IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミネベア株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-コネクタハウジング 図1
  • 特開-コネクタハウジング 図2
  • 特開-コネクタハウジング 図3
  • 特開-コネクタハウジング 図4
  • 特開-コネクタハウジング 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176663
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】コネクタハウジング
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20231206BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20231206BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/46 Z
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089080
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】宮路 永
(72)【発明者】
【氏名】関 徹也
(72)【発明者】
【氏名】宮地 茂樹
【テーマコード(参考)】
5E087
5E223
5H605
【Fターム(参考)】
5E087EE14
5E087FF03
5E087KK03
5E087KK06
5E087MM02
5E087RR49
5E223AB74
5E223BA07
5E223CB24
5E223CD01
5E223CD25
5E223DB08
5E223DB32
5E223EA31
5H605AA01
5H605BB05
5H605CC01
5H605CC02
5H605EC05
5H605EC12
5H605GG18
(57)【要約】
【課題】制御回路基板から効率よく放熱できるコネクタハウジングの提供。
【解決手段】制御回路基板2,102に対向する面である対向面11,111,211を有し、対向面11,111,211には、複数の柱状部12,112,212が密集して立設されており、複数の柱状部12,112,212は、対向面11,111,211から離れる方向の端部に、制御回路基板2,102の一方の面に接する接触面12a,112a,212aを有する、コネクタハウジング1,101,201。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御回路基板に対向する面である対向面を有し、
前記対向面には、複数の柱状部が密集して立設されており、
前記複数の柱状部は、前記対向面から離れる方向の端部に、前記制御回路基板の一方の面に接する接触面を有する、コネクタハウジング。
【請求項2】
前記接触面の総面積が、前記対向面の面積の1/10以上である、請求項1に記載のコネクタハウジング。
【請求項3】
樹脂成形体である、請求項1または2に記載のコネクタハウジング。
【請求項4】
前記複数の柱状部が、5本以上の柱状部を含む、請求項1または2に記載のコネクタハウジング。
【請求項5】
前記複数の柱状部のうちの一部は、隣り合う柱状部同士が互いに接触しないように立設されている、請求項1または2に記載のコネクタハウジング。
【請求項6】
前記対向面には、前記制御回路基板に挿入される位置決め部が立設されている、請求項1または2に記載のコネクタハウジング。
【請求項7】
前記制御回路基板には、貫通孔が形成されており、
前記位置決め部は、前記貫通孔に挿入されており、前記位置決め部の端部が、前記制御回路基板の他方の面から突出している、請求項6に記載のコネクタハウジング。
【請求項8】
前記貫通孔は、前記制御回路基板を構成する銅箔を外部に露出させており、
前記位置決め部は、前記貫通孔に挿入された状態において、前記銅箔に接触している、請求項7に記載のコネクタハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータ等の装置に用いられる制御回路基板には、外部との電気的な接続のためのコネクタハウジングが固定されていることがある。このようなコネクタハウジングは、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-085410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
制御回路基板に実装される集積回路は一般的に発熱量が多い。そのため、集積回路から発生した熱が装置の筐体内に籠り、集積回路の動作が停止してしまうことのないよう、対策を施すことが望まれる。そのような対策としては、例えば、高温環境に耐えうる集積回路を用いることや、放熱をより促進すること等が考えられる。しかしながら、高温環境に耐えうる集積回路は一般的に高価であり、選択肢も限られるため、常に採用できるわけではない。また、放熱の促進に関しては、未だ改善の余地があった。
【0005】
本発明は、制御回路基板から効率よく放熱できるコネクタハウジングを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタハウジングは、制御回路基板に対向する面である対向面を有し、前記対向面には、複数の柱状部が密集して立設されており、前記複数の柱状部は、前記対向面から離れる方向の端部に、前記制御回路基板の一方の面に接する接触面を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、制御回路基板から効率よく放熱できるコネクタハウジングを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態にかかるコネクタハウジングを備えるアクチュエータの内部構造を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態にかかるコネクタハウジングの斜視図である。
図3】本発明の一実施の形態にかかるコネクタハウジングおよび制御回路基板の断面図である。
図4】シミュレーションに用いた、制御回路基板およびコネクタハウジングのモデルの透過斜視図である。
図5】シミュレーションに用いた、コネクタハウジングの他のモデルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態にかかるコネクタハウジング1について図面を参照しながら説明する。図1は、コネクタハウジング1を備えるアクチュエータ10の内部構造を示す斜視図である。なお、図1において、本発明と直接関係しないモータ3およびギヤ4等の構造は、簡略化して示されている。図2は、コネクタハウジング1の斜視図である。なお、図2において、コネクタピン19およびジョイントピン17pは省略されている。図3は、コネクタハウジング1および制御回路基板2の断面図である。
【0010】
本発明の実施の形態の説明において、説明の便宜上、対向面11の延び方向に垂直な方向であって、コネクタハウジング1から制御回路基板2へ向かう方向(矢印z方向)を上方(上側または他方側)とし、その反対方向を下方(下側または一方側)とする。上方および下方をあわせて上下方向とも称する。ただし、上下方向は、鉛直方向とは必ずしも一致しない。
【0011】
また、対向面11の延び方向に平行な方向であって、第1の係合部14から端子台17へ向かう方向(矢印x方向)を右方向(右側)とし、その反対方向を左方向(左側)とする。右方向と左方向をあわせて左右方向とも称する。そして、対向面11の延び方向に平行な方向であって、第1の突出部15から第2の突出部16へ向かう方向(矢印y方向)を奥方向(奥側)とし、その反対方向を手前方向(手前側)とする。奥方向および手前方向をあわせて奥行き方向とも称する。
【0012】
図1に示すように、アクチュエータ10は、コネクタハウジング1、制御回路基板2、モータ3、複数のギヤ4、および筐体5を備える。コネクタハウジング1の一部と、制御回路基板2、モータ3、および複数のギヤ4は、筐体5に収容されている。コネクタハウジング1は、制御回路基板2の一方の面22の側に固定されており、後述するコネクタピン19を介して制御回路基板2と電気的に接続されている。コネクタハウジング1のコネクタピン19が、図示しないコネクタのコネクタピンと接続されることにより、制御回路基板2に電圧や制御信号が供給される。さらに、制御回路基板2において生成されたコイル電圧は、図1に示すジョイントピン17pからフレキシブルプリント基板6を介してモータ3へ送られる。
【0013】
モータ3および複数のギヤ4は、筐体5の内部において、制御回路基板2を挟んでコネクタハウジング1とは反対側に配置されている。制御回路基板2は、モータ3の動作を制御する。モータ3の回転が、各ギヤ4に伝達されることにより、アクチュエータ10が所定の動作を行う。制御回路基板2の他方の面23には、集積回路21が実装されている。
【0014】
図2および図3に示すように、コネクタハウジング1は、一方(下側)の端部が開放され、他方(上側)の端部が閉塞された、上下方向に延びる四角筒状または略四角筒状の受容部18と、受容部18の上側の端部の左端から左方向に突出した板状の第1の係合部14と、受容部18の上側の端部の右端から右方向および上方に突出した、奥行き方向に垂直な断面形状が略L字状である端子台17と、を有する。端子台17の基点部(受容部18との接続部分付近)は第2の係合部17aとなっており、アクチュエータ10の筐体5の図示しない当接部と当接することで係合する。
【0015】
受容部18の上側の端面と、第1の係合部14の上側の端面は、同一平面を形成して連なっており、これらが一緒になって、制御回路基板2の一方の面22に対向する四角形状または略四角形状の面である対向面11を構成している。対向面11は、第1の係合部14の左側の端部から、受容部18の上側の端面の端子台17との接続部分付近まで延在している。
【0016】
第1の係合部14および端子台17の奥行き方向の寸法は、受容部18の奥行き方向の寸法と同一である。第1の係合部14は、第2の係合部17aと同様、アクチュエータ10の筐体5と係合する部分である。すなわち、第1の係合部14および第2の係合部17aがアクチュエータ10の筐体5と係合することにより、コネクタハウジング1および制御回路基板2が筐体5において位置決めされる(図1)。
【0017】
対向面11には、複数の正四角柱状または略正四角柱状の柱状部12が、対向面11に垂直に、上方に突出するように、密集して立設されている。本実施の形態において、複数の柱状部12のそれぞれは、同一形状および同一寸法となっている。ただし、複数の柱状部12のそれぞれは、正四角柱状または略正四角柱状でなくてもよく、同一形状および同一寸法となっていなくてもよい。
【0018】
本明細書中において、「密集して立設されている」とは、複数の柱状部12が、対向面11の一部または全部を充填するように立設されていることを示す。この場合、例えば、ある1本の柱状部12と、それに最も近い他の柱状部12との間の最短距離が、前者の、対向面11の延び方向における最大寸法の2倍に相当する距離以内であるような関係にある柱状部12の群が存在している。本実施の形態において、複数の柱状部12のうちの一部は、隣り合う柱状部12同士が互いに接触しないように立設されている。
【0019】
図2においては、柱状部12は、44本示されている。ただし、柱状部12の数はこれに限られず、柱状部12は、柱状部12の大きさおよび対向面11の面積に応じて適切な数存在すればよい。柱状部12の数は、例えば5本以上であってもよく、10本以上であってもよく、15本以上であってもよく、20本以上であってもよく、25本以上であってもよく、30本以上であってもよく、40本以上であってもよく、50本以上であってもよい。
【0020】
それぞれの柱状部12は、対向面11から離れる方向(上方)の端部に、制御回路基板2の一方の面22に接する(面接触する)接触面12aを有する。接触面12aの総面積、すなわち、複数の柱状部12のそれぞれの接触面12aの面積を全て足し合わせて得られる面積は、例えば、対向面11の面積(図2で示すa×bの面積)の1/10以上(接触面12aの総面積/(a×b)≧1/10)である。接触面12aの総面積は、対向面11の面積の1/8以上であってもよく、1/6以上であってもよく、1/5以上であってもよい。
【0021】
対向面11の中心付近と、その右側には、2本の円柱状の位置決め部13が、対向面11の上方に突出するように、互いに離隔されて左右方向に並んで立設されている。位置決め部13は、制御回路基板2に位置決めされる部分である。本実施の形態において、それぞれの位置決め部13は、同一形状および同一寸法となっている。ただし、それぞれの位置決め部13は、円柱状でなくてもよく、同一形状および同一寸法となっていなくてもよい。また、位置決め部13は、位置決めの精度を確保するため、2本以上存在することが好ましい。また、位置決め部13は、左右方向に並んで立設される必要は必ずしもなく、上下方向や斜め方向に並んで配置されていてもよい。位置決め部13の上下方向の高さは、複数の柱状部12の上下方向の高さよりも高い。すなわち、対向面11から位置決め部13の端部13aまでの距離は、対向面11から接触面12aまでの距離よりも大きい。
【0022】
対向面11の手前側の辺の中央付近には、略四角柱状の第1の突出部15が形成されている。なお、第1の突出部15は、手前側において、複数の柱状部12のうちの一部の柱状部12(対向面11の手前側の辺の中央付近に設けられた柱状部12)の下側と一体化している。第1の突出部15の上下方向の高さは、複数の柱状部12の上下方向の高さよりも僅かに低い。第1の突出部15の左右方向の寸法は、受容部18の左右方向の寸法よりも僅かに小さい。第1の突出部15の奥行き方向の寸法は、受容部18の奥行き方向の寸法の半分よりも僅かに小さい。第1の突出部15の手前側の端面は、受容部18の手前側の端面と面を共有している。
【0023】
第1の突出部15の上側の端面の奥行き方向中央付近から奥側は、柱状部12が存在しない領域15bとなっている。領域15bには、図2では省略されている4本のコネクタピン19が、左右方向に等間隔に並んでいる。それぞれのコネクタピン19は、第1の突出部15および受容部18を上下方向に貫通し、受容部18に収容される空間まで延びている(図3)。第1の突出部15の上側の端面のうち、領域15bよりも手前側には、複数の柱状部12のうちの一部の柱状部12(図2においては、8つの柱状部12)が上方に僅かに突出している。
【0024】
対向面11の奥側の辺の中央付近には、略四角柱状の第2の突出部16が形成されている。なお、第2の突出部16は、複数の柱状部12のうちの一部の柱状部12(対向面11の奥側の辺の中央付近に設けられた柱状部12)の下側と一体化している。第2の突出部16の上下方向の高さは、複数の柱状部12の上下方向の高さよりも僅かに低い。第2の突出部16の左右方向の寸法は、第1の突出部15の左右方向の寸法と同一である。第2の突出部16の奥行き方向の寸法は、柱状部12の奥行き方向の寸法の2倍程度である。第2の突出部16の奥側の端面は、受容部18の奥側の端面と面を共有している。第2の突出部16の上側の端面には、複数の柱状部12のうちの一部の柱状部12(図2においては、8つの柱状部12)が上方に僅かに突出している。
【0025】
コネクタハウジング1は樹脂成形体であり、複数の柱状部12、位置決め部13、第1の係合部14、第1の突出部15、第2の突出部16、端子台17および受容部18も含め、例えばフィラー等を含む樹脂材によって一体に形成されている。これらを伝熱性の高い樹脂材へ変更することで、放熱がより促進されることは言うまでもない。
【0026】
図3に示すように、制御回路基板2は、一方の面22および他方の面23を有する。本実施の形態において、制御回路基板2は、両面実装基板である。ただし、制御回路基板2は、片面実装基板であってもよい。他方の面23には、集積回路21が実装されている。当該制御回路基板2は、いわゆる多層基板であり、中央のコア材24から外側に向かって、銅箔25、プリプレグ27、銅箔25、ソルダーレジスト28の順に積層されて構成されている。本実施の形態においては、コネクタハウジング1の複数の柱状部12の全ての接触面12aが、一方の面22に接している。
【0027】
制御回路基板2には、コネクタハウジング1のそれぞれの位置決め部13に対応する位置に、貫通孔26が形成されており、位置決め部13は、貫通孔26に挿入されて、位置決め部13の端部13aが、制御回路基板2の他方の面23から上方に突出している。位置決め部13は、貫通孔26に挿入されることにより、制御回路基板2に位置決めされている。貫通孔26は、制御回路基板2を貫通する孔であり、位置決め部13を貫通孔26に挿入すると、制御回路基板2の銅箔25が位置決め部と接触することとなる。
【0028】
4本のコネクタピン19は、コネクタハウジング1および制御回路基板2を上下方向に貫通し、受容部18に収容される空間から、制御回路基板2の他方の面23の上方まで延びている。それぞれのコネクタピン19のピン端部19aは、制御回路基板2の他方の面23から上方に突出している。それぞれのコネクタピン19は、制御回路基板2の図示しない回路に電気的に接続されている。
【0029】
本実施の形態にかかるコネクタハウジング1においては、複数の柱状部12の接触面12aが、一方の面22に接している。そのため、主に集積回路21で生じた熱が、制御回路基板2の銅箔25等を経由し、複数の柱状部12を介してコネクタハウジング1へ伝播し、アクチュエータ10の外側へ放出されるという熱伝達経路が形成される。また、対向面11に、複数の柱状部12が密集して立設されていることにより、熱伝達経路における表面積が広く確保され、放熱効率が向上する。さらに、接触面12aの総面積が、対向面11の面積の1/10以上であることにより、より多くの熱が制御回路基板2からコネクタハウジング1へ伝播することができ、放熱効率がより向上する。
【0030】
