(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017668
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】手乗せマウス。
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20230131BHJP
【FI】
G06F3/0354 441
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021140524
(22)【出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】398015466
【氏名又は名称】須田 隆則
(72)【発明者】
【氏名】須田 隆則
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087AB02
(57)【要約】
【課題】指の動きを制限されたマウスを、すべての指が動かせるマウスにする。
【解決手段】マウスを自然な状態の手で操作するために、マウスの形状を親指以外の4本の指を並ばせた状態でマウスに乗せられるようにし、親指でホイールを操作できるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親指以外の4本の指を並べて乗せる曲面体(2)と親指の腹で押せる4分の1楕円体(6)からなるマウス(1)で、前記曲面体の前方に左ボタン(4)と右ボタン(5)を設け、後方に指の付け根部分を乗せる高部(12)を設け、その下側に竪面(3)を設け、前記曲面体の左側に設けた前記4分の1楕円体にホイール(8)を設け、右端に楕円端部(7)を設けた、手乗せマウス。
【請求項2】
前方に曲線を下げ後方には曲線を上げてその曲線に繋がる前記高部から曲線を下げて出来る半楕円形状(13)の断面を、左から右に緩い曲がりで下げて前記曲面体を形成した、請求項1に記載の手乗せマウス。
【請求項3】
前記4分の1楕円体に設ける前記ホイールの位置を高くして、前記ホイールの下方を親指で押せるようにし、親指と小指の指先で其々前記ホイールの下方と前記楕円端部を押してマウスを掴めるようにした、請求項1に記載の手乗せマウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
パソコンで用いるマウス。
【背景技術】
【0002】
ほとんどのマウスが、人差し指でホイールを操作するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マウスにおいて、人差し指と中指でボタン及びホイールを操作しない時は、指先をマウスから浮かせているので、どちらの指も固まった状態だし、親指と小指はマウスを掴み続けるために指先を曲げ続けているので、手首から先がマウスに固定されたような状態に近く、手も指も動かせる部分が限られ、人差し指と中指以外の指を、マウスを掴むためだけの道具にしている。
【0005】
5本指の中で唯一前後左右に素早く動かせる親指を、マウスを掴むだけにしか利用していない。
【0006】
マウスを動かするために、親指と薬指と小指がマウスを掴み続けるので固定状態になっているし、マウスを動かすときは親指と小指の指先の下側と母指球と小指球を、常に操作面で擦っている。
【0007】
人指し指でホイールを回すには、指の3カ所の関節を動かすため、指の細い筋肉と掌の筋肉までも動かす必要があり、作業が多いと慣れないうちは指が痛くなり、病院に行く人もいる。
【0008】
親指以外の指には、互いに独立した動きを制限する腱間結合があって、一つの指の動きにつられてとなりの指も僅かであるが同じように動くので、一本の指だけに複雑な動きをさせるのは容易ではなく、慣れるためには繰り返し以外にないので、かなりの努力が必要だが、報われるものはあまりなく、人の指には向いていない無理な動きをさせている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
親指以外の4本の指を並べて乗せる曲面体と親指の腹で押せる4分の1楕円体からなるマウスで、曲面体の前方に左ボタンと右ボタンを設け、後方に指の付け根部分を乗せる高部を設け、その下側に竪面を設け、曲面体の左側に設けた前記4分の1楕円体にホイールを設け、右端に楕円端部を設けた。
【0010】
前方に曲線を下げ後方には曲線を上げてその曲線に繋がる高部から曲線を下げて出来る半楕円形状の断面を、左から右に緩い曲がりで下げて曲面体を形成した。
【0011】
4分の1楕円体に設けるホイールの位置を高くして、ホイールの下方を親指で押せるようにし、親指と小指の指先で其々ホイールの下方と楕円端部を押してマウスを掴めるようにした。
【0012】
親指と小指の指先が左右から挟む部分のどちらも楕円なので曲面の曲がりが緩く親指と小指の位置を前後に動かせば、手の大きさの違う人それぞれの親指と小指の位置で、手乗せマウスを掴むことができるし、マウスを動かせる。
【0013】
曲面体に設ける2つのボタンのどちらにも小さな半球形の突起を縦に1列にして数個設けた。
【0014】
4分の1楕円体を大きくして、親指の指先をホイールの脇にも置けるようにした。
【0015】
マウスの前後の巾を、母指球と小指球が操作面に下ろせる巾にした。
【発明の効果】
【0016】
人差し指と中指と薬指の3本の指の付け根を曲面体の高部に乗せ、人差し指と中指の指先を下ろして、指を曲げて指先をボタンの位置に合わせ、親指と小指の2本の指先でマウスを両端から掴めば、マウスを操作できる。マウスの上に手を乗せるだけなので、慣れてくるとこれを一瞬でできるようになる。
【0017】
曲面体の高部に人差し指と中指と薬指の指の付け根を乗せておけば、指先をマウスから浮かしたままでも、ボタンを押すときだけに指先を曲げれば良いので、人差し指と中指は腱鞘炎にはならない。
【0018】
人差し指と中指と薬指の指の付け根部分を曲面体の高部に乗せておけば、親指と小指以外の3本の指先を浮かしたまま親指でホイールを回しても、マウスは操作面に固定されている状態なのでブレることはない。
【0019】
親指と小指でマウスを掴んでいれば、他の3本の指と掌をマウスから浮かしたままでも、マウスを移動できるし、両方のボタンも人差し指と中指で押すことができる。
【0020】
掌を下向きにしたマウスの操作で前腕が疲れたら、親指を操作面の上部に上げ、ホイールの脇の上の方に曲げた親指の指先をおくと、母指球が操作面から浮き上がり、人差し指と中指と薬指が曲面体から傾いて僅かに浮き上がり、掌と前腕も傾いて下向きだった前腕の捩じれを小さくするので、この状態でマウスを操作すれば、前腕の疲れを取ることができる。
【0021】
ホイールの脇の上の方に置いた親指の曲げた指先を伸ばせば、そのままでもホイールを回せるし、傾いた人差し指も中指もボタンを押せるが、人差し指と中指の指の付け根が曲面体に置けないので、置きたくなったときは前腕を捩じって掌を下向きