画面としては、コピージョブを実行するコピー画面、スキャンジョブを実行するスキャン画面、FAX通信のジョブを実行するFAX画面等がある。
【0063】
ここで、ユーザは、ジョブモードにおける設定を変更する場合、ジョブ設定を選択する。ユーザによりジョブ設定が選択されると、画像形成装置10は、ジョブ設定画面(D16)を表示する。ユーザは、ジョブ設定画面において、実行するジョブの設定について変更することが可能である。また、ユーザは、ジョブにおいて利用する機能を選択することができる。例えば、ユーザはOCR機能を利用することを選択することができる。
【0064】
そして、ユーザによりジョブ設定画面において、ジョブ設定が行われた後は、画像形成装置10は、ジョブモード画面(D14)に画面を遷移する。そして、ユーザによりジョブの実行を指示された場合、画像形成装置10は、ジョブ実行画面(D18)を表示し、ジョブを実行する。画像形成装置10は、ジョブの実行を完了すると、再びジョブモード画面(D14)に画面を遷移する。また、ジョブモードを終了すると、画像形成装置10は、ホームモードに遷移し、ホーム画面(D10)を表示する。
【0065】
なお、ジョブ設定をする設定項目は、ジョブ設定画面(D16)だけでなく、ジョブモード画面(D14)に表示してもよい。例えば、よく使う設定項目(例えば、ファイルの出力フォーマットの選択、原稿を読み取る解像度等)は、ジョブモード画面に表示してもよい。また、ジョブモード画面に使用頻度の高い設定値を表示し、使用頻度の低い設定値はジョブ設定画面に表示してもよい。
【0066】
このように、本実施形態の画像形成装置10は、設定画面として2つの設定画面を有している。すなわち、画像形成装置10は、第1の設定画面として、システム管理者が主に利用するシステム設定画面と、第2の設定画面として、ユーザが主に利用するジョブ設定画面とを有している。
【0067】
なお、図6において説明したそれぞれの画面は、画像形成装置10において表示されてもよいし、他の装置において表示されてもよい。例えば、端末装置20や、端末装置30はWEBブラウザを介して各画面を表示してもよい。また、端末装置20や、端末装置30は、操作用アプリケーション、設定用アプリケーション等のアプリケーションを実行し、当該アプリケーションにおいて各画面を表示してもよい。
【0068】
[1.5 処理の流れ]
[1.5.1 メイン処理]
つづいて、本実施形態におけるメインとなる処理の流れについて図7を参照して説明する。制御部100は、画像形成装置10において、ホーム画面を表示する(ステップS10)。つづいて、制御部100は、ユーザに処理を選択させる(ステップS12)。ここで、ユーザによりジョブの実行が選択されると(ステップS12;ジョブ実行)、ジョブ実行部1010は、ジョブの実行を開始する。
【0069】
ジョブ実行部1010は、ジョブ実行画面を表示する(ステップS14)。そして、必要に応じて、ジョブ実行部1010は、ジョブ設定処理を実行する(ステップS16)。そして、ユーザによりジョブの設定が行われた後、ジョブ実行部1010は、ジョブ設定に基づいてジョブを実行する(ステップS18)。なお、制御部100は、ユーザによりジョブ設定を行う操作がなければ、ジョブ設定処理を実行しなくてもよい。
【0070】
また、ホーム画面においてシステム設定が選択されると(ステップS12;システム設定)、制御部100は、システム設定モードに動作モードを切り替える。すなわち、制御部100(システム設定部1030)は、システム設定処理を実行する(ステップS20)。
【0071】
[1.5.2 システム設定処理]
図8は、制御部100が実行するシステム設定処理の流れについて説明したフロー図である。システム設定処理は、図7のステップS20において実行される処理であり、システム設定部1030が、システム設定モードにおいて実行する。
【0072】
まず、制御部100(システム設定部1030)は、システム設定画面を表示する(ステップS102)。ここで、システム設定画面は、画像形成装置10の表示部140で表示されてもよい。また、システム設定画面は、UI提供部1040を介して、端末装置20の表示部240で表示されてもよい。端末装置20は、UI表示部2010が、システム設定画面を表示部240に表示する。
【0073】
制御部100(システム設定部1030)は、システム設定画面において、特定の機能の利用が禁止されたか否かを判定する。本実施形態では、特定の機能としては、文字認識処理を実行してファイルを出力するOCR機能について説明する。
【0074】
OCR機能の利用が禁止されていないとき(ステップS104;No)、制御部100は、OCRの利用を許可にする(ステップS112)。ここで、システム設定画面を利用する管理者が、OCR機能の利用を許可すると設定したときは、制御部100は、OCR機能の利用を許可と設定する。既にOCRの機能の利用が許可に設定されているときは、制御部100は、そのままの設定を維持する。
【0075】
制御部100は、OCR機能の利用が許可されているときは、OCR機能に関連する項目をシステム設定画面に設定項目として表示する(ステップS114)。これにより、システム設定画面を利用する管理者は、OCR機能に関連する設定項目を適切に設定することが可能となる。