加えて、本実施の形態にかかるコネクタハウジング1においては、2本の位置決め部13が、貫通孔26を介して制御回路基板2の他方の面23から上方に突出している。貫通孔26は、制御回路基板2を構成する銅箔25を外部に露出させているため、位置決め部13は、貫通孔26に挿入された状態において銅箔25に接している。これにより、主に集積回路21で生じた熱が、制御回路基板2の銅箔25を経由し、位置決め部13を介してコネクタハウジング1へ伝播し、アクチュエータ10の外側へ放出されるという、もう一つの熱伝達経路が形成され、放熱効率がさらに向上すると考えられる。
【0031】
しかしながら、貫通孔26において、必ずしも銅箔25が外部に露出している必要はない。貫通孔26において、制御回路基板2を構成する銅箔25が外部に露出していない場合においても、銅箔25と位置決め部13が近接していれば、集積回路21で生じた熱が、位置決め部13を介してコネクタハウジング1へ伝播する熱伝達経路が形成されると考えられる。
【0032】
[その他の実施の形態]
以上、本発明のコネクタハウジングについて、好ましい実施の形態を上げて説明したが、本発明のコネクタハウジングは上記実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態において、コネクタハウジング1は、アクチュエータ10に備えられているが、本発明のコネクタハウジングは、アクチュエータ以外の装置に備えられるものであってもよい。
【0033】
上記実施の形態において、コネクタハウジング1の対向面11には、制御回路基板2に挿入される位置決め部13が立設されているが、本発明のコネクタハウジングは、位置決め部を有していなくてもよい。
【0034】
コネクタハウジング1は、樹脂材によって形成されているが、本発明のコネクタハウジングを、さらに伝熱能力の高い樹脂材によって形成することで、より放熱効率を高くしてもよい。
【0035】
制御回路基板が両面実装基板である場合、電子部品等が実装されている部分を避けて複数の柱状部または位置決め部を配置してもよい。また、位置決め部をより集積回路に近い位置に配置することや、位置決め部の寸法を大きくすることにより、より放熱効率を高くしてもよい。
【0036】
上記実施の形態において、複数の柱状部12は、正四角柱状または略正四角柱状となっているが、本発明のコネクタハウジングはこれに限られず、複数の柱状部の断面(対向面に平行な断面)の形状が、長方形、菱形、平行四辺形、台形、五角形、六角形、円形、楕円形、星形、T字形、L字形、E字形、H字形、X字形、またはH字形に縦棒を一本または複数本追加した形等、求める表面積等の特性に応じて任意の形状であってもよい。
【0037】
複数の柱状部の接触面の面積およびそれぞれの柱状部間の距離は、求める放熱性能に応じて適宜選択することができる。図4は、コンピュータによる放熱のシミュレーションに用いた、制御回路基板102およびコネクタハウジング101のモデルの透過斜視図である。本モデルにおいて、コネクタハウジング101は、制御回路基板102に対向する面である対向面111を有し、対向面111には、複数(16本)の柱状部112が密集して立設されており、複数の柱状部112は、対向面111から離れる方向の端部に、制御回路基板102の一方の面122に接する接触面112aを有する。なお、図4のモデルにおいては、接触面112aの総面積は、対向面111の面積の1/4~1/2程度となっている。
【0038】
このようなモデルを用い、複数の柱状部の形状を正四角柱状としたうえで、接触面の面積およびそれぞれの柱状部間の距離を変化させて放熱のシミュレーションを行ったところ、図5に示すモデル(コネクタハウジング201)のように、複数の柱状部212の接触面212aの面積を大きく、かつ、それぞれの柱状部212間の距離を小さくすることにより、より放熱効率が向上することが判明した。なお、図5のモデルにおいては、接触面212aの総面積は、対向面211の面積の3/5~9/10程度となっている。この結果をもとに、設計および製造の容易性、コネクタハウジングの他の部分や制御回路基板の電子部品等との干渉も考慮しつつ、複数の柱状部の寸法および配置を適宜設定してもよい。
【0039】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のコネクタハウジングを適宜改変し、また各種構成の組み合わせを変更することができる。かかる変更によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
1,101,201…コネクタハウジング、11,111,211…対向面、12,112,212…柱状部、12a,112a,212a…接触面、13…位置決め部、2…制御回路基板、21…集積回路、22,122…一方の面、23…他方の面、25…銅箔、26…貫通孔。
図1
図2
図3
図4
図5