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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176472
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】医療用器具の保持部材
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/02 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A61M25/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088766
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】園原 祥真
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA31
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB05
4C267BB31
4C267BB32
4C267BB39
4C267BB40
4C267GG02
4C267GG06
4C267GG07
4C267GG08
4C267GG09
4C267HH02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使用者が医療用器具を取り外す際に長尺状部が損傷し難い保持部材を提供する。
【解決手段】医療用器具を保持する保持部材であって、保持部材は、長手方向に延在する第1シート10を有し、第1シートは、第1ベース部11と、第1折り返し部12と、を有し、第1折り返し部の第1ベース部に対向する側とは反対側にはハンドル部51が配置されており、第1折り返し部は、ハンドル部に向かって起立している第1フラップ1F、及び第1フラップの起立により形成された第1孔部1Hを有し、第1ベース部は、第1折り返し部に対向する対向部11Fと、第1折り返し部に対向しない非対向部11Nとを有し、対向部は、第1孔部を通じてハンドル部に向かって起立している第2フラップ2Fを有し、非対向部には、長尺状部52の少なくとも一部が配置されており、非対向部は、長尺状部に向かって起立している第3フラップ3Fを有している医療用器具の保持部材。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル部と前記ハンドル部の遠位部から延在している長尺状部とを有する医療用器具を保持する保持部材であって、
前記保持部材は、長手方向に延在する第1シートを有し、
前記第1シートは、第1ベース部と、前記長手方向の一端部側において他端部側に向かって折り返されており前記第1ベース部と対向している第1折り返し部と、を有し、
前記第1折り返し部の前記第1ベース部に対向する側とは反対側には前記ハンドル部が配置されており、
前記第1折り返し部は、前記ハンドル部に向かって起立している第1フラップ、及び前記第1フラップの起立により形成された第1孔部を有し、
前記第1ベース部は、前記第1折り返し部に対向する対向側において、前記第1折り返し部に対向する対向部と、前記第1折り返し部に対向しない非対向部とを有し、
前記対向部は、前記第1孔部を通じて前記ハンドル部に向かって起立している第2フラップを有し、
前記非対向部には、前記長尺状部の少なくとも一部が配置されており、
前記非対向部は、前記長尺状部に向かって起立している第3フラップを有している医療用器具の保持部材。
【請求項2】
前記第1折り返し部の幅は、前記第1ベース部の幅よりも小さいか又は同じ幅である請求項1に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項3】
前記第1シートは、前記第1ベース部の前記対向側において、
前記第1ベース部の幅方向の一端部側で前記長手方向に延在している第1壁部と、
前記第1ベース部の幅方向の他端部側で前記長手方向に延在している第2壁部と、を有している請求項1または2に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項4】
前記医療用器具は、更に、前記ハンドル部の近位部に一端部が接続されている電線を有し、
前記第1折り返し部の前記反対側には、前記電線の少なくとも一部が配置されている請求項1または2に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項5】
前記第1折り返し部は、更に、前記電線に向かって起立している第4フラップ、及び前記第4フラップの起立により形成された第4孔部を有している請求項4に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項6】
前記第1ベース部の前記対向部は、前記第4孔部を通じて前記電線に向かって起立している第5フラップを有している請求項5に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項7】
前記医療用器具は、更に、前記ハンドル部の近位部に一端部が接続されている電線と、前記電線の他端部に接続されているコネクタとを有し、前記第1ベース部の前記非対向部には、前記コネクタが配置されている請求項1または2に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項8】
前記非対向部は、前記コネクタに向かって起立し且つ前記長手方向において互いに対向している一対のフラップを有している請求項7に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項9】
前記保持部材は、更に、長手方向に延在している第2シートを有し、前記第2シートの前記長手方向の一端部側の少なくとも一部は、前記第1ベース部の前記非対向部の上に位置している請求項1または2に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項10】
前記第2シートは、第2ベース部と、前記第2シートの前記長手方向の他端部側において前記一端部側に向かって折り返されており前記第2ベース部と対向している第2折り返し部とを有している請求項9に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項11】
前記医療用器具の前記長尺状部の遠位端は、前記第2ベース部と前記第2折り返し部との間に位置する請求項10に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項12】
前記第2折り返し部の幅は、前記第2ベース部の幅よりも大きいか又は同じ幅である請求項10に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項13】
前記第2シートは、前記第2ベース部の前記第2折り返し部に対向する対向側において、
前記第2ベース部の幅方向の一端部側で前記長手方向に延在している第3壁部と、
前記第2ベース部の前記幅方向の他端部側で前記長手方向に延在している第4壁部と、を有している請求項10に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項14】
前記第2折り返し部は、前記第2ベース部に対向する側において、
幅方向の一端部側で前記長手方向に延在している第5壁部と、
前記幅方向の他端部側で前記長手方向に延在している第6壁部と、を有している請求項13に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項15】
少なくとも前記医療用器具と前記第1シートは、包装袋内に配置されており、
前記医療用器具と前記第1シートが挿入された挿入口は、前記第1シートの前記長手方向の前記一端部側よりも前記他端部側に近い請求項1または2に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項16】
前記第1シートは、更に、前記長手方向の他端部側において前記一端部側に向かって折り返されており前記第1ベース部と対向している第2折り返し部を有している請求項1または2に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項17】
