(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176645
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】緊急通報支援装置、緊急通報支援方法、及び、緊急通報支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 27/00 20060101AFI20231206BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231206BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20231206BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G08B27/00 Z
G06Q50/10
G08B25/08 B
H04M11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089042
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】高木 優二
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和也
(72)【発明者】
【氏名】梶原 ほのか
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 優希
(72)【発明者】
【氏名】牧浦 敏昌
【テーマコード(参考)】
5C087
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA03
5C087BB64
5C087BB73
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD35
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG07
5C087GG12
5C087GG14
5C087GG19
5C087GG28
5C087GG31
5C087GG70
5C087GG82
5C087GG83
5K201BA03
5K201CC05
5K201DC02
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED07
5L049CC17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】緊急通報が行われた場合、緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、緊急通報が示す事象を迅速に認識できるように支援する緊急通報支援装置、緊急通報支援方法及び緊急通報支援プログラムを提供する。
【解決手段】緊急通報支援装置50は、複数の端末装置60の位置情報510を取得する取得部51と、端末装置60のいずれかから行われた緊急通報520を取得して、緊急通報520を行った通報元端末装置60-1を特定する通報元特定部52と、通報元端末装置60-1を除く端末装置60のうち、位置情報510によって示される通報元端末装置60-1との位置の近さが通知先特定基準530を満たす通知先端末装置60-2を特定する通知先特定部53と、通知先端末装置60-2に、緊急通報520及び通報元端末装置60-1に関する位置情報510を通知する通知部54と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置の位置情報を取得する取得手段と、
前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定する通報元特定手段と、
前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定する通知先特定手段と、
前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する通知手段と、
を備える緊急通報支援装置。
【請求項2】
前記通知先特定手段は、前記端末装置のうち、通知先登録情報に登録されている登録済端末装置の中から、前記通知先端末装置を特定する、
請求項1に記載の緊急通報支援装置。
【請求項3】
前記通知先登録情報は、前記登録済端末装置の使用者に関する、前記緊急通報が示す状態の救急患者に対する救急処置が行えるか否かを表す属性を含み、
前記通知先特定手段は、前記通知先登録情報によって示される前記救急処置を行える使用者の前記登録済端末装置を、前記通知先端末装置として特定する、
請求項2に記載の緊急通報支援装置。
【請求項4】
前記通知先特定基準は、前記通報元端末装置との距離が閾値以下であることを表し、前記閾値は、前記緊急通報が表す事象の重大さが大きいほど大きな値を示す、
請求項1または請求項2に記載の緊急通報支援装置。
【請求項5】
前記通知手段は、前記緊急通報が示す状態の救急患者に対する救急処置の方法を表す救急処置情報を取得して、前記通知先端末装置に、前記救急処置情報を通知する、
請求項1または請求項2に記載の緊急通報支援装置。
【請求項6】
前記緊急通報を出力し、出力された前記緊急通報に応じて入力された、前記通知手段による前記通知先端末装置に対する、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報の通知を行うか否かを指示する指示情報を受け付ける入出力手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記指示情報が、前記通知を行わないことを示す場合、前記通知を行うことを中止する、
請求項1または請求項2に記載の緊急通報支援装置。
【請求項7】
前記緊急通報から特性を抽出し、抽出した前記特性が誤報判定基準を満たす場合、前記緊急通報が誤報であると判定する判定手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記判定手段により前記緊急通報が誤報であると判定された場合、前記通知先端末装置に対する前記緊急通報及び前記通報元端末装置に関する前記位置情報の通知を行うことを中止する、
請求項1または請求項2に記載の緊急通報支援装置。
【請求項8】
前記通知先特定手段は、前記通報元端末装置と通信する第1の基地局と通信する前記端末装置、及び、前記第1の基地局との位置の近さが基準を満たす第2の基地局と通信する前記端末装置の中から、前記通知先端末装置を特定する、
請求項1または請求項2に記載の緊急通報支援装置。
【請求項9】
情報処理装置によって、
複数の端末装置の位置情報を取得し、
前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定し、
前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定し、
前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する、
緊急通報支援方法。
【請求項10】
複数の端末装置の位置情報を取得する取得処理と、
前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定する通報元特定処理と、
前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定する通知先特定処理と、
前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させるための緊急通報支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急通報支援装置、緊急通報支援方法、及び、緊急通報支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の緊急通報(119番通報等)による救急対応が、日々行われている。救急対応において、救急患者がいる現場に救急隊員が到着するまでに、その現場にいる人によって適切な救急処置が行われることによって救急患者の生存率を高めることができる。したがって、現場にいる人が適切な救急処置を行うことを支援する技術が期待されている。
【0003】
上述の技術に関連して、特許文献1には、救急患者を通報する通報者によるAED(Automated External Defibrillator)の入手を促す移動体通信システムが開示されている。このシステムは、AEDの所在地が登録されたデータベースを備え、通報者の端末から通報があった際に、通報者の端末の位置情報を取得する。このシステムは、取得した位置情報とデータベースとから、通報者の端末の位置から最も近いAEDの所在情報を抽出する。このシステムは、抽出したAEDの所在情報を通報者の端末に送信し、かつ、AEDが備える携帯端末と通信を行い、AEDが備える報知機能を介して周囲への報知の開始を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、救急患者を通報する緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる救急処置に詳しい人が、当該緊急通報が行われたことを認識できれば、救急患者に対する救急処置の支援を、より適切に行うことができる。あるいは、火災の発生等を通報する緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が行われたことを認識できれば、現場の近辺に住む人が、その火災に対する消火活動あるいはその火災からの避難行動を、より適切に行うことができる。即ち、緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が示す事象を迅速に認識できるように支援することが課題である。特許文献1は、このような課題について特に言及していない。
【0006】
本発明の主たる目的は、緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が示す事象を迅速に認識できるように支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る緊急通報支援装置は、複数の端末装置の位置情報を取得する取得手段と、前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定する通報元特定手段と、前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定する通知先特定手段と、前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する通知手段と、を備える。
【0008】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る緊急通報支援方法は、情報処理装置によって、複数の端末装置の位置情報を取得し、前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定し、前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定し、前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する。
【0009】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る緊急通報支援プログラムは、複数の端末装置の位置情報を取得する取得処理と、前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定する通報元特定処理と、前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定する通知先特定処理と、前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する通知処理と、をコンピュータに実行させる。
【0010】
更に、本発明は、係る緊急通報支援プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が示す事象を迅速に認識できるように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る緊急通報支援システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る緊急通報支援装置10の動作を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係る緊急通報支援装置50の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る緊急通報支援装置50の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の各実施形態に係る緊急通報支援装置を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る緊急通報支援システム1の構成を示すブロック図である。緊急通報支援システム1は、大別して、緊急通報支援装置10、複数の端末装置20、管理端末装置30、隊員端末装置40を有する。緊急通報支援装置10、複数の端末装置20、管理端末装置30、隊員端末装置40は、例えばインターネット等の通信ネットワーク(不図示)を介して通信可能に接続されている。
【0015】
複数の端末装置20、管理端末装置30、隊員端末装置40は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの情報処理装置である。
【0016】
複数の端末装置20は、その使用者が、例えば消防署あるいは警察署等に緊急通報172(119番通報あるいは110番通報等)を行う際、あるいは、緊急通報支援装置10から送信された情報を確認する際に使用する装置である。緊急通報172は、例えば、救急患者の通報、火災の発生の通報、暴動などの事件の発生の通報などを含む。複数の端末装置20は、後述する通報元端末装置20-1、通知先端末装置20-2、その他端末装置20-3を含む。
【0017】
管理端末装置30は、緊急通報支援装置10の使用者(例えば消防署あるいは警察署の職員等)が、緊急通報支援装置10に対して情報を入力する、あるいは、緊急通報支援装置10から出力された情報を確認する際に使用する装置である。
【0018】
隊員端末装置40は、通報元端末装置20-1から行われた緊急通報172に応じて緊急通報172が示す事象が発生した現場に出動する隊員(救急隊員、消防隊員、警察官等を含む)が、現場に出動する際に使用する装置である。
【0019】
緊急通報支援装置10は、例えば消防署あるいは警察署等が使用するサーバ等の情報処理装置である。緊急通報支援装置10は、取得部11、通報元特定部12、通知先特定部13、通知部14、入出力部15、判定部16、記憶部17を備える。取得部11、通報元特定部12、通知先特定部13、通知部14、入出力部15、判定部16は、順に、取得手段、通報元特定手段、通知先特定手段、通知手段、入出力手段、判定手段の一例である。
【0020】
記憶部17は、例えば、
図5を参照して後述するRAM(Random Access Memory)903あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部17は、位置情報171、緊急通報172、通知先特定基準173、通知先登録情報174、救急処置情報175、誤報判定基準176を記憶している。記憶部17に記憶されたこれらの情報に関しては後述する。
【0021】
取得部11は、複数の端末装置20の個々から、端末装置20の位置情報171を、随時あるいは所定のタイミングに取得する。位置情報171は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)により取得可能な情報である。取得部11は、取得した位置情報171を、端末装置20を識別(特定)可能な情報と関連付けて、記憶部17に格納する。端末装置20を識別可能な情報は、例えば、MAC(Media Access Control)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレス、電話番号等を表す情報である。
【0022】
通報元特定部12は、端末装置20のいずれかである通報元端末装置20-1から行われた緊急通報172を取得する。緊急通報172は、例えば消防署への119番通報、あるいは警察署への110番通報等である。通報元特定部12は、消防署あるいは警察署等における緊急通報172を受け付けるシステムから、緊急通報172を取得可能である。
【0023】
通報元特定部12は、取得した緊急通報172を記憶部17に格納する。緊急通報172は、例えば通報の音声を表す情報、及び、通報元端末装置20-1を識別可能な情報を含む。通報元特定部12は、例えば、既存の音声認識技術を用いて認識された、通報の音声を表す文章を含む緊急通報172を、記憶部17に格納してもよい。通報元特定部12は、緊急通報172に含まれる、通報元端末装置20-1を識別可能な情報を抽出することによって、通報元端末装置20-1を特定する。
【0024】
通知先特定部13は、複数の端末装置20のうち、位置情報171によって示される通報元端末装置20-1との位置の近さが通知先特定基準173を満たす通知先端末装置20-2を特定する。通知先特定基準173は、例えば、通報元端末装置20-1との距離が所定の閾値以下であることを表す。通知先特定基準173は、例えば、緊急通報支援装置10の使用者等によって与えられる。通知先特定部13は、位置情報171に基づいて、通報元端末装置20-1と、通報元端末装置20-1を除く端末装置20との距離を算出可能である。
【0025】