【0076】
また、OCR機能の利用が禁止されているとき、制御部100は、OCR機能の利用を禁止にする(ステップS104;Yes→ステップS106)。ここで、システム設定画面を利用する管理者が、OCR機能の利用を禁止すると設定したときは、制御部100は、OCR機能の利用を禁止と設定する。既にOCRの機能の利用が禁止に設定されているときは、制御部100は、そのままの設定を維持する。
【0077】
制御部100は、OCR機能の利用が禁止されているときは、OCR機能に関連する設定項目をシステム設定画面において非表示とする(ステップS108)。これにより、OCR機能に関連する設定項目が不必要に表示されていないことから、システム設定画面を利用する管理者は、整合性に矛盾を生じることなくシステムの設定を行うことができる。
【0078】
そして、制御部100は、システム設定画面を利用する管理者によって、設定項目の内容が変更されたものを反映する(ステップS120)。
【0079】
制御部100は、全ての設定が終了すれば、本処理を終了する(ステップS122;Yes)。また、管理者が更に設定する項目があるときは、制御部100は、ステップS104から処理を繰り返して実行する(ステップS122;No→ステップS104)。
【0080】
[1.5.2 ジョブ設定処理]
図9は、制御部100が実行するジョブ設定処理の流れについて説明したフロー図である。ジョブ設定処理は、図7のステップS16において実行される処理であり、ジョブ実行部1010が、ジョブモードにおいて実行する。
【0081】
制御部100は、システム設定でOCR機能の利用が禁止(例えば、「OCRの禁止」が「ON」)となっているときは、OCR機能の選択の設定項目を非表示とする(ステップS152;Yes→ステップS154)。
【0082】
また、制御部100は、ファイルフォーマットの設定項目のうち、OCR機能を利用するファイルフォーマットについては非表示とする(ステップS156)。
【0083】
つづいて、ユーザにより表示されている設定項目が選択されると、制御部100は、選択された設定項目に応じてジョブの設定を変更する(ステップS158;Yes→ステップS160)。ジョブ設定処理が終了された操作があると、制御部100は本処理を終了する(ステップS162;Yes)。また、ユーザが更に項目を設定するときは、制御部100は、ステップS158から処理を繰り返して実行する(ステップS162;No)。
【0084】
このように、本実施形態のジョブ設定画面においては、OCR機能を利用する設定項目が非表示となる。したがって、ユーザにとってシステムにおいてOCR機能が禁止されているにもかかわらず、OCR機能の利用が必要なフォーマットを選択してしまうといった矛盾を避けることができる。
【0085】
また、セキュリティの都合上、OCR機能の利用を禁止しているにも関わらず、ユーザは、OCR機能の設定が表示されていると、OCR機能を利用したいと感じてしまったり、本来利用できる機能が制限されていると不満を感じてしまったりする。
【0086】
しかし、ジョブ設定画面においてOCR機能を利用する設定項目がそもそも表示されないことから、ユーザはOCR機能を利用することを知ることができず、上述したような不満が生じないという効果もある。
【0087】
[1.6 動作例]
動作例について、表示画面の一例を用いて説明する。図10は、表示画面W100を示す図であり、システム設定画面の一例である。表示画面W100は、画像形成装置10の表示部140に表示されてもよいし、端末装置20の表示部240に表示されてもよい。
【0088】
ここで、表示画面W100は、例えば、画像形成装置10のシステム設定モードにおいて表示されている画面である。また、表示画面W100には、システム設定のファックス/イメージ送信設定に関する設定欄が一例として表示されている。例えば、領域R108では、設定欄を切り替えるタブにより「禁止設定」が選択され、領域R100に禁止されるべき設定項目が表示されている。
【0089】
ここで、領域R100は、システムにおいて禁止する設定項目が複数表示されている。このシステム設定の設定項目の中に、本実施形態では、OCR機能の利用を禁止するための設定項目として「OCRの禁止」が領域R102に表示されている。システム画面を表示している管理者(管理者は、管理権限又はシステム設定を行える権限を有するユーザ)が「OCRの禁止」にチェックを入れることで、OCR機能の利用が制限される。
【0090】
また、OCR機能の制限は、画像形成装置10の動作モード(ジョブの種類、ジョブモード)毎に設定できてもよい。動作モードは、例えば、画像形成装置10が実行できるジョブの種類、ファイルの送信先(出力先)で分かれている。
【0091】
例えば、領域R104では、各動作モード(例えば、E-mailモード、FTPモード、デスクトップモード、共有フォルダモード)について、それぞれ「禁止」を設定できる。例えば、管理者が「E-mail」の欄のチェックをONにすると、E-mailのジョブモードでは、OCR機能の利用が禁止される。すなわち、ユーザはE-mailのジョブにおいて出力するファイルでは、OCR機能を利用したファイルを出力することができない。
