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特開2023-176616光コネクタモジュール、光結合構造、連結部材、及び、連結方法
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  • 特開-光コネクタモジュール、光結合構造、連結部材、及び、連結方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176616
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】光コネクタモジュール、光結合構造、連結部材、及び、連結方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/26 20060101AFI20231206BHJP
   G02B 6/32 20060101ALI20231206BHJP
   G02B 6/36 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/32
G02B6/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088999
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】長崎 泰介
(72)【発明者】
【氏名】井上 武
(72)【発明者】
【氏名】島田 健作
(72)【発明者】
【氏名】横地 寿久
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
【Fターム(参考)】
2H036JA01
2H036QA12
2H036QA18
2H036QA49
2H036QA56
2H137AB01
2H137AB05
2H137AB06
2H137AC02
2H137AC05
2H137BA15
2H137BB02
2H137BB12
2H137BB17
2H137BB25
2H137BC07
2H137BC51
2H137CA49
2H137CC29
2H137CD33
(57)【要約】
【課題】コネクタ及び光部品の連結体に連結部材を容易に取り付けることができる光コネクタモジュールを提供する。
【解決手段】光コネクタモジュールは、光部品と連結される光コネクタモジュールであって、少なくとも1本の光ファイバと、光ファイバを保持し、光部品に対して第1方向に沿って連結可能に構成されているコネクタと、コネクタが光部品に連結された際にコネクタと光部品との連結状態を維持する連結部材と、を備える。連結部材は、コネクタと接触して回転すると共にコネクタ及び光部品のそれぞれに係合するように構成されている。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光部品と連結される光コネクタモジュールであって、
少なくとも1本の光ファイバと、
前記光ファイバを保持し、前記光部品に対して第1方向に沿って連結可能に構成されているコネクタと、
前記コネクタが前記光部品に連結された際に前記コネクタと前記光部品との連結状態を維持する連結部材と、を備え、
前記連結部材は、前記コネクタと接触して回転すると共に前記コネクタ及び前記光部品のそれぞれに係合するように構成されている、光コネクタモジュール。
【請求項2】
前記連結部材は、
第1板部と、
前記第1板部の第1端に設けられ、前記コネクタに係合可能な第1弾性部と、
前記第1板部の前記第1端とは反対側に位置する第2端に設けられ、前記光部品に係合可能な第2弾性部と、
を有し、
前記第1弾性部は、前記第2端に向かって突出する第1突出部を含み、前記第1突出部が前記コネクタに係合した際に前記第1突出部に対して前記第2端に向かう弾性力を付与するように構成されている、
請求項1に記載の光コネクタモジュール。
【請求項3】
前記第2弾性部は、前記第1端に向かって突出する第2突出部を含み、前記第2突出部が前記光部品に係合した際に前記第2突出部に対して前記第1端に向かう弾性力を付与するように構成されている、
請求項2に記載の光コネクタモジュール。
【請求項4】
前記連結部材は、前記第1板部の前記第1端から更に後方へ延在する第2板部を有し、
前記第2板部は、前記連結部材の回転動作における回転軸を含む、
請求項2に記載の光コネクタモジュール。
【請求項5】
前記連結部材は、前記回転軸を中心とした回転動作により、前記第1弾性部が前記コネクタに接触した後に前記第2弾性部が前記光部品に接触し、前記第1弾性部及び前記第2弾性部がそれぞれ前記コネクタ及び前記光部品に係合するように、構成されている、
請求項4に記載の光コネクタモジュール。
【請求項6】
前記第2板部には開口が形成されており、
前記開口には、前記光ファイバが挿通されている、
請求項4に記載の光コネクタモジュール。
【請求項7】
前記第2板部は、前記第1方向に沿って延在する第1平板部と、前記第1方向と交差する方向に前記第1平板部から延在する第2平板部とを含み、
前記開口は、前記第1平板部と前記第2平板部とにまたがって形成されている、
請求項6に記載の光コネクタモジュール。
【請求項8】
前記第1弾性部は、それぞれが前記第1突出部を含む一対の第1弾性構造体を含み、
前記第2板部は、前記一対の弾性構造体の間から後方へ延在する、
請求項4に記載の光コネクタモジュール。
【請求項9】
前記連結部材は、前記コネクタが前記光部品に連結された状態を維持する際に前記第1板部で前記光部品の少なくとも一部を覆うように構成されている、
