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特開2023-176499通信装置、通信システム、および制御方法
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  • 特開-通信装置、通信システム、および制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176499
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】通信装置、通信システム、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/00 20090101AFI20231206BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20231206BHJP
   H04W 4/80 20180101ALI20231206BHJP
【FI】
H04W8/00 110
H04W84/10 110
H04W4/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088808
(22)【出願日】2022-05-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500112146
【氏名又は名称】サイレックス・テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】山崎 泰輝
(72)【発明者】
【氏名】林 栄植
(72)【発明者】
【氏名】栗林 孝行
(72)【発明者】
【氏名】山中 伸二
(72)【発明者】
【氏名】八木 祐太朗
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067EE25
(57)【要約】
【課題】効率よくペアリングできる通信装置等を提供する。
【解決手段】第1通信装置12は、通信装置であって、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する第1送信部16と、第1送信部16によって送信された第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する第1受信部18と、第1受信部18によって受信された1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の第2通信装置14のうち、第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付部20と、受付部20によって受け付けられた操作によって決定された対象通信装置と第1通信装置12とをペアリングするためのペアリング処理を実行する第1実行部22とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
第1アドバタイズパケットを1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する送信部と、
前記送信部によって送信された前記第1アドバタイズパケットを受信した前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された1つ以上の前記第2アドバタイズパケットを送信した前記1つ以上の他の通信装置のうち、前記通信装置とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けられた前記操作によって決定された前記対象通信装置と前記通信装置とをペアリングするためのペアリング処理を実行する実行部とを備え、
前記送信部は、前記実行部が前記ペアリング処理を実行する前に前記第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する、
通信装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記第1アドバタイズパケットを定期的に送信する機能を有し、前記実行部が前記ペアリング処理を実行すると、前記機能の実行を禁止する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記通信装置と前記対象通信装置とをペアリングするためのアプリケーションが起動された場合に前記第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記受付部が前記操作を受け付ける前に、前記受信部によって受信された前記1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した前記1つ以上の他の通信装置のリストを作成する作成部をさらに備える、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記操作は、前記対象通信装置を識別するための識別情報を入力する入力操作を含み、
前記受付部は、前記入力操作を受け付ける、
請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
他の通信装置によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する受信部と、
前記受信部が前記第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを前記他の通信装置に送信する送信部と、
前記他の通信装置からのペアリング要求に応じて前記他の通信装置とペアリングするためのペアリング処理を実行する実行部とを備える、
通信装置。
【請求項7】
第1通信装置と、
1つ以上の第2通信装置とを備え、
前記第1通信装置は、第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の第2通信装置のそれぞれに送信する第1送信部と、前記第1送信部によって送信された前記第1アドバタイズパケットを受信した前記1つ以上の第2通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する第1受信部と、前記第1受信部によって受信された1つ以上の前記第2アドバタイズパケットを送信した前記1つ以上の第2通信装置のうち、前記第1通信装置とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた前記操作によって決定された前記対象通信装置と前記第1通信装置とをペアリングするためのペアリング処理を実行する実行部とを有し、
前記1つ以上の第2通信装置のそれぞれは、前記第1通信装置によって送信された前記第1アドバタイズパケットを受信する第2受信部と、前記第2受信部が前記第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ前記第2アドバタイズパケットを前記第1通信装置に送信する第2送信部とを有し、
