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特開2023-176555ズームレンズおよびそれを有する撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176555
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ズームレンズおよびそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/16 20060101AFI20231206BHJP
   G02B 15/20 20060101ALI20231206BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20231206BHJP
【FI】
G02B15/16
G02B15/20
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088897
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】大出 隆史
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087MA15
2H087MA16
2H087PA15
2H087PA16
2H087PB20
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA42
2H087QA45
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA32
2H087RA44
2H087SA43
2H087SA47
2H087SA49
2H087SA53
2H087SA56
2H087SA57
2H087SA63
2H087SA64
2H087SA65
2H087SA66
2H087SA72
2H087SA74
2H087SA75
2H087SA76
2H087SB05
2H087SB15
2H087SB16
2H087SB21
2H087SB22
2H087SB31
2H087SB33
2H087SB41
2H087SB43
2H087SB47
(57)【要約】
【課題】 全系が小型でありながら、高性能なズームレンズを得ること。
【解決手段】 物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、複数のレンズ群を含む中間群、負の屈折力のレンズ群A、負の屈折力の最終レンズ群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、前記最終レンズ群は6つ以上のレンズを有し、前記最終レンズ群の焦点距離をfr、望遠端における全系の焦点距離をft、前記最終レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の距離をLr、広角端における前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの光軸上の距離をLwとし、それぞれを適切に設定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、複数のレンズ群を含む中間群、負の屈折力のレンズ群A、負の屈折力の最終レンズ群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記最終レンズ群は6つ以上のレンズを有し、
前記最終レンズ群の焦点距離をfr、望遠端における全系の焦点距離をft、前記最終レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の距離をLr、広角端における前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの光軸上の距離をLwとするとき、
-10.00<fr/ft<-0.01
0.01<Lr/Lw<0.19
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記最終レンズ群に配置された正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの焦点距離をfrp、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<frp/fw<2.16
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記最終レンズ群に配置された負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの焦点距離をfrn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<│frn/fw│<2.18
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記負の屈折力のレンズ群Aの焦点距離をfn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.04<│fn/fw│<8.59
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記最終レンズ群は合成焦点距離が負の接合レンズを有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記最終レンズ群は合成焦点距離が正の接合レンズを有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記第1レンズ群は、ズーミングに際して不動であることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記中間群は、最も物体側に配置された負の屈折力の第2レンズ群を有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項9】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
