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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176547
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】駐車支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20231206BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B60W30/06
G08G1/09 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088885
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸木 大樹
(72)【発明者】
【氏名】日栄 悠
(72)【発明者】
【氏名】水瀬 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】北浦 真司
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BC01
3D241BC02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE04
3D241CE06
3D241DA13Z
3D241DA39Z
3D241DA52Z
3D241DA58Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB20Z
3D241DB32Z
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
(57)【要約】
【課題】駐車スペースに関する情報を取得し始めたときの車両の位置と同じ位置に車両が停止されなかった場合にも、自動駐車制御を実行可能な駐車支援装置を提供する。
【解決手段】駐車支援装置10は、登録起点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに自車両100の自動駐車が要求されず、運転者の運転操作による自車両の手動駐車が開始された場合、経路情報に基づいて参照移動経路を設定し、その後、自車両の自動駐車が要求されたときに自車両と参照移動経路との位置関係が所定条件を満たす位置関係にある場合、自動駐車制御を実行する。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が駐車スペース付近で停止されたときに撮影画像から特徴点を起点特徴点として検出して該起点特徴点を登録起点特徴点として記憶するとともに、前記起点特徴点を検出してから運転者の運転操作による前記駐車スペースへの前記自車両の手動駐車が完了するまでの前記自車両の移動経路を表す情報を経路情報として記憶する情報記憶制御を実行し、
前記登録起点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに前記自車両の自動駐車が要求された場合、前記経路情報に基づいて目標移動経路を設定し、該目標移動経路に沿って前記自車両を走行させて前記駐車スペースに駐車させる自動駐車制御を実行する、
ように構成されている制御装置を備えた駐車支援装置において、
前記制御装置は、
前記登録起点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに前記自車両の自動駐車が要求されず、前記運転者の運転操作による前記自車両の手動駐車が開始された場合、前記経路情報に基づいて参照移動経路を設定し、
その後、前記自車両の自動駐車が要求されたときに前記自車両と前記参照移動経路との位置関係が所定条件を満たす位置関係にある場合、前記自動駐車制御を実行する、
ように構成されている、
駐車支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駐車支援装置において、
前記所定条件は、前記自車両が前記参照移動経路から所定距離範囲内の位置に存在するとの条件である、
駐車支援装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の駐車支援装置において、
前記経路情報は、前記起点特徴点が検出されてから前記運転者の運転操作による前記駐車スペースへの前記自車両の手動駐車が完了するまでにおける前記自車両の走行距離に対する前記自車両の操舵量の変化である、
駐車支援装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の駐車支援装置において、
前記制御装置は、
前記情報記憶制御の実行時、前記起点特徴点を検出してから前記運転者の運転操作による前記駐車スペースへの前記自車両の手動駐車が完了するまでの間に前記撮影画像から特徴点を中間点特徴点として検出して該中間点特徴点を登録中間点特徴点として記憶するとともに、前記起点特徴点を検出してから前記登録中間点特徴点を検出するまでの前記自車両の移動経路を表す第1情報、及び、前記登録中間点特徴点を検出した後の前記自車両の移動経路を表す第2情報をそれぞれ前記経路情報として記憶し、
前記登録起点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに前記参照移動経路を設定する場合、前記第1情報に基づいて前記参照移動経路を設定し、
前記登録中間点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに前記参照移動経路を設定する場合、前記第2情報に基づいて前記参照移動経路を設定する、
ように構成されている、
駐車支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を自動駐車させる自動駐車制御を実行する駐車支援装置が知られている。こうした駐車支援装置として、運転者自身の運転操作により駐車スペースに自車両を手動駐車させたときに、その駐車スペースに関する情報を取得して登録情報として記憶しておくとともにその駐車スペースを登録駐車スペースとして登録しておき、その後、記憶しておいた駐車スペースに関する情報を利用して登録駐車スペースに車両を自動駐車させる自動駐車制御を実行する駐車支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-62717号公報
【発明の概要】
【0004】
従来の駐車支援装置は、駐車スペースに関する情報を取得し始めたときの車両の位置と同じ位置に車両が停止された場合に限り、自動駐車制御を実行可能に構成されているが、そうではない場合でも、自動駐車制御を利用して車両を登録駐車スペースに自動駐車させたい場面もある。
【0005】
本発明の目的は、駐車スペースに関する情報を取得し始めたときの車両の位置と同じ位置に車両が停止されなかった場合にも、自動駐車制御を実行可能な駐車支援装置を提供することにある。
【0006】
本発明に係る駐車支援装置は、自車両が駐車スペース付近で停止されたときに撮影画像から特徴点を起点特徴点として検出して該起点特徴点を登録起点特徴点として記憶するとともに、前記起点特徴点を検出してから運転者の運転操作による前記駐車スペースへの前記自車両の手動駐車が完了するまでの前記自車両の移動経路を表す情報を経路情報として記憶する情報記憶制御を実行し、前記登録起点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに前記自車両の自動駐車が要求された場合、前記経路情報に基づいて目標移動経路を設定し、該目標移動経路に沿って前記自車両を走行させて前記駐車スペースに駐車させる自動駐車制御を実行するように構成されている制御装置を備えている。
【0007】
そして、本発明に係る駐車支援装置において、前記制御装置は、前記登録起点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに前記自車両の自動駐車が要求されず、前記運転者の運転操作による前記自車両の手動駐車が開始された場合、前記経路情報に基づいて参照移動経路を設定し、その後、前記自車両の自動駐車が要求されたときに前記自車両と前記参照移動経路との位置関係が所定条件を満たす位置関係にある場合、前記自動駐車制御を実行するように構成されている。
【0008】
これによれば、運転者が自身の運転操作により駐車スペースへの手動駐車を行っている途中で自動駐車制御による駐車スペースへの自車両の自動駐車を希望した場合でも、自動駐車制御により自車両を駐車スペースに自動駐車させることができる。
【0009】
尚、本発明に係る駐車支援装置において、前記所定条件は、例えば、前記自車両が前記参照移動経路から所定距離範囲内の位置に存在するとの条件である。
【0010】
これによれば、運転者が自身の運転操作により駐車スペースへの手動駐車を行っている途中で自動駐車制御による駐車スペースへの自車両の自動駐車を希望した場合でも、自車両が参照移動経路から所定距離範囲内の位置に存在すれば、自動駐車制御により自車両を駐車スペースに自動駐車させることができる。
【0011】
又、本発明に係る駐車支援装置において、前記経路情報は、例えば、前記起点特徴点が検出されてから前記運転者の運転操作による前記駐車スペースへの前記自車両の手動駐車が完了するまでにおける前記自車両の走行距離に対する前記自車両の操舵量の変化である。
【0012】
これによれば、経路情報を撮影画像から取得する必要がないので、制御装置における演算負荷を小さくすることができる。
【0013】
又、本発明に係る駐車支援装置において、前記制御装置は、前記情報記憶制御の実行時、前記起点特徴点を検出してから前記運転者の運転操作による前記駐車スペースへの前記自車両の手動駐車が完了するまでの間に前記撮影画像から特徴点を中間点特徴点として検出して該中間点特徴点を登録中間点特徴点として記憶するとともに、前記起点特徴点を検出してから前記登録中間点特徴点を検出するまでの前記自車両の移動経路を表す第1情報、及び、前記登録中間点特徴点を検出した後の前記自車両の移動経路を表す第2情報をそれぞれ前記経路情報として記憶し、前記登録起点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに前記参照移動経路を設定する場合、前記第1情報に基づいて前記参照移動経路を設定し、前記登録中間点特徴点に対応する特徴点が検出されたときに前記参照移動経路を設定する場合、前記第2情報に基づいて前記参照移動経路を設定するように構成されてもよい。
【0014】
