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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176577
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】分電盤
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20231206BHJP
   H01H 73/20 20060101ALI20231206BHJP
   H01R 31/08 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H02B1/40 D
H01H73/20 B
H01R31/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088927
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】岡本 拓馬
【テーマコード(参考)】
5G030
5G211
【Fターム(参考)】
5G030EA05
5G030XX20
5G030YY04
5G211AA01
5G211AA11
5G211DD01
5G211DD02
5G211DD04
5G211DD06
5G211DD15
5G211DD39
5G211EE04
5G211EE05
5G211EE06
(57)【要約】
【課題】 ブレーカを組み付ける前の広い空間の中での電線の引き込み及び配線を可能とする。
【解決手段】 分岐ブレーカ3を分岐配線9に接続する際に介在させる分岐用コネクタ4を有し、分岐用コネクタ4は、分岐ブレーカ3の二次側端子32に接続される端子金具41を有して、分岐ブレーカ3に装着される第1分岐ユニット4aと、分岐配線9が接続される電線接続部44を有して、分電盤1のハウジング10に取り付けられる第2分岐ユニット4bとから成り、第1分岐ユニット4aと第2分岐ユニット4bとは、互いを連結する連結部を有し、分岐ブレーカ3に装着された第1分岐ユニット4aの連結部42と、ハウジング10に取り付けられた第2分岐ユニット4bの連結部43とは、分岐ブレーカ3を分電盤1に組み付けた際に互いに連結され、この連結で分岐ブレーカ3の二次側端子32が分岐配線9に接続される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主幹ブレーカと複数の分岐ブレーカが組み付けられた分電盤であって、
前記分岐ブレーカの二次側端子に、分岐配線を接続する際に介在させる分岐用コネクタを配置し、
前記分岐用コネクタは、前記分岐ブレーカの二次側端子に接続される端子金具を有して、前記分岐ブレーカに装着される第1分岐ユニットと、
分岐配線が接続される電線接続部を有して、分電盤のハウジングに取り付けられる第2分岐ユニットとから成り、
前記第1分岐ユニットと前記第2分岐ユニットとは、前記端子金具と前記電線接続部との電気的接続を可能とする連結部をそれぞれ有し、
前記分岐ブレーカに装着された前記第1分岐ユニットの前記連結部と、前記ハウジングに取り付けられた前記第2分岐ユニットの前記連結部とは、前記分岐ブレーカを前記分電盤に組み付けた際に互いに連結され、前記分岐ブレーカの二次側端子が前記分岐配線に接続されることを特徴とする分電盤。
【請求項2】
前記第1分岐ユニットの前記分岐ブレーカに接続する前記端子金具と、前記第2分岐ユニットの分岐配線を接続する前記電線接続部とは、同一方向を向いていることを特徴とする請求項1記載の分電盤。
【請求項3】
主幹ブレーカと複数の分岐ブレーカが組み付けられた分電盤であって、
前記主幹ブレーカの一次側端子に、引き込み線をに接続する際に介在させる主幹用コネクタを配置し、
前記主幹用コネクタは、前記主幹ブレーカの一次側端子に接続される端子金具を有して、前記主幹ブレーカに装着される第1主幹ユニットと、
引き込み線が接続される電線接続部を有して、分電盤のハウジングに取り付けられる第2主幹ユニットとから成り、
前記第1主幹ユニットと前記第2主幹ユニットとは、前記端子金具と前記電線接続部との電気的接続を可能とする連結部をそれぞれ有し、
前記主幹ブレーカに装着された前記第1主幹ユニットの前記連結部と、前記ハウジングに取り付けられた前記第2主幹ユニットの前記連結部とは、前記主幹ブレーカを前記分電盤に組み付けた際に互いに連結され、前記主幹ブレーカの一次側端子が前記引き込み線に接続されることを特徴とする分電盤。
【請求項4】
前記第1主幹ユニットの前記主幹ブレーカに接続する前記端子金具と、前記第2主幹ユニットの引き込み線を接続する前記電線接続部とは、同一方向を向いていることを特徴とする請求項3記載の分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分電盤に関し、詳しくは分電盤に組み付けられたブレーカに引き込み線或いは分岐配線を接続する接続形態の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
分電盤に組み付けられたブレーカは、主幹ブレーカ、分岐ブレーカの種類によらず、一次側端子或いは二次側端子の少なくとも一方が電線を挿入或いはネジ止めして接続される構成となっている。
この場合の電線の接続は、分電盤の背部に設けられた開口部から電線を分電盤内に引き込んだ後、接続対象のブレーカまで引き回して接続した(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-60879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のブレーカへの電線接続形態は、分電盤背部に電線挿入或いは電線引き回しのための開口部を大きく形成しても、電線の接続はブレーカを組み付けた後に行われるため、組み付けられるブレーカで開口部の殆どが塞がれることになったため、電線の引き込み及び引き回しがし辛かった。
また、引き込んだ位置から接続先の回路遮断器が遠い位置にあったらその分電線を長くしなければならないため、電線の余長を多く確保する必要があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、ブレーカを組み付ける前の広い空間の中での電線の引き込み及び配線作業を可能とした分電盤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、主幹ブレーカと複数の分岐ブレーカが組み付けられた分電盤であって、分岐ブレーカの二次側端子を分岐配線に接続する際に介在させる分岐用コネクタを配置し、分岐用コネクタは、分岐ブレーカの二次側端子に接続される端子金具を有して、分岐ブレーカに装着される第1分岐ユニットと、分岐配線が接続される電線接続部を有して、分電盤のハウジングに取り付けられる第2分岐ユニットとから成り、第1分岐ユニットと第2分岐ユニットとは、端子金具と電線接続部との電気的接続を可能とする連結部をそれぞれ有し、分岐ブレーカに装着された第1分岐ユニットの連結部と、ハウジングに取り付けられた第2分岐ユニットの連結部とは、分岐ブレーカを分電盤に組み付けた際に互いに連結され、分岐ブレーカの二次側端子が分岐配線に接続されることを特徴とする。
この構成によれば、分岐配線の分岐ブレーカへの接続は、分岐用コネクタの分電盤ハウジングに取り付けられた第2分岐ユニットへ分岐配線を接続することで実施される。よって、分岐ブレーカを分電盤に組み付ける前の広い空間の中で分岐配線の接続作業を行うことができ、分岐配線の接続作業がし易い。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、前記第1分岐ユニットの前記分岐ブレーカに接続する前記端子金具と、前記第2分岐ユニットの分岐配線を接続する前記電線接続部とは、同一方向を向いていることを特徴とする。
この構成によれば、端子金具と電線接続部とが同一方向であるため、電線接続部に接続する電線は、分岐ブレーカへ直接接続する方向とは逆方向に配設される。よって、分電盤背部から引き込んだ電線をスムーズに接続処理でき、従来のように分岐ブレーカ横の狭いスペースで電線を引き回して接続処理する必要がない。