-33.6<f1/f2<-0.05
なる条件式を満足することを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ。
【請求項10】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
0.05<f1/ft<7.58
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項11】
前記最終レンズ群は、合成焦点距離が負の接合レンズと、合成焦点距離が正の接合レンズと、を有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項12】
前記負の屈折力のレンズ群Aは、フォーカシングに際して移動することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項13】
前記中間群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群からなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項14】
前記中間群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群からなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項15】
前記最終レンズ群に配置された正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの焦点距離をfrp、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<frp/fw<2.16
なる条件式を満足することを特徴とする請求項3乃至14いずれか一項に記載の光学系。
【請求項16】
前記最終レンズ群に配置された負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの焦点距離をfrn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<│frn/fw│<2.18
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至14いずれか一項に記載の光学系。
【請求項17】
前記負の屈折力のレンズ群Aの焦点距離をfn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.04<│fn/fw│<8.59
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至14いずれか一項に記載の光学系。
【請求項18】
前記最終レンズ群に配置された正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの焦点距離をfrp、前記最終レンズ群に配置された負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの焦点距離をfrn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<frp/fw<2.16
0.01<│frn/fw│<2.18
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至14いずれか一項に記載の光学系。
【請求項19】
前記最終レンズ群に配置される正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの焦点距離をfrp、前記負の屈折力のレンズ群Aの焦点距離をfn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<frp/fw<2.16
0.04<│fn/fw│<8.59
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至14いずれか一項に記載の光学系。
【請求項20】
前記最終レンズ群に配置された負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの焦点距離をfrn、前記負の屈折力のレンズ群Aの焦点距離をfn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<│frn/fw│<2.18
0.04<│fn/fw│<8.59
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至14いずれか一項に記載の光学系。
【請求項21】
前記最終レンズ群に配置された正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの焦点距離をfrp、前記最終レンズ群に配置された負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの焦点距離をfrn、前記負の屈折力のレンズ群Aの焦点距離をfn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<frp/fw<2.16
0.01<│frn/fw│<2.18
0.04<│fn/fw│<8.59
なる条件式を満足することを特徴とする請求項5乃至14のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項22】
請求項1乃至14のいずれか1項に記載のズームレンズと、