【0092】
ここで、領域R104における1又は複数のジョブモードのチェックをONにすることで、任意のジョブモードを禁止に設定することができる。また、領域R102においてOCR機能の利用を禁止した場合は全てのジョブモードについてOCR機能の利用が禁止となる。したがって、領域R102と、領域R104との設定は排他的に設定されることが好ましい。
【0093】
領域R100において設定した項目は、登録ボタンB100を選択すると、新たにシステム設定テーブル1120に記憶される。また、領域R100において設定した設定項目の内容は、更新ボタンB102を選択すると、システム設定テーブル1120に記憶されている内容が更新される。
【0094】
図11は、システム設定画面である表示画面W110の一例を示す図である。表示画面W110は、スキャナの動作モードを設定する画面の一例である。例えば、領域R118において、システム設定画面は、例えばファックス/イメージ設定>スキャナ設定>標準状態設定が選択されることで表示されていることを示している。
【0095】
表示画面W110は、スキャナの共通設定が表示されているが、OCR機能に関連する設定項目は非表示となっている。例えば、図12は、OCR機能の利用が許可されている場合の、スキャナの共通設定を行う表示画面W120の一例である。
【0096】
表示画面W120では、領域R120において、スキャナの共通設定を設定する設定項目が表示されている。この中には、OCR機能を利用するか否かを選択する設定項目が領域R124に表示されている。
【0097】
図11の表示画面W110では、領域R110において、スキャナの共通設定を設定する設定項目が表示されている。そして、この領域R110では、OCR機能を利用するか否かを選択する設定項目は表示されていない。すなわち、システム設定として、OCR機能の利用が禁止されていることから、他の設定画面においても、OCR機能に関する設定項目が非表示となっている。
【0098】
また、図12の表示画面W120では、スキャナ共通設定において、OCR機能を利用した場合のフォントの設定が領域R122に表示されている。フォントの設定は、例えば、欧米言語、日本語、他の外国語におけるフォントが設定可能である。そして、フォントを設定する領域R122の次に、E-mailのジョブモードにおける個別の設定項目が領域R126に表示されている。
【0099】
これに対して、図11の表示画面W110では、フォントの設定に関する設定項目は非表示となっている。これは、フォントの設定の設定項目はOCR機能に関連する設定項目であるからである。したがって、表示画面W110では、領域R110でスキャナにおける共通の設定項目が表示され、その次にE-mailのジョブモードにおける個別の設定項目が領域R112に表示されている。
【0100】
また、表示画面W110において、例えば領域R114においてファイル出力する出力形式(フォーマット)が選択可能である。ここで、領域R114においてファイルの種類を選択したときの一例を、例えば図13(a)に示す。図13(a)は、現在「PDF」が選択されており、他の出力形式(フォーマット)が選択可能に表示されることを示している。図13(a)で表示されている出力形式(フォーマット)は、OCR機能を利用しないものだけである。例えば、図12の領域R128が選択されたときは、図13(b)で表示されている出力形式(フォーマット)が選択可能である。
【0101】
図13(a)と、図13(b)とを比較すると、例えば、図13(b)で選択可能に表示されている「DOCX」形式は、図13(a)では表示されていない。これは、画像出力部1016が、DOCX形式のファイルを出力する場合、OCR機能が必須となるためである。このように、本実施形態では、ファイルの出力形式(フォーマット)として、OCR機能を利用するものは非表示となる。
【0102】
これは、ジョブ実行時に表示可能なジョブ設定画面でも同様である。例えば、図14は、ジョブ設定画面を示す一例である。図14(a)は、カラー/グレースケールモードのときのジョブ設定画面の一例である表示画面W130であり、図14(b)は、白黒モードのときのジョブ設定画面の一例である表示画面W140である。
【0103】
例えば、表示画面W130の領域R130では、出力するファイルの出力形式(フォーマット)が選択可能である。この領域R130には、OCR機能を利用しないフォーマットが表示されている。
【0104】
OCR機能が許可されている場合のジョブ設定画面の一例を示したのが、図15である。図15(a)は、カラー/グレースケールモードのときのジョブ設定画面の一例である表示画面W150である。ここで、領域R150には、OCR機能を利用するファイルの出力形式(フォーマット)も表示されている。
【0105】
更に表示画面W150には、OCR機能のON/OFFを切り替えることが可能なチェックボックス(又は選択ボタン)が、領域R152に表示されている。表示画面W150における領域R152に相当するものは、OCR機能を利用する設定項目であるため、図14(a)の表示画面W130には表示されていない。
【0106】
なお、図14(b)の領域R140と、図15(b)の領域R160とを比較しても、必要となるファイルの出力形式(フォーマット)について、適切に表示/非表示が切り替わった状態となっている。
【0107】
[2.第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第1実施形態は、OCR機能に関連する設定項目等を非表示としたが、第2実施形態は、表示はするが、選択不可の状態とする実施形態である。なお、本実施形態は、第1実施形態と、異なる点のみを説明し、機能構成や処理について同様な点については説明を省略する。
【0108】
図16は、第1実施形態の図8を置き換えたフローチャートである。第1実施形態と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0109】
本実施形態では、管理者によりOCR機能の利用が禁止とされたとき、制御部100は、OCR機能に関連する設定項目を選択不可とする(ステップS202)。ここで、選択不可の状態は、例えば表示されているが、管理者等が選択できない状態を言う。なお、制御部100は、選択不可であることを示すために、設定項目の表示態様を変えてもよい。例えば、制御部100は、選択不可の設定項目をグレーアウトで表示したり、異なる色で表示したりしてもよい。また、制御部100は、選択不可の設定項目の近傍に選択できないことを示す表示(例えば、アイコン表示)を行ってもよい。
【0110】
図17は、第1実施形態の図9を置き換えたフローチャートである。第1実施形態と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0111】
本実施形態では、システム設定でOCR機能の利用が禁止されているとき、制御部100(ジョブ実行部1010)は、OCR機能の選択を選択不可とする(ステップS252)。また、制御部100(ジョブ実行部1010)は、OCR機能を利用するフォーマットを選択不可にする(ステップS254)。
【0112】
図18は、本実施形態におけるシステム設定画面の一例である表示画面W200を示す図である。本実施形態では、システム設定画面において、管理者により共通する設定としてOCR機能の利用が禁止されている(例えば、図10のR102において、OCR機能の利用を禁止する設定がされている)。
【0113】
このとき、制御部100は、各ジョブモードにおいて、OCR機能の利用を制限することから、領域R202で示すように、OCRのチェックボックスを選択不可とする。制御部100は、OCRのチェックボックスを選択不可としたことを明示するために、例えば設定項目をグレーアウト表示する。
【0114】
また、制御部100は、OCR機能を利用した場合のフォントの設定を、領域R204に表示されている設定項目でおこなう。しかし、本実施形態では、OCR機能の利用が禁止されていることから、制御部100は、領域R204の設定項目は選択できない状態(グレーアウトされた状態)で表示する。
【0115】
このように、本実施形態では、設定項目は表示されるものの、選択不可の状態で表示されることになる。したがって、管理者としては、OCR機能の利用を制限したものの、OCR機能で実現できる機能を確認することが可能となる。
【0116】
なお、出力するファイル形式のフォーマットの一覧は、OCR機能を利用しているものは非表示としてもよいし、選択できない状態で表示してもよい。すなわち、領域R206が選択された場合、制御部100は、図13(a)の状態で表示してもよい。また、制御部100は、図13(b)の状態で表示し、選択できないファイルの出力形式に特別表示(例えば、グレースケール表示、選択不可アイコンの表示等)を行い、選択できない状態で表示してもよい。
【0117】
また、図19は、ジョブ設定画面の一例を示す表示画面である。図19(a)の表示画面W210は、カラー/グレースケールモードのときのジョブ設定画面である。領域R210では、ユーザが選択可能なフォーマットが表示されている(例えば、TIFF、XPS等)。そのなかで、現在は1つのフォーマット(例えば、PDF)が選択されている。このとき、領域R210に表示しているファイルの出力形式のうち、選択できないものは特別表示を行っている。例えば、「RTF」「DOCX」等は選択できないフォーマットであるから、グレーアウト表示を行っている。ユーザは、グレーアウト表示されたフォーマット(例えば、「DOCX」等)は選択できない。
【0118】
また、領域R212をユーザがチェックすることにより、原稿に対して文字認識が実行される。本実施形態では、そもそもシステム設定でOCR機能の利用が禁止されている。したがって、制御部100は領域R212において、グレーアウト表示とし、ユーザが選択できない状態として表示する。
【0119】
図19(b)の表示画面W220は、白黒モードのときのジョブ設定画面である。図19(a)と同様に、領域R220では、ファイルの出力形式として適用可能なフォーマットが表示されている。そのうち、OCR機能を利用する必要があるフォーマットは、グレーアウト表示されており、選択できないように表示されている。
