(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017661
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 2/10 20060101AFI20230131BHJP
H01G 4/228 20060101ALI20230131BHJP
H01G 4/224 20060101ALI20230131BHJP
H01G 4/32 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
H01G2/10 C
H01G2/10 600
H01G4/228 Q
H01G4/224 200
H01G4/32 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122057
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】390022460
【氏名又は名称】株式会社指月電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】大橋 光
(72)【発明者】
【氏名】石原 友佳
【テーマコード(参考)】
5E082
【Fターム(参考)】
5E082AB05
5E082BC38
5E082CC06
5E082GG08
5E082HH03
5E082HH28
5E082HH47
(57)【要約】
【課題】別体の絶縁部材を用いることなく、コンデンサ素子の電極面とバスバーとの絶縁の確保と、コンデンサ素子の位置決め及び浮き上がりの防止とを達成できるコンデンサを提供する。
【解決手段】ケース5と、第1電極面21をケース開口部53側に向け、第2電極面22をケース底部51側に向けるコンデンサ素子2と、第1電極面21に接続される第1バスバー3と、第2電極面22に接続される第2バスバー4と、充填物6とを備え、ケース5が、底部51及び側壁部52から延びて側壁部52の内面との間に隙間Gを形成する突起54を有し、第2バスバー4が、コンデンサ素子2の側面24に沿ってケース5の開口部53側に延びる立面部41bを備え、立面部41bが、突起54と側壁部52との間の隙間Gに差し込まれることで、第1電極面21と立面部41bとの間に突起54が介在している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、側壁部と、開口部とを有するケースと、
第1電極面をケースの開口部側に向け、第2電極面をケースの底部側に向けてケースに収容されるコンデンサ素子と、
第1電極面に接続される第1バスバーと、
第2電極面に接続される第2バスバーと、
ケース内に充填される充填物とを備え、
ケースが、底部及び/又は側壁部から延びて側壁部の内面との間に隙間を形成する突起をさらに有し、
第2バスバーが、コンデンサ素子の側面に沿ってケースの開口部側に延びる立面部を備え、
立面部が、突起と側壁部との間の隙間に差し込まれることで、第1電極面と立面部との間に突起が介在していることを特徴とする、コンデンサ。
【請求項2】
上記隙間をケースの内側に向けてせり出させるせり出し部を備えている、請求項1記載のコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ケース内にコンデンサ素子を収容し充填物を充填したコンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンデンサ素子と、コンデンサ素子の第1電極に接続される第1端子と、第2電極に接続される第2端子と、コンデンサ素子と第1、第2端子とを収容するコンデンサケースと、コンデンサケース内に充填される樹脂と、絶縁板とを備えたコンデンサにおいて、コンデンサ素子の第1電極を上に、第2電極を下に向け、第2電極に接続された第2端子をコンデンサ素子の側面に沿わせながら上に向けて延出しケース外に引き出すこと、引き出すことにより互いに近接する第1電極と第2端子との間に絶縁板を介在させること、介在させるにあたって絶縁板の突起を第2端子の穴部に嵌めて第2端子を絶縁板に固定すること、絶縁板をコンデンサケースの内面に設けられた固定部に差し込んで固定することが開示されている。
【0003】
