(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176665
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】排気装置
(51)【国際特許分類】
F01N 13/00 20100101AFI20231206BHJP
F02D 35/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
F01N13/00 A
F02D35/00 368E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089082
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 克洋
(72)【発明者】
【氏名】兼松 雅斗
【テーマコード(参考)】
3G004
【Fターム(参考)】
3G004AA01
3G004BA04
3G004BA05
3G004DA14
3G004DA25
3G004GA04
3G004GA06
(57)【要約】
【課題】振動の影響を抑制する。
【解決手段】排気装置は、車両に搭載される装置であり、排ガスの流路を形成するシェルと、シェル壁部と、センサ壁部とを備える。シェル壁部は、シェルを変形させることで形成され、シェルに形成された穴を囲む縁部から排ガスの流路の外側に突出する。センサ壁部は、内周面にセンサが取り付けられるよう構成された筒状の部位である。また、センサ壁部は、当該センサ壁部の外周面がシェル壁部の内周面に隣接するように、シェル壁部の内側に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される排気装置であって、
排ガスの流路を形成するシェルと、
前記シェルを変形させることで形成された部位であって、前記シェルに形成された穴を囲む縁部から、前記排ガスの流路の外側に突出するように設けられ、前記穴を囲む部位であるシェル壁部と、
内周面にセンサが取り付けられるよう構成された筒状の部位であるセンサ壁部と、を備え、
前記センサ壁部は、当該センサ壁部の外周面が前記シェル壁部の内周面に隣接するように、前記シェル壁部の内側に配置される
排気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排気装置であって、
前記シェル壁部の頂部と前記センサ壁部の端部とを繋ぐように設けられており、前記センサ壁部に取り付けられた前記センサに当接するよう構成されたシール部をさらに備える
排気装置。
【請求項3】
請求項2に記載の排気装置であって、
前記シール部は、前記シェル壁部の外周面から突出するよう形成されている
排気装置。
【請求項4】
請求項1に記載の排気装置であって、
前記シェル壁部を囲み、且つ、内周面が前記シェル壁部の外周面に隣接するように配置される外側壁部と、
前記外側壁部に繋がる部位であって、前記シェルに接合される部位である接合部と、
前記外側壁部の端部と前記センサ壁部の端部とを繋ぐと共に、前記センサ壁部に取り付けられた前記センサに当接するよう構成されたシール部と、をさらに備える
排気装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の排気装置であって、
前記シェル壁部の内周面と前記センサ壁部の外周面との間には、隙間が設けられている
排気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の排ガスの状態を検出するためのセンサを、排気管に搭載する技術が知られている。一例として、特許文献1に開示された技術では、排気管の外周面に溶接された取付部材により、センサが排気管に取り付けられる。取付部材は、当該取付部材の貫通孔が排気管の穴と連通するように配置されており、センサは、貫通孔の内周面に形成されたネジ山に螺合され、排気管の内部に突出するように設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術では、車両の振動の影響により、取付部材に取り付けられたセンサに損傷が生じる恐れがある。
本開示の一態様では、振動の影響を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、車両に搭載される排気装置であって、シェルと、シェル壁部と、センサ壁部と、を備える。シェルは、排ガスの流路を形成する。シェル壁部は、シェルを変形させることで形成された部位であって、シェルに形成された穴を囲む縁部から、排ガスの流路の外側に突出するように設けられ、穴を囲む部位である。センサ壁部は、内周面にセンサが取り付けられるよう構成された筒状の部位である。また、センサ壁部は、当該センサ壁部の外周面がシェル壁部の内周面に隣接するように、シェル壁部の内側に配置される。
【0006】
上記構成によれば、センサが取り付けられるセンサ壁部は、シェルを変形して形成されたシェル壁部の内周面に隣接して配置される。このため、センサの取付箇所における振動の吸収又は緩和が可能となり、振動の影響を抑制できる。
【0007】
本開示の一態様は、シェル壁部の頂部とセンサ壁部の端部とを繋ぐように設けられており、センサ壁部に取り付けられたセンサに当接するよう構成されたシール部をさらに備えてもよい。
【0008】
上記構成によれば、センサの付近での溶接を抑制しつつ、センサを取り付けることが可能となる。このため、溶接による熱ひずみの影響を抑制できる。
本開示の一態様では、シール部は、シェル壁部の外周面から突出するよう形成されていてもよい。
【0009】
上記構成によれば、シール部におけるセンサと当接する部分の面積を広げることができ、シール性が向上する。
本開示の一態様は、シェル壁部を囲み、且つ、内周面がシェル壁部の外周面に隣接するように配置される外側壁部と、外側壁部に繋がる部位であって、シェルに接合される部位である接合部と、外側壁部の端部とセンサ壁部の端部とを繋ぐと共に、センサ壁部に取り付けられたセンサに当接するよう構成されたシール部と、をさらに備えてもよい。
【0010】
上記構成によれば、センサの付近の溶接を抑制しつつ、センサを取り付けることが可能となる。このため、溶接による熱ひずみの影響を抑制できる。
本開示の一態様では、シェル壁部の内周面とセンサ壁部の外周面との間には、隙間が設けられていてもよい。
【0011】
上記構成によれば、センサの取付箇所における振動の吸収又は緩和をより一層促すことができ、振動の影響を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態のセンサ取付部における軸線を含む断面図である。
【
図2】第1実施形態のセンサ取付部における軸線を含む断面図である。
【
図3】第2実施形態のセンサ取付部における軸線を含む断面図である。
【
図4】第3実施形態のセンサ取付部における軸線を含む断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0014】
[第1実施形態]
[1.センサ取付部]
第1実施形態では、車両のエンジンからの排ガスの流路11を形成する排気管1には、センサ3を取り付けるためのセンサ取付部2が設けられている(
図1、2参照)。なお、本実施形態では、センサ取付部2には、一例として、排ガス中の空燃比を検出するA/Fセンサが取り付けられる。センサ3の先端にはセンサ素子が設けられており、センサ3は、先端が排ガスの流路11内に突出するように配置される。無論、A/Fセンサに替えて、様々なセンサがセンサ取付部2に取り付けられ得る。
【0015】
なお、センサ3は、一例として、本体部と先端部とを有する。先端部は、円柱状であり、本体部から突出するように設けられ、本体部よりも細い。また、先端部は、排ガスの流路11内に突出するように配置され、本体部は、後述するシール部24の当接面24Aに接する。また、先端部の外周面にはねじ溝(ねじ山)が形成されている。
【0016】
排気管1は、排気の流路11と排気管1の外部とを隔てる金属製のシェル10を有しており、シェル10を貫通するセンサ取付穴20に、センサ取付部2が形成される。センサ取付穴20の形状は、一例として円形であるが、例えばセンサ3の形状等に応じて適宜定められる。センサ取付部2は、シェル壁部21と、センサ壁部23と、シール部24とを備える。
【0017】
[2.シェル壁部]
シェル壁部21は、センサ取付穴20を囲む縁部から排ガスの流路11の外側に突出するように設けられ、センサ取付穴20を囲む壁状の部位である(
図1、2参照)。シェル壁部21は、一例として円筒状であり、軸線2Aに沿って延びる。なお、軸線2Aは、センサ取付穴20の中心を通過し、センサ取付穴20に直交する。無論、これに限らず、シェル壁部21の形状は、例えばセンサ3の形状等に応じて適宜定められ得る。
【0018】
また、シェル壁部21におけるセンサ取付穴20の付近に位置する部分、換言すれば、シェル壁部21の根元に位置する部分には、湾曲した部分であるR22が設けられている。R22は、シェル壁部21を形成するためにバーリング加工(詳細は後述する)を行う際に形成される。しかし、これに限らず、バーリング加工以外の方法でシェル壁部21が形成された場合であっても、シェル壁部21の根元に位置する部分にR22が設けられ得る。