該ズームレンズによって形成された像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズおよびそれを有する撮像装置に関し、例えばビデオカメラ、電子スチルカメラ、放送用カメラ、監視カメラ等のように撮像素子を用いた撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
撮像光学系として、望遠端の焦点距離が長い望遠ズームレンズが知られている。このようなズームレンズでは、小型でありながら、高い光学性能を有することが求められる。
【0003】
特許文献1は、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正、正、および負の屈折力の第1乃至第5レンズ群から構成されたズームレンズを開示している。第5レンズ群に複数枚のレンズを配置することで、光学性能の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-177057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のズームレンズは、第4レンズ群が正の屈折力を有するため、比較的主点が像側に配置される。よって、レンズ全長の小型化を達成することが困難である。
【0006】
そこで本発明は、全系が小型でありながら、高性能なズームレンズ及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、複数のレンズ群を含む中間群、負の屈折力のレンズ群A、負の屈折力の最終レンズ群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記最終レンズ群は6つ以上のレンズを有し、
前記最終レンズ群の焦点距離をfr、望遠端における全系の焦点距離をft、前記最終レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の距離をLr、広角端における前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの光軸上の距離をLwとするとき、
-10.00<fr/ft<-0.01
0.01<Lr/Lw<0.19
なる条件式を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、全系が小型でありながら、高性能なズームレンズを得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
図2】実施例1のズームレンズの(A)広角端、(B)中間のズーム位置、(C)望遠端における収差図
図3】実施例2のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
図4】実施例2のズームレンズの(A)広角端、(B)中間のズーム位置、(C)望遠端における収差図
図5】実施例3のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図
図6】実施例3のズームレンズの(A)広角端、(B)中間のズーム位置、(C)望遠端における収差図
図7】本発明の撮像装置の要部概略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。本実施形態におけるズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、複数のレンズ群を含む中間群、負の屈折力のレンズ群A、負の屈折力の最終レンズ群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。
【0011】
図1は、実施例1の広角端(短焦点距離端)におけるレンズ断面図である。図2(A)、(B)、(C)はそれぞれ、実施例1のズームレンズの無限遠物体にフォーカスを合わせたとき(合焦したとき)の広角端、中間のズーム位置、望遠端(長焦点距離端)における縦収差図である。実施例1は、ズーム比3.75、Fナンバー4.09~4.10程度のズームレンズである。
【0012】
図3は、実施例2の広角端におけるレンズ断面図である。図4(A)、(B)、(C)はそれぞれ、実施例2のズームレンズの無限遠物体にフォーカスを合わせたときの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。実施例2は、ズーム比3.76、Fナンバー4.10程度のズームレンズである。
【0013】
図5は、実施例3の広角端におけるレンズ断面図である。図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ、実施例3の無限遠物体にフォーカスを合わせたときのズームレンズの広角端、中間のズーム位置、望遠端における縦収差図である。実施例3は、ズーム比3.62、Fナンバー4.10~6.00程度のズームレンズである。
【0014】
各実施例のズームレンズはデジタルカメラやビデオカメラ、放送用カメラ、監視用カメラ、銀塩写真用カメラなどの撮像装置に用いられるズームレンズである。レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。尚、各実施例のズームレンズは、投射装置(プロジェクタ)用の投射光学系として用いても良く、このときは左方がスクリーン側、右方が光源側となる。レンズ断面図において、L0はズームレンズ全系である。
【0015】
SPは開口絞り(開放Fナンバー絞り)である。IPは像面である。デジタルカメラやビデオカメラでは、ズームレンズの像面IPは、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面に相当する。銀塩フィルムカメラでは、ズームレンズの像面IPは、フィルム面に相当する。矢印は無限遠に合焦しているときの広角端から望遠端へのズーミングに際してのレンズ群の移動軌跡を示している。FOCUSと記載した矢印は、無限遠物体から近距離物体へフォーカシングする際のレンズ群の移動方向を示している。ISは像ぶれを補正するレンズ群であり、光軸に垂直な方向の成分を含む方向に移動することで、手ぶれ等によって発生する像ぶれを補正する。
【0016】
