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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176427
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088702
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 紀久
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CB04
5D208CG10
(57)【要約】
【課題】利用者に対して新たなレパートリーを増やす機会を提供する。
【解決手段】カラオケシステム(1)には、レコメンド楽曲の提示を要求した利用者を特定する第1の利用者特定部(21)と、利用者情報を参照して利用者の現在の年齢を特定する第1の年齢特定部(41)と、利用者の現在の年齢から子供の頃の所定時期を特定する所定時期特定部(42)と、所定時期に利用者と同席した他の利用者を特定する第2の利用者特定部(43)と、所定時期における他の利用者の当時の年齢を特定する第2の年齢特定部(44)と、他の利用者の当時の年齢から所定時期に大人であった大人利用者を特定する第3の利用者特定部(45)と、大人利用者が利用者と同席したときに歌唱した楽曲を大人利用者の歌唱履歴から抽出する楽曲抽出部(46)と、抽出された楽曲を利用者に提示する楽曲提示部(22)と、が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の年齢情報を含む利用者情報を管理するカラオケシステムであって、
レコメンド楽曲の提示を要求した利用者を特定する第1の利用者特定部と、
利用者情報を参照して利用者の現在の年齢を特定する第1の年齢特定部と、
利用者の現在の年齢から子供の頃の所定時期を特定する所定時期特定部と、
所定時期に利用者と同席した他の利用者を特定する第2の利用者特定部と、
所定時期における他の利用者の当時の年齢を特定する第2の年齢特定部と、
他の利用者の当時の年齢から所定時期に大人であった大人利用者を特定する第3の利用者特定部と、
大人利用者が利用者と同席したときに歌唱した楽曲を大人利用者の歌唱履歴から抽出する楽曲抽出部と、
前記楽曲抽出部に抽出された楽曲をレコメンド楽曲として利用者に提示する楽曲提示部と、を備えていることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
前記第3の利用者特定部は、所定時期における利用者の当時の最小年齢に一定年齢を加えた年齢値を基準とし、他の利用者の当時の年齢が年齢値以上である大人利用者を特定することを特徴とする請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
利用者情報を参照して利用者の性別を特定する第1の性別特定部と、
利用者情報を参照して他の利用者の性別を特定する第2の性別特定部と、を備え、
前記第3の利用者特定部は、利用者の性別、他の利用者の性別、他の利用者の当時の年齢から、利用者と同性で所定時期に大人であった大人利用者を特定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の携帯端末に登録された楽曲に基づいてレコメンド楽曲を提示するカラオケシステムが知られている。この種のカラオケシステムとして、利用者のMP3プレイヤに登録された楽曲のジャンル、ムード、歌詞等に基づいてレコメンド楽曲を提示するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、カラオケシステムとして、利用者のスマートフォンで過去に聴いた楽曲リストと、利用者が過去に歌唱した楽曲をジャンル別に分類した分類リストとから、利用者に対してレコメンド楽曲を提示するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-049626号公報
【特許文献2】特開2012-208367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、利用者が子供の頃に聴いていた楽曲の歌詞やメロディが利用者の記憶に残っていることが多い。例えば、利用者が子供の頃に家族で頻繁にカラオケボックスを利用していた場合、親がよく歌っていた楽曲を自然に覚えてしまうということがある。そこで、利用者が子供の頃に親がよく歌っていた楽曲を推薦できれば、利用者が新たなレパートリーを増やすきっかけになり得るが、特許文献1、2の記載のカラオケシステムはこのような機能を備えていない。