通知先特定部13は、例えば、緊急通報172が表す事象の重大さに応じて異なる通知先特定基準173を用いてもよい。この場合、通知先特定基準173は、緊急通報172が表す事象の状態の重大さ(例えば、救急患者の状態の重大さ、発生した火災の状態の重大さなど)ごとの基準を表す。そして通知先特定部13は、例えば緊急通報172を表す文章等を分析することによって得られた緊急通報172が表す事象の状態の重大さを、通知先特定基準173と照合し、通知先端末装置20-2を特定する。通知先特定部13は、例えば、救急患者の出血量及び意識の有無、発生した火災の延焼範囲などを表すキーワードを、緊急通報172を表す文章から抽出することによって、緊急通報172が表す事象の状態の重大さを判定すればよい。
【0026】
例えば、緊急通報172が救急通報であり、当該救急通報が示す救急患者が軽症(軽傷)であって、多くの人がその救急患者に対する救急処置を行うことが可能である場合、通報元端末装置20-1の近辺にいる当該救急処置を行うことが可能な人は多いと推定される。したがって、この場合、通知先特定基準173が示す通報元端末装置20-1との距離に関する閾値は小さな値でもよい。これに対して、当該救急通報が示す救急患者が重症(重傷)であって、その救急患者に対する救急処置を行うことが可能な人が救急処置に関する高度なスキルを有する人に限定される場合、通報元端末装置20-1の近辺にいる当該救急処置を行うことが可能な人は少ないと推定される。したがって、この場合、当該救急処置を行うことが可能な人に緊急通報172を通知できるように、通知先特定基準173が示す通報元端末装置20-1との距離に関する閾値は大きな値とすることが望ましい。即ち、通知先特定基準173が示す当該閾値は、緊急通報172が表す救急患者の症状(傷の状態)の重大さ(重篤さ)が大きいほど、大きな値とすればよい。
【0027】
また、緊急通報172が火災発生の通報であり、当該火災発生の通報が示す火災の規模が小規模である場合、その火災からの避難が必要となる地域は狭いと推定されるので、通知先特定基準173が示す通報元端末装置20-1との距離に関する閾値は小さな値でもよい。これに対して、当該火災発生の通報が示す火災の規模が大規模である場合、その火災からの避難が必要となる地域は広いと推定されるので、通知先特定基準173が示す通報元端末装置20-1との距離に関する閾値は大きな値とすることが望ましい。即ち、通知先特定基準173が示す当該閾値は、緊急通報172が表す火災の規模(即ち重大さ)が大きいほど、大きな値とすればよい。
【0028】
通知先特定部13は、また、通知先端末装置20-2を特定する際に、通知先登録情報174を用いてもよい。通知先登録情報174は、緊急通報172の通知先として事前に登録されている端末装置20を表す情報である。通知先特定部13は、通知先登録情報174を用いる場合、通報元端末装置20-1との位置の近さが通知先特定基準173を満たす端末装置20のうち、通知先登録情報174に登録されている端末装置20(登録済端末装置)を通知先端末装置20-2として特定する。即ちこの場合、通知先特定部13は、通報元端末装置20-1との位置の近さが通知先特定基準173を満たす端末装置20であっても、通知先登録情報174に登録されていない場合は、通知先端末装置20-2として特定する対象から除外する。
【0029】
通知先登録情報174は、また、登録済端末装置の使用者に関する、緊急通報172が示す状態の救急患者に対する救急処置が行えるか否かを表す属性を含んでもよい。救急処置が行えるか否かを表す属性は、例えば、人工呼吸を行えるか否か、心臓マッサージを行えるか否か、止血処置を行えるか否か、骨折箇所に対する救急処置を行えるか否か等を表す。そしてこの場合、通知先特定部13は、通報元端末装置20-1との位置の近さが通知先特定基準173を満たす登録済端末装置のうち、通知先登録情報174によって示される、緊急通報172が示す状態の救急患者に対する救急処置を行うことが可能な使用者の登録済端末装置を、通知先端末装置20-2として特定する。
【0030】
通知部14は、端末装置20のうち、通知先特定部13によって特定された通知先端末装置20-2に、緊急通報172、及び、通報元端末装置20―1に関する位置情報171を通知する。即ち、通知部14は、端末装置20に含まれるその他端末装置20-3に対しては、緊急通報172、及び、通報元端末装置20―1に関する位置情報171の通知を行わない。
【0031】
通知部14は、また、緊急通報172が示す状態の救急患者に対する救急処置の方法を表す救急処置情報175を、緊急通報支援装置10と通信可能に接続されている装置(データベース等)から取得して記憶部17に格納する。通知部14は、通知先端末装置20-2に、取得した救急処置情報175も合わせて通知する。救急処置情報175は、例えば、人工呼吸及び心臓マッサージのやり方、AEDの使用方法等を含む救急処置の方法を表す、例えば、文章、図面、あるいは、動画像等である。通知部14は、また、緊急通報172の通知に対して、現場に行く旨の返信を行った通知先端末装置20―2に対してのみ、救急処置情報175を通知するようにしてもよい。
【0032】
入出力部15は、取得部11によって取得された緊急通報172を管理端末装置30に出力する。管理端末装置30は、入出力部15から出力された緊急通報172が表す文章を具備する表示画面に表示する、あるいは、緊急通報172が表す音声を具備するスピーカから出力することなどによって、緊急通報172を緊急通報支援装置10の使用者に提示する。緊急通報172を提示された緊急通報支援装置10の使用者は、例えば、緊急通報172の内容及び音声の状態等から、緊急通報172がいたずらなどの誤報であるかいなを判断する。
【0033】
入出力部15は、提示された緊急通報172に応じて緊急通報支援装置10の使用者によって管理端末装置30を介して入力された、通知部14による通知先端末装置20-2に対する緊急通報172及び通報元端末装置20-1に関する位置情報171の通知を行うか否かを指示する指示情報を受け付ける。当該指示情報は、当該使用者によって緊急通報172が誤報ではないと判断された場合において、通知部14による通知先端末装置20-2に対する通知を行うことを表す。当該指示情報は、当該使用者によって緊急通報172が誤報であると判断された場合において、通知部14による通知先端末装置20-2に対する通知を行わないことを表す。
【0034】
通知部14は、当該指示情報が通知先端末装置20-2に対する通知を行うことを示す場合、当該通知を行い、当該指示情報が当該通知を行わないことを示す場合、当該通知を行うことを中止する。
【0035】
判定部16は、緊急通報172から、緊急通報172がいたずらなどの誤報であるか否かの判定に必要となる特性を抽出する。当該特性は、例えば、緊急通報172に論理的に矛盾する内容が含まれるか否かを表す。当該特性は、例えば、緊急通報172が示す音声の音調に関する特性を含む。
【0036】
判定部16は、緊急通報172から抽出した特性が誤報判定基準176を満たすか否かを判定し、当該特性が誤報判定基準176を満たす場合、緊急通報172は誤報であると判定する。誤報判定基準176は、例えば、心理学等の見地に基づいた、発話の内容及び音声の音調等から、発話に嘘が含まれているか否かを判定するための基準である。誤報判定基準176は、緊急通報支援装置10の使用者等によって与えられてもよいし、緊急通報支援装置10と通信可能に接続された装置から取得されてもよい。誤報判定基準176は、あるいは、過去に取得された緊急通報172の内容及び音調等に関する特性と、緊急通報172がいたずらなどの誤報であったこととの関係を、機械学習の技術を用いて学習することによって生成あるいは更新された基準であってもよい。
【0037】
通知部14は、判定部16によって緊急通報172が誤報であると判定された場合、通知先端末装置20-2に対する緊急通報172及び通報元端末装置20-1に関する位置情報171の通知を行うことを中止する。
【0038】
取得部11は、取得した緊急通報172に応じて現場に出動する隊員(救急隊員、消防隊員、警察官等)が所持する隊員端末装置40を特定する情報を、例えば、緊急通報支援装置10と通信可能に接続された装置から取得する。そして、通知部14は、通報元端末装置20-1及び通知先端末装置20-2に、隊員端末装置40を特定する情報(例えば電話番号等)を通知する。通知部14は、また、隊員端末装置40に、通報元端末装置20-1及び通知先端末装置20-2を特定する情報(例えば電話番号等)を通知する。
【0039】
次に
図2のフローチャートを参照して、本実施形態に係る緊急通報支援装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
【0040】
取得部11は、複数の端末装置20の位置情報171を、随時あるいは所定のタイミングに取得する(ステップS101)。通報元特定部12は、端末装置20のいずれかである通報元端末装置20-1からの緊急通報172を取得する(ステップS102)。判定部16は、緊急通報172から、その内容に関する論理的な矛盾の有無及び緊急通報172が表す音声の音調等に関する特性を抽出し、その特性が誤報判定基準176を満たすか否か判定する(ステップS103)。
【0041】
判定部16によって抽出された特性が誤報判定基準176を満たす場合(ステップS104でYes)、判定部16は、緊急通報172が誤報であると判定し、全体の処理は終了する。判定部16によって抽出された特性が誤報判定基準176を満たさない場合(ステップS104でNo)、通報元特定部12は、端末装置20の中から緊急通報172を行った通報元端末装置20-1を特定し、通知部14は、緊急通報172が示す状態の救急患者に対する救急処置の方法を表す救急処置情報175を取得する(ステップS105)。
【0042】
通知先特定部13は、端末装置20のうち、通報元端末装置20-1との位置の近さが通知先特定基準173を満たし、かつ、通知先登録情報174に、その使用者が緊急通報172によって示される状態の救急患者に対する救急処置が行えることが登録されている端末装置20を、通知先端末装置20-2として特定する(ステップS106)。
【0043】
通知部14は、通知先端末装置20-2に、緊急通報172、通報元端末装置20-1に関する位置情報171、及び、救急処置情報175を通知する(ステップS107)。通知部14は、通報元端末装置20-1及び通知先端末装置20-2に、取得部11によって取得された隊員端末装置40を特定する情報を通知し、隊員端末装置40に、通報元端末装置20-1及び通知先端末装置20-2を特定する情報を通知し(ステップS108)、全体の処理は終了する。
【0044】
本実施形態に係る緊急通報支援装置10は、緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が示す事象を迅速に認識できるように支援することができる。その理由は、緊急通報支援装置10は、位置情報171によって示される通報元端末装置20-1との位置の近さが通知先特定基準173を満たす通知先端末装置20-2に、緊急通報172、及び、通報元端末装置20-1に関する位置情報171を通知するからである。
【0045】
以下に、本実施形態に係る緊急通報支援装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0046】
例えば、救急患者を通報する緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる救急処置に詳しい人が、当該緊急通報が行われたことを認識できれば、救急患者に対する救急処置の支援を、より適切に行うことができる。あるいは、火災の発生等を通報する緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が行われたことを認識できれば、現場の近辺に住む人が、その火災に対する消火活動あるいはその火災からの避難行動を、より適切に行うことができる。即ち、緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が示す事象を迅速に認識できるように支援することが課題である。