前記医療用器具の前記長尺状部の遠位端は、前記第1ベース部と前記第2折り返し部との間に位置する請求項16に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項18】
前記第2折り返し部の幅は、前記第1ベース部の幅よりも大きいか又は同じ幅である請求項16に記載の医療用器具の保持部材。
【請求項19】
前記第2折り返し部は、前記第1ベース部に対向する側において、
幅方向の一端部側で前記長手方向に延在している第5壁部と、
前記幅方向の他端部側で前記長手方向に延在している第6壁部と、を有している請求項16に記載の医療用器具の保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用器具の保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、ガイディングカテーテル等の医療用器具を所定形状で保持する保持台紙が知られていた。例えば特許文献1には、長尺のシャフトを有するカテーテルを保持する保持面を有する長尺なシート材で構成されたカテーテル保持台紙であって、カテーテルを保持するカテーテル保持部を備え、カテーテル保持部は、シート材の長手方向に沿って配置され、シャフトを保持面との間で挟持する複数のタブを有し、複数のタブには、シャフトが挟持された状態でシャフトに当接する位置に シャフトに沿うように第1切込みが形成されていることを特徴とするカテーテル保持台紙が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-18209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の保持台紙では、保持台紙に設けられた複数の保持片により、医療用器具の長尺状のシャフトと把持部分であるハンドルとが保持されていたが、使用者が医療用器具を無理矢理取り外そうとして、長尺状のシャフトを損傷させてしまう場合があった。本発明は上記の様な問題に着目してなされたものであって、その目的は、使用者が医療用器具を取り外す際に長尺状部が損傷し難い保持部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決することのできた実施の形態に係る医療用器具の保持部材は、以下の通りである。
[1]ハンドル部と前記ハンドル部の遠位部から延在している長尺状部とを有する医療用器具を保持する保持部材であって、
前記保持部材は、長手方向に延在する第1シートを有し、
前記第1シートは、第1ベース部と、前記長手方向の一端部側において他端部側に向かって折り返されており前記第1ベース部と対向している第1折り返し部と、を有し、
前記第1折り返し部の前記第1ベース部に対向する側とは反対側には前記ハンドル部が配置されており、
前記第1折り返し部は、前記ハンドル部に向かって起立している第1フラップ、及び前記第1フラップの起立により形成された第1孔部を有し、
前記第1ベース部は、前記第1折り返し部に対向する対向側において、前記第1折り返し部に対向する対向部と、前記第1折り返し部に対向しない非対向部とを有し、
前記対向部は、前記第1孔部を通じて前記ハンドル部に向かって起立している第2フラップを有し、
前記非対向部には、前記長尺状部の少なくとも一部が配置されており、
前記非対向部は、前記長尺状部に向かって起立している第3フラップを有している医療用器具の保持部材。
【0006】
上記の通りハンドル部は、第1折り返し部において第1フラップ、第2フラップの少なくとも2重のフラップにより保持されているため、ハンドル部は保持部材から外れ難くなる。その結果、使用者が医療用器具を取り外す際に、意図していないタイミングでハンドル部が保持部材から外れて落下することに伴う長尺状部の損傷を回避し易くすることができる。また、第1シートが第1ベース部と第1折り返し部とを有していることにより、第1ベース部の非対向部と第1折り返し部との間に高低差が生じる結果、長尺状部と非対向部との間に隙間が生じるため、使用者は長尺状部をつまんで第3フラップから取り外しし易くなる。その結果、医療用器具を取り外す際の長尺状部の損傷を低減することができる。
【0007】
実施の形態に係る医療用器具の保持部材は、以下の[2]~[19]のいずれかであることが好ましい。
[2]前記第1折り返し部の幅は、前記第1ベース部の幅よりも小さいか又は同じ幅である[1]に記載の医療用器具の保持部材。
[3]前記第1シートは、前記第1ベース部の前記対向側において、
前記第1ベース部の幅方向の一端部側で前記長手方向に延在している第1壁部と、
前記第1ベース部の幅方向の他端部側で前記長手方向に延在している第2壁部と、を有している[1]または[2]に記載の医療用器具の保持部材。
[4]前記医療用器具は、更に、前記ハンドル部の近位部に一端部が接続されている電線を有し、
前記第1折り返し部の前記反対側には、前記電線の少なくとも一部が配置されている[1]~[3]のいずれか一項に記載の医療用器具の保持部材。
[5]前記第1折り返し部は、更に、前記電線に向かって起立している第4フラップ、及び前記第4フラップの起立により形成された第4孔部を有している[4]に記載の医療用器具の保持部材。
[6]前記第1ベース部の前記対向部は、前記第4孔部を通じて前記電線に向かって起立している第5フラップを有している[5]に記載の医療用器具の保持部材。
[7]前記医療用器具は、更に、前記ハンドル部の近位部に一端部が接続されている電線と、前記電線の他端部に接続されているコネクタとを有し、前記第1ベース部の前記非対向部には、前記コネクタが配置されている[1]~[6]のいずれか一項に記載の医療用器具の保持部材。
[8]前記非対向部は、前記コネクタに向かって起立し且つ前記長手方向において互いに対向している一対のフラップを有している[7]に記載の医療用器具の保持部材。
[9]前記保持部材は、更に、長手方向に延在している第2シートを有し、前記第2シートの前記長手方向の一端部側の少なくとも一部は、前記第1ベース部の前記非対向部の上に位置している[1]~[8]のいずれか一項に記載の医療用器具の保持部材。
[10]前記第2シートは、第2ベース部と、前記第2シートの前記長手方向の他端部側において前記一端部側に向かって折り返されており前記第2ベース部と対向している第2折り返し部とを有している[9]に記載の医療用器具の保持部材。
[11]前記医療用器具の前記長尺状部の遠位端は、前記第2ベース部と前記第2折り返し部との間に位置する[10]に記載の医療用器具の保持部材。
[12]前記第2折り返し部の幅は、前記第2ベース部の幅よりも大きいか又は同じ幅である[10]または[11]に記載の医療用器具の保持部材。
[13]前記第2シートは、前記第2ベース部の前記第2折り返し部に対向する対向側において、
前記第2ベース部の幅方向の一端部側で前記長手方向に延在している第3壁部と、
前記第2ベース部の前記幅方向の他端部側で前記長手方向に延在している第4壁部と、を有している[10]~[12]のいずれか一項に記載の医療用器具の保持部材。
[14]前記第2折り返し部は、前記第2ベース部に対向する側において、
幅方向の一端部側で前記長手方向に延在している第5壁部と、
前記幅方向の他端部側で前記長手方向に延在している第6壁部と、を有している[10]~[13]のいずれか一項に記載の医療用器具の保持部材。
[15]少なくとも前記医療用器具と前記第1シートは、包装袋内に配置されており、
前記医療用器具と前記第1シートが挿入された挿入口は、前記第1シートの前記長手方向の前記一端部側よりも前記他端部側に近い[1]~[14]のいずれか一項に記載の医療用器具の保持部材。
[16]前記第1シートは、更に、前記第1シートの前記長手方向の他端部側において前記一端部側に向かって折り返されており前記第1ベース部と対向している第2折り返し部を有している[1]~[8]、[15]のいずれか一項に記載の医療用器具の保持部材。
[17]前記医療用器具の前記長尺状部の遠位端は、前記第1ベース部と前記第2折り返し部との間に位置する[16]に記載の医療用器具の保持部材。
[18]前記第2折り返し部の幅は、前記第1ベース部の幅よりも大きいか又は同じ幅である[16]または[17]に記載の医療用器具の保持部材。