前記第1送信部は、前記実行部が前記ペアリング処理を実行する前に前記第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の第2通信装置のそれぞれに送信する、
通信システム。
【請求項8】
通信装置の制御方法であって、
第1アドバタイズパケットを1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する送信ステップと、
前記送信ステップにおいて送信された前記第1アドバタイズパケットを受信した前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信された1つ以上の前記第2アドバタイズパケットを送信した前記1つ以上の他の通信装置のうち、前記通信装置とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けられた前記操作によって決定された前記対象通信装置と前記通信装置とをペアリングするためのペアリング処理を実行する実行ステップとを含み、
前記送信ステップでは、前記実行ステップで前記ペアリング処理を実行する前に前記第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する、
制御方法。
【請求項9】
通信装置の制御方法であって、
他の通信装置によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて前記第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを前記他の通信装置に送信する送信ステップと、
前記他の通信装置からのペアリング要求に応じて前記他の通信装置とペアリングするためのペアリング処理を実行する実行ステップとを含む、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信システム、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペアリングを行う通信装置等が知られている。通信装置等の一例として、特許文献1には、第1の端末と第2の端末とを備える無線通信システムが開示されている。第1の端末は、規定されたイベントが発生すると、第1の端末を特定可能な識別情報等を含むアドバタイズパケットを送信する。第2の端末は、アドバタイズパケットを受信すると、第1の端末とのペアリングを開始し、第1の端末との接続を確立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/180844号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の無線通信システムでは、第1の端末は、第1の端末に電源が投入された場合または第1の端末におけるペアリング開始を指示するボタンへの操作が行われた場合等にアドバタイズパケットの送信を開始し、アドバタイズパケットを定期的に送信する。したがって、特許文献1の無線通信システムでは、通信量が増加し、効率よくペアリングできないという課題がある。
【0005】
また、例えば、通信量を抑制するために、ペアリングを開始するときのみにアドバタイズパケットを送信することも考えられるが、この場合でも例えばOS(Operating System)の仕様によってアドバタイズパケットの送信タイミング(コマンド入力からアドバタイズパケット送信までの時間)は異なり、特定のOSではユーザ所望の送信タイミングと隔たりがある場合(例えば5秒など)には、1のペアリング完了までの時間が長くなり、複数の端末とペアリングする場合には、ユーザの利便性が損なわれ得る。
【0006】
さらに、複数の端末とペアリングする場合には、ユーザは複数の端末からペアリング処理を行いたい端末を個々に選択する必要があり、煩雑な作業を強いることになる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、効率よくペアリングできる通信装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信装置は、通信装置であって、第1アドバタイズパケットを1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する送信部と、前記送信部によって送信された前記第1アドバタイズパケットを受信した前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する受信部と、前記受信部によって受信された1つ以上の前記第2アドバタイズパケットを送信した前記1つ以上の他の通信装置のうち、前記通信装置とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた前記操作によって決定された前記対象通信装置と前記通信装置とをペアリングするためのペアリング処理を実行する実行部とを備え、前記送信部は、前記実行部が前記ペアリング処理を実行する前に前記第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する。
【0009】
これによれば、第1アドバタイズパケットを1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信し、第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の他の通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信し、受信した1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の他の通信装置のうちから、通信装置(すなわち自装置を意味する)とペアリングする対象通信装置を決定できる。このように、1つ以上の他の通信装置のそれぞれは、ペアリング処理のたびに第2アドバタイズパケットを送信させる必要がなく、また、ペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の他の通信装置のそれぞれから第2アドバタイズパケットを送信させることができるので、通信量の増加を抑制でき、効率よくペアリングできる。
【0010】
また、前記送信部は、前記第1アドバタイズパケットを定期的に送信する機能を有し、前記実行部が前記ペアリング処理を実行すると、前記機能の実行を禁止してもよい。
【0011】
これによれば、通信装置は、実行部がペアリング処理を実行すると、第1アドバタイズパケットを定期的に送信することを禁止できる。これにより、通信量の増加を抑制でき、さらに効率よくペアリングできる。
【0012】
また、前記送信部は、前記通信装置(自装置)と前記対象通信装置とをペアリングするためのアプリケーションが起動された場合に前記第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信してもよい。
【0013】
これによれば、通信装置と対象通信装置とをペアリングするためのアプリケーションが起動された場合に第1アドバタイズパケットを送信できるので、当該アプリケーションが起動された後に第1アドバタイズパケットを送信するための操作を別途行う必要がなく、さらに効率よくペアリングできる。