請求項2に記載の光コネクタモジュール。
【請求項10】
前記コネクタの後端の面は、前記コネクタの内側に向かって傾斜する第1傾斜面であり、
前記第1傾斜面は、前記第1方向に直交する面に対して5度から30度の角度を為している、
請求項1に記載の光コネクタモジュール。
【請求項11】
前記コネクタに取り付けられると共に、前記光ファイバを保護するブーツと、
前記ブーツに設けられると共に、前記連結部材を回転自在に支持する回転支持体と、
を更に備える、
請求項1に記載の光コネクタモジュール。
【請求項12】
請求項1から請求項11の何れか1項に記載の光コネクタモジュールと、
前記光コネクタモジュールと連結される光部品と、
を備える、光結合構造。
【請求項13】
前記光部品の後端の面は、前記光部品の内側に向かって傾斜する第2傾斜面であり、
前記第2傾斜面は、前記第1方向に直交する面に対して5度から30度の角度を為している、
請求項12に記載の光結合構造。
【請求項14】
コネクタを光部品に取り付けるための連結部材であって、
第1板部と、
前記第1板部の第1端に設けられ、前記コネクタに係合可能な第1弾性部と、
前記第1板部の前記第1端とは反対側に位置する第2端に設けられ、前記光部品に係合可能な第2弾性部と、
前記第1板部の前記第1端から延在する第2板部部と、
を備え、
前記第1弾性部は、前記第2端に向かって突出する第1突出部を含み、前記第1突出部が前記第2端に向かう弾性力を付与するように構成され、
前記第2弾性部は、前記第1端に向かって突出する第2突出部を含み、前記第2突出部が前記第1端に向かう弾性力を付与するように構成されている、連結部材。
【請求項15】
コネクタと光部品とを連結する方法であって、
請求項14に記載の前記連結部材を準備する工程と、
前記第1突出部が前記コネクタに接触するように前記連結部材を前記第2板部にある回転軸を中心として回転させる工程と、
前記第1突出部が前記コネクタに接した後、前記第2突出部が前記光部品に接触するまで前記連結部材を前記回転軸を中心として更に回転させる工程と、
前記第1弾性部を前記コネクタに係合させると共に、前記第2弾性部を前記光部品に係合させる工程と、
を備える、連結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光コネクタモジュール、光結合構造、連結部材、及び、連結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の光ファイバを保持するコネクタ部品をレンズアレイ部品に連結する構成を有した光モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-140200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の光モジュールでは、平板及び平板の両端から垂直に延びる2対の係合壁を有する嵌合ばねによって、コネクタ部品とレンズアレイ部品との連結状態を維持している。しかしながら、コネクタ部品及びレンズアレイ部品の連結体に対してこの嵌合ばねを嵌め合わせる際、2対の係合壁(即ち4つの係合壁)を略同時に連結体に取り付ける必要があり、取り付け作業が繁雑となることがある。
【0005】
本開示は、コネクタと光部品との連結状態を維持する連結部材をより容易に取り付けることができる、光コネクタモジュール、光結合構造、連結部材、及び、連結方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一側面として、光部品と連結される光コネクタモジュールを提供する。この光コネクタモジュールは、少なくとも1本の光ファイバと、光ファイバを保持し、光部品に対して第1方向に沿って連結可能に構成されているコネクタと、コネクタが光部品に連結された際にコネクタと光部品との連結状態を維持する連結部材と、を備える。連結部材は、コネクタと接触して回転すると共にコネクタ及び光部品のそれぞれに係合するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、コネクタ及び光部品の連結体に連結部材を容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る光結合構造であって、光コネクタモジュールをレンズモジュールに連結する前の状態を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す光結合構造において、光コネクタモジュールをレンズモジュールに連結した後の状態を示す斜視図である。
図3図3は、図1に示す光コネクタモジュールの連結部材を上方から視た斜視図である。
図4図4は、図3に示す連結部材を側方から視た側面図である。
図5図5は、光コネクタモジュールをレンズモジュールに連結する方法を順に示す図である。
図6図6は、図5に続いて、光コネクタモジュールをレンズモジュールに連結する方法を順に示す図である。
図7図7は、図6に続いて、光コネクタモジュールをレンズモジュールに連結する方法を順に示す図である。
図8図8は、図7に示す光コネクタモジュール及びレンズモジュールを後方から視た斜視図である。
図9図9は、図7に続いて、光コネクタモジュールをレンズモジュールに連結する方法を順に示す図である。
図10図10は、図9に続いて、光コネクタモジュールをレンズモジュールに連結する方法を順に示す図であり、光コネクタモジュールがレンズモジュールに結合されている状態を示す。
図11図11は、第2実施形態に係る光結合構造を示す斜視図である。
