(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176440
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】プログラム、システム、および表示制御装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0211 20230101AFI20231206BHJP
【FI】
G06Q30/02 326
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088718
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】渡部 佑一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】グループ内の各店舗をユーザに効率よく宣伝するプログラムを提供する。
【解決手段】プログラムは、ユーザの利用実績に基づいて、ユーザに特典を提供する利用実績管理システム1に用いられ、ユーザが携帯する表示制御装置(顧客端末装置30)のコンピュータを機能させる。特典は、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を含む。プログラムは、コンピュータを、利用実績取得手段及び表示制御手段として機能させる。利用実績取得手段は、ユーザの当該店舗の利用に応じて、ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と、ユーザのグループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績と、を取得する。表示制御手段は、第1利用実績に基づく第1実績画面と、第2利用実績に基づく第2実績画面と、を表示部に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携帯する表示制御装置であって、前記ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムに用いられる前記表示制御装置のコンピュータを、
前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段、
前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記複数の店舗は、前記第1特典を提供しない店舗を含み、
前記利用実績取得手段は、前記ユーザが利用した店舗が前記第1特典を提供しない店舗である場合、前記第2利用実績を取得し、
前記表示制御手段は、前記第1実績画面を表示させずに、前記第2実績画面を表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
店舗ごとに用意されるツールを介して、利用した店舗の店舗情報を取得する店舗情報取得手段、
前記店舗情報が示す店舗が、前記第1特典を提供する店舗であり且つ前記ツールが示す店舗とは異なる店舗である場合、前記店舗情報が示す店舗のツールを介して前記店舗情報を取得することによって前記第1利用実績を取得可能な旨を報知する報知手段、
として機能させることを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記グループ内の各店舗の前記第2利用実績を一覧表示させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記グループ内の店舗ごとに異なる表示態様で前記第2利用実績を表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムであって、
前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段と、
前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
ユーザが携帯する表示制御装置であって、前記ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムに用いられる前記表示制御装置において、
前記表示制御装置は、
前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段と、
前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、システム、および表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等においては、顧客の利用実績に応じて、当該顧客に特典を付与するサービスが行われている。当該サービスは、例えば、来店ポイント等の利用実績を顧客に獲得させて、当該来店ポイントの獲得数が所定数になると、特典を付与するといったサービスである。
【0003】
また、近年では、系列店や各種企業が提携したグループで各種サービスを提供したり、特典を付与したりする取り組みも行われている。関連する技術として、企業が提供するサービスに利用可能なポイントを、複数の企業で利用可能な共通ポイントに変換し、共通ポイントでは、当該サービスとは異なるサービスの提供を受けられるようにしたポイント管理システムが開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザがグループ内の一の店舗を利用したとしても、グループ自体を知るきっかけやグループに属する他の店舗を知るきっかけが得られないことがあり、ユーザにグループおよびグループ内の店舗を効率よく宣伝することができないことがある、という問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、グループとグループ内の各店舗とをユーザに効率よく宣伝することを支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、ユーザが携帯する表示制御装置であって、前記ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムに用いられる前記表示制御装置のコンピュータを、前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段、前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるシステムは、ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムであって、前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段と、前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とするシステムである。
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である表示制御装置は、ユーザが携帯する表示制御装置であって、前記ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムに用いられる前記表示制御装置において、前記表示制御装置は、前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段と、前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする表示制御装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る利用実績管理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
【
図2】利用実績管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】利用実績DB11が記憶する情報の一例を示す説明図である。
【
図4】ブランド特典とグループ特典の一例を示す説明図である。
【
図5】顧客端末装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】利用実績管理システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】顧客端末装置30が表示する店舗利用アプリの画面の一例を示す説明図である。
【
図8】単店ポイント画面720を表示させない場合の画面の一例を示す説明図である。
【
図9】単店ポイントの獲得に係る報知を行う場合の画面の一例を示す説明図である。
【
図10】利用実績管理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図11】顧客端末装置30が行うポイント画面に係る表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】顧客端末装置30が行うポイント画面に係る表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
(利用実績管理システム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態に係る利用実績管理システム1のネットワーク構成を示す説明図である。利用実績管理システム1(システムの一例)は、各店舗の利用実績を管理する。本実施形態において、各店舗は、それぞれ複数の支店で使用されるブランド(屋号:例えば、「牛丼○○」、「唐揚げ○○」など)である。以下において、店舗を「ブランド」という場合がある。各ブランドは、利用実績に応じて、それぞれ自ブランドで利用可能な特典をユーザ(顧客)に提供可能な店舗である。各ブランドは、グループに属する。なお、店舗は、複数の支店を有さない店舗(例えば、個人店)であってもよい。
【0012】
グループは、複数の店舗(ブランド)が提携したグループである。なお、グループに属するブランド間での資本提携の有無は問わない。また、グループは、飲食事業を展開する一の企業の傘下に置かれるブランドによって構成されてもよいし、異なる企業のそれぞれの傘下に置かれるブランドによって構成されてもよい。グループは、ユーザに特典を提供可能にする。当該特典は、グループを構成するブランドを利用した利用実績に応じて、グループに属するブランドで利用可能な特典である。
【0013】
利用実績は、例えば、来店実績、注文実績、精算実績などである。来店実績は、来店回数に応じて顧客が獲得するポイントである。注文実績は、店舗での注文内容に応じて顧客が獲得するポイントである。精算実績は、店舗での精算額に応じて顧客が獲得するポイントである。
【0014】
利用実績管理システム1は、例えば、飲食業界の各ブランドを対象にして導入される。ただし、利用実績管理システム1が導入されるブランドは、飲食業界に限らず、例えば、コンビニエンスストア、デパート、スーパーマーケット、ホームセンター、各種用品店など、飲食業界以外の業界のブランドでもよい。また、グループは、業種間を超えたブランドによって構成されてもよく、例えば、飲食店のブランドと、コンビニエンスストアのブランドと、スーパーマーケットのブランドとによって構成されてもよい。
【0015】
図1において、利用実績管理システム1は、利用実績管理サーバ10と、POS(Point of sales)端末装置20と、顧客端末装置30とを含む。これらの装置は、ネットワーク140を介して通信可能に接続されている。これらの装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0016】
利用実績管理サーバ10は、利用実績DB(データベース)11(
図3参照)を備え、ブランドごとに顧客の利用実績を管理する。利用実績管理サーバ10は、各店舗の外部に設けられるサーバ装置である。ただし、利用実績管理サーバ10は、例えば、グループを構成するブランドのうちいずれかのブランドの店舗内に設けられてもよい。また、利用実績DB11は、利用実績管理サーバ10に具備されることに限らず、外部の装置やPOS端末装置20など、利用実績管理サーバ10以外の装置に具備されてもよい。
【0017】
POS端末装置20は、登録情報に基づいて精算を行うキャッシュレジスタである。登録情報は、顧客が購入した商品の商品名や価格の情報を含むとともに、顧客が提供を受けたサービスの内容や価格の情報を含む。POS端末装置20は、例えば、店員側および客側にそれぞれタッチパネル式のディスプレイを備える。各ディスプレイは、店員に向けた情報や顧客に向けた情報をそれぞれ表示するともに、店員からの操作や顧客からの操作を受け付ける。また、POS端末装置20は、QRコード(登録商標)や商品に付されたバーコード等の各種コードを読み取るスキャナを備える。
【0018】
POS端末装置20は、動作モードに応じて、異なる操作者(店員または顧客)から登録や精算に係る操作を受け付けるようにすることも可能である。動作モードは、店員が登録して顧客から預かった金額を用いて精算を行う店員登録モードや、店員が登録して顧客がセルフで精算を行うセルフ精算モードや、顧客が登録および精算の両方をセルフで行うフルセルフモードを含む。
【0019】
顧客端末装置30は、顧客が携帯するコンピュータ装置であり、表示制御装置の一例である。顧客端末装置30は、例えば、スマートフォンであるが、これに限らず、タブレット端末、パソコンとしてもよい。顧客端末装置30には、ブランドごとに生成された店舗利用アプリ(アプリケーションソフトウェア)がインストールされている。顧客端末装置30は、店舗利用アプリを起動することにより、ブランドへの利用実績を示すポイントを獲得することが可能である。顧客は、当該ポイントを所定数獲得することにより、特典を得ることが可能である。特典は、サービス券、クーポン券、景品、ポイントを含む。
【0020】
(利用実績管理サーバ10のハードウェア構成)
図2は、利用実績管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2において、利用実績管理サーバ10は、CPU201と、メモリ202と、通信I/F(インターフェース)203と、記憶媒体I/F204とを備える。各部は、バス220によってそれぞれ接続される。
【0021】
CPU201は、利用実績管理サーバ10の全体の制御を司る。メモリ202は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、フラッシュROMやROMは、各種プログラムを記憶する。RAMは、CPU201のワークエリアとして使用される。メモリ202に記憶されるプログラムは、CPU201にロードされることで、コーディングされている処理をCPU201に実行させる。
【0022】
通信I/F203は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置(例えば、POS端末装置20や顧客端末装置30)に接続される。また、通信I/F203は、ネットワーク140と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
記憶媒体I/F204は、CPU201の制御にしたがって、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光ディスクなど不図示の記憶媒体に対するデータのリード、ライトを制御する。
【0023】
(利用実績DB11が記憶する情報の一例)
図3は、利用実績DB11が記憶する情報の一例を示す説明図である。利用実績DB11は、メモリ202によって実現される。
図3において、利用実績DB11は、「顧客識別情報」と、「単店ポイント」と、「提携ポイント」との各項目を含む。
【0024】
「顧客識別情報」は、顧客(ユーザ)を一意に特定することが可能な識別情報である。「顧客識別情報」は、顧客端末装置30を識別する識別情報であってもよいし、各店舗利用アプリにおいて、顧客端末装置30にインストールされたアプリケーションを一意に識別するアプリ識別情報でもよい。
【0025】
「単店ポイント」は、ブランドごとの利用した回数(獲得したポイント数)を示し、すなわち、各ブランドの利用実績を示す。「単店ポイント」は、第1利用実績の一例である。顧客は、単店ポイントを所定数獲得するより、ブランドで利用可能なブランド特典を得る。ブランド特典は、第1特典の一例である。図示において、「単店ポイント」は、「牛丼○○」、「ステーキ○○」といった、ブランドごとの利用実績を示す。
【0026】
以下において、ブランド特典を提供可能なブランドを、「特典提供ブランド」という。また、ブランド特典の提供がないブランドを、「非提供ブランド」という。図示において、非提供ブランドは、「パスタ○○」および「なべ○○」のブランドであり、利用実績DB11において、単店ポイントが付与されない「-」を示している。
【0027】
「提携ポイント」は、グループ内のブランドごとの利用した回数(獲得したポイント数)を示し、すなわち、グループ内の各ブランドの利用実績を示す。「提携ポイント」は、第2利用実績の一例である。顧客は、提携ポイントを所定数獲得するより、グループ内の各ブランドで利用可能なグループ特典を得る。グループ特典は、第2特典の一例である。図示において、「提携ポイント」は、「牛丼○○」、「ステーキ○○」など、複数のブランドが提携するグループ内の各ブランドの利用実績を示す。提携ポイントは、特典提供ブランドおよび非提供ブランドにかかわらず、付与される。
【0028】
一例として、「顧客識別情報」が「A0001」の顧客について説明する。「A0001」の顧客は、「単店ポイント」が示す利用実績として、「牛丼○○」を3回利用したこと、「ステーキ○○」を1回利用したこと、「唐揚げ○○」を1回利用したことを示す。さらに、これに加えて、「提携ポイント」が示す利用実績として、「パスタ○○」を1回利用したこと、「なべ○○」を1回利用したことを示す。
【0029】
このように、本実施形態では、顧客ごとに、単店ポイントおよび提携ポイントの獲得数が管理されるとともに、顧客に対して店舗の利用に応じた特典を提供することが可能になっている。
【0030】
(ブランド特典とグループ特典の一例)
図4は、ブランド特典とグループ特典の一例を示す説明図である。
図4において、「ブランド」は、グループを構成するブランドを示す。「ブランド特典」は、獲得した単店ポイント数が所定数(例えば「6」)に達することにより、当該ブランドで利用可能な特典を示す。「グループ特典」は、獲得した提携ポイント数が所定数(例えば「6」)に達することにより、グループから提供される特典を示す。
【0031】
「ブランド特典」は、例えば、「ランクアップ」と、「ポイント」と、「景品」とを含む。
「ランクアップ」は、特典の付与に応じて、顧客のランクが上がることを示しており、例えば、ランクが上がるほど、顧客にとって利益度合いの高い特典が付与されることを示す。利益度合いの高い特典とは、例えば、ランクが上がるほど、割引率の高いクーポン券や、付与率の高いポイントである。
「ポイント」は、獲得した単店ポイント数が所定数に達することにより当該ブランドで利用可能なポイントが付与されることを示す。
「景品」は、獲得した単店ポイント数が所定数に達することにより当該ブランドで景品が貰えることを示す。
「グループ特典」は、例えば「クーポン券」である。「クーポン券」は、例えば、グループを構成するいずれのブランドで利用可能な割引券である。
【0032】
(顧客端末装置30のハードウェア構成)
図5は、顧客端末装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5において、顧客端末装置30は、CPU501と、メモリ502と、通信I/F(インターフェース)503と、記憶媒体I/F504と、入力デバイス505と、ディスプレイ506と、カメラ507とを備える。また、各部は、バス520によってそれぞれ接続される。
【0033】
CPU501は、顧客端末装置30の全体の制御を司る。メモリ502は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶する。顧客端末装置30には、各種プログラムとして、本実施形態に係る表示制御プログラムを含む店舗利用アプリ(アプリケーションソフトウェア)がインストールされている。
【0034】
店舗利用アプリは、各ブランドにおいて来店(利用)に応じたポイントを獲得して表示させるアプリである。店舗利用アプリは、ブランドごとに用意されたアプリである。すなわち、顧客端末装置30には、顧客の操作に応じて、ブランドごとのアプリがそれぞれインストールされる。このため、顧客端末装置30は、顧客の好みに応じて、アプリがインストールされている。このため、グループを構成する全てのブランドの店舗利用アプリがインストールされている顧客端末装置30もあれば、グループを構成する部のブランドのみの店舗利用アプリがインストールされている顧客端末装置30もある。
【0035】
店舗利用アプリは、ポイントの獲得や表示に係る機能のみならず、他の機能も有する。例えば、店舗利用アプリは、ブランドの各種メニューや支店の所在地を表示したり、予約を受け付けたりすることも可能である。なお、ポイントの獲得は、店舗利用アプリを用いて行われることに限らず、ブランドごとに用意されたWebサイトを用いて行われてもよい。言い換えれば、顧客端末装置30には、当該アプリがインストールされていなくても、Webサイトにアクセスすることにより、ポイントの獲得および表示を行うことも可能である。
【0036】
RAMは、CPU501のワークエリアとして使用される。メモリ502に記憶されるプログラムは、CPU501にロードされることで、コーディングされている処理をCPU501に実行させる。
【0037】
通信I/F503は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置(例えば、利用実績管理サーバ10、POS端末装置20)に接続される。また、通信I/F503は、ネットワーク140と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
【0038】
記憶媒体I/F504は、CPU501の制御にしたがって、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光ディスクなど不図示の記憶媒体に対するデータのリード、ライトを制御する。
入力デバイス505は、タッチパネルや操作ボタンである。入力デバイス505は、キーボード、マウス、マイクなどを含んでもよい。
ディスプレイ506は、画像を表示する出力デバイスである。出力デバイスは、ディスプレイ506のほかにも、スピーカを含む。
【0039】
カメラ507は、動画、または静止画を撮像する。カメラ507には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラが用いられる。カメラ507は、QRコードなどの各種コードや商品に付されたバーコードなどの各種コードを読み取ることが可能である。なお、顧客端末装置30は、各種コードを読み取るスキャナを備えてもよい。スキャナは、例えば、顧客端末装置30の筐体の上端に設けられる。スキャナの読取方式には、例えば、レーザー方式やCCD方式などを採用することができる。
【0040】
(利用実績管理システム1の機能的構成の一例)
ここで、本実施形態のように、複数のブランドが提携したグループを作ったとしても、グループ自体を知るきっかけや、グループに属する他のブランドを知るきっかけがないことがある。すなわち、グループおよびグループ内のブランドを顧客に効率よく宣伝することができないことがある。そこで、本実施形態では、顧客に、グループとグループ内のブランドとを効率よく宣伝することを可能にしている。以下、
図6を用いて、利用実績管理システム1の機能的構成について説明する。
【0041】
図6は、利用実績管理システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図6において、利用実績管理サーバ10は、利用情報取得部601と、更新部602と、送信部603とを備える。各部は、利用実績管理サーバ10が備えるCPU201によって実現される。すなわち、CPU201がメモリ202に記憶される所定のプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0042】
顧客端末装置30は、利用実績取得部611と、表示制御部612と、利用情報取得部613と、報知部614とを備える。各部は、顧客端末装置30が備えるCPU501によって実現される。すなわち、CPU501がメモリ502に記憶される表示制御プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。以下では、
図7~
図9を参照しつつ、
図6に示す各部について説明する。なお、
図7~
図9に示す各画面は、それぞれ異なる顧客端末装置30に表示される画面である。
【0043】
利用情報取得部601は、利用情報を取得する。利用情報は、顧客(ユーザ)の店舗の利用(来店)に応じて、当該顧客が当該店舗(ブランド)を利用(来店)したことを示す情報である。利用情報の取得について、具体的に説明する。まず、顧客端末装置30は、顧客の操作に応じて、グループ内のいずれかのブランドの店舗利用アプリを起動する。そして、顧客端末装置30は、顧客の操作に応じて、顧客識別情報を含む顧客識別コード630(QRコード)をディスプレイ506に表示する。顧客識別コード630は、顧客識別情報のほかにも、アプリブランド情報を含む。アプリブランド情報は、起動中の店舗利用アプリが示すブランド(以下「アプリブランド」という。)の情報である。店員は、顧客からの顧客識別コード630の提示を受けて、顧客端末装置30に表示された顧客識別コード630をPOS端末装置20のスキャナ620に読み取らせる。なお、客側にスキャナ620を備えるPOS端末装置20を用いるようにすることも可能であり、このようにした場合、顧客の操作で顧客識別コード630をPOS端末装置20に読み取らせるようにすることも可能である。
【0044】
POS端末装置20は、顧客識別コード630を読み取ると、利用情報を利用実績管理サーバ10へ送信する。利用情報は、利用ブランド情報と、顧客識別情報と、アプリブランド情報と、を含む。利用ブランド情報は、顧客が利用した店舗(POS端末装置20が配置される店舗)のブランド(以下「利用ブランド」という。)を示す情報である。利用ブランド情報は、店舗情報の一例である。利用実績管理サーバ10は、POS端末装置20から送信された利用情報を受信する。これにより、利用情報取得部601は、利用情報を取得する。
【0045】
ここで、POS端末装置20のスキャナ620に顧客識別コード630を読み取らせるタイミング等について詳述する。POS端末装置20のスキャナ620に顧客識別コード630を読み取らせるタイミングは、例えば、精算の際である。店内飲食を終えた顧客は、テーブルに置かれた伝票やレシートをPOS端末装置20まで持参し、店員に提示する。店員は、その伝票に印刷された取引を示す識別情報(バーコード)をPOS端末装置20のスキャナ620に読み取らせる。これにより、POS端末装置20は、顧客が飲食した商品情報を読み出し、取引内容と合計金額とを店員側ディスプレイ21や客側ディスプレイ22に表示する。店員は、取引内容に相違が無いことを顧客に確認した後、決済手続きを操作するための決済画面へ遷移させる。当該遷移のきっかけは、例えば、「小計」ボタン等のボタン押下である。
【0046】
POS端末装置20は、このような決済画面へ遷移すると、ポイントを付与するために、顧客識別コード630の読取りを求めるガイダンス画面を、店員側ディスプレイ21や客側ディスプレイ22に表示する。このガイダンス画面の誘導により、顧客はアプリケーションを起動し、顧客識別コード630を表示させるとともに、店員(または顧客)の操作により、顧客識別コード630がスキャンされる。顧客識別コード630のスキャンが完了すると、POS端末装置20は、決済画面にて決済手続きを開始し、顧客が所望する決済種別(現金や電子マネー、クレジットカード、QR決済等)にて決済を完了させる。
【0047】
なお、一連の処理をセルフ方式で行うことも可能である。具体的には、POS端末装置20は、客側スキャナ部を備えてもよい。顧客は、客側ディスプレイ22や客側スキャナ部を使って、取引を示す識別情報と、顧客識別コードとを読み取らせるとともに、決済種別の選択などの全ての操作を行う。このように、セルフ方式で(顧客のみで)一連の処理を完結させることもできる。