[19]前記第2折り返し部は、前記第1ベース部に対向する側において、
幅方向の一端部側で前記長手方向に延在している第5壁部と、
前記幅方向の他端部側で前記長手方向に延在している第6壁部と、を有している[16]~[18]のいずれか一項に記載の医療用器具の保持部材。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使用者が医療用器具を取り外す際に長尺状部が損傷し難い保持部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る医療用器具の保持部材の平面図である。
図2図2は、図1のA-A断面を示す断面図である。
図3図3は、第1折り返し部を折り返す前の第1シートの斜視図である。
図4図4は、図1の保持部材の第1フラップの拡大図である。
図5図5は、図1の保持部材の第1フラップの変形例の拡大図である。
図6図6は、第2実施形態に係る医療用器具の保持部材の平面図である。
図7図7は、図6のB-B断面を示す断面図である。
図8図8は、第3実施形態に係る医療用器具の保持部材の平面図である。
図9図9は、第4実施形態に係る医療用器具の保持部材の一部の平面図である。
図10図10は、図9のC-C断面を示す断面図である。
図11図11は、図9のD-D断面を示す断面図である。
図12図12は、包装袋内に配置された第4実施形態に係る医療用器具の保持部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0011】
本発明の実施の形態に係る医療用器具の保持部材は、ハンドル部とハンドル部の遠位部から延在している長尺状部とを有する医療用器具を保持する保持部材であって、保持部材は、長手方向に延在する第1シートを有し、第1シートは、第1ベース部と、長手方向の一端部側において他端部側に向かって折り返されており第1ベース部と対向している第1折り返し部と、を有し、第1折り返し部の第1ベース部に対向する側とは反対側にはハンドル部が配置されており、第1折り返し部は、ハンドル部に向かって起立している第1フラップ、及び第1フラップの起立により形成された第1孔部を有し、第1ベース部は、第1折り返し部に対向する対向側において、第1折り返し部に対向する対向部と、第1折り返し部に対向しない非対向部とを有し、対向部は、第1孔部を通じてハンドル部に向かって起立している第2フラップを有し、非対向部には、長尺状部の少なくとも一部が配置されており、非対向部は、長尺状部に向かって起立している第3フラップを有している。
【0012】
上記の通りハンドル部は、第1折り返し部において第1フラップ、第2フラップの少なくとも2重のフラップにより保持されているため、保持部材から外れ難くくなる。その結果、使用者が医療用器具を取り外す際に、意図していないタイミングでハンドル部が保持部材から外れて落下することに伴う長尺状部の損傷を回避し易くすることができる。また、第1シートが第1ベース部と第1折り返し部とを有していることにより、第1ベース部の非対向部と第1折り返し部との間に高低差が生じる結果、長尺状部と非対向部との間に隙間が生じるため、使用者は長尺状部をつまんで保持部材から取り外しし易くなる。その結果、医療用器具を取り外す際の長尺状部の損傷を低減することができる。
【0013】
以下では、図1図5を参照しながら、第1実施形態に係る医療用器具の保持部材について説明する。図1は、第1実施形態に係る医療用器具の保持部材の平面図である。図2は、図1のA-A断面を示す断面図である。図3は、第1折り返し部を折り返す前の第1シートの斜視図である。図4は、図1の保持部材の第1フラップの拡大図である。図5は、図1の保持部材の第1フラップの変形例の拡大図である。
【0014】
図1図3に示す通り、第1実施形態に係る保持部材40は、長手方向10Xに延在する第1シート10を有している。第1シート10は、ハンドル部51とハンドル部51の遠位部51bから延在している長尺状部52とを有する医療用器具50を保持している。医療用器具50としては、処置用カテーテル、ガイディングカテーテル、または穿刺デバイスが好ましい。処置用カテーテルとしては、例えばバルーンカテーテル、マイクロカテーテル、貫通用カテーテル、アブレーション用カテーテルが挙げられる。ガイディングカテーテルとしては、例えば処置用カテーテルを挿入して、処置用カテーテルを病変部に到達させることが可能なカテーテルが挙げられる。アブレーション用カテーテルとしては、高周波電流により遠位端が発熱し、心臓の一部、動脈瘤、静脈瘤等を焼灼するアブレーション用カテーテルが挙げられる。穿刺デバイスとしては、例えば心房の中隔部分等の生体組織を穿刺する穿刺デバイスが挙げられる。穿刺デバイスは、遠位端が高周波電流で発熱するものであることが好ましい。また保持部材40は、いわゆる台紙であってもよい。
【0015】
図1図3に示す通り、第1シート10は、第1ベース部11と、長手方向10Xの一端部側10aにおいて他端部側10bに向かって折り返されており第1ベース部11と対向している第1折り返し部12と、を有している。図2図3に示す通り、第1ベース部11は、第1折り返し部12に対向する対向側11Uにおいて、第1折り返し部12に対向する対向部11Fと、第1折り返し部12に対向しない非対向部11Nとを有している。
【0016】
図2に示す通り、第1ベース部11の第1折り返し部12に対向する対向側11Uとは、第1ベース部11の高低方向11Zにおいて、第1ベース部11の第1折り返し部12に対向する対向側11Uのことである。
【0017】
図1図2に示す通り、第1折り返し部12の第1ベース部11に対向する側12Lとは反対側12Uにはハンドル部51が配置されている。第1折り返し部12は、ハンドル部51に向かって起立している第1フラップ1F、及び第1フラップ1Fの起立により形成された第1孔部1Hを有している。
【0018】
図2に示す通り、第1ベース部11の対向部11Fは、第1孔部1Hを通じてハンドル部51に向かって起立している第2フラップ2Fを有している。第1ベース部11の非対向部11Nには、長尺状部52の少なくとも一部が配置されており、非対向部11Nは、長尺状部52に向かって起立している第3フラップ3Fを有している。
【0019】
上記の通り、ハンドル部51は、第1折り返し部12において、第1フラップ1F、第2フラップ2Fの少なくとも2重のフラップにより保持されているため、保持部材40から外れ難い。その結果、使用者が医療用器具50を取り外す際に、意図していないタイミングでハンドル部51が保持部材40から外れて落下し、落下したハンドル部51に引っ張られて長尺状部52が第3フラップ3F部分等の保持部分において曲がってしまう等の損傷を回避し易くすることができる。
【0020】
上記の通り、第1シート10の第1ベース部11の対向部11Fが第1孔部1Hを通じてハンドル部51に向かって起立している第2フラップ2Fを有していることにより、第2フラップ2Fが第1折り返し部12の第1孔部1Hを貫通している状態になる。このような第2フラップ2Fにより第1折り返し部12の動きを低減することができるため、第1折り返し部12に配置されたハンドル部51が保持部材40から外れ難くなる。
【0021】
上記の通り、第1シート10の第1ベース部11の対向部11Fが第2フラップ2Fを有し、且つ第1折り返し部12が第1フラップ1Fを有していることにより、第1フラップ1Fと第2フラップ2Fが互いに保護し合うことになる結果、保持部材40に衝撃が加わったときに、いずれか一方のフラップが損傷し難くなる。その結果、衝撃が加わったときにハンドル部51が保持部材40から外れ難くなる。
【0022】
上記の通り、第1シート10が、第1ベース部11と第1折り返し部12を有していることにより、第1シート10の第1ベース部11の非対向部11Nと第1折り返し部12との間に高低差が生じる。その結果、長尺状部52と非対向部11Nとの間には隙間52Sが生じ易くなるため、使用者は長尺状部52をつまんで取り外しし易くなる。
【0023】
上記の通り、第1折り返し部12は、シートが折り返されている部分であり、折り返しにより高さ方向に向かう反発力が生じ易くなる。このような反発力が大きい場合には、ハンドル部51が第1折り返し部12により高さ方向に若干、持ち上げられるため、ハンドル部51の遠位部51bから延在している長尺状部52と非対向部11Nとの間の隙間52Sが大きくなる。その結果、使用者は一層、長尺状部52をつまんで取り外しし易くなる。以下では、保持部材40の各部について詳述する。