なお、特許文献1のコンデンサでは、コンデンサ素子が第2端子と絶縁板とを介してコンデンサケースに固定されているため、樹脂を充填する際のコンデンサ素子の浮き上がりを抑制することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のコンデンサは、別体の絶縁板を設けているため、コスト増を招き、また組み立ての工数が増えるといった課題がある。
【0006】
本発明は、別体の絶縁部材を用いることなく、コンデンサ素子の電極面とバスバーとの絶縁の確保と、コンデンサ素子の位置決めと、コンデンサ素子の浮き上がり防止とを達成することができるコンデンサの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコンデンサは、底部51と、側壁部52と、開口部53とを有するケース5と、第1電極面21をケース5の開口部53側に向け、第2電極面22をケース5の底部51側に向けてケース5に収容されるコンデンサ素子2と、第1電極面21に接続される第1バスバー3と、第2電極面22に接続される第2バスバー4と、ケース5内に充填される充填物6とを備え、ケース5が、底部51及び/又は側壁部52から延びて側壁部52の内面との間に隙間Gを形成する突起54をさらに有し、第2バスバー4が、コンデンサ素子2の側面24に沿ってケース5の開口部53側に延びる立面部41bを備え、立面部41bが、突起54と側壁部52との間の隙間Gに差し込まれることで、第1電極面21と立面部41bとの間に突起54が介在していることを特徴としている。
【0008】
上記コンデンサにおいては、上記隙間Gをケース5の内側に向けてせり出させるせり出し部52bを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコンデンサは、ケースが、側壁部との間に隙間を形成する突起を有しており、突起が、第1電極面と立面部との間に介在しているため、別体の絶縁部材を用いなくても、第1電極面と立面部との間の絶縁を確保することができる。また、立面部が、突起と側壁部との間の隙間に差し込まれているため、第2バスバーを介してコンデンサ素子の位置決めをすることができる。さらに、コンデンサ素子の浮き上がりも防止することができる。
【0010】
また、隙間をケースの内側に向けてせり出させるせり出し部を備えている場合、隙間に立面部を差し込むだけで、コンデンサ素子に必要な樹脂厚(コンデンサ素子から側壁部の外面までの距離)を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この発明の一実施形態に係るコンデンサを示す分解斜視図である。
【
図3】隙間に立面部を差し込む過程を示す断面図である。
【
図5】貫通孔や切り欠きの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明のコンデンサの一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明のコンデンサ1は、
図1および
図4に示すように、コンデンサ素子2と、第1バスバー3と、第2バスバー4と、これらを収容するケース5と、ケース5内に充填される充填物6とを備えている。以下、上記各部品について説明するが、「上下」の概念は、製造時、より具体的には充填物6を充填する際におけるものであって、必ずしも使用時の上下を規定するものではない。
【0013】
コンデンサ素子2は、例えば絶縁性のフィルム上に金属を蒸着した金属化フィルムを巻回することでなるフィルムコンデンサであって、
図1に示すように、軸方向の一方の端面に第1電極面21が設けられ、他方の端面に第2電極面22が設けられている。これら電極面は、例えば金属を溶射することで形成される。このコンデンサ素子2は、軸方向から見ると両端に略半円状の膨出部23を備えた俵状、より具体的には、長方形の4つのコーナー部にR(アール)が設けられた形状をなしている。そして、第1電極面21と第2電極面22の間(周囲面)に平坦部24aと曲面部24bとからなる側面24を有している。このコンデンサ素子2は、第1電極面21を上に、第2電極面22を下に向けるとともに、平坦部24a同士を互いに対向させるようにして複数、具体的には4つ並設されて、コンデンサ素子群を形成している。なお、コンデンサ素子2としてはフィルムコンデンサに限らず、電解コンデンサやセラミックコンデンサなど種々のコンデンサ素子を用いても良い。形状についても円柱状や角柱状など種々の形状を採用し得る。個数においても適宜変更可能である。