これによれば、第1情報は、起点特徴点が検出されてから運転者の運転操作による駐車スペースへの自車両の手動駐車が完了するまでの自車両の移動経路の一部を表すものであるため、第1情報に含まれる情報量が少なく、同様に、第2情報も、起点特徴点が検出されてから運転者の運転操作による駐車スペースへの自車両の手動駐車が完了するまでの自車両の移動経路の一部を表すものであるため、第2情報に含まれる情報量も少ない。このため、参照移動経路の設定等を行うときの制御装置における演算負荷を小さくすることができる。
【0015】
本発明の構成要素は、図面を参照しつつ後述する本発明の実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施形態に係る駐車支援装置及びそれが搭載された車両(自車両)を示した図である。
図2図2の(A)は、自車両が駐車スペース付近で停止された場面を示した図であり、図2の(B)は、運転者自身の運転操作により自車両が駐車スペースに向かって移動されている場面を示した図であり、図2の(C)は、運転者自身の運転操作による駐車スペースへの自車両の手動駐車が完了した場面を示した図である。
図3図3の(A)は、自車両が登録駐車スペース付近の起点範囲内で停止された場面を示した図であり、図3の(B)は、自動駐車制御において使用される目標移動経路を示した図であり、図3の(C)は、自動駐車制御により自車両が登録駐車スペースに移動される場面を示した図であり、図3の(D)は、自動駐車制御による登録駐車スペースへの自車両の自動駐車が完了した場面を示した図である。
図4図4の(A)は、自車両が登録駐車スペース付近の起点範囲内で停止された場面を示した図であり、図4の(B)は、自動駐車制御を実行するか否かを判定するために使用される参照移動経路を示した図であり、図3の(C)は、運転者自身の運転操作により自車両が登録駐車スペースに向かって移動されている場面を示した図である。
図5図5の(A)は、自動駐車制御において使用される目標移動経路を示した図であり、図5の(B)は、自動駐車制御により自車両が登録駐車スペースに移動される場面を示した図であり、図5の(C)は、自動駐車制御による登録駐車スペースへの自車両の自動駐車が完了した場面を示した図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る駐車支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係る駐車支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施形態に係る駐車支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施形態に係る駐車支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図10図10の(A)は、自車両が駐車スペース付近で停止された場面を示した図であり、図10の(B)は、運転者自身の運転操作により自車両が駐車スペースに向かって移動されている場面を示した図であり、図10の(C)は、運転者自身の運転操作による駐車スペースへの自車両の手動駐車が完了した場面を示した図である。
図11図11は、本発明の実施形態の第1変形例に係る駐車支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図12図12は、本発明の実施形態の第1変形例に係る駐車支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
図13図13の(A)は、自車両が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲の外で停止された場面を示した図であり、図13の(B)は、運転者自身の運転操作により自車両が登録駐車スペースに向かって移動されている場面を示した図であり、図13の(C)は、自動駐車制御において使用される目標移動経路を示した図であり、図13の(D)は、自動駐車制御により自車両が登録駐車スペースに駐車される場面を示した図である。
図14図14は、本発明の実施形態の第2変形例に係る駐車支援装置が実行するルーチンを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る駐車支援装置について説明する。図1に示したように、本発明の実施形態に係る駐車支援装置10は、自車両100に搭載されている。以下の説明において、自車両100の運転者を単に「運転者」と称呼する。
【0018】
<ECU>
駐車支援装置10は、制御装置としてのECU90を備えている。ECUは、エレクトロニックコントロールユニットの略称である。ECU90は、マイクロコンピュータを主要部として備える。マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェース等を含む。CPUは、ROMに格納されたインストラクション又はプログラム又はルーチンを実行することにより、各種機能を実現するようになっている。
【0019】
<走行装置>
又、自車両100には、走行装置20が搭載されている。走行装置20は、駆動装置21、制動装置22及び操舵装置23を含んでいる。
【0020】
<駆動装置>
駆動装置21は、自車両100を走行させるために自車両100に付加される駆動トルク(駆動力)を出力する装置であり、例えば、内燃機関及びモータ等である。駆動装置21は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、駆動装置21の作動を制御することにより駆動装置21から出力される駆動トルクを制御することができる。
【0021】
<制動装置>
制動装置22は、自車両100を制動するために自車両100に付加される制動トルク(制動力)を出力する装置であり、例えば、ブレーキ装置である。制動装置22は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、制動装置22の作動を制御することにより制動装置22から出力される制動トルクを制御することができる。
【0022】
<操舵装置>
操舵装置23は、自車両100を操舵するために自車両100に付加される操舵トルク(操舵力)を出力する装置であり、例えば、パワーステアリング装置である。操舵装置23は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、操舵装置23の作動を制御することにより操舵装置23から出力される操舵トルクを制御することができる。
【0023】
<センサ等>
更に、自車両100には、アクセルペダル31、アクセルペダル操作量センサ32、ブレーキペダル33、ブレーキペダル操作量センサ34、ハンドル35、ステアリングシャフト36、操舵角センサ37、操舵トルクセンサ38、車速検出装置41、登録開始ボタン42、登録確定ボタン43、自動駐車ボタン44、通知装置60、周辺情報検出装置70及び自車両位置情報検出装置80が搭載されている。
【0024】
<アクセルペダル操作量センサ>
アクセルペダル操作量センサ32は、アクセルペダル31の操作量を検出するセンサであり、ECU90に電気的に接続されている。アクセルペダル操作量センサ32は、検出したアクセルペダル31の操作量の情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいてアクセルペダル31の操作量をアクセルペダル操作量APとして取得する。ECU90は、アクセルペダル操作量AP及び自車両100の走行速度に基づいて要求駆動トルク(要求駆動力)を取得し、その要求駆動トルクに相当する駆動トルクが駆動装置21から自車両100(特に、自車両100の駆動輪)に与えられるように駆動装置21の作動を制御する。
【0025】
<ブレーキペダル操作量センサ>
ブレーキペダル操作量センサ34は、ブレーキペダル33の操作量を検出するセンサであり、ECU90に電気的に接続されている。ブレーキペダル操作量センサ34は、検出したブレーキペダル33の操作量の情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいてブレーキペダル33の操作量をブレーキペダル操作量BPとして取得する。ECU90は、ブレーキペダル操作量BPに基づいて要求制動トルク(要求制動力)を取得し、その要求制動トルクに相当する制動トルクが制動装置22から自車両100(特に、自車両100の車輪)に与えられるように制動装置22の作動を制御する。
【0026】
<操舵角センサ>
操舵角センサ37は、中立位置に対するステアリングシャフト36の回転角度を検出するセンサであり、ECU90に電気的に接続されている。操舵角センサ37は、検出したステアリングシャフト36の回転角度の情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいてステアリングシャフト36の回転角度を操舵角θとして取得する。
【0027】
<操舵トルクセンサ>
操舵トルクセンサ38は、運転者がハンドル35を介してステアリングシャフト36に入力したトルクを検出するセンサであり、ECU90に電気的に接続されている。操舵トルクセンサ38は、検出したトルクの情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいて運転者がハンドル35を介してステアリングシャフト36に入力したトルクをドライバー入力トルクとして取得する。
【0028】
ECU90は、操舵角θ、ドライバー入力トルク及び自車両100の走行速度に基づいて要求操舵トルクを取得し、その要求操舵トルクに相当する操舵トルクが操舵装置23から自車両100(特に、自車両100の操舵輪)に与えられるように操舵装置23の作動を制御する。
【0029】
<車速検出装置>
車速検出装置41は、自車両100の走行速度を検出する装置であり、例えば、車輪速センサである。車速検出装置41は、ECU90に電気的に接続されている。車速検出装置41は、検出した自車両100の走行速度の情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報に基づいて自車両100の走行速度を自車速Vとして取得する。
【0030】
<登録開始ボタン>
登録開始ボタン42は、後述する情報登録制御(情報記憶制御)の実行を要求するために運転者により操作されるボタンであり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、登録開始ボタン42が操作されると、後述する情報登録制御の実行が要求されたと判定する。
【0031】
尚、登録開始ボタン42は、表示装置61がタッチ操作可能なディスプレイを含んでいる場合、そのディスプレイに画像として表示されるものであってもよい。
【0032】
<登録確定ボタン>