【0014】
また、前記受付部が前記操作を受け付ける前に、前記受信部によって受信された前記1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した前記1つ以上の他の通信装置のリストを作成する作成部をさらに備えてもよい。
【0015】
これによれば、対象通信装置を決定するための操作を受付部が受け付ける場合、ユーザは1つ以上の他の通信装置のリストを用いて対象通信装置を容易に特定できるので、さらに効率よくペアリングできる。
【0016】
また、前記操作は、前記対象通信装置を識別するための識別情報を入力する入力操作を含み、前記受付部は、前記入力操作を受け付けてもよい。
【0017】
これによれば、識別情報のみを入力することによって対象通信装置を決定できるので、対象通信装置を容易に決定でき、さらに効率よくペアリングできる。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信装置は、他の通信装置によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する受信部と、前記受信部が前記第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを前記他の通信装置に送信する送信部と、前記他の通信装置からのペアリング要求に応じて前記他の通信装置とペアリングするためのペアリング処理を実行する実行部とを備える。
【0019】
これによれば、第2アドバタイズパケットを定期的に送信し続けなくても、第1アドバタイズパケットを受信した場合にのみ第2アドバタイズパケットを送信するので、通信量の増加を抑制でき、効率よくペアリングできる。また、当該通信装置が高所などに設置されユーザが直接触れて操作することができない場合、第1アドバタイズパケットの受信を契機として第2アドバタイズパケットの送信を開始できる。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信システムは、第1通信装置と、1つ以上の第2通信装置とを備え、前記第1通信装置は、第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の第2通信装置のそれぞれに送信する第1送信部と、前記第1送信部によって送信された前記第1アドバタイズパケットを受信した前記1つ以上の第2通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する第1受信部と、前記第1受信部によって受信された1つ以上の前記第2アドバタイズパケットを送信した前記1つ以上の第2通信装置のうち、前記第1通信装置とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた前記操作によって決定された前記対象通信装置と前記第1通信装置とをペアリングするためのペアリング処理を実行する実行部とを有し、前記1つ以上の第2通信装置のそれぞれは、前記第1通信装置によって送信された前記第1アドバタイズパケットを受信する第2受信部と、前記第2受信部が前記第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ前記第2アドバタイズパケットを前記第1通信装置に送信する第2送信部とを有し、前記第1送信部は、前記実行部が前記ペアリング処理を実行する前に前記第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の第2通信装置のそれぞれに送信する。
【0021】
これによれば、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置のそれぞれに送信し、第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信し、当該第2アドバタイズパケットの送信元の1つ以上の第2通信装置のうちから第1通信装置とペアリングする対象通信装置を決定できる。これにより、1つ以上の第2通信装置のそれぞれから第2アドバタイズパケットをペアリング処理のたびに送信させる必要がなく、また、ペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置のそれぞれから第2アドバタイズパケットを送信させることができるので、通信量の増加を抑制でき、効率よくペアリングできる。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、通信装置の制御方法であって、第1アドバタイズパケットを1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する送信ステップと、前記送信ステップにおいて送信された前記第1アドバタイズパケットを受信した前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信された1つ以上の前記第2アドバタイズパケットを送信した前記1つ以上の他の通信装置のうち、前記通信装置とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けられた前記操作によって決定された前記対象通信装置と前記通信装置とをペアリングするためのペアリング処理を実行する実行ステップとを含み、前記送信ステップでは、前記実行ステップで前記ペアリング処理を実行する前に前記第1アドバタイズパケットを前記1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する。
【0023】
これによれば、制御方法は、上記通信装置と同様の効果を奏する。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、通信装置の制御方法であって、他の通信装置によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて前記第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを前記他の通信装置に送信する送信ステップと、前記他の通信装置からのペアリング要求に応じて前記他の通信装置とペアリングするためのペアリング処理を実行する実行ステップを含む。
【0025】
これによれば、制御方法は、上記通信装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、通信装置等は、効率よくペアリングできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、実施の形態に係る通信システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1の通信システムの第1通信装置によって送信される第1アドバタイズパケットの構成の一例を示す模式図である。