【0019】
[3.センサ壁部]
センサ壁部23は、第1端23Aから第2端23Bまで延びる筒状の部位であり、内周面にセンサ3が取り付けられるよう構成されている(
図1、2参照)。一例として、センサ壁部23の内周面にはねじ23Cが形成されており、センサ3は、ねじ23Cに螺合した状態で、センサ壁部23を貫通するように取り付けられる。センサ3の先端は、センサ取付穴20から排ガスの流路11の内部に突出する。なお、一例として、センサ壁部23は円筒状となっている。しかし、これに限らず、センサ壁部23の形状は、例えばセンサ3の形状等に応じて適宜定められ得る。
【0020】
また、センサ壁部23は、その外周面23Dがシェル壁部21の内周面21Bに隣接するように、シェル壁部21の内側に配置される。具体的には、センサ壁部23の外周面23Dは、シェル壁部21の内周面21Bに当接していても良いし(
図1参照)、センサ壁部23の外周面23Dとシェル壁部21の内周面21Bとの間に、隙間が形成されていても良い(
図2参照)。
【0021】
また、センサ壁部23の第1端23Aは、シェル壁部21の頂部21A側に位置し、第2端23Bは、シェル壁部21の根元側に位置する。そして、センサ壁部23の第2端23Bは、センサ取付穴20から突出しておらず、シェル壁部21の内側に位置する。つまり、センサ壁部23の第2端23Bは、センサ取付穴20よりもシェル壁部21の頂部21A側に位置する。これにより、センサ壁部23が流路11における排ガスの流れを妨げるのを抑制できる。
【0022】
[4.シール部]
シール部24は、シェル壁部21の頂部21Aとセンサ壁部23の第1端23Aとを繋ぐように設けられる(
図1、2参照)。また、シール部24は、センサ壁部23に取り付けられたセンサ3(より詳しくは、センサ3の本体部)に当接する当接面24Aを有する。当接面24Aがセンサ3の本体部に当接することで、センサ壁部23の第1端23Aから排ガスが流出するのが抑制される。なお、当接面24Aの面積が大きいと、シール性が向上する。
【0023】
[5.センサ取付部の形成方法]
センサ取付部2におけるシェル壁部21、センサ壁部23、及びシール部24は、シェル10を変形させることで形成される。このため、シェル壁部21、センサ壁部23、及びシール部24は、溶接を行うこと無くシェル10に設けられる。
【0024】
一例として、これらの部位は、シェル10に対しバーリング加工を行うことで形成されても良い。すなわち、シェル10のセンサ取付穴20に対しバーリング加工を行うことで、センサ取付穴20を囲む縁部から排ガスの流路11の外側に突出する筒状の部位(以後、筒状部)を形成しても良い。そして、筒状部の頂部を含む部分を、筒状部の内側に折り返しても良い。これにより、折り返された筒状部の外側の部分と内側の部分とにより、それぞれ、シェル壁部21とセンサ壁部23とが形成され、折り返された部分によりシール部24が形成される。
【0025】
この外にも、バーリング加工以外の方法でシェル10を伸長させ、同様の筒状部を形成しても良い。そして、同様にして筒状部を内側に折り返すことで、シェル壁部21、センサ壁部23、及びシール部24を形成しても良い。
【0026】
[第2実施形態]
[6.概要]
第2実施形態の排気管1は、第1実施形態の排気管1と同様の構成を有するが、センサ取付部2におけるシール部24において第1実施形態と相違する(
図3参照)。以下では、第2実施形態の排気管1における第1実施形態との相違点について説明する。
【0027】
[7.シール部]
第2実施形態のシール部24は、第1実施形態と同様、シェル壁部21の頂部21Aとセンサ壁部23の第1端23Aとを繋ぐように設けられる(
図3参照)。しかし、シール部24は、シェル壁部21の外周面から、径方向の外側に突出するフランジ状の部位として形成されている。
【0028】
すなわち、シール部24は、シェル壁部21の頂部21Aから外側に広がる第1部分24Bと、第1部分24Bに重なるように広がる第2部分24Cとを有する。第2部分24Cの外縁は第1部分24Bの外縁に繋がっており、第2部分24Cの内縁はセンサ壁部23の第1端23Aに繋がる。
【0029】
そして、第2部分24Cに、センサ壁部23に取り付けられたセンサ3に当接可能な当接面24Aが形成される。
なお、第2実施形態においても、シェル壁部21、センサ壁部23、及びシール部24は、第1実施形態と同様、バーリング加工等によりシェル10を変形させることで形成される。このため、これらの部位は、溶接を行うこと無くシェル10に設けられる。
【0030】
[第3実施形態]
[8.概要]
第3実施形態の排気管1は、第1実施形態の排気管1と同様の構成を有するが、センサ取付部2において第1実施形態と相違する(
図3参照)。以下では、第3実施形態の排気管1における第1実施形態との相違点について説明する。
【0031】
第3実施形態のセンサ取付部2は、シェル壁部21と、ボス部材4とを備える。
シェル壁部21は、第1実施形態と同様、センサ取付穴20を囲む縁部から排ガスの流路11の外側に突出するように設けられ、センサ取付穴20を囲む壁状の部位である。第1実施形態と同様、シェル壁部21の根元部分には、R22が設けられている。また、シェル壁部21は、第1実施形態と同様、シェル10を変形することで形成される。このため、第3実施形態では、少なくともシェル壁部21は、溶接を行うこと無くシェル10に設けられる。具体的には、シェル壁部21は、バーリング加工により形成されても良いし、バーリング加工以外の方法でシェル10を伸長させることで形成されても良い。
【0032】
また、ボス部材4は、シェル壁部21に取り付けられる部材であり、センサ壁部40と、シール部41と、外側壁部42と、接合部44とを備える。ボス部材4は、シェル10及びシェル壁部21から分離している金属の母材を変形させることで形成されており、センサ壁部40と、シール部41と、外側壁部42と、接合部44とは、溶接を行うこと無く一体化されている。
【0033】
[9.センサ壁部]
センサ壁部40は、第1実施形態と同様、第1端40Aから第2端40Bまで延びる筒状の部位であり、内周面にセンサ3が取り付けられるよう構成されている(
図4参照)。一例として、第1実施形態と同様、センサ3は、センサ壁部40の内周面に形成されたねじ40Cに螺合した状態で、センサ壁部40を貫通するように取り付けられる。
【0034】
また、第1実施形態と同様、センサ壁部40は、その外周面40Dがシェル壁部21の内周面21Bに隣接するように、シェル壁部21の内側に配置される。また、センサ壁部40の外周面40Dは、シェル壁部21の内周面21Bに当接していても良いし、該外周面40Dと該内周面21Bとの間に隙間が形成されていても良い。
【0035】
また、第1実施形態と同様、センサ壁部40の第1端40Aは、シェル壁部21の頂部21A側に位置する。また、センサ壁部40の第2端40Bは、シェル壁部21の根元側に位置し、センサ取付穴20から突出しておらず、シェル壁部21の内側に位置する。また、一例として、センサ壁部40は円筒状となっているが、センサ壁部40の形状は、例えばセンサ3等の形状に応じて適宜定められる。
【0036】
[10.外側壁部]
外側壁部42は、第1端42Aから第2端42Bまで延びる筒状の部位であり、シェル壁部21を囲み、且つ、内周面がシェル壁部21の外周面に隣接するように配置される(
図4参照)。また、外側壁部42の内周面は、シェル壁部21の外周面に当接していても良いし、該内周面と該外周面との間に隙間が形成されていても良い。
【0037】
また、外側壁部42の第1端42Aは、シェル壁部21の頂部21A側に位置し、第2端42Bは、シェル壁部21の根元側に位置する。また、一例として、外側壁部42は円筒状となっているが、外側壁部42の形状は、例えばセンサ3等の形状に応じて適宜定められる。
【0038】
[11.シール部]
シール部41は、外側壁部42の第1端42Aとセンサ壁部40の第1端40Aとを繋ぐように設けられる(
図4参照)。また、シール部41は、センサ壁部40に取り付けられたセンサ3に当接可能な当接面41Aを有する。当接面41Aがセンサ3に当接することで、センサ壁部40の内側から排ガスが流出するのが抑制される。なお、第2実施形態と同様、シール部41は、シェル壁部21の外周面から径方向の外側に突出するフランジ状の部位として形成されていても良い。
【0039】
[12.接合部]
接合部44は、外側壁部42の第2端42Bから径方向の外側に広がるフランジ状の部位である(
図4参照)。また、接合部44及び外側壁部42における外側壁部42の第2端42Bの付近の部分には、湾曲した部分であるR43が設けられている。
【0040】
また、接合部44は、シェル10の外周面に重なるように配置される。また、接合部44は、一例として溶接部44Aにスポット溶接を行うことで、シェル10に接合される。しかし、これに限らず、接合部44は、他の溶接方法によりシェル10に接合されても良いし、溶接以外の方法(例えば、かしめ等)によりシェル10に接合されても良い。
【0041】
[13.効果]