登録確定ボタン43は、後述する情報登録制御(情報記憶制御)により取得された各種情報の登録を要求するために運転者により操作されるボタンであり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、登録確定ボタン43が操作されると、後述する情報登録制御により取得された各種情報の登録が要求されたと判定する。
【0033】
尚、登録確定ボタン43は、表示装置61がタッチ操作可能なディスプレイを含んでいる場合、そのディスプレイに画像として表示されるものであってもよい。
【0034】
<自動駐車ボタン>
自動駐車ボタン44は、後述する自動駐車制御の実行を要求するために運転者により操作されるボタンであり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、自動駐車ボタン44が操作されると、自動駐車制御の実行が要求されたと判定する。
【0035】
尚、自動駐車ボタン44は、表示装置61がタッチ操作可能なディスプレイを含んでいる場合、そのディスプレイに画像として表示されるものであってもよい。
【0036】
<通知装置>
通知装置60は、運転者に対する各種の通知を行う装置であり、本例においては、表示装置61及び音響装置62を備えている。表示装置61は、例えば、各種の画像を表示するディスプレイである。又、音響装置62は、例えば、各種の音声を出力するスピーカーである。
【0037】
<表示装置>
表示装置61は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、表示装置61に各種の画像を表示させることができる。
【0038】
<音響装置>
音響装置62は、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、音響装置62から各種の音声を出力させることができる。
【0039】
<周辺情報検出装置>
周辺情報検出装置70は、自車両100の周辺の情報を検出する装置であり、本例においては、電波センサ71及び画像センサ72を備えている。電波センサ71は、例えば、レーダセンサ(ミリ波レーダ等)である。又、画像センサ72は、例えば、カメラである。尚、周辺情報検出装置70は、超音波センサ(クリアランスソナー)等の音波センサやレーザーレーダ(LiDAR)等の光センサを備えていてもよい。
【0040】
<電波センサ>
電波センサ71は、ECU90に電気的に接続されている。電波センサ71は、電波を発信するとともに、物体で反射した電波(反射波)を受信する。電波センサ71は、発信した電波及び受信した電波(反射波)に係る情報(検知結果)をECU90に送信する。別の言い方をすると、電波センサ71は、自車両100の周辺に存在する物体を検知し、その検知した物体に係る情報(検知結果)をECU90に送信する。ECU90は、その情報(電波情報)に基づいて自車両100の周辺に存在する物体に係る情報を周辺検出情報ISとして取得する。尚、本例において、物体は、車両、自動二輪車、自転車及び人等である。
【0041】
<画像センサ>
画像センサ72も、ECU90に電気的に接続されている。画像センサ72は、自車両100の周辺を撮像(撮影)し、撮像した画像(撮像画像、撮影画像、カメラ画像)に係る情報をECU90に送信する。ECU90は、その情報(撮像画像情報、撮影画像情報、カメラ画像情報)に基づいて自車両100の周辺に関する情報を周辺検出情報ISとして取得する。
【0042】
<自車両位置情報検出装置>
自車両位置情報検出装置80は、GPS装置81及び地図情報データベース82を含んでいる。
【0043】
<GPS装置>
GPS装置81は、いわゆるGPS信号を受信する装置であり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、GPS装置81を介してGPS信号を取得する。ECU90は、取得したGPS信号に基づいて自車両100の位置を特定(取得)することができる。
【0044】
<地図情報データベース>
地図情報データベース82は、地図情報を記憶したデータベースであり、ECU90に電気的に接続されている。ECU90は、GPS信号から特定した自車両100の位置と地図情報とに基づいて自車両100が地図情報が示す地図上の何れの場所に位置するかを知ることができる。
【0045】
<駐車支援装置の作動の概要>
次に、駐車支援装置10の作動の概要について説明する。駐車支援装置10は、自車両100を駐車スペースに自動で駐車させるために利用する情報を事前に登録(記憶)するための情報登録制御(情報記憶制御)、及び、その情報登録制御により登録した情報を利用して自車両100を駐車スペースに自動で駐車させる自動駐車制御を実行する装置である。以下、これら情報登録制御及び自動駐車制御について説明する。
【0046】
<情報登録制御>
まず、情報登録制御について説明する。駐車支援装置10は、例えば、図2の(A)に示したように、自車両100が駐車スペース200付近で停止され、そのときに登録開始条件が成立すると、情報登録制御を開始する。本例において、登録開始条件は、登録開始ボタン42が操作されたとの条件である。
【0047】
駐車支援装置10は、情報登録制御を開始すると、起点情報処理を実行する。起点情報処理は、カメラ画像から自車両100の周辺の地面及び/又は立体物(壁や建物、木等)の特徴点(起点特徴点)を検出し、その起点特徴点を起点情報として保存するとともに、その起点特徴点と自車両100との位置関係(起点位置関係)を取得し、その起点位置関係を起点特徴点に紐付けて起点情報として保存する処理である。尚、起点情報処理により検出する起点特徴点は、1つでもよいが、本例においては、複数である。又、本例において、駐車支援装置10は、各種情報を保存する場合、それら情報を不揮発性メモリ等の記憶装置に保存する。又、本例において、駐車支援装置10は、後述するように、保存した各種情報を確定情報として登録又は記憶する場合、それら情報を不揮発性メモリ等の記憶装置に確定情報として登録又は記憶する。
【0048】
駐車支援装置10は、起点情報処理の実行後、図2の(B)に示したように、駐車スペース200への自車両100の手動駐車が行われている間、経路情報処理を所定時間間隔で実行する。駐車スペース200への自車両100の手動駐車は、運転者の運転操作による駐車スペース200への自車両100の駐車のことである。又、経路情報処理は、自車両100の移動経路Rを取得し、その移動経路Rを起点特徴点に紐付けて経路情報として保存する処理である。
【0049】
尚、自車両100の移動経路Rは、自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化により表すことができる。従って、本例において、経路情報処理は、自車両100の操舵量を取得し、その操舵量で自車両100が走行した距離(自車両100の走行距離)を取得し、それら取得した操舵量及び走行距離を起点特徴点に紐付けて経路情報として保存する処理である。従って、駐車支援装置10は、起点情報処理の実行後、自車両100の操舵量を所定時間間隔で取得するとともに、取得したそれぞれの操舵量で所定時間間隔の間に自車両100が走行した距離(自車両100の走行距離)を取得し、それら取得した操舵量及び走行距離を経路情報として保存する。本例において、自車両100の操舵量は、自車両100の操舵輪の舵角の大きさである。
【0050】
その後、登録終了条件が成立すると、駐車支援装置10は、終点情報処理を実行する。本例において、登録終了条件は、図2の(C)に示したように、駐車スペース200への自車両100の手動駐車が完了し、登録確定ボタン43が操作されたとの条件である。尚、本例において、駐車支援装置10は、自車速Vがゼロとなり且つ自車両100のシフトレバーがパーキングレンジに設定された場合、駐車スペース200への自車両100の手動駐車が完了したと判定する。又、終点情報処理は、カメラ画像から自車両100の周辺の地面及び/又は立体物の特徴点(終点特徴点)を検出し、その終点特徴点を終点情報として保存するとともに、その終点特徴点と自車両100との位置関係(終点位置関係)を取得し、その終点位置関係を終点特徴点に紐付けて終点情報として保存する処理である。尚、終点情報処理により取得する終点特徴点は、1つでもよいが、本例においては、複数である。
【0051】
駐車支援装置10は、終点情報処理の実行後、登録処理を実行する。登録処理は、今回、運転者の運転操作により自車両100が駐車された駐車スペース200を登録駐車スペースとして登録するとともに、保存してある起点情報、経路情報及び終点情報を確定情報として当該登録駐車スペースに紐付けて登録又は記憶する処理である。
【0052】
駐車支援装置10は、登録処理を実行した後、情報登録制御を終了する。
【0053】
尚、以下の説明において、登録起点情報は、登録駐車スペースに紐付けて登録されている起点情報であり、登録起点特徴点は、登録起点情報として記憶されている起点特徴点であり、登録起点位置関係は、登録起点情報として記憶されている起点位置関係である。更に、以下の説明において、登録経路情報は、登録駐車スペースに紐付けて登録されている経路情報である。更に、以下の説明において、登録終点情報は、登録駐車スペースに紐付けて登録されている終点情報であり、登録終点特徴点は、登録終点情報として記憶されている終点特徴点であり、登録終点位置関係は、登録終点情報として記憶されている終点位置関係である。
【0054】
<自動駐車制御>
次に、自動駐車制御について説明する。駐車支援装置10は、起点条件が成立し且つ自動駐車要求条件が成立すると、自動駐車制御を開始する。起点条件は、図3の(A)に示したように、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されたとの条件であり、自動駐車要求条件は、自動駐車ボタン44が操作されたとの条件である。起点範囲Astartは、登録起点特徴点が検出されたときの自車両100の位置を中心として一定の距離内の範囲である。
【0055】
尚、駐車支援装置10は、起点条件が成立したときに、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車を行うことができることを表す画像(自動駐車提案画像)を表示装置61により表示し、或いは、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車を行うことができることを表す音声(自動駐車提案音声)を音響装置62から出力するように構成されてもよい。尚、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車は、自動駐車制御による登録駐車スペースへの自車両100の駐車のことである。
【0056】