図3図3は、図1の通信システムの1つ以上の第2通信装置のそれぞれによって送信される第2アドバタイズパケットの構成の一例を示す模式図である。
図4図4は、図1の通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図5図5は、図4に示す動作の一例の続きの動作の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、図1の通信システムの第1通信装置によって作成される1つ以上の第2通信装置のリストを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0029】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0030】
また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0031】
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る通信システム10の機能構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、通信システム10は、第1通信装置12と、1つ以上の第2通信装置14とを備えている。本実施の形態では、1つ以上の第2通信装置14は、複数の第2通信装置14である。なお、1つ以上の第2通信装置14は、複数ではなく1つの第2通信装置14であってもよい。通信システム10は、第1通信装置12と1つ以上の第2通信装置14のうち少なくとも1つとをペアリングさせ、第1通信装置12とペアリングが成功した当該少なくとも1つの第2通信装置14との間で無線通信させるシステムである。たとえば、第1通信装置12と当該少なくとも1つの第2通信装置14とは、BLE(Bluetooth Low Energy)またはwifi(登録商標)によって無線通信する。たとえば、第1通信装置12は、タブレット端末であり、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、工場内で物品を搬送する搬送台車などに組み込まれた通信システム10において、第1通信装置12と第2通信装置14とをペアリングさせて無線通信させることによって、第1通信装置12を用いて当該第2通信装置14を制御することができる。
【0033】
第1通信装置12は、第1送信部16と、第1受信部18と、受付部20と、第1実行部22と、作成部23とを有している。
【0034】
第1送信部16は、第1アドバタイズパケットを1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する送信部の一例である。本実施の形態では、第1送信部16は、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。第1送信部16は、第1実行部22がペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。たとえば、第1送信部16は、無線通信モジュール等によって実現される。
【0035】
たとえば、第1送信部16は、第1通信装置12と対象通信装置とをペアリングするためのアプリケーションが起動された場合に第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。第1アドバタイズパケットの詳細は後述する。対象通信装置は、1つ以上の第2通信装置14のうち第1通信装置12とペアリングする通信装置である。なお、たとえば、第1送信部16は、第1通信装置12が対象通信装置との間でペアリングを受け付けるモードであるペアリングモードにするボタン(図示せず)が押下された場合等にペアリングモードとなり、ペアリングモードのときに第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信してもよい。
【0036】
たとえば、第1送信部16は、第1アドバタイズパケットを定期的に送信する機能を有し、第1実行部22がペアリング処理を実行すると、当該機能の実行を禁止する。つまり、たとえば、第1送信部16は、第1実行部22がペアリング処理を実行している期間において、当該機能の実行を禁止し、第1アドバタイズパケットを定期的に送信しない。
【0037】
たとえば、第1送信部16は、第1アドバタイズパケットをブロードキャストで1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。なお、たとえば、第1送信部16は、第1アドバタイズパケットをユニキャストまたはマルチキャストで1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信してもよい。
【0038】
本実施の形態では、第1受信部18は、第1送信部16によって送信された第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する。つまり、本実施の形態では、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、第1送信部16によって送信された第1アドバタイズパケットを受信した場合に第2アドバタイズパケットを送信し、第1通信装置12の第1受信部18は、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する。たとえば、第1受信部18は、無線通信モジュール等によって実現される。
【0039】
本実施の形態では、受付部20は、第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の第2通信装置14のうち第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定する操作を受け付ける。つまり、本実施の形態では、受付部20は、第1受信部18が1つ以上の第2通信装置14から送信された1つ以上の第2アドバタイズパケットを受信した場合、1つ以上の第2通信装置14のうち第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定するための操作(例えば、ユーザによる操作)を受け付ける。たとえば、受付部20は、ボタンまたはタッチパネル等によって実現される。
【0040】
また、たとえば、対象通信装置を決定するための操作は、対象通信装置を識別するための識別情報を入力する入力操作を含み、受付部20は、この入力操作を受け付ける。たとえば、対象通信装置を識別するための識別情報は、対象通信装置のID(Identification)であり、入力操作は、タッチパネルやキーボードを押下する等してIDを入力する操作を含む。なお、たとえば、対象通信装置を決定するための操作は、入力操作ではなく、1つ以上の第2通信装置14のIDが記載されたリストから対象通信装置とする第2通信装置14のIDをタッチパネルなどで選択する選択操作を含んでもよい。
【0041】
第1実行部22は、受付部によって受け付けられた操作によって決定された対象通信装置と通信装置とをペアリングするためのペアリング処理を実行する実行部の一例である。本実施の形態では、第1実行部22は、受付部20によって受け付けられた操作によって決定された対象通信装置と第1通信装置12とをペアリングするためのペアリング処理を実行する。たとえば、第1実行部22は、ペアリング要求の送信およびペアリング応答の受信等を行う。たとえば、第1実行部22は、プロセッサ等によって実現される。
【0042】
本実施の形態では、作成部23は、受付部20が対象通信装置を決定するための操作を受け付ける前に、第1受信部18によって受信された1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の第2通信装置14のリストを作成する。具体的には、たとえば、作成部23は、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれの識別情報とアドレスとを含むリストを作成する(図6を参照)。たとえば、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれの識別情報とアドレスとは、当該第2通信装置14によって送信された第2アドバタイズパケットに含まれている。
【0043】
1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、対象通信装置となった場合、第1通信装置12とペアリングし、第1通信装置12と無線通信する。1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、第2受信部24と、第2送信部26と、第2実行部28とを有している。
【0044】
本実施の形態では、第2受信部24は、第1通信装置12によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する。たとえば、第2受信部24は、無線通信モジュール等によって実現される。
【0045】
第2送信部26は、受信部が第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを他の通信装置に送信する送信部の一例である。本実施の形態では、第2送信部26は、第2受信部24によって第1アドバタイズパケットが受信された場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを第1通信装置12に送信する。たとえば、所定期間は、予め定められている。第2アドバタイズパケットの詳細は後述する。たとえば、第2送信部26は、無線通信モジュール等によって実現される。
【0046】
第2実行部28は、他の通信装置からのペアリング要求に応じて他の通信装置とペアリングするためのペアリング処理を実行する実行部の一例である。本実施の形態では、第2実行部28は、第1通信装置12からのペアリング要求に応じて第1通信装置12とペアリングするためのペアリング処理を実行する。第2実行部28は、当該第2実行部28を有する第2通信装置14が対象通信装置となった場合に当該第2通信装置14と第1通信装置12とをペアリングするためのペアリング処理を実行する。たとえば、第2実行部28は、ペアリング要求の受信およびペアリング応答の送信等を行う。たとえば、第2実行部28は、プロセッサ等によって実現される。
【0047】
図2は、図1の通信システム10の第1通信装置12によって送信される第1アドバタイズパケットの構成の一例を示す模式図である。
【0048】
図2に示すように、第1アドバタイズパケットは、Preanbleと、Access Addressと、Protocol Data unitと、CRCとを含んでいる。
【0049】
Protocol Data unitは、Headerと、Advertiser’s addressと、AD Structureとを含んでいる。
【0050】
AD Structureは、Lengthと、AD Typeと、AD DATAとを含んでいる。
【0051】
Lengthは、Lengthを除くAD structureのデータサイズを示す。たとえば、AD structureのデータサイズが31バイトであり、Lengthのデータサイズが1バイトである場合、Lengthには、30という値が格納される。
【0052】
AD Typeは、Manufacturer Specific Dataを示す。たとえば、AD Typeには、0xFFという値が格納される。
【0053】
AD DATAは、CIDと、PIDと、Payloadとを含んでいる。
【0054】
CIDは、Company Identifier Codeを示す。たとえば、CIDには、製造元の識別コード値が格納される。
【0055】
PIDは、Product IDを示す。たとえば、PIDには、0x0001という値が格納される。
【0056】
Payloadは、送信元の第1通信装置IDと、宛先の第2通信装置IDと、データとを含んでいる。
【0057】
宛先の第2通信装置IDは、宛先の第2通信装置14のIDを示す。
【0058】
データは、種々の情報を含む。たとえば、データは、第1アドバタイズパケットの詳細データ等を含む。
【0059】
図3は、図1の通信システム10の1つ以上の第2通信装置14のそれぞれによって送信される第2アドバタイズパケットの構成の一例を示す模式図である。なお、以下では、第1アドバタイズパケットと異なる点を主に説明する。
【0060】
図3に示すように、第2アドバタイズパケットは、Payloadにおいて送信元の第1通信装置IDに代えて送信元の第2通信装置IDを含みかつ宛先の第2通信装置IDに代えて宛先の第1通信装置IDを含んでいる点において、第1アドバタイズパケットと主に異なっている。
【0061】
宛先の第1通信装置IDは、宛先の第1通信装置12のIDを示す。
【0062】
図4は、図1の通信システム10の動作の一例を示すシーケンス図である。図5は、図4に示す動作の一例の続きの動作の一例を示すシーケンス図である。なお、図5では、第1通信装置12および第2通信装置14は、装置の電源起動時は受信モード(後述する)で待機していることで説明する。
【0063】
図4に示すように、まず、ユーザは、アプリを起動させる(ステップS1)。アプリは、第1通信装置12と対象通信装置とをペアリングするためのアプリケーションである。たとえば、アプリは、第1通信装置12にインストールされており、ユーザは、第1通信装置12を操作してアプリを起動させる。アプリは、起動した後、第1通信装置12のIDを設定する。なお、たとえば、アプリが起動した後、ユーザが第1通信装置12のIDを設定してもよい。
【0064】