【0024】
図2に示す通り、第1シート10の第1折り返し部12は、湾曲部12Cを有していることが好ましい。湾曲部12Cは衝撃を吸収し易い。なお第1折り返し部12は屈曲部を有していてもよい。
【0025】
図1図2に示す通り、第1実施形態に係る保持部材40において、第1シート10の第1ベース部11は、第1シート10のうちの第1折り返し部12以外の部分であって、平面状の平面状部である。当該平面状部は、長手方向10Xに延在することが好ましい。
【0026】
図2図3に示す通り、第1ベース部11と第1折り返し部12は同じシートにより形成されていることが好ましい。これにより第1折り返し部12の高さ方向に向かう反発力を向上させることができる。
【0027】
対向部11Fは、具体的には、ハンドル部51が第1折り返し部12に配置された状態において、第1ベース部11の第1折り返し部12に対向する部分である。対向部11Fの少なくとも一部は、第1折り返し部12と接触していることが好ましい。これにより摩擦が生じ、第1折り返し部12の動きを低減することができるため、ハンドル部51が保持部材40から外れ難くなる。また、対向部11Fの一部は第1折り返し部12と接触し、対向部11Fの他の部分は接触していないことがより好ましい。対向部11Fと接触していない部分は高低方向11Z等の衝撃を吸収し易い。
【0028】
図1図2に示す通り、第1実施形態に係る保持部材40において、非対向部11Nは、第1ベース部11の対向側11Uにおいて、第1折り返し部12に対向していない部分である。非対向部11Nは、対向部11Fと第1折り返し部12が重なった部分よりも柔軟であり、保持部材40が落下したときに衝撃を吸収し易いため、落下時の医療用器具50の損傷を低減し易くすることができる。
【0029】
第1フラップ1Fは、第1折り返し部12においてハンドル部51に向かって起立している。第1フラップ1Fは、第1折り返し部12に設けられた切込みにより形成されていることが好ましい。このように第1フラップ1Fが第1折り返し部12と一体化して形成されていることにより、第1フラップ1Fのハンドル部51に対する保持力が向上する。図1図2に示すように、第1折り返し部12は、第1フラップ1Fを複数有していることが好ましい。これによりハンドル部51を多方向から保持し易くなる。複数の第1フラップ1Fは、長手方向10Xの方向において互いに対向している一対のフラップを含んでいることが好ましい。また後述する図6に示すように、複数の第1フラップ1Fは、幅方向11Yにおいて互いに対向している一対のフラップを含んでいることが好ましい。これによりハンドル部51が一層、保持部材40から外れ難くなる。なお第1折り返し部12は、第1フラップ1Fを一つだけ有していてもよい。この場合、例えば、第1フラップ1Fにより、ハンドル部51の全体を覆うことが可能な形態にし、第1折り返し部12に新たな切込みを設けて、第1フラップ1Fの先端を該切込みに挿入することによりハンドル部51を保持すればよい。
【0030】
第1フラップ1Fの外縁の形状は、U字形、V字形、コの字形、またはS字形であることが好ましく、U字形、またはコの字形であることがより好ましく、コの字形であることが更に好ましい。これにより、第1フラップ1Fはハンドル部51を保持し易くなる。
【0031】
コの字形とは、例えば図4に示す通り、第1の線L1と、第1の線L1の両端を結ぶ仮想線L10によって区画される一方側L10Aと他方側L10Bのうちの一方側L10Aに向かって、第1の線L1の両端からそれぞれ延在している第2の線L2と第3の線L3を含む形状である。コの字形は、第1の線L1と、第2の線L2と、第3の線L3とからなることが好ましい。
【0032】
第1の線L1に対する第2の線L2と第3の線L3の傾斜角度は、それぞれ、70度以上、95度以下であることが好ましく、80度以上、93度以下であることがより好ましく、85度以上、91度以下であることが更に好ましく、最も好ましくは90度である。なお第1の線L1に対する第2の線L2に対する傾斜角度は、第2の線L2の両端を結ぶ仮想線分の、第1の線L1の両端を結ぶ仮想線分に対する傾斜角度である。また第1の線L1に対する第3の線L3に対する傾斜角度は、第3の線L3の両端を結ぶ仮想線分の、第1の線L1の両端を結ぶ仮想線分に対する傾斜角度である。例えば、第2の線L2と第3の線L3の第1の線L1に対する傾斜角度が、それぞれ70度以上、90度未満である場合には、第1フラップ1Fの形状は、先細り形状となる。
【0033】
第2の線L2と第3の線L3は、それぞれ直線であることが好ましい。一方、第1の線L1は、直線であるか又は直線状部を有していることが好ましく、直線状部と、直線状部の両側に曲線状部を有していることが好ましい。第1の線L1が、直線状部の両側に曲線状部を有している場合、コの字形は角丸形状になる。
【0034】
コの字形を形成する第1の線L1は、例えば図5に示す通り、第1直線状部L11と、第2直線状部L12と、第1直線状部L11と第2直線状部L12との間に位置する円孤状部L13を有していてもよい。更に、円孤状部L13は、円孤状部L13に向かって先細りのテーパ状部L14を介して、第1直線状部L11と第2直線状部L12とに連結されていてもよい。これにより、第1フラップ1Fは長尺状部52を一層、保持し易くなる。なお後述する図6図8等では、長尺状部52を保持する第1フラップ1Fと第2フラップ2Fの外縁の形状は、それぞれ、図5に示すフラップの外縁の形状を有している。
【0035】
図1図3に示す通り、第1孔部1Hは、第1フラップ1Fの起立により形成された第1折り返し部12の孔部である。第1孔部1Hにより外部からの衝撃を吸収することができる。更に、第1孔部1Hにより、起立した第2フラップ2Fを第1折り返し部12の反対側12Uに露出させることができる。第1折り返し部12は、第1孔部1Hを複数有していることが好ましい。これにより一層、外部からの衝撃を吸収することができる。なお第1折り返し部12は、第1孔部1Hを一つだけ有していてもよい。
【0036】
図2に示す通り、第2フラップ2Fは、第1ベース部11の対向部11Fに設けられたフラップであり、第1折り返し部12の第1孔部1Hを通じてハンドル部51に向かって起立している。当該構成により、第1フラップ1Fと第2フラップ2Fは重なった状態になり易い。その結果、第1フラップ1Fと第2フラップ2Fが互いに保護し合うことになり、保持部材40に衝撃が加わったときにいずれか一方のフラップが損傷し難くなる。更に、第1フラップ1Fと第2フラップ2Fが重なった状態になることにより保持力が向上する。
【0037】
対向部11Fは、第2フラップ2Fを複数有していることが好ましい。これによりハンドル部51を多方向から保持し易くなる。複数の第2フラップ2Fは、長手方向10Xの方向において互いに対向している一対のフラップを含んでいることが好ましい。また後述する図6に示すように、複数の第2フラップ2Fは、幅方向11Yにおいて互いに対向している一対のフラップを含んでいることが好ましい。これによりハンドル部51が一層、保持部材40から外れ難くなる。なお対向部11Fは、第2フラップ2Fを一つだけ有していてもよい。この場合、例えば、第2フラップ2Fにより、ハンドル部51の全体を覆うことが可能な形態にし、第1折り返し部12に新たな切込みを設けて、第2フラップ2Fの先端を該切込みに挿入することによりハンドル部51を保持すればよい。
【0038】
第2フラップ2Fの外縁の形状は、第1フラップ1Fと同じ形状か、または第1フラップ1Fと相似形状であることが好ましい。これにより、第1フラップ1Fと第2フラップ2Fが互いに補強し易くなる。
【0039】
第2フラップ2Fは、対向部11Fに設けられた切込みにより形成されていることが好ましい。これにより第2フラップ2Fのハンドル部51に対する保持力が向上する。
【0040】
対向部11Fは、第2フラップ2Fの起立により形成された第2孔部2Hを有していることが好ましい。第2孔部2Hにより外部からの衝撃を吸収することができる。なお第2フラップ2Fは、対向部11Fに設けられた切込みにより形成されたものでは無く、所望の形状の小片の基端部を接着剤等により対向部11Fに固定して形成したものであってもよい。当該小片は、対向部11Fと同じ素材からなることが好ましい。
