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特開2023-176622作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176622
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
(51)【国際特許分類】
   E01H 3/02 20060101AFI20231206BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
E01H3/02
E02F9/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089005
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 涼平
【テーマコード(参考)】
2D003
2D026
【Fターム(参考)】
2D003AA06
2D003BA04
2D026BA00
(57)【要約】
【課題】作業現場におけるオペレータの往来を円滑に実施すること。
【解決手段】作業現場の管理システムは、作業現場の散水車両の散水条件を示す散水データを生成する散水データ生成部と、オペレータの送迎要求を受信したときに、散水データに基づいて稼働している散水車両を目的位置に走行させる送迎指令を出力するアサイン部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場の散水車両の散水条件を示す散水データを生成する散水データ生成部と、
オペレータの送迎要求を受信したときに、前記散水データに基づいて稼働している前記散水車両を目的位置に走行させる送迎指令を出力するアサイン部と、を備える、
作業現場の管理システム。
【請求項2】
前記目的位置は、前記散水車両に前記オペレータを乗車させる乗車位置、又は前記散水車両から前記オペレータを降車させる降車位置である、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項3】
前記オペレータによって操作される積込機械の位置を取得する積込機械位置取得部と、
前記積込機械の位置に基づいて、前記目的位置を決定する目的位置決定部と、を備え、
前記アサイン部は、前記散水車両が前記目的位置決定部により決定された前記目的位置に走行するように前記送迎指令を出力する、
請求項1又は請求項2に記載の作業現場の管理システム。
【請求項4】
前記オペレータの操作に基づいて、前記目的位置を決定する目的位置決定部と、を備え、
前記アサイン部は、前記散水車両が前記目的位置決定部により決定された前記目的位置に走行するように前記送迎指令を出力する、
請求項1又は請求項2に記載の作業現場の管理システム。
【請求項5】
前記散水車両は、前記作業現場に複数存在し、
前記アサイン部は、複数の前記散水車両のそれぞれの位置に基づいて、前記目的位置に走行させる散水車両を決定する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項6】
前記散水車両は、散水のための水を貯蔵するタンクと、前記タンクの水を噴射する散水スプレーと、を有し、
前記散水車両は、前記作業現場に複数存在し、
前記アサイン部は、複数の前記散水車両のそれぞれのタンクに貯蔵されている水の残量に基づいて、前記目的位置に走行させる散水車両を決定する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項7】
散水作業における前記散水車両の走行条件を示す走行データを生成する走行データ生成部を備え、
前記走行データ生成部は、前記送迎要求が受信されたときに、前記散水車両が前記目的位置に走行するように、送迎作業における走行データを生成する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項8】
前記作業現場において散水が実施された散水済エリアと散水が実施されていない未散水エリアとを記憶する散水状況記憶部を備え、
前記走行データ生成部は、前記散水済エリア及び前記未散水エリアに基づいて、前記送迎作業における走行データを生成する、
請求項7に記載の作業現場の管理システム。
【請求項9】
前記走行データ生成部は、前記散水車両が未散水エリアを散水しながら走行するように、前記送迎作業における走行データを生成する、
請求項8に記載の作業現場の管理システム。
【請求項10】
作業現場の散水車両の散水条件を示す散水データを生成する散水データ生成部と、
オペレータの送迎時刻を管理するスケジュール管理部と、
前記送迎時刻になったときに、前記散水データに基づいて稼働している前記散水車両を目的位置に走行させる送迎指令を出力するアサイン部と、を備える、
作業現場の管理システム。
【請求項11】
作業現場の散水車両の散水条件を示す散水データを生成することと、
オペレータの送迎要求を受信したときに、前記散水データに基づいて稼働している前記散水車両を目的位置に走行させる送迎指令を出力することと、を含む、
作業現場の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場の管理システムに係る技術分野において、特許文献1に開示されているようなシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013-516558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業現場においては、オペレータによって操作される積込機械が稼働する。オペレータは、休憩時間又は勤務交代のタイミングで、積込機械とオフィスとの間を往来する必要がある。オペレータが円滑に往来できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、作業現場におけるオペレータの往来を円滑に実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、作業現場の散水車両の散水条件を示す散水データを生成する散水データ生成部と、オペレータの送迎要求を受信したときに、散水データに基づいて稼働している散水車両を目的位置に走行させる送迎指令を出力するアサイン部と、を備える、作業現場の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場におけるオペレータの往来が円滑に実施される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示す模式図である。