球面収差図において、FnoはFナンバーである。また実線のdはd線(波長587.6nm)、二点鎖線のgはg線(波長435.8nm)である。非点収差図で点線のΔMはd線におけるメリディオナル像面、実線のΔSはd線におけるサジタル像面である。歪曲収差図はd線について示している。倍率色収差図はg線について示している。ωは半画角(度)である。
【0017】
各実施例のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群FB、複数のレンズ群を含む中間群MB、負の屈折力のレンズ群RB1、負の屈折力の最終レンズ群RB2からなる。そして、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。負の屈折力のレンズ群RB1は、負の屈折力のレンズ群Aに対応する。
【0018】
第1レンズ群FBを正の屈折力とし、第1レンズ群FBより像側に負の屈折力のレンズ群RB1、負の屈折力の最終レンズ群RB2を配置している。その結果、主点を物体側に配置するテレフォトタイプの構成となり、ズームレンズ全系L0を小型化している。そして複数のレンズ群を含む中間群MBを配置することで、ズーミングに際して変動する諸収差を適切に補正している。
【0019】
最終レンズ群RB2は、6つ以上のレンズを有する。6つ以上有することで、特に球面収差を補正している。 最終レンズ群RB2の焦点距離をfr、望遠端における全系L0の焦点距離をftとする。最終レンズ群RB2の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の距離をLr、広角端における前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの光軸上の距離をLwとするとき、
-10.00<fr/ft<-0.01 ・・・(1)
0.01<Lr/Lw<0.19 ・・・(2)
なる条件式を満足する。
【0020】
次に、前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(1)は、最終レンズ群RB2の負の屈折力に関するものである。条件式(1)の下限を下回ると、最終レンズ群RB2の負の屈折力が弱くなりすぎてしまい、ズームレンズ全系L0の主点が像側に配置され、ズームレンズ全系L0が大型化する。条件式(1)の上限を上回ると、最終レンズ群RB2の屈折力が強くなりすぎて、諸収差の補正が困難となる。
【0021】
条件式(2)は、最終レンズ群RB2の最も物体側の面から最も像側の面の光軸上の距離、すなわち最終レンズ群RB2の厚みに関するものである。条件式(2)の下限を下回ると、ズームレンズ全系L0に対して最終レンズ群RB2の厚みを十分に確保することが困難となる。その結果、最終レンズ群RB2内に適切な屈折力を有するレンズを配置することできず、諸補正の補正が困難となる。条件式(2)の上限を上回ると、最終レンズ群RB2の厚みがズームレンズ全系L0に対して大きくなりすぎて、中間群MBまたはレンズ群RB1がズーミングに際して移動する移動量を確保することが困難となる。その結果、所望のズーム比を得るためには中間群MBまたはレンズ群RB1の屈折力が強くなり、ズーミングに際して発生する諸収差の変動を補正することが困難となる。
【0022】
好ましくは条件式(1)、(2)を次の如く設定するのが良い。
-1.34<fr/ft<-0.10 ・・・(1a)
0.04<Lr/Lw<0.17 ・・・(2a)
【0023】
より好ましくは条件式(1a)、(2a)を次の如く設定するのが良い。
-0.79<fr/ft<-0.15 ・・・(1b)
0.07<Lr/Lw<0.14 ・・・(2b)
【0024】
さらに、各実施例のズームレンズにおいて、次の条件式のうち1つ以上満足するのが好ましい。
0.01<frp/fw<2.16 ・・・(3)
0.01<│frn/fw│<2.18 ・・・(4)
0.04<│fn/fw│<8.59 ・・・(5)
-33.6<f1/f2<-0.05 ・・・(6)
0.05<f1/ft<7.58 ・・・(7)
【0025】
ここで、最終レンズ群RB2内に配置された正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの焦点距離をfrp、広角端におけるズームレンズ全系L0の焦点距離をfwとする。最終レンズ群RB2内に配置された負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの焦点距離をfrnとする。負の屈折力のレンズ群RB1の焦点距離をfnとする。第1レンズ群FBの焦点距離をf1とする。中間群MBの最も物体側のレンズ群を第2レンズ群MB1としたとき、第2レンズ群MB1の焦点距離をf2とする。
【0026】
次に、前述の各条件式の技術的意味について説明する。
【0027】
条件式(3)は、最終レンズ群RB2内の正レンズのうち、最も屈折力の強いレンズの焦点距離に関するものである。条件式(3)の下限を下回ると、最も屈折力の強い正レンズの屈折力が強くなりすぎて、特に広角端における球面収差の補正が困難となる。条件式(3)の上限を上回ると、最も屈折力の強い正レンズの屈折力が弱くなりすぎて、像面に対して軸外光線の入射角度が大きくなり、撮像素子を配置した場合に色シェーディングが発生し好ましくない。
【0028】
条件式(4)は、最終レンズ群RB2内の負レンズのうち、最も屈折力の強いレンズの焦点距離を規定するものである。条件式(4)の下限を下回ると、最も屈折力の強い負レンズの屈折力が強くなりすぎて、像面に対して軸外光線の入射角度が大きくなり、撮像素子を配置した場合に色シェーディングが発生し好ましくない。条件式(4)の上限を上回ると、最も屈折力の強い負レンズの屈折力が強くなりすぎて、特に広角端における球面収差の補正が困難となる。
【0029】
条件式(5)は、負の屈折力のレンズ群RB1の焦点距離に関するものである。条件式(5)の下限を下回るとレンズ群RB1の屈折力が強くなりすぎて、特に広角端における球面収差の補正が困難となる。条件式(5)の上限を上回ると、所望のズーム比を得るためにズーミングに際してレンズ群RB1が移動する量が多くなり、ズームレンズ全系L0が大型化する。
【0030】
条件式(6)は、第1レンズ群FBと第2レンズ群MB1の焦点距離の比を規定するものである。条件式(6)の下限を下回ると、第2レンズ群MB1の屈折力が強くなりすぎて、特にズーミングに際して発生する諸収差の変動を抑制することが困難となる。条件式(6)の上限を上回ると、第2レンズ群MB1の屈折力が弱くなりすぎて、所望のズーム比を得るために、ズーミングに際して第2レンズ群MB1が移動する量が多くなり、ズームレンズ全系L0が大型化する。
【0031】
条件式(7)は、第1レンズ群FBの焦点距離の比に関するものである。条件式(7)の下限を下回ると、第1レンズ群FBの屈折力が強くなりすぎて、特に望遠端における球面収差と軸上色収差を抑制することが困難となる。条件式(7)の上限を上回ると、第1レンズ群FBの屈折力が弱くなりすぎて、ズームレンズ全系L0の主点が像側に配置され、ズームレンズ全系L0が大型化する。
【0032】
好ましくは条件式(3)乃至(7)を次の如く設定するのが良い。
0.06<frp/fw<0.43 ・・・(3a)
0.06<│frn/fw│<0.44 ・・・(4a)
0.21<│fn/fw│<1.72 ・・・(5a)
-6.72<f1/f2<-0.26 ・・・(6a)
0.26<f1/ft<1.52 ・・・(7a)
【0033】
さらに好ましくは条件式(3a)乃至(7a)を次の如く設定するのが良い。
0.09<frp/fw<0.26 ・・・(3b)
0.10<│frn/fw│<0.26 ・・・(4b)
0.33<│fn/fw│<1.03 ・・・(5b)
-4.03<f1/f2<-0.41 ・・・(6b)
0.41<f1/ft<0.91 ・・・(7b)
【0034】
また、最終レンズ群RB2は、合成焦点距離が負の接合レンズを有することが好ましい。合成焦点距離が負の接合レンズを有することで、接合面同士での面反射によるゴーストの抑制、色収差の抑制、及びズームレンズ全系L0の小型化を両立することが可能となる。
【0035】
また、最終レンズ群RB2は、合成焦点距離が正の接合レンズを有することが好ましい。合成焦点距離が正の接合レンズを有することで、接合面同士での面反射によるゴーストの抑制、色収差の抑制、及び像面に対する軸外光線の入射角度の抑制を両立することが可能となる。
【0036】
また、最終レンズ群RB2は、合成焦点距離が負の接合レンズと合成焦点距離が正の接合レンズの両方を有することが好ましい。
【0037】
また、第1レンズ群FBは、ズーミングに際して不動であることが好ましい。特に望遠系のレンズにおいては、第1レンズ群FBのレンズは、径が大きく重量が大きくなりやすい。重量が比較的大きい第1レンズ群FBをズーミングに際して不動とすることで、ズーミングに際して発生する第1レンズ群FBの倒れを抑制し光学性能を向上している。
【0038】
また、中間群MBは、最も物体側に負の屈折力の第2レンズ群MB1を有することが好ましい。最も物体側に負の屈折力の第2レンズ群MB1を有することで、特に広角端において第1レンズ群FBで発生する倍率色収差を第2レンズ群MB1で補正することができる。
【0039】
また、負の屈折力のレンズ群RB1は、フォーカシングに際して移動することが好ましい。負の屈折力のレンズ群RB1は、軸上光束が細い位置に配置されるため、比較的小型で軽量である。よって、負の屈折力のレンズ群RB1がフォーカシングに際して移動することで、高速なフォーカシングが可能となる。
【0040】
各実施例では、以上のように各光学要素を配置することにより、全系が小型でありながら、高性能なズームレンズを得ている。
【0041】
次に各実施例のレンズ構成について詳細に説明する。実施例1のズームレンズは、正の屈折力の第1レンズ群FB、負の屈折力の第2レンズ群MB1、正の屈折力の第3レンズ群MB2、負の屈折力の第4レンズ群RB1、負の屈折力の第5レンズ群RB2からなる。実施例2のズームレンズのレンズ群の構成は実施例1のズームレンズと同じである。5群構成とすることで、全ズーム域の光学性能を良好に補正している。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第2レンズ群MB1と第4レンズ群RB1が移動する。
【0042】
正の屈折力の第1レンズ群FBを2枚の正レンズと2枚の負レンズから構成することで、特に望遠端で発生する軸上色収差を補正している。フォーカシングに際して移動する第4レンズ群RB1を正レンズと負レンズとの接合レンズから構成することで、フォーカシングに際して発生する色収差の変動を補正している。第5レンズ群RB2の最も物体側のレンズを正レンズとすることで、第5レンズ群RB2の主点を物体側に配置し、ズームレンズ全系L0を小型化している。第5レンズ群RB2に3枚の正レンズと、4枚の負レンズを配置することで、屈折力を適切に分担し、特に球面収差を補正している。
【0043】
実施例2のズームレンズは、実施例1に対して、第5レンズ群RB2の正レンズを1つ減らす代わりに最も物体側に非球面形状のレンズ面を配置している。これにより、特に球面収差を補正している。
【0044】
実施例3のズームレンズは、正の屈折力の第1レンズ群FB、負の屈折力の第2レンズ群MB1、負の屈折力の第3レンズ群MB2を有する。さらに第3レンズ群MB2の像側に、正の屈折力の第4レンズ群MB3、負の屈折力の第5レンズ群RB1、負の屈折力の第6レンズ群RB2を有する。
【0045】
6群構成とすることで、全ズーム域の光学性能を向上している。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第2レンズ群MB1、第3レンズ群MB2、及び第5レンズ群RB1が移動する。正の屈折力の第1レンズ群FBを3枚の正レンズと1枚の負レンズから構成することで、特に望遠端で発生する球面収差を抑制している。
【0046】
次に、本実施形態における光学系(ズームレンズ)を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、図7を用いて説明する。図7において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至3で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでも良いし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでも良い。
【0047】
このように本実施形態における光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、全系が小型でありながら、高性能な撮像装置を得ることができる。
【0048】
以下、実施例1乃至3に対応する具体的な数値実施例1乃至3を示す。
【0049】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、レンズの材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)で表される。
【0050】
また、各数値実施例において、d、焦点距離(mm)、Fナンバー、半画角(°)は全て各実施例の光学系が無限遠物体に焦点を合わせた時の値である。「バックフォーカスBF」は、レンズ最終面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。「レンズ全長」は、ズームレンズの最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。「レンズ群」は、複数のレンズから構成される場合に限らず、1枚のレンズから構成される場合も含むものとする。
【0051】
また、前述の各条件式と各数値実施例との関係を表1に示す。
【0052】
[数値実施例1]
面番号 r[mm] d[mm] nd νd
1 174.571 2.500 1.640 60.1
2 141.486 11.474 1.497 81.5
3 4667.158 7.999
4 182.207 2.400 1.613 44.3
5 84.617 14.583 1.497 81.5
6 704.915 (可変)
7 78.539 2.500 1.800 29.8
8 43.946 7.666
9 -107.049 2.993 1.789 28.4
10 -71.691 2.000 1.497 81.5
11 115.946 0.500
12 67.211 4.861 1.789 28.4
13 245.465 3.803
14 -90.396 2.000 1.595 67.7
15 -479.323 (可変)
16 209.451 8.941 1.497 81.5
17 -49.872 2.000 1.852 40.8
18 -139.132 0.500
19 80.724 4.855 1.538 74.7
20 328.934 11.222
21(絞り) ∞ 8.691
22 182.25 8.000 1.639 44.9
23 -60.408 2.000 1.516 64.1
24 45.925 6.275
25 89.368 1.800 2.001 29.1
26 61.328 6.616 1.497 81.5
27 -393.367 0.150
28 89.03 4.000 1.497 81.5
29 332.625 3.000
30 32.971 4.000 1.689 31.1
31 45.413 3.309
32 100.103 2.000 2.001 29.1
33 29.884 9.964 1.596 39.2
34 -162.094 (可変)
35 129.482 3.001 1.808 22.8
36 -319.977 2.000 1.729 54.7
37 40.383 (可変)
38 38.102 6.320 1.532 48.8
39 -429.167 1.000
40 117.988 2.000 1.800 29.8
41 21.951 13.000 1.517 52.4
42 -43.159 1.000
43 -56.779 1.500 1.603 65.4
44 18.085 14.000 1.673 32.1
45 -60.972 1.500 2.001 29.1
46 -957.754 1.898
47 -55.554 2.000 2.001 29.1
48 183.167
像面 ∞

広角端 中間域 望遠端
焦点距離[mm] 103.54 195.3 387.76
Fナンバー 4.09 4.1 4.1
画角 11.8 6.32 3.19
像高[mm] 21.64 21.64 21.64
レンズ全長[mm] 380.24 380.24 380.24
BF[mm] 38.04 38.04 38.04

広角端 中間域 望遠端
d 6[mm] 1.902 60.095 112.856
d15[mm] 113.211 55.018 2.257
d34[mm] 4.848 9.681 0.541
d37[mm] 20.423 15.590 24.730
【0053】
[数値実施例2]
面番号 r[mm] d[mm] nd νd
1 231.657 2.500 1.518 58.9
2 134.993 14.060 1.497 81.5
3 -1351.01 8.000
4 177.731 2.400 1.613 44.3
5 94.15 12.545 1.497 81.5
6 386.437 (可変)
7 83.754 2.500 1.800 29.8
8 47.971 8.226
9 -129.582 3.087 1.789 28.4
10 -91.82 2.000 1.497 81.5
11 155.46 0.500
12 69.373 5.283 1.789 28.4
13 299.779 3.228
14 -125.882 2.000 1.595 67.7
