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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176585
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】手摺ユニット、手摺および作業台
(51)【国際特許分類】
   E04G 5/14 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
E04G5/14 301D
E04G5/14 302A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088940
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】稲森 純二
(72)【発明者】
【氏名】横山 博之
(57)【要約】
【課題】作業台への取り付けおよび管理が容易な手摺ユニットを提供する。
【解決手段】手摺ユニットは、矩形状の作業床の四隅にそれぞれ手摺柱が設けられた作業台において、前記作業床のいずれかの辺に沿って取り付けられる。手摺ユニットは、互いに離隔して設けられる一対の棒状の連結材と、一対の前記連結材の一端部同士を接続する棒状の上手摺材と、前記上手摺材から離隔した位置において前記上手摺材に沿って延び、かつ一対の前記連結材を接続する棒状の中桟材と、を有している。前記上手摺材の両端部にそれぞれ、前記手摺柱の上端部を取り付け可能な第1取付部が設けられている。手摺ユニットは、前記上手摺材および前記中桟材が前記いずれかの辺に沿って延びるように、前記上手摺材の両端部の前記第1取付部をそれぞれ前記手摺柱の上端部に取り付けることによって、前記作業床に取り付けられる。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の作業床の四隅にそれぞれ手摺柱が設けられた作業台において、前記作業床のいずれかの辺に沿って取り付けられる手摺ユニットであって、
互いに離隔して設けられる一対の棒状の連結材と、
一対の前記連結材の一端部同士を接続する棒状の上手摺材と、
前記上手摺材から離隔した位置において前記上手摺材に沿って延び、かつ一対の前記連結材を接続する棒状の中桟材と、を有し、
前記上手摺材の両端部にそれぞれ、前記手摺柱の上端部を取り付け可能な第1取付部が設けられており、
当該手摺ユニットは、前記上手摺材および前記中桟材が前記いずれかの辺に沿って延びるように、前記上手摺材の両端部の前記第1取付部をそれぞれ前記手摺柱の上端部に取り付けることによって、前記作業床に取り付けられる、手摺ユニット。
【請求項2】
前記第1取付部は、前記上手摺材の長さ方向において、前記上手摺材と前記連結材との接続部よりも外側に設けられている、請求項1に記載の手摺ユニット。
【請求項3】
前記第1取付部は、前記手摺柱の上端部が挿入される第1貫通孔である、請求項1または2に記載の手摺ユニット。
【請求項4】
前記中桟材の両端部にそれぞれ、前記手摺柱に取り付け可能な第2取付部が設けられている、請求項1または2に記載の手摺ユニット。
【請求項5】
前記第2取付部は、前記中桟材の長さ方向において、前記中桟材と前記連結材との接続部よりも外側に設けられている、請求項1または2に記載の手摺ユニット。
【請求項6】
前記第2取付部は、第2貫通孔であり、
前記手摺柱はそれぞれ、上下方向に延びる柱状部と、前記柱状部から前記柱状部の軸線に直交する方向に突出しかつ前記第2貫通孔に挿入されるピンと、前記ピンに設けられかつ前記ピンが前記第2貫通孔から抜けることを防止する抜け止め部とを有している、請求項4に記載の手摺ユニット。
【請求項7】
前記上手摺材の両端部および前記中桟材の両端部は、一対の前記連結材に対して回動可能に設けられている、請求項1または2に記載の手摺ユニット。
【請求項8】
前記上手摺材の両端部および前記中桟材の両端部は、一対の前記連結材に固定されている、請求項1または2に記載の手摺ユニット。
【請求項9】
矩形状の作業床を有する作業台において、前記作業床に設けられる手摺であって、
前記作業床の短辺方向に沿って設けられる一対の手摺枠と、
前記作業床の長辺方向に沿って設けられる一対の請求項1または2に記載の手摺ユニットと、を備え、
前記一対の手摺枠はそれぞれ、前記短辺方向に互いに離隔して設けられる一対の手摺柱を有し、