【0041】
また図示していないが、第1シート10は、第1フラップ1Fおよび/または第2フラップ2Fと接触する位置に他のフラップを有していてもよい。他のフラップは、例えば、第1折り返し部12の反対側12Uおよび/または対向部11Fに所望の形状の小片の基端部を接着剤等により固定することにより形成することができる。このような他のフラップにより、第1フラップ1Fと第2フラップ2Fの保持力を一層、向上させることができる。当該小片は、第1折り返し部12および/または対向部11Fと同じ素材からなることが好ましい。
【0042】
図1図2に示す通り、第3フラップ3Fは、非対向部11Nにおいて長尺状部52に向かって起立している。これにより長尺状部52を保持することができる。第3フラップ3Fは、非対向部11Nに設けられた切込みにより形成されていることが好ましい。これにより第3フラップ3Fの長尺状部52に対する保持力が向上する。非対向部11Nは、第3フラップ3Fを複数有していることが好ましい。これにより長尺状部52を多方向から保持し易くなる。複数の第3フラップ3Fは、第1ベース部11の幅方向11Yの一端部側11Yaから他端部側11Ybに向かって延在しているフラップと、他端部側11Ybから一端部側11Yaに向かって延在しているフラップとを有していることが好ましい。これにより長尺状部52が保持部材40から外れ難くなる。なお非対向部11Nは、第3フラップ3Fを一つだけ有していてもよい。図3に示す通り、非対向部11Nは、第3フラップ3Fの起立により形成された第3孔部3Hを有していることが好ましい。第3孔部3Hにより、外部からの衝撃を吸収することができる。
【0043】
第3フラップ3Fの外縁の形状は、U字形、V字形、コの字形、またはS字形であることが好ましく、U字形またはV字形であることがより好ましく、U字形であることが更に好ましい。これにより、第3フラップ3Fの先端をつまみ上げ易くすることができる。
【0044】
第3フラップ3Fは1重のフラップであることが好ましい。これにより長尺状部52を第3フラップ3Fから取り外しし易くなる。
【0045】
第3フラップ3Fの近位端からハンドル部51の遠位端までの最短距離(cm)は、ハンドル部51の高低方向11Zの厚さ(cm)の40倍以下であることが好ましく、25倍以下であることがより好ましい。これにより、長尺状部52がハンドル部51側から持ち上げられた状態になり易く、使用者は長尺状部52をつまんで取り外しし易くなる。更にこれにより、長尺状部52が第3フラップ3Fと接し易くなる結果、落下したときに長尺状部52が第3フラップ3Fから外れ難くなる。一方、当該倍率は、5倍以上であることが好ましく、8倍以上であることがより好ましい。これにより、長尺状部52がハンドル部51側から過度に持ち上げられる状態を回避することができる。
【0046】
第1折り返し部12の幅は、第1ベース部11の幅よりも小さいか又は同じ幅であることが好ましく、第1ベース部11の幅よりも小さいことがより好ましい。これにより、医療用器具50を保持した保持部材40を包装袋や箱等に収納し易くなる。これらの幅は、第1ベース部11の幅方向11Yにおける長さである。第1折り返し部12の幅と、第1ベース部11の幅との差は、1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。一方、当該差は、30mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。これにより第1フラップ1Fと第2フラップ2Fの位置を合わせ易くなる。
【0047】
第1ベース部11と第1折り返し部12は、それぞれ、厚さが0.1mm以上、2.0mm以下であることが好ましく、0.15mm以上、1.0mm以下であることがより好ましく、0.20mm以上、0.8mm以下であることが更に好ましい。これにより、保持部材40の軽量化と保持力の維持を両立することができる。
【0048】
第1ベース部11は、長手方向10Xに延在していることが好ましい。これにより、第1ベース部11はハンドル部51と長尺状部52を保持し易くなる。第1ベース部11の長手方向10Xの長さは、第1折り返し部12の長手方向10Xの長さよりも長いことが好ましい。これにより、対向部11Fと長手方向10Xに隣接する非対向部11Nの領域を確保することができる。
【0049】
第1ベース部11の長手方向10Xの長さは、好ましくは10cm以上、より好ましくは50cm以上、更に好ましくは100cm以上であって、好ましくは300cm以下、より好ましくは200cm以下、更に好ましくは150cm以下である。
【0050】
第1ベース部11の幅方向11Yの長さは、好ましくは3cm以上、より好ましくは5cm以上、更に好ましくは7cm以上であって、好ましくは20cm以下、より好ましくは15cm以下、更に好ましくは10cm以下である。
【0051】
第1ベース部11の平面視における形状は、多角形が好ましく、4角形、5角形、または6角形がより好ましく、4角形が更に好ましく、長方形が更により好ましい。多角形は、少なくとも一つの角が角丸であることが好ましく、全ての角が角丸であることがより好ましい。角丸であることにより、第1ベース部11による包装袋の突き破りを防止することができる。
【0052】
第1折り返し部12の平面視における形状は、多角形であることが好ましい。多角形としては、4角形、5角形、または6角形が好ましく、4角形がより好ましく、長方形が更に好ましい。これにより、第1折り返し部12と対向部11Fとの接触面積を確保し易くなる。
【0053】
第1折り返し部12の長手方向10Xの長さは、第1折り返し部12の幅方向11Yの長さよりも長いことが好ましい。具体的には、第1折り返し部12の長手方向10Xの長さは、第1折り返し部12の幅方向11Yの長さの1.2倍以上であることが好ましく、1.4倍以上であることがより好ましく、2.5倍以下であることが好ましく、2.0倍以下であることがより好ましい。これにより、第1折り返し部12に長尺状部52の近位側の一部とハンドル部51とを配置し易くすることができる。
【0054】
第1ベース部11と第1折り返し部12は、それぞれ、樹脂層、紙層、またはこれらの積層体を含むことが好ましく、樹脂層からなることがより好ましい。上記積層体は、樹脂層と紙層とをそれぞれ1層以上含んでいてもよく、樹脂層を2層以上含んでいてもよく、紙層を2層以上含んでいてもよい。
【0055】
樹脂層としては、ポリオレフィン層、フッ素樹脂層、ポリエステル層、ポリウレタン層、ポリスチレン層、ポリカーボネート層、シリコーン層、ポリアミド層、ポリイミド層が好ましく、ポリオレフィン層、フッ素樹脂層がより好ましく、ポリオレフィン層が更により好ましい。これらは1種のみ用いてもよく、2種類以上、併用して用いてもよい。ポリオレフィン層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの混合物を含むことが好ましく、ポリエチレンを含むことがより好ましく、ポリエチレンからなることが更に好ましい。フッ素樹脂層は、ポリテトラフルオロエチレンを含むことが好ましい。ポリエステル層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらの混合物を含むことが好ましい。ポリウレタン層はポリウレタンを含むことが好ましい。ポリスチレン層はポリスチレンを含むことが好ましい。ポリカーボネート層はポリカーボネートを含むことが好ましい。シリコーン樹脂層はシリコーン樹脂を含むことが好ましい。ポリアミド層はナイロンを含むことが好ましい。ポリイミド層はポリエーテルイミドを含むことが好ましい。
【0056】
紙層としては、上質紙、中質紙、クラフト紙、片艶クラフト紙、ラテックス含浸紙、またはこれらの積層体が好ましい。
【0057】
医療用器具50が処置用カテーテル、またはガイディングカテーテルである場合、長尺状部52は管状体を有することが好ましい。管状体は樹脂層を有することが好ましい。この場合、ハンドル部51は、長尺状部52を通じて生理食塩水や造影剤等の液体を送り込むためのシリンジポートを有していてもよい。
【0058】
図1に示す通り、ハンドル部51は、その側部に幅方向11Yにおけるハンドル部51の中心に向かって凹んでいる凹部を有していることが好ましい。これにより、使用者がハンドル部51を持ち易くなる。
【0059】
以下では、図6図7を参照しながら、第2実施形態に係る医療用器具の保持部材について説明する。図6は、第2実施形態に係る医療用器具の保持部材の平面図である。図7は、図6のB-B断面を示す断面図である。なお、第2実施形態に係る医療用器具の保持部材について、第1実施形態に係る医療用器具の保持部材と重複する部分の詳細な説明は省略する。
【0060】
図6に示す通り、第2実施形態に係る医療用器具の保持部材41は、長手方向10Xに延在する第1シート10を有している。第1シート10は、第1ベース部11の対向側11Uにおいて、第1ベース部11の幅方向11Yの一端部側11Yaで長手方向10Xに延在している第1壁部1Wと、第1ベース部11の幅方向11Yの他端部側11Ybで長手方向10Xに延在している第2壁部2Wと、を有していることが好ましい。これにより、医療用器具50を保持した保持部材41を複数積み重ねたときに生じる長尺状部52の損傷を回避し易くなる。
【0061】
図7に示す通り、第1壁部1Wと第2壁部2Wは、それぞれ、第1ベース部11に対する傾斜角度が好ましくは10度以上、より好ましくは20度以上、更に好ましくは30度以上である。これにより、上記した長尺状部52の損傷を回避し易くなる。一方、傾斜角度は、好ましくは90度未満、より好ましくは60度以下、更に好ましくは45度以下である。これにより、幅方向11Yに衝撃が加わったときに、第1壁部1W、第2壁部2Wにより衝撃を吸収し易くすることができる。
【0062】
第1壁部1Wと第2壁部2Wは、それぞれ、シートの幅方向の両端部が、幅方向に屈曲または湾曲されることにより形成されていることが好ましく、湾曲されることにより形成されていることがより好ましい。これにより、第1壁部1Wと第2壁部2Wは、幅方向11Yの衝撃を一層、吸収し易くなる。
【0063】
第1壁部1Wと第2壁部2Wの長手方向10Xの長さは、それぞれ、第1ベース部11の長手方向10Xの長さの0.5倍以上であることが好ましく、0.8倍以上であることがより好ましく、1.0倍であることが更に好ましい。これにより、第1壁部1Wと第2壁部2Wは、幅方向11Yの衝撃を吸収し易くなる。
【0064】
以下では、図8を参照しながら、第3実施形態に係る医療用器具の保持部材について説明する。図8は、第3実施形態に係る医療用器具の保持部材の平面図である。なお、第3実施形態に係る医療用器具の保持部材について、第1と第2実施形態に係る医療用器具の保持部材と重複する部分の詳細な説明は省略する。
【0065】
図8に示す通り、第3実施形態に係る医療用器具の保持部材42は、長手方向10Xに延在する第1シート10を有している。第1シート10は、ハンドル部51とハンドル部51の遠位部51bから延在している長尺状部52とを有する医療用器具50を保持している。第1シート10は、第1ベース部11と、第1折り返し部12とを有している。
【0066】
医療用器具50は、更に、ハンドル部51の近位部51aに一端部53aが接続されている電線53を有し、第1折り返し部12の反対側12Uには、電線53の少なくとも一部が配置されていることが好ましい。これにより、図8に示す通り、電線53を第1折り返し部12の反対側12Uの上で湾曲させて、電線53と長尺状部52の距離を離すことができる。電線53は、高周波電流を通電できるものであることが好ましい。更に電線53は、導線が絶縁層で被覆されているものであることが好ましい。
【0067】
第1折り返し部12は、更に、電線53に向かって起立している第4フラップ4F、及び第4フラップ4Fの起立により形成された第4孔部を有していることが好ましい。第4フラップ4Fにより電線53を保持することができる。第4フラップ4Fは、第1折り返し部12に設けられた切込みにより形成されていることが好ましい。これにより第4フラップ4Fの電線53に対する保持力が向上する。第1折り返し部12は、第4フラップ4Fを複数有していることが好ましい。これにより電線53を多方向から保持し易くなる。なお第1折り返し部12は、第4フラップ4Fを一つだけ有していてもよい。
【0068】
第4孔部により外部からの衝撃を吸収することができる。更に、第4孔部により、後述する起立した第5フラップ5Fを、第1折り返し部12の反対側12Uに露出させることができる。第1折り返し部12は、第4孔部を複数有していることが好ましい。これにより一層、外部からの衝撃を吸収することができる。なお第1折り返し部12は、第4孔部を一つだけ有していてもよい。
【0069】
第1ベース部11の対向部11Fは、第4孔部を通じて電線53に向かって起立している第5フラップ5Fを有していることが好ましい。当該構成により、第4フラップ4Fと第5フラップ5Fは重なった状態になり易い。その結果、第4フラップ4Fと第5フラップ5Fが互いに保護し合うことになり、保持部材42に衝撃が加わったときにいずれか一方のフラップが損傷し難くなる。更に、第4フラップ4Fと第5フラップ5Fが重なった状態になることにより保持力が向上する。
【0070】
第5フラップ5Fは、対向部11Fに設けられた切込みにより形成されていることが好ましい。これにより第5フラップ5Fの電線53に対する保持力が向上する。対向部11Fは、第5フラップ5Fを複数有していることが好ましい。これにより電線53を多方向から保持し易くなる。対向部11Fは、第5フラップ5Fを一つだけ有していてもよい。なお第5フラップ5Fは、対向部11Fに設けられた切込みにより形成されたものでは無く、所望の形状の小片の基端部が接着剤等により対向部11Fに固定されて形成されたものであってもよい。当該小片は、対向部11Fと同じ素材からなることが好ましい。
【0071】
第4フラップ4Fと第5フラップ5Fの外縁の形状は、それぞれ、U字形、V字形、コの字形、またはS字形であることが好ましく、U字形またはV字形であることがより好ましく、U字形であることが更に好ましい。これにより、第4フラップ4Fと第5フラップ5Fの先端をそれぞれつまみ上げ易くすることができる。第4フラップ4Fと第5フラップ5Fの外縁の形状は、同じ形状か、または互いに相似形状であることが好ましい。これにより、第4フラップ4Fと第5フラップ5Fが互いに補強し易くなる。
【0072】
図示していないが、対向部11Fは、第5フラップ5Fの起立により形成された第5孔部を有していることが好ましい。第5孔部により外部からの衝撃を吸収することができる。
【0073】
図示していないが、第1シート10は、第4フラップ4Fおよび/または第5フラップ5Fと接触する位置に補強フラップを有していてもよい。補強フラップは、例えば、第1折り返し部12の反対側12Uおよび/または対向部11Fに所望の形状の小片の基端部を接着剤等により固定することにより形成することができる。補強フラップにより、第4フラップ4Fと第5フラップ5Fの保持力を一層、向上させることができる。補強フラップは、第4フラップ4Fおよび/または第5フラップ5Fと同じ素材からなることが好ましい。
【0074】
図8に示す通り、医療用器具50は、更に、電線53の他端部53bに接続されているコネクタ54を有し、第1ベース部11の非対向部11Nには、コネクタ54が配置されていることが好ましい。非対向部11Nにコネクタ54が配置されていることにより、電線53を直線状に配置し易くなるため、電線53を保持部材42に固定したときに形成される電線53の湾曲部の数を低減することができる。
【0075】
コネクタ54は、高周波電流通電用の電源に接続できるものであることが好ましい。またコネクタ54の形状は、円柱状または多角柱状であることが好ましい。多角柱状は、少なくとも一つの角が角丸であってもよい。
【0076】
非対向部11Nは、コネクタ54に向かって起立し且つ長手方向10Xにおいて互いに対向している一対のフラップ6Fを有していることが好ましい。これにより、コネクタ54の動きを低減し易くすることができる。
【0077】
一対のフラップ6Fの外縁の形状は、それぞれ、U字形、V字形、コの字形、またはS字形であることが好ましく、U字形、またはコの字形であることがより好ましく、コの字形であることが更に好ましい。これにより、コネクタ54の動きを低減し易くすることができる。