【0120】
また、領域R222は、OCR機能の利用のON/OFFを切り替える領域である。領域R222の表示ボタン(チェックボタン)と、表示自体がグレーアウト表示となっており、選択できないことが明示されている。また、ユーザは、領域R222の表示ボタンを選択することができない。したがって、OCR機能は、ユーザに対する利用が制限されている状態となっている。
【0121】
[3.第3実施形態]
第3実施形態について説明する。第2実施形態は、OCR機能に関連する設定項目等をグレーアウトで表示し、選択できないとして説明した。第3実施形態は、例えば、グレーアウトされた箇所を選択した場合に、ユーザの権限によっては、OCR機能の利用を可能に切り替える実施形態である。なお、本実施形態は、第1実施形態、第2実施形態と、異なる点のみを説明し、機能構成や処理について同様な点については説明を省略する。
【0122】
図20は、第2実施形態の図16を置き換えたフローチャートである。第1実施形態、第2実施形態と同様の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0123】
ユーザにより設定項目が選択されたとき(ステップS158;Yes)、制御部100は、当該選択された設定項目が制限されている設定項目であるかを判定する(ステップS352)。ここで制限されている設定項目とは、システム設定により制限されていることで、ユーザが選択できない状態となっている設定項目である。なお、制限されている項目は、ユーザが識別できるように、識別表示されていてもよい。本実施形態は、グレーアウト表示によって、制限されている設定項目であることを識別表示している。
【0124】
ユーザにより制限されている設定項目が選択されたとき(ステップS352;Yes)、当該ユーザに制限された設定項目を選択できる権限があるか否かを判定する(ステップS354)。例えば、現在画像形成装置10にログインしているユーザが権限を有しているかを、制御部100が判定する。ユーザが権限を有している情報は、ユーザ情報としてストレージ110に記憶してもよい。例えば、ストレージ110は、ユーザ情報として、ユーザを識別する情報(例えば、ユーザID)と、パスワードとを記憶してもよい。また、ユーザ情報は、ユーザの権限を併せて記憶してもよい。ユーザ権限は、例えば、各機能について利用可能か否かを記憶してもよい。例えば、ユーザがOCR機能の利用が許可されたユーザであるときは、システム設定によりOCR機能が制限されていても、当該ユーザはOCR機能の利用が可能である。また、ユーザはグループや、所属と対応付けてもよい。例えば、ユーザは、管理ユーザ、一般ユーザ、ゲストユーザといったグループに記憶してもよい。そして、グループ毎、所属毎に、各機能について利用可能か否かを記憶してもよい。
【0125】
また、制御部100は、ユーザがシステムにログインしていないときは、ステップS354においてログイン処理を行ってもよい。制御部100は、ステップS354でログインしたユーザに基づいて、ユーザ権限の有無を判定してもよい。
【0126】
また、制御部100は、パスワード認証に基づいて、ユーザ権限があるか否かを判定してもよい。例えば、制御部100は、制限されている設定項目がユーザにより選択されると、パスワード入力画面を表示する。ユーザにより、正しいパスワードが入力されると、制御部100は、ユーザ権限があると判定してもよい。
【0127】
また、制御部100は、パスワード認証以外に、ICカードによる認証や、生体認証等の他の認証方法を用いてユーザ権限があるかを判定してもよい。
【0128】
そして、ユーザ権限があると判定されたときは、制御部100は、当該ジョブの設定を変更可能とし、ユーザの操作に応じてジョブの設定を変更する(ステップS160)。これにより、例えばシステム設定によりOCR機能が制限されており、グレーアウト表示されていたとして、ユーザは権限を有するときは、OCR機能を有効にすることができる。
【0129】
なお、ユーザ権限を有していないときは、制御部100は、当該ジョブ設定の変更は行わない(ステップS354;No→ステップS162)。
【0130】
本実施形態の動作例について、図を参照して説明する。図21(a)は、OCR機能の利用が制限されているときのジョブ設定画面を表示している図である。表示画面W300は、画像形成装置10の操作画面である。表示画面W300に、ジョブ設定画面である表示画面W302が重畳して表示されている。なお、表示画面W302は、図21(a)に示すように、画像形成装置10の表示部140の一部の領域に表示されてもよいし、全画面に表示されてもよい。
【0131】
表示画面W302は、第2実施形態と同様に、システム設定によりOCR機能が制限されることで、選択不可の設定項目をグレーアウト表示している。例えば、領域R300は、OCR機能を利用するファイルフォーマットはグレーアウト表示され、ユーザが選択できないようになっている(例えば、「PDF/A-1a」「TXT」「RTF」「DOCX」「XLSX」「PPTX」)。また、領域R302は、OCR機能の利用を切り替えるボタン(チェックボタン)が表示されている。領域R302は、現在システム設定において、OCR機能の利用が制限されている(禁止されている)ため、チェックボックスと、設定項目名とがグレーアウト表示されている。