又、駐車支援装置10は、起点条件が成立したときに、自動駐車提案画像を表示し及び/又は自動駐車提案音声を出力するのに加えて、自動駐車ボタン44を表示装置61に表示するように構成されてもよい。
【0057】
又、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されたか否かの判定は、自車両100が停止されたときのカメラ画像に基づいて行われてもよいし、自車両100が停止されたときにGPS信号から特定される自車両100の位置に基づいて行われてもよい。
【0058】
自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されたか否かの判定をカメラ画像に基づいて行う場合、自車両100が停止されたときのカメラ画像から登録起点特徴点に対応する特徴点が検出され且つその特徴点と自車両100との位置関係が登録起点位置関係と一定の範囲内で一致する場合、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されたと判定される。
【0059】
一方、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されたか否かの判定を自車両100が停止されたときにGPS信号から特定される自車両100の位置に基づいて行う場合、登録開始条件が成立したときにGPS信号から特定される自車両100の位置を起点位置として登録駐車スペースに紐付けて登録しておき、自車両100が停止されたときにGPS信号から特定される自車両100の位置が起点位置から一定の距離の範囲内にある場合、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されたと判定する。
【0060】
駐車支援装置10は、自動駐車制御を開始すると、カメラ画像から検出した特徴点であって、登録起点特徴点に対応する特徴点(追跡開始地点特徴点)と自車両100との位置関係を取得し、その位置関係と登録起点位置関係とを比較し、図3の(B)に示したように、その比較結果及び登録経路情報に基づいて目標移動経路Rtgtを設定する。目標移動経路Rtgtは、自車両100を登録駐車スペースに駐車させるために自車両100を走行させる経路として適切な経路である。
【0061】
尚、先に述べたように、自車両100の移動経路Rは、自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化により表されるので、本例において、目標移動経路Rtgtは、自車両100の走行距離に対して目標とする自車両100の操舵量の変化により表される。
【0062】
駐車支援装置10は、目標移動経路Rtgtを設定すると、図3の(C)に示したように、自車両100がその目標移動経路Rtgtに沿って走行するように走行装置20の作動を制御する。そして、図3の(D)に示したように、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了すると、駐車支援装置10は、自動駐車制御を終了する。
【0063】
登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したか否かの判定は、カメラ画像に基づいて行われてもよいし、GPS信号から特定される自車両100の位置に基づいて行われてもよい。
【0064】
登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したか否かの判定をカメラ画像に基づいて行う場合、自車両100が停止されたときのカメラ画像から登録終点特徴点に対応する特徴点が検出され且つその特徴点と自車両100との位置関係が登録終点位置関係と一定の範囲内で一致する場合、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したと判定される。
【0065】
一方、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したか否かの判定をGPS信号から特定される自車両100の位置に基づいて行う場合、情報登録制御の実行時、登録終了条件が成立したときにGPS信号から特定される自車両100の位置を駐車完了位置として登録駐車スペースに紐付けて登録しておき、自車両100が停止されたときにGPS信号から特定される自車両100の位置が駐車完了位置から一定の距離の範囲内にある場合、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したと判定する。
【0066】
又、駐車支援装置10は、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したときに登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したことを表す画像(自動駐車完了通知画像)を表示装置61により表示し、或いは、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したことを表す音声(自動駐車完了通知音声)を音響装置62から出力してもよい。
【0067】
<追跡制御>
ところで、図4の(A)に示したように、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止したが、運転者が自動駐車制御を利用せずに自身の運転操作で自車両100を登録駐車スペースに駐車しようとして自車両100を走行させ始めた後で、自動駐車制御を利用して自車両100を登録駐車スペースに駐車させようとすることもあり、このとき、運転者が自動駐車制御を利用することができれば、運転者にとって便利である。
【0068】
そこで、駐車支援装置10は、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止したが、自動駐車ボタン44が操作されず、自動駐車要求条件が成立しない場合、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が行われている途中で自動駐車ボタン44が操作されたときに自動駐車制御を実行することができるか否かを判定するために、追跡制御を開始する。
【0069】
駐車支援装置10は、追跡制御を開始すると、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されて起点条件が成立した場合、参照移動経路設定処理を実行する。参照移動経路設定処理は、図4の(B)に示したように、自車両100を登録駐車スペースに駐車させるために自車両100を走行させる経路として適切な経路を参照移動経路Rrefとして設定する処理である。特に、参照移動経路設定処理は、登録起点特徴点に対応する特徴点(追跡起点特徴点)をカメラ画像から検出し、その追跡起点特徴点と自車両100との位置関係を取得し、その位置関係と登録起点位置関係とを比較し、その比較結果及び登録経路情報に基づいて自車両100を登録駐車スペースに駐車させるために自車両100を走行させる経路として適切な経路を参照移動経路Rrefとして設定する処理である。
【0070】
尚、参照移動経路Rrefは、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されて起点条件が成立したときに自動駐車要求条件が成立して自動駐車制御が開始されたならば設定されたであろう目標移動経路Rtgtと同じものであり、自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化により表される。
【0071】
その後、駐車支援装置10は、図4の(C)に示したように、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が行われている間、自動駐車ボタン44が操作されない限り、走行情報処理を所定時間間隔で実行する。走行情報処理は、自車両100の操舵量とその操舵量で自車両100が走行した距離(自車両100の走行距離)を取得し、これら操舵量及び走行距離を追跡起点特徴点に紐付けて走行情報として保存する処理である。
【0072】
<自動駐車制御>
そして、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了するまでに、自動駐車ボタン44が操作されて所定条件(自動駐車要求条件)が成立した場合、駐車支援装置10は、自車両位置条件が成立しているか否かを判定する。自車両位置条件は、自車両100が参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在するとの条件である。本例において、自車両位置条件が成立しているか否かは、追跡起点特徴点に紐付けて保存してある走行情報(即ち、自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化)に基づいて判定される。即ち、追跡起点特徴点の検出後の自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化から、参照移動経路Rrefに対する自車両100の位置を特定することができるので、駐車支援装置10は、追跡起点特徴点に紐付けて保存してある自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化に基づいて自車両位置条件が成立しているか否か、即ち、自車両100が参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在するか否かを判定することができる。
【0073】
自車両位置条件が成立していない場合、駐車支援装置10は、自動運転制御を実行しない。一方、自車両位置条件が成立している場合、駐車支援装置10は、自動運転制御を開始する。
【0074】
駐車支援装置10は、自動運転制御を開始すると、図5の(A)に示したように、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車を行うに当たり適切であるものと判断される自車両100の移動経路を目標移動経路Rtgtとして設定し、図5の(B)に示したように、その目標移動経路Rtgtに沿って自車両100を走行させ、自車両100を登録駐車スペースに駐車させる。
【0075】
尚、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車を行うに当たり適切であるものと判断される自車両100の移動経路(目標移動経路Rtgt)は、自動駐車制御の開始時点における自車両100と参照移動経路Rrefとの位置関係に基づいて設定される。
【0076】