【0078】
当該コの字形の場合、一対のフラップ6Fの外縁は、それぞれ、図5に示すように、第1の線L1と、第2の線L2と、第3の線L3とを有し、第1の線L1は、第1直線状部L11と、第2直線状部L12と、第1直線状部L11と第2直線状部L12との間に位置する円孤状部L13とを有していることが好ましい。更に、円孤状部L13は、円孤状部L13に向かって先細りのテーパ状部L14を介して、第1直線状部L11と第2直線状部L12とに連結されていることが好ましい。これにより、一対のフラップ6Fはコネクタ54を保持し易くなる。
【0079】
図8に示す通り、非対向部11Nは、電線53に向かって起立している他のフラップ7Fを有していてもよい。これにより電線53をより一層、保持することができる。他のフラップ7Fは、非対向部11Nに設けられた切込みにより形成されていることが好ましい。非対向部11Nは、他のフラップ7Fを複数有していることが好ましい。複数の他のフラップ7Fは、第1ベース部11の幅方向11Yの一端部側11Yaから他端部側11Ybに向かって延在しているフラップと、他端部側11Ybから一端部側11Yaに向かって延在しているフラップとを有していることが好ましい。なお非対向部11Nは、他のフラップ7Fを一つだけ有していてもよい。他のフラップ7Fの外縁の形状は、U字形、V字形、コの字形、またはS字形であることが好ましく、U字形またはV字形であることがより好ましく、U字形であることが更に好ましい。また、図示していないが、非対向部11Nは、他のフラップ7Fの起立により形成された孔部を有していることが好ましい。
【0080】
第3実施形態における医療用器具50は、心房の中隔部分等の生体組織を穿刺する穿刺デバイスであることが好ましい。例えば、医療用器具50は、高周波電流通電用の電源から、コネクタ54、電線53、ハンドル部51、及び長尺状部52を介して、遠位端52Bまで通電させることが可能なものであることが好ましい。この通電の際には、対極板を用いてもよい。この場合、長尺状部52は金属チューブと、金属チューブの遠位端部内に配置され、長手方向に延在する金属部材と、金属部材の遠位端部に結合している金属チップとを有していることが好ましい。更に、先端の金属チップは、高周波電流により発熱するものであることが好ましい。これにより心房の中隔部分を穿刺し易くなる。なお金属チューブ、金属部材、または金属チップの少なくとも一部は樹脂チューブにより被覆されていてもよい。またハンドル部51は、長尺状部52を通じて生理食塩水や造影剤等の液体を送り込むためのシリンジポートを有していてもよい。
【0081】
以下では、図9図10図11図12を参照しながら、第4実施形態に係る医療用器具の保持部材について説明する。図9は、第4実施形態に係る医療用器具の保持部材の一部の平面図である。図10は、図9のC-C断面を示す断面図であり、図11は、図9のD-D断面を示す断面図である。図12は、包装袋内に配置された第4実施形態に係る医療用器具の保持部材の平面図である。第4実施形態に係る医療用器具の保持部材について、第1~第3実施形態に係る医療用器具の保持部材と重複する部分の詳細な説明は省略する。なお第4実施形態に係る医療用器具の保持部材は、第2シートを有する点で第3実施形態に係る医療用器具の保持部材と異なる。
【0082】
図9図10図11に示す通り、第4実施形態に係る医療用器具の保持部材43は、長手方向10Xに延在する第1シート10を有している。保持部材43は、更に、長手方向20Xに延在している第2シート20を有し、第2シート20の長手方向20Xの一端部側20aの少なくとも一部は、第1ベース部11の非対向部11Nの上に位置していることが好ましい。これにより、医療用器具50を保持した保持部材43を、第1シート10の長手方向10Xの一端部側10aから他端部側10bに向かう方向に包装袋等で覆い易くすることができる。
【0083】
第2シート20の一部と第1シート10の一部は、結合していることが好ましい。当該結合の態様としては、第2シート20の一部と第1シート10の一部を加熱により融着する態様、接着剤により接着させる態様が挙げられる。
【0084】
保持部材43が第2シート20を有していることにより、第1シート10と第2シート20とを別々に所望の形状に加工してから、互いに結合することができるため、製造時の作業性が向上し、保持部材43のコストを低減することができる。
【0085】
第2シート20は、第2ベース部21と、第2シート20の長手方向20Xの他端部側20bにおいて一端部側20aに向かって折り返されており第2ベース部21と対向している第2折り返し部22とを有していることが好ましい。第2折り返し部22により、長尺状部52を保護することができる。
【0086】
第2折り返し部22は、湾曲部22Cを有していることが好ましい。湾曲部22Cは衝撃を吸収し易い。なお、第2折り返し部22は、屈曲部を有していてもよい。
【0087】
第4実施形態に係る保持部材43において、第2シート20の第2ベース部21は、第2シート20のうち第2折り返し部22以外の部分であって、平面状の平面状部である。当該平面状部は、長手方向20Xに延在することが好ましい。
【0088】
第2シート20の第2ベース部21と第2折り返し部22は同じシートにより形成されていることが好ましい。また、第2シート20は、第1シート10と同じ素材を含むことが好ましく、第1シート10と同じ素材からなることがより好ましい。これにより製造コストを低減することができる。
【0089】
医療用器具50の長尺状部52の遠位端52Bは、第2ベース部21と第2折り返し部22との間に位置することが好ましい。これにより、長尺状部52の遠位端52Bは、第2ベース部21と第2折り返し部22によって高低方向の衝撃から保護され易くなる。
【0090】
第2折り返し部22の幅は、第2ベース部21の幅よりも大きいか又は同じ幅であることが好ましい。更に、第2折り返し部22の幅は、第2ベース部21の幅よりも大きいことがより好ましい。これにより、後述するように第2折り返し部22に第5壁部5Wと第6壁部6Wとを形成し易くすることができる。第2折り返し部22の幅は、第2折り返し部22の幅方向22Yの長さである。更に第2ベース部21の幅は、第2ベース部21の幅方向21Yの長さである。また第2折り返し部22は、その幅が第2ベース部21の幅と同じ幅である部分と、第2ベース部21の幅よりも大きい部分を有していてもよい。第2折り返し部22の幅と第2ベース部21の幅との差は、1mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。一方、当該差は、30mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
【0091】
第2シート20は、第2ベース部21の第2折り返し部22に対向する対向側21Uにおいて、第2ベース部21の幅方向21Yの一端部側21Yaで長手方向20Xに延在している第3壁部3Wと、第2ベース部21の幅方向21Yの他端部側21Ybで長手方向20Xに延在している第4壁部4Wと、を有していることが好ましい。これにより、医療用器具50を保持した保持部材43を複数積み重ねたときに生じる長尺状部52の損傷を回避し易くなる。
【0092】
図10に示す通り、第3壁部3Wと第4壁部4Wは、それぞれ、第2ベース部21に対する傾斜角度が好ましくは10度以上、より好ましくは20度以上、更に好ましくは30度以上である。これにより、医療用器具50を保持した保持部材43を複数積み重ねたときに生じる長尺状部52の損傷を回避し易くなる。一方、傾斜角度は、好ましくは90度未満、より好ましくは60度以下、更に好ましくは45度以下である。これにより、幅方向21Yの衝撃が加わったときに、第3壁部3W、第4壁部4Wにより衝撃を吸収し易くすることができる。
【0093】
第3壁部3Wと第4壁部4Wは、それぞれ、シートの幅方向の両端部が、幅方向に屈曲または湾曲されることにより形成されていることが好ましく、湾曲されることにより形成されていることがより好ましい。これにより、第3壁部3Wと第4壁部4Wは、幅方向21Yの衝撃を一層、吸収し易くなる。
【0094】