【0005】
本発明の目的は、利用者に対して新たなレパートリーを増やす機会を提供できるカラオケシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、利用者の年齢情報を含む利用者情報を管理するカラオケシステムであって、レコメンド楽曲の提示を要求した利用者を特定する第1の利用者特定部と、利用者情報を参照して利用者の現在の年齢を特定する第1の年齢特定部と、利用者の現在の年齢から子供の頃の所定時期を特定する所定時期特定部と、所定時期に利用者と同席した他の利用者を特定する第2の利用者特定部と、所定時期における他の利用者の当時の年齢を特定する第2の年齢特定部と、他の利用者の当時の年齢から所定時期に大人であった大人利用者を特定する第3の利用者特定部と、大人利用者が利用者と同席したときに歌唱した楽曲を大人利用者の歌唱履歴から抽出する楽曲抽出部と、前記楽曲抽出部に抽出された楽曲をレコメンド楽曲として利用者に提示する楽曲提示部と、を備えていることを特徴とするカラオケシステムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者の現在の年齢が求められ、利用者の現在の年齢から子供の頃の所定時期にカラオケで同席していた他の利用者の当時の年齢が求められる。他の利用者の当時の年齢から所定時期に既に大人であった親等の大人利用者が特定され、利用者が子供の頃に同席していた大人利用者が歌唱していた楽曲が抽出される。よって、利用者が子供の頃によく聴いていた楽曲がレコメンド楽曲として利用者に提示され、利用者に対して新たなレパートリーを増やす機会を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態のカラオケシステムの構成図である。
図2】第1実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。
図3】第1実施形態のカラオケシステムの処理動作の一例を示すフロー図である。
図4】第2実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1及び図2を参照して、第1実施形態のカラオケシステムについて説明する。図1は、第1実施形態のカラオケシステムの構成図である。図2は、第1実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。なお、図2の機能ブロック図には、説明の便宜上、特定処理を実現するための機能ブロックを図示しているが、カラオケシステムが通常備える構成については備えているものとする。
【0010】
図1に示すように、カラオケシステム1では、インターネット等のネットワーク5を介してサーバ装置30とカラオケ装置10が通信可能に接続されており、カラオケ装置10にはペアリング済みのリモコン装置20が通信可能に接続されている。サーバ装置30には、利用者情報データベース31、ログイン履歴データベース32、歌唱履歴データベース33が設けられている。サーバ装置30は、各種データベースを参照してカラオケ装置10やリモコン装置20からの要求に応じて各種情報を応答し、カラオケ装置10やリモコン装置20からの情報を各種データベースに登録している。
【0011】
表1に示すように、利用者情報データベース31では、カラオケシステム1の利用者ID(利用者識別情報)毎に利用者情報が管理されている。利用者情報には利用者の生年月日(年齢情報)、性別、ログイン時のパスワード、氏名、アバター、住所等が含まれている。例えば、利用者U1の利用者ID「ID****U1」に生年月日「1988年4月30日」が対応付けられ、利用者U2の利用者ID「ID****U2」に生年月日「1958年8月15日」が対応付けられ、利用者U3の利用者ID「ID****U3」に生年月日「1961年10月20日」が対応付けられ、利用者U4の利用者ID「ID****U4」に生年月日「1985年9月1日」が対応付けられている。
【表1】
【0012】