前記短辺方向における一方側において、一方の前記手摺ユニットの前記上手摺材および前記中桟材が前記作業床の長辺に沿って延びるように、当該上手摺材の前記両端部の前記第1取付部が、一方の前記手摺枠の前記手摺柱と他方の前記手摺枠の前記手摺柱とに取り付けられ、
前記短辺方向における他方側において、他方の前記手摺ユニットの前記上手摺材および前記中桟材が前記作業床の長辺に沿って延びるように、当該上手摺材の前記両端部の前記第1取付部が、一方の前記手摺枠の前記手摺柱と他方の前記手摺枠の前記手摺柱とに取り付けられている、手摺。
【請求項10】
前記手摺柱はそれぞれ、上下方向に延びる柱状部と、前記柱状部から前記柱状部の軸線に直交する方向に突出するピンと、前記ピンに設けられる抜け止め部とを有し、
前記ピンは、前記抜け止め部によって抜けが防止された状態で前記中桟材の前記第2取付部に取り付けられる、請求項9に記載の手摺。
【請求項11】
矩形状の作業床と、
前記作業床を支持する支持部と、
請求項9に記載の手摺と、を備える、作業台。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手摺ユニット、手摺および作業台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の内装工事等を行うために、種々の作業台(足場)が用いられている。例えば、特許文献1に開示された移動足場は、四隅がキャスターによって支持されたベース部材と、ベース部材に支持された中間枠部材と、中間枠部材の上部に支持された作業床とを有している。作業床の周囲には、作業員が落下することを防止できるように、4つの手すり枠が設けられている。
【0003】
特許文献1の移動足場では、各手摺枠は、コ字状のフレーム(枠体)と、フレーム(枠体)の中央部に設けられた横桟とを備えている。各手摺枠において、フレーム(枠体)と、横桟とは一体的に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-13892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された手摺枠のように、フレーム(枠体)および横桟等が一体的に構成された手摺枠は、作業台に容易に取り付けることができるので、作業台を組み立てる際の作業効率が向上する。また、部品点数が少なくなるので、手摺枠の管理が容易になる。一方で、フレームおよび横桟等を一体的に構成することによって、手摺枠の重量が大きくなりやすい。特に、手摺枠の寸法が大きくなると、手摺枠の重量も大きくなり、手摺枠を容易に持ち上げることができなくなる。この場合、手摺枠を作業台に容易に取り付けることができない。
【0006】
そこで、本発明は、作業台への取り付けおよび管理が容易な手摺ユニット、当該手摺ユニットを有する手摺、および当該手摺を備えた作業台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記の手摺ユニット、手摺、および作業台を要旨とする。
【0008】
(1)矩形状の作業床の四隅にそれぞれ手摺柱が設けられた作業台において、前記作業床のいずれかの辺に沿って取り付けられる手摺ユニットであって、
互いに離隔して設けられる一対の棒状の連結材と、
一対の前記連結材の一端部同士を接続する棒状の上手摺材と、
前記上手摺材から離隔した位置において前記上手摺材に沿って延び、かつ一対の前記連結材を接続する棒状の中桟材と、を有し、
前記上手摺材の両端部にそれぞれ、前記手摺柱の上端部を取り付け可能な第1取付部が設けられており、
当該手摺ユニットは、前記上手摺材および前記中桟材が前記いずれかの辺に沿って延びるように、前記上手摺材の両端部の前記第1取付部をそれぞれ前記手摺柱の上端部に取り付けることによって、前記作業床に取り付けられる、手摺ユニット。
【0009】
(2)前記第1取付部は、前記上手摺材の長さ方向において、前記上手摺材と前記連結材との接続部よりも外側に設けられている、上記(1)に記載の手摺ユニット。
【0010】
(3)前記第1取付部は、前記手摺柱の上端部が挿入される第1貫通孔である、上記(1)または(2)に記載の手摺ユニット。
【0011】
(4)前記中桟材の両端部にそれぞれ、前記手摺柱に取り付け可能な第2取付部が設けられている、上記(1)から(3)のいずれかに記載の手摺ユニット。
【0012】
(5)前記第2取付部は、前記中桟材の長さ方向において、前記中桟材と前記連結材との接続部よりも外側に設けられている、上記(1)から(5)のいずれかに記載の手摺ユニット。
【0013】
(6)前記第2取付部は、第2貫通孔であり、
前記手摺柱はそれぞれ、上下方向に延びる柱状部と、前記柱状部から前記柱状部の軸線に直交する方向に突出しかつ前記第2貫通孔に挿入されるピンと、前記ピンに設けられかつ前記ピンが前記第2貫通孔から抜けることを防止する抜け止め部とを有している、上記(4)または(5)に記載の手摺ユニット。
【0014】
(7)前記上手摺材の両端部および前記中桟材の両端部は、一対の前記連結材に対して回動可能に設けられている、上記(1)から(6)のいずれかに記載の手摺ユニット。
【0015】
(8)前記上手摺材の両端部および前記中桟材の両端部は、一対の前記連結材に固定されている、上記(1)から(6)のいずれかに記載の手摺ユニット。
【0016】
(9)矩形状の作業床を有する作業台において、前記作業床に設けられる手摺であって、
前記作業床の短辺方向に沿って設けられる一対の手摺枠と、
前記作業床の長辺方向に沿って設けられる一対の上記(1)から(8)のいずれかに記載の手摺ユニットと、を備え、
前記一対の手摺枠はそれぞれ、前記短辺方向に互いに離隔して設けられる一対の手摺柱を有し、
前記短辺方向における一方側において、一方の前記手摺ユニットの前記上手摺材および前記中桟材が前記作業床の長辺に沿って延びるように、当該上手摺材の前記両端部の前記第1取付部が、一方の前記手摺枠の前記手摺柱と他方の前記手摺枠の前記手摺柱とに取り付けられ、
前記短辺方向における他方側において、他方の前記手摺ユニットの前記上手摺材および前記中桟材が前記作業床の長辺に沿って延びるように、当該上手摺材の前記両端部の前記第1取付部が、一方の前記手摺枠の前記手摺柱と他方の前記手摺枠の前記手摺柱とに取り付けられている、手摺。
【0017】
(10)前記手摺柱はそれぞれ、上下方向に延びる柱状部と、前記柱状部から前記柱状部の軸線に直交する方向に突出するピンと、前記ピンに設けられる抜け止め部とを有し、
前記ピンは、前記抜け止め部によって抜けが防止された状態で前記中桟材の前記第2取付部に取り付けられる、上記(9)に記載の手摺。
【0018】
(11)矩形状の作業床と、
前記作業床を支持する支持部と、
上記(9)または(10)に記載の手摺と、を備える、作業台。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、手摺ユニットの作業台への取り付けおよび管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る作業台を示す正面図である。
図2図2は、図1の作業台の左側面図である。
図3図3は、作業床を示す平面図である。
図4図4は、支持部を第2状態に設定した場合の作業台を示す正面図である。
図5図5は、支持部および作業床を折り畳んだ状態の作業台を示す正面図である。
図6図6は、支持部および作業床を折り畳んだ状態の作業台を示す左側面図である。
図7図7は、手摺枠を示す図である。
図8図8は、手摺柱を示す図である。
図9図9は、手摺ユニットを示す図である。
図10図10は、連結材と上手摺材との接続部を示す拡大図である。
図11図11は、連結材と中桟材との接続部を示す拡大図である。
図12図12は、手摺ユニットの取り付け方法の一例を説明するための図である。
図13図13は、手摺ユニットの取り付け方法の一例を説明するための図である。
図14図14は、手摺ユニットの取り付け方法の一例を説明するための図である。
図15図15は、手摺の収納方法の一例を説明するための図である。
図16図16は、ピンおよび抜け止めの他の例を示す図である。
図17図17は、連結材と上手摺材との接続部の他の例を示す図である。
図18図18は、連結材と中桟材との接続部の他の例を示す図である。
図19図19は、連結材と上手摺材との接続部、および連結材と中桟材との接続部のその他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る手摺ユニット、手摺および作業台について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る作業台を示す正面図であり、図2は、図1の作業台の左側面図である。
【0022】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る作業台10は、作業床12と、作業床12を支持する支持部14と、作業床12の周囲を囲むように設けられた手摺16と、支持部14を支持する複数(本実施形態では4つ)のキャスター18とを備えている。
【0023】
なお、図面が煩雑になることを避けるために図示は省略するが、作業床12に作業者が上り下りする際には、昇降タラップ(梯子)が用いられる。昇降タラップの構成としては公知の種々の昇降タラップの構成を利用できるので、昇降タラップの詳細な説明は省略する。また、手摺16は、作業床12に対して取り外し可能に設けられている。手摺16は、作業者が作業を行う際に作業床12に取り付けられる。
【0024】
(作業床の構成)
図3は、作業床12を示す平面図である。図3に示すように、作業床12は、上方から見て矩形状を有している。本実施形態では、作業床12は、四隅に角部12a~12dを有する長方形状を有している。本実施形態では、作業床12は、当該作業床12の長辺方向に並ぶように設けられた第1床部20および第2床部22を有している。以下において、単に長辺方向という場合は、作業床12の長辺方向を意味する。また、単に短辺方向という場合は、作業床12の短辺方向を意味する。
【0025】
なお、本発明において矩形状の作業床は、図3に示したような完全な矩形状を有する作業床に限定されず、全体として略矩形状を形成するように構成された作業床を含む。作業床が完全な矩形状ではない場合には、長辺方向とは、作業床の長手方向を意味し、短辺方向とは、作業床の短手方向を意味する。本実施形態では、作業床12の4つの角部12a~12dが上方から見て直角に曲がっているが、例えば、角部が、上方から見て面取りされた形状であってもよい。
【0026】
第1床部20は、上方から見て矩形状の枠体20aと、枠体20a上に固定された網目状の床材20bと、枠体20aに固定された一対の筒体20c,20dとを有している。第2床部22は第1床部20と同様の構成を有しており、上方から見て矩形状の枠体22aと、枠体22a上に固定された網目状の床材22bと、枠体22aに固定された一対の筒体22c,22dとを有している。
【0027】
(支持部の構成)
図4図6は、支持部14の構成を説明するための図である。なお、図4図6においては、作業床12から手摺16を取り外した状態の作業台10を示している。図4および図5は、作業台10を短辺方向から見た図であり、図6は、作業台10を長辺方向から見た図である。
【0028】
図1および図4に示すように、本実施形態では、支持部14は、長辺方向に伸縮できるように構成されている。具体的には、支持部14は、作業床12の四隅を支持する第1状態(図1に示す状態)と、第1状態よりも長辺方向における長さが小さい第2状態(図4に示す状態)とに設定できるように構成されている。なお、本実施形態では、第2状態における支持部14(図6参照)の短辺方向の長さは、第1状態における支持部14(図2参照)の短辺方向における長さよりも大きい。
【0029】
本実施形態では、支持部14は、第1状態では、作業床12の四隅および中央部を支持するが、第2状態では、作業床12の中央部のみを支持する。本実施形態では、支持部14は、第1床部20および第2床部22を、短辺方向に延びる回転軸周りに回動可能に支持している。具体的には、図5および図6に示すように、支持部14は、第1床部20および第2床部22を、長辺方向における外側に向かって約90度回転させることができる。
【0030】
また、詳細な説明は省略するが、支持部14は、上下方向に伸縮可能に構成されている。すなわち、本実施形態に係る作業台10は、作業床12の高さを調整可能に構成されている。なお、作業床12および支持部14の構成としては、公知の種々の作業台の構成を利用することができる。例えば、特開2022-41860号に開示された作業足場の構成を利用することができる。
【0031】
(手摺の構成)
図1および図2に示すように、手摺16は、作業床12の一対の短辺に沿って設けられる一対の手摺枠30と、作業床12の一対の長辺に沿って設けられる一対の手摺ユニット40と、作業床12の一対の長辺に沿って設けられる一対の幅木60とを有している。
【0032】
図7は、手摺枠30を示す図である。なお、図7において(a)は、手摺枠30の全体構成を示す図であり、(b)は、(a)において円Bで囲んだ部分の構成の他の例を示す図である。図7(a)に示すように、手摺枠30は、一対の手摺柱32と、上手摺材34と、中桟材36と、幅木38とを有している。図8は、手摺柱32を示す図である。図7(a)および図8に示すように、手摺柱32は、上下方向に延びる柱状部32aと、柱状部32aの上端に設けられるピン32bと、柱状部32aの中央部に設けられるピン32cと、柱状部32aの下部に設けられる位置決め部32dとを有している。
【0033】
ピン32bは、柱状部32aの上端から上方に突出するように設けられている。ピン32cは、柱状部32aの軸線33に直交する方向に突出するように設けられている。図2に示すように、本実施形態では、ピン32cは、短辺方向において、作業台10の内側に向かって突出するように設けられる。
【0034】
図8に示すように、ピン32cには、抜け止め32eが設けられている。抜け止め32eは、外部から押されることによって、ピン32c内に収納されるように、ピン32cに支持されている。本実施形態では、ピン32c内には、抜け止め32eをピン32cから突出する方向に付勢する付勢部材(例えば、ばね等の弾性部材)が設けられている。これにより、抜け止め32eに対して外部から力が加えられていない場合には、抜け止め32eがピン32cから突出した状態が維持される。
【0035】
位置決め部32dは、柱状部32aの軸線33に直交する方向に突出するように設けられている。本実施形態では、位置決め部32dは、フランジ状に形成されている。
【0036】
図7(a)に示すように、上手摺材34は、一対の手摺柱32の上端部同士を接続するように設けられている。本実施形態では、上手摺材34の両端部にそれぞれ貫通孔が形成されており、この貫通孔に手摺柱32のピン32bが挿入されている。このようにして、各手摺柱32の上端部に上手摺材34が取り付けられている。
【0037】
なお、ピン32bには、上手摺材34が手摺柱32から外れることを防止するための抜け止めが設けられている。本実施形態では、ピン32bに貫通孔が形成されており、その貫通孔に、抜け止めとして、スプリングピン35が差し込まれている。スプリングピン35は、手摺柱32に上手摺材34を取り付けた後に、ピン32bに取り付けられる。これにより、上手摺材34が手摺柱32から外れることを、ピン32bによって防止することができる。本実施形態では、手摺ユニット40(図1参照)の後述する上手摺材44(図1参照)は、スプリングピン35をピン32bに取り付けた後に、手摺柱32の上端部に取り付けられる。なお、抜け止めはスプリングピンに限定されず、例えば、図7(b)に示すように、ピン32bとしてボルトを用い、ナット35aを抜け止めとして用いてもよい。
【0038】
中桟材36は、上手摺材34の下方において、一対の手摺柱32を接続するように設けられている。本実施形態では、中桟材36の両端部にそれぞれ、リング状の一対の取付部36aが設けられている。一対の取付部36aはそれぞれ、手摺柱32(柱状部32a)に嵌められている。本実施形態では、一対の手摺柱32に中桟材36を取り付けた後に、一対の手摺柱32の上端部に上手摺材34が取り付けられる。
【0039】
なお、手摺柱32に中桟材36を取り付ける際には、一対の取付部36aが一対のピン32cに下方から支持される。このように、本実施形態では、一対のピン32cは、中桟材36の位置決め部材としても機能する。
【0040】
幅木38は、一対の手摺柱32の下端部同士を架け渡すように設けられている。本実施形態では、幅木38の両端部にそれぞれ、上方から見てU字形状を有する取付部38aが設けられている。一対の取付部38aはそれぞれ、手摺柱32(柱状部32a)に嵌められている。本実施形態では、一対の取付部38aが一対の位置決め部32dに下方から支持されることによって、幅木38の上下方向における位置が決定される。
【0041】
なお、本実施形態では、手摺枠30に他の部材(例えば、手摺ユニット40)が取り付けられていない状態では、手摺柱32(柱状部32a)は、上手摺材34、中桟材36および幅木38に対して、柱状部32aの軸線33(図8参照)周りに回転可能である。
【0042】
本実施形態に係る作業台10では、長辺方向における一方側および他方側においてそれぞれ、手摺枠30が作業床12に取り付けられる。具体的には、図2に示すように、長辺方向における一方側において、手摺枠30の一対の手摺柱32(柱状部32a)の下端部が、作業床12の筒体20c,20dに挿入される。これにより、作業床12の一方の短辺に手摺枠30が取り付けられる。同様に、長辺方向における他方側において、手摺枠30の一対の手摺柱32(柱状部32a)の下端部が、作業床12の筒体22c,22d(図3参照)に挿入される。これにより、作業床12の他方の短辺に手摺枠30が取り付けられる。
【0043】
図1に示すように、短辺方向における一方側および他方側においてそれぞれ、一対の手摺柱32(柱状部32a)の下端部同士を架け渡すように、幅木60が設けられる。本実施形態では、幅木38と同様に、幅木60の両端部にそれぞれ、上方から見てU字形状を有する取付部60aが設けられている。各取付部60aは、手摺柱32(柱状部32a)に嵌められている。
【0044】
次に、手摺ユニット40について説明する。図9は、手摺ユニット40を示す図である。図1および図9に示すように、手摺ユニット40は、一対の棒状の連結材42と、棒状の上手摺材44と、棒状の中桟材46とを有している。一対の連結材42は、互いに離隔して設けられている。上手摺材44は、一対の連結材42の一端部同士を接続するように設けられている。中桟材46は、上手摺材44材から離隔した位置において上手摺材44に沿って延び、かつ一対の連結材42を接続するように設けられている。
【0045】
図1に示すように、手摺ユニット40は、上手摺材44および中桟材46が作業床12のいずれかの辺(本実施形態では、長辺)に沿って水平方向に延びるように、作業床12に取り付けられる。
【0046】
図10は、連結材42と上手摺材44との接続部を示す拡大図であり、(a)は、当該接続部を示す正面図であり、(b)は、当該接続部を示す平面図であり、(c)は、当該接続部を示す側面図である。
【0047】
図10に示すように、上手摺材44の両端部にそれぞれ、U字状の接続部材48が固定されている。接続部材48は、例えば、上手摺材44に溶接されている。本実施形態では、連結材42の一端部が接続部材48の内側に嵌め込まれた状態で、当該一端部がボルト50およびナット52によって、接続部材48に取り付けられている。これにより、連結材42と上手摺材44とが接続されている。本実施形態では、各連結材42の一端部および上手摺材44の両端部は、ボルト50の軸部50a周りに回動可能に、軸部50aに支持されている。言い換えると、上手摺材44の両端部はそれぞれ、連結材42に対して回動できるように、連結材42に接続されている。
【0048】
上手摺材44は、棒状部44aと、棒状部44aの両端に設けられた一対の扁平部44bとを有している。図10(b)に示すように、扁平部44bには、貫通孔44cが形成されている。貫通孔44cは、上手摺材44の長さ方向において、連結材42と上手摺材44との接続部(本実施形態では、接続部材48、ボルト50およびナット52)よりも外側に設けられている。本実施形態では、貫通孔44cが第1取付部および第1貫通孔に対応する。
【0049】
図11は、連結材42と中桟材46との接続部を示す拡大図であり、(a)は、当該接続部を示す正面図であり、(b)は、当該接続部を示す平面図であり、(c)は、当該接続部を示す側面図である。
【0050】
図11に示すように、本実施形態では、ボルト54およびナット56によって、連結材42と中桟材46とが接続されている。各連結材42および中桟材46の両端部は、ボルト54の軸部54a周りに回動可能に、軸部54aに支持されている。言い換えると、中桟材46の両端部はそれぞれ、連結材42に対して回動できるように、連結材42に接続されている。
【0051】
中桟材46は、棒状部46aと、棒状部46aの両端に設けられた一対の扁平部46bとを有している。図11(a)に示すように、扁平部46bには、貫通孔46cが形成されている。貫通孔46cは、中桟材46の長さ方向において、連結材42と中桟材46との接続部(本実施形態では、ボルト54およびナット56)よりも外側に設けられている。本実施形態では、貫通孔46cが第2取付部および第2貫通孔に対応する。
【0052】
次に、手摺ユニット40の取り付け方法の一例を説明する。図12図14は、手摺ユニット40の取り付け方法を説明するための図である。本実施形態では、例えば、一対の手摺枠30および一対の幅木60を作業床12に取り付けた後、一対の手摺ユニット40を作業床12に取り付ける。なお、図12図14においては、図面の簡略化のため、手摺枠30の構成要素のうち、上手摺材34、中桟材36および幅木38の図示を省略している。
【0053】
図12に示すように、手摺ユニット40を作業床12に取り付ける際には、作業者は、短辺方向における一方側において、一方の手摺枠30の手摺柱32の上端部に、上手摺材44の一端部を取り付ける。本実施形態では、扁平部44bに形成された貫通孔44c(図10(b)参照)にピン32bを差し込むことによって、手摺柱32の上端部に上手摺材44の一端部が取り付けられる。
【0054】