【0048】
利用実績管理サーバ10は、POS端末装置20から利用情報を受信すると、これまでの利用実績を顧客端末装置30へ送信する。顧客端末装置30は、これまでの利用実績をディスプレイ506に表示するとともに、利用実績の獲得を受け付ける。
【0049】
更新部602は、利用情報取得部601によって取得された利用情報に基づいて、利用実績を更新する。利用実績は、単店ポイント(第1利用実績)と、提携ポイント(第2利用実績)とを含む。更新部602は、顧客の操作に基づく顧客端末装置30からの獲得要求に応じて、各ポイントを更新する。当該更新は、例えば、ブランド特典を提供するブランド(特典提供ブランド)であれば、利用実績DB11の利用実績のうち、利用情報に基づいて特定した単店ポイントの数と提携ポイントの数とをそれぞれ「1」加算することである。また、当該更新は、ブランド特典を提供しないブランド(非提供ブランド)であれば、利用実績DB11の利用実績のうち、提携ポイントの数を「1」加算することである。
【0050】
更新部602は、原則、1回の利用(来店)につき1ポイントを加算する。ただし、加算するポイント数は「1」に限らない。例えば、ブランドごとに異なるポイント数を加算してもよいし、イベントなど日にちや時間帯によって異なるポイント数を加算してもよい。また、単店ポイントに加算する値と、提携ポイントに加算する値とが異なるようにしてもよい。送信部603は、更新部602によって更新された利用実績を顧客端末装置30へ送信する。
【0051】
顧客端末装置30は、更新された利用実績を受信すると、顧客端末装置30のディスプレイ506上でポイントが加算された旨を報知するアニメーションを実行し、その後にポイントが1つ増えたことを示す画面を表示させる。
【0052】
なお、1日に複数回同じ店舗に訪れる顧客も存在する。このような顧客の各利用に対して、ポイントを獲得させるために、先のポイントの獲得から所定時間が経過することを条件に、再度のポイントの獲得を可能にしている。所定時間は、例えば、3時間である。なお、1日に獲得できるポイント数の上限数を予め設定しておいてもよい。例えば、上限数を「2」に設定したとすると、1日に2回の利用までは、ポイントを獲得することが可能になる。
【0053】
顧客端末装置30において、利用実績取得部611は、利用実績管理サーバ10から送信された利用実績(単店ポイントおよび提携ポイント)を取得する。表示制御部612は、単店ポイントを示す単店ポイント画面と、提携ポイントを示す提携ポイント画面とをディスプレイ506(表示部)に表示させる。単店ポイント画面は、第1実績画面の一例である。提携ポイント画面は、第2実績画面の一例である。
【0054】
このように、本実施形態において、顧客端末装置30のディスプレイ506に表示させた顧客識別コード630を、POS端末装置20に読み取らせる。すると、POS端末装置20によって利用情報が利用実績管理サーバ10へ送信されることにより、顧客端末装置30は、利用実績管理サーバ10から利用実績を受信する。そして、顧客端末装置30は、受信した利用実績に基づいて、単店ポイント画面と、提携ポイント画面とをディスプレイ506に表示させることが可能になっている。
【0055】
(店舗利用アプリの画面例)
ここで、
図7を用いて、顧客端末装置30が表示する店舗利用アプリの画面例について説明する。
図7は、顧客端末装置30が表示する店舗利用アプリの画面の一例を示す説明図である。
図7では、顧客が「牛丼○○」に訪れて、「牛丼○○」の店舗利用アプリを用いてポイントを獲得する場合の画面遷移について説明する。また、各画面は、表示制御部612の制御によって表示される。
【0056】
図7(A)は、トップ画面710を示す。トップ画面710は、例えば、「牛丼○○」の画面である。トップ画面710は、ブランド表示領域711と、獲得ポイント表示領域712と、獲得開始ボタン713とを含む。
【0057】
ブランド表示領域711は、グループを構成する各ブランドを示す領域である。なお、ブランド表示領域711における各ブランドの表示において、特典提供ブランドについては、各ブランドにおいて獲得している単店ポイント数を含めて表示させるようにしてもよい。
【0058】
獲得ポイント表示領域712は、起動中の店舗利用アプリが示すブランドにおいて、顧客が獲得した単店ポイント数と、当該ブランドを構成するグループの提携ポイント数とを示す領域である。図示において、例えば、単店ポイント数は「3」を示し、提携ポイント数は「5」を示す。
獲得開始ボタン713は、単店ポイントおよび提携ポイントを獲得することが可能な画面に遷移することを受け付けるボタンである。トップ画面710において、獲得開始ボタン713が押下されると、例えば、
図7(B)に示す単店ポイント画面720に遷移する。
【0059】
図7(B)は、単店ポイント画面720を示す。単店ポイント画面720は、タブ721(721a、721b)と、単店ポイント領域722と、ポイント獲得ボタン723とを含む。
タブ721は、単店ポイントタブ721aと、提携ポイントタブ721bとを含む。図示では、単店ポイントタブ721aがアクティブとなっている。
単店ポイント領域722は、単店ポイント722aと、ランク表示722bとを含む。単店ポイント722aは、所定数(例えば「6」)獲得することによって一杯になることを示す。図示において、単店ポイント722aは、「牛丼○○」を示すネコの単店ポイントを示す。また、ランク表示722bは、「牛丼○○」における現在の顧客のランクを示す。
単店ポイント722aが所定数に達すると、特典(ランクアップ)が付与されるとともに、単店ポイント領域722に表示される単店ポイント722aの数が「0」に戻る。
【0060】
ポイント獲得ボタン723は、単店ポイント722aおよび提携ポイントの獲得を受け付けるボタンである。ポイント獲得ボタン723が押下されると、顧客識別コード630(QRコード)を読み取り可能に表示した画面に遷移する。当該画面のQRコードをPOS端末装置20のスキャナに読み取らせると、POS端末装置20は、利用実績管理サーバ10へ利用情報を送信する。また、顧客識別コード630を表示した画面において、「QRコード読み取り」ボタンを備え、これを押下することでカメラを起動し、後述する店舗等に備え付けられたQRコードを読み取ることでもポイントを取得することができる。
【0061】
そして、POS端末装置20が利用実績管理サーバ10に対して単店ポイントの獲得要求を行うことによって、顧客端末装置30は、単店ポイントを獲得する。これにより、単店ポイント領域722に単店ポイント722a(ネコのマーク)が1つ追加されて、計4個表示されることになる。なお、ポイント獲得ボタン723が押下されると、単店ポイント722aの獲得のみならず、提携ポイントも獲得される。このため、獲得ポイント表示領域712の提携ポイント数は「6」が表示されることになる。
【0062】
なお、単店ポイント722aの獲得は、1回の利用につき1回である。このため、単店ポイント722aが1回獲得されると、
図7(B)のポイント獲得ボタン723の押下を無効にしたり、ポイント獲得ボタン723を非表示としたりすればよい。
【0063】
単店ポイント画面720において、提携ポイントタブ721bが押下されると、
図7(C)に示す提携ポイント画面730に遷移する。なお、顧客端末装置30は、タブ721の切り替え操作を受け付けることに応じて、単店ポイント画面720と提携ポイント画面730とを切り替えて表示することが可能である。
【0064】
図7(C)は、提携ポイント画面730を示す。提携ポイント画面730は、タブ721と、提携ポイント領域732と、ポイント獲得ボタン723とを含む。
提携ポイント画面730では、提携ポイントタブ721bがアクティブとなっている。
提携ポイント領域732には、グループを構成する複数のブランドのうち、顧客が利用したブランドを示す提携ポイント732bが一覧表示される。提携ポイント732bは、ブランドごとに異なる表示態様で表される。例えば、ネコのマークは、「牛丼○○」を示す。イヌのマークは、「ステーキ○○」の利用実績を示す。トリのマークは、「唐揚げ○○」の利用実績を示す。カバのマークは、「パスタ○○」の利用実績を示す。ネズミのマークは、「なべ○○」の利用実績を示す。
【0065】
上述したように、単店ポイント画面720(
図7(B))において、ポイント獲得ボタン723が押下されることにより、単店ポイント722aが獲得されるだけでなく、提携ポイント732bについても獲得される。このため、提携ポイント732bが獲得さえていれば、提携ポイント領域732の提携ポイント732b(ネコのマーク)が1つ追加されて、計6個表示されることになる。なお、提携ポイント732bの獲得は、1回の利用につき1回である。このため、提携ポイント732bが1回獲得されると、
図7(C)のポイント獲得ボタン723の押下を無効にしたり、ポイント獲得ボタン723を非表示としたりしてもよい。
【0066】
このように、本実施形態では、一回の操作で単店ポイント722aと提携ポイント732bとを獲得することができるようになっている。なお、図示では、単店ポイント722aおよび提携ポイント732bの獲得を受け付けるボタンは、単店ポイント画面720(
図7(B))に示すポイント獲得ボタン723の押下としたが、これに限らない。例えば、提携ポイント画面730(
図7(C))に示すポイント獲得ボタン723の押下としてもよいし、トップ画面710(
図7(A))における獲得開始ボタン713としてもよい。
【0067】
なお、
図7では、単店ポイント722aおよび提携ポイント732bは、同時に獲得されることとしたがこれに限らない。各ポイントは、別々に獲得されるようにしてもよい。具体的には、単店ポイント722aについては、単店ポイント画面720(
図7(B))に示すポイント獲得ボタン723の押下によって獲得され、また、提携ポイント732bについては、提携ポイント画面730(
図7(C))に示すポイント獲得ボタン723の押下によって獲得されてもよい。
【0068】
(ブランド特典を提供しないブランドについて)
本実施形態において、グループを構成する複数のブランドは、ブランド特典を提供しないブランド(非提供ブランド)を含む。非提供ブランドは、例えば、「パスタ○○」および「なべ○○」である。更新部602は、利用情報が示すブランドが非提供ブランドである場合、利用情報に基づいて、単店ポイントを更新せずに、提携ポイントのみを更新する。単店ポイントを更新しないとは、利用実績DB11における単店ポイントを「1」加算しないことである。
【0069】
送信部603は、顧客が利用したブランドが非提供ブランドである場合、単店ポイントを含まない利用実績(提携ポイントのみの利用実績)を顧客端末装置30へ送信する。
【0070】
顧客端末装置30において利用実績取得部611は、顧客が利用したブランドが非提供ブランドである場合、提携ポイントを取得する。この場合、利用実績取得部611は、単店ポイントを取得せずに、提携ポイントのみを取得する。
【0071】
(単店ポイント画面720を表示させない場合の画面の一例)
図8は、単店ポイント画面720を表示させない場合の画面の一例を示す説明図である。
図8では、顧客が「牛丼○○」に訪れて、非提供ブランドである「パスタ○○」の店舗利用アプリから提携ポイントを獲得する場合の画面遷移について説明する。
図8(A)は、「パスタ○○」のトップ画面810を示す。トップ画面810は、
図7(A)に示したトップ画面710と同様の画面であり、例えば、ブランド表示領域711と、獲得ポイント表示領域712と、獲得開始ボタン713を含む。
【0072】
獲得ポイント表示領域712は、「パスタ○○」が非提供ブランドであることから、単店ポイント数を示す領域を含まず、提携ポイント数のみを示す領域を含むようにしている。図示において、提携ポイント数は「4」を示す。トップ画面810において、獲得開始ボタン713が押下されると、例えば、
図8(B)に示す提携ポイント画面820に遷移する。
【0073】
図8(B)は、提携ポイント画面820を示す。提携ポイント画面820は、
図7(C)に示した提携ポイント画面730と同様に、提携ポイント領域732と、ポイント獲得ボタン723とを含む。ただし、提携ポイント画面820は、タブ721を含まない。提携ポイント領域732に示す内容は、提携ポイント画面730(
図7(C))と同様である。提携ポイント画面820において、ポイント獲得ボタン723が押下されると、顧客識別コード630(QRコード)を読み取り可能に表示した画面に遷移する。当該画面のQRコードをPOS端末装置20のスキャナに読み取らせると、POS端末装置20は、利用実績管理サーバ10へ利用情報を送信する。そして、POS端末装置20が利用実績管理サーバ10に対して提携ポイントの獲得要求を行うことによって、顧客端末装置30は、提携ポイントを獲得する。
【0074】
これにより、提携ポイント領域732の提携ポイント732b(カバのマーク)が1つ追加されて、計5個表示されることになる。なお、提携ポイントの獲得を受け付けるボタンは、提携ポイント画面820に示す提携ポイント獲得ボタン823の押下としたが、これに限らず、トップ画面810(
図8(A))における獲得開始ボタン713としてもよい。
【0075】
なお、
図8(B)に示した提携ポイント画面820において、
図9を用いて後述するアプリ報知921を表示するようにしてもよい。
【0076】
図8に示したように、非提供ブランドではブランド特典が提供されないことから、提携ポイントの獲得において、単店ポイント画面720が表示されず、また、タブ721についても表示されないようになっている。
【0077】
(単店ポイントの獲得に係る報知について)
次に、他の店舗利用アプリを使用することによって単店ポイントを獲得可能な旨を報知することについて説明する。利用情報取得部613は、ブランドごとに用意されるツールを介して、利用したブランドを示す利用ブランド情報を取得する。ツールとは、店舗利用アプリである。ただし、ツールは、各ブランドのWebサイトとしてもよい。利用ブランド情報は、POS端末装置20から利用実績管理サーバ10へ送信される利用情報に含まれる情報であり、利用実績管理サーバ10から取得される。
【0078】
例えば、顧客が「牛丼○○」に来店し、「ステーキ○○」の店舗利用アプリを用いて、ポイントの獲得を試みることがある。この場合、POS端末装置20は、顧客端末装置30における「ステーキ○○」の店舗利用アプリを介して、「牛丼○○」に来店したことを示す利用ブランド情報を含む利用情報を利用実績管理サーバ10へ送信することになる。このため、提携ポイントについては、支障なく獲得することは可能である。ただし、単店ポイントを獲得することができなくなってしまう。具体的には、利用情報が示す利用ブランド(牛丼○○)が、特典提供ブランドであるものの、アプリブランド(ステーキ○○)とは異なることがある。このまま、「ステーキ○○」の店舗利用アプリを使用したとすると、顧客は「牛丼○○」の単店ポイントを獲得することができなくなってしまう。
【0079】
そこで、本実施形態では、このような場合に、「牛丼○○」の店舗利用アプリを使用することによって「牛丼○○」の単店ポイントを獲得することができる旨を報知するようにしている。具体的には、報知部614は、「ステーキ○○」の店舗利用アプリにおいて、利用情報が示す店舗の店舗利用アプリ(牛丼○○)を介して利用情報を取得することによって単店ポイントを取得可能な旨を報知する。
【0080】
なお、利用ブランド(例えば、牛丼○○)が、特典提供ブランドであるか否かの判断(特典提供ブランド判断)は、例えば、利用実績管理サーバ10によって行われる。特典提供ブランド判断は、具体的には、利用情報のうちの利用ブランド情報が示すブランドが、特典提供ブランドに該当するか否かの判断である。
【0081】
また、利用ブランド(例えば、牛丼○○)と、店舗利用アプリが示すアプリブランド(例えば、ステーキ○○)とが異なるか否かの判断(アプリブランド判断)は、例えば、利用実績管理サーバ10によって行われる。アプリブランド判断は、利用情報のうちのアプリブランド情報が示すアプリブランドと、利用情報のうちの利用ブランド情報が示す利用ブランドとが異なるか否かの判断である。これらの判断結果は、利用実績管理サーバ10から顧客端末装置30へ送信される。なお、特典提供ブランド判断およびアプリブランド判断は、利用実績管理サーバ10によって行われることに限らず、顧客端末装置30によって行われてもよい。
【0082】
図9は、単店ポイントの獲得に係る報知を行う場合の画面の一例を示す説明図である。
図9では、顧客が「牛丼○○」の店舗に訪れて、「ステーキ○○」の店舗利用アプリを用いてポイントの獲得を試みようとする場合の画面遷移について説明する。
図9(A)は、「ステーキ○○」のトップ画面910を示す。トップ画面910は、
図7(A)に示したトップ画面710と同様に、ブランド表示領域711と、獲得ポイント表示領域712と、獲得開始ボタン713とを含む。
【0083】
獲得ポイント表示領域712は、顧客が獲得した単店ポイント数と、提携ポイント数とを示す表域である。図示において、単店ポイント数は「1」を示し、提携ポイント数は「3」を示す。トップ画面910において、獲得開始ボタン713が押下されると、例えば、
図9(B)に示す単店ポイント画面920に遷移する。
【0084】
図9(B)は、単店ポイント画面920を示す。単店ポイント画面920では、提携ポイントが獲得されたことにより、獲得ポイント表示領域712の提携ポイント数は「4」を示す。単店ポイント画面920は、
図7(B)に示した単店ポイント画面720と同様に、タブ721と、単店ポイント領域722とを含む。ただし、単店ポイント画面920は、獲得開始ボタン713を含まず、「牛丼○○」の単店ポイント722aが獲得されないようになっている。
【0085】
単店ポイント領域722の単店ポイント722aは、「ステーキ○○」のブランドを示す単店ポイントである。
また、単店ポイント画面920は、アプリ報知921を含む。アプリ報知921は、「牛丼○○」の店舗利用アプリを使用することによって、「牛丼○○」の単店ポイント722aが獲得されることを示す報知である。
【0086】
なお、単店ポイント画面920において、「牛丼○○」の店舗利用アプリに移動させることを示すアイコン(ボタン)を表示させるようにしてもよい。また、「牛丼○○」の店舗利用アプリが顧客端末装置30にインストールされていない場合には、単店ポイント画面920において、「牛丼○○」の店舗利用アプリのインストールを誘導するアイコン(ショートカットボタン)を表示させるようにしてもよい。
【0087】
アプリ報知921を行うことにより、顧客に「牛丼○○」の店舗利用アプリの起動やインストールを促すことができる。また、顧客に和食「○○」の単店ポイントを獲得させることができる。
【0088】