表2に示すように、ログイン履歴データベース32では、カラオケシステム1の利用者ID毎にログイン履歴が管理されている。ログイン履歴には利用者が過去にログインしたカラオケ装置10の装置ID、ログイン日時、ログアウト日時等が含まれている。例えば、利用者U1の利用者ID「ID****U1」に装置ID「ID****K1」、ログイン日時「1994年5月×日、13:15」、ログアウト日時「1994年5月×日、15:08」が対応付けられ、利用者U1の利用者ID「ID****U1」に装置ID「ID****K2」、ログイン日時「1994年7月×日、16:35」、ログアウト日時「1994年7月×日、18:26」が対応付けられている。
【表2】
【0013】
表3に示すように、歌唱履歴データベース33では、カラオケシステム1の利用者ID毎に歌唱履歴が管理されている。歌唱履歴には利用者が過去に歌唱した楽曲の楽曲ID、歌唱終了日時等が含まれている。なお、歌唱履歴には歌唱終了日時の代わりに歌唱開始日時が含まれていてもよい。例えば、利用者U1の利用者ID「ID****U1」に楽曲ID「ID****M1」及び歌唱終了日時「2005年5月×日、18:28」が対応付けられ、利用者U1の利用者ID「ID****U1」に楽曲ID「ID****M2」及び歌唱終了日時「2005年5月×日、18:41」が対応付けられている。
【表3】
【0014】
カラオケ装置10では、リモコン装置20から送信された予約者の利用者IDと予約曲の楽曲IDが予約リストに登録される。登録順に楽曲IDが読み出されて予約曲が演奏出力され、予約曲の演奏出力に合わせて歌詞テロップと背景映像がモニタ11に表示される。カラオケ装置10ではカラオケ演奏の演奏音信号とマイクロフォン12から入力された歌唱音声信号がミキサによってミキシングされて、このミキシング信号がアンプによって増幅されてスピーカ13から放音される。また、カラオケ装置10では、予約曲の演奏終了後に楽曲ID及び歌唱終了日時が歌唱履歴として利用者ID毎に任意のメモリにて管理される。
【0015】
リモコン装置20には、タッチパネル式のディスプレイが設けられている。リモコン装置20のディスプレイには、カラオケシステム1へのログイン画面や予約曲の検索画面が表示される。リモコン装置20は、ログイン画面によってログイン操作及びログアウト操作を受け付け、検索画面によって予約曲の検索操作や予約操作を受け付けている。リモコン装置20の操作によってカラオケシステム1に利用者がログインすることで、サーバ装置30の各種データベースに管理された利用者情報、ログイン履歴、歌唱履歴等の各種情報がカラオケ装置10やリモコン装置20に適用される。
【0016】
カラオケシステム1へのログイン時には、リモコン装置20のログイン画面に利用者IDとパスワードが入力されて、リモコン装置20からサーバ装置30にログイン要求、利用者ID、パスワードに加えて、ペアリング済みのカラオケ装置10の装置IDが送信される。サーバ装置30では利用者情報データベース31が参照されて、ログイン要求と共に受信した利用者ID及びパスワードの組み合わせからアバターや氏名等を含む利用者情報が抽出されてリモコン装置20に返信される。また、サーバ装置30では、利用者ID、装置ID、ログイン日時がログイン履歴データベース32に新規登録される。リモコン装置20でアバター等の利用者情報が任意のメモリにて管理されることで、利用者がカラオケシステム1にログインされる。
【0017】
カラオケシステム1からのログアウト時には、リモコン装置20のログイン画面から自己のアバターが選択されてログアウトボタンが押されて、リモコン装置20からサーバ装置30にログアウト要求及び利用者IDが送信される。サーバ装置30ではログアウト要求と共に受信した利用者IDのうちログアウト日時が未登録の空フィールドがログイン履歴データベース32から抽出され、当該空フィールドに対応付けられたカラオケ装置10の装置IDが特定される。このカラオケ装置10にサーバ装置30から歌唱履歴要求及び利用者IDが送信されると共に、ログイン履歴データベース32の空フィールドにログアウト日時が登録されてカラオケシステム1から利用者がログアウトされる。
【0018】
上記したように、カラオケ装置10には任意のメモリに利用者ID毎に歌唱履歴が管理されており、カラオケ装置10では歌唱履歴要求と共に受信した利用者IDに対応する歌唱履歴が抽出される。そして、カラオケ装置10からサーバ装置30に歌唱履歴応答及び歌唱履歴が送信され、サーバ装置30ではカラオケ装置10から歌唱履歴応答と共に受信した歌唱履歴が歌唱履歴データベース33に登録される。このように、利用者がカラオケシステム1からログアウトする度に、サーバ装置30の歌唱履歴データベース33に管理された利用者の歌唱履歴が更新される。