又、駐車支援装置10は、起点条件が成立したときに自動駐車ボタン44の操作が行われなかった場合、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了するまでの間、自動駐車ボタン44が操作されない限り、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車を利用することができることを表す画像(自動駐車利用提案画像)を表示装置61により表示し、或いは、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車を利用することができることを表す音声(自動駐車利用提案音声)を音響装置62から出力するように構成されてもよい。
【0077】
又、駐車支援装置10は、起点条件が成立したときに自動駐車ボタン44の操作が行われなかった場合、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了するまでの間、自動駐車ボタン44が操作されない限り、自動駐車ボタン44を表示装置61に表示しておくように構成されてもよい。
【0078】
又、駐車支援装置10は、このように構成されている場合、追跡起点特徴点の検出後、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了するまでの間、走行情報の取得と、自車両位置条件が成立しているか否かの判定と、を所定時間間隔で行い、自車両位置条件が成立していないと判定したときに、表示装置61における自動駐車利用提案画像の表示、音響装置62からの自動駐車利用提案音声の出力、及び、表示装置61における自動駐車ボタン44の表示を停止するように構成されてもよい。
【0079】
従って、この場合、自動駐車ボタン44が操作されたときには、当然、自車両位置条件が成立しているので、駐車支援装置10は、自動駐車ボタン44が操作されると、自動駐車制御を開始することになる。
【0080】
そして、図5の(C)に示したように、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了すると、駐車支援装置10は、自動駐車制御を終了する。
【0081】
これによれば、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されたにもかかわらす、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が開始され、その後、運転者が自動駐車制御を利用して自車両100を登録駐車スペースに自動駐車させようとした場合も、運転者は、自動駐車制御を利用して自車両100を登録駐車スペースに自動駐車させることができる。
【0082】
尚、駐車支援装置10は、起点情報、移動経路情報、終点情報、追跡起点情報及び走行情報等の各種情報を1つの記憶装置(不揮発性メモリ)に記憶するように構成されていてもよいし、これら各種情報をそれぞれ別々の記憶装置に記憶するように構成されていてもよい。
【0083】
又、上述した例において、駐車支援装置10は、1つのECU90のみを備え、そのECU90により各種制御及び各種処理を実行するように構成されているが、複数のECUを備え、これらECUにより各種制御及び各種処理をそれぞれ実行するように構成されていてもよい。
【0084】
<駐車支援装置の具体的な作動>
次に、駐車支援装置10の具体的な作動について説明する。駐車支援装置10のECU90のCPUは、図6に示したルーチンを所定時間間隔で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図6に示したルーチンのステップ600から処理を開始し、その処理をステップ605に進め、情報登録実行中フラグX1の値が「0」であるか否かを判定する。情報登録実行中フラグX1の値は、情報登録制御が実行されているときには「1」に設定されており、情報登録制御が実行されていないときには「0」に設定されている。
【0085】
CPUは、ステップ605にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ610に進め、登録開始条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ610にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ615に進め、起点情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ620に進め、情報登録実行中フラグX1の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ695に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0086】
一方、CPUは、ステップ610にて「No」と判定した場合、処理をステップ695に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0087】
又、CPUは、ステップ605にて「No」と判定した場合、処理をステップ635に進め、走行情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ640に進め、登録終了条件が成立したか否かを判定する。CPUは、ステップ640にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ645に進め、終点情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ650に進め、登録処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ655に進め、情報登録実行中フラグX1の値を「0」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ695に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0088】
一方、CPUは、ステップ640にて「No」と判定した場合、処理をステップ695に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0089】
更に、CPUは、図7に示したルーチンを所定時間間隔で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図7に示したルーチンのステップ700から処理を開始し、その処理をステップ705に進め、起点条件が成立したか否かを判定する。
【0090】
CPUは、ステップ705にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ710に進め、自動駐車要求条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ710にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ715に進め、自動駐車実行中フラグX2の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ720に進め、追跡実行中フラグX3の値を「0」に設定(リセット)する。自動駐車実行中フラグX2の値は、自動駐車制御が実行されているときには、「1」に設定されており、自動駐車制御が実行されていないときには、「0」に設定されている。又、追跡実行中フラグX3の値は、追跡制御が実行されているときには、「1」に設定されており、追跡制御が実行されていないときには、「0」に設定されている。次いで、CPUは、処理をステップ795に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0091】
一方、CPUは、ステップ710にて「No」と判定した場合、処理をステップ725に進め、追跡実行中フラグX3の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ730に進め、自動駐車実行中フラグX2の値を「0」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ795に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0092】
又、CPUは、ステップ705にて「No」と判定した場合、処理をステップ795に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0093】
更に、CPUは、図8に示したルーチンを所定時間間隔で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図8に示したルーチンのステップ800から処理を開始し、その処理をステップ805に進め、自動駐車実行中フラグX2の値が「1」であるか否かを判定する。
【0094】
CPUは、ステップ805にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ810に進め、目標移動経路設定済フラグX4の値が「0」であるか否かを判定する。CPUは、ステップ810にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ815に進め、自動駐車制御を開始し、目標移動経路Rtgtを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ820に進め、目標移動経路設定済フラグX4の値を「1」に設定する。目標移動経路設定済フラグX4の値は、目標移動経路Rtgtが既に設定されているときには、「1」に設定されており、目標移動経路Rtgtが設定されていないときには、「0」に設定されている。
【0095】
次いで、CPUは、処理をステップ895に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0096】
一方、CPUは、ステップ810にて「No」と判定した場合、処理をステップ825に進め、自車両100が目標移動経路Rtgtに沿って移動するように走行装置20の作動を制御する。次いで、CPUは、処理をステップ830に進め、登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車が完了したか否かを判定する。CPUは、ステップ830にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ835に進め、自動駐車実行中フラグX2及び目標移動経路設定済フラグX4の値をそれぞれ「0」に設定することにより、自動駐車制御を終了する。次いで、CPUは、処理をステップ895に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0097】