なお、単店ポイント画面920において、ポイント獲得ボタン723が表示されるようにしてもよく、この場合、当該ポイント獲得ボタン723の押下に基づいて、提携ポイントを獲得可能にしてもよい。具体的には、表示させたポイント獲得ボタン723が押下されると、顧客識別コード630(QRコード)を読み取り可能に表示した画面に遷移する。当該画面のQRコードをPOS端末装置20のスキャナに読み取らせると、POS端末装置20は、利用実績管理サーバ10へ利用情報を送信する。そして、POS端末装置20が利用実績管理サーバ10に対して提携ポイントの獲得要求を行うことによって、顧客端末装置30は、提携ポイントを獲得するようにすればよい。
【0089】
(利用実績管理システム1が行う処理の流れについて)
図10は、利用実績管理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図10において、顧客端末装置30は、顧客が利用したブランドにおいて、顧客の操作に応じて、店舗利用アプリを起動する(ステップS1001)。さらに、顧客端末装置30は、顧客の操作に応じて、ディスプレイ506に顧客識別コードを表示する(ステップS1002)。顧客識別コード(QRコード)には、アプリブランド情報(起動中の店舗利用アプリが示すブランドの情報)も含まれる。
【0090】
POS端末装置20のスキャナ620は、顧客端末装置30に表示された顧客識別コードを読み取る(ステップS1003)。そして、POS端末装置20は、顧客が利用したブランドを示す利用ブランド情報と、顧客識別情報と、アプリブランド情報と、を含む利用情報を利用実績管理サーバ10へ送信する(ステップS1004)。
【0091】
利用実績管理サーバ10は、POS端末装置20から利用情報を受信する(ステップS1005)。そして、利用実績管理サーバ10は、利用実績DB11を参照し、顧客識別情報によって特定される顧客の利用実績(単店ポイントおよび提携ポイント)を、利用実績を更新して(ステップS1006)、顧客端末装置30へ利用実績を送信する(ステップS1007)。
【0092】
顧客端末装置30は、利用実績管理サーバ10から受信した利用実績をディスプレイ506に表示する(ステップS1008)。ステップS1008では、顧客端末装置30は、起動している店舗利用アプリに応じて、単店ポイントおよび提携ポイントの両方、または、提携ポイントのみを表示する。
【0093】
(顧客端末装置30が行うポイント画面に係る表示制御処理の一例)
図11および
図12は、顧客端末装置30が行うポイント画面に係る表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図11において、顧客端末装置30は、利用実績管理サーバ10から取得した特典提供ブランド判断の判断結果に基づいて、利用ブランドが特典提供ブランドに該当するか否かを判断する(ステップS1101)。
【0094】
利用ブランドが特典提供ブランドに該当する場合(ステップS1101:YES)、顧客端末装置30は、利用実績管理サーバ10から取得したアプリブランド判断の判断結果に基づいて、利用ブランドとアプリブランドとが異なるか否かを判断する(ステップS1102)。
【0095】
利用ブランドとアプリブランドとが同じである場合(ステップS1102:NO)、顧客端末装置30は、顧客からポイントの獲得(例えば、
図7(B)のポイント獲得ボタン723の押下)を受け付けたか否かを判断する(ステップS1103)。ポイントの獲得を受け付けない場合(ステップS1103:NO)、顧客端末装置30は、ステップS1110の処理に進む。
【0096】
一方、ポイントの獲得を受け付けた場合(ステップS1103:YES)、顧客端末装置30は、今回の利用に係るポイントを獲得済みであるか否かを判断する(ステップS1104)。今回の利用に係るポイントを獲得済みである場合(ステップS1104:YES)、顧客端末装置30は、ステップS1110の処理に進む。なお、今回の利用に係るポイントを獲得済みである場合には、ステップS1103において、ポイントの獲得を受け付けないようにしてもよい。
【0097】
一方、今回の利用に係るポイントを獲得済みではない場合(ステップS1104:NO)、顧客端末装置30は、顧客識別コード630(QRコード)を表示する(ステップS1105)。そして、顧客端末装置30は、顧客識別コード630がPOS端末装置20によって読み取られることに基づいて、利用実績管理サーバ10から、単店ポイントおよび提携ポイントを含むポイントを受信したか否かを判断する(ステップS1106)。顧客端末装置30は、ポイントを受信するまで待機し(ステップS1106:NO)、ポイントを受信すると(ステップS1106:YES)、受信したポイントに基づいて、単店ポイントおよび提携ポイントを加算表示し(ステップS1107)、ステップS1110の処理に進む。
【0098】
一方、ステップS1102において、利用ブランドとアプリブランドとが異なる場合(ステップS1102:YES)、顧客端末装置30は、単店ポイントの獲得に係る報知を行う(ステップS1108)。そして、顧客端末装置30は、当該報知に応じた他の店舗利用アプリが起動したか否かを判断する(ステップS1109)。他の店舗利用アプリが起動した場合(ステップS1109:YES)、顧客端末装置30は、ステップS1103の処理に進む。
【0099】
一方、他の店舗利用アプリが起動しない場合(ステップS1109:NO)、顧客端末装置30は、顧客から店舗利用アプリの終了操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS1110)。店舗利用アプリの終了操作を受け付けない場合(ステップS1110:NO)、顧客端末装置30は、単店ポイントの獲得に係る報知中であるか否かを判断する(ステップS1111)。
【0100】
当該報知中である場合(ステップS1111:YES)、顧客端末装置30は、ステップS1109の処理に戻る。一方、当該報知中ではない場合(ステップS1111:NO)、顧客端末装置30は、ステップS1103の処理に戻る。ステップS1110において、店舗利用アプリの終了操作を受け付けた場合(ステップS1110:YES)、顧客端末装置30は、店舗利用アプリを終了し(ステップS1112)、一連の処理を終了する。
【0101】
ステップS1101において、利用ブランドが特典提供ブランドに該当しない場合(ステップS1101:NO)、顧客端末装置30は、顧客から提携ポイントの獲得(例えば、
図8(B)のポイント獲得ボタン723の押下)を受け付けたか否かを判断する(ステップS1201)。提携ポイントの獲得を受け付けない場合(ステップS1201:NO)、顧客端末装置30は、ステップS1206の処理に進む。一方、提携ポイントの獲得を受け付けた場合(ステップS1201:YES)、今回の利用に係る提携ポイントを獲得済みであるか否かを判断する(ステップS1202)。
【0102】
今回の利用に係るポイントを獲得済みである場合(ステップS1202:YES)、顧客端末装置30は、ステップS1206の処理に進む。なお、今回の利用に係るポイントを獲得済みである場合には、ステップS1201において、提携ポイントの獲得を受け付けないようにしてもよい。
【0103】
一方、今回の利用に係る提携ポイントを獲得済みではない場合(ステップS1202:NO)、顧客端末装置30は、顧客識別コード630(QRコード)を表示する(ステップS1203)。そして、顧客端末装置30は、顧客識別コード630がPOS端末装置20によって読み取られることに基づいて、利用実績管理サーバ10から、提携ポイントを受信したか否かを判断する(ステップS1204)。顧客端末装置30は、提携ポイントを受信するまで待機し(ステップS1204:NO)、提携を受信すると(ステップS1204:YES)、受信した提携ポイントに基づいて、提携ポイントを加算表示する(ステップS1205)。
【0104】
そして、顧客端末装置30は、顧客から店舗利用アプリの終了操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS1206)。店舗利用アプリの終了操作を受け付けない場合(ステップS1206:NO)、顧客端末装置30は、ステップS1201に戻る。一方、店舗利用アプリの終了操作を受け付けた場合(ステップS1206:YES)、顧客端末装置30は、店舗利用アプリを終了し(ステップS1207)、一連の処理を終了する。
【0105】
以上説明したように、本実施形態に係る利用実績管理システム1の顧客端末装置30は、顧客の利用に応じて、顧客のブランドへの利用実績を示す単店ポイント画面720(
図7(B)参照)と顧客のグループ内のブランドへの利用実績を示す提携ポイント画面730(
図7(C)参照)とを表示させる。これにより、利用実績に応じて、単店ポイントのみならず、提携ポイントについても顧客に視認させることができる。したがって、グループがあることや、グループに属する他のブランドがあることを顧客に認識させることができ。よって、グループと、グループに属する他のブランドとを効率よく宣伝することができる。
【0106】
また、本実施形態に係る顧客端末装置30は、利用ブランドが非提供ブランドである場合、単店ポイント画面720を表示させずに、提携ポイント画面730を表示させる。これにより、利用ブランドが非提供ブランドである場合でも、グループと、グループに属する他のブランドとを効率よく宣伝することができる。
【0107】
また、本実施形態に係る顧客端末装置30は、単店ポイントの獲得に係る報知を行う。具体的には、顧客端末装置30は、店舗利用アプリを介して取得した利用ブランド情報が示す利用ブランドが、特典提供ブランドであり且つアプリブランドとは異なる場合、利用ブランドの店舗利用アプリを介して利用ブランド情報を取得することによって単店ポイントを取得可能な旨を報知する。これにより、顧客に店舗利用アプリの起動やインストールを促すことができるととものに、単店ポイントを獲得させることができる。
【0108】
また、本実施形態に係る顧客端末装置30は、グループ内の各ブランドの提携ポイントを一覧表示させる。これにより、利用したブランドを顧客に容易に把握させることができる。また、利用していないブランドへの利用を顧客に促すことができる。
【0109】
また、本実施形態に係る顧客端末装置30は、グループ内のブランドごとに異なる表示態様で提携ポイントを表示させる。これにより、利用したブランドを顧客に容易に把握させることができる。また、利用していないブランドへの利用を顧客に促すことができる。
【0110】
また、本実施形態では、利用実績管理システム1において、利用情報は、POS端末装置20を介して利用実績管理サーバ10へ送信される。これにより、顧客が店舗を利用したことを担保することができるため、各ポイントの不正な獲得を抑制することができる。
(実施形態の変形例)
以下に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。以下に説明する変形例や上述した実施形態は、適宜、組み合わせることも可能である。上述した実施形態では、利用情報は、POS端末装置20を介して利用実績管理サーバ10へ送信される例について説明した。変形例では、利用情報は、POS端末装置20を介さずに、顧客端末装置30から利用実績管理サーバ10へ直接送信される例について説明する。
【0111】
変形例において、例えば、POS端末装置20の通信環境が不良な場合など、POS端末装置20から利用実績管理サーバ10へ利用情報を送信できないことも生じ得る。この場合、顧客端末装置30から直接、利用情報を利用実績管理サーバ10へ送信することとする。具体的に説明すると、顧客は、店舗内で顧客端末装置30のカメラ507を起動させる。顧客端末装置30は、カメラ507を起動して、店舗内のディスプレイに表示される利用ブランド情報(ブランドコード:QRコード)を読み取る。
【0112】
当該ディスプレイは、例えば、POS端末装置20の客側ディスプレイ22としてもよいし、客席に設けられる注文用の端末装置のディスプレイとしてもよいし、店舗内に設けられるデジタルサイネージとしてもよい。また、ブランドコードは、ディスプレイに表示されることに限らず、紙媒体等に印刷されていてもよい。ブランドコードが印刷された紙媒体は、POS端末装置20が配置されるカウンタに据え置かれてもよいし、客席に据え置かれてもよいし、顧客に配布されてもよい。
【0113】
(ブランドコードを読み取った後について)
顧客端末装置30は、ブランドコードを読み取ると、ブランドコードから得られる利用ブランド情報と、ブランドコードの読み取りに使用した店舗利用アプリを示すアプリブランド情報と、自装置の顧客識別情報と、を含む利用情報を利用実績管理サーバ10へ送信する。利用実績管理サーバ10は、顧客端末装置30から、利用情報を受信する。このようにしても、利用情報取得部601は、利用情報を取得することが可能である。そして、利用実績管理サーバ10は、利用実績(各種ポイント数)を更新して、更新した利用実績を顧客端末装置30へ送信する。
【0114】
このように、変形例では、顧客端末装置30は、利用ブランド情報を読み取ることにより、利用実績管理サーバ10から送信される利用実績に基づいて、単店ポイント画面と、提携ポイント画面とをディスプレイ506に表示させることが可能である。なお、利用実績管理システム1において、POS端末装置20を介して、利用情報を利用実績管理サーバ10へ送信する態様と、POS端末装置20を介さずに、顧客端末装置30から直接、利用情報を利用実績管理サーバ10へ送信する態様とは、切替え可能にしてもよいし、両方の態様を行えるようにしてもよい。
【0115】
(ポイントの付与に係る情報をQRコード等でレシートに印刷することについて)
ここで、POS端末装置20から印刷されるレシートに、ポイントを付与するための来店ポイント(ブランド)情報をQRコード等で印刷してよい。特に、POS端末装置20でレシートを印刷する場合は、POS端末装置20で顧客識別コード630を読み取った数量に応じて、レシートに来店ポイント情報(例えば、QRコード)の印刷を「する/しない」を切り替えてよい。
【0116】
通常の場合は、上述したように、POS端末装置20側で顧客識別コード630を読み取り、各種ポイントを付与することとする。ここで、例えば、複数人のグループで来店する場合がある。この場合、来店者全員にポイントを付与するために、各顧客の顧客識別コード630を読み取らせることは、不要にPOS端末装置20の占有率を高め、店舗における効率的な運用を図ることができなくなってしまう。
【0117】
そこで、POS端末装置20で、顧客識別コード630をスキャンする上限人数を事前に設定するようにしてもよい。具体的に補足すると、通常、店内での飲食の際には、取引情報に来店者数を紐づけて記憶していることから、付与すべきポイント数の上限人数を事前に設定することができる。
【0118】
一例として、POS端末装置20で顧客識別コード630をスキャンする上限人数を「2」と設定した場合において、5名のグループが来店していたとする。この場合、ポイントを付与する対象人数は「5」であり、そのうちの2人はPOS端末装置20でのスキャンを介したポイントの付与対象者となる。
【0119】
精算の際、当該グループの代表者が精算処理を進めると、POS端末装置20では、上述したように、顧客識別コード630の読取りに係る案内画面が表示される。POS端末装置20ではスキャンする上限人数を「2」に設定していることから、2人分のスキャンが完了するまで決済を待機することとなる。2人分の顧客識別コード630をスキャンすると、POS端末装置20は、スキャンする上限人数が「2」に達したと判断し、決済画面へ遷移し、決済の完了に応じて取引を終了する。
【0120】
当該取引において、POS端末装置20は、レシートに、残3人分のポイントの付与を可能とする来店ポイント情報を印刷する。POS端末装置20を介したポイントの獲得をしていない残り3人は、各々の店舗利用アプリでカメラを起動させて、当該レシートに印刷された来店ポイント情報をスキャンさせる。これにより、顧客端末装置30は、利用実績管理サーバ10にポイントの獲得要求を行って、ポイント獲得をすることができる。その際、レシートを介したポイント付与に係る上限人数を3人に設定しているため、当該来店ポイント情報は3人までは読取り(ポイント付与)が認められている。このため、仮に、4人目が読み取った場合には(4人目が利用実績管理サーバ10にポイントの獲得要求を行った場合には)、ポイントを付与する上限人数に達したことをエラーとして報知し、ポイント付与は認めないよう制御される。
【0121】
また、他の一例として、POS端末装置20でスキャンする上限人数を「2」と設定し、来店者数が2名であったとすると、POS端末装置20は、2名の顧客識別コード630を読み取る。この場合、POS端末装置20は、スキャンする上限人数に達したと判断するとともに、ポイントを付与する上限人数にも達していることから、レシートへの来店ポイント情報の印刷を行わない。よって、POS端末装置20は、精算完了後に、来店ポイント情報を含まないレシートを印刷する。
【0122】
また、店舗利用アプリをインストールしていない顧客に対応するため、POS端末装置20の顧客識別コード630の読取りに係る案内画面は、スキップボタンを含むようにし、読取りの受付をスキップすることもできる。この場合、ポイント付与の上限人数を満たすことはないため、POS端末装置20は、レシートに来店ポイント情報を必ず印刷するようにする。レシートに印刷された来店ポイント情報の読取りは、店舗利用アプリによるカメラでの読取りとすることが可能である。この場合には、店舗利用アプリにより、ポイントの獲得に係る制御が実行され、ポイントが獲得される。
【0123】
また、顧客端末装置30は、店舗利用アプリを起動していない通常のカメラ機能によっても、来店ポイント情報の読み取りを行うことができる。その際は、店舗利用アプリをインストールするための所定のサイトへ案内されるようになっている。そして、所定のサイトにおいて店舗利用アプリのインストールが完了した後に、再度、当該来店ポイント情報を店舗利用アプリによるカメラで読み取ることによってポイントを獲得することができる。
【0124】
(顧客端末装置30の位置情報に基づくポイントの獲得について)
なお、変形例において、ブランドコードが撮像された場合や、ブランドコードが配布可能な紙媒体で印刷されている場合には、顧客は、退店した後、所定時間経過後に、再度ブランドコードの読み取りを行うことで、利用実績(各種ポイント数)の獲得が可能になってしまう。すなわち、利用の事実がないにもかかわらず、ポイントの不正な獲得が可能になってしまう。
【0125】
そこで、顧客端末装置30は、利用情報を利用実績管理サーバ10へ送信する際に、利用情報に、顧客端末装置30の位置情報を含ませるようにする。利用実績管理サーバ10は、利用情報に含まれる利用ブランド情報が示す店舗の位置情報と、顧客端末装置30の位置情報とが所定範囲内(例えば300m以内)にある場合に、ポイントの獲得を許容すればよい。位置情報は、例えば、顧客端末装置30が備えるGPS(Global Positioning System)ユニットによって取得されればよい。これにより、利用の事実がないにもかかわらず、ポイントの不正な獲得を抑えることができる。
【0126】
変形例によれば、上述した実施形態と同様に、利用実績に応じて、単店ポイントのみならず、提携ポイントについても顧客に視認させることができる。したがって、グループに属する他のブランドがあることを顧客に認識させることができ、よって、グループに属する他のブランドを効率よく宣伝することができる。
【0127】
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]プログラム、システム、および表示制御装置
[技術分野]
本発明は、プログラム、システム、および表示制御装置に関する。
[背景技術]
従来、店舗等においては、顧客の利用実績に応じて、当該顧客に特典を付与するサービスが行われている。当該サービスは、例えば、来店ポイント等の利用実績を顧客に獲得させて、当該来店ポイントの獲得数が所定数になると、特典を付与するといったサービスである。
また、近年では、系列店や各種企業が提携したグループで各種サービスを提供したり、特典を付与したりする取り組みも行われている。関連する技術として、企業が提供するサービスに利用可能なポイントを、複数の企業で利用可能な共通ポイントに変換し、共通ポイントでは、当該サービスとは異なるサービスの提供を受けられるようにしたポイント管理システムが開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特許第4077750号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、ユーザがグループ内の一の店舗を利用したとしても、グループ自体を知るきっかけやグループに属する他の店舗を知るきっかけが得られないことがあり、ユーザにグループおよびグループ内の店舗を効率よく宣伝することができないことがある、という問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、グループとグループ内の各店舗とをユーザに効率よく宣伝することを支援する技術を提供することにある。
【0128】
[課題を解決するための手段]
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様であるプログラムは、ユーザが携帯する表示制御装置であって、前記ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムに用いられる前記表示制御装置のコンピュータを、前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段、前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、利用実績に応じて、単店ポイントのみならず、提携ポイントについても顧客に視認させることができる。したがって、グループがあることや、グループに属する他のブランドがあることを顧客に認識させることができ。よって、グループと、グループに属する他のブランドとを効率よく宣伝することができる。
【0129】
(2)上記(1)の構成において、前記複数の店舗は、前記第1特典を提供しない店舗を含み、前記利用実績取得手段は、前記ユーザが利用した店舗が前記第1特典を提供しない店舗である場合、前記第2利用実績を取得し、前記表示制御手段は、前記第1実績画面を表示させずに、前記第2実績画面を表示させるようにしてもよい。
上記構成によれば、利用ブランドが非提供ブランドである場合でも、グループと、グループに属する他のブランドとを効率よく宣伝することができる。
【0130】
(3)上記(2)の構成において、前記コンピュータを、店舗ごとに用意されるツールを介して、利用した店舗の店舗情報を取得する店舗情報取得手段、前記店舗情報が示す店舗が、前記第1特典を提供する店舗であり且つ前記ツールが示す店舗とは異なる店舗である場合、前記店舗情報が示す店舗のツールを介して前記店舗情報を取得することによって前記第1利用実績を取得可能な旨を報知する報知手段、として機能させるようにしてもよい。
上記構成によれば、顧客に店舗利用アプリの起動やインストールを促すことができるととものに、単店ポイントを獲得させることができる。
【0131】
(4)上記(1)~(3)のいずれかの構成において、前記表示制御手段は、前記グループ内の各店舗の前記第2利用実績を一覧表示させるようにしてもよい。
上記構成によれば、利用したブランドを顧客に容易に把握させることができる。また、利用していないブランドへの利用を顧客に促すことができる。
【0132】
(5)上記(1)~(4)のいずれかの構成において、前記表示制御手段は、前記グループ内の店舗ごとに異なる表示態様で前記第2利用実績を表示させるようにしてもよい。
上記構成によれば、利用したブランドを顧客に容易に把握させることができる。また、利用していないブランドへの利用を顧客に促すことができる。
【0133】
(6)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるシステムは、ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムであって、前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段と、前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とするシステムである。
上記構成によれば、利用実績に応じて、単店ポイントのみならず、提携ポイントについても顧客に視認させることができる。したがって、グループがあることや、グループに属する他のブランドがあることを顧客に認識させることができ。よって、グループと、グループに属する他のブランドとを効率よく宣伝することができる。
【0134】
(7)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である表示制御装置は、ユーザが携帯する表示制御装置であって、前記ユーザの利用実績に基づいて、当該店舗で利用可能な第1特典と、当該店舗を含む複数の店舗が提携するグループ内の各店舗で利用可能な第2特典と、を前記ユーザに提供するシステムに用いられる前記表示制御装置において、前記表示制御装置は、前記ユーザの当該店舗の利用に応じて、前記ユーザの当該店舗への利用実績を示す第1利用実績と前記ユーザの前記グループ内の店舗への利用実績を示す第2利用実績とを取得する利用実績取得手段と、前記第1利用実績に基づく第1実績画面と、前記第2利用実績に基づく第2実績画面とを表示部に表示させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする表示制御装置である。
上記構成によれば、利用実績に応じて、単店ポイントのみならず、提携ポイントについても顧客に視認させることができる。したがって、グループがあることや、グループに属する他のブランドがあることを顧客に認識させることができ。よって、グループと、グループに属する他のブランドとを効率よく宣伝することができる。
【0135】
なお、上記において説明した顧客端末装置30における各機能(入出力、記憶、処理(判断を含む))の全部または一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0136】
具体的には、上述した説明では、顧客端末装置30が、利用実績取得部611と、表示制御部612と、利用情報取得部613と、報知部614とを備える構成について説明した。各機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、各機能部のうち全部または一部が、利用実績管理サーバ10に具備されていてもよいし、POS端末装置20に具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、各機能部を具備するコンピュータ装置は、複数台であってもよいし、1台であってもよい。
【0137】
上記に関連し、顧客端末装置30は、顧客の利用に応じて、顧客のブランドへの利用実績を示す単店ポイント画面720(
図7(B)参照)と顧客のグループ内のブランドへの利用実績を示す提携ポイント画面730(
図7(C)参照)とを表示させることに関して、入出力のインターフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、顧客端末装置30は、各種の入力(操作者の操作、スキャナ等のデバイスによる検出)を受け付け、入力情報(操作情報等)を利用実績管理サーバ10に送信し、当該入力情報に基づく利用実績管理サーバ10の処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0138】
なお、以上に説明した利用実績管理システム1、および顧客端末装置30を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0139】
1…利用実績管理システム、10…利用実績管理サーバ、20…POS端末装置、30…顧客端末装置、501…CPU、502…メモリ、505…入力デバイス、506…ディスプレイ、601…利用情報取得部、602…更新部、603…送信部、611…利用実績取得部、612…表示制御部、613…利用情報取得部、614…報知部