【0047】
このような課題に対して、本実施形態に係る緊急通報支援装置10は、複数の端末装置20の位置情報171を取得し、端末装置20のいずれかから行われた緊急通報172を取得して、緊急通報172を行った通報元端末装置20-1を特定する。緊急通報支援装置10は、通報元端末装置20-1を除く端末装置20のうち、位置情報171によって示される通報元端末装置20-1との位置の近さが通知先特定基準173を満たす通知先端末装置20-2を特定する。そして、緊急通報支援装置10は、通知先端末装置20-2に、緊急通報172、及び、通報元端末装置20-1に関する位置情報171を通知する。これにより、緊急通報支援装置10は、緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が示す事象を迅速に認識できるように支援することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る緊急通報支援装置10は、端末装置20のうち、通知先登録情報174に登録されている登録済端末装置の中から、通知先端末装置20-2を特定する。そして、通知先登録情報174は、登録済端末装置の使用者に関する、緊急通報172が示す状態の救急患者に対する救急処置が行えるか否かを表す属性を含み、緊急通報支援装置10は、通知先登録情報174によって示される救急処置を行える使用者の登録済端末装置を、通知先端末装置20-2として特定する。即ち、緊急通報支援装置10は、緊急通報172が示す状態の救急患者に対する救急処置を行うことが期待できる人に限定して緊急通報172を通知するので、緊急通報172の通知を煩わしく感じる人の不満を軽減することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る通知先特定基準173は、通報元端末装置20-1との距離が閾値以下であることを表し、当該閾値は、緊急通報172が表す事象の重大さ(例えば、救急患者の状態の重大さ、あるいは、火災の規模の大きさ等)が大きいほど大きな値を示す。即ち、緊急通報支援装置10は、緊急通報172が表す救急患者の状態が重篤であるほど少なくなる、救急処置に対応可能な(即ち救急処置に関する高度なスキルを有する)人に、より確実に救急処置の支援を求めることができる。また、緊急通報支援装置10は、緊急通報172が表す火災の規模が大きくなるほど、より広範囲の人々に、消火活動の支援を求める、あるいは、火災からの避難を指示することができる。
【0050】
また、本実施形態に係る緊急通報支援装置10は、緊急通報172が示す状態の救急患者に対する救急処置の方法を表す救急処置情報175を取得して、通知先端末装置20-2に、救急処置情報175を通知する。これにより、緊急通報支援装置10は、現場における通知先端末装置20-2の使用者による救急処置の支援を、より適切に行うことができる。
【0051】
また、本実施形態に係る緊急通報支援装置10は、緊急通報172を出力し、出力された緊急通報に応じて消防署あるいは警察署の職員等によって入力された、通知先端末装置20-2に対する、緊急通報172、及び、通報元端末装置20-1に関する位置情報171の通知を行うか否かを指示する指示情報を受け付ける。そして、緊急通報支援装置10は、当該指示情報が、当該通知を行わないことを示す場合、当該通知を行うことを中止する。これにより、緊急通報支援装置10は、消防署あるいは警察署の職員等の判断にしたがって、いたずら等の誤報である緊急通報172を通知先端末装置20-2に通知することを回避することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る緊急通報支援装置10は、緊急通報172から特性を抽出し、抽出した特性が誤報判定基準176を満たす場合、緊急通報172が誤報であると判定し、緊急通報172が誤報であると判定した場合、緊急通報172の通知を行うことを中止する。即ち、緊急通報支援装置10は、緊急通報172が誤報であるか否かの判定を自動で行うので、消防署あるいは警察署の職員等の負担を軽減することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る緊急通報支援装置10は、緊急通報172に応じて出動する隊員が所持する隊員端末装置40を特定する情報を取得する。そして、緊急通報支援装置10は、通報元端末装置20-1及び通知先端末装置20-2に、隊員端末装置40を特定する情報を通知し、隊員端末装置40に、通報元端末装置20-1及び通知先端末装置20-2を特定する情報を通知する。これにより、緊急通報支援装置10は、隊員が現場に到着するまでの間に、現場にいる人と隊員とが互いに連絡できるようにするので、現場において、より適切な救急処置が行われることを実現できる。
【0054】
また、本実施形態に係る緊急通報支援装置10は、前述とは異なる方法で、通知先端末装置20-2を特定してもよい。例えば、通知先特定部13は、通報元端末装置20-1と通信する第1の基地局と通信する端末装置20、及び、当該第1の基地局との位置の近さが基準を満たす(例えば閾値以下である)第2の基地局と通信する端末装置20の中から、通知先端末装置20-2を特定してもよい。また、緊急通報支援装置10は、例えば災害が発生した場合に、災害の発生状況をその発生地域にいる人々の端末装置20に限定して通知する緊急速報メールの発信を制御する既存のシステム(仕組み)を活用して、通知先端末装置20-2を特定するようにしてもよい。
【0055】
