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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176621
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ダンプトラック
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/04 20060101AFI20231206BHJP
   B60K 7/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B60P1/04 K
B60K7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089004
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 晋
【テーマコード(参考)】
3D235
【Fターム(参考)】
3D235AA19
3D235BB53
3D235CC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電動モータによって加熱された空気によってダンプボディを加熱すること。
【解決手段】ダンプトラック1Aは、駆動輪4と、駆動輪に支持される車体と、車体に支持されるダンプボディ5と、駆動輪を回転させる電動モータ8と、電動モータからダンプボディの内部流路に供給される空気が流れる第1ダクト21と、リターダブレーキの周囲の空気を導く第2ダクトを備え、ダンプトラックが上り坂(登坂路)又は平坦路を走行するとき、電動モータにより加熱された空気が内部流路19に供給され、ダンプトラックが下り坂(降坂路)を走行するとき、リターダブレーキにより加熱された空気が内部流路に供給されることにより、ダンプボディが加熱される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪と、
前記駆動輪に支持される車体と、
前記車体に支持されるダンプボディと、
前記駆動輪を回転させる電動モータと、
前記電動モータから前記ダンプボディの内部流路に供給される空気が流れる第1ダクトと、を備える、
ダンプトラック。
【請求項2】
前記電動モータを収容するモータハウジングを備え、
前記第1ダクトは、前記モータハウジングと前記内部流路の第1流入口とを繋ぐように配置される、
請求項1に記載のダンプトラック。
【請求項3】
前記駆動輪は、車幅方向において前記車体の中心よりも一方側に配置される第1駆動輪と、他方側に配置される第2駆動輪と、を含み、
前記電動モータは、前記第1駆動輪を回転させる第1電動モータと、前記第2駆動輪を回転させる第2電動モータと、を含み、
前記モータハウジングは、前記第1電動モータ及び前記第2電動モータを収容し、
前記第1ダクトは、車幅方向において前記モータハウジングの中央部に接続される、
請求項2に記載のダンプトラック。
【請求項4】
前記第1流入口は、前記ダンプボディの底板に設けられる、
請求項2に記載のダンプトラック。
【請求項5】
前記第1ダクトの内側に配置される送風ファンを備える、
請求項3に記載のダンプトラック。
【請求項6】
前記モータハウジングの内側に配置される送風ファンを備える、
請求項3に記載のダンプトラック。
【請求項7】
前記送風ファンは、前記電動モータにより回転する、
請求項5に記載のダンプトラック。
【請求項8】
前記送風ファンは、前記第1電動モータにより回転する第1送風ファンと、前記第2電動モータにより回転する第2送風ファンとを含む、
請求項7に記載のダンプトラック。
【請求項9】
リターダブレーキと、
前記リターダブレーキから前記ダンプボディの内部流路に供給される空気が流れる第2ダクトと、を備える、
請求項1に記載のダンプトラック。
【請求項10】
前記リターダブレーキを収容するブレーキハウジングを備え、
前記第2ダクトは、前記ブレーキハウジングと前記内部流路の第2流入口とを繋ぐように配置される、
請求項9に記載のダンプトラック。
【請求項11】
前記第2流入口は、前記ダンプボディの前板に設けられる、
請求項10に記載のダンプトラック。
【請求項12】
前記第1ダクトの流路を開閉する第1バルブを備え、
前記第1バルブは、上り坂又は平坦路の走行時において前記第1ダクトの流路を開放し、下り坂の走行時において前記第1ダクトの流路を閉鎖する、
請求項9に記載のダンプトラック。
【請求項13】
前記第1ダクトに接続される排気ダクトと、
前記排気ダクトの流路を開閉する第2バルブと、を備え、
前記第2バルブは、上り坂又は平坦路の走行時において前記排気ダクトの流路を閉鎖し、下り坂の走行時において前記第2ダクトの流路を開放する、
請求項12に記載のダンプトラック。
【請求項14】
上り坂又は平坦路の走行時において前記電動モータから前記ダンプボディの内部流路に空気が供給されるように回転する送風ファンと、
下り坂の走行時において前記リターダブレーキから前記ダンプボディの内部流路に空気が供給されるように回転するリターダファンと、を備える、
請求項9に記載のダンプトラック。
【請求項15】
前記電動モータから前記ダンプボディの内部流路に空気が供給されるように回転する送風ファンと、