第1通信装置12は、アプリが起動されると、受信モードから送信モードへの切り替えを行い(ステップS2)、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに定期的に送信する(第1送信ステップ)(ステップS3)。たとえば、第1通信装置12における送信モードは、第1通信装置12が第1アドバタイズパケットを送信するモードであり、第1通信装置12における受信モードは、第1通信装置12が第1アドバタイズパケットを送信しないモードである。具体的には、第1通信装置12は、第1アドバタイズパケットをブロードキャストで1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。第1アドバタイズパケットには、第1通信装置12のID等が含められる。第1送信ステップでは、第1通信装置12は、実行ステップでペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。本実施の形態では、第1送信ステップは、第1アドバタイズパケットを1つ以上の他の通信装置のそれぞれに送信する送信ステップの一例である。
【0065】
第1通信装置12は、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信すると、送信モードから受信モードへの切り替えを行う(ステップS4)。具体的には、第1通信装置12は、第1アドバタイズパケットをブロードキャストで1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信すると、送信モードから受信モードへの切り替えを行う。この送信モードと受信モードは、ペアリング処理が開始されるまで繰り返し実行される。
【0066】
1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、第1通信装置12によって第1アドバタイズパケットが送信されると、これを受信し(第2受信ステップ)(ステップS5)、第1アドバタイズパケットの宛先を確認する(ステップS6)。本実施の形態では、第2受信ステップは、他の通信装置によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する受信ステップの一例である。
【0067】
1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、第2受信ステップにおいて第1アドバタイズパケットを受信した場合、受信モードから送信モードへの切り替えを行い(ステップS7)、第2アドバタイズパケットを所定期間(例えば10秒など)、第1通信装置12に送信する(第2送信ステップ)(ステップS8)。たとえば、第2通信装置14における送信モードは、第2通信装置14が第2アドバタイズパケットを送信するモードであり、第2通信装置14における受信モードは、第2通信装置14が第2アドバタイズパケットを送信しないモードである。具体的には、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、第2アドバタイズパケットにおける、送信元の第2通信装置IDに自装置である第2通信装置14のIDを示す値を格納し、宛先の第1通信装置IDに第1アドバタイズパケットを送信してきた第1通信装置12のIDを示す値を格納する(図3を参照)。本実施の形態では、第2送信ステップは、受信ステップにおいて第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを他の通信装置に送信する送信ステップの一例である。
【0068】
1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、ステップS8が終わると、送信モードから受信モードへの切り替えを行う(ステップS9)。
【0069】
第1通信装置12は、第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する(第1受信ステップ)(ステップS10)。本実施の形態では、第1受信ステップは、送信ステップにおいて送信された第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の他の通信装置のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する受信ステップの一例である。
【0070】
第1通信装置12は、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信すると、1つ以上の第2通信装置14のリストを作成する(ステップS11)。
【0071】
ここで、図6は、図1の通信システム10の第1通信装置12によって作成される1つ以上の第2通信装置14のリストを示す模式図である。
【0072】
図6に示すように、たとえば、第1通信装置12は、1つ以上の第2アドバタイズパケットからそれぞれの第2通信装置14のデバイス名とBLEアドレスとを少なくとも取得し、これら1つ以上の第2通信装置14のデバイス名とBLEアドレスとを用いて第2通信装置14のリストを作成する。
【0073】
続いて図5において、第1通信装置12は、1つ以上の第2通信装置14のリストを作成すると、第1受信ステップにおいて受信した第2アドバタイズパケットの送信元である1つ以上の第2通信装置14のうち、第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける(受付ステップ)(ステップS12)。上述したように、たとえば、当該操作は、対象通信装置を識別するための識別情報をユーザが入力する入力操作を含む。たとえば、識別情報は、対象通信装置のIDであり、デバイス名であり、第1通信装置12は、入力された対象通信装置のID(デバイス名)の第2通信装置14を、作成したリストから探し出して対象通信装置として決定する。つまり、たとえば、ユーザが対象通信装置のIDを入力するだけで、対象通信装置が決定される。また、たとえば、当該操作は、当該1つ以上の第2通信装置14のリストをタッチパネル上から選択し、入力する操作であってもよい。本実施の形態では、受付ステップは、受信ステップにおいて受信された1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の他の通信装置のうち通信装置とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付ステップの一例である。
【0074】
第1通信装置12は、受付ステップにおいて受け付けられた操作によって決定された対象通信装置と第1通信装置12とをペアリングするためのペアリング処理を実行し(第1実行ステップ)、対象通信装置は、第1通信装置12からのペアリング要求に応じて第1通信装置12とペアリングするためのペアリング処理を実行する(第2実行ステップ)(ステップS13)。具体的には、第1通信装置12は対象通信装置にペアリング要求を送信し(ステップS14)、対象通信装置はペアリング応答を送信し(ステップS15)、第1通信装置12はペアリング応答を受信する。このようにして、対象通信装置と第1通信装置12とがペアリングされる。本実施の形態では、第1実行ステップは、受付ステップにおいて受け付けられた操作によって決定された対象通信装置と通信装置とをペアリングするペアリング処理を実行する実行ステップの一例であり、第2実行ステップは、他の通信装置からのペアリング要求に応じて他の通信装置とペアリングするためのペアリング処理を実行する実行ステップの一例である。
【0075】
第1通信装置12と対象通信装置とがペアリングされると、第1通信装置12は対象通信装置に接続要求を送信し(ステップS16)、対象通信装置は接続応答を送信し(ステップS17)、第1通信装置12は接続応答を受信する。このようにして、対象通信装置と第1通信装置12との無線接続が確立される。ここで行われるペアリングは、ステップS11で作成された1つ以上の第2通信装置14のリスト(当該装置それぞれのデバイス名とBLEアドレスとに基づく)を用いて行われるので、ペアリング処理の開始の際に複数の対象通信装置に向けて検索用のパケット(アドバタイズパケット)を送信する必要がない。具体的には、第1通信装置12は、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに定期的に送信する必要がなく、ステップS17が実行されると、第1アドバタイズパケットを定期的に送信する機能を禁止してもよい。
【0076】
第1通信装置12と対象通信装置との無線接続が確立されると、GATT通信が可能となり、第1通信装置12は対象通信装置にコマンドを送信し(ステップS18)、対象通信装置はレスポンスを送信する(ステップS19)。このようにして、第1通信装置12と対象通信装置との無線接続が確立された後、第1通信装置12から対象通信装置にコマンドを送信することによって、第1通信装置12を用いて対象通信装置を制御することができる。
【0077】
上述したように、本発明の実施の形態に係る通信システム10では、第1通信装置12は、第1アドバタイズパケットを送信し、第2通信装置14は、第1アドバタイズパケットを受信した場合に第2アドバタイズパケットを送信する。したがって、第2通信装置14は、第2アドバタイズパケットを送信し続ける必要がなく、第1アドバタイズパケットを受信した場合にだけ第2アドバタイズパケットを送信すればよいので、通信量が増加することを抑制でき、効率よくペアリングできる。
【0078】
また、本発明の実施の形態に係る通信システム10では、第2通信装置14の数が多い場合であっても、対象通信装置を識別するための識別情報(例えばID)を入力するだけで、第1通信装置12と対象通信装置とをペアリングすることもできる。したがって、当該ペアリングにおいて、ユーザが指定したい対象通信装置を確実に指定できるので、効率よくペアリングできる。
【0079】
また、本発明の実施の形態に係る通信システム10では、第1通信装置12は、対象通信装置を決定するための操作を受け付ける前に第1アドバタイズパケットを送信している。したがって、当該操作を受け付けてからペアリングのために第1アドバタイズパケットを送信する必要がなく、当該操作を受け付けてから第1通信装置12と対象通信装置とをペアリングするまでに時間がかかることを抑制できるので、効率よくペアリングできる。
【0080】
また、本発明の実施の形態に係る通信システム10では、対象通信装置を決定するためのユーザによる操作を受け付けた場合、第1通信装置12と対象通信装置とのペアリングおよび第1通信装置12と対象通信装置との無線接続を自動で行えるので、ユーザの手間がかかることを抑制でき、効率よくペアリングできる。
【0081】
以上、本発明の実施の形態に係る通信システム10について説明した。
【0082】
実施の形態に係る第1通信装置12は、通信装置であって、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する第1送信部16と、第1送信部16によって送信された第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する第1受信部18と、第1受信部18によって受信された1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の第2通信装置14のうち、第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付部20と、受付部20によって受け付けられた操作によって決定された対象通信装置と第1通信装置12とをペアリングするためのペアリング処理を実行する第1実行部22とを備え、第1送信部16は、第1実行部22がペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。
【0083】
これによれば、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信し、第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信し、受信した1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の第2通信装置14のうちから第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定できる。このように、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、ペアリング処理のたびに第2アドバタイズパケットを送信させる必要がなく、また、ペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから第2アドバタイズパケットを送信させることができるので、通信量の増加を抑制でき、効率よくペアリングできる。
【0084】
また、第1送信部16は、第1アドバタイズパケットを定期的に送信する機能を有し、第1実行部22がペアリング処理を実行すると、当該機能の実行を禁止する。
【0085】
これによれば、第1通信装置12は、第1実行部22がペアリング処理を実行すると、第1アドバタイズパケットを定期的に送信することを禁止できる。これにより、通信量の増加を抑制でき、さらに効率よくペアリングできる。
【0086】
また、第1送信部16は、第1通信装置12と対象通信装置とをペアリングするためのアプリケーションが起動された場合に第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。
【0087】
これによれば、第1通信装置12と対象通信装置とをペアリングするためのアプリケーションが起動された場合に第1アドバタイズパケットを送信できるので、当該アプリケーションが起動された後に第1アドバタイズパケットを送信するための操作を別途行う必要がなく、さらに効率よくペアリングできる。
【0088】
また、受付部20が対象通信装置を決定するための操作を受け付ける前に、第1受信部18によって受信された1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の第2通信装置14のリストを作成する作成部23をさらに備える。
【0089】
これによれば、対象通信装置を決定するための操作を受付部20が受け付ける場合、ユーザは1つ以上の第2通信装置14のリストを用いて対象通信装置を容易に特定できるので、さらに効率よくペアリングできる。
【0090】
また、対象通信装置を決定するための操作は、対象通信装置を識別するための識別情報を入力する入力操作を含み、受付部20は、入力操作を受け付ける。