図3図3は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る管理装置のハードウエア構成図である。
図5図5は、実施形態に係る散水車両の走行データを説明するための模式図である。
図6図6は、実施形態に係るショベルからオフィスまでの送迎方法を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係るショベルからオフィスまでの送迎方法を説明するための模式図である。
図8図8は、実施形態に係るショベルからオフィスまでの送迎方法を説明するための模式図である。
図9図9は、実施形態に係るショベルからオフィスまでの送迎方法を説明するための模式図である。
図10図10は、実施形態に係るオフィスからショベルまでの送迎方法を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係るオフィスからショベルまでの送迎方法を説明するための模式図である。
図12図12は、実施形態に係るスケジュールによる送迎方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[作業現場]
図1は、実施形態に係る作業現場10を示す模式図である。作業現場10として、鉱山又は採石場のような広域の作業現場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。
【0011】
作業現場10において、散水車両1と運搬車両2と積込機械8とが稼働する。
【0012】
散水車両1は、作業現場10を走行して散水する散水作業を実施する。散水車両1は、作業現場10において粉塵又は砂埃が拡散することを抑制するために散水する。
【0013】
実施形態において、散水車両1は、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する無人車両である。作業現場10を走行する場合、散水車両1に運転者は搭乗しない。散水車両1は、無人で作業現場10を走行する。なお、散水車両1のメンテナンス及びその他の所定の作業において散水車両1に運転者が搭乗してもよい。
【0014】
運搬車両2は、作業現場10を走行して積荷を運搬する運搬作業を実施する。実施形態において、運搬車両2は、ダンプトラックである。
【0015】
実施形態において、運搬車両2は、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する無人車両である。作業現場10を走行する場合、運搬車両2に運転者は搭乗しない。運搬車両2は、無人で作業現場10を走行する。なお、運搬車両2のメンテナンス及びその他の所定の作業において運搬車両2に運転者が搭乗してもよい。
【0016】
積込機械8は、運搬車両2に積荷を積み込む積込作業を実施する。実施形態において、積込機械8は、ショベルである。以下の説明において、積込機械8を適宜、ショベル8、と称する。
【0017】
実施形態において、ショベル8は、オペレータによる操作により稼働する有人車両である。ショベル8にオペレータが搭乗する。
【0018】
作業現場10は、積込場3、排土場4、駐機場5、待機場6、及び走行路7を含む。
【0019】
積込場3とは、運搬車両2に積荷を積載する積込作業が実施されるエリアをいう。積荷として、積込場3において掘削された掘削物が例示される。ショベル8は、積込場3において稼働する。
【0020】
排土場4とは、運搬車両2から積荷が排出される排土作業が実施されるエリアをいう。排土場4に、破砕機9が設けられる。
【0021】
駐機場5とは、散水車両1又は運搬車両2が駐機するエリアをいう。
【0022】
待機場6とは、オフィスが存在するエリアをいう。オフィスは、オペレータの待機施設及び休憩施設を含む。
【0023】
走行路7とは、散水車両1及び運搬車両2の少なくとも一方が走行するエリアをいう。走行路7は、少なくとも積込場3と排土場4とを繋ぐように設けられる。実施形態において、走行路7は、積込場3、排土場4、駐機場5、及び待機場6のそれぞれに繋がる。
【0024】
散水車両1は、積込場3、排土場4、駐機場5、待機場6、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。運搬車両2は、積込場3、排土場4、駐機場5、及び走行路7のそれぞれを走行することができる。運搬車両2は、例えば積込場3と排土場4とを往復するように走行路7を走行する。
【0025】
[管理システム]
図2は、実施形態に係る作業現場10の管理システム11を示す模式図である。管理システム11は、管理装置12と、通信システム13とを備える。
【0026】
管理装置12は、コンピュータシステムを含む。管理装置12は、散水車両1、運搬車両2、及びショベル8の外部に配置される。管理装置12は、作業現場10の管制施設14に設置される。管理装置12は、作業現場10を管理する。管理装置12は、少なくとも、散水車両1、運搬車両2、及びショベル8を管理する。
【0027】
通信システム13として、インターネット(internet)、携帯電話通信網、衛星通信網、又はローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)が例示される。ローカルエリアネットワークとして、無線LANの1つの規格であるWi-Fi(登録商標)が例示される。
【0028】
散水車両1は、車体101と、走行装置102と、タンク103と、散水スプレー104と、制御装置15と、無線通信機13Aとを有する。制御装置15は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Aは、制御装置15に接続される。