下り坂の走行時において前記リターダブレーキから前記ダンプボディの内部流路に空気が供給されるように回転するリターダファンと、
前記電動モータの周囲の温度を検出する第1温度センサと、
前記リターダブレーキの周囲の温度を第2温度センサと、を備え、
前記第1温度センサの検出値が第1所定値以上の場合、前記送風ファンが回転し、
前記第2温度センサの検出値が第2所定値以上の場合、前記リターダファンが回転する、
請求項9に記載のダンプトラック。
【請求項16】
前記ダンプボディの内部流路は、第1内部流路と、前記第1内部流路から仕切られた第2内部流路と、を含み、
前記第1ダクトは、前記第1内部流路の第1流入口に接続され、
前記第2ダクトは、前記第2内部流路の第2流入口に接続される、
請求項9に記載のダンプトラック。
【請求項17】
前記ダンプボディは、底板と、前板と、左板と、右板と、を含み、
前記第1内部流路の少なくとも一部は、車幅方向において前記底板の中央部に設けられ、
前記第2内部流路は、前記底板と前記前板との境界部、前記底板と前記左板との境界部、及び前記底板と前記右板との境界部のそれぞれに設けられる、
請求項16に記載のダンプトラック。
【請求項18】
上り坂の走行時と下り坂の走行時とで、前記電動モータから前記内部流路への空気の供給と前記リターダブレーキから前記内部流路への空気の供給とが切り換えられ、
上り坂の走行時において、前記電動モータから前記内部流路に空気が供給され、
下り坂の走行時において、前記リターダブレーキから前記内部流路に空気が供給される、
請求項9に記載のダンプトラック。
【請求項19】
駆動輪と、
前記駆動輪に支持される車体と、
前記車体に支持されるダンプボディと、
前記駆動輪を回転させる電動モータと、
前記電動モータから前記ダンプボディの内部流路に供給される空気が流れる第1ダクトと、
前記電動モータから前記ダンプボディの内部流路に空気が供給されるように回転する送風ファンと、
前記電動モータの周囲の温度を検出する第1温度センサと、を備え、
前記第1温度センサの検出値が第1所定値以上の場合、前記送風ファンが回転する、
ダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
ダンプトラックは、積荷が積載されるダンプボディを備える。ダンプボディから積荷を排出する場合、ダンプトラックは、ダンプボディのダンプ動作を実施する。ダンプ動作が実施されると、重力の作用によりダンプボディから積荷が排出される。積荷に水分又は油分が含まれて積荷が湿っている場合、及び外気温度が低い場合、ダンプ動作が実施されても、積荷の少なくとも一部がダンプボディの内面に付着した状態が維持され、ダンプボディから排出されない場合がある。積荷がダンプボディの内面に付着することを抑制するために、ダンプボディを加熱する技術が知られている。現在、エンジンの排気によりダンプボディを加熱する技術が一般的である。ダンプボディが加熱されることにより、積荷の凍結又は油分の硬化が抑制され、積荷が乾燥する。これにより、積荷がダンプボディの内面に付着することが抑制される。特許文献1には、リターダブレーキ操作によって発生する電力を熱エネルギーに変換する抵抗器と、この抵抗器を冷却する冷却ファンと、この冷却ファンから送風されて抵抗器によって暖められた暖気を案内するダクトとを有するダンプトラックが開示されている。特許文献1において、抵抗器によって暖められた暖気が荷台(ダンプボディ)に供給されることにより、荷台が加熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-201227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンが未搭載のダンプトラックの場合、エンジンの排気によりダンプボディを加熱することができない。また、リターダブレーキ(抵抗器)によって暖められた空気でダンプボディを加熱する場合、ダンプトラックが上り坂又は平坦路を走行しているときは、リターダブレーキが十分に発熱しないので、リターダブレーキからダンプボディに高温度の空気を供給することが困難となる。その結果、ダンプボディが十分に加熱されない可能性がある。
【0005】
本開示は、電動モータによって加熱された空気によってダンプボディを加熱することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、駆動輪と、駆動輪に支持される車体と、車体に支持されるダンプボディと、駆動輪を回転させる電動モータと、電動モータからダンプボディの内部流路に供給される空気が流れる第1ダクトと、を備える、ダンプトラックが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電動モータによって加熱された空気によってダンプボディが加熱される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るダンプトラックを示す側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るダンプトラックを後方から見た模式図である。
図3図3は、第1実施形態に係るダンプトラックを示す側面図である。
