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特開2023-176445画像形成装置、プログラム、および、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176445
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】画像形成装置、プログラム、および、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
G03G21/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088725
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】澤井 賢司
(72)【発明者】
【氏名】森 淳一郎
【テーマコード(参考)】
2H270
【Fターム(参考)】
2H270KA04
2H270LA17
2H270LA18
2H270LD03
2H270MB14
2H270MB17
2H270NC23
2H270RA03
2H270RA04
2H270RA11
2H270RA12
2H270RA14
2H270RB04
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できるようにする。
【解決手段】CPUは、(D)に示す第3診断モードでは、診断対象画像形成部200とは異なる他の画像形成部を作動させて、この他の画像形成部が形成した識別画像が、診断用画像が形成される用紙に転写されるようにする。第3診断モードでは、露光処理を行わず、感光体ドラム11の軸方向および感光体ドラム11の周方向に延びる帯状のトナー画像が形成され、識別画像の形成そのものを行えない。このため、第3診断モードでは、他の画像形成部を作動させて、他の画像形成部が形成した識別画像が用紙に転写されるようにする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に転写される画像を形成する複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部である診断対象画像形成部が形成した診断用画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにするプロセッサと、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記診断用画像の色とは異なる色の画像を形成する画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記診断用画像の色が黒色である場合、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部が形成したマゼンタ色の前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記診断用画像の色が黒以外の色である場合、黒色の画像を形成する画像形成部が形成した黒色の前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記診断用画像が転写された前記記録媒体上の当該診断用画像と前記情報表示画像とが重なるように当該情報表示画像の前記転写が行われるようにする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部が特定の条件下にて前記診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部が像保持体に対する露光処理を行わないで前記診断用画像を形成する条件下において当該診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部が像保持体に対する帯電処理および露光処理を行わないで前記診断用画像を形成する条件下において当該診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部を構成する複数の構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するための前記診断用画像が当該診断対象画像形成部にて形成される場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部に設けられた像保持体の軸方向における全域に亘って当該像保持体の上に前記診断用画像が形成される場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
記録媒体に転写される画像を形成する複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部である指定画像形成部が形成した画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにするプロセッサと、
を備える画像形成装置。
【請求項12】
複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部である診断対象画像形成部が形成した診断用画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにする機能を、
コンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項13】
複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部である指定画像形成部が形成した画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにする機能を、
コンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項14】
複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部が形成した診断用画像と、
情報を表す画像である情報表示画像であって前記複数の画像形成部のうちの他の画像形成部が形成した情報表示画像と、
が形成された記録媒体。
【請求項15】
前記診断用画像と、前記情報表示画像とが重なっている、
請求項14に記載の記録媒体。
【請求項16】
前記診断用画像は、黒色であり、
前記情報表示画像は、マゼンタ色である、
請求項15に記載の記録媒体。
【請求項17】
前記診断用画像は、黒以外の色であり、
前記情報表示画像は、黒色である、
請求項15に記載の記録媒体。
【請求項18】
複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部が形成した画像と、
情報を表す画像である情報表示画像であって前記複数の画像形成部のうちの他の画像形成部が形成した情報表示画像と、
が形成された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラム、および、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1バイアス現像方式によって形成された第2テスト画像に筋画像が発生しているとき、筋画像の原因箇所が露光部以外であると判別する原因箇所判別部を備える画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5999113号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成部を用い記録媒体に転写される画像を形成する場合において、画像形成条件によっては、形成を望む画像をこの画像形成部にて形成できない事態が生じうる。また、画像形成部を用い画像を形成すると、この画像形成部が形成しようとしている他の画像の形成領域が小さくなるなどの不具合が生じうる。
本発明の目的は、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録媒体に転写される画像を形成する複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部である診断対象画像形成部が形成した診断用画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにするプロセッサと、を備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断用画像の色とは異なる色の画像を形成する画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断用画像の色が黒色である場合、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部が形成したマゼンタ色の前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断用画像の色が黒以外の色である場合、黒色の画像を形成する画像形成部が形成した黒色の前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断用画像が転写された前記記録媒体上の当該診断用画像と前記情報表示画像とが重なるように当該情報表示画像の前記転写が行われるようにする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断対象画像形成部が特定の条件下にて前記診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断対象画像形成部が像保持体に対する露光処理を行わないで前記診断用画像を形成する条件下において当該診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断対象画像形成部が像保持体に対する帯電処理および露光処理を行わないで前記診断用画像を形成する条件下において当該診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断対象画像形成部を構成する複数の構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するための前記診断用画像が当該診断対象画像形成部にて形成される場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断対象画像形成部に設けられた像保持体の軸方向における全域に亘って当該像保持体の上に前記診断用画像が形成される場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、記録媒体に転写される画像を形成する複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部である指定画像形成部が形成した画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにするプロセッサと、を備える画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部である診断対象画像形成部が形成した診断用画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにする機能を、コンピュータに実現させるためのプログラムである。
請求項13に記載の発明は、複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部である指定画像形成部が形成した画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにする機能を、コンピュータに実現させるためのプログラムである。
請求項14に記載の発明は、複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部が形成した診断用画像と、情報を表す画像である情報表示画像であって前記複数の画像形成部のうちの他の画像形成部が形成した情報表示画像と、が形成された記録媒体である。
請求項15に記載の発明は、前記診断用画像と、前記情報表示画像とが重なっている、請求項14に記載の記録媒体である。
請求項16に記載の発明は、前記診断用画像は、黒色であり、前記情報表示画像は、マゼンタ色である、請求項15に記載の記録媒体である。
請求項17に記載の発明は、前記診断用画像は、黒以外の色であり、前記情報表示画像は、黒色である、請求項15に記載の記録媒体である。
請求項18に記載の発明は、複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部が形成した画像と、情報を表す画像である情報表示画像であって前記複数の画像形成部のうちの他の画像形成部が形成した情報表示画像と、が形成された記録媒体である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できる。
請求項2の発明によれば、診断用画像の色とは異なる色の画像を形成する画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
請求項3の発明によれば、診断用画像の色が黒色である場合に、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部が形成したマゼンタ色の情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
請求項4の発明によれば、診断用画像の色が黒以外の色である場合に、黒色の画像を形成する画像形成部が形成した黒色の情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
請求項5の発明によれば、診断用画像が転写された記録媒体上の診断用画像と情報表示画像とが重なるように情報表示画像の転写が行われるようにすることができる。
請求項6の発明によれば、診断対象画像形成部が特定の条件下にて診断用画像を形成する場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
請求項7の発明によれば、診断対象画像形成部が像保持体に対する露光処理を行わないで診断用画像を形成する条件下において診断用画像を形成する場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
請求項8の発明によれば、診断対象画像形成部が像保持体に対する帯電処理および露光処理を行わないで診断用画像を形成する条件下において診断用画像を形成する場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
請求項9の発明によれば、診断対象画像形成部を構成する複数の構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するための診断用画像が診断対象画像形成部にて形成される場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
請求項10の発明によれば、診断対象画像形成部に設けられた像保持体の軸方向における全域に亘って像保持体の上に診断用画像が形成される場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
請求項11の発明によれば、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できる。
請求項12の発明によれば、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できる。
請求項13の発明によれば、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できる。
請求項14の発明によれば、記録媒体上の情報表示画像が、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成された記録媒体を提供できる。
請求項15の発明によれば、画像同士を重ねて印字する場合に、診断用画像の色と異なる色で情報表示画像を形成することで、情報表示画像の読み取りを可能とすることができる。
請求項16の発明によれば、情報表示画像の色がイエローである場合に比べ、情報表示画像を読み取る場合の読み取りの成功率を高めることができる。
請求項17の発明によれば、情報表示画像の色が黒以外の色である場合に比べ、情報表示画像を読み取る場合の読み取りの成功率を高めることができる。
請求項18の発明によれば、記録媒体上の情報表示画像が、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成された記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置を示した図である。
図2】制御部のハードウエアの構成を示した図である。
図3】現像装置を説明する図である。
図4】(A)、(B)は、診断用画像および識別画像が形成された用紙の一例を示した図である。
図5】(A)、(B)は、診断用画像および識別画像が形成された用紙の他の一例を示した図である。
図6】(A)~(E)は、画像形成部の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100を示した図である。
画像形成装置100は、タンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置100である。
この画像形成装置100には、記録媒体の一例である用紙50に転写される画像を形成する複数の画像形成部200が設けられている。
【0009】
画像形成部200の各々は、像保持体の一例としての感光体ドラム11を備え、乾式の現像剤を用い、用紙50に転写される画像であるトナー画像をこの感光体ドラム11上に形成する。言い換えると、画像形成部200の各々は、粉体状の現像剤を用いて、用紙50に転写されるトナー画像をこの感光体ドラム11上に形成する。
本実施形態の現像剤は、粉体状の乾式キャリアと粉体状の乾式トナーとにより構成され、画像形成部200の各々は、粉体状の乾式キャリアおよび粉体状の乾式トナーを用い、トナー画像を感光体ドラム11上に形成する。この例では、キャリアは、正の帯電極性を有し、トナーは、負の帯電極性を有する。
なお、このように乾式の現像剤を用いるのに限らず、湿式の現像剤を用いてもよい。
【0010】
画像形成部200の各々は、種類が互いに異なるトナーを用いて、トナー画像を感光体ドラム11上に形成する。
本実施形態では、第1画像形成部200Y、第2画像形成部200M、第3画像形成部200C、第4画像形成部200Kの4つの画像形成部200が設けられている。
本実施形態では、中間転写ベルト15の移動方向において、第1画像形成部200Y、第2画像形成部200M、第3画像形成部200C、第4画像形成部200Kの順で、各画像形成部200が設けられている。
第1画像形成部200Yは、イエロー色のトナーを用いてトナー画像を形成する。第2画像形成部200Mは、マゼンタ色のトナーを用いてトナー画像を形成する。第3画像形成部200Cは、シアン色のトナーを用いてトナー画像を形成する。第4画像形成部200Kは、黒色のトナーを用いてトナー画像を形成する。
【0011】
また、画像形成装置100には、中間転写体の一例としての中間転写ベルト15と、画像形成部200の各々にて形成されたトナー画像をこの中間転写ベルト15に転写するための一次転写部10とが設けられている。
さらに、画像形成装置100には、中間転写ベルト15上に転写されたトナー画像を用紙50に転写するための二次転写部20が設けられている。
【0012】
また、画像形成装置100には、用紙50に転写されたトナー画像をこの用紙50上に定着させる定着装置60が設けられている。
さらに、画像形成装置100には、プログラムを実行するCPUを備え、画像形成装置100内の各部を制御する制御部40が設けられている。
また、画像形成装置100には、表示パネル等により構成されユーザからの指示を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示する表示装置45が設けられている。表示装置45は、タッチパネルにより構成され、ユーザへの情報の表示の他に、ユーザからの指示を受け付ける。
【0013】
図2は、制御部40のハードウエアの構成を示した図である。
制御部40には、処理部201と、情報を記憶する情報記憶装置202とが設けられている。
処理部201は、コンピュータにより構成されている。
処理部201は、後述する各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPU(=Central Processing Unit)211を有する。また、処理部201は、ソフトウエアが記憶されたROM(=Read Only Memory)212と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)213とを有する。
情報記憶装置202は、ハードディスクドライブ、半導体メモリ、磁気テープなど、既存の装置により実現される。
処理部201と情報記憶装置202とは、バス206や不図示の信号線を通じて接続される。
【0014】
CPU211によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、制御部40へ提供しうる。また、CPU211によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、制御部40へ提供してもよい。
【0015】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0016】
図1を再度参照し、画像形成装置100についてさらに説明する。
画像形成部200の各々には、現像装置14が設けられている。現像装置14は、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視画像化する。
また、画像形成部200の各々には、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12、感光体ドラム11上に静電潜像を形成する露光装置13が設けられている。
【0017】
画像形成部200の各々では、像保持体の一例としての感光体ドラム11は、矢印A方向に回転する。
露光装置13としては、例えば、レーザを出射するレーザ露光器が一例に挙げられる。また、露光装置13としては、その他に、例えば、LEDなどの光源を複数備えた露光装置も挙げられる。図1では、露光装置13から出射される光を符号Bmで示している。
【0018】
図3は、現像装置14を説明する図である。
現像装置14は、現像剤を収容する収容部141を備える。収容部141は、例えば、樹脂製の収容筺体142により構成される。現像装置14は、画像形成装置100のフロント側からリア側に向かう方向(図1の紙面と直交する方向)に沿って延びるように配置されている。
【0019】
収容筺体142には、感光体ドラム11(図1参照)と対向する箇所に、開口部143が設けられている。
この開口部143には、感光体ドラム11の表面に現像剤を付着させるための現像ロール145が設けられている。現像ロール145は、円柱状に形成され、画像形成装置100のフロント側からリア側に向かう方向(図3の紙面と直交する方向)に沿って延びるように配置されている。
【0020】
現像ロール145には、円筒体により構成され、図3の矢印8A方向への回転を行う現像スリーブ145Aが設けられている。また、現像ロール145には、現像スリーブ145Aの内側に配置された磁石ロール145Bが設けられている。現像スリーブ145Aは、例えば、SUS等の金属により構成される。
また、現像装置14には、現像剤の搬送を行う第1搬送部材146および第2搬送部材147が設けられている。
【0021】
第1搬送部材146は、画像形成装置100のフロント側からリア側に向かう方向に沿って延びるように配置され、現像剤を、例えば、画像形成装置100のリア側へ搬送する。
また、第2搬送部材147も、画像形成装置100のフロント側からリア側に向かう方向に沿って延びるように配置され、現像剤を、画像形成装置100のフロント側へ搬送する。
【0022】
さらに、本実施形態では、収容筺体142の内部の空間が、仕切り壁148により仕切られ、収容筺体142の内部には、感光体ドラム11側に位置する第1空間148Aと、感光体ドラム11から離れた側に位置する第2空間148Bとが設けられている。
本実施形態では、第1空間148Aに、第1搬送部材146が設置され、第2空間148Bに、第2搬送部材147が設置されている。
【0023】
仕切り壁148は、収容筺体142の長手方向における全域に亘って形成されていない。収容筺体142の奥側および手前側では、仕切り壁148が設けられていない。
収容筺体142の長手方向における両端部には、仕切り壁148が形成されていない非形成部分が存在する。
これにより、本実施形態では、現像装置14の内部にて、現像剤が循環移動を行う。
【0024】
具体的には、本実施形態では、第1搬送部材146により、第1空間148A内の現像剤が、図3の紙面の奥側方向に向かって搬送される。そして、この現像剤は、収容筺体142の奥側の端部に到達すると、非形成部分を通って、第2空間148Bへ移動する。
第2空間148Bへ移動した現像剤は、第2搬送部材147により、図3の紙面の手前側方向に向かって搬送される。そして、この現像剤は、収容筺体142の手前側の端部に設けられた非形成部分を通って、第1空間148Aへ移動する。
以後、現像剤のこの移動が繰り返し行われ、現像装置14の内部では、現像剤の循環移動が行われる。また、本実施形態では、現像剤のこの循環移動により、現像剤が攪拌される。
【0025】
さらに、現像装置14には、現像ロール145の上方に、層規制部151が設けられている。この層規制部151は、現像ロール145の表面に付着した現像剤の一部の移動を規制して、現像ロール145の表面に付着した現像剤の厚さを予め定められた厚さとする。
【0026】
磁石ロール145Bには、磁石ロール145Bの周方向に沿って並んだ7極の磁極N1~N4(N極)、S1~S3(S極)が設けられている。
磁極N3(ピックアップ極)は、第1搬送部材146により搬送される現像剤を吸引する。これにより、本実施形態では、現像スリーブ145Aの表面に、この現像剤が付着する。
磁極S2(トリミング極)は、層規制部151とともに、現像ロール145の表面に付着した現像剤の厚さを、予め定められた厚さとする。
【0027】
磁極S3、N2、N1は、搬送極としての役割を有し、現像スリーブ145A上の現像剤を、現像スリーブ145Aの回転方向における下流側へ移動させる。
磁極S1(現像極)は、隣接する磁極N1とともに、現像剤の穂立ちを形成する。本実施形態では、穂立ちの状態にある現像剤に含まれるトナーが、感光体ドラム11(図1参照)の表面へ移動し、このトナーが、像保持体の一例としてのこの感光体ドラム11に付着する。
【0028】
これにより、現像が行われ、感光体ドラム11上にトナー画像が形成される。
このトナー画像は、感光体ドラム11により一時的に保持される状態となり、回転する感光体ドラム11によって一次転写部10(図1参照)まで移動する。
磁極N4(ピックオフ極)は、隣接する磁極N3とともに反発磁界を形成し、現像スリーブ145Aの表面に付着している現像剤を、現像スリーブ145Aから離脱させる。
【0029】
図1を再度参照し、画像形成装置100についてさらに説明する。
画像形成部200の各々には、感光体ドラム11上に形成されたトナー画像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
また、画像形成部200の各々には、感光体ドラム11上に残った現像剤を除去するドラムクリーナ17が設けられている。
【0030】
中間転写ベルト15は、不図示のモータにより駆動される駆動ロール31によって図1に示す矢印B方向に予め定められた速度で循環移動する。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向配置される一次転写ロール16を含んで構成される。そして、各々の感光体ドラム11上のトナー画像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上には、重畳されたトナー画像が形成される。
【0031】
二次転写部20は、中間転写ベルト15の外面側に配置される二次転写ロール22と、中間転写ベルト15の内面側に配置されるバックアップロール25とを含んで構成される。
本実施形態では、この二次転写部20にて、画像形成部200により形成され中間転写ベルト15上に転写されたトナー画像が、二次転写部20へ搬送されてきた用紙50に転写される。
【0032】
画像形成装置100にて行われる処理の流れを説明する。
画像形成装置100は、例えば、図示しない画像読取装置やPC等から出力される画像データを受信する。そして、画像形成装置100では、この画像データに対して、画像処理が施される。これにより、複数設けられた画像形成部200の各々に対応した画像データが生成される。
具体的には、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の4色分の画像データが生成される。生成された画像データは、画像形成部200に設けられた露光装置13へ出力される。
【0033】
露光装置13は、入力された画像データに応じて、例えば半導体レーザから出射された光を、感光体ドラム11に照射する。
本実施形態では、各感光体ドラム11の表面が帯電装置12によって帯電された後、露光装置13によってこの表面への走査露光が行われる。これにより、感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。
次いで、現像装置14による現像処理が行われ、感光体ドラム11上にトナー画像が形成される。このトナー画像は、一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。
【0034】
トナー画像が中間転写ベルト15上に転写された後、中間転写ベルト15の移動により、このトナー画像が二次転写部20へ移動する。また、このとき、第1用紙収容部53(図1参照)や第2用紙収容部54からの用紙50が、搬送ロール52等によって、二次転写部20へ搬送される。
そして、中間転写ベルト15上のトナー画像が、二次転写部20において、用紙50上に一括して静電転写される。
【0035】
その後、トナー画像が転写された用紙50は、中間転写ベルト15から剥離され、搬送ベルト55(図1参照)へ搬送される。搬送ベルト55は、用紙50を定着装置60まで搬送する。
定着装置60に搬送された用紙50は、定着装置60にて、加熱および加圧される。これにより、用紙50上のトナー画像がこの用紙50に定着する。そして、この用紙50は、画像形成装置100から排出される。
【0036】
ここで、本実施形態では、複数設けられた画像形成部200の各々についての故障の診断を行えるようになっている。より具体的には、本実施形態では、複数設けられた画像形成部200の各々について、故障の有無の特定、故障が生じている箇所の特定を行えるようになっている。
本実施形態では、画像形成部200についての診断が行われる場合、例えば、まず、オペレータなどの指定者が、表示装置45等に対する操作を行い、診断の対象となる画像形成部200の指定を行う。
【0037】
本実施形態では、指定者によって指定された画像形成部200が、診断の対象となる診断対象画像形成部200となる。
なお、診断の対象となる診断対象画像形成部200の指定は、指定者によらずに、画像形成装置100のCPU211が、予め定められた条件に従って行ってもよい。
また、CPU211は、複数設けられた画像形成部200の指定を順に行い、全ての画像形成部200について、診断が行われるようにしてもよい。
【0038】
指定され診断の対象となった診断対象画像形成部200は、予め定められた診断用画像を、像保持体である感光体ドラム11上に形成する。そして、感光体ドラム11上に形成されたこの診断用画像は、中間転写ベルト15に一旦転写され、次いで、用紙50に転写される。
また、本実施形態では、診断用画像が転写されるこの用紙50に対し、診断用画像とは別に、診断に関する情報などの各種の情報の付与が行われる。
【0039】
本実施形態では、以下の通り、診断用画像が転写される用紙50に対し、情報として、識別情報が付与される場合を一例に説明する。
但し、用紙50に付与される情報は、識別情報に限らず、診断が行われた日時を示す日時情報や、形成される診断用画像についての情報や、指定者についての情報など、識別情報以外の情報であってもよい。
また、その他に、用紙50には、情報として、識別情報、および、識別情報以外の情報の両者が付与されるようにしてもよい。
ここで、識別情報とは、この識別情報が対応付けられる情報と、他の情報との識別に用いられる情報を指す。
【0040】
本実施形態では、用紙50に識別情報が付与されるにあたり、用紙50に対して、識別情報を表す画像である識別画像が形成される。言い換えると、本実施形態では、用紙50に対して、情報を表す画像である情報表示画像が形成される。識別画像は、情報表示画像の一例である。
本実施形態では、識別画像は、識別情報を符号化したものより構成される。具体的には、本実施形態は、識別画像は、いわゆる二次元バーコードにより構成される。なお、識別画像は、その他に、一次元のバーコードなどの他の形態の画像であってもよい。また、その他に、識別画像は、識別情報をテキスト形式で表現したものとしてもよい。言い換えると、識別画像は、識別情報を文字により表したものであってもよい。
なお、識別情報以外の情報を用紙50に付すにあたっても、この情報を符号化したものを用紙50に付してもよいし、この情報をテキスト形式で表現したものを付してもよい。
【0041】
本実施形態では、上記の通り、診断用画像が転写される用紙50に対し、識別情報が付与される。より具体的には、本実施形態では、上記の通り、診断用画像が転写されるこの用紙50に対し、識別情報を表す画像である識別画像が形成される。言い換えると、本実施形態では、診断用画像が転写される用紙50に対し、情報を表示する画像である情報表示画像が形成される。
本実施形態では、この識別画像は、後述するように、診断用画像を形成する画像形成部200とは異なる他の画像形成部200が形成する。
他の画像形成部200が形成したこの識別画像は、中間転写ベルト15に一旦転写され、次いで、この中間転写ベルト15から用紙50に転写される。
【0042】
本実施形態では、診断用画像が用紙50に形成される際、プロセッサの一例としてのCPU211が、他の画像形成部200を作動させて、この他の画像形成部200に設けられた感光体ドラム11上に、識別画像が形成されるようにする。
言い換えると、本実施形態では、指定者が指定した画像形成部200が形成した診断用画像が用紙50に転写されてこの用紙50に形成される場合、CPU211が、他の画像形成部200を作動させて、この他の画像形成部200に設けられた感光体ドラム11上に、識別画像が形成されるようにする。
【0043】
そして、本実施形態では、感光体ドラム11上に形成されたこの識別画像が、中間転写ベルト15に転写され、次いで、この中間転写ベルト15から、診断用画像が転写される用紙50に対して転写される。
これにより、本実施形態では、1つの共通の用紙50に、診断用画像、識別画像が形成される。
【0044】
その後、本実施形態では、診断用画像、識別画像が形成されたこの用紙50を基に、診断対象画像形成部200の診断が行われる。
具体的には、例えば、上記の指定者が、診断用画像、識別画像が形成されたこの用紙50を目視で確認して、診断対象画像形成部200についての診断を行う。
【0045】
より具体的には、指定者は、診断対象画像形成部200における故障の有無についての診断を行う。
また、指定者は、診断対象画像形成部200に故障が生じていると判断した場合、診断対象画像形成部200を構成する複数の構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するための診断を行う。
より具体的には、本実施形態では、診断対象画像形成部200に、感光体ドラム11、帯電装置12、露光装置13、現像装置14、一次転写ロール16などの構成要素が設けられているが、指定者は、これらの中から、不具合が生じている構成要素を特定するための診断を行う。
【0046】
また、その他に、例えば、診断用画像、識別画像が形成された上記の用紙50は、スキャナ装置により読み取られる。これにより、読み取り画像データが生成される。そして、この読み取り画像データが、例えば、管理サーバ(不図示)に送信される。
そして、この管理サーバや、この管理サーバにアクセスする診断者によって、診断対象画像形成部200についての診断が行われる。
【0047】
具体的には、管理サーバや診断者は、上記と同様、診断対象画像形成部200における故障の有無についての診断を行う。
また、管理サーバや診断者は、診断対象画像形成部200に故障が生じていると判断した場合、診断対象画像形成部200を構成する構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するための診断を行う。
【0048】
本実施形態では、このように、CPU211は、診断対象画像形成部200が診断用画像を形成する場合、他の画像形成部200を作動させて、この他の画像形成部200が形成した識別画像が、診断用画像が形成される用紙50に転写されるようにする。
これにより、診断対象画像形成部200が形成した診断用画像と、この診断対象画像形成部200とは異なる他の画像形成部200が形成した識別画像とが形成された用紙50が生成される。
【0049】
言い換えると、本実施形態では、指定者が指定した画像形成部200が形成した画像と、指定者が指定したこの画像形成部200とは異なる他の画像形成部200が形成した識別画像とが形成された用紙50が生成される。
言い換えると、本実施形態では、指定者が指定した画像形成部200が形成した画像が付され、また、この画像形成部200とは異なる他の画像形成部200が形成し識別情報などの情報を含んだ画像が付された用紙50が生成される。
【0050】
用紙50に識別画像が形成される場合、診断用画像が形成された用紙50の各々の識別を行えるようになる。より具体的には、例えば、用紙50毎に識別画像を異ならせれば、診断用画像が形成された用紙50の各々の識別を行える。
また、例えば、画像形成部200毎に識別画像を異ならせれば、診断用画像を形成した画像形成部200が何れの画像形成部200であるかの識別を行える。
また、例えば、画像形成装置100毎に識別画像を異ならせれば、診断用画像を形成した画像形成装置100の識別を行える。
また、例えば、用紙50に形成される診断用画像毎に識別画像を異ならせれば、用紙50に形成された診断用画像の各々の識別を行える。
【0051】
識別画像としては、このように、用紙50の各々を識別するための識別画像、画像形成部200の各々を識別するための識別画像、画像形成装置100の各々を識別するための識別画像、診断用画像の各々を識別するための識別画像などが挙げられる。
用紙50には、これらの識別画像のうちの1つの種類の識別画像が形成されるようにしてもよいし、2種類以上の識別画像が形成されるようにしてもよい。
また、用紙50には、この識別画像に加え、又は、この識別画像に替えて、識別情報以外の情報を含んだ画像が付されるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、識別情報以外のこの情報が用紙50に付される場合も、診断対象画像形成部200とは異なる他の画像形成部200が、この情報を含みこの情報に対応する画像を形成する。
【0052】
図4(A)、(B)は、診断用画像および識別画像が形成された用紙50の一例を示した図である。なお、図4(A)は、用紙50を側方から見た場合の状態を示した図であり、図4(B)は、図4(A)の矢印IVBで示す方向から用紙50を見た場合の図である。言い換えると、図4(B)は、用紙50を正面から見た場合の図である。
図4にて示す例では、図4(A)、(B)に示すように、用紙50のほぼ全面に亘って、黒色の診断用画像91が形成されている。さらに、この例では、図4(A)に示すように、診断用画像91の上に、マゼンタ色の識別画像93が形成されている。
【0053】
本実施形態では、CPU211は、診断対象画像形成部200が診断用画像91を形成する場合、図4(A)、(B)に示すように、診断用画像91の上に識別画像93が転写されるように、複数設けられた画像形成部200についての制御を行う。
CPU211は、診断対象画像形成部200が診断用画像91を形成する場合、図4(A)に示すように、診断用画像91が転写された用紙50に載っているこの診断用画像91の上に識別画像93が載るように、識別画像93の形成が行われるようにする。
本実施形態では、図4(A)に示すように、診断用画像91を挟み用紙50が位置する側とは反対側に、識別画像93が設けられる形となる。
【0054】
本実施形態では、図1に示すように、中間転写ベルト15の移動方向において、マゼンタ色の識別画像93を形成する第2画像形成部200Mが、黒色の診断用画像91を形成する第4画像形成部200Kよりも上流側に位置する。
診断用画像91、識別画像93の形成にあたっては、まず、第2画像形成部200Mが形成したマゼンタ色の識別画像93が、中間転写ベルト15に転写され、この中間転写ベルト15に載る。
【0055】
次いで、本実施形態では、中間転写ベルト15上の、マゼンタ色の識別画像93が、第4画像形成部200Kに達したときに、第4画像形成部200Kが形成した黒色の診断用画像91が、中間転写ベルト15に転写される。
これにより、中間転写ベルト15上に、マゼンタ色の識別画像93と黒色の診断用画像91とが、重なった状態で形成される。
その後、本実施形態では、マゼンタ色の識別画像93と黒色の診断用画像91とが重なった状態で、これらの画像が、二次転写部20にて、用紙50に転写される。これにより、図4(A)、(B)にて示す用紙50が生成される。
【0056】
CPU211は、用紙50への識別画像93の形成にあたり、診断用画像91の色とは異なる色の画像を形成する画像形成部200が形成した識別画像93が用紙50に転写されるようにする。
具体的には、本実施形態では、CPU211は、例えば、診断用画像91の色が黒色である場合、マゼンタ色の画像を形成する第2画像形成部200Mが形成したマゼンタ色の識別画像93が用紙50に転写されるようにする。
言い換えると、CPU211は、例えば、診断の対象が第4画像形成部200Kであり、診断用画像91の色が黒色となる場合、マゼンタ色の画像を形成する第2画像形成部200Mを作動させて、マゼンタ色の識別画像93が形成されるようにする。
【0057】
また、その他に、CPU211は、例えば、診断用画像91の色が黒色である場合、シアン色の画像を形成する第3画像形成部200Cが形成したシアン色の識別画像93が用紙50に転写されるようにする。
言い換えると、CPU211は、例えば、診断の対象が第4画像形成部200Kであり、診断用画像91の色が黒色となる場合、シアン色の画像を形成する第3画像形成部200Cを作動させて、シアン色の識別画像93が形成されるようにする。
【0058】
なお、診断用画像91の色が黒色となる場合において、一色のみを用いて識別画像93を形成する場合は、識別画像93の色は、マゼンタ色とすることが好ましい。
発明者の実験によると、識別画像93の色が、シアン色やイエロー色よりもマゼンタ色である場合の方が、識別画像93の機械読み取りを行った際の識別画像93の認識率が高まった。
【0059】
また、その他に、CPU211は、診断用画像91の色が黒以外の色である場合、例えば、黒色の画像を形成する画像形成部200が形成した黒色の識別画像93が用紙50に転写されるようにする。
言い換えると、CPU211は、診断用画像91の色が、例えば、黒色以外の色であるシアン色や、マゼンタ色や、イエロー色である場合、黒色の画像を形成する第4画像形成部200Kを作動させて、黒色の識別画像93が形成されるようにする。
この場合、図5(診断用画像および識別画像が形成された用紙50の他の一例を示した図)の(A)、(B)に示すように、用紙50の上に、黒色の識別画像93が載り、この黒色の識別画像93の上に、黒以外の色の診断用画像91が載る状態となる。
【0060】
図6(A)~(E)は、画像形成部200の状態を示した図である。
図6(A)では、画像形成部200の通常時の状態を示している。言い換えると、図6(A)は、画像形成部200が通常の画像形成を行う際における画像形成部200の状態を示した図である。
本実施形態では、通常時には、帯電装置12を用い感光体ドラム11の帯電を行って、感光体ドラム11の表面の電位をVHとする。
【0061】
また、通常時には、露光装置13を用い、感光体ドラム11への光の照射を選択的に行い、画像を形成する部分については、感光体ドラム11の電位を、現像ロール145の電位よりも小さい電位VLとする。
これにより、感光体ドラム11のうちの電位VLとなった部分に、現像ロール145からのトナーが付着し、この電位VLとなった部分には、トナー画像が形成される。そして、このトナー画像が、中間転写ベルト15を介して用紙50に転写され、用紙50にこのトナー画像が形成される。
【0062】
通常時において、形成される画像の濃度を低下させる場合、図6(A)の符号6Aで示すように、感光体ドラム11に光が照射される時間の他に、感光体ドラム11に光が照射されない時間を設けるようにし、画像が形成されない非形成部分を形成するようにする。
感光体ドラム11のうちの光が照射される箇所には、ドット状のトナー画像が形成されるが、光が照射されない非照射箇所には、トナーが付着せず、空白の領域となる。
【0063】
本実施形態では、このドット状のトナー画像の大小、および、空白の領域の大小によって、形成される画像の濃度が変化し、この空白の領域が相対的に大きくなると、ユーザには、画像の濃度が低下しているように見える。
本実施形態では、通常の画像形成時には、スクリーンで濃度制御を行って、形成される画像の濃度を低下させる。
【0064】
図6(B)~(E)は、診断の処理が行われる際の診断対象画像形成部200の状態を示した図である。
本実施形態では、複数の診断モードが存在し、指定者により指定された診断モードに応じて、診断対象画像形成部200が作動する。本実施形態では、4つの診断モードが存在する。
【0065】
本実施形態では、診断対象画像形成部200が、4つの診断モードの何れかの診断モード下にて診断用画像91を形成する場合に、他の画像形成部200が形成した識別画像93が用紙50に転写されるようにする。
言い換えると、本実施形態では、画像形成部200のモードが、4つの診断モードの何れかの診断モードにあるという特定の条件下にあり、この特定の条件下にて診断用画像91が形成される場合に、他の画像形成部200が形成した識別画像93が用紙50に転写されるようにする。
【0066】
図6(B)に示す第1診断モードでは、上記と同様、感光体ドラム11の帯電を行って、感光体ドラム11の表面の電位をVHとする。
また、図6(B)に示すこの第1診断モードでは、露光装置13を用い、感光体ドラム11への光の照射を継続して行う。言い換えると、この処理例では、上記の空白の領域が形成されないように、感光体ドラム11への光の照射を継続して行う。
【0067】
また、図6(B)に示すこの第1診断モードでは、画像の濃度が小さい診断用画像91が形成されるようにする。
具体的には、この第1診断モードでは、図6(A)にて示した通常時に比べ、露光装置13の出力を低下させて、感光体ドラム11の表面の電位と、現像ロール145の電位との差Vsを小さくする。
これにより、第1診断モードでは、画像の濃度が小さい診断用画像91が形成される。
ここで、この第1診断モードでは、濃度が小さい診断用画像91の形成にあたり、上記の空白の領域を設けるのではなく、露光量自体を小さくして、濃度が小さい診断用画像91を形成する。
【0068】
第1診断モードでは、露光の出力が小さい状態で露光が一様に行われるようになり、この露光が一様に行われた領域の全体に亘って、現像ロール145からのトナーが付着し、この領域の全体に亘って、診断用画像91が形成される。
この第1診断モードでは、露光装置13から出射される光にムラ等があると、形成されるこの診断用画像91に、このムラ等に起因する濃淡がより明確に現れる。
この場合、診断対象画像形成部200に不具合があることの特定を行える。言い換えると、この場合、診断対象画像形成部200の何れかの構成要素に不具合があることの特定を行える。
【0069】
上記の通常時のように、ドット状の画像と空白の領域とを作って画像の濃度を低下させる場合、仮に、形成される複数のドット状の画像にムラ等があっても、このムラ等の影響が診断用画像91に現れにくい。
これに対し、図6(B)に示した第1診断モードでは、診断用画像91に、例えば、濃度ムラなどがより顕著に現れるようになり、画像形成部200に不具合があることがより明確となる。
【0070】
本実施形態では、第1診断モードでの診断を行う場合、他の画像形成部200を作動させて、この他の画像形成部200に、識別画像93の形成を行わせる。
これにより、この第1診断モードでは、用紙50に、診断対象画像形成部200が形成した診断用画像91の他に、他の画像形成部200が形成した識別画像93が載るようになる。
【0071】
第1診断モードでは、後述する第3診断モードや第4診断モードとは異なり、露光装置13を作動させるため、診断対象画像形成部200において、識別画像93の形成を行える。
しかしながら、診断対象画像形成部200において、診断用画像91の形成に加え、識別画像93の形成を行う場合、処理の途中で、各構成要素の電位などを変化させる必要が生じる。この場合、処理が複雑化したり、処理を途中で変化させることに起因する障害である二次障害が発生したりするおそれがある。
【0072】
また、第1診断モードにおいて、途中から識別画像93を形成する場合、診断用画像91の面積が小さくなるおそれがある。この場合、周期的に画像の濃度が変化する周期ムラなどの検出を行いにくくなる。
診断用画像91の面積が小さくなると、診断用画像91の面積が小さくならない場合に比べ、診断用画像91に、1周期分の周期ムラが含まれる可能性が低下する。
周期ムラの検出には、少なくとも1周期分の周期ムラが含まれるようにすることが好ましく、上記のように、診断用画像91の面積が小さくなると、この周期ムラの検出を行いにくくなる。
【0073】
そこで、本実施形態では、第1診断モードでの処理を行う場合、他の画像形成部200を作動させて、この他の画像形成部200に、識別画像93の形成を行わせる。
この場合、診断対象画像形成部200における処理条件を途中で変化させずに、識別画像93の形成を行える。また、この場合、診断用画像91の形成領域が小さくなることが抑制され、周期ムラなどの検出を行いやすくなる。
【0074】
図6(C)は、第2診断モードでの処理が行われる場合における診断対象画像形成部200の状態を示した図である。
第2診断モードでは、上記の第1診断モードに比べて、感光体ドラム11の帯電電位VH、現像ロール145の電位を小さくする。また、第2診断モードでは、露光装置13を用い、感光体ドラム11への光の照射を継続して行うとともに、上記の第1診断モードに比べ、露光装置13の出力を上げる。
【0075】
この第2診断モードでは、感光体ドラム11の帯電電位VHが小さくなっており、さらに、露光装置13の出力が上がるため、露光を行うと、感光体ドラム11の電位が、感光体ドラム11の残留電位まで低下する。
さらに、この第2診断モードでは、上記と同様、感光体ドラム11の表面が一様に露光される。そして、一様に露光された部分に対して、現像剤が付着し、上記と同様、診断用画像91として、上記の空白領域がないトナー画像が形成される。
【0076】
この第2診断モードでは、帯電装置12、露光装置13に軽微な不具合があったとしても、この不具合の影響が、感光体ドラム11の電位に影響を与えない形となる。この場合、帯電装置12、露光装置13に不具合があったとしても、この不具合の影響が、診断用画像91に現れにくくなる。
この処理例では、帯電装置12、露光装置13の不具合の有無に関わらず、感光体ドラム11の電位が、残留電位まで低下する形となり、帯電装置12、露光装置13の不具合の有無に関わらず、感光体ドラム11の電位は、ほぼ一定の値の電位となる。
【0077】
ここで、感光体ドラム11の電位が残留電位まで低下しない、上記の第1診断モードにおいて形成された診断用画像91に、例えば濃度ムラや筋などの画像欠陥が現れた場合を想定する。
その一方で、感光体ドラム11の電位が残留電位まで低下するこの第2診断モードにおいて形成された診断用画像91に、この画像欠陥が生じなかった場合を想定する。
この場合は、一次転写部10や、現像装置14には不具合が無いとの検出を行えるようになる。
【0078】
本実施形態では、第2診断モードにおけるこの処理が行われる場合も、他の画像形成部200を作動させて、この他の画像形成部200に、識別画像93の形成を行わせる。
第2診断モードでも、露光装置13を作動させるため、診断対象画像形成部200にて識別画像93の形成を一応行えるが、上記と同様の理由により、第2診断モードにおけるこの処理でも、他の画像形成部200に、識別画像93の形成を行わせる。
これにより、この第2診断モードでも、用紙50に、診断対象画像形成部200が形成した診断用画像91の他に、他の画像形成部200が形成した識別画像93が載るようになる。
【0079】
図6(D)は、第3診断モードにおける診断対象画像形成部200の状態を示した図である。
この第3診断モードでは、符号6Cに示すように、感光体ドラム11の帯電電位VHよりも現像ロール145の電位を高くする。また、この第3診断モードでは、感光体ドラム11に対する露光処理を行わない。
この場合も、現像ロール145に付着しているトナーが、感光体ドラム11へ移動し、感光体ドラム11の表面には、一様なトナー画像が形成される。
【0080】
この第3診断モードの場合、感光体ドラム11の軸方向における全域に亘って感光体ドラム11上に診断用画像91が形成され、感光体ドラム11の軸方向および感光体ドラム11の周方向の両者に延びる帯状の診断用画像91が、感光体ドラム11上に形成される。
この第3診断モードでは、露光処理を行わないため、トナーの付着箇所についての制御が行われず、軸方向における全域が帯電された感光体ドラム11の軸方向における全域に亘って、感光体ドラム11にトナーが付着する。
ここで、「感光体ドラム11の軸方向における全域」とは、感光体ドラム11のうちのトナー画像の形成が予定されている領域の全域を指し、感光体ドラムの軸方向における一端部と他端部との間の全域を指すものではない。
【0081】
第3診断モードでは、露光装置13に不具合があるか否かの検出を行える。
ここで、露光処理を行う上記の第1診断モードにおいて、診断用画像91に例えば筋状の画像欠陥が発生し、露光処理を行わないこの第3診断モードにおいて、この筋状の画像欠陥が発生しなかった場合は、露光装置13に不具合があることの検出を行える。
【0082】
本実施形態では、CPU211は、この第3診断モードにおいても、他の画像形成部200を作動させて、この他の画像形成部200が形成した識別画像93が、診断用画像91が形成される用紙50に転写されるようにする。
この処理例では、上記の通り、露光処理を行わず、感光体ドラム11の軸方向および感光体ドラム11の周方向に延びる帯状のトナー画像が形成され、識別画像93の形成そのものを行えない。
【0083】
このため、本実施形態では、この第3診断モードにおいても、他の画像形成部200を作動させて、他の画像形成部200が形成した識別画像93が用紙50に転写されるようにする。
本実施形態では、このように、感光体ドラム11に対する露光処理を行わないで診断用画像91を形成する場合、CPU211が、他の画像形成部200を作動させて、この他の画像形成部200に、識別画像93の形成を行わせる。
【0084】
これにより、この場合も、診断対象画像形成部200が形成する診断用画像91が形成される用紙50に対して、識別画像93の形成を行える。
より具体的には、この第3診断モードでは、図4(A)、(B)にて示した用紙50、又は、図5(A)、(B)にて示した用紙50が生成される。
【0085】
なお、第3診断モードにおいても、露光処理は一応可能であるが、上記の通り、処理の途中から処理条件を変えると、処理が複雑化したり、また、二次障害が発生したりするおそれがある。
具体的には、二次障害としては、現像装置14にあるキャリアが、感光体ドラム11に移動するなどの不具合が生じるおそれがある。より具体的には、第3診断モードでは、符号6Dで示すように、仮に露光処理を行うと、感光体ドラム11と現像ロール145の電位差Vdが大きくなり、現像装置14にあるキャリアが、感光体ドラム11に移動するなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、他の画像形成部200が識別画像93を形成する場合は、この不具合の発生を抑えられる。
【0086】
図6(E)は、第4診断モードにおける診断対象画像形成部200の状態を示した図である。
この第4診断モードでは、感光体ドラム11の電位を零とする。また、感光体ドラム11の電位よりも、現像ロール145の電位を高くする。
これにより、この場合も、現像ロール145に付着しているトナーが感光体ドラム11へ移動し、感光体ドラム11の表面に、上記と同様、感光体ドラム11の軸方向および周方向の両者に延びる帯状の診断用画像91が形成される。
【0087】
ここで、この処理例でも、上記と同様、露光を行っておらず、診断対象画像形成部200では、識別画像93の形成を行えないことになる。
また、第4診断モードでは、仮に、露光を行ったとしても、感光体ドラム11のうちのこの露光が行われた箇所の電位は依然として零であり、露光を行っても、識別画像93の形成は行えない。
【0088】
本実施形態では、この第4診断モードにおいても、CPU211が、他の画像形成部200を作動させて、他の画像形成部200が形成した識別画像93が、診断用画像91が形成される用紙50に転写されるようにする。
これにより、この第4診断モードにおいても、診断用画像91が形成された用紙50に、識別画像93が形成される。
より具体的には、この第4診断モードでは、図4(A)、(B)にて示した用紙50、又は、図5(A)、(B)にて示した用紙50が生成される。
【0089】
第4診断モードでは、帯電装置12や露光装置13に存在しうる不具合の検出を行える。
ここで、帯電処理、露光処理を行う上記の第1診断モードにおいて画像欠陥が発生し、帯電処理、露光処理を行わないこの第4診断モードにおいて、この画像欠陥が生じなかった場合、帯電装置12、露光装置13のいずれかに不具合があることの検出を行える。
【0090】
ここで、上記の第2診断モード~第4診断モードは、診断対象画像形成部200を構成する複数の構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するためのモードと言える。
また、第2診断モード~第4診断モードにて形成される診断用画像91は、診断対象画像形成部200を構成する複数の構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するための診断用画像91と言える。
本実施形態では、診断対象画像形成部200が、この第2診断モード~第4診断モードの何れかのモード下で動作する場合、この診断対象画像形成部200が形成した診断用画像91と、他の画像形成部200が形成した識別画像93とが共通の用紙50に載るようになる。
【0091】
また、上記の第1診断モードは、診断対象画像形成部200に不具合が生じているか否かを特定するためのモードと言える。また、第1診断モードにて形成される診断用画像91は、診断対象画像形成部200に不具合が生じているか否かを特定するための診断用画像91と言える。
本実施形態では、診断対象画像形成部200が、この第1診断モード下で動作する場合も、この診断対象画像形成部200が形成した診断用画像91と、他の画像形成部200が形成した識別画像93とが共通の用紙50に載るようになる。
【0092】
(その他)
上記では、中間転写ベルト15が配置された構成であったが、中間転写ベルト15は必須ではなく、画像形成装置100の各々にて形成された画像が、画像形成部200の各々を順に通過する用紙50に直接転写されるようにしてもよい。
このように、画像が用紙50に直接転写される構成では、黒の画像形成部200よりも、マゼンタ等の黒以外の色の画像形成部200を下流側に配置することで、上記と同様、黒の診断用画像91の上に、マゼンタ等の識別画像93の形成を行える。
また、画像が用紙50に直接転写される構成では、黒の画像形成部200を、マゼンタ等の画像形成部200よりも下流側に配置すると、黒以外の色の診断用画像91の上に、黒の識別画像93の形成を行える。
【0093】
また、上記では、1つの診断対象画像形成部200を動作させて、この1つの診断対象画像形成部200に対応する診断用画像91が形成される場合を説明した。言い換えると、上記では、診断対象画像形成部200が1つである場合を一例に説明した。
ところで、これに限らず、診断対象画像形成部200を2つなどの複数としてもよい。
この場合、例えば、2つの診断対象画像形成部200の各々により形成される画像が中間転写ベルト15上にて重なるようにし、この2つの診断対象画像形成部200の各々により形成される画像が重なった画像を、診断用画像91とする。
【0094】
より具体的には、この場合、この2つの診断対象画像形成部200の各々を、上記の第1診断モード~第4診断モードの何れかの診断モードで動作させ、この2つの診断対象画像形成部200の各々により形成される画像が、中間転写ベルト15上にて重なったものを、診断用画像91とする。
より具体的には、例えば、第1画像形成部200Y(図1参照)と第2画像形成部200Mとを動作させ、この2つの診断対象画像形成部200の各々により形成される、イエロー色のトナー画像とマゼンタ色のトナー画像とが重なったものを、診断用画像91とする。
そして、この場合も、上記と同様、例えば、この2つの診断対象画像形成部200以外の他の画像形成部200である第4画像形成部200Kを動作させて、黒色の識別画像93を形成するようにする。
【0095】
(付記)
(((1)))
記録媒体に転写される画像を形成する複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部である診断対象画像形成部が形成した診断用画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにするプロセッサと、
を備える画像形成装置。
(((2)))
前記プロセッサは、
前記診断用画像の色とは異なる色の画像を形成する画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((3)))
前記プロセッサは、
前記診断用画像の色が黒色である場合、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部が形成したマゼンタ色の前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
(((2)))に記載の画像形成装置。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記診断用画像の色が黒以外の色である場合、黒色の画像を形成する画像形成部が形成した黒色の前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
(((2)))に記載の画像形成装置。
(((5)))
前記プロセッサは、
前記診断用画像が転写された前記記録媒体上の当該診断用画像と前記情報表示画像とが重なるように当該情報表示画像の前記転写が行われるようにする、
(((1)))乃至(((4)))の何れかに記載の画像形成装置。
(((6)))
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部が特定の条件下にて前記診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
(((1)))乃至(((5)))の何れかに記載の画像形成装置。
(((7)))
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部が像保持体に対する露光処理を行わないで前記診断用画像を形成する条件下において当該診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
(((6)))に記載の画像形成装置。
(((8)))
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部が像保持体に対する帯電処理および露光処理を行わないで前記診断用画像を形成する条件下において当該診断用画像を形成する場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
(((6)))に記載の画像形成装置。
(((9)))
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部を構成する複数の構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するための前記診断用画像が当該診断対象画像形成部にて形成される場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((10)))
前記プロセッサは、
前記診断対象画像形成部に設けられた像保持体の軸方向における全域に亘って当該像保持体の上に前記診断用画像が形成される場合に、前記他の画像形成部が形成した前記情報表示画像が前記記録媒体に転写されるようにする、
(((1)))に記載の画像形成装置。
(((11)))
記録媒体に転写される画像を形成する複数の画像形成部と、
前記複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部である指定画像形成部が形成した画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにするプロセッサと、
を備える画像形成装置。
(((12)))
複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部である診断対象画像形成部が形成した診断用画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにする機能を、
コンピュータに実現させるためのプログラム。
(((13)))
複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部である指定画像形成部が形成した画像が転写される記録媒体に対し、情報を表す画像である情報表示画像であって他の画像形成部が形成した情報表示画像が転写されるようにする機能を、
コンピュータに実現させるためのプログラム。
(((14)))
複数の画像形成部のうちの診断の対象となっている画像形成部が形成した診断用画像と、
情報を表す画像である情報表示画像であって前記複数の画像形成部のうちの他の画像形成部が形成した情報表示画像と、
が形成された記録媒体。
(((15)))
前記診断用画像と、前記情報表示画像とが重なっている、
(((14)))に記載の記録媒体。
(((16)))
前記診断用画像は、黒色であり、
前記情報表示画像は、マゼンタ色である、
(((15)))に記載の記録媒体。
(((17)))
前記診断用画像は、黒以外の色であり、
前記情報表示画像は、黒色である、
(((15)))に記載の記録媒体。
(((18)))
複数の画像形成部のうちの指定者が指定した画像形成部が形成した画像と、
情報を表す画像である情報表示画像であって前記複数の画像形成部のうちの他の画像形成部が形成した情報表示画像と、
が形成された記録媒体。
【0096】
(((1)))の発明によれば、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できる。
(((2)))の発明によれば、診断用画像の色とは異なる色の画像を形成する画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
(((3)))の発明によれば、診断用画像の色が黒色である場合に、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部が形成したマゼンタ色の情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
(((4)))の発明によれば、診断用画像の色が黒以外の色である場合に、黒色の画像を形成する画像形成部が形成した黒色の情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
(((5)))の発明によれば、診断用画像が転写された記録媒体上の診断用画像と情報表示画像とが重なるように情報表示画像の転写が行われるようにすることができる。
(((6)))の発明によれば、診断対象画像形成部が特定の条件下にて診断用画像を形成する場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
(((7)))の発明によれば、診断対象画像形成部が像保持体に対する露光処理を行わないで診断用画像を形成する条件下において診断用画像を形成する場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
(((8)))の発明によれば、診断対象画像形成部が像保持体に対する帯電処理および露光処理を行わないで診断用画像を形成する条件下において診断用画像を形成する場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
(((9)))の発明によれば、診断対象画像形成部を構成する複数の構成要素のうちの不具合が生じている構成要素を特定するための診断用画像が診断対象画像形成部にて形成される場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
(((10)))の発明によれば、診断対象画像形成部に設けられた像保持体の軸方向における全域に亘って像保持体の上に診断用画像が形成される場合に、他の画像形成部が形成した情報表示画像が記録媒体に転写されるようにすることができる。
(((11)))の発明によれば、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できる。
(((12)))の発明によれば、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できる。
(((13)))の発明によれば、記録媒体への形成を望む画像を、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成できる。
(((14)))の発明によれば、記録媒体上の情報表示画像が、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成された記録媒体を提供できる。
(((15)))の発明によれば、画像同士を重ねて印字する場合に、診断用画像の色と異なる色で情報表示画像を形成することで、情報表示画像の読み取りを可能とすることができる。
(((16)))の発明によれば、情報表示画像の色がイエローである場合に比べ、情報表示画像を読み取る場合の読み取りの成功率を高めることができる。
(((17)))の発明によれば、情報表示画像の色が黒以外の色である場合に比べ、情報表示画像を読み取る場合の読み取りの成功率を高めることができる。
(((18)))の発明によれば、記録媒体上の情報表示画像が、この記録媒体へ形成される画像の形成を行う画像形成部以外の他の画像形成部にて形成された記録媒体を提供できる。
【符号の説明】
【0097】
11…感光体ドラム、50…用紙、91…診断用画像91、93…識別画像93、100…画像形成装置、200…画像形成部、211…CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6