一方、CPUは、ステップ830にて「No」と判定した場合、処理をステップ895に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0098】
又、CPUは、ステップ805にて「No」と判定した場合も、処理をステップ895に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0099】
更に、CPUは、図9に示したルーチンを所定時間間隔で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図9に示したルーチンのステップ900から処理を開始し、その処理をステップ905に進め、追跡実行中フラグX3の値が「1」であるか否かを判定する。
【0100】
CPUは、ステップ905にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ910に進め、参照移動経路設定済フラグX5の値が「0」であるか否かを判定する。参照移動経路設定済フラグX5の値は、参照移動経路Rrefが既に設定されているときには、「1」に設定されており、参照移動経路Rrefが設定されていないときには、「0」に設定されている。
【0101】
CPUは、ステップ910にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ920に進め、参照移動経路設定処理を実行し、参照移動経路Rrefを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ925に進め、参照移動経路設定済フラグX5の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ995に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0102】
一方、CPUは、ステップ910にて「No」と判定した場合、処理をステップ930に進め、走行情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ935に進め、自動駐車要求条件が成立したか否かを判定する。CPUは、ステップ935にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ940に進め、自車両位置条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ940にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ945に進め、自動駐車実行中フラグX2の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ950に進め、追跡実行中フラグX3及び参照移動経路設定済フラグX5の値をそれぞれ「0」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ995に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0103】
一方、CPUは、ステップ935又はステップ940にて「No」と判定した場合、処理をステップ955に進め、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了したか否かを判定する。CPUは、ステップ955にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ960に進め、追跡実行中フラグX3及び参照移動経路設定済フラグX5の値をそれぞれ「0」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ995に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0104】
一方、CPUは、ステップ955にて「No」と判定した場合、処理をステップ995に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0105】
又、CPUは、ステップ905にて「No」と判定した場合も、処理をステップ995に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0106】
以上が駐車支援装置10の具体的な作動である。
【0107】
<第1変形例>
次に、本発明の実施形態の第1変形例に係る駐車支援装置10について説明する。上述した実施形態においては、駐車支援装置10は、自車両位置条件が成立しているか否かを判定するために、追跡起点特徴点の検出後に取得した走行情報を全て保存し、又、自車両位置条件が成立しているか否かの判定に、その走行情報を全て使用するので、駐車支援装置10のCPU等における演算負荷が高い。そこで、駐車支援装置10は、以下のように構成されてもよい。
【0108】
<情報登録制御>
即ち、第1変形例において、駐車支援装置10は、図10の(A)に示したように、自車両100が駐車スペース200付近で停止され、そのときに登録開始条件が成立し、情報登録制御を開始すると、カメラ画像から起点特徴点を検出し、その起点特徴点を起点情報として保存するとともに、その起点特徴点と自車両100との位置関係(起点位置関係)を取得し、その起点位置関係を起点特徴点に紐付けて起点情報として保存する処理(起点情報処理)を実行する。
【0109】
そして、駐車支援装置10は、起点情報処理の実行後、初期経路情報処理を所定時間間隔で実行する。初期経路情報処理は、上述した実施形態における経路情報処理と同じ処理であり、自車両100の移動経路Rを取得し、その移動経路Rを起点特徴点に紐付けて移動経路情報として保存する処理である。
【0110】
加えて、第1変形例においては、駐車支援装置10は、起点情報処理の実行後、自車両100が所定距離を走行する毎に中間点情報処理を実行する。中間点情報処理は、駐車スペース200の周辺の地面又は立体物の特徴点(中間点特徴点)をカメラ画像から検出し、その中間点特徴点を中間点情報として保存し、その中間点特徴点と自車両100との位置関係を取得し、その位置関係を当該中間点特徴点に紐付けて中間点情報として保存する処理である。
【0111】
例えば、図10の(B)に示したように、駐車スペース200への自車両100の手動駐車が行われる場合、自車両100が領域A1に停止されているときに起点情報処理が実行され、その後、自車両100が所定距離を走行して領域A2に到達したときに中間点情報処理が実行され、その後、自車両100が所定距離を走行して領域A3に到達したときに中間点情報処理が実行され、その後、自車両100が所定距離を走行して領域A4に到達したときに中間点情報処理が実行される。
【0112】
そして、駐車支援装置10は、それぞれの中間点情報処理の実行後は、中間経路情報処理を所定時間間隔で実行する。中間経路情報処理は、中間点情報処理の実行後における自車両100の移動経路Rを中間点特徴点に紐付けて中間点経路情報として保存する処理である。特に、中間経路情報処理は、中間点情報処理の実行後における自車両100の操舵量を取得するとともに、その操舵量で自車両100が走行した距離(自車両100の走行距離)を取得し、それら取得した操舵量及び走行距離を中間点特徴点に紐付けて中間点経路情報として保存する処理である。
【0113】
そして、駐車支援装置10は、駐車スペース200への自車両100の自動駐車が完了するまで、自車両100が所定距離だけ走行する毎に中間点特徴点検出処理及び中間点情報保存処理を実行し、その後、中間経路情報処理を所定時間間隔で実行する。
【0114】
そして、駐車支援装置10は、図10の(C)に示したように、駐車スペース200への自車両100の手動駐車が完了し、登録確定ボタン43が操作され、その結果、登録終了条件が成立すると、終点情報処理を実行し、その後、登録処理を実行する。
【0115】
第1変形例における終点情報処理は、上述した実施形態における終点情報処理と同じ処理である。又、第1変形例における登録処理は、今回、運転者の運転操作により自車両100が駐車された駐車スペース200を登録駐車スペースとして登録するとともに、保存してある起点情報、起点経路情報、中間点情報、中間点経路情報及び終点情報を確定情報として当該登録駐車スペースに紐付けて登録又は記憶する処理である。
【0116】
駐車支援装置10は、登録処理を実行した後、情報登録制御を終了する。
【0117】
尚、以下の説明において、登録中間点情報は、登録駐車スペースに紐付けて登録されている中間点情報であり、登録中間点特徴点は、登録中間点情報として記憶されている中間点特徴点であり、登録中間点位置関係は、登録中間点情報として記憶されている中間点位置関係である。
【0118】
<追跡制御>
その後、起点条件が成立したときに自動駐車要求条件が成立しない場合、駐車支援装置10は、追跡制御を開始する。駐車支援装置10は、追跡制御を開始すると、参照移動経路設定処理を実行する。このときに実行される参照移動経路設定処理は、上述した実施形態における参照移動経路設定処理を同じ処理である。
【0119】
そして、その後、駐車支援装置10は、登録中間点特徴点に対応する特徴点(対象中間点特徴点)が検出されるまでの間、自動駐車ボタン44が操作されない限り、初期走行情報処理を所定時間間隔で実行する。
【0120】
初期走行情報処理は、上述した実施形態における走行情報処理と同じ処理であり、自車両100の操舵量とその操舵量で自車両100が走行した距離(自車両100の走行距離)を初期走行情報(第1情報)として取得し、これら操舵量及び走行距離を対象起点特徴点に紐付けて保存する処理である。
【0121】
その後、対象中間点特徴点が検出されると、駐車支援装置10は、中間参照移動経路設定処理を実行する。中間参照移動経路設定処理は、対象中間点特徴点と自車両100との位置関係を対象中間点位置関係として取得し、その対象中間点位置関係と登録中間点位置関係とを比較し、その比較結果及び登録中間移動経路に基づいて中間参照移動経路Rrefを設定する処理である。
【0122】
尚、中間参照移動経路Rrefは、対象中間点特徴点が検出されて中間点条件が成立したときに自動駐車要求条件が成立して自動駐車制御が開始されたならば設定されたであろう目標移動経路Rtgtと同じものであり、自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化により表される。
【0123】
その後、駐車支援装置10は、次の登録中間点特徴点に対応する特徴点(対象中間点特徴点)が検出されるまでの間、自動駐車ボタン44が操作されない限り、中間走行情報処理を所定時間間隔で実行する。