図12図12は、図11に示す光結合構造に用いられる光コネクタモジュールの連結部材を上方から視た斜視図である。
図13図13は、図11に示す光結合構造において光コネクタモジュールがレンズモジュールに結合されている状態を示す側面図である。
図14図14は、第2実施形態に係る光結合構造の変形例を示す図である。
図15図15は、光コネクタモジュールの連結部材の更に別の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態に係る光コネクタモジュールは、光部品と連結される光コネクタモジュールであって、少なくとも1本の光ファイバと、光ファイバを保持し、光部品に対して第1方向に沿って連結可能に構成されているコネクタと、コネクタが光部品に連結された際にコネクタと光部品との連結状態を維持する連結部材と、を備える。連結部材は、コネクタと接触して回転すると共にコネクタ及び光部品のそれぞれに係合するように構成されている。
【0010】
この光コネクタモジュールでは、連結部材は、コネクタと接触して回転すると共にコネクタ及び光部品のそれぞれに係合するように構成されている。この場合、コネクタと光部品との連結体に対して連結部材を取り付ける際、回転動作によって、まずは連結部材がコネクタに接触する。これにより、連結部材がコネクタ及び光部品の両方に同時に取り付けられることが回避され、コネクタ及び光部品に対して連結部材をより容易に取り付けることができる。また、連結部材をコネクタ及び光部品の両方に同時に取り付ける場合、連結部材を押す力が強くなる傾向があり、それにより、連結部材が変形してしまうことがある。しかしながら、この光コネクタモジュールによれば、連結部材を順番に取りつけるため、連結部材の変形を抑制することができる。なお、光部品は、例えば、レンズを含むレンズモジュールであってもよく、少なくとも1本の光ファイバを保持するコネクタ(例えば、MTコネクタ等)であってもよく、特に限定されるものではない。
【0011】
(2)上記(1)の光コネクタモジュールにおいて、連結部材は、第1板部と、第1板部の第1端に設けられ、コネクタに係合可能な第1弾性部と、第1板部の第1端とは反対側に位置する第2端に設けられ、光部品に係合可能な第2弾性部と、を有しもよい。第1弾性部は、第2端に向かって突出する第1突出部を含んでもよく、第1突出部がコネクタに係合した際に第1突出部に対して第2端に向かう弾性力を付与するように構成されていてもよい。これにより、連結部材をコネクタ及び光部品のそれぞれにより確実に係合することができると共に、第1弾性部に近接した領域を中心として弾性部材を回転させることができる。
【0012】
(3)上記(2)の光コネクタモジュールにおいて、第2弾性部は、第1端に向かって突出する第2突出部を含んでもよく、第2突出部が光部品に係合した際に第2突出部に対して第1端に向かう弾性力を付与するように構成されていてもよい。これにより、第2弾性部を光部品に対してより確実に係合させることができる。
【0013】
(4)上記(2)又は(3)の光コネクタモジュールにおいて、連結部材は、第1板部の第1端から更に後方へ延在する第2板部を有してもよく、第2板部は、連結部材の回転動作における回転軸を含んでもよい。このような構成により、コネクタ及び光部品のそれぞれに連結部材を係合することと、連結部材を回転動作することとを一連の動作として行うことができ、コネクタ及び光部品の連結体に連結部材を更に容易に取り付けることが可能となる。
【0014】
(5)上記(4)の光コネクタモジュールにおいて、連結部材は、回転軸を中心とした回転動作により、第1弾性部がコネクタに接触した後に第2弾性部が光部品に接触し、第1弾性部及び第2弾性部がそれぞれコネクタ及び光部品に係合するように、構成されていてもよい。この場合、コネクタ及び光部品の連結体に連結部材をスムーズに取り付けることができる。
【0015】
(6)上記(4)又は(5)の光コネクタモジュールにおいて、第2板部には開口が形成されていてもよく、開口には、光ファイバが挿通されていてもよい。この場合、連結部材が光ファイバに取り付けられていることになり、連結部材の脱落を防止することができる。
【0016】
(7)上記(6)の光コネクタモジュールにおいて、第2板部は、第1方向に沿って延在する第1平板部と、第1方向と交差する方向に第1平板部から延在する第2平板部とを含んでもよく、開口は、第1平板部と第2平板部とにまたがって形成されていてもよい。この場合、第1平板部の長さや、開口の大きさ又は形状を調整することにより、連結部材の回転動作を所望のものとすることを容易に設定することができる。
【0017】
(8)上記(4)から(7)のいずれかの光コネクタモジュールにおいて、第1弾性部は、それぞれが第1突出部を含む一対の第1弾性構造体を含んでもよく、第2板部は、一対の弾性構造体の間から後方へ延在していてもよい。この場合、回転動作の際にコネクタに接触する第1突出部の動作と、回転軸として機能する第2板部の動作とを互いに干渉しないようにすることができ、連結部材の回転動作をスムーズに行わせることができる。これにより、コネクタ及び光部品の連結体に連結部材を更に容易に取り付けることができる。
【0018】
(9)上記(2)から(8)のいずれかの光コネクタモジュールにおいて、連結部材は、コネクタが光部品に連結された状態を維持する際に第1板部で光部品の少なくとも一部を覆うように構成されていてもよい。これにより、光部品において異物が付着して欲しくない領域(例えばミラー面やレンズ面)に異物が付着して光結合構造における光学特性が悪化することを抑制できる。