【0091】
これによれば、識別情報のみを入力することによって対象通信装置を決定できるので、対象通信装置を容易に決定でき、さらに効率よくペアリングできる。
【0092】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る第2通信装置14は、第1通信装置12によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する第2受信部24と、第2受信部24が第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを第1通信装置12に送信する第2送信部26と、第1通信装置12からのペアリング要求に応じて第1通信装置12とペアリングするためのペアリング処理を実行する第2実行部28とを備える。
【0093】
これによれば、第2アドバタイズパケットを定期的に送信し続けなくても、第1アドバタイズパケットを受信した場合にのみ第2アドバタイズパケットを送信するので、通信量の増加を抑制でき、効率よくペアリングできる。また、第2通信装置14が高所などに設置されユーザが直接触れて操作することができない場合、第1アドバタイズパケットの受信を契機として第2アドバタイズパケットの送信を開始できる。
【0094】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る通信システム10は、第1通信装置12と、1つ以上の第2通信装置14とを備え、第1通信装置12は、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する第1送信部16と、第1送信部16によって送信された第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する第1受信部18と、第1受信部18によって受信された1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の第2通信装置14のうち、第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付部20と、受付部20によって受け付けられた操作によって決定された対象通信装置と第1通信装置12とをペアリングするためのペアリング処理を実行する第1実行部22とを有し、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれは、第1通信装置12によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する第2受信部24と、第2受信部24が第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを第1通信装置12に送信する第2送信部26とを有し、第1送信部16は、第1実行部22がペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。
【0095】
これによれば、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信し、第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信し、当該第2アドバタイズパケットの送信元の1つ以上の第2通信装置14のうちから第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定できる。これにより、1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから第2アドバタイズパケットをペアリング処理のたびに送信させる必要がなく、また、ペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから第2アドバタイズパケットを送信させることができるので、通信量の増加を抑制でき、効率よくペアリングできる。
【0096】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、第1通信装置12の制御方法であって、第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する第1送信ステップ(ステップS3)と、第1送信ステップにおいて送信された第1アドバタイズパケットを受信した1つ以上の第2通信装置14のそれぞれから送信された第2アドバタイズパケットを受信する第1受信ステップ(ステップS10)と、第1受信ステップにおいて受信された1つ以上の第2アドバタイズパケットを送信した1つ以上の第2通信装置14のうち、第1通信装置12とペアリングする対象通信装置を決定するための操作を受け付ける受付ステップ(ステップS12)と、受付ステップにおいて受け付けられた操作によって決定された対象通信装置と第1通信装置12とをペアリングするためのペアリング処理を実行する第1実行ステップ(ステップS13)とを含み、第1送信ステップでは、実行ステップでペアリング処理を実行する前に第1アドバタイズパケットを1つ以上の第2通信装置14のそれぞれに送信する。
【0097】
これによれば、制御方法は、上記第1通信装置12と同様の効果を奏する。
【0098】
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、第2通信装置14の制御方法であって、第1通信装置12によって送信された第1アドバタイズパケットを受信する第2受信ステップ(ステップS5)と、第2受信ステップにおいて第1アドバタイズパケットを受信した場合に、所定期間のみ第2アドバタイズパケットを第1通信装置12に送信する第2送信ステップ(ステップS8)と、第1通信装置12からのペアリング要求に応じて第1通信装置12とペアリングするためのペアリング処理を実行する第2実行ステップ(ステップS13)とを含む。
【0099】
これによれば、制御方法は、上記第2通信装置14と同様の効果を奏する。
【0100】
(他の実施の形態等)
なお、本発明は、装置またはシステムとして実現できるだけでなく、その装置またはシステムを構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体として実現したり、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データおよび信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
【0101】
以上、本発明の通信システム等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、他の通信装置とペアリングする通信装置等として利用され得る。
【符号の説明】
【0103】
10 通信システム
12 第1通信装置
14 第2通信装置
16 第1送信部
18 第1受信部
20 受付部
22 第1実行部
23 作成部
24 第2受信部
26 第2送信部
28 第2実行部
図1
図2
図3
図4
図5
図6