【0132】
ここで、ユーザが領域R302を選択すると、制御部100は、ユーザ権限があるか判定する。ここで、制御部100は、ユーザの操作として、単にタッチ等により選択されたかを判定してもよいし、通常と異なる操作が行われたかを判定してもよい。例えば、制御部100は、ユーザが長押しをしたことを判定してもよいし、ユーザがダブルタップ(ダブルタッチ)をしたことを判定してもよい。そして、ユーザにより領域R302が選択されると、制御部100は、選択したユーザにOCR機能を利用する権限があるかを判定する。なお、制御部100は、領域R300のグレーアウト表示が選択されたときに、同様にユーザ権限があるかを判定してもよい。
【0133】
図21(b)は、ユーザ権限を判定するためにログインが行われている図である。例えば、表示画面W310に重畳表示された表示画面W312は、ログインユーザの選択画面である。ここで、ログインユーザが選択されると、制御部100は、選択されたユーザのユーザ認証を行う。
【0134】
図22(a)は、ユーザ認証(ログイン処理)を行う表示画面W320である。例えば、ユーザによりログイン名、パスワードを入力し、OKボタンが押されると、制御部100は、ユーザ認証を実行する。
【0135】
そして、正しくユーザ認証が行われると、制御部100は、システム設定により制限されていたOCR機能を、当該ユーザの操作に関しては有効にする。例えば、図22(b)は、表示画面W330に、ジョブ設定画面である表示画面W332が表示されている図である。
【0136】
表示画面W332は、領域R330において、OCR機能を利用するフォーマットについて、ユーザが選択可能に表示されている。また、表示画面W332は、領域R332において、OCR機能の有効/無効を切り変えるボタンが有効に表示されている。ユーザは、OCR機能の有効/無効を切り替えることが可能である。また、ユーザは、OCR機能の利用が必要なフォーマットのファイルの出力が可能となる。
【0137】
このように、本実施形態によれば、システム設定でOCR機能の利用が制限されている場合であっても、OCR機能を利用する権限があるユーザについては、OCR機能を利用できるようになる。したがって、本実施形態によれば、セキュリティとユーザビリティとの双方を担保できる。
【0138】
[4.第4実施形態]
第4実施形態について説明する。第4実施形態は、UIにおいては、ジョブ設定の制限や、設定項目の表示の変更を行わず、ジョブ実行時にOCR機能の利用が制限されているかを判定する実施形態である。なお、本実施形態は、第1実施形態、第2実施形態と、異なる点のみを説明し、機能構成や処理について同様な点については説明を省略する。
【0139】
本実施形態では、ジョブ設定処理(図7のステップS16)では、通常通りのジョブ設定画面を表示する。したがって、ユーザは、ジョブ設定画面において、OCR機能を有効にしたり、OCR機能が必要なフォーマットを選択したりすることができる。例えば、第4実施形態では、図15のジョブ設定画面が表示される。
【0140】
ここで、本実施形態において、ジョブ設定が完了後、ジョブの実行が指示されると、ジョブ実行処理が実行される(図7のステップS18)。ここで、本実施形態のジョブ実行処理は、例えば、図23に示す処理が実行される。
【0141】
まず、制御部100(ジョブ実行部1010)は、原稿取得処理を実行する(ステップS400)。例えば、制御部100は、画像読取部162を介して原稿を取得する。すなわち、制御部100は、原稿に基づいて画像を取得する。また、制御部100は、例えば通信部170を介して他の装置(端末装置や、スマートフォン等)から画像を取得してもよいし、他の記録媒体(例えばUSBメモリ)から画像を取得してもよい。
【0142】
制御部100は、現在のジョブ設定からOCR機能を利用すべきかを判定する(ステップS402)。OCR機能を利用しないときは、制御部100は、原稿(画像)に基づき、文字データが含まれていないファイルを出力する(ステップS402;No→ステップS408)。
【0143】
ここで、文字データが含まれているファイルとは、文字データと、画像とが含まれているファイルをいう。例えば、PDFファイルの場合、原稿の画像と、文字データとが含まれているファイルであってもよい。ユーザは、PDFファイルに含まれている文字データをコピーしたり、編集したりできてもよい。
【0144】
また、文字データが含まれているファイルは、主に文字ファイル(テキストファイル)だけのファイルも含んでもよい。また、文字データが含まれているファイルは、ワープロソフト等で利用されるファイル(例えば、DOCXファイル、ODTファイル)等であってもよいし、表計算ソフト等で利用されるファイル(例えば、XLSLファイル、ODSファイル)のように、文字データに基づく情報が含まれているファイルであってもよい。