【0029】
ショベル8は、オペレータによって操作される。ショベル8は、旋回体801と、旋回体801を支持する走行装置802と、旋回体801に支持される作業機803と、作業機803を動作させる作業機シリンダ804と、制御装置16と、無線通信機13Bとを有する。制御装置16は、コンピュータシステムを含む。無線通信機13Bは、制御装置16に接続される。
【0030】
通信システム13は、制御装置15に接続される無線通信機13Aと、制御装置16に接続される無線通信機13Bと、管理装置12に接続される無線通信機13Cとを含む。管理装置12と散水車両1の制御装置15とは、通信システム13を介して無線通信する。管理装置12とショベル8の制御装置16とは、通信システム13を介して無線通信する。
【0031】
車体101は、車体フレームを含む。車体101は、走行装置102に支持される。走行装置102は、車体101を支持して走行する。走行装置102は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。タンク103は、散水のための水を貯蔵する部材である。タンク103の少なくとも一部は、車体101よりも上方に配置される。散水スプレー104は、タンク103の水を噴射する。散水スプレー104は、タンク103の後部に配置される。散水スプレー104は、散水車両1の後方に散水する。
【0032】
旋回体801は、走行装置802に支持された状態で旋回する。走行装置802は、一対の履帯を有する。走行装置802により、ショベル8は、積込場3を含む作業現場10において移動することができる。作業機803は、旋回体801に回動可能に連結されるブーム803Aと、ブーム803Aに回動可能に連結されるアーム803Bと、アーム803Bに回動可能に連結されるバケット803Cとを含む。作業機シリンダ804は、油圧シリンダである。作業機シリンダ804は、ブーム803Aを上げ動作又は下げ動作させるブームシリンダ804Aと、アーム803Bをチルト動作又はダンプ動作させるアームシリンダ804Bと、バケット803Cをチルト動作又はダンプ動作させるバケットシリンダ804Cとを含む。
【0033】
図3は、実施形態に係る作業現場10の管理システム11を示すブロック図である。
【0034】
散水車両1は、制御装置15と、無線通信機13Aと、位置センサ17と、方位センサ18と、速度センサ19と、重量センサ20と、走行装置102と、散水スプレー104とを有する。無線通信機13A、位置センサ17、方位センサ18、速度センサ19、及び重量センサ20のそれぞれは、制御装置15と通信することができる。走行装置102及び散水スプレー104のそれぞれは、制御装置15に制御される。
【0035】
位置センサ17は、散水車両1の位置を検出する。散水車両1の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置センサ17は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系における散水車両1の位置を示す散水車両1の絶対位置を検出する。
【0036】
方位センサ18は、散水車両1の方位を検出する。散水車両1の方位は、散水車両1のヨー角を含む。車体101の重心において上下方向に延伸する軸をヨー軸とした場合、ヨー角とは、ヨー軸を中心とする回転角度をいう。方位センサ18として、ジャイロセンサが例示される。
【0037】
速度センサ19は、散水車両1の走行速度を検出する。速度センサ19として、散水車両1の車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。
【0038】
重量センサ20は、タンク103に貯蔵されている水の重量(残量)を検出する。
【0039】
ショベル8は、制御装置16と、無線通信機13Bと、位置センサ22と、要求操作装置23と、運転操作装置24と、走行装置802と、作業機803とを有する。無線通信機13B、位置センサ22、要求操作装置23、及び運転操作装置24のそれぞれは、制御装置16と通信することができる。
【0040】
位置センサ22は、ショベル8の位置を検出する。位置センサ22は、GNSS受信機を含み、グローバル座標系におけるショベル8の位置を示すショベル8の絶対位置を検出する。
【0041】
要求操作装置23は、オペレータが送迎要求するときにオペレータにより操作される。要求操作装置23として、ショベル8の車内に配置されたプッシュボタン又はタッチパネルが例示される。また、要求操作装置23として、オペレータに支給される携帯端末が例示される。送迎要求とは、オペレータがある地点(乗車位置)から別の地点(降車位置)までの移動を要求する際に装置を操作することによって送信される要求信号であり、少なくともオペレータの乗車位置を含む。
【0042】
運転操作装置24は、走行装置802及び作業機803を動作させるときにオペレータにより操作される。運転操作装置24は、走行装置802を動作させるために操作される走行レバーと、作業機803を動作させるために操作される作業レバーとを含む。
【0043】
管理装置12は、散水データ生成部121と、積込機械位置取得部122と、目的位置決定部123と、走行データ生成部124と、スケジュール管理部125と、アサイン部126と、散水状況記憶部127とを有する。
【0044】
散水データ生成部121は、作業現場10の散水車両1の散水条件を示す散水データを生成する。散水データは、散水スプレー104からの散水の実行及び散水の停止を含む。散水データは、散水スプレー104からの散水量を含む。また、散水データは、作業現場10において散水車両1が散水する散水予定エリアを含む。散水予定エリアとは、作業現場10において散水車両1の散水スプレー104から散水されるエリアをいう。
【0045】
積込機械位置取得部122は、ショベル8の位置を取得する。上述のように、ショベル8は、ショベル8の位置を検出する位置センサ22を有する。積込機械位置取得部122は、通信システム13を介して位置センサ22の検出データを取得することにより、ショベル8の位置を取得する。
【0046】
目的位置決定部123は、積込機械位置取得部122により取得されたショベル8の位置に基づいて、散水車両1の目的位置を決定する。実施形態において、目的位置は、散水車両1にオペレータを乗車させる乗車位置、又は散水車両1からオペレータを降車させる降車位置である。
【0047】
走行データ生成部124は、散水作業における散水車両1の走行条件を示す走行データを生成する。散水車両1の走行条件は、散水車両1の目標走行経路を示す散水パスを含む。走行データ生成部124は、散水予定エリアに基づいて、散水パスを生成する。走行データ生成部124は、散水データ生成部121により設定された散水予定エリアに散水されるように、散水車両1の散水パスを生成する。走行データ生成部124は、通信システム13を介して散水車両1に走行データを送信する。
【0048】
スケジュール管理部125は、オペレータの送迎時刻を管理する。
【0049】
アサイン部126は、複数の散水車両1に所定の作業を割り当てる。作業現場10には、複数の散水車両1が存在する。アサイン部126は、複数の散水車両1のうち、ある散水車両1を散水作業に割り当てたり、ある散水車両1をオペレータの送迎作業に割り当てたりすることができる。アサイン部126は、散水車両1の散水開始、散水継続、散水中断、及び散水終了の少なくとも一つを含む散水指令を出力することができる。アサイン部126は、オペレータの送迎要求を受信したときに、散水データに基づいて稼働している散水車両1を目的位置に走行させる送迎指令を出力することができる。送迎指令とは、少なくともオペレータの乗車位置(迎車位置)を含み、さらにオペレータの目的位置(降車位置)を含んでいてもよい。
【0050】
実施形態において、走行データ生成部124は、オペレータの送迎要求が受信されたときに、送迎作業に割り当てられた散水車両1が目的位置決定部123により決定された目的位置に走行するように、送迎作業における走行データを生成する。
【0051】
散水状況記憶部127は、複数の散水車両1から散水状況データを収集して記憶する。散水状況記憶部127は、作業現場10において散水が既に実施された散水済エリアと散水が未だ実施されていない未散水エリアとを記憶する。また、散水状況記憶部127は、散水が実施された時刻を示す散水時刻を記憶する。
【0052】
制御装置15は、散水データ取得部151と、走行データ取得部152と、センサデータ取得部153と、センサデータ送信部154と、走行制御部155と、散水制御部156とを有する。
【0053】
散水データ取得部151は、散水データ生成部121において生成された散水車両1の散水データを、通信システム13を介して管理装置12から取得する。
【0054】
走行データ取得部152は、走行データ生成部124において生成された散水車両1の走行データを、通信システム13を介して管理装置12から取得する。
【0055】
センサデータ取得部153は、位置センサ17の検出データ、方位センサ18の検出データ、速度センサ19の検出データ、及び重量センサ20の検出データを取得する。
【0056】
センサデータ送信部154は、位置センサ17の検出データ及び重量センサ20の検出データを、通信システム13を介して管理装置12に送信する。
【0057】
走行制御部155は、走行データ取得部152により取得された散水車両1の走行データと、センサデータ取得部153により取得された検出データとに基づいて、走行装置102を制御する。
【0058】
散水制御部156は、散水データ取得部151により取得された散水車両1の散水データに基づいて、散水スプレー104を制御する。
【0059】
制御装置16は、センサデータ送信部161と、送迎要求部162と、運転制御部163とを有する。
【0060】
センサデータ送信部161は、位置センサ22の検出データを、通信システム13を介して管理装置12に送信する。
【0061】
送迎要求部162は、ショベル8に対するオペレータの送迎要求を管理装置12に送信する。送迎要求部162は、要求操作装置23が操作されることにより生成された操作データを、通信システム13を介して管理装置12に送信することによって、管理装置12に送迎要求を送信する。
【0062】
運転制御部163は、運転操作装置24が操作されることにより生成された操作データに基づいて、走行装置802及び作業機803を制御する。
【0063】
図4は、実施形態に係る管理装置12のハードウエア構成図である。管理装置12は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインタフェース1004とを有する。上述の管理装置12の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0064】
制御装置15及び制御装置16のそれぞれも、図4に示すようなコンピュータシステム1000を含む。上述の制御装置15及び制御装置16のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。
【0065】
[走行データ]
図5は、実施形態に係る散水車両1の走行データを説明するための模式図である。
【0066】
散水車両1の走行データは、散水車両1の走行条件を規定する。散水車両1の走行データは、走行点31、走行パス32、散水車両1の目標位置、散水車両1の目標方位、及び散水車両1の目標走行速度を含む。散水車両1の走行データは、走行データ生成部124において生成される。
【0067】
走行点31は、作業現場10に複数設定される。走行点31は、散水車両1の目標位置を規定する。複数の走行点31のそれぞれに、散水車両1の目標方位及び散水車両1の目標走行速度が設定される。複数の走行点31は、間隔をあけて設定される。走行点31の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。
【0068】