【0019】
図2に示すように、リモコン装置20には、第1の利用者特定部21と、楽曲提示部22と、が設けられている。また、サーバ装置30には、第1の年齢特定部41と、所定時期特定部42と、第2の利用者特定部43と、第2の年齢特定部44と、第3の利用者特定部45と、楽曲抽出部46と、が設けられている。上記したように、サーバ装置30には、利用者情報データベース31と、ログイン履歴データベース32と、歌唱履歴データベース33とが設けられている。なお、リモコン装置20とサーバ装置30は、カラオケ装置10を介して通信されていてもよいし、ダイレクトに通信されていてもよい。
【0020】
リモコン装置20の第1の利用者特定部21は、レコメンド楽曲の提示を要求した利用者を特定する。この場合、第1の利用者特定部21によってリモコン装置20のメニュー画面に対する入力操作から利用者が特定される。具体的には、リモコン装置20のメインメニューから自己のアバターが選択され、「あなたへのレコメンド楽曲」ボタンが押され、レコメンド楽曲メニューから「子供の頃に聴いた曲」ボタンが押される。そして、利用者U1が選択したアバターから利用者ID「ID****U1」が特定され、リモコン装置20からサーバ装置30に利用者ID「ID****U1」がレコメンド楽曲要求として送信される。
【0021】
サーバ装置30の第1の年齢特定部41は、利用者情報を参照して利用者の現在の年齢を特定する。この場合、第1の年齢特定部41によって利用者情報データベース31が参照されて、レコメンド楽曲要求として受信した利用者IDに対応付けられた利用者情報から生年月日が抽出され、この生年月日と現在の日付から利用者の現在の年齢が特定される。具体的には、利用者情報データベース31で利用者ID「ID****U1」に対応付けられた利用者U1の生年月日「1988年4月30日」と現在の日付「2022年5月20日」から利用者U1の現在の年齢「34歳」が特定される。
【0022】
所定時期特定部42は、利用者の現在の年齢が所定年齢以上の場合に、利用者の現在の年齢から子供の頃の所定時期を特定する。この場合、所定年齢には任意の年齢を設定できるが、ここでは子供の頃に親が歌っていた楽曲を懐かしく思う年数が経過した年齢で、例えば小学校卒業から20年が経過した32歳が設定される。子供の頃とは、親と過ごす機会が多く、物心がつく年齢から小学校卒業までの頃、例えば5歳から12歳までの頃を示している。具体的には、現在34歳の利用者U1が5歳から12歳であった「1993年4月30日」から「2000年4月29日」が子供の頃の所定時期として特定される。
【0023】
第2の利用者特定部43は、所定時期に利用者と同席した他の利用者を特定する。この場合、第2の利用者特定部43によってログイン履歴データベース32が参照されて、利用者IDに対応付けられたログイン期間のうち所定時期に含まれるログイン期間と装置IDが抽出される。このログイン期間に重なるログイン期間で、かつ装置IDが一致する他の利用者IDが特定される。すなわち、利用者U1が5歳から12歳であった時期に、カラオケシステム1に利用者U1と同時にカラオケシステム1にログインした両親、兄弟、親戚等の利用者U2-U4が特定される。
【0024】
具体的には、利用者U1の利用者ID「ID****U1」に対応付けられたログイン履歴のうち、所定時期「1993年4月30日」から「2000年4月29日」にログイン日時及びログアウト日時が含まれるログイン履歴がログイン履歴データベース32から抽出される。次に、抽出済みの利用者U1のログイン履歴と装置IDが一致し、かつログイン日時からログアウト日時までのログイン期間が重複する他のログイン履歴がログイン履歴データベース32から抽出される。他のログイン履歴に対応付けられた他の利用者ID「ID****U2」、「ID****U3」、「ID****U4」が特定される。
【0025】