【0014】
第1バスバー3は、アルミニウムや銅等の導電性の金属板を所定形状に切り抜き、適宜折曲加工することで形成されており、第1電極面21に重なる(当接する)第1基板部31と、この第1基板部31から延出され、図示しない外部機器との接続に供される第1外部接続部32とを備えている。
【0015】
第1基板部31は、
図1に示すように、平面視略長方形状の第1平面部31aと、第1平面部31aの一方の長辺から上に延びる立ち上がり部31bとを備えており、その断面は略L字状である。第1平面部31aは、コンデンサ素子2の並設方向に長手方向を向けており、全てのコンデンサ素子2の第1電極面21と重なっている。第1平面部31aの2つの長辺のうち、立ち上がり部31bが設けられていない側の長辺には、第1電極面21と接続するための舌状の接続片33が設けられている。
【0016】
第1外部接続部32は、立ち上がり部31bの上端から横方向であって、平面視、第1平面部31aとは反対の方向に延びるようにして設けられている。
【0017】
第2バスバー4は、アルミニウムや銅等の導電性の金属板を所定形状に切り抜き、適宜折曲加工することで形成されており、第2電極面22に重なる(当接する)第2基板部41と、この第2基板部41から延出され、図示しない外部機器との接続に供される第2外部接続部42とを備えている。
【0018】
第2基板部41は、
図1に示すように、平面視略長方形状の第2平面部41aと、第2平面部41aの一方の長辺から上に延びる立面部41bとを備えており、その断面は略L字状である。第2平面部41aは、コンデンサ素子2の並設方向に長手方向を向けており、全てのコンデンサ素子2の第2電極面22と重なっている。第2平面部41aの2つの長辺のうち、立面部41bが設けられていない側の長辺には、第2電極面22と接続するための舌状の接続片43が設けられている。
【0019】
立面部41bは、コンデンサ素子2の側面24に沿って配置されている。横幅は、第2平面部41aと同じである。上下方向の長さは、コンデンサ素子2の軸方向長さよりも大とされている(
図3参照)。この立面部41bには、後述するケース5の突起54を挿通させるための貫通孔44が設けられている。
【0020】
貫通孔44は、複数(
図1では4つ)設けられている。具体的には、立面部41bと近接するコンデンサ素子2の数と同じ数だけ設けられている。ただ、必ずしもコンデンサ素子2の数に合わせる必要は無い。例えば
図5B、Cのように、複数の突起54を挿通可能な幅を持つ貫通孔44を1つ設けてもよい。また、貫通孔44は、平面視、コンデンサ素子2の膨出部23が近接する位置、すなわち、コンデンサ素子2が立面部41bに最も近接する位置に設けられている。この貫通孔44は第2平面部41aにまで跨って設けられている。ただ、
図5Cに示すように立面部41bにのみ、または
図5A、Bに示すように第2平面部41aにのみ設けられていてもよい。貫通孔44を複数設ける場合には、
図5Fに示すように、ある貫通孔44は第2平面部41aに設け、別の貫通孔44は立面部41bに設けるようにしてもよい。貫通孔44の形状は略矩形状である。ただ、特に限定されるわけではなく、種々の形状を採用し得る。
【0021】
第2外部接続部42は、立面部41bの上端から横方向であって、平面視、第2平面部41aとは反対の方向に延びるようにして設けられている。この第2外部接続部42は、平面視、第1外部接続部32とは横方向にずれており、第1外部接続部32とは対向していない(
図4参照)。
【0022】
ケース5は、
図1に示すように、平面視略長方形状の底部51と、底部51の4つの辺からそれぞれ上方に向かって立ち上がる側壁部52と、底部51の上で開口する開口部53とを備えている。コンデンサ素子2や第1バスバー3、第2バスバー4は、開口部53を通じてケース5内に収容される。また、この開口部53から第1外部接続部32や第2外部接続部42がケース5外に延出される。このケース5は例えば合成樹脂製等の非導電性材料からなる。
【0023】
ところで、ケース5は突起54を備えている。この突起54は、側面視略矩形状であって、底部51及び側壁部52からケース5の開口部53側に延びて側壁部52の内面52aとの間に隙間Gを形成している(
図2参照)。以下、隙間Gを形成する部分を隙間形成部54aと言い、隙間形成部54aの下部をケース5の底部51や側壁部52とにつなぐ部分を連結部54bと言う。隙間形成部54aと連結部54bはどちらもケース5の一部であって一体化している。
【0024】
隙間形成部54aは側面視略矩形状の略板状であって、側壁部52の内面52aと略平行に、側壁部52の内面52aと対向するようにして設けられている。隙間Gは、上方(ケース5の開口部53側)と左右方向の3方で開口し、下方(ケース5の底部51側)は閉じられている。隙間Gの間隔は、立面部41bの厚みと同じもしくはやや小とされている。そのため、隙間G内に立面部41bが位置すると、立面部41bの移動が拘束される。すなわち、第2バスバー4と、第2バスバー4に接続されたコンデンサ素子2のケース5内での位置決め、およびコンデンサ素子2の浮き上がり防止として機能する。また、隙間形成部54aの上端は第1電極面21よりも高い位置にあり、第1電極面21と立面部41bとの間に必要な縁面距離を確保している。すなわち、第1電極面21と立面部41bとの間の絶縁を確保している。
【0025】
連結部54bは、隙間Gの底を形成する上面部54b1を備えている。この上面部54b1には、貫通孔44の内周面が上から当接している。すなわち、上下方向の位置決めとして機能する。また、連結部54bは、貫通孔44の内周面が横から当接可能な側面部54b2を備えている。従って、連結部54bは、
図1における左右方向の位置決めとしても機能する。
【0026】
上記構成の突起54は、複数(
図1では4つ)設けられている。具体的には、第2バスバー4に設けられた貫通孔44と同じ数だけ設けられている。
【0027】
側壁部52の内面52aのうち、隙間形成部54aと近接対向する部分には、せり出し部52bが設けられている。このせり出し部52bは、側壁部52の内面52aを隙間形成部54a側に突出させたものであって、結果として、平面視、隙間Gをケース5の内側にせり出させている。これにより、コンデンサ素子2に必要な樹脂厚(コンデンサ素子2から側壁部52の外面までの距離)を確保している。
【0028】
ケース5内に充填される充填物6は、例えば熱可塑性樹脂であって、具体的には例えばエポキシ樹脂である。ただ、ウレタン樹脂等の公知の種々の樹脂を使用可能である。なお、耐湿性に優れた樹脂や熱伝導性の高い樹脂を採用することが好ましい。樹脂は、コンデンサ素子2に加えて、第1基板部31や第2基板部41が埋没するように充填される。なお、第1外部接続部32や第2外部接続部42は樹脂外に引き出されている。樹脂厚(樹脂表面からコンデンサ素子2までの距離)については、用いる樹脂の種類や特性に応じて適宜変更される。また、充填物としては樹脂に限らず絶縁油であってもよい。
【0029】
次に、コンデンサ1の組み立てについて説明する。まず、第1バスバー3の第1平面部31aをコンデンサ素子2の第1電極面21に重ねてはんだ付け等で接続、固定するとともに、第2バスバー4の第2平面部41aを第2電極面22に重ねてはんだ付け等で接続、固定し、コンデンサモジュールを形成する。この際、第1外部接続部32と第2外部接続部42とが同じ方向に向くように、また、コンデンサ素子2の側面24に第2バスバーの立面部41bが沿うように第2バスバー4を配置する(
図3のS1)。
【0030】
続いて、コンデンサモジュールを上方の開口部53からケース5内に収容する。この際、第1外部接続部32と第2外部接続部42とが開口部53からケース5外に延出されるように、第1外部接続部32と第2外部接続部42を上にして収容する。また、立面部41bに設けられた貫通孔44に突起54を挿通し、突起54と側壁部52との間の隙間Gに、立面部41bの貫通孔44よりも上の部分(差し込み部)45を上から下に(開口部53側から底部51側に)向かって差し込む。換言すれば、突起54と側壁部52との間で立面部41bの差し込み部45を挟持させる(
図3のS2参照)。そして、ケース5内に充填物6を充填することでコンデンサ1の製造を完了する。なお、充填物6は、少なくともコンデンサ素子2と差し込み部45とが充填物6内に位置するまで充填される。
【0031】
上記構成のコンデンサ1は、第1電極面21と第2バスバー4との絶縁体として機能する突起54をケース5が一体的に備えているため、第1電極面21と第2バスバー4との絶縁を確保するために別途、絶縁部材を設ける必要がなく、コストや工数の削減を図ることができる。また、突起54は、第2バスバー4を介してのコンデンサ素子2の位置決めや浮き上がり防止としても機能するため、ケース5内でのコンデンサ素子2の位置が定まり、必要な樹脂厚を確実に確保しつつも、余分な厚みを持たせなくてもよくなることから、コンデンサ全体を小型化することができる。
【0032】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施形態では、突起54の隙間形成部54aと側壁部52のせり出し部52bとの間で立面部41bを挟持するために、立面部41bに貫通孔44を設けていたが、必ずしも貫通孔44である必要はなく、切り欠き44A(
図5D、E参照)であってもよい。要は、ケース5の開口部53側から隙間Gに差し込み可能な差し込み部45が形成されていればよい。
【0033】
また、突起54はどのような形状であってもよい。例えば、板状の他、ピン状や角柱状等、種々の形状を採用しうる。また、例えば、突起54に、貫通孔44の周縁や切り欠き44Aの周囲に引っ掛かる返し54a1をつけてもよい。返し54a1があることで第2バスバー4が突起54から抜けにくくなる(貫通孔44や切り欠き44Aに突起54を挿通した後、第2バスバー4の上方向(ケース開口部方向)への移動が規制される)。また、返し54a1もどのような形状であってもよい。突起54や返し54a1の形状は、例えば、
図6Aのような逆凸状、
図6Bのようなサイドリリースバックルの雄型状、
図6Cのような矢印状、
図6Dのような下部の左右一方に欠けのある長方形や
図6Eのような下部の左右一方に欠けのある三角形としてもよいし、
図6F、Gのような斜めや湾曲形状でもよい。要は、上下方向(ケースの底部51から開口部53に向かう方向)において、横方向にせり出した部分を備えていればよい。突起54は、貫通孔44や切り欠き44Aに突起54を挿通した後、第2バスバー4を横方向(返し54a1側)にスライドさせることで取り付けてもよいし、返し54a1が設けられている部分の幅よりも小さな幅とされた貫通孔44に弾性変形させながら押し込んでもよい。
【0034】
また、
図7A~Cに示すように、突起54の上端に折り返し54a2を設けてもよい。折り返し54a2が立面部41b側に向けられている場合、位置決めや浮き上がり防止がより確実になる。折り返し54a2がコンデンサ素子2側に向けられている場合、絶縁の確実性が増す。
図7Aでは、折り返し54a2が、コンデンサ素子2側と立面部41b側の両方に向けられている。
図7B、Cはコンデンサ素子2側にのみ向けられている。なお、立面部41b側にのみ向けられていてもよい。
【0035】
また、突起54の下部は、ケース5の底部51と側壁部52とに接していたが、底部51のみ又は側壁部52のみに接していてもよい。換言すれば、底部51又は側壁部52から突起54が延出されていてもよい。また、突起54との間に隙間Gを形成する側壁部52は1つに限らず、複数であってもよい。例えば立面部41bが、複数の側壁部52と対向している場合には、その側壁部52毎に突起54を設けてもよい。こうすることで、第1電極面21と立面部41bとの間に突起54を介在させることができる。
【0036】
また、貫通孔44を突起54よりも大とし、ゆとりを持たせてもよい。この場合、厳密な精度が無くても貫通孔44に突起54を簡単に挿通させることができ、作業性が向上し、歩留まりも向上する。
【符号の説明】
【0037】
1 コンデンサ
2 コンデンサ素子
21 第1電極面
22 第2電極面
23 膨出部
24 側面
24a 平坦部
24b 曲面部
3 第1バスバー
31 第1基板部
31a 第1平面部
31b 立ち上がり部
32 第1外部接続部
33 接続片
4 第2バスバー
41 第2基板部
41a 第2平面部
41b 立面部
42 第2外部接続部
43 接続片
44 貫通孔
44A 切り欠き
45 差し込み部
5 ケース
51 底部
52 側壁部
52a 内面
52b せり出し部
53 開口部
54 突起
54a 隙間形成部
54a1 返し
54a2 折り返し
54b 連結部
54b1 上面部
54b2 側面部
6 充填物
G 隙間