走行パス32とは、散水車両1の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行パス32は、複数の走行点31を通過する軌跡によって規定される。散水車両1は、走行パス32に従って作業現場10を走行する。散水車両1は、散水車両1の車幅方向において、散水車両1の中心と走行パス32とが一致するように走行する。
【0069】
散水車両1の目標位置とは、走行点31を通過するときの散水車両1の目標位置をいう。散水車両1の目標位置は、散水車両1のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。
【0070】
散水車両1の目標方位とは、走行点31を通過するときの散水車両1の目標方位をいう。
【0071】
散水車両1の目標走行速度とは、走行点31を通過するときの散水車両1の目標走行速度をいう。
【0072】
走行制御部155は、散水車両1の走行データと、センサデータ取得部153により取得された検出データとに基づいて、散水車両1が走行パス32に従って走行するように、走行装置102を制御する。
【0073】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに位置センサ17により検出された散水車両1の検出位置と走行点31に設定されている散水車両1の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0074】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに方位センサ18により検出された散水車両1の検出方位と走行点31に設定されている散水車両1の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0075】
走行制御部155は、走行点31を通過するときに速度センサ19により検出された散水車両1の検出走行速度と走行点31に設定されている散水車両1の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置102を制御する。
【0076】
[送迎方法の第1実施形態:ショベルからオフィスまでの送迎方法]
図6は、実施形態に係るショベル8からオフィスまでの送迎方法を示すフローチャートである。図7図8、及び図9のそれぞれは、実施形態に係るショベル8からオフィスまでの送迎方法を説明するための模式図である。
【0077】
待機場6にオフィスが存在する。オフィスは、オペレータの待機施設及び休憩施設を含む。実施形態においては、散水車両1がショベル8からオフィスまでのオペレータの輸送に割り当てられたときの送迎作業について説明する。
【0078】
ショベル8のオペレータは、例えば休憩する場合又は就業時間が終了した場合、ショベル8からオフィスに移動するために、ショベル8に配置されている要求操作装置23を操作する(ステップSC11)。
【0079】
送迎要求部162は、要求操作装置23が操作されることにより生成された操作データに基づいて、管理装置12に、通信システム13を介して送迎要求を送信する。
【0080】
センサデータ送信部161は、ショベル8の位置を示す位置センサ22の検出データを常時又は定期的に管理装置12に送信する。積込機械位置取得部122は、ショベル8の位置を常時又は定期的に取得する(ステップSB11)。
【0081】
目的位置決定部123は、送迎要求部162から送信された送迎要求を受信して、送迎要求を送信したショベル8を特定する。目的位置決定部123は、送迎要求を送信したショベル8の位置に基づいて、散水車両1の目的位置を決定する(ステップSB12)。
【0082】
図9に示すように、目的位置は、送迎要求を送信したショベル8の近傍に設定される。第1実施形態に係る送迎方法において、目的位置は、オフィスへの移動を希望するオペレータWMを散水車両1に乗車させる乗車位置(迎車位置)である。
【0083】
アサイン部126は、送迎要求部162から送信された送迎要求を受信したときに、作業現場10において散水データに基づいて散水作業している複数の散水車両1から、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定する。実施形態において、送迎作業に割り当てられる散水車両1は、ステップSB12において決定された乗車位置に走行させる散水車両1を意味する(ステップSB13)。
【0084】
センサデータ送信部154は、散水車両1の位置を示す位置センサ17の検出データ及びタンク103に貯蔵されている水の残量を示す重量センサ20の検出データを常時又は定期的に管理装置12に送信する。アサイン部126は、散水車両1の位置及びタンク103の水の残量を常時又は定期的に取得する。
【0085】
アサイン部126は、複数の散水車両1のそれぞれの位置に基づいて、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定してもよい。アサイン部126は、複数の散水車両1のうち、例えば乗車位置に最も近い位置に存在する散水車両1を送迎作業に割り当ててもよい。乗車位置に最も近い位置に存在する散水車両1が送迎作業に割り当てられることにより、散水車両1は、短時間で乗車位置に到達することができる。
【0086】
アサイン部126は、複数の散水車両1のそれぞれのタンク103に貯蔵されている水の残量に基づいて、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定してもよい。図7に示すように、アサイン部126は、複数の散水車両1のうち、タンク103の水の残量が最も少ない散水車両1を送迎作業に割り当ててもよい。タンク103の水の残量が少ない散水車両1が送迎作業に割り当てられることにより、散水車両1は、低燃費で乗車位置に到達することができる。また、タンク103に給水する給水場がオフィスの近くに存在する場合、散水車両1は、オペレータWMをオフィスまで移送した後に、給水場まで走行して、給水を受けることができる。
【0087】
走行データ生成部124は、ステップSB12において決定された乗車位置に基づいて、送迎作業に割り当てられた散水車両1の走行データを生成する(ステップSB14)。
【0088】
散水車両1が作業現場10に存在する場合、走行データ生成部124は、散水車両1の現在位置と乗車位置とを結ぶように、走行パス32を生成する。
【0089】
散水車両1の現在位置とは、目的位置決定部123が送迎要求を受信した時点における散水車両1の位置をいう。散水車両1は、作業現場10において散水データに基づいて散水作業する。散水作業により散水車両1の位置が変化する。散水データは、散水スプレー104から水を噴射させる散水実行指令及び散水スプレー104からの水の噴射を停止させる散水停止指令を含む。散水車両1は、現在位置において散水スプレー104から水を噴射してもよいし噴射しなくてもよい。実施形態において、散水作業は、散水スプレー104から水を噴射すること及び散水スプレー104からの水の噴射を停止することを含む。すなわち、現在位置は、散水作業において散水車両1が存在する位置であり、散水が実施されている位置でもよいし散水が停止されている位置でもよい。
【0090】
走行データ生成部124は、アサイン部126により送迎作業に割り当てられた散水車両1に走行パス32を含む走行データを送信する。
【0091】
実施形態において、走行データ生成部124は、散水状況記憶部127に記憶されている散水済エリア及び未散水エリアに基づいて、送迎作業における走行データを生成する。図8に示すように、送迎作業に割り当てられた散水車両1が乗車位置に向かうための走行路7が複数存在する場合において、第1の走行路7Aが未散水エリアであり、第2の走行路7Bが散水済エリアである場合、走行データ生成部124は、散水車両1が未散水エリアである第1の走行路7Aを散水しながら走行するように、送迎作業における走行データを生成してもよい。
【0092】
アサイン部126は、送迎作業の走行データが送信された散水車両1が乗車位置に走行するように送迎指令を出力する。
【0093】
送迎作業の走行データを受信した散水車両1は、送迎指令を受信した後、散水モードから送迎モードに移行する。散水車両1は、走行データに基づいて、現在位置から目的位置まで走行する(ステップSA11)。
【0094】
図9に示すように、送迎作業に割り当てられた散水車両1は、散水しながら現在位置から乗車位置まで走行する。散水車両1が乗車位置に到着した後、オペレータWMは、散水車両1に搭乗する。オペレータWMが散水車両1に搭乗した後、散水車両1は、走行パス32を含む走行データに基づいて、乗車位置からオフィスまで走行する(ステップSA12)。
【0095】
実施形態において、散水車両1にはオペレータWMにより操作される発進スイッチが設けられてもよい。オペレータWMが散水車両1に搭乗した後、発進スイッチを操作することにより、散水車両1は、乗車位置からオフィスに向かって発進する。なお、散水車両1に人感センサが設けられる場合、散水車両1は、人感センサに基づいて、オペレータWMが散水車両1に搭乗したと判定した後、乗車位置からオフィスに向かって発進してもよい。
【0096】
散水車両1がオフィスに到着した後、オペレータWMは、散水車両1から降車する。これにより、オペレータWMは、オフィスで休憩したり、オフィスから帰宅したりすることができる。オペレータWMは、散水車両1から降車した後、例えば携帯端末を用いて、散水車両1から降車したことを示す降車通知を管理装置12に送信する。アサイン部126は、降車通知を受信した後、送迎作業に割り当てられていた散水車両1の送迎モードを解除する解除指令を散水車両1に送信する(ステップSB15)。
【0097】
解除指令を受信した散水車両1は、送迎モードから散水モードに移行する。散水車両1は、散水データに基づいて、オフィスの近傍の走行路7から散水作業を再開する(ステップSA13)。
【0098】
[効果]
以上説明したように、第1実施形態に係る送迎方法によれば、オペレータWMは、散水車両1によりショベル8からオフィスまで送迎される。散水車両1の目的位置である乗車位置は、ショベル8の位置に基づいて決定される。これにより、散水車両1は、ショベル8のオペレータWMを円滑に送迎することができる。
【0099】
散水車両1は、散水データに基づいて散水作業を実施する。散水車両1は、必要に応じて散水する。散水車両1は、例えば、乾いた地面に散水し濡れた地面には散水しない。例えば散水を停止している散水車両1が送迎作業に割り当てられることにより、散水車両1が有効活用される。また、別の例として、駐機場5で駐機している散水車両1が送迎作業に割り当てられてもよい。
【0100】
[第1実施形態の変形例]
上述の実施形態においては、ショベル8に設けられた要求操作装置23が操作されることにより、ショベル8から管理装置12に送迎要求が送信されることとした。オペレータWMに支給された携帯端末が操作されることにより、管理装置12に送迎要求が送信されてもよい。
【0101】
上述の実施形態においては、オペレータWMが散水車両1から降車した後、携帯端末が操作されることにより、降車通知が管理装置12に送信されることとした。オフィスに設けられた降車通知装置が操作されることにより、降車通知が管理装置12に送信されてもよいし、散水車両1から降車する直前に散水車両1に設けられた装置がオペレータWMによって操作されることにより降車通知が管理装置12に送信されてもよい。
【0102】
[送迎方法の第2実施形態:オフィスからショベルまでの送迎方法]
図10は、実施形態に係るオフィスからショベル8までの送迎方法を示すフローチャートである。図11は、実施形態に係るオフィスからショベル8までの送迎方法を説明するための模式図である。
【0103】
実施形態においては、散水車両1がオフィスからショベル8までのオペレータWMの輸送に割り当てられたときの散水車両1について説明する。
【0104】
オペレータWMは、例えば休憩が終了した場合又は就業時間が開始される場合、オフィスからショベル8に移動するために、管理装置12に送迎要求を送信する。オペレータWMは、例えば携帯端末を用いて、管理装置12に送迎要求を送信する。
【0105】