【0145】
また、文字データが含まれていないファイルは、一般的に画像ファイルと呼ばれる。文字データが含まれていないファイルは、例えばJPEGファイルや、BMPファイルであってもよい。また、文字データが含まれていないファイルは、ユーザが文字データを利用できないファイルのことを示してもよい。例えば、PDFファイルにおいて、ユーザが文字の選択、コピー、編集等の利用を禁止する属性を付加したものを含めてもよい。
【0146】
ステップS402において、OCR機能を利用することがユーザにより選択されているとき、制御部100は、システム設定においてOCR機能の利用が制限されているかを判定する(ステップS404)。ここで、OCR機能の利用が制限されていないときは、制御部100(文字認識部1012)は、文字認識の処理を実行し、原稿(画像)に基づく文字データを出力する。また制御部100(画像処理部1014)は、必要に応じて画像処理を実行する(ステップS412)。
【0147】
そして制御部100(画像出力部1016)は、文字データが含まれたファイルを出力する(ステップS414)。
【0148】
また、ステップS404において、システム設定においてOCR機能の利用が制限されている(禁止されている)とき、制御部100は、ファイルを出力するか否かを判定する。例えば、ファイルを出力する一例として、代替フォーマットが設定されているときは、制御部100は、代替フォーマットを選択し、当該代替フォーマットで文字データが含まれていないファイルを出力する(ステップS406;Yes→ステップS408)。なお、制御部100は、このときユーザにメッセージを出力してもよい。また、制御部100は、ユーザに代替フォーマットを選択させてもよい。
【0149】
また、ファイル出力をしない設定がされているときは、制御部100は、ファイルの出力をしないで処理を終了する(ステップS406;No)。このとき、制御部100は、ユーザに対してエラーメッセージを表示することが好ましい。
【0150】
図24は、本実施形態において、ステップS406において出力される表示画面W400の一例である。表示画面W400は、ユーザに出力するファイルのフォーマットを選択させる表示画面W402が表示されている。ユーザは、表示画面W402の中に表示されているフォーマットの中から一のフォーマットを選択することで、OCR機能を利用しないファイルを出力することができる。
【0151】
このように、本実施形態によれば、システム設定の設定内容(OCR禁止)に基づいてジョブ設定画面の表示が制御されていない場合であっても、OCR機能を利用するジョブの実行時にOCR機能の利用が制限されているか否かを判定することで、システム設定の設定内容に沿った処理を実現することができる。
【0152】
[5.第5実施形態]
第5実施形態について説明する。第5実施形態は、ユーザ認証有効時に、ユーザの権限に応じてOCR機能の制限を設定することが可能な実施形態である。なお、第5実施形態は、上述した第1実施形態から第4実施形態を組み合わせることで、処理を実現することができる。
【0153】
例えば、ストレージ110に、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、第3実施形態で説明したように、ユーザ認証をするのに必要な情報(ログイン名、パスワード等)と、ユーザの権限とが少なくとも含まれている。
【0154】
ユーザの権限は、各ユーザがOCR機能を利用することができるかの情報を含んでもよい。また、ユーザの権限は、個別のユーザではなく、グループごとや属性ごとに設定してもよい。また、ユーザの権限は、全体としてOCR機能を利用することができるかの情報だけではなく、モードごとに記憶してもよい。例えば、制御部100は、ユーザがE-mailモードにおいてOCR機能は利用できないが、共有フォルダモードではOCR機能は利用できると設定し、ユーザ情報に記憶してもよい。
【0155】
そして、ユーザの挙動について、上述した実施形態と組み合わせてもよい。例えば、システム設定において、OCR機能の利用が許可されているときは、ユーザ全体がOCR機能を利用できるとしてもよい。
【0156】
また、システム設定においてユーザ(グループ、属性含む)のOCR機能の利用を制限したとき(禁止したとき)は、制御部100は、ユーザの動作を以下のように制限してもよい。
【0157】
(1)OCR機能の利用が禁止されているユーザは、UIにおいて、OCR機能を利用する設定項目を非表示とする。この場合、例えば、第1実施形態において説明した方法を利用する。
【0158】
(2)OCR機能の利用が禁止されているユーザは、UIにおいて、OCR機能を領する設定項目を選択不可とする。この場合、例えば、第2実施形態、第3実施形態において説明した方法を利用する。
【0159】
(3)OCR機能の利用が禁止されているユーザは、ジョブ実行時にOCR機能を利用するものが無効になる。この場合、例えば、第4実施形態において説明した方法を利用する。
【0160】
このように、本実施形態によれば、上述した実施形態における方法を、ユーザ別に設定することができる。また、上述した実施形態における方法を、グループ別、属性別に設定することができる。