(1)第1~第3実施形態によれば、センサ3が取り付けられるセンサ壁部23、40は、シェル壁部21の内周面21Bに隣接して配置されており、第1端23A、40Aにてシール部24、41により支持されている。このため、センサ取付部2における振動の吸収又は緩和が可能となり、車両のエンジン等で生じる振動の影響を抑制できる。これにより、センサ3の破損を抑制できる。
【0042】
また、第1~第3実施形態のセンサ取付部2は、メッシュ、マット、又は樹脂等を含まず、金属により構成される。このため、センサ取付部2における経年劣化を抑制できる。また、これらのセンサ取付部2は、2重又は3重に重なる壁状の部位によりセンサ3を支持する構成となっているため、強度及びシール性が向上する。
【0043】
また、第1、第2実施形態では、シェル壁部21及びセンサ壁部23はシェル10を変形することで形成され、第3実施形態においても、シェル壁部21はシェル10を変形することで形成される。このため、センサ取付穴20とセンサ壁部23、40との位置ずれが生じ難く、センサ3の取付作業を迅速且つ確実に行うことができる。なお、第3実施形態では、ボス部材4は、シェル壁部21とは異なる材料で構成され得る。
【0044】
(2)また、シェル壁部21はバーリング加工により形成されるため、シェル壁部21の根元にはR22が形成される。このため、シェル壁部21の根元の周辺に隙間を設けることができる。これにより、センサ取付部2における振動の吸収又は緩和をより一層促すことができ、振動の影響を抑制できる。さらに、R22の大きさ及び/又は曲率等を調整することで、抑制される振動の周波数を調整できる。
【0045】
(3)また、第1、第2実施形態では、シェル壁部21の頂部21Aとセンサ壁部23の第1端23Aとが、シール部24により繋がっている。このため、溶接を行うことなくセンサ取付部2を構成でき、溶接による熱ひずみの影響を排除できる。
【0046】
また、シール部24によりシェル壁部21の頂部21Aとセンサ壁部23の第1端23Aとを繋ぐ構造であるため、当接面24Aを広く確保できる。さらに、シール部24は、シェル壁部21とセンサ壁部23とにより支持されるため、シール部24をセンサ3に向けてより強く押圧し、シール部24とセンサ3との密着性を高めることができる。したがって、シール性が向上する。
【0047】
(4)また、第2実施形態では、シール部24は、シェル壁部21の外周面から径方向の外側に突出するよう形成されている。これにより、当接面24Aが広がり、シール性が向上する。また、当接面24Aが広がることで、より大型のセンサをセンサ取付部2に良好に取り付けることができる。
【0048】
(5)また、第3実施形態では、ボス部材4の接合部44がシェル10に接合される構成であるため、センサ3の付近での溶接を回避できる。このため、溶接による熱ひずみの影響を抑制できる。
【0049】
また、シール部41は、シェル壁部21とセンサ壁部40と外側壁部42とにより支持される。このため、シール部24におけるセンサ3への当接面24Aを広く確保できると共に、シール部41をセンサ3に向けてより強く押圧し、シール部41とセンサ3との密着性を高めることができる。したがって、シール性が向上する。また、当接面24Aが広くなることで、より大型のセンサ3をセンサ取付部2に取り付けることができる。なお、センサ3とシール部41との間に、シール部材(例えば、ガスケット等)を配置しても良い。
【0050】
(6)また、第1~第3実施形態において、シェル壁部21の内周面21Bとセンサ壁部23、40の外周面23D、40Dとの間に隙間が設けることで、センサ取付部2における振動の吸収又は緩和をより一層促すことができ、振動の影響を抑制できる。なお、第3実施形態では、シェル壁部21の外周面と外側壁部42の内周面との間に隙間を設けることにより、振動の吸収又は緩和をより一層促してもよい。
【0051】
[14.他の実施形態]
(1)第1~第3実施形態のセンサ取付部2及びセンサ3は、排気管1に限らず、車両の排ガスの流路を形成する様々な排気装置(例えば、マフラ、排ガス浄化装置等)に設けられ得る。
【0052】
(2)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0053】
[15.文言の対応関係]
第1~第3実施形態の排気管1が、排気装置の一例に相当する。
【符号の説明】
【0054】
1…排気管、10…シェル、11…流路、2…センサ取付部、20…センサ取付穴、21…シェル壁部、21A…頂部、22…R、23…センサ壁部、23D…外周面、24…シール部、24A…当接面、3…センサ、4…ボス部材、40…センサ壁部、40D…外周面、41…シール部、41A…当接面、42…外側壁部、42A…第1端、42B…第2端、44…接合部、44A…溶接部。