図4図4は、第1実施形態に係るダンプボディを示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係るダンプトラックを示す側面図である。
図6図6は、第1実施形態に係るダンプボディを示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係るダンプトラックを後方から見た模式図である。
図8図8は、第3実施形態に係るダンプトラックを後方から見た模式図である。
図9図9は、第4実施形態に係るダンプトラックを示す側面図である。
図10図10は、第4実施形態に係るダンプトラックを示す側面図である。
図11図11は、第5実施形態に係るダンプトラックのダンプボディを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
【0011】
<ダンプトラック>
図1は、本実施形態に係るダンプトラック1Aを示す側面図である。本実施形態において、ダンプトラック1Aは、リジッドフレーム式のダンプトラックである。また、ダンプトラック1Aは、電気駆動方式のダンプトラックである。ダンプトラック1Aにエンジンは搭載されない。ダンプトラック1Aは、排ガスを放出しない。ダンプトラック1Aは、動力源として蓄電池又は燃料電池を有する。なお、ダンプトラック1Aは、トロリ線から給電される電力により駆動してもよい。
【0012】
図1に示すように、ダンプトラック1Aは、車体2と、前輪3と、後輪4と、ダンプボディ5と、ホイストシリンダ6と、リターダブレーキ7と、電動モータ8とを備える。
【0013】
車体2は、シャシーを含む。車体2は、ダンプボディ5を支持する。車体2の前部の上部にキャブ9が設けられる。
【0014】
前輪3及び後輪4のそれぞれは、車体2を支持する。前輪3は、操舵輪である。後輪4は、駆動輪である。前輪3及び後輪4のそれぞれにタイヤ10が装着される。前輪3及び後輪4のそれぞれが回転することにより、ダンプトラック1Aが走行する。
【0015】
ダンプボディ5は、積荷を積載される。ダンプボディ5に積載される積荷として、土砂が例示される。ダンプボディ5は、回動可能に車体2に支持される。
【0016】
ホイストシリンダ6は、ダンプボディ5を回動させる動力を発生する。ホイストシリンダ6の下端部は、車体2に連結される。ホイストシリンダ6の上端部は、ダンプボディ5に連結される。
【0017】
ダンプボディ5は、ホイストシリンダ6の伸縮により、積載姿勢と起立姿勢とに変化する。積載姿勢とは、ダンプボディ5の可動範囲において車体2に最も接近するように下降した姿勢をいう。起立姿勢とは、ダンプボディ5の可動範囲において車体2から最も離隔するように上昇した姿勢をいう。ダンプボディ5が積載姿勢のときに、ダンプボディ5に積荷が積載される。ダンプトラック1Aは、ダンプボディ5が積載姿勢のときに走行する。ダンプボディ5に積荷が積載された状態で、ダンプボディ5が積載姿勢から起立姿勢に変化することにより、重力の作用によりダンプボディ5から積荷が排出される。本実施形態においては、ダンプボディ5に積荷が積載された状態で、ダンプボディ5を積載姿勢から起立姿勢に変化させる動作を適宜、ダンプ動作、と称する。
【0018】
ダンプボディ5のダンプ動作が実施されることにより、ダンプボディ5から積荷が排出される。本実施形態において、ダンプボディ5のダンプ動作は、ダンプボディ5を後方に回動させる動作を含む。すなわち、本実施形態において、ダンプボディ5は、リアダンプ方式で積荷を後方に排出する。
【0019】
リターダブレーキ7は、キャブ9の後方に配置される。リターダブレーキ7は、ブレーキハウジング11に収容される。
【0020】
図2は、実施形態に係るダンプトラック1Aを後方から見た模式図である。後輪4は、左右方向(車幅方向)において車体2の中心よりも左側(一方側)に配置される第1の後輪4と、右側(他方側)に配置される第2の後輪4とを含む。
【0021】
電動モータ8は、後輪4に接続される。電動モータ8は、後輪4を回転させる。電動モータ8は、一対設けられる。一対の電動モータ8は、左右方向に配置される。電動モータ8は、左側の後輪4を回転させる第1の電動モータ8と、右側の後輪4を回転させる第2の電動モータ8とを含む。左側の電動モータ8は、左側の後輪4に接続される。右側の電動モータ8は、右側の後輪4に接続される。
【0022】
電動モータ8は、モータケース12に収容される。電動モータ8は、モータケース12を介してモータハウジング13に収容される。電動モータ8は、モータケース12に収容された状態で、モータハウジング13の内側に配置される。モータハウジング13は、左側の後輪4と右側の後輪4との間に配置される。モータハウジング13は、リヤアクスルケースとして機能する。モータハウジング13は、実質的に円筒状である。モータハウジング13は、左側の電動モータ8及び右側の電動モータ8のそれぞれを収容する。
【0023】
電動モータ8は、ステータ14と、ロータ15と、出力シャフト16とを有する。ステータ14は、ステータコア14Aと、ステータコア14Aに装着されるコイル14Bとを含む。ステータ14は、モータケース12に固定される。ロータ15は、ステータ14の内側に配置される。出力シャフト16は、ロータ15に固定される。ロータ15及び出力シャフト16は、ステータ14に対して回転する。車幅方向外側の出力シャフト16の一端部は、後輪4に接続される。
【0024】
<ダンプボディ>
図3は、本実施形態に係るダンプトラック1Aを示す側面図である。図4は、本実施形態に係るダンプボディ5を示す図である。
【0025】
ダンプボディ5は、前板5Fと、前板5Fの下端部に接続される底板5Bと、前板5Fの左端部及び底板5Bの左端部に接続される左板5Lと、前板5Fの右端部及び底板5Bの右端部に接続される右板5Rと、前板5Fの上端部に接続されるプロテクタ板5Pとを有する。
【0026】
前板5Fと底板5Bと左板5Lと右板5Rとプロテクタ板5Pとは、一体である。前板5F、底板5B、左板5L、右板5R、及びプロテクタ板5Pのそれぞれは、鉄鋼材料で形成される。
【0027】
ダンプボディ5が積載姿勢において、プロテクタ板5Pは、キャブ9の上方に配置される。プロテクタ板5Pの後端部と前板5Fの上端部とが接続される。前板5Fの下端部と底板5Bの前端部とが接続される。
【0028】
右板5Rは、左右方向においてダンプボディ5の中心よりも右側に配置され、前板5Fの右端部及び底板5Bの右端部のそれぞれに接続される。左板5Lは、左右方向においてダンプボディ5の中心よりも左側に配置され、前板5Fの左端部及び底板5Bの左端部のそれぞれに接続される。
【0029】
ダンプボディ5において、積荷が積載される積載空間は、前板5Fの後面と、底板5Bの上面と、左板5Lの右面と、右板5Rの左面との間に規定される。積荷は、前板5Fの後面、底板5Bの上面、左板5Lの右面、及び右板5Rの左面の少なくとも一部に接触する。本実施形態においては、積荷と接触するダンプボディ5の前板5Fの後面と底板5Bの上面と左板5Lの右面と右板5Rの左面とを適宜、ダンプボディ5の内面、と総称する。
【0030】
ダンプボディ5は、電動モータ8からの空気が流入する第1流入口17と、リターダブレーキ7からの空気が流入する第2流入口18と、第1流入口17及び第2流入口18の少なくとも一方から流入した空気が流れる内部流路19と、内部流路19を流れた空気が排出される流出口20とを有する。
【0031】
第1流入口17は、底板5Bの下面に設けられる。第1流入口17は、左右方向において底板5Bの中央部に設けられる。なお、第1流入口17は、左右方向において底板5Bの中央部よりも左側又は右側にシフトした位置に設けられてもよい。第1流入口17は、底板5Bの後部に設けられる。
【0032】
第2流入口18は、前板5Fの前面に設けられる。第2流入口18は、前板5Fの前面の上部の右部に設けられる。なお、第2流入口18は、前板5Fの前面の上部の左部に設けられてもよいし、中央部に設けられてもよい。
【0033】
流出口20は、左板5Lの左面の後部に設けられる。なお、流出口20は、右板5Rに設けられてもよい。
【0034】
内部流路19は、ダンプボディ5の内部に設けられる。内部流路19は、底板5Bと右板5Rとの境界部に設けられる第1流路19Aと、前板5Fと底板5Bとの境界部に設けられる第2流路19Bと、底板5Bと左板5Lとの境界部に設けられる第3流路19Cとを含む。第1流路19Aの少なくとも一部は、底板5Bの右端部に設けられる。第2流路19Bの少なくとも一部は、前板5Fの下端部に設けられる。第3流路19Cの少なくとも一部は、左板5Lの下端部に設けられる。積荷は、ダンプボディ5の上述の境界部に付着し易い。そのため、内部流路19は、ダンプボディ5の境界部に設けられる。なお、内部流路19は、ダンプボディ5の平面部に設けられてもよい。
【0035】
第1流路19Aと第2流路19Bと第3流路19Cとは、相互に接続される。第1流入口17は、第1流路19Aに接続される。第2流入口18は、第2流入口18に接続される。流出口20は、第3流路19Cに接続される。
【0036】
<第1ダクト及び第2ダクト>
ダンプトラック1Aは、電動モータ8からダンプボディ5の内部流路19に供給される空気が流れる第1ダクト21を備える。第1ダクト21は、モータハウジング13と内部流路19の第1流入口17とを繋ぐように配置される。第1ダクト21の下端部は、左右方向においてモータハウジング13の中央部に接続される。なお、第1ダクト21の下端部は、モータハウジング13の左部又は右部に接続されてもよい。第1ダクト21の上端部は、第1流入口17に接続される。
【0037】
ダンプトラック1Aは、リターダブレーキ7からダンプボディ5の内部流路19に供給される空気が流れる第2ダクト22を備える。第2ダクト22は、ブレーキハウジング11と内部流路19の第2流入口18とを繋ぐように配置される。ダンプボディ5が積載姿勢において、第2ダクト22と第2流入口18とが接続される。ダンプボディ5が起立姿勢において、第2ダクト22と第2流入口18とが切断される。
【0038】
<空気の流れ>
図3及び図4に示す矢印のように、電動モータ8の周囲の空気は、第1ダクト21を介して第1流入口17に供給される。第1流入口17からダンプボディ5の内部流路19に流入した空気は、内部流路19を流れた後、流出口20から排出される。例えばダンプトラック1Aが上り坂(登坂路)又は平坦路を走行するとき、電動モータ8が駆動し、その結果、電動モータ8が発熱する。電動モータ8により加熱された空気が内部流路19に供給されることにより、ダンプボディ5が加熱される。
【0039】
図5は、本実施形態に係るダンプトラック1Aを示す側面図である。図6は、本実施形態に係るダンプボディ5を示す図である。図5及び図6に示す矢印のように、リターダブレーキ7の周囲の空気は、第2ダクト22を介して第2流入口18に供給される。第2流入口18からダンプボディ5の内部流路19に流入した空気は、内部流路19を流れた後、流出口20から排出される。例えばダンプトラック1Aが下り坂(降坂路)を走行するとき、リターダブレーキ7が作動し、その結果、リターダブレーキ7が発熱する。リターダブレーキ7により加熱された空気が内部流路19に供給されることにより、ダンプボディ5が加熱される。
【0040】
本実施形態において、ダンプトラック1Aの上り坂又は平坦路の走行時と下り坂の走行時とで、電動モータ8から内部流路19への空気の供給とリターダブレーキ7から内部流路19への空気の供給とが切り換えられてもよい。上り坂又は平坦路の走行時において、電動モータ8から内部流路19に空気が供給され、下り坂の走行時において、リターダブレーキ7から内部流路19に空気が供給されてもよい。これにより、上り坂の走行時、平坦路の走行時、及び下り坂の走行時のそれぞれにおいて、ダンプボディ5が常に加熱される。
【0041】
なお、ダンプトラック1Aの車載コントローラが、上り坂、平坦路、及び下り坂のいずれの走行路を走行しているのかを判別できない場合、車載コントローラは、電動モータ8及びリターダブレーキ7のそれぞれの作動状況を検出し、検出した作動状況に基づいて、電動モータ8から内部流路19への空気の供給とリターダブレーキ7から内部流路19への空気の供給とを切り換えてもよい。また、電動モータ8の周囲の温度を検出する第1温度センサと、リターダブレーキ7の周囲の温度を第2温度センサとが設けられている場合、車載コントローラは、第1温度センサの検出値が第1所定値以上の場合に、電動モータ8から内部流路19へ空気が供給され、第2温度センサの検出値が第2所定値以上の場合に、リターダブレーキ7から内部流路19へ空気が供給されるように制御してもよい。
【0042】
<効果>
以上説明したように、本実施形態において、ダンプトラック1Aは、駆動輪である後輪4と、後輪4に支持される車体2と、車体2に支持されるダンプボディ5と、後輪4を回転させる電動モータ8と、電動モータ8からダンプボディ5の内部流路19に供給される空気が流れる第1ダクト21と、を備える。電動モータ8により加熱された空気が、第1ダクト21を介してダンプボディ5の内部流路19に供給されるので、ダンプボディ5が加熱される。したがって、積荷がダンプボディ5の内面に付着することが抑制される。特に、ダンプトラック1Aが上り坂又は平坦路を走行するとき、電動モータ8の発熱量が多くなるので、ダンプボディ5が効果的に加熱される。
【0043】
ダンプトラック1Aは、電動モータ8を収容するモータハウジング13を備える。第1ダクト21は、モータハウジング13と内部流路19の第1流入口17とを繋ぐように配置される。電動モータ8がモータハウジング13に収容されるので、電動モータ8で加熱された空気が、内部流路19に効率良く供給される。
【0044】
モータハウジング13は、左側の電動モータ8及び右側の電動モータ8のそれぞれを収容する。第1ダクト21は、左右方向においてモータハウジング13の中央部に接続される。これにより、左側の電動モータ8により加熱された空気及び右側の電動モータ8により加熱された空気のそれぞれが、内部流路19に効率良く供給される。
【0045】
第1流入口17は、ダンプボディ5の底板5Bに設けられる。これにより、第1ダクト21の長大化が抑制される。
【0046】
ダンプトラック1Aは、リターダブレーキ7と、リターダブレーキ7からダンプボディ5の内部流路19に供給される空気が流れる第2ダクト22と、を備える。リターダブレーキ7により加熱された空気が、第2ダクト22を介してダンプボディ5の内部流路19に供給されるので、ダンプボディ5が加熱される。したがって、積荷がダンプボディ5の内面に付着することが抑制される。特に、ダンプトラック1Aが下り坂を走行するとき、リターダブレーキ7の発熱量が多くなるので、ダンプボディ5が効果的に加熱される。
【0047】
ダンプトラック1Aは、リターダブレーキ7を収容するブレーキハウジング11を備える。第2ダクト22は、ブレーキハウジング11と内部流路19の第2流入口18とを繋ぐように配置される。リターダブレーキ7がブレーキハウジング11に収容されるので、リターダブレーキ7で加熱された空気が、内部流路19に効率良く供給される。
【0048】
第2流入口18は、ダンプボディ5の前板5Fに設けられる。これにより、第2ダクト22の長大化が抑制される。
【0049】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0050】
図7は、本実施形態に係るダンプトラック1Bを後方から見た模式図である。図7に示すように、ダンプトラック1Bは、モータハウジング13の内側に配置される送風ファン23を備える。送風ファン23は、電動モータ8からダンプボディ5の内部流路19に空気が供給されるように回転する。送風ファン23は、電動モータ8により回転する。本実施形態において、送風ファン23は、出力シャフト16に接続される。出力シャフト16が回転することにより、送風ファン23が回転する。
【0051】
送風ファン23は、左右方向において電動モータ8よりもモータハウジング13の中心に近い位置に配置される。すなわち、送風ファン23は、電動モータ8よりも第1ダクト21に近い位置に配置される。送風ファン23は、左右方向においてモータハウジング13の中心に近い出力シャフト16の他端部に接続される。上述の実施形態と同様、出力シャフト16の一端部は、後輪4に接続される。
【0052】
送風ファン23は、左側の電動モータ8及び右側の電動モータ8のそれぞれに接続される。送風ファン23は、左側の電動モータ8により回転する第1の送風ファン23と、右側の電動モータ8により回転する第2の送風ファン23とを含む。
【0053】
以上説明したように、本実施形態において、ダンプトラック1Bは、モータハウジング13の内側に配置される送風ファン23を備える。送風ファン23は、電動モータ8からダンプボディ5の内部流路19に空気が供給されるように回転する。これにより、電動モータ8により加熱された空気が第1ダクト21を介して内部流路19に効率良く供給される。
【0054】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0055】
図8は、本実施形態に係るダンプトラック1Cを後方から見た模式図である。図8に示すように、ダンプトラック1Cは、第1ダクト21の内側に配置される送風ファン24を備える。送風ファン24は、電動モータ8からダンプボディ5の内部流路19に空気が供給されるように回転する。送風ファン24は、電動モータ8とは別のモータ(不図示)により回転する。
【0056】
送風ファン24は、ダンプトラック1Cが上り坂又は平坦路の走行時において電動モータ8からダンプボディ5の内部流路19に空気が供給されるように回転し、ダンプトラック1Cが下り坂の走行時において回転しない。ダンプトラック1Cが上り坂又は平坦路の走行時には電動モータ8が駆動され発熱するが、ダンプトラック1Cが下り坂の走行時には電動モータ8が駆動しないためである。なお、送風ファン24は、電動モータ8の温度が予め定められた第1所定値以上のときに回転し、電動モータ8の温度が第1所定値未満のときに回転しなくてもよい。例えば、電動モータ8の周囲の温度を検出する図示しない第1温度センサが設けられる場合、送風ファン24は、第1温度センサの検出値が第1所定値以上の場合に回転し、第1温度センサの検出値が第1所定値未満の場合に回転しなくてもよい。
【0057】
以上説明したように、本実施形態において、ダンプトラック1Cは、第1ダクト21の内側に配置される送風ファン24を備える。送風ファン24は、電動モータ8からダンプボディ5の内部流路19に空気が供給されるように回転する。これにより、電動モータ8により加熱された空気が第1ダクト21を介して内部流路19に効率良く供給される。
【0058】
なお、リターダブレーキ7からダンプボディ5の内部流路19に空気が供給されるように回転するリターダファンが設けられてもよい。リターダファンは、ブレーキハウジング11の内側に配置されてもよい。リターダファンは、ダンプトラック1Cが下り坂の走行時においてリターダブレーキ7からダンプボディ5の内部流路19に空気が供給されるように回転し、ダンプトラック1Cが上り坂又は平坦路の走行時において回転しなくてもよい。ダンプトラック1Cが下り坂の走行時にはリターダブレーキ7が作動し発熱するが、ダンプトラック1Cが上り坂又は平坦路の走行時にはリターダブレーキ7が作動しないためである。なお、リターダファンは、リターダブレーキ7の温度が予め定められた第2所定値以上のときに回転し、リターダブレーキ7の温度が第2所定値未満のときに回転しなくてもよい。例えば、リターダブレーキ7の周囲の温度を検出する図示しない第2温度センサが設けられる場合、リターダファンは、第2温度センサの検出値が第2所定値以上の場合に回転し、第2温度センサの検出値が第2所定値未満の場合に回転しなくてもよい。
【0059】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0060】
図9及び図10のそれぞれは、本実施形態に係るダンプトラック1Dを示す側面図である。ダンプトラック1Dは、第1ダクト21に接続される排気ダクト25と、第1ダクト21の流路を開閉する第1バルブ27と、排気ダクト25の流路を開閉する第2バルブ28と、を備える。排気ダクト25は、モータハウジング13と第1流入口17との間の第1バルブ27から分岐するように配置される。排気ダクト25の一端部は、第1バルブ27に接続される。排気ダクト25の他端部に流出口26が設けられる。
【0061】
ダンプトラック1Dの上り坂又は平坦路の走行時と下り坂の走行時とで、電動モータ8から内部流路19への空気の供給とリターダブレーキ7から内部流路19への空気の供給とが切り換えられる。上り坂又は平坦路の走行時において、電動モータ8から内部流路19に空気が供給され、下り坂の走行時において、リターダブレーキ7から内部流路19に空気が供給される。
【0062】
図9は、ダンプトラック1Dが上り坂又は平坦路を走行するときの第1バルブ27及び第2バルブ28の状態を示す。図9に示すように、第1バルブ27は、上り坂又は平坦路の走行時において第1ダクト21の流路を開放する。第2バルブ28は、上り坂又は平坦路の走行時において排気ダクト25の流路を閉鎖する。電動モータ8から内部流路19に供給された空気は、流出口20から排出される。このように、上り坂又は平坦路の走行時において、電動モータ8から内部流路19に空気が供給される。
【0063】
図10は、ダンプトラック1Dが下り坂を走行するときの第1バルブ27及び第2バルブ28の状態を示す。図10に示すように、第1バルブ27は、下り坂の走行時において第1ダクト21の流路を閉鎖する。第2バルブ28は、下り坂の走行時において排気ダクト25の流路を開放する。これにより、下り坂の走行時において、リターダブレーキ7から内部流路19に空気が供給される。リターダブレーキ7から内部流路19に供給された空気は、電動モータ8には供給されず、流出口20から排出される。このように、下り坂の走行時において、リターダブレーキ7から内部流路19に空気が供給される。電動モータ8からの空気は、内部流路19には供給されず、排気ダクト25を介してダンプトラック1Dの周囲に排出される。
【0064】
以上説明したように、本実施形態において、ダンプトラック1Dは、第1ダクト21の流路を開閉する第1バルブ27を備える。ダンプトラック1Dの上り坂又は平坦路の走行時において、第1ダクト21の流路が開放されることにより、電動モータ8により加熱された空気が内部流路19に供給される。ダンプトラック1Dの下り坂の走行時において、第1ダクト21の流路が閉鎖されることにより、リターダブレーキ7により加熱された空気が内部流路19に供給される。これにより、上り坂の走行時、平坦路の走行時、及び下り坂の走行時のそれぞれにおいて、ダンプボディ5が常に加熱される。
【0065】
ダンプトラック1Dは、第1ダクト21から分岐する排気ダクト25と、排気ダクト25の流路を開閉する第2バルブ28と、を備える。ダンプトラック1Dの上り坂又は平坦路の走行時において第1ダクト21の流路が開放された場合、排気ダクト25の流路が閉鎖される。これにより、電動モータ8により加熱された空気が内部流路19に効率良く供給される。ダンプトラック1Dの下り坂の走行時において第1ダクト21の流路が閉鎖された場合、排気ダクト25の流路が開放される。これにより、電動モータ8からの空気が排気ダクト25を介してダンプトラック1Dの周囲に排出される。
【0066】
なお、本実施形態において、ダンプトラック1Dが下り坂を走行するとき、電動モータ8は作動せず、送風ファン23及び送風ファン24も作動しない。すなわち、ダンプトラック1Dが下り坂を走行するとき、電動モータ8からダンプボディ5の内部流路19に空気が供給されない。そのため、排気ダクト25は省略されてもよい。
【0067】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0068】
図11は、本実施形態に係るダンプトラック1Eのダンプボディ5を示す図である。上述の実施形態と同様、ダンプボディ5は、底板5Bと、左板5Lと、右板5Rと、前板5Fと、プロテクタ板5Pとを含む。
【0069】
本実施形態において、ダンプボディ5の内部流路は、第1内部流路191と、第1内部流路191から仕切られた第2内部流路192と、を含む。第1内部流路191と第2内部流路192とは、交わらない。第1内部流路191と第2内部流路192とは、別々の内部流路である。第1内部流路191を流れる空気は、第2内部流路192には供給されない。第2内部流路192を流れる空気は、第1内部流路191には供給されない。
【0070】
第1ダクト21は、第1内部流路191の第1流入口170に接続される。電動モータ8からの空気は、第1ダクト21を介して第1流入口170に供給される。第1流入口170に流入した空気は、第1内部流路191を流れた後、第1内部流路191の流出口201から排出される。第1流入口170は、左右方向において底板5Bの下面の中央部に設けられる。第1流入口170は、底板5Bの後部に設けられる。流出口201は、右板5Rの右面の前部に設けられる。
【0071】
第2ダクト22は、第2内部流路192の第2流入口180に接続される。リターダブレーキ7からの空気は、第2ダクト22を介して第2流入口180に供給される。第2流入口180に流入した空気は、第2内部流路192を流れた後、第2内部流路192の流出口200から排出される。第2流入口180は、前板5Fの前面に設けられる。第2流入口180は、前板5Fの前面の上部の右部に設けられる。流出口200は、左板5Lの左面の後部に設けられる。
【0072】
第1内部流路191の少なくとも一部は、左右方向(車幅方向)において底板5Bの中央部に設けられる。第2内部流路192は、底板5Bと前板5Fとの境界部、底板5Bと左板5Lとの境界部、及び底板5Bと右板5Rとの境界部のそれぞれに設けられる。
【0073】