実施形態において、送迎要求は、オペレータWMが搭乗を希望するショベル8を指定する指定データを含む。オペレータWMは、例えば携帯端末を操作して、作業現場10に存在する複数のショベル8のうち、搭乗を希望するショベル8を指定する。
【0106】
なお、オペレータWMとは異なる第三者が管理装置12に送迎要求を送信してもよい。例えば、作業現場10の管理者が管理装置12に送迎要求を送信してもよい。
【0107】
積込機械位置取得部122は、送迎要求に基づいて、指定されたショベル8を特定する(ステップSB21)。
【0108】
積込機械位置取得部122は、ショベル8の位置を常時又は定期的に取得する。積込機械位置取得部122は、ステップSB21において特定されたショベル8の位置を特定する(ステップSB22)。
【0109】
目的位置決定部123は、ステップSB22において特定されたショベル8の位置に基づいて、散水車両1の目的位置を決定する(ステップSB23)。
【0110】
第2実施形態に係る送迎方法において、目的位置は、ショベル8への移動を希望するオペレータWMを散水車両1から降車させる降車位置である。図11に示すように、降車位置は、オペレータWMが搭乗を希望するショベル8の近傍に設定される。
【0111】
アサイン部126は、携帯端末から送信された送迎要求を受信したときに、作業現場10に存在する複数の散水車両1から、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定する(ステップSB24)。
【0112】
アサイン部126は、複数の散水車両1のそれぞれの位置に基づいて、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定してもよいし、複数の散水車両1のそれぞれのタンク103に貯蔵されている水の残量に基づいて、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定してもよい。
【0113】
走行データ生成部124は、ステップSB22において決定された降車位置に基づいて、送迎作業に割り当てられた散水車両1の走行データを生成する(ステップSB25)。
【0114】
散水車両1が作業現場10に存在する場合、走行データ生成部124は、散水車両1の現在位置とオフィスとを結ぶように、走行パス32を生成する。また、走行データ生成部124は、オフィスと降車位置とを結ぶように、走行パス32を生成する。
【0115】
走行データ生成部124は、アサイン部126により送迎作業に割り当てられた散水車両1に走行パス32を含む走行データを送信する。
【0116】
アサイン部126は、送迎作業の走行データが送信された散水車両1がオフィスまでに走行するように送迎指令を出力する。
【0117】
送迎作業の走行データを受信した散水車両1は、送迎指令を受信した後、散水モードから送迎モードに移行する。散水車両1は、走行データに基づいて、現在位置からオフィスまで走行する(ステップSA21)。
【0118】
散水車両1がオフィスに到着した後、オペレータWMは、散水車両1に乗車する。オペレータWMが散水車両1に乗車した後、散水車両1は、走行データに基づいて、オフィスから降車位置まで走行する(ステップSA22)。
【0119】
実施形態において、散水車両1にはオペレータWMにより操作される発進スイッチが設けられてもよい。オペレータWMが散水車両1に搭乗した後、発進スイッチを操作することにより、散水車両1は、オフィスから降車位置に向かって発進する。なお、散水車両1に人感センサが設けられる場合、散水車両1は、人感センサに基づいて、オペレータWMが散水車両1に搭乗したと判定した後、オフィスから降車位置に向かって発進してもよい。
【0120】
散水車両1が降車位置に到着した後、オペレータWMは、散水車両1から降車する。これにより、オペレータWMは、ショベル8に搭乗することができる。オペレータWMは、散水車両1から降車した後、例えば携帯端末を用いて、散水車両1から降車したことを示す降車通知を管理装置12に送信する。アサイン部126は、降車通知を受信した後、送迎作業に割り当てられていた散水車両1の送迎モードを解除する解除指令を散水車両1に送信する(ステップSB26)。
【0121】
なお、オペレータWMが散水車両1から降車するとき、ショベル8に設けられた降車通知装置が操作されることにより、降車通知が管理装置12に送信されてもよい。
【0122】
解除指令を受信した散水車両1は、送迎モードから散水モードに移行する。散水車両1は、散水データに基づいて、降車位置の近傍の走行路7から散水作業を再開する(ステップSA23)。
【0123】
[効果]
以上説明したように、実施形態においても、散水車両1は、ショベル8のオペレータWMを円滑に送迎することができる。
【0124】
[送迎方法の第3実施形態:スケジュールによる送迎方法]
図12は、実施形態に係るスケジュールによる送迎方法を示すフローチャートである。実施形態において、アサイン部126は、送迎要求に基づかずに、スケジュール管理部125により管理されている送迎時刻に基づいて、散水車両1を送迎作業に割り当てる。実施形態においては、散水車両1がショベル8からオフィスまでのオペレータWMの輸送に割り当てられたときの送迎作業について説明する。
【0125】
スケジュール管理部125は、散水車両1によるオペレータWMの送迎時刻を管理する。スケジュール管理部125は、送迎時刻においてオペレータWMを迎えに行くショベル8を特定する(ステップSB31)。
【0126】
積込機械位置取得部122は、スケジュール管理部125により特定されたショベル8の位置を特定する(ステップSB32)。
【0127】
目的位置決定部123は、特定したショベル8の位置に基づいて、散水車両1の目的位置を決定する(ステップSB33)。
【0128】
第3実施形態に係る送迎方法において、目的位置は、オフィスへの移動を希望するオペレータWMの乗車位置である。
【0129】
アサイン部126は、送迎時刻になったときに、作業現場10において散水データに基づいて散水作業している複数の散水車両1から、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定する(ステップSB34)。