15 278.083 (可変)
16 63.478 11.197 1.497 81.5
17 -64.323 2.000 1.654 39.7
18 297.135 0.500
19 94.633 4.755 1.538 74.7
20 4172.234 15.893
21(絞り) ∞ 2.140
22 591.798 8.000 1.667 33
23 -66.625 2.000 1.516 64.1
24* 53.415 4.229
25 93.702 1.800 2.001 29.1
26 70.322 4.978 1.497 81.5
27 -3268.21 0.150
28 126.862 4.000 1.497 81.5
29 231.949 3.000
30 35.792 4.000 1.518 58.9
31 52.995 2.238
32 72.557 2.000 2.001 29.1
33 38.208 9.070 1.518 58.9
34 -101.488 (可変)
35 112.633 3.084 1.808 22.8
36 -1320.84 2.000 1.652 58.5
37 31.227 (可変)
38* 39.87 2.000 1.800 29.8
39 21.273 13.863 1.613 44.3
40 -53.148 1.000
41 -65.216 1.500 1.729 54.7
42 18.174 14.000 1.720 34.7
43 -27.363 1.500 2.001 29.1
44 -405.519 2.104
45 -42.923 2.000 2.001 29.1
46 -143.78
像面 ∞

K A4 A6 A8
第24面 0.00E+00 2.379600E-06 7.804750E-10 5.669600E-13
第38面 0.00E+00 2.687450E-06 2.082210E-09 6.699010E-13

広角端 中間域 望遠端
焦点距離[mm] 103.13 197.75 387.96
Fナンバー 4.1 4.1 4.1
画角 11.85 6.24 3.19
像高[mm] 21.64 21.64 21.64
レンズ全長[mm] 380.02 380.02 380.02
BF[mm] 38.01 38.01 38.01

広角端 中間域 望遠端
d 6[mm] 1.973 69.194 126.205
d15[mm] 126.654 59.433 2.421
d34[mm] 1.348 5.833 0.973
d37[mm] 20.711 16.226 21.086
d46[mm] 38.01 38.01 38.01
【0054】
[数値実施例3]
面番号 r[mm] d[mm] nd νd
1 403.169 7.000 1.487 70.2
2 1693.134 2.000
3 117.331 11.976 1.439 94.7
4 606.339 7.997
5 172.901 2.400 1.755 52.3
6 77.568 15.507 1.439 94.7
7 546.710 (可変)
8 115.827 3.000 1.595 67.7
9 49.562 8.262
10 -97.371 4.909 1.654 39.7
11 -49.723 2.000 1.538 74.7
12 127.267 0.500
13 81.664 7.064 1.738 32.3
14 -207.193 (可変)
15 -110.941 3.000 2.001 29.1
16 -3105.08 (可変)
17* 178.477 3.897 1.497 81.5
18 -589.506 2.000
19 72.076 17.500 1.439 94.7
20 -46.17 2.000 1.773 49.6
21 -112.134 2.000
22 -250.333 4.843 1.439 94.7
23 -72.751 2.996
24(絞り) ∞ 2.995
25 739.028 8.000 1.852 40.8
26 -43.099 2.000 1.755 52.3
27 38.68 5.875
28 157.804 1.800 2.001 29.1
29 124.726 4.138 1.497 81.5
30 -453.027 0.500
31 176.242 3.000 1.497 81.5
32 351.932 3.000
33 33.098 4.000 1.654 39.7
34 45.171 1.277
35 43.729 2.000 2.001 29.1
36 25.582 14.050 1.517 52.4
37 -81.265 (可変)
38 118.115 2.355 1.808 22.8
39 1641.787 2.000 1.652 58.5
40 28.22 (可変)
41 45.407 2.000 1.800 29.8
42* 15.407 11.394 1.654 39.7
43 -75.53 1.500
44 -35.196 1.500 1.603 65.4
45 18.244 14.000 1.673 32.1
46 -22.152 1.500 2.001 29.1
47 -62.662 1.062
48 -43.178 2.000 2.001 29.1
49 -172.485
像面 ∞

K A4 A6 A8
第17面 0.00E+00 -8.002480E-07 0.00E+00 0.00E+00
第42面 0.00E+00 8.673150E-06 8.303780E-09 2.266370E-11

広角端 中間域 望遠端
焦点距離 151.89 286.03 549.66
Fナンバー 4.1 4.1 6.0
画角 8.11 4.33 2.25
像高[mm] 21.64 21.64 21.64
レンズ全長[mm] 400.27 400.27 400.27
BF[mm] 38.04 38.04 38.04

広角端 中間域 望遠端
d7[mm] 27.219 82.963 128.489