【0124】
中間走行情報処理は、上述した実施形態における走行情報処理と同じ処理であり、自車両100の操舵量とその操舵量で自車両100が走行した距離(自車両100の走行距離)を中間走行情報(第2情報)として取得し、これら操舵量及び走行距離を対象中間点特徴点に紐付けて保存する処理である。
【0125】
その後、駐車支援装置10は、登録中間点特徴点に対応する特徴点が検出される度に、参照移動経路設定処理を実行し、経路情報保存処理を実行する。
【0126】
<自動駐車制御>
そして、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了するまでに、自動駐車ボタン44が操作されて自動駐車要求条件が成立した場合、駐車支援装置10は、自車両位置条件が成立しているか否かを判定する。第1変形例において、自車両位置条件は、自車両100が初期参照移動経路Rref又は中間参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在するとの条件である。本例において、自車両位置条件が成立しているか否かは、追跡起点情報処理の開始から最初の追跡中間点情報処理の開始までは、追跡起点情報処理により保存された初期走行情報(即ち、自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化)に基づいて判定され、先の追跡中間点情報処理の開始から次の追跡中間点情報処理の開始までは、先の追跡中間点情報処理により保存された中間走行情報(即ち、自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化)に基づいて判定される。
【0127】
自車両100が初期参照移動経路Rref又は中間参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在しない場合、駐車支援装置10は、自動運転制御を実行しない。一方、自車両100が初期参照移動経路Rref又は中間参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在する場合、駐車支援装置10は、自動運転制御を開始する。
【0128】
これによれば、自車両100が参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在するか否かを判定するために登録駐車スペースへの自車両100の手動操作が行われている間に保存する情報(即ち、自車両100の操舵量及び走行距離の情報)が少なくてすみ、その結果、自車両100が参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在するか否かの判定を行うときに使用する情報も少なくてすむので、CPU等における演算負荷を下げることができる。
【0129】
<第1変形例に係る駐車支援装置の具体的な作動>
次に、第1変形例に係る駐車支援装置10の具体的な作動について説明する。第1変形例に係る駐車支援装置10のECU90のCPUは、図6に示したルーチンに代えて、図11に示したルーチンを所定時間間隔で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図11に示したルーチンのステップ1100から処理を開始し、その処理をステップ1105に進め、情報登録実行中フラグX1の値が「0」であるか否かを判定する。
【0130】
CPUは、ステップ1105にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1110に進め、登録開始条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ1110にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1115に進め、起点情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ1120に進め、情報登録実行中フラグX1の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1195に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0131】
一方、CPUは、ステップ1110にて「No」と判定した場合、処理をステップ1195に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0132】
又、CPUは、ステップ1105にて「No」と判定した場合、処理をステップ1125に進め、所定距離走行条件が成立したか否かを判定する。所定距離走行条件は、自車両100が所定距離を走行する毎に成立する。
【0133】
CPUは、ステップ1125にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1130に進め、中間点情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ1135に進める。
【0134】
一方、CPUは、ステップ1125にて「No」と判定した場合、処理をステップ1135に直接進める。
【0135】
CPUは、処理をステップ1135に進めると、この時点で中間点特徴点の取得が一度も行われていない場合には、初期走行情報処理を実行し、この時点で中間点特徴点の取得が一度でも行われている場合には、中間走行情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ1140に進め、登録終了条件が成立したか否かを判定する。CPUは、ステップ1140にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1145に進め、終点情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ1150に進め、登録処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ1155に進め、情報登録実行中フラグX1の値を「0」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1195に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0136】
一方、CPUは、ステップ1140にて「No」と判定した場合、処理をステップ1195に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0137】
更に、CPUは、図9に示したルーチンに代えて、図12に示したルーチンを所定時間間隔で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図12に示したルーチンのステップ1200から処理を開始し、その処理をステップ1205に進め、追跡実行中フラグX3の値が「1」であるか否かを判定する。
【0138】
CPUは、ステップ1205にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1210に進め、参照移動経路設定済フラグX5の値が「0」であるか否かを判定する。
【0139】
CPUは、ステップ1210にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1220に進める。一方、CPUは、ステップ1210にて「No」と判定した場合、処理をステップ1215に進め、対象中間点特徴点が検出されたか否かを判定する。CPUは、ステップ1215にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1220に進める。
【0140】
CPUは、処理をステップ920に進めると、この時点で対象中間点特徴点の取得が一度も行われていない場合には、初期参照移動経路設定処理を実行して初期参照移動経路Rrefを設定し、この時点で対象中間点特徴点の取得が一度でも行われている場合には、中間参照移動経路設定処理を実行して中間参照移動経路Rrefを設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1225に進め、参照移動経路設定済フラグX5の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1295に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0141】
一方、CPUは、ステップ1215にて「No」と判定した場合、処理をステップ1230に進め、この時点で対象中間点特徴点の取得が一度も行われていない場合には、初期走行情報処理を実行し、この時点で対象中間点特徴点の取得が一度でも行われている場合には、中間走行情報処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ1235に進め、自動駐車要求条件が成立したか否かを判定する。CPUは、ステップ1235にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1240に進め、自車両位置条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、ステップ1240にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1245に進め、自動駐車実行中フラグX2の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1250に進め、追跡実行中フラグX3及び参照移動経路設定済フラグX5の値をそれぞれ「0」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1295に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0142】
一方、CPUは、ステップ1235又はステップ1240にて「No」と判定した場合、処理をステップ1255に進め、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了したか否かを判定する。CPUは、ステップ1255にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1260に進め、追跡実行中フラグX3及び参照移動経路設定済フラグX5の値をそれぞれ「0」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1295に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0143】
一方、CPUは、ステップ1255にて「No」と判定した場合、処理をステップ1295に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0144】
又、CPUは、ステップ1205にて「No」と判定した場合も、処理をステップ1295に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0145】
以上が第1変形例に係る駐車支援装置10の具体的な作動である。
【0146】
<第2変形例>
次に、本発明の実施形態の第2変形例に係る駐車支援装置10について説明する。上述した実施形態においては、駐車支援装置10は、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了するまでの間に自動駐車ボタン44が操作されれば、自動駐車制御が実行されるが、このように自動駐車制御が実行されるには、自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたときに起点条件が成立したこと、即ち、自車両100が起点範囲Astart内の位置に停止されたことが条件となる。
【0147】
従って、図13の(A)に示したように、自車両100が起点範囲Astartから離れたところに停止されたために起点条件が成立せず、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が開始された後、運転者が自動駐車制御を利用した登録駐車スペースへの自車両100の自動駐車を希望しても、運転者は、自動駐車制御を利用することができないが、この場合にも、運転者が自動駐車制御を利用することができれば、運転者にとって便利である。そこで、駐車支援装置10は、以下のように構成されてもよい。
【0148】
<情報登録制御>
即ち、本発明の実施形態の第2変形例において、駐車支援装置10は、登録開始条件が成立したときに、第1変形例に係る駐車支援装置10と同様に、情報登録制御を実行して起点情報、初期走行情報、中間点情報、中間走行情報及び終点情報並びに駐車スペースを登録又は記憶する。
【0149】
<追跡制御>
そして、図13の(A)に示したように、自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲Astartから離れたところに停止されたために起点条件が成立していない状態で、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が開始された場合、駐車支援装置10は、追跡制御を開始する。駐車支援装置10は、追跡制御を開始すると、図13の(B)に示したように、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が行われている間、登録中間点特徴点に対応する特徴点(対象中間点特徴点)をカメラ画像から検出する処理(対象中間点特徴点検出処理)を所定時間間隔で実行する。
【0150】
尚、自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲Astartから離れたところに停止されたか否かの判定は、カメラ画像に基づいて行われてもよいし、GPS信号から特定した自車両100の位置に基づいて行われてもよい。
【0151】
自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲Astartから離れたところに停止されたか否かの判定をカメラ画像に基づいて行う場合、自車両100が停止されたときのカメラ画像から登録起点特徴点に対応する特徴点(対象起点特徴点)が検出され且つその対象起点特徴点と自車両100との位置関係が登録起点位置関係から一定程度以上に乖離している場合、自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲Astartから離れたところに停止されたと判定される。
【0152】
一方、自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲Astartから離れたところに停止されたか否かの判定をGPS信号から特定される自車両100の位置に基づいて行う場合、登録開始条件が成立して情報登録制御が開始されたときにGPS信号から特定される自車両100の位置を起点位置として登録駐車スペースに紐付けて登録しておき、情報登録制御の終了後、自車両100が停止されたときにGPS信号から特定される自車両100の位置が登録しておいた起点位置から一定程度以上、離れてはいるがその起点位置に近いところにある場合、自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲Astartから離れたところに停止されたと判定する。
【0153】
そして、駐車支援装置10は、対象中間点特徴点が検出された場合、その対象中間点特徴点について、中間参照移動経路設定処理を実行し、その後、中間走行情報処理を所定時間間隔で実行する。その後、駐車支援装置10は、別の対象中間点特徴点が検出される度に、その対象中間点特徴点について、中間参照移動経路設定処理を実行し、その後、中間走行情報処理を所定時間間隔で実行する。
【0154】
<自動駐車制御>
そして、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が完了するまでに、自動駐車ボタン44が操作されて自動駐車要求条件が成立した場合、駐車支援装置10は、対象中間点特徴点に紐付けて保存してある中間走行情報(即ち、自車両100の走行距離に対する自車両100の操舵量の変化)に基づいて自車両100が中間参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在するか否かを判定する。即ち、駐車支援装置10は、自車両位置条件が成立しているか否かを判定する。
【0155】
自車両位置条件が成立していない場合、駐車支援装置10は、自動運転制御を実行しない。一方、自車両位置条件が成立している場合、駐車支援装置10は、自動運転制御を開始し、図13の(C)に示したように、目標移動経路Rtgtを設定し、図13の(D)に示したように、目標移動経路Rtgtに沿って自車両100を走行させる。
【0156】
これによれば、自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲Astartから離れたところに停止されたために起点条件が成立しなかった場合も、対象中間点特徴点が検出されれば、その後は、自車両100が中間参照移動経路Rrefから所定距離範囲内の位置に存在する限り、運転者は、自動駐車制御を利用して自車両100を登録駐車スペースに自動駐車させることができる。
【0157】
尚、第2変形例に係る駐車支援装置10は、対象中間点特徴点が検出されたことにより、目標移動経路Rtgtの設定が可能になった時点で、表示装置61による自動駐車提案画像の表示及び/又は音響装置62からの自動駐車提案音声の出力を行うように構成されてもよい。
【0158】
<第2変形例に係る駐車支援装置の具体的な作動>
次に、第2変形例に係る駐車支援装置10の具体的な作動について説明する。第2変形例に係る駐車支援装置10のECU90のCPUは、図7図8図11及び図12に示したルーチンに加えて、図14に示したルーチンを所定時間間隔で実行するようになっている。従って、所定のタイミングになると、CPUは、図14に示したルーチンのステップ1400から処理を開始し、その処理をステップ1405に進め、起点付近条件が成立しているか否かを判定する。起点付近条件は、自車両100が登録駐車スペース付近で停止されたが、起点範囲Astartから離れたところに停止されたために起点条件が成立せず、登録駐車スペースへの自車両100の手動駐車が開始されたときに成立する。
【0159】
CPUは、ステップ1405にて「Yes」と判定された場合、検出処理実行中フラグX6の値を「1」に設定する。検出処理実行中フラグX6の値は、中間点特徴点検出処理が実行されているときには、「1」に設定されており、中間点特徴点検出処理が実行されていないときには、「0」に設定されている。
【0160】
次いで、CPUは、処理をステップ1420に進める。
【0161】
一方、CPUは、ステップ1405にて「No」と判定した場合、処理をステップ1415に進め、検出処理実行中フラグX6の値が「1」であるか否かを判定する。CPUは、ステップ1415にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1420に進める。
【0162】
CPUは、処理をステップ1420に進めると、中間点特徴点検出処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ1425に進め、対象中間点特徴点が検出されたか否かを判定する。CPUは、ステップ1425にて「Yes」と判定した場合、処理をステップ1430に進め、中間参照移動経路設定処理を実行する。次いで、CPUは、処理をステップ1435に進め、参照移動経路設定済フラグX5の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1440に進め、追跡実行中フラグX3の値を「1」に設定する。次いで、CPUは、処理をステップ1445に進め、検出処理実行中フラグX6の値を「0」に設定(リセット)する。次いで、CPUは、処理をステップ1495に進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0163】
一方、CPUは、ステップ1425にて「No」と判定した場合、処理をステップ1495に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0164】
又、CPUは、ステップ1415にて「No」と判定した場合も、処理をステップ1495に直接進め、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0165】
以上が第2変形例に係る駐車支援装置10の具体的な作動である。
【0166】
尚、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
【符号の説明】
【0167】
10…駐車支援装置、20…走行装置、42…登録開始ボタン、43…登録確定ボタン、44…自動駐車ボタン、90…ECU、100…自車両、200…駐車スペース、Rref…参照移動経路、Rtgt…目標移動経路

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14