【0019】
(10)上記(1)から(9)のいずれかの光コネクタモジュールにおいて、コネクタの後端の面は、コネクタの内側に向かって傾斜する第1傾斜面であってもよく、第1傾斜面は、第1方向に直交する面に対して5度から30度の角度を為していてもよい。この場合、コネクタに係合された連結部材が外部からの衝撃で意図せずに外れてしまうことを防止することができる。
【0020】
(11)上記(1)から(5)および(8)から(10)のいずれかの光コネクタモジュールは、コネクタに取り付けられると共に、光ファイバを保護するブーツと、ブーツに設けられると共に、連結部材を回転自在に支持する回転支持体と、を更に備えてもよい。この場合、回転支持体がブーツに設けられるため、連結部材の交換等の際に連結部材を容易に取り外すことができる。
【0021】
(12)本開示の一実施形態に係る光結合構造は、上記(1)から(11)のいずれかの光コネクタモジュールと、光コネクタモジュールと連結される光部品と、を備える。この光結合構造によれば、コネクタと光部品との連結体に対して連結部材を取り付ける際、回転動作によって、まずは連結部材がコネクタに接触する。これにより、連結部材がコネクタ及び光部品の両方に同時に取り付けられることが回避され、コネクタ及び光部品に対して連結部材をより容易に取り付けることができる。また、この光コネクタモジュールによれば、連結部材を順番に取りつけるため、連結部材の変形を抑制することができる。
【0022】
(13)上記(12)の光結合構造において、光部品の後端の面は、光部品の内側に向かって傾斜する第2傾斜面であってもよく、第2傾斜面は、第1方向に直交する面に対して5度から30度の角度を為していてもよい。この場合、光部品に係合された連結部材が外部からの衝撃で意図せずに外れてしまうことを防止することができる。
【0023】
(14)本開示の一実施形態に係る連結部材は、コネクタを光部品に取り付けるための連結部材であって、第1板部と、第1板部の第1端に設けられ、コネクタに係合可能な第1弾性部と、第1板部の第1端とは反対側に位置する第2端に設けられ、光部品に係合可能な第2弾性部と、第1板部の第1端から延在する第2板部部と、を備える。第1弾性部は、第2端に向かって突出する第1突出部を含み、第1突出部が第2端に向かう弾性力を付与するように構成される。第2弾性部は、第1端に向かって突出する第2突出部を含み、第2突出部が第1端に向かう弾性力を付与するように構成される。
【0024】
(15)本開示の一実施形態に係る方法は、コネクタと光部品とを連結する方法であって、上記(14)の連結部材を準備する工程と、第1突出部がコネクタに接触するように連結部材を第2板部にある回転軸を中心として回転させる工程と、第1突出部がコネクタに接した後、第2突出部が光部品に接触するまで連結部材を回転軸を中心として更に回転させる工程と、第1弾性部をコネクタに係合させると共に、第2弾性部を光部品に係合させる工程と、を備える。この連結方法によれば、回転動作によって、連結部材の第1突出部がコネクタに接触した後に連結部材の第2突出部が光部品に接触して、連結部材がコネクタと光部品とに係合される。これにより、連結部材がコネクタ及び光部品の両方に同時に取り付けられることが回避され、コネクタ及び光部品に対して連結部材をより容易に取り付けることができる。また、この連結方法によれば、連結部材を順番に取りつけるため、連結部材の変形を抑制することができる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0026】
[第1実施形態]
図1及び図2は、第1実施形態に係る光結合構造を示す斜視図である。図1及び図2に示すように、光結合構造1は、光コネクタモジュール10及びレンズモジュール20(光部品)を備えている。光コネクタモジュール10は、複数の光ファイバを含むリボンファイバ30と、リボンファイバ30の各光ファイバを保持するコネクタ40と、コネクタ40に取り付けられるブーツ45と、コネクタ40をレンズモジュール20に連結させた状態を維持するための連結部材50と、を有している。レンズモジュール20は、例えば、基板60上に実装されている。このような光結合構造1では、光コネクタモジュール10が連結方向A(第1方向)に沿ってレンズモジュール20に移動して連結されるようになっている。
【0027】
レンズモジュール20は、光コネクタモジュール10が保持するリボンファイバ30の各光ファイバの先端に光学的に結合されるように構成された光部品である。レンズモジュール20は、リボンファイバ30の各光ファイバによって伝送された光信号を受信して、基板60上に設けられた受光素子(不図示)に受光させる。レンズモジュール20は、基板60上に発光素子(不図示)が設けられている場合には、発光素子からの光信号をリボンファイバ30の各光ファイバへ入力させる。
【0028】
レンズモジュール20は、一対のガイドピン21、ミラー面22、後端突起23、及び、後端面24を有している。一対のガイドピン21がコネクタ40の一対のガイド穴43に挿入されることで、光コネクタモジュール10(コネクタ40)とレンズモジュール20との光結合における位置合わせが行われる。ミラー面22は、リボンファイバ30の各光ファイバから受光して連結方向Aに沿って伝搬する光信号を基板60上に実装された受光素子に向けて90度反射させるための光学構造である。基板60上に発光素子が設けられている場合、ミラー面22は、発光素子から垂直方向に伝搬する光信号を光コネクタモジュール10に向けて90度反射させる。