d14[mm] 6.332 5.714 6.274
d16[mm] 102.770 47.644 1.557
d37[mm] 12.676 13.019 0.354
d40[mm] 10.439 10.096 22.761
d49[mm] 38.04 38.04 38.04

広角端 中間域 望遠端
Φ24[mm] 44.956 44.938 29.621
【0055】
【表1】
【0056】
各実施例の開示は、以下の構成を含む。
【0057】
(構成1)
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、複数のレンズ群を含む中間群、負の屈折力のレンズ群A、負の屈折力の最終レンズ群からなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記最終レンズ群は6つ以上のレンズを有し、
前記最終レンズ群の焦点距離をfr、望遠端における全系の焦点距離をft、前記最終レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の距離をLr、広角端における前記ズームレンズの最も物体側の面から像面までの光軸上の距離をLwとするとき、
-10.00<fr/ft<-0.01
0.01<Lr/Lw<0.19
なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
【0058】
(構成2)
前記最終レンズ群に配置された正レンズのうち、最も屈折力の強い正レンズの焦点距離をfrp、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<frp/fw<2.16
なる条件式を満足することを特徴とする構成1に記載のズームレンズ。
【0059】
(構成3)
前記最終レンズ群に配置された負レンズのうち、最も屈折力の強い負レンズの焦点距離をfrn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.01<│frn/fw│<2.18
なる条件式を満足することを特徴とする構成1または2に記載のズームレンズ。
【0060】
(構成4)
前記負の屈折力のレンズ群Aの焦点距離をfn、広角端における全系の焦点距離をfwとするとき、
0.04<│fn/fw│<8.59
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至3のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0061】
(構成5)
前記最終レンズ群は合成焦点距離が負の接合レンズを有することを特徴とする構成1乃至4のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0062】
(構成6)
前記最終レンズ群は合成焦点距離が正の接合レンズを有することを特徴とする構成1乃至5のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0063】
(構成7)
前記第1レンズ群は、ズーミングに際して不動であることを特徴とする構成1乃至6のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0064】
(構成8)
前記中間群は、最も物体側に配置された負の屈折力の第2レンズ群を有することを特徴とする構成1乃至7のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0065】
(構成9)
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
-33.6<f1/f2<-0.05
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至8のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0066】
(構成10)
前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
0.05<f1/ft<7.58
なる条件式を満足することを特徴とする構成1乃至9のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0067】
(構成11)
前記最終レンズ群は、合成焦点距離が負の接合レンズと、合成焦点距離が正の接合レンズと、を有することを特徴とする構成1乃至4または構成7乃至10のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0068】
(構成12)
前記負の屈折力のレンズ群Aは、フォーカシングに際して移動することを特徴とする構成1乃至11のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0069】
(構成13)
前記中間群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群からなることを特徴とする構成1乃至12のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0070】
(構成14)
前記中間群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群からなることを特徴とする構成1乃至12のいずれか一構成に記載のズームレンズ。
【0071】
(構成15)
構成1乃至14のいずれか一構成に記載の光学系と、該光学系によって形成された像を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
L0 ズームレンズ全系
FB 正の屈折力の第1レンズ群
MB 複数のレンズ群を含む中間群
RB1 負の屈折力のレンズ群A
RB2 負の屈折力の最終レンズ群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7