尚、「同一方向」とは、正確な同一方向に加えて、ほぼ同一方向も含むものである。
【0008】
請求項3の発明は、主幹ブレーカと複数の分岐ブレーカが組み付けられた分電盤であって、主幹ブレーカの一次側端子を引き込み線に接続する際に介在させる主幹用コネクタを配置し、主幹用コネクタは、主幹ブレーカの一次側端子に接続される端子金具を有して、主幹ブレーカに装着される第1主幹ユニットと、引き込み線が接続される電線接続部を有して、分電盤のハウジングに取り付けられる第2主幹ユニットとから成り、第1主幹ユニットと第2主幹ユニットとは、端子金具と電線接続部との電気的接続を可能とする連結部をそれぞれ有し、主幹ブレーカに装着された第1主幹ユニットの連結部と、ハウジングに取り付けられた第2主幹ユニットの連結部とは、主幹ブレーカを分電盤に組み付けた際に互いに連結され、主幹ブレーカの一次側端子が引き込み線に接続されることを特徴とする。
この構成によれば、引き込み線の主幹ブレーカへの接続は、主幹用コネクタの分電盤ハウジングに取り付けられた第2主幹ユニットへ引き込み線を接続することで実施される。よって、主幹ブレーカを分電盤に組み付ける前の広い空間の中で引き込み線の接続作業を行うことができ、引き込み線の接続作業がし易い。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の構成において、前記第1主幹ユニットの前記主幹ブレーカに接続する前記端子金具と、前記第2主幹ユニットの引き込み線を接続する前記電線接続部とは、同一方向を向いていることを特徴とする。
この構成によれば、端子金具と電線接続部とが同一方向であるため、電線接続部に接続する電線は、主幹ブレーカへ直接接続する方向とは逆方向に配設される。よって、分電盤背部から引き込んだ電線をスムーズに接続処理でき、従来のように主幹ブレーカ横の狭いスペースで電線を引き回して接続処理する必要がない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、分岐配線の分岐ブレーカへの接続は、分岐用コネクタの分電盤ハウジングに取り付けられた第2分岐ユニットへ分岐配線を接続することで実施される。よって、分岐ブレーカを分電盤に組み付ける前の広い空間の中で分岐配線の接続作業を行うことができ、分岐配線の接続作業がし易い。
また、引き込み線の主幹ブレーカへの接続は、主幹用コネクタの分電盤ハウジングに取り付けられた第2主幹ユニットへ引き込み線を接続することで実施される。よって、主幹ブレーカを分電盤に組み付ける前の広い空間の中で引き込み線の接続作業を行うことができ、引き込み線の接続作業がし易い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る分電盤の一例を示す斜視図である。
図2図1のブレーカを組み付けた基台を分電盤ハウジングから分離した分電盤の斜視図である。
図3図1の上段の分岐ブレーカの群を抜き出した図で、分岐ブレーカに接続されている分岐用コネクタの一部を合わせて示している。
図4】第1分岐ユニットと第2分岐ユニットとを分離した状態を示し、(a)は図1に示す角度からみた斜視図、(b)は反対方向からみた斜視図である。
図5】第1分岐ユニットの端子金具の位置を示し、(a)は第1電圧極と中性極の端子金具を備えた構成、(b)は第2電圧極と中性極の端子金具を備えた構成を示している。
図6】第1分岐ユニットの内部構造を示し、(a)は平面図、(b)はA-A線断面図、(c)はB-B線断面図である。
図7】第1分岐ユニットの内部に配設した電路金具の斜視図である。
図8】主幹ブレーカと主幹用コネクタの第1主幹ユニットを抜き出した斜視図であり、第1主幹ユニットを分離して示している。
図9】第1主幹ユニットと第2主幹ユニットとを分離した状態を示し、(a)は図8に示す角度から見た斜視図、(b)は反対方向から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1,2は本発明に係る分電盤の一例を示し、図1は分電盤の斜視図、図2はブレーカを組み付けた基台を分電盤のハウジングから分離した状態を示している。分電盤1のハウジング10内には、主幹ブレーカ2と複数の分岐ブレーカ3が組み付けられている。
尚、分電盤の前面を塞ぐ蓋部材は省略してある。
【0013】
分岐ブレーカ3の二次側端子32(図3に示す)には、分岐用コネクタ4が接続され、この分岐用コネクタ4を介して後述するように分岐配線9の電線が二次側端子22に接続される。
また主幹ブレーカ2の一次側端子21には、主幹用コネクタ5が接続され、この主幹用コネクタ5を介して後述するように引き込み線8の電線が一次側端子に接続される。
【0014】
分岐用コネクタ4は、分岐ブレーカ3に装着される第1分岐ユニット4aと、分電盤1のハウジング10に取り付けられる第2分岐ユニット4bとで構成されている。
主幹用コネクタ5は、主幹ブレーカ2に装着される第1主幹ユニット5aと、分電盤1のハウジング10に取り付けられる第2主幹ユニット5bとで構成されている。
【0015】
そして、図2に示すように、分岐配線9はハウジング10に取り付けられた第2分岐ユニット4bに接続される。また、引き込み線8はハウジング10に取り付けられた第2主幹ユニット5bに接続される。この接続により、分電盤1への分岐配線9及び引き込み線8の接続は完了となる。
【0016】
ここで、基台11に主幹ブレーカ2及び分岐ブレーカ3を組み付けたユニットDを説明する。ユニットDは、金属板からなる基台11に主幹ブレーカ2、分岐ブレーカ3、主幹ブレーカ2と分岐ブレーカ3とを接続する銅バーから成る主幹バー12が組み付けられている。但し、主幹バー12は保護カバー13に覆われている。
【0017】
引き込み線8は、2つの電圧相(電圧極)L1,L2と中性相(中性極)Nを備えた単相3線式電路で構成されており、主幹ブレーカ2は一次側端子21及び二次側端子22は3端子で構成され、主幹バー12は3本の銅バーで構成されている。
そして、分岐ブレーカ3の一次側端子31はこの3つの銅バーのうちの特定の2本が選択されて接続される。3本の銅バーのうちの2本を選択することで、100V/200Vが選択されて2次側に接続された分岐配線9に出力される。
【0018】
図3は、 図1の上段の分岐ブレーカ3の群を抜き出した図で、分岐ブレーカ3に接続されている分岐用コネクタ4の一部を成す第1分岐ユニット4aを合わせて示している。但し、第1分岐ユニット4aの1つは取り外した状態で示している。
図3に示すように、分岐ブレーカ3は、一次側端子31が3つの凹部を設けて形成され、挿入した主幹バー12を把持して接続するよう構成されている。尚、3つの凹部のうち2つに端子金具が配置されて主幹バー12に接続される。
また、二次側端子32は3端子を有しているが、使用しない端子は蓋部材33で閉塞され、使用する2端子が露出するよう構成されている。この二次側端子32は速結端子で構成されている。
【0019】
尚、図3に示している第1分岐ユニット4aを取り外した分岐ブレーカ3は、中性極Nの二次側端子32が閉塞され、2つの電圧極L1,L2の二次側端子32が使用される構成、即ち200Vを分岐出力する構成となっている。対応する第1分岐ユニット4aも、2つの電圧極L1,L2の二次側端子32に接続されるように後述する端子金具41が配置されている。
【0020】
次に、分岐用コネクタ4を具体的に説明する。
図4は、分岐用コネクタ4の第1分岐ユニット4aと第2分岐ユニット4bを分離した状態を示し、(a)は図1に示す角度からみた斜視図、(b)は反対方向からみた斜視図である。また、図5は、第1分岐ユニット4aの端子金具の位置を示し、(a)は第1電圧極L1と中性極Nの端子金具41を備えた構成、(b)は第2電圧極L2と中性極Nの端子金具41を備えた構成を示している。
尚、図4では第1電圧極L1と中性極Nに接続する端子金具41を備えた構成を示している。
【0021】
第1分岐ユニット4aに設けられている端子金具41は、分岐ブレーカ3の速結端子から成る二次側端子32に接続可能な一対の棒状突起を有して形成されている。一方、第2分岐ユニット4bとの連結部42は凹部を有して雌型に形成されている。
また、端子金具41を設けた面と対峙する反対側の面には検電口4cを備えている。この検電口4cは端子金具41毎に設けられ、対を成して設けられている。
【0022】
このように、第1分岐ユニット4aは分岐ブレーカ3毎に独立して形成されているが、第2分岐ユニット4bは図4に示すように第1分岐ユニット4aとの連結部が複数列設され、1つの第2分岐ユニット4bで複数の分岐ブレーカ3に対応するよう形成されている。
第2分岐ユニット4bの連結部43は凸部を有して雄型に形成され、この凸部が連結金具43aから成り、第1分岐ユニット4aの凹部に形成された連結部42に挿入されて連結され、電気的接続がなされる。また、個々の連結部43に合わせて、分岐配線9を接続する電線接続部44を備えている。
【0023】
図6,7は、第1分岐ユニット4aの内部構造を示し、図6(a)は検電口4c配置面を正面とした平面図、図6(b)はA-A線断面図、図6(c)はB-B線断面図、図7は第1分岐ユニット4aの内部に配設した電路金具45を抜き出した図である。
図6、7に示すように、対を成して形成されている連結部42と端子金具41とは、対応する極が内部で2本の電路金具45にそれぞれ連結されている。連結部42は、挿入された第2分岐ユニット4bの凸部を構成する連結金具43aを把持する把持金具42aを有し、電路金具45は途中に検電口4cに露出する検電金具45aを備えている。
【0024】
一方、第2分岐ユニット4bは、図4に示すように分岐配線9を接続する電線接続部44を有し、電線接続部44を配置した面と第1分岐ユニット4aと接続する連結部43を配置した面とは略直交するように形成されている。即ち、第1分岐ユニット4aの端子金具41の突出方向と、第2分岐ユニット4bの電線接続部44とは、略同一方向を向いている。そして、連結部43の連結金具43aと電線接続部44とは、それぞれ対を成しており、対応する極同士は内部で連結されている。
電線接続部44は、挿入された電線(分岐配線9)を挟持して電気的な接続が成される速結端子(図示せず)となっている。
【0025】
この第2分岐ユニット4bは、分岐ブレーカ3のハウジング10内の組み付け位置に合わせて取り付けられる。詳しくは、分岐ブレーカ3に装着されている第1分岐ユニット4aの位置に合わせて、この第1分岐ユニット4aに連結されるようハウジング10の所定部位に取り付けられる。その際、電線接続部44は、組み付けられる分岐ブレーカ3に向けて配置され、分岐ブレーカ3の二次側端子32の接続方向とは逆の方向から分岐配線9が第2分岐ユニット4bに接続される。
そして、分岐ブレーカ3を分電盤1のハウジング10に組み付けた際に、双方の連結部42,43同士が連結されて分岐ブレーカ3に分岐配線9が接続される。
【0026】
このように、分岐配線9の分岐ブレーカ3への接続は、分岐用コネクタ4の分電盤1のハウジング10に取り付けられた第2分岐ユニット4bへ分岐配線9を接続することで実施される。よって、分岐ブレーカ3を分電盤1に組み付ける前の広い空間の中で、分岐配線9の接続作業を行うことができ、分岐配線9の接続作業がし易い。
また、端子金具41と電線接続部44とが同一方向であるため、電線接続部44に接続する分岐配線9である電線は、分岐ブレーカ3へ直接接続する方向とは逆方向に配設される。よって、分電盤1の背部から引き込んだ電線をスムーズに接続処理でき、従来のように分岐ブレーカ3横の狭いスペースで電線を引き回して接続処理する必要がない。
【0027】
尚、上記実施形態では、第1分岐ユニット4aと第2分岐ユニット4bとの連結を、凹部と凸部で構成して挿入接続する構成としているが、連結部42,43同士の連結形態は他の形態でも良く、例えば互いにネジ締め端子としてネジ締めにより連結しても良い。
また、分岐ブレーカ3の二次側端子32が速結端子では無く、ネジ締めにより接続する形態であれば、第1分岐ユニット4aの端子金具41もネジ締め可能な端子形状となる。
また、第2分岐ユニット4bを、複数の第1分岐ユニット4aを接続する構成としているが、第1分岐ユニット4aと同様に分岐ブレーカ3毎に独立させても良い。
【0028】
次に、主幹ブレーカ2に適用される主幹用コネクタ5を説明する。図8図1の主幹ブレーカ2と主幹用コネクタ5の第1主幹ユニット5aを抜き出した斜視図で、第1主幹ユニット5aを分離して示している。また、図9は分離した主幹用コネクタ5を示し、(a)は図8に示す角度から見た斜視図、(b)は反対方向から見た斜視図である。
主幹ブレーカ2は、単相3線式電路に使用される3端子で構成され、一次側端子21及び二次側端子22はネジ締め構造の端子となっている。但し、図ではネジを省略している。そして、一次側端子21に主幹用コネクタ5の第1主幹ユニット5aが接続される。尚、二次側端子22は主幹バー12が接続される。
【0029】
第1主幹ユニット5aは、主幹ブレーカ2の一次側端子21に接続する3つの端子金具51を有し、図示しない端子ネジで連結される。そして、後端に第2主幹ユニット5bと連結する連結部52を備えている。この連結部52は凹部を有して雌型に形成され、内部に第2主幹ユニット5bの後述する連結金具53aを把持する把持金具52aを有し、把持金具52aと端子金具51とがユニット内で連結されている。
【0030】
一方、第2主幹ユニット5bは、第1主幹ユニット5aと連結する連結部53と、引き込み線が連結される電線接続部54とを備えている。連結部53は3つの連結金具53aが突出形成され、雄型に形成されている。連結部53と電線接続部54とは直交する向きで配置され、双方がユニット内で連結されている。
即ち、第1主幹ユニット5aの端子金具51の突出方向と、第2主幹ユニット5bの電線接続部54とは、略同一方向を向いている。
【0031】
この第2主幹ユニット5bは、主幹ブレーカ2のハウジング10内の組み付け位置に合わせて、所定部位に取り付けられる。即ち、組み付けられた主幹ブレーカ2に装着されている第1主幹ユニット5aの位置に合わせて、第1主幹ユニット5aに連結されるようハウジング10の所定部位に取り付けられる。尚、その際、電線接続部54は、主幹ブレーカ2の背部に向けて、ハウジング10の取付面に平行に配置され、主幹ブレーカ2の一次側端子21の接続方向とは逆の方向から引き込み線8が接続される。
そして、主幹ブレーカ2を分電盤1のハウジング10に組み付けた際に、双方の連結部52,53同士が連結されて、主幹ブレーカ2に引き込み線8が接続される。
【0032】
このように、引き込み線8の主幹ブレーカ2への接続は、主幹用コネクタ5の分電盤1のハウジング10に取り付けられた第2主幹ユニット5bへ引き込み線8を接続することで実施される。よって、主幹ブレーカ2を分電盤1に組み付ける前の広い空間の中で、引き込み線8の接続作業を行うことができ、引き込み線8の接続作業がし易い。
また、端子金具51と電線接続部54とが同一方向であるため、電線接続部54に接続する引き込み線8である電線は、主幹ブレーカ2へ直接接続する方向とは逆方向に配設される。よって、分電盤1の背部から引き込んだ電線をスムーズに接続処理でき、従来のように主幹ブレーカ2横の狭いスペースで電線を引き回して接続処理する必要がない。
【0033】
尚、上記実施形態では、第1主幹ユニット5aと第2主幹ユニット5bとの連結を、凹部と凸部で構成して挿入接続する構成としているが、連結部52,53同士の連結形態は他の形態でも良く、例えば互いにネジ締め端子としてネジ締めにより連結しても良い。
【符号の説明】
【0034】
1・・分電盤、2・・主幹ブレーカ、3・・分岐ブレーカ、4・・分岐用コネクタ、4a・・第1分岐ユニット、4b・・第2分岐ユニット、4c・・検電口、5・・主幹用コネクタ、5a・・第1主幹ユニット、5b・・第2主幹ユニット、8・・引き込み線、9・・分岐配線、10・・ハウジング、21・・一次側端子、22・・二次側端子、31・・一次側端子、32・・二次側端子、41・・端子金具、42,43・・連結部、44・・電線接続部、51端子金具、52,53・・連結部、54・・電線接続部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9