本実施形態において、第1内部流路191は、底板5Bの内部に設けられる第1流路191Aと、前板5Fの内部に設けられる第2流路191B及び第3流路191Cとを含む。第1流路191Aは、左右方向において底板5Bの中央部に設けられる。本実施形態において、第1流路191Aは、前後方向に延びるように設けられる。第1流路191Aは、左右方向に間隔をあけて2つ設けられる。第2流路191Bは、左右方向において前板5Fの中央部に設けられる。本実施形態において、第2流路191Bは、上下方向に延びるように設けられる。第2流路191Bは、左右方向に間隔をあけて2つ設けられる。左側の第1流路191Aの前端部と左側の第2流路191Bの下端部とが接続される。右側の第1流路191Aの前端部と右側の第2流路191Bの下端部とが接続される。第3流路191Cは、左右方向に延びるように設けられる。左側の第2流路191Bの上端部及び右側の第2流路191Bの上端部のそれぞれは、第3流路191Cに接続される。第3流路191Cの右端部は、流出口201に接続される。第1流入口170からの空気は、左側の第1流路191Aの後端部及び右側の第1流路191Aの後端部のそれぞれに流入する。第1流路191Aに流入した空気は、第1流路191A、第2流路191B、及び第3流路191Cを流れた後、流出口201から排出される。
【0074】
本実施形態において、第2内部流路192は、前板5Fの内部に設けられる第4流路192Bと、右板5Rの内部に設けられる第5流路192Aと、左板5Lの内部に設けられる第6流路192Cとを含む。第4流路192Bは、第2流入口180に接続される。第4流路192Bの少なくとも一部は、前板5Fの下端部に設けられる。第4流路192Bの少なくとも一部は、底板5Bと前板5Fとの境界部に設けられる。第5流路192Aの少なくとも一部は、右板5Rの下端部に設けられる。第5流路192Aの少なくとも一部は、底板5Bと右板5Rとの境界部に設けられる。第6流路192Cの少なくとも一部は、左板5Lの下端部に設けられる。第6流路192Cの少なくとも一部は、底板5Bと左板5Lとの境界部に設けられる。第4流路192Bと第5流路192Aと第6流路192Cとは、相互に接続される。第2流入口180から第4流路192Bに流入した空気は、第5流路192A及び第6流路192Cのそれぞれを流れた後、流出口201から排出される。
【0075】
以上説明したように、本実施形態において、電動モータ8からの空気は、第1内部流路191を流れ、リターダブレーキ7からの空気は、第1内部流路191とは別の第2内部流路192を流れる。これにより、ダンプトラック1Eの上り坂又は平坦路の走行時においては、第1内部流路191を流れる空気によりダンプボディ5が効果的に加熱され、ダンプトラック1Eの下り坂の走行時においては、第2内部流路192を流れる空気によりダンプボディ5が効果的に加熱される。また、第1内部流路191と第2内部流路192とが仕切られているので、電動モータ8からの空気がリターダブレーキ7に供給されることが抑制され、リターダブレーキ7からの空気が電動モータ8に供給されることが抑制される。
【0076】
本実施形態において、第2内部流路192の少なくとも一部は、底板5Bと前板5Fとの境界部、底板5Bと左板5Lとの境界部、及び底板5Bと右板5Rとの境界部のそれぞれに設けられる。積荷は、ダンプボディ5の内面において、底板5Bの上面と前板5Fの後面との境界部(角部)、底板5Bの上面と左板5Lの右面との境界部(角部)、及び底板5Bの上面と右板5Rの左面との境界部(角部)に付着し易い。また、リターダブレーキ7からの空気は、電動モータ8からの空気よりも高温度である可能性が高い。高温度の空気が、底板5Bと前板5Fとの境界部、底板5Bと左板5Lとの境界部、及び底板5Bと右板5Rとの境界部のそれぞれに供給されるので、ダンプボディ5の内面に積荷が付着することが効果的に抑制される。
【0077】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、後輪4が駆動輪であることとした。前輪3が駆動輪でもよし、前輪3及び後輪4のそれぞれが駆動輪でもよい。また、後輪4が操舵されてもよい。
【0078】
上述の実施形態においては、ダンプトラック(1A等)は、リジッドフレーム式であることとした。ダンプトラック(1A等)は、アーティキュレート式でもよい。
【0079】
上述の実施形態においては、ダンプトラック(1A等)は、リアダンプ方式であることとした。ダンプトラック(1A等)は、ダンプボディ5を左方又は右方に傾けることによってダンプボディ5から積荷を排出するサイドダンプ方式でもよい。
【符号の説明】
【0080】
1A…ダンプトラック、1B…ダンプトラック、1C…ダンプトラック、1D…ダンプトラック、1E…ダンプトラック、2…車体、3…前輪、4…後輪(駆動輪)、5…ダンプボディ、5F…前板、5B…底板、5L…左板、5R…右板、5P…プロテクタ板、6…ホイストシリンダ、7…リターダブレーキ、8…電動モータ、9…キャブ、10…タイヤ、11…ブレーキハウジング、12…モータケース、13…モータハウジング、14…ステータ、14A…ステータコア、14B…コイル、15…ロータ、16…出力シャフト、17…第1流入口、18…第2流入口、19…内部流路、19A…第1流路、19B…第2流路、19C…第3流路、20…流出口、21…第1ダクト、22…第2ダクト、23…送風ファン、24…送風ファン、25…排気ダクト、26…流出口、27…第1バルブ、28…第2バルブ、170…第1流入口、180…第2流入口、191…第1内部流路、191A…第1流路、191B…第2流路、191C…第3流路、192…第2内部流路、192A…第5流路、192B…第4流路、192C…第6流路、200…流出口、201…流出口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11