【0029】
後端突起23は、レンズモジュール20の後端から突出する突起である。後端突起23は、詳細を後述する連結部材50の一対の第2弾性部53をレンズモジュール20に係合させる際の位置決めとして機能する。後端面24は、レンズモジュール20の後端に位置する端面であり、連結方向Aに直交する面に対してレンズモジュール20の内側に向かって傾斜する傾斜面(第2傾斜面)を含んでいる。後端面24の傾斜面が連結方向Aに直交する面に対して為す角度は、例えば5度から30度の範囲であってもよく、10度から15度の範囲であってもよい。後端面24の傾斜面がこのような傾斜角を有していることにより、連結部材50の第2弾性部53が後端面24に係合した際、連結部材50が外れにくくなっている。
【0030】
リボンファイバ30は、連結方向Aに沿って延在する複数の光ファイバを連結方向Aに直交する幅方向に順に配置し、被覆樹脂等により全体を覆った光ファイバ部材である。リボンファイバ30に含まれる光ファイバの数は特に限定されるものではないが、例えば、12本であってもよく、18本であってもよく、24本であってもよい。リボンファイバ30は、各光ファイバの先端部分がコネクタ40内に挿入されて保持され、先端面がコネクタ40の前端面42から露出するようになっている。
【0031】
コネクタ40は、リボンファイバ30の各光ファイバを保持し、レンズモジュール20に対して連結方向Aに沿って連結可能に構成されている光部品である。コネクタ40は、例えば、MTコネクタである。コネクタ40は、コネクタ本体41、前端面42、一対のガイド穴43、及び、後端面44を有している。コネクタ本体41は、略直方体形状を呈する樹脂製の部材である。コネクタ本体41は、後端面44から前端面42に向けて開口しており、後端面44から挿入されたリボンファイバ30の各光ファイバの先端を前端面42から露出するように構成されている。
【0032】
ガイド穴43は、前端面42に露出する光ファイバを挟み込むように設けられた位置決め用の穴であり、連結方向Aに沿ってコネクタ本体41内を延在する。光コネクタモジュール10(コネクタ40)をレンズモジュール20に連結する際、レンズモジュール20の一対のガイドピン21が一対のガイド穴43に挿入されることで、レンズモジュール20に対する光コネクタモジュール10の位置決めが行われる。後端面44は、コネクタ40の後端に位置する端面であり、連結方向Aに直交する面に対してコネクタ40の内側に向かって傾斜する傾斜面(第1傾斜面)を含んでいる。後端面44の傾斜面が連結方向Aに直交する面に対して為す角度は、例えば5度から30度の範囲であってもよく、10度から15度の範囲であってもよい。後端面44の傾斜面がこのような傾斜角を有していることにより、連結部材50の第1弾性部52が後端面44に係合した際、連結部材50が外れにくくなっている。
【0033】
連結部材50は、コネクタ40がレンズモジュール20に連結された際にコネクタ40とレンズモジュール20との連結状態を維持する部材である。連結部材50は、コネクタ40の後端とレンズモジュール20の後端とを挟み込んで互いに押圧するように、連結状態を維持するように構成されている(図10を参照)。図3は、連結部材を上方から視た斜視図である。図4は、連結部材を側方から視た側面図である。
【0034】
連結部材50は、図3及び図4に示すように、第1板部51、一対の第1弾性部52、一対の第2弾性部53、及び、第2板部54を有している。連結部材50は、例えば金属から形成されるが、樹脂等の他の材料から形成されてもよい。第1板部51は、連結方向Aに沿って延在する略矩形形状の板部であり、第1端51aと、第1端51aとは反対側の第2端51bとを含む。第1弾性部52のそれぞれは、第1板部51の第1端51aの角部に設けられ、コネクタ40に係合可能な弾性構造体である。第2弾性部53のそれぞれは、第1板部51の第2端51bの角部に設けられ、レンズモジュール20に係合可能な弾性構造体である。第2板部54は、第1板部51の第1端51aの中央領域から更に後方へ(図3の右側へ)延在する部材であり、側面視でL字形状を呈している。第2板部54は、一対の第1弾性部52の間の中央領域から後方に延在する。
【0035】
第1弾性部52のそれぞれは、第2端51bに向かって突出する第1突出部52aを含み、第1突出部52aがコネクタ40に係合した際に第1突出部52aに対して第2端51bに向かう弾性力を付与するように構成されている。第1弾性部52は、側面視で例えばS字形状を呈している。第2弾性部53のそれぞれは、第1端51aに向かって突出する第2突出部53aを含み、第2突出部53aがレンズモジュール20の後端面24に係合した際に第2突出部53aに対して第1端51aに向かう弾性力を付与するように構成されている。第2弾性部53は、側面視で例えばS字形状を呈している。
【0036】
第2板部54は、連結方向Aに沿って第1板部51から延在する第1平板部55と、連結方向Aと直交する上下方向に第1平板部55の後端から延在する第2平板部56とを含んでいる。第2板部54には、第1平板部55と第2平板部56とにまたがって形成されている開口57が形成されている。開口57の下端には開口の縁57aが存在する。連結部材50を取り付けた際には、図2に示すように、開口57にリボンファイバ30が挿通され、リボンファイバ30の下方が縁57aに接するようになる。連結部材50は、この開口57の縁57aがリボンファイバ30と接する箇所を中心として回転動作を行うようになっている。言い換えると、第2板部54は、連結部材50の回転動作における回転軸Cを含むように構成されている。