【0130】
アサイン部126は、複数の散水車両1のそれぞれの位置に基づいて、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定してもよいし、複数の散水車両1のそれぞれのタンク103に貯蔵されている水の残量に基づいて、送迎作業に割り当てる散水車両1を決定してもよい。
【0131】
走行データ生成部124は、ステップSB33において決定された乗車位置に基づいて、送迎作業に割り当てられた散水車両1の走行データを生成する(ステップSB35)。
【0132】
走行データ生成部124は、アサイン部126により送迎作業に割り当てられた散水車両1に走行パス32を含む走行データを送信する。
【0133】
アサイン部126は、送迎作業の走行データが送信された散水車両1が送迎時刻に乗車位置に走行するように送迎指令を出力する。
【0134】
送迎作業の走行データを受信した散水車両1は、送迎指令を受信した後、散水モードから送迎モードに移行する。散水車両1は、走行データに基づいて、現在位置から乗車位置まで走行する(ステップSA31)。
【0135】
散水車両1が乗車位置に到着した後、オペレータWMは、散水車両1に搭乗する。オペレータWMが散水車両1に搭乗した後、散水車両1は、走行パス32を含む走行データに基づいて、乗車位置からオフィスまで走行する(ステップSA32)。
【0136】
散水車両1がオフィスに到着した後、オペレータWMは、散水車両1から降車する。これにより、オペレータWMは、オフィスで休憩したり、オフィスから帰宅したりすることができる。オペレータWMは、散水車両1から降車した後、例えば携帯端末を用いて、散水車両1から降車したことを示す降車通知を管理装置12に送信する。アサイン部126は、降車通知を受信した後、送迎作業に割り当てられていた散水車両1の送迎モードを解除する解除指令を散水車両1に送信する(ステップSB36)。
【0137】
解除指令を受信した散水車両1は、送迎モードから散水モードに移行する。散水車両1は、散水データに基づいて、オフィスの近傍の走行路7から散水作業を再開する(ステップSA33)。
【0138】
以上、スケジュール管理部125により管理されている送迎時刻に基づいて、散水車両1がショベル8からオフィスまでオペレータWMを輸送する例について説明した。スケジュール管理部125により管理されている送迎時刻に基づいて、散水車両1がオフィスからショベル8までオペレータWMを輸送してもよい。
【0139】
[効果]
以上説明したように、実施形態においても、散水車両1は、ショベル8のオペレータWMを円滑に送迎することができる。
【0140】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、管理装置12がオペレータからの送迎要求を受信した時点において、散水車両1を走行させる目的位置(乗車位置及び降車位置)を散水車両1に指示することとした。オペレータが散水車両1に乗車した後に、散水車両1の制御装置14を介して降車位置を指示してもよいし、携帯端末を操作して降車位置を指示してもよい。
【0141】
上述の実施形態において、散水車両1がオペレータの交代のために走行してもよい。例えば、オフィスから送迎要求が出力された場合、散水車両1がまずオフィスに向かい次のシフトのオペレータを乗車させる。その後、目的位置であるショベル8の近傍まで走行させ、そのオペレータを降車させた後に、前のシフトのオペレータを乗車させる。再度次の目的位置であるオフィスに向かって走行させ、前のシフトのオペレータをオフィスで降車させる、というプロセスであってもよい。
【0142】
上述の実施形態においては、散水車両1がショベル8とオフィスとの間でオペレータを送迎することした。散水車両1は、作業現場10の任意の2地点の間でオペレータを送迎してもよい。散水車両1は、例えばオフィスと駐機場5との間でオペレータを送迎してもよいし、第1のショベルと第2のショベルとの間でオペレータを送迎してもよい。また、任意の地点が乗車位置に指定され、任意の地点が降車位置に指定されてもよい。
【0143】
上述の実施形態においては、散水車両1が無人車両であることとした。散水車両1は、有人車両でもよい。散水車両1が有人車両である場合、有人車両の運転者に対して送迎指令が出力されてもよい。
【0144】
上述の実施形態においては、目的位置(乗車位置又は降車位置)の対象がショベル8であることとした。目的位置の対象は、ブルドーザ、ホイールローダ、その他の作業機械でもよい。
【符号の説明】
【0145】
1…散水車両、2…運搬車両、3…積込場、4…排土場、5…駐機場、6…待機場、7…走行路、8…ショベル(積込機械)、9…破砕機、10…作業現場、11…管理システム、12…管理装置、13…通信システム、13A…無線通信機、13B…無線通信機、13C…無線通信機、14…管制施設、15…制御装置、16…制御装置、17…位置センサ、18…方位センサ、19…速度センサ、20…重量センサ、22…位置センサ、23…要求操作装置、24…運転操作装置、31…走行点、32…走行パス、101…車体、102…走行装置、103…タンク、104…散水スプレー、121…散水データ生成部、122…積込機械位置取得部、123…目的位置決定部、124…走行データ生成部、125…スケジュール管理部、126…アサイン部、127…散水状況記憶部、151…散水データ取得部、152…走行データ取得部、153…センサデータ取得部、154…センサデータ送信部、155…走行制御部、156…散水制御部、161…センサデータ送信部、162…送迎要求部、163…運転制御部、801…旋回体、802…走行装置、803…作業機、803A…ブーム、803B…アーム、803C…バケット、804…作業機シリンダ、804A…ブームシリンダ、804B…アームシリンダ、804C…バケットシリンダ、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インタフェース、WM…オペレータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12