【0161】
[6.第6実施形態]
第6実施形態について説明する。上述した実施形態は、特定の機能としてOCR機能の場合について説明した。すなわち、システム設定画面において、特定の機能の利用を禁止すると、システム設定画面において、特定の機能に関する設定項目を選択できなくしたり、ジョブ設定画面において、特定の機能を利用する設定項目を選択できなくしたりした。
【0162】
本実施形態では、特定の機能として、他の機能について適用する場合について説明する。例えば、特定の機能としてステープル機能を例に説明する。ステープル機能とは、画像形成装置10が、ステープルを利用して用紙を綴じる場合の機能である。
【0163】
例えば、図8のステップS104において、OCR機能の代わりにステープル機能(ステープルを利用した機能)が禁止か否かを判定する。そして、ステープル機能が禁止されているとき、制御部100は、ステープル機能に関連する設定項目を非表示とする。
【0164】
例えば、システム設定画面において、中とじ印刷や、製本機能等の設定項目を非表示にしてもよい(ステップS108)。
【0165】
また、ジョブ設定処理においては、ジョブ設定画面において、ステープル機能を利用する設定項目を非表示にしてもよい。例えば、図9のステップS154において、中とじ印刷ボタン、製本印刷ボタン、ステープルボタンといった、ステープルを利用する機能については非表示としてもよい。
【0166】
なお、第2実施形態で説明したように、設定項目を非表示にする代わりにグレーアウト表示し、選択できない状態として表示してもよい。また、第3実施形態のように、ジョブ実行時に特定の機能に関連する処理が制限されてもよい。
【0167】
このように、本実施形態によれば、システム設定画面において、特定の機能に関連する設定項目を選択できないようにしたり、ジョブ設定画面において選択できないようにしたりすることができる。
【0168】
また、特定の機能としては、カラー印刷機能、手差し印刷機能といった機能であってもよい。
【0169】
[7.変形例]
本開示は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0170】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、各実施形態を分けて説明しているが、可能な範囲で組み合わせて実行することが可能である。また、明細書に記載したいずれの技術についても、補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。
【0171】
また、各実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
【0172】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。
【0173】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバ装置の記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【0174】
また、上述したデータは、装置内に記憶されるものではなく、外部の装置に記憶されて、適宜呼び出されてもよい。例えば、データをNAS(Network Attached Storage)に記憶したり、クラウド上に記憶したりしてもよい。
【0175】
なお、本開示の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される技術の組み合わせも、その範囲に含むものである。本開示のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に記載しているが、特許請求の範囲に記載されていないことを理由として技術的範囲から排除する意思ではない。
【0176】
また、上述した明細書において、「~の場合」「~のとき」という記載については、一つの例として説明しているものであり、記載した内容に限られる構成としているものではない。これらの場合やときでない構成についても、当業者であれば自明である範囲についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0177】
また、明細書に記載した処理や、データの流れについて順番を伴った記載について、記載している順番に限られない。例えば、処理の一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有している。
【符号の説明】
【0178】
1 システム
10 画像形成装置
100 制御部
110 ストレージ
120 ROM
130 RAM
140 表示部
150 操作部
160 画像形成部
162 画像読取部
170 通信部
20 端末装置
200 制御部
210 ストレージ
220 ROM
230 RAM
240 表示部
250 操作部
260 通信部
図1
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