【0037】
ここで、図5から図10を参照して、光コネクタモジュール10をレンズモジュール20に連結して結合させる方法、及び、結合させる際の回動動作を行う構成について説明する。図5から図10は、光コネクタモジュール10をレンズモジュール20に連結して結合する方法を順に示す図である。
【0038】
図5に示すように、光コネクタモジュール10では、開口57にリボンファイバ30が挿通された状態で、連結部材50が取り付けられている。また、連結部材50は、一対の第1突出部52aがコネクタ40の後端面44の付近に位置すると共に一対の第2突出部53aが一対の第1突出部52aの斜め上方に位置するように、斜めとなるように設定されている。このような構成の光コネクタモジュール10及びレンズモジュール20の準備が終了すると、光コネクタモジュール10をレンズモジュール20に連結するために、連結方向Aに沿って、基板60上に実装されたレンズモジュール20に向かって光コネクタモジュール10を移動させる。そして、レンズモジュール20のガイドピン21を光コネクタモジュール10のガイド穴43に挿入して、光コネクタモジュール10とレンズモジュール20とを連結させる。
【0039】
続いて、光コネクタモジュール10がレンズモジュール20に連結されると、図6に示すように、回転方向Bに沿って光コネクタモジュール10の連結部材50を回転軸Cを中心として回転させる。この回転により、図7及び図8に示すように、連結部材50の第1弾性部52の第1突出部52aがまずはコネクタ40の後端面44の上部に接触する。この際、連結部材50の第2弾性部53は、レンズモジュール20に接触していない状態である。
【0040】
続いて、連結部材50の第1弾性部52がコネクタ40の後端面44に接触した状態から更に連結部材50を回転方向Bに沿って回転させると、図9に示すように、連結部材50の第2弾性部53の第2突出部53aがレンズモジュール20の後端面24の上部に接触する。この際、第1弾性部52の第1突出部52aは、コネクタ40の後端面44の上部から傾斜面へとスライドして移動する。第1突出部52aが曲面状であるため、このようなスライド移動をスムーズに行うことができる。
【0041】
続いて、連結部材50の第2弾性部53がレンズモジュール20に接触した状態から更に連結部材50を回転させると、図10に示すように、連結部材50の第1弾性部52が後端面44の傾斜面の更に下方に移動して後端面44の所定箇所に係合する。同様に、連結部材50の第2弾性部53がレンズモジュール20の後端面24の傾斜面の下方に移動して後端面24の所定箇所に係合する。このような係合により、光コネクタモジュール10とレンズモジュール20との連結体の連結状態が連結部材50によって確実に維持されるようになる。なお、連結部材50が光コネクタモジュール10とレンズモジュール20とを上方から覆うことにより、例えばレンズモジュールのミラー面22やコネクタ40の上方に位置する窓部が連結部材50によって覆われて保護される。
【0042】
光コネクタモジュール10の連結部材50は、第1弾性部52の第1突出部52aの第1板部51(第1端51a)からの距離、第2弾性部53の第2突出部53aの第1板部51(第2端51b)からの距離、第2板部54の第1平板部55の長さ、リボンファイバ30と接触する開口57の縁57aの位置、第1突出部52aと第2突出部53aとの対向距離等を調整することにより、上述したように、回転軸Cを中心とした回転動作により、第1弾性部52がコネクタ40に接触した後に第2弾性部53がレンズモジュール20に接触し、第1弾性部52及び第2弾性部53がそれぞれコネクタ40及びレンズモジュール20に係合する。
【0043】
以上、本実施形態に係る光結合構造1では、連結部材50は、コネクタ40と接触して回転すると共にコネクタ40及びレンズモジュール20のそれぞれに係合するように構成されている。これにより、コネクタ40とレンズモジュール20との連結体に対して連結部材50を取り付ける際、回転動作によって、まずは連結部材50がコネクタ40に接触する。このため、連結部材50がコネクタ40及びレンズモジュール20の両方に同時に取り付けられることが回避され、コネクタ40及びレンズモジュール20に対して連結部材50をより容易に取り付けることができる。また、連結部材50をコネクタ40及びレンズモジュール20の両方に同時に取り付ける場合、連結部材50を押す力が強くなる傾向があり、それにより、連結部材50が変形してしまうことがある。しかしながら、光結合構造1によれば、連結部材50を順番に取りつけるため、連結部材50の変形を抑制することができる。
【0044】
また、光結合構造1では、連結部材50は、第1板部51と、第1板部51の第1端51aに設けられ、コネクタ40に係合可能な第1弾性部52と、第1板部51の第2端51bに設けられ、レンズモジュール20に係合可能な第2弾性部53と、を有している。第1弾性部52は、第2端51bに向かって突出する第1突出部52aを含んでおり、第1突出部52aがコネクタ40に係合した際に第1突出部52aに対して第2端51bに向かう弾性力を付与するように構成されている。これにより、連結部材50をコネクタ40及びレンズモジュール20のそれぞれにより確実に係合することができると共に、第1弾性部52に近接した領域を中心として連結部材50を回転させることができる。
【0045】