なお、本実施形態に係る手摺ユニット40では、上述したように、上手摺材44の両端部および中桟材46の両端部は、一対の連結材42に対して回動可能である。このため、図12に示すように、上手摺材44の一端部を手摺柱32の上端部に取り付ける際に、手摺ユニット40を細長く変形させることができる。これにより、上手摺材44の一端部を手摺柱32の上端部の高さまで容易に持ち上げることができる。その結果、上手摺材44の一端部を手摺柱32の上端部に容易に取り付けることができる。
【0055】
次に、図13に示すように、作業者は、連結材42を持って手摺ユニット40を拡げつつ、上手摺材44の他端部を、他方の手摺枠30の手摺柱32の上端部に取り付ける。本実施形態では、上述したように、扁平部44bに形成された貫通孔44c(図10(b)参照)にピン32bが差し込まれる。
【0056】
次に、図14(a),(b)に示すように、上手摺材44の両端部(扁平部44b)を支点として手摺ユニット40を短辺方向に回動させつつ、中桟材46の両端部(扁平部46b)を一対の手摺柱32のピン32cに取り付ける。本実施形態では、扁平部46bに形成された貫通孔46c(図11(a)参照)にピン32cが差し込まれる。本実施形態では、ピン32cに抜け止め32eが設けられており、ピン32cが貫通孔46cから抜けることが防止される。これにより、中桟材46が一対の手摺柱32から外れることが防止される。すなわち、手摺ユニット40が一対の手摺柱32から外れることが防止される。
【0057】
詳細な説明は省略するが、短辺方向における他方側においても同様に、一対の手摺柱32に手摺ユニット40が取り付けられる。
【0058】
(収納方法)
作業台10を使用しない場合には、作業台10から手摺16が取り外される。この際、一対の手摺ユニット40は、分解されることなく、組み立てられた状態が維持される。また、本実施形態では、手摺枠30も分解されることなく、組み立てられた状態が維持される。すなわち、本実施形態に係る作業台10では、手摺枠30についても、ユニット化した状態で、作業床12に対する取り付けおよび取り外しが行われる。
【0059】
次に、図6に示したように、作業床12および支持部14を折り畳む。次に、図15に示すように、一方の手摺枠30を第1床部20に取り付ける。なお、本実施形態では、手摺枠30において、一対の手摺柱32は、上手摺材34、中桟材36および幅木38に対して、軸線33(図8参照)周りに回転可能に設けられている。したがって、一対の手摺柱32をそれぞれ、上手摺材34、中桟材36および幅木38に対して回転させて、一対のピン32c(図8参照)の向きを調整することができる。これにより、一対のピン32cを、第1床部20の床材20bに係止させることができる。このようにして、一方の手摺ユニット30を第1床部20に取り付けることができる。詳細な説明は省略するが、他方の手摺ユニット30も同様に、一対のピン32cを第2床部22の床材22bに係止させることによって、第2床部22に取り付けることができる。
【0060】
また、本実施形態では、各手摺ユニット40は、例えば、細長く変形させた状態で、支持部14の任意の部分に支持させることができる。一対の幅木60についても同様に、支持部14の任意の部分に支持させることができる。
【0061】
(本実施形態の効果)
以上のように、本実施形態に係る手摺ユニット40は、組み立てられた状態で、一対の手摺柱32に対して、取り付けおよび取り外しを行うことができる。このため、作業床12に手摺16を設ける際に、手摺ユニット40を組み立てる必要が無い。また、作業床12から手摺16を取り外す際に、手摺ユニット40を分解する必要が無い。これにより、手摺16の組み立ておよび解体に要する時間を短縮することができるので、作業効率が向上する。
【0062】
また、作業台10を使用しない場合には、手摺ユニット40を組み立てられた状態で保管することができるので、手摺ユニット40を解体して保管する場合に比べて、管理が容易になる。
【0063】
また、本実施形態では、手摺ユニット40の上手摺材44および中桟材46は、一対の手摺柱32によって支持される。このため、上手摺材44および中桟材46を接続する一対の連結材42には、手摺柱32に要求されるような強度および寸法は要求されない。言い換えると、各連結材42は、上手摺材44および中桟材46を接続するための最低限の強度および寸法を有していればよい。したがって、連結材42の重量を、手摺柱32よりも十分に小さくすることができる。この場合、手摺ユニット40の重量が大きくなることを十分に抑制できる。その結果、手摺ユニット40を容易に持ち上げることが可能になり、手摺ユニット40を作業床12に容易に取り付けることができる。
【0064】
また、本実施形態に係る手摺ユニット40では、各連結材42の一端部が上手摺材44に接続され、各連結材42の他端部は、中桟材46から見て上手摺材44とは反対側に突出している。この場合、作業床12に対して手摺ユニット40の取り付けおよび取り外しを行う際に、作業者は、連結材42を掴んで手摺ユニット40を持ち上げることができる。これにより、作業者は、地上において、作業床12に対して手摺ユニット40の取り付けおよび取り外しを容易に行うことができる。
【0065】
また、本実施形態に係る手摺ユニット40では、上手摺材44は、上手摺材44の長さ方向において、連結材42との接続部よりも外側で、手摺柱32に取り付けられる。同様に、中桟材46は、中桟材46の長さ方向において、連結材42との接続部よりも外側で、手摺柱32に取り付けられる。この場合、一対の連結材42が、長辺方向において手摺柱32よりも内側に位置付けられる。これにより、一対の連結材42間の距離を短くできるので、作業者は、一対の連結材42を掴みやすくなる。また、手摺ユニット40を作業床12に取り付ける際に、手摺枠30のいずれかの部材と連結材42とが干渉することを防止することができる。その結果、手摺ユニット40を作業床12に円滑に取り付けることができる。
【0066】
(変形例)
図8に示したピン32cおよび抜け止め32eの代わりに、図16に示すように、ボルト39aをピンとして用い、ナット39bを抜け止めとして用いてもよい。
【0067】
図10に示した例では、連結材42と上手摺材44とが、接続部材48、ボルト50およびナット52を介して接続されているが、図17に示すように、接続部材48が設けられなくてもよい。具体的には、図17に示す例では、連結材42の一端部と上手摺材44の端部(本実施形態では、棒状部44aの端部)とが、ボルト50およびナット52によって接続されている。なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、連結材42および上手摺材44は、ボルト50の軸部50a周りに回動可能に、軸部50aに支持されている。
【0068】
図11に示した例では、中桟材46の両端部において扁平部46bが連結材42に接続されているが、図18に示すように、中桟材46の両端部において棒状部46aが連結材42に接続されてもよい。なお、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、連結材42および中桟材46は、ボルト54の軸部54a周りに回動可能に、軸部54aに支持されている。
【0069】
なお、図19(a)に示すように、連結材42と上手摺材44とが、例えば、溶接等によって互いに固定されていてもよい。同様に、図19(b)に示すように、連結材42と中桟材46とが、溶接等によって互いに固定されていてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、網目状の床材20b,22bが設けられる場合について説明したが、床材20b,22bとして、板状の床材を用いてもよい。この場合、手摺枠30の一対のピン32cを床材に係止できるように、例えば、貫通孔等の係止部が床材に設けられる。なお、板状の床材を用いる場合には、滑り止めが施されていることが好ましい。
【0071】
上述の実施形態では、手摺枠30の一対のピン32cを床材に係止させる場合について説明したが、第1床部または第2床部において、床材以外の部分(例えば、枠体等)に一対のピンが係止されるように、第1床部、第2床部および手摺枠を構成してもよい。
【0072】
上述の実施形態では、手摺ユニット40を作業床12の長辺に沿って設ける場合について説明したが、本発明に係る手摺ユニットは、作業床の短辺に沿って設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によれば、作業台への取り付けおよび管理が容易な手摺ユニットが得られる。
【符号の説明】
【0074】
10 作業台
12 作業床
14 支持部
16 手摺部
30 手摺枠
32 手摺柱
32c ピン
32e 抜け止め
40 手摺ユニット
42 連結材
44 上手摺材
44c 貫通孔
46 中桟材
46c 貫通孔

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19