第2の年齢特定部44は、所定時期における他の利用者の当時の年齢を特定する。この場合、第2の年齢特定部44によって利用者情報データベース31が参照されて、他の利用者IDに対応付けられた利用者情報から生年月日が抽出され、この生年月日と所定時期から他の利用者の当時の年齢が特定される。具体的には、「ID****U2」に対応付けられた生年月日「1958年8月15日」、「ID****U3」に対応付けられた生年月日「1961年10月20日」、「ID****U4」に対応付けられた生年月日「1985年9月1日」が抽出される。所定時期「1993年4月30日」から「2000年4月29日」における利用者U2の当時の年齢が「34歳から41歳」、利用者U3の当時の年齢が「31歳から38歳」、利用者U4の当時の年齢が「7歳から14歳」と特定される。
【0026】
第3の利用者特定部45は、他の利用者の当時の年齢から所定時期に大人であった大人利用者を特定する。この場合、所定時期における利用者の当時の最小年齢に一定年齢を加えた年齢値を基準とし、第3の利用者特定部45によって他の利用者の当時の年齢が年齢値以上である大人の利用者IDが特定される。一定年齢には結婚可能な年齢や一般的に家庭を持つ年齢等が設定される。具体的には、所定時期「1993年4月30日」から「2000年4月29日」における利用者U1の年齢が5歳から12歳であり、最小年齢5歳に一定年齢25歳を加えた30歳以上の利用者ID「ID****U2」、「ID****U3」が特定される。なお、単純に他の利用者の当時の年齢と親である可能性が高い年齢値が比較されることで大人の利用者IDが特定されてもよい。
【0027】
楽曲抽出部46は、利用者と大人利用者が同席したときに歌唱した楽曲を大人利用者の歌唱履歴から抽出する。この場合、楽曲抽出部46によって歌唱履歴データベース33が参照されて、大人の利用者IDに対応付けられた歌唱終了日時のうち、所定時期における利用者のログイン期間に含まれている歌唱終了日時が特定される。そして、この歌唱終了日時に対応付けられた楽曲IDが歌唱履歴データベース33から抽出される。具体的には、所定時期「1993年4月30日」から「2000年4月29日」における利用者U1のログイン履歴が第2の利用者特定部43によってログイン履歴データベース32から42件抽出されている。
【0028】
大人の利用者ID「ID****U2」、「ID****U3」に対応付けられた歌唱終了日時が、42件のログイン履歴のログイン日時からログアウト日時までに含まれている楽曲IDが楽曲抽出部46によって歌唱履歴データベース33から抽出される。このとき、抽出件数38件の楽曲ID「ID****X1」、抽出件数36件の楽曲ID「ID****X2」、抽出件数30件の楽曲ID「ID****X3」、抽出件数28件の楽曲ID「ID****X4」、抽出件数16件の楽曲ID「ID****X5」、抽出件数12件の楽曲ID「ID****X6」、これら以外にも抽出件数が12件未満の40曲の合計46曲の楽曲IDが抽出される。
【0029】
リモコン装置20の楽曲提示部22は、楽曲抽出部46に抽出された楽曲をレコメンド楽曲として利用者に提示する。この場合、サーバ装置30からリモコン装置20にレコメンド楽曲応答として46曲の楽曲IDが送信される。このとき、楽曲IDに抽出件数が付帯されていてもよいし、楽曲IDに抽出件数順の番号が付されていてもよい。そして、楽曲提示部22によって楽曲インデックスデータベース(不図示)が参照されて、楽曲IDに対応する曲名やアーティスト名等の属性情報が、「子供の頃に聴いた曲」リストとしてリモコン装置20のディスプレイに表示される。
【0030】
なお、サーバ装置30、リモコン装置20、カラオケ装置10の各部の処理は、プロセッサを用いてソフトウェアによって実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。プロセッサを用いる場合には、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が使用される。また、メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体によって構成されている。
【0031】
図3を参照して、第1実施形態のカラオケシステムの処理動作について説明する。図3は、第1実施形態のカラオケシステムの処理動作の一例を示すフロー図である。なお、ここでは、図2の符号を適宜使用して説明する。また、以下のフロー図は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0032】
図3に示すように、レコメンド楽曲の要求時には第1の利用者特定部21によってメニュー画面への入力操作から利用者が特定され(ステップS01)、リモコン装置20からサーバ装置30にレコメンド楽曲要求として利用者IDが送信される(ステップS02)。第1の年齢特定部41によって利用者IDに対応付けられた生年月日が利用者情報データベース31から抽出され、生年月日と現在の日付から利用者の現在の年齢が特定される(ステップS03)。利用者の現在の年齢が所定年齢(例えば、32歳)以上の場合(ステップS04でYes)、所定時期特定部42によって利用者が子供であった頃の所定時期が特定される(ステップS05)。
【0033】
第2の利用者特定部43によって所定時期に利用者とカラオケで同席した他の利用者が特定される(ステップS06)。この場合、利用者IDに対応付けられたログイン期間のうち所定時期に含まれるログイン期間と装置IDがログイン履歴データベース32から抽出される。さらに、利用者IDとログイン期間が重なり、かつ装置IDが一致する他の利用者IDが特定される。第2の年齢特定部44によって他の利用者IDに対応付けられた生年月日が利用者情報データベース31から抽出され、生年月日と所定時期から他の利用者の当時の年齢が特定される(ステップS07)。
【0034】
他の利用者の当時の年齢が基準の年齢値(例えば、30歳)以上の場合(ステップS08でYes)、第3の利用者特定部45によって所定時期に大人であった利用者IDが特定される(ステップS09)。楽曲抽出部46によって親等の大人利用者が利用者と同席したときに歌唱した楽曲の楽曲IDが大人利用者の歌唱履歴から抽出される(ステップS10)。この場合、楽曲抽出部46によって大人の利用者IDに対応付けられた歌唱終了日時のうち、所定時期の利用者のログイン期間に含まれる歌唱終了日時が歌唱履歴データベース33から特定される。さらに、楽曲抽出部46によって歌唱終了日時に対応付けられた楽曲IDが歌唱履歴データベース33から抽出される。
【0035】
サーバ装置30からリモコン装置20にレコメンド楽曲応答として楽曲IDが送信される(ステップS11)。リモコン装置20がサーバ装置30から楽曲IDを受信すると、楽曲提示部22によって楽曲IDに対応する曲名やアーティスト名等の属性情報が楽曲インデックスデータベースから抽出される(ステップS12)。そして、楽曲提示部22によってリモコン装置20のディスプレイにレコメンド楽曲として楽曲の属性情報が表示される(ステップS13)。このようにして、利用者が子供の頃に利用者の親等が歌っていた楽曲が特定されて、この楽曲が利用者に対して推薦される。
【0036】
以上、本実施形態のカラオケシステム1によれば、利用者の現在の年齢が求められ、利用者の現在の年齢から子供の頃の所定時期にカラオケで同席していた他の利用者の当時の年齢が求められる。他の利用者の当時の年齢から所定時期に既に大人であった親等の大人利用者が特定され、利用者が子供の頃に同席していた大人利用者が歌唱していた楽曲が抽出される。よって、利用者が子供の頃によく聴いていた楽曲がレコメンド楽曲として利用者に提示され、利用者に対して新たなレパートリーを増やす機会を提供できる。
【0037】
<第2実施形態>
次に、図4を参照して、第2実施形態のカラオケシステムについて説明する。図4は、第2実施形態のカラオケシステムの機能ブロック図である。第2実施形態のカラオケシステムは、利用者が子供の頃に同席していた大人で同性の他の利用者が歌っていた楽曲を推薦する点で第1実施形態のカラオケシステムと相違している。したがって、第2実施形態のカラオケシステムについては、第1実施形態のカラオケシステムと同様な構成については説明を省略する。
【0038】
図4に示すように、第2実施形態のカラオケシステム2は、利用者の性別を考慮してレコメンド楽曲を提供するように構成されている。リモコン装置50には、第1の利用者特定部51と、楽曲提示部52と、が設けられている。また、サーバ装置60には、第1の年齢特定部71と、所定時期特定部72と、第1の性別特定部73と、第2の利用者特定部74と、第2の年齢特定部75と、第2の性別特定部76と、第3の利用者特定部77と、楽曲抽出部78と、が設けられている。さらに、サーバ装置60には、利用者情報データベース61と、ログイン履歴データベース62と、歌唱履歴データベース63とが設けられている。
【0039】
第1の性別特定部73は、利用者情報を参照して利用者の性別を特定する。この場合、第1の性別特定部73によって利用者情報データベース61が参照されて、レコメンド楽曲要求として受信した利用者IDに対応付けられた利用者情報から利用者の性別が特定される。具体的には、利用者情報データベース61で利用者ID「ID****U1」に対応付けられた利用者U1の性別「男性」が特定される。
【0040】
第2の性別特定部76は、利用者情報を参照して他の利用者の性別を特定する。この場合、第2の性別特定部76によって利用者情報データベース61が参照されて、第2の利用者特定部74に特定された他の利用者IDに対応付けられた利用者情報から他の利用者の性別が特定される。具体的には、他の利用者ID「ID****U2」、「ID****U3」、「ID****U4」が特定されている。利用者ID「ID****U2」に対応付けられた性別「男性」、利用者ID「ID****U3」に対応付けられた性別「女性」、利用者ID「ID****U4」に対応付けられた性別「男性」が特定される。
【0041】
第3の利用者特定部77は、利用者の性別、他の利用者の性別、他の利用者の当時の年齢から、利用者と同性で所定時期に大人であった大人利用者を特定する。この場合、第3の利用者特定部77によって他の利用者の当時の年齢が年齢値以上であり、かつ他の利用者の性別が利用者と一致する大人の利用者IDが特定される。具体的には、所定時期「1993年4月30日」から「2000年4月29日」における利用者U1の年齢が5歳から12歳であり、最小年齢5歳に一定年齢25歳を加えた30歳以上の利用者ID「ID****U2」、「ID****U3」が特定される。そして、利用者ID「ID****U1」に性別「男性」が対応付けられているため、利用者ID「ID****U2」、「ID****U3」のうち性別「男性」に対応付けられた利用者ID「ID****U2」が特定される。
【0042】
以上、第2実施形態のカラオケシステム2によれば、利用者が子供の頃によく聴いていた楽曲のうち、利用者と同性の大人利用者が歌っていた楽曲がレコメンド楽曲として利用者に提示される。利用者が歌唱し易い楽曲が推薦されるため、利用者に対して新たなレパートリーを増やす機会を提供できる。
【0043】
なお、上記の各実施形態では、楽曲抽出部は利用者と大人利用者が同席したときに歌唱した楽曲を大人利用者の歌唱履歴から抽出しているが、既に利用者の歌唱履歴に含まれている楽曲を除いて抽出してもよい。すなわち、歌唱履歴データベースに利用者の歌唱履歴として登録された楽曲IDが除外された上で、楽曲抽出部によって歌唱履歴データベースから楽曲IDが抽出される。この場合、利用者は、親等の大人利用者が歌っていた楽曲を既に歌っていたことになり、新たなレパートリーの増加にはつながらないためレコメンドする必要がない。
【0044】
また、上記の各実施形態において、所定時期特定部は、利用者の現在の年齢が所定年齢以上か否かを判定しているが、利用者の現在の年齢が所定年齢以上か否かを判定せずに、利用者の現在の年齢から子供の頃の所定時期を特定してもよい。
【0045】
また、上記の各実施形態において、サーバ装置の機能ブロックがカラオケ装置に設けられ、リモコン装置とカラオケ装置との間でレコメンド楽曲の推薦処理が実施されていてもよい。
【0046】
また、上記の各実施形態において、リモコン装置は、サーバ装置と通信可能な電子機器であればよい。例えば、リモコン装置は、携帯電話、スマートフォン、ゲーム機器、パーソナルコンピュータでもよい。
【0047】
また、上記実施形態において、リモコン装置及びサーバ装置にプログラムをインストールすることによって、レコメンド楽曲の提示機能が追加されてもよい。このプログラムは記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0048】
また、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0049】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0050】
1、2 :カラオケシステム
20、50:リモコン装置
21、51:第1の利用者特定部
22、52:楽曲提示部
30、60:サーバ装置
41、71:第1の年齢特定部
42、72:所定時期特定部
43、74:第2の利用者特定部
44、75:第2の年齢特定部
45、77:第3の利用者特定部
46、78:楽曲抽出部
73 :第1の性別特定部
76 :第2の性別特定部
図1
図2
図3
図4