また、光結合構造1では、第2弾性部53は、第1端51aに向かって突出する第2突出部53aを含んでおり、第2突出部53aがレンズモジュール20に係合した際に第2突出部53aに対して第1端51aに向かう弾性力を付与するように構成されている。これにより、第2弾性部53をレンズモジュール20に対してより確実に係合させることができる。
【0046】
また、光結合構造1では、連結部材50は、第1板部51の第1端51aから更に後方へ延在する第2板部54を有している。第2板部54は、連結部材50の回転動作における回転軸Cを含む。このような構成により、コネクタ40及びレンズモジュール20のそれぞれに連結部材50を係合することと、連結部材50を回転動作することとを一連の動作として行うことができ、コネクタ40及びレンズモジュール20の連結体に連結部材50を更に容易に取り付けることが可能となる。
【0047】
また、光結合構造1では、連結部材50は、回転軸Cを中心とした回転動作により、第1弾性部52がコネクタ40に接触した後に第2弾性部53がレンズモジュール20に接触し、第1弾性部52及び第2弾性部53がそれぞれコネクタ40及びレンズモジュール20に係合するように、構成されている。これにより、コネクタ40及びレンズモジュール20の連結体に連結部材50をスムーズに取り付けることができる。
【0048】
また、光結合構造1では、第2板部54には開口57が形成されており、開口57には、リボンファイバ30(光ファイバ)が挿通されている。このように連結部材50がリボンファイバ30に取り付けられていることにより、連結部材50の脱落を防止することができる。
【0049】
また、光結合構造1では、第2板部54は、連結方向Aに沿って延在する第1平板部55と、連結方向Aと交差する方向に第1平板部55から延在する第2平板部56とを含んでいる。開口57は、第1平板部55と第2平板部56とにまたがって形成されている。この場合、第1平板部55の長さや、開口57の大きさ又は形状を調整することにより、連結部材50の回転動作を所望のものとすることを容易に設定することができる。
【0050】
また、光結合構造1では、一対の第1弾性部52が設けられており、第2板部54は、一対の第1弾性部52の間から後方へ延在している。この場合、回転動作の際にコネクタ40に接触する第1突出部52aの動作と、回転軸Cとして機能する第2板部54の動作とを互いに干渉しないようにすることができ、連結部材50の回転動作をスムーズに行わせることができる。これにより、コネクタ40及びレンズモジュール20の連結体に連結部材50を更に容易に取り付けることができる。
【0051】
また、光結合構造1では、連結部材50は、コネクタ40がレンズモジュール20に連結された状態を維持する際に第1板部51でレンズモジュール20の少なくとも一部を覆うように構成されている。例えば、第1板部51は、レンズモジュール20のミラー面22を覆う。これにより、レンズモジュール20において異物が付着して欲しくない領域(例えばミラー面やレンズ面)に異物が付着して光結合構造における光学特性が悪化することを抑制できる。
【0052】
また、光結合構造1では、コネクタ40の後端面44は、コネクタ40の内側に向かって傾斜する面を含み、この傾斜面は、連結方向Aに直交する面に対して5度から30度の角度を為している。この場合、コネクタ40に係合された連結部材50が外部からの衝撃で意図せずに外れてしまうことを防止することができる。
【0053】
また、光結合構造1では、レンズモジュール20の後端面24は、レンズモジュール20の内側に向かって傾斜する面を含み、この傾斜面は、連結方向Aに直交する面に対して5度から30度の角度を為している。この場合、レンズモジュール20に係合された連結部材50が外部からの衝撃で意図せずに外れてしまうことを防止することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る連結方法は、コネクタ40とレンズモジュール20とを連結する方法であって、連結部材50を準備する工程と、第1弾性部52がコネクタ40に接触するように連結部材50を第2板部54にある回転軸Cを中心として回転させる工程と、第1弾性部52がコネクタ40に接した後、第2弾性部53がレンズモジュール20に接触するまで連結部材50を回転軸Cを中心として更に回転させる工程と、第1弾性部52をコネクタ40に係合させると共に、第2弾性部53をレンズモジュール20に係合させる工程と、を備える。この連結方法によれば、回転動作によって、連結部材50の第1弾性部52がコネクタ40に接触した後に連結部材50の第2弾性部53がレンズモジュール20に接触して、連結部材50がコネクタ40とレンズモジュール20とに係合される。これにより、連結部材50がコネクタ40及びレンズモジュール20の両方に同時に取り付けられることが回避され、コネクタ40及びレンズモジュール20に対して連結部材50をより容易に取り付けることができる。また、この連結方法によれば、連結部材50を順番に取りつけるため、連結部材50の変形を抑制することができる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、図11図12及び図13を参照して、第2実施形態に係る光結合構造1Aについて説明する。図11は、第2実施形態に係る光結合構造を示す斜視図である。図12は、図11に示す光結合構造に用いられる光コネクタモジュールの連結部材を上方から視た斜視図である。図13は、図11に示す光結合構造において光コネクタモジュールがレンズモジュールに結合されている状態を示す側面図である。なお、以下では、第1実施形態に係る光結合構造1と相違する点を主に説明し、その他の説明は省略することがある。
【0056】
図11に示すように、光結合構造1Aは、光コネクタモジュール10A、及び、レンズモジュール20を備える。光コネクタモジュール10Aは、リボンファイバ30、コネクタ40、ブーツ45、及び、連結部材50Aを有している。光コネクタモジュール10Aは、第1実施形態に係る光コネクタモジュール10とは、ブーツ45と連結部材50Aとの構成が相違している。第2実施形態に係るブーツ45には、中央より後側に回転支持体46が設けられている。回転支持体46は、互いに対向する1対の壁体から構成され、連結部材50Aの一端を回転自在に支持する部材である。回転支持体46は、連結部材50Aがコネクタ40等に対して回転動作する場合に回転軸として機能する。その他の構成は同様である。
【0057】
連結部材50Aは、第1板部51、一対の第1弾性部52、一対の第2弾性部53、及び、第2板部54Aを有している。第2板部54Aは、第2板部54と同様に、第1板部51の第1端51aから後方に突出する。但し、第2板部54Aは、連結方向Aに延在している平面部分のみを有し、L字形状等には曲げられていない。第2板部54Aには、後方に開口57Aが設けられている。開口57Aは、第2板部に設けられている点では、第1実施形態の開口57と同様であるが、連結部材50Aが取り付けられた際、開口57Aには光ファイバが挿通されない点が異なっている。図13に示すように、第2実施形態に係る開口57Aを構成する周辺の壁部分は、ブーツ45に設けられた回転支持体46に取り付けられ、開口57Aを構成する周辺の壁部分が回転支持体46の軸穴46a内に、挿入口46bから挿入される。これにより、連結部材50Aは、軸穴46aの領域を中心として回転するように構成される。連結部材50Aによる回転動作は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
また、第2実施形態に係る光結合構造は、図14に示す構成の光結合構造1Bとすることもできる。光結合構造1Bでは、連結部材50Bは、第1板部51、一対の第1弾性部52及び一対の第2弾性部53に加えて、第2板部54B、第2板部54Bに取り付けられる軸支持体58、及び、軸支持体58に取り付けられる回転軸体59を更に備えている。軸支持体58は板金等から形成されており、連結方向Aに直交する方向(紙面に直交する方向)に回転支持体46の両端まで伸びると共に両端から連結方向Aの前方に延びる形状を有している。このような軸支持体58によって両端から棒状の回転軸体59が支持され、回転軸体59を回転支持体46の軸穴46aに位置させることで、連結部材50Bが軸穴46aを中心として回転する。連結部材は、このような回転構造を有していてもよい。
【0059】
以上、本実施形態(変形例含む)に係る光結合構造1A,1Bによれば、第1実施形態に係る光結合構造1と同様の効果を奏することができる。これに加え、光結合構造1A,1Bでは、回転支持体46がブーツ45に設けられるため、連結部材50A,50Bの交換等の際に連結部材50A,50Bを容易に取り外すことができる。即ち、第2実施形態に係る光結合構造では、連結部材に光ファイバを挿通する構成ではないため、連結部材が故障等して交換が必要になった場合、容易に交換することが可能である。また、連結部材50A,50Bを回転させる際に連結部材50A,50Bが光ファイバに触れないようにすることができるので、光ファイバの断線等を抑制することも可能である。
【0060】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な実施形態に適用することができる。例えば、上述した実施形態では、光コネクタモジュールと連結される光部品としてレンズモジュールを例示したが、これに限られない。例えば、光コネクタモジュール10と連結される光部品として、別の光コネクタモジュールであってもよい。また、光コネクタモジュール10に用いられるコネクタとしてMTコネクタを例示したが、他の種類のコネクタであってもよい。また、光コネクタモジュール10の第1弾性部52の形状として、S字形状の構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図15に示すように、第1板部51の第1端51aから下方に延在する直線部と、直線部から斜め上方に伸びる突出部とを備えた第1弾性部52Aであってもあってもよい。この構成では、直線部がバネとして機能し、弾性部に弾性力を付与することができる。なお、光コネクタモジュールの第2弾性部53が図15に示す形状であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1,1A,1B…光結合構造
10,10A…光コネクタモジュール
20…レンズモジュール
21…ガイドピン
22…ミラー面
23…後端突起
24…後端面(第2傾斜面)
30…リボンファイバ
40…コネクタ
41…コネクタ本体
42…前端面
43…ガイド穴
44…後端面
45…ブーツ
46…回転支持体
46a…軸穴
46b…挿入口
50,50A,50B,50C…連結部材
51…第1板部
51a…第1端
51b…第2端
52,52A…第1弾性部
52a…第1突出部
53…第2弾性部
53a…第2突出部
54,54A,54B…第2板部
55…第1平板部
56…第2平板部
57,57A…開口
57a…縁
58…軸支持体
59…回転軸体
60…基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15