第3壁部3Wと第4壁部4Wの長手方向20Xの長さは、それぞれ、第2ベース部21の長手方向20Xの長さの0.5倍以上であることが好ましく、0.8倍以上であることがより好ましく、1.0倍であることが更に好ましい。これにより、第3壁部3Wと第4壁部4Wは、幅方向21Yの衝撃を吸収し易くなる。
【0095】
第2折り返し部22は、第2ベース部21に対向する側22Lにおいて、幅方向22Yの一端部側22Yaで長手方向20Xに延在している第5壁部5Wと、幅方向22Yの他端部側22Ybで長手方向20Xに延在している第6壁部6Wと、を有していることが好ましい。このような第5壁部5Wと第6壁部6Wにより、長尺状部52の遠位端52Bが一層、外部からの衝撃から保護される。
【0096】
第2折り返し部22は、長手方向20Xに延在している平面状のベース部22Bを有していることが好ましい。更に第5壁部5Wは、第2折り返し部22の幅方向22Yの一端部側22Yaに位置し、第6壁部6Wは、第2折り返し部22の幅方向22Yの他端部側22Ybに位置していることが好ましい。
【0097】
第5壁部5Wと第6壁部6Wは、それぞれ、第2折り返し部22のベース部22Bに対する傾斜角度が、第3壁部3Wと第4壁部4Wの第2ベース部21に対する傾斜角度よりも小さい方が好ましい。これにより、第5壁部5Wと第6壁部6Wを、第3壁部3Wと第4壁部4Wよりも外側に配置し易くなる。このような配置の壁部によれば、外部からの衝撃を吸収し易い。
【0098】
図10に示す通り、第5壁部5Wと第6壁部6Wは、それぞれ、第2折り返し部22のベース部22Bに対する傾斜角度が、好ましくは5度以上、より好ましくは15度以上、更に好ましくは25度以上であって、好ましくは80度以下、より好ましくは60度以下、更に好ましくは30度以下である。
【0099】
第5壁部5Wと第6壁部6Wは、それぞれ、シートの幅方向の両端部が、幅方向に屈曲または湾曲されることにより形成されていることが好ましく、湾曲されることにより形成されていることがより好ましい。これにより、第5壁部5Wと第6壁部6Wは、幅方向22Yの衝撃を一層、吸収し易くなる。
【0100】
第5壁部5Wと第6壁部6Wの長手方向20Xの長さは、それぞれ、第2折り返し部22のベース部22Bの長手方向20Xの長さの0.5倍以上であることが好ましく、0.8倍以上であることがより好ましく、1.0倍であることが更に好ましい。これにより、第5壁部5Wと第6壁部6Wは、幅方向22Yの衝撃を吸収し易くなる。
【0101】
図示していないが、第2折り返し部22は、第1シート10に形成されていてもよい。例えば、第1実施形態~第3実施形態に係る医療用器具50の保持部材40、41、42において、第1シート10は、更に、第1シート10の長手方向10の他端部側10bにおいて一端部側10aに向かって折り返されており第1ベース部11と対向している第2折り返し部を有していてもよい。この場合、医療用器具50の長尺状部52の遠位端52Bは、第1ベース部11と当該第2折り返し部との間に位置することが好ましい。当該第2折り返し部の幅は、第1ベース部11の幅よりも大きいか又は同じ幅であることが好ましい。当該第2折り返し部は、第1ベース部11に対向する側において、幅方向の一端部側で長手方向に延在している第5壁部と、幅方向の他端部側で長手方向に延在している第6壁部と、を有していることが好ましい。またこの場合、第1シート10の第1ベース部11は、第1折り返し部12に対向する対向側11Uにおいて、第1折り返し部12と当該第2折り返し部とに対向しない非対向部を有していることが好ましい。当該第2折り返し部の詳細については、上述した第2シート20の第2折り返し部22の記載を参照すればよい。
【0102】
図12に示す通り、医療用器具50を保持する保持部材43は、包装袋30内に配置されていることが好ましい。医療用器具50を保持する第1~第3実施形態に係る医療用器具の保持部材40、41、42についても同様に包装袋30内に配置されていることが好ましい。
【0103】
図12に示す通り、少なくとも医療用器具50と第1シート10は、包装袋30内に配置されており、医療用器具50と第1シート10が挿入された挿入口30Oは、第1シート10の長手方向10Xの一端部側10aよりも他端部側10bに近いことが好ましい。例えば、包装袋30の挿入口30Oに、第1シート10の長手方向10Xの一端部側10aから挿入していくことにより、スムーズに包装袋30内に医療用器具50と第1シート10とを配置することができる。
【0104】
図12に示す通り、包装袋30は、ハンドル部51に対向する表側シート31と、表側シート31に対向する裏側シート(図示せず)を有し、表側シート31の外縁部と、裏側シートの外縁部とが接合された接合部30Jを有していることが好ましい。表側シート31は、それぞれ樹脂フィルムを含むことが好ましく、樹脂フィルムからなることがより好ましい。樹脂フィルムは透明性フィルムであることが好ましい。裏側シートは、不織布、紙材、またはこれらの積層体を含んでいることが好ましく、不織布、紙材、またはこれらの積層体からなることがより好ましい。樹脂フィルムは、ポリエチレン層、ポリプロピレン層、ポリエチレンテレフタレート層、塩化ビニル層、ポリウレタン層、ポリスチレン層、またはこれらの積層体を含んでいることが好ましい。不織布は、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの混合物を含んでいることが好ましい。紙層は、アンコート紙、和紙、またはこれらの積層体を含んでいることが好ましい。また裏側シートは、穴あきの樹脂フィルムを有していてもよい。表側シート31と裏側シートは、接合部30Jにおいて、ヒートシール性樹脂により接合されていてもよく、接着剤により接合されていてもよい。
【0105】
包装袋30の接合部30Jは、包装袋30の収納空間側の内縁において、外側に向かって突出している形状の凸部30Pを有することが好ましい。これにより表側シート31が立体的に変形し易くなるため、ハンドル部51が配置された第1折り返し部12近傍を、包装袋30内に収納し易くなる。平面視における凸部30Pの形状として、V字状等の2本の線分の一端が互いに連結して形成された形状、円孤状等が挙げられる。
【0106】
包装袋30の挿入口30Oは、凸部30Pの頂部に対向する辺に位置することが好ましい。これにより、保持部材43により保持されたハンドル部51近傍を、挿入口30Oから包装袋30内に挿入していき、最終的に凸部30P近傍に収納し易くすることができる。その結果、製造効率が向上する。
【0107】
包装袋30の平面視における形状は、多角形であることが好ましく、長方形状であることがより好ましい。また多角形は、少なくとも一つの角が角丸であってもよい。
【符号の説明】
【0108】
1F、2F、3F、4F、5F、6F、7F 第1フラップ、第2フラップ、第3フラップ、第4フラップ、第5フラップ、一対のフラップ、他のフラップ
1H、2H、3H 第1孔部、第2孔部、第3孔部
1W、2W、3W、4W、5W、6W 第1壁部、第2壁部、第3壁部、第4壁部、第5壁部、第6壁部
L1、L2、L3 第1の線、第2の線、第3の線
L10 仮想線
L10A 一方側
L10B 他方側
L11、L12 第1直線状部、第2直線状部
L13 円孤状部
L14 テーパ状部
10 第1シート
10a 一端部側
10b 他端部側
10X 長手方向
11 第1ベース部
11F 対向部
11N 非対向部
11U 対向側
11Y 幅方向
11Ya 一端部側
11Yb 他端部側
11Z 高低方向
12 第1折り返し部
12C 湾曲部
12L 対向する側
12U 反対側
20 第2シート
20a 一端部側
20b 他端部側
20X 長手方向
21 第2ベース部
21U 対向側
21Y 幅方向
21Ya 一端部側
21Yb 他端部側
22 第2折り返し部
22B ベース部
22C 湾曲部
22L 対向する側
22Y 幅方向
22Ya 幅方向の一端部側
22Yb 幅方向の他端部側
30 包装袋
30J 接合部
30P 凸部
30O 挿入口
31 表側シート
40、41、42、43 保持部材
50 医療用器具
51 ハンドル部
51a 近位部
51b 遠位部
52 長尺状部
52s 隙間
52B 遠位端
53 電線
53a 一端部
53b 他端部
54 コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12