また、緊急通報支援装置10は、サーバのような情報処理装置ではなく、例えば通報元端末装置20-1であるスマートフォンが実行するアプリケーションによって実現されてもよい。この場合、通報元特定部12は、自装置から緊急通報172が行われた際に、自装置を通報元端末装置20-1として特定する。取得部11は、例えば、上述したように、自装置が通信している第1の基地局と通信する端末装置20、及び、当該第1の基地局との位置の近さが基準を満たす第2の基地局と通信する端末装置20を、通知先端末装置20-2として特定する。そして、通知部14は、例えば、対象地域を限定して通知する緊急速報メールの発信を制御するシステムを介して、通知先端末装置20-2に、緊急通報172、及び、自装置に関する位置情報171を通知すればよい。
【0056】
<第2の実施形態>
図3は、本発明の第2の実施形態に係る緊急通報支援装置50の構成を示すブロック図である。
【0057】
本実施形態に係る緊急通報支援装置50は、取得部51、通報元特定部52、通知先特定部53、通知部54を備えている。取得部51、通報元特定部52、通知先特定部53、通知部54は、順に、取得手段、通報元特定手段、通知先特定手段、通知手段の一例である。
【0058】
取得部51は、複数の端末装置60の位置情報510を取得する。端末装置60は、例えば、第1の実施形態に係る端末装置20と同様な装置である。位置情報510は、例えば、第1の実施形態に係る位置情報171と同様な情報である。取得部51は、例えば、第1の実施形態に係る取得部11と同様に動作する。
【0059】
通報元特定部52は、端末装置60のいずれかから行われた緊急通報520を取得して、緊急通報520を行った通報元端末装置60-1を特定する。緊急通報520は、例えば、第1の実施形態に係る緊急通報172と同様な通報である。通報元端末装置60-1は、例えば、第1の実施形態に係る通報元端末装置20-1と同様な端末装置である。通報元特定部52は、例えば、第1の実施形態に係る通報元特定部12と同様に動作する。
【0060】
通知先特定部53は、通報元端末装置60-1を除く端末装置60のうち、位置情報510によって示される通報元端末装置60-1との位置の近さが通知先特定基準530を満たす通知先端末装置60-2を特定する。通知先特定基準530は、例えば、第1の実施形態に係る通知先特定基準173と同様な基準である。通知先端末装置60-2は、例えば、第1の実施形態に係る通知先端末装置20-2と同様な端末装置である。通知先特定部53は、例えば、第1の実施形態に係る通知先特定部13と同様に動作する。
【0061】
通知部54は、通知先端末装置60-2に、緊急通報520、及び、通報元端末装置60-1に関する位置情報510を通知する。通知部54は、例えば、第1の実施形態に係る通知部14と同様に動作する。
【0062】
次に
図4のフローチャートを参照して、本実施形態に係る緊急通報支援装置50の動作(処理)について詳細に説明する。
【0063】
取得部51は、複数の端末装置60の位置情報510を取得する(ステップS201)。通報元特定部52は、端末装置60のいずれかから行われた緊急通報520を取得して、緊急通報520を行った通報元端末装置60-1を特定する(ステップS202)。
【0064】
通知先特定部53は、通報元端末装置60-1を除く端末装置60のうち、位置情報510によって示される通報元端末装置60-1との位置の近さが通知先特定基準530を満たす通知先端末装置60-2を特定する(ステップS203)。通知部54は、通知先端末装置60-2に、緊急通報520、及び、通報元端末装置60-1に関する位置情報510を通知し(ステップS204)、全体の処理は終了する。
【0065】
本実施形態に係る緊急通報支援装置50は、緊急通報が行われた場合、当該緊急通報が行われた現場の近辺にいる人が、当該緊急通報が示す事象を迅速に認識できるように支援することができる。その理由は、緊急通報支援装置50は、位置情報510によって示される通報元端末装置60-1との位置の近さが通知先特定基準530を満たす通知先端末装置60-2に、緊急通報520、及び、通報元端末装置60-1に関する位置情報510を通知するからである。
【0066】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において
図1、及び、
図3に示した緊急通報支援装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、
図1、及び、
図3において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・取得部11及び51、
・通報元特定部12及び52、
・通知先特定部13及び53、
・通知部14及び54、
・入出力部15、
・判定部16、
・記憶部17における記憶制御機能。
【0067】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、
図5を参照して説明する。
【0068】
図5は、本発明の各実施形態に係る緊急通報支援装置を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、
図5は、
図1、及び、
図3に示した緊急通報支援装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0069】
図5に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0070】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。
【0071】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、
図5に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(
図1及び
図3)における上述した構成、或いはフローチャート(
図2及び
図4)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0072】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0073】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0074】
尚、上述した各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。しかしながら、上述した各実施形態により例示的に説明した本発明は、以下には限られない。
【0075】
(付記1)
複数の端末装置の位置情報を取得する取得手段と、
前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定する通報元特定手段と、
前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定する通知先特定手段と、
前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する通知手段と、
を備える緊急通報支援装置。
【0076】
(付記2)
前記通知先特定手段は、前記端末装置のうち、通知先登録情報に登録されている登録済端末装置の中から、前記通知先端末装置を特定する、
付記1に記載の緊急通報支援装置。
【0077】
(付記3)
前記通知先登録情報は、前記登録済端末装置の使用者に関する、前記緊急通報が示す状態の救急患者に対する救急処置が行えるか否かを表す属性を含み、
前記通知先特定手段は、前記通知先登録情報によって示される前記救急処置を行える使用者の前記登録済端末装置を、前記通知先端末装置として特定する、
付記2に記載の緊急通報支援装置。
【0078】
(付記4)
前記通知先特定基準は、前記通報元端末装置との距離が閾値以下であることを表し、前記閾値は、前記緊急通報が表す事象の重大さが大きいほど大きな値を示す、
付記1または付記2に記載の緊急通報支援装置。
【0079】
(付記5)
前記緊急通報が表す事象の重大さは、救急患者の状態の重大さ、あるいは、火災の規模の大きさを含む、
付記4に記載の緊急通報支援装置。
【0080】
(付記6)
前記通知手段は、前記緊急通報が示す状態の救急患者に対する救急処置の方法を表す救急処置情報を取得して、前記通知先端末装置に、前記救急処置情報を通知する、
付記1または付記2に記載の緊急通報支援装置。
【0081】
(付記7)
前記緊急通報を出力し、出力された前記緊急通報に応じて入力された、前記通知手段による前記通知先端末装置に対する、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報の通知を行うか否かを指示する指示情報を受け付ける入出力手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記指示情報が、前記通知を行わないことを示す場合、前記通知を行うことを中止する、
付記1または付記2に記載の緊急通報支援装置。
【0082】
(付記8)
前記緊急通報から特性を抽出し、抽出した前記特性が誤報判定基準を満たす場合、前記緊急通報が誤報であると判定する判定手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記判定手段により前記緊急通報が誤報であると判定された場合、前記通知先端末装置に対する前記緊急通報及び前記通報元端末装置に関する前記位置情報の通知を行うことを中止する、
付記1または付記2に記載の緊急通報支援装置。
【0083】
(付記9)
前記通知先特定手段は、前記通報元端末装置と通信する第1の基地局と通信する前記端末装置、及び、前記第1の基地局との位置の近さが基準を満たす第2の基地局と通信する前記端末装置の中から、前記通知先端末装置を特定する、
付記1または付記2に記載の緊急通報支援装置。
【0084】
(付記10)
前記取得手段は、前記緊急通報に応じて出動する隊員が所持する隊員端末装置を特定する情報を取得し、
前記通知手段は、前記通報元端末装置及び前記通知先端末装置に、前記隊員端末装置を特定する情報を通知し、前記隊員端末装置に、前記通報元端末装置及び前記通知先端末装置を特定する情報を通知する、
付記1または付記2に記載の緊急通報支援装置。
【0085】
(付記11)
情報処理装置によって、
複数の端末装置の位置情報を取得し、
前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定し、
前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定し、
前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する、
緊急通報支援方法。
【0086】
(付記12)
複数の端末装置の位置情報を取得する取得処理と、
前記端末装置のいずれかから行われた緊急通報を取得して、前記緊急通報を行った通報元端末装置を特定する通報元特定処理と、
前記通報元端末装置を除く前記端末装置のうち、前記位置情報によって示される前記通報元端末装置との位置の近さが通知先特定基準を満たす通知先端末装置を特定する通知先特定処理と、
前記通知先端末装置に、前記緊急通報、及び、前記通報元端末装置に関する前記位置情報を通知する通知処理と、
をコンピュータに実行させるための緊急通報支援プログラム。
【符号の説明】
【0087】
1 緊急通報支援システム
10 緊急通報支援装置
11 取得部
12 通報元特定部
13 通知先特定部
14 通知部
15 入出力部
16 判定部
17 記憶部
171 位置情報
172 緊急通報
173 通知先特定基準
174 通知先登録情報
175 救急処置情報
176 誤報判定基準
20 端末装置
20-1 通報元端末装置
20-2 通知先端末装置
20-3 その他端末装置
30 管理端末装置
40 隊員端末装置
50 緊急通報支援装置
51 取得部
510 位置情報
52 通報元特定部
520 緊急通報
53 通知先特定部
530 通知先特定基準
54 通知部
60 端末装置
60-1 通報元端末装置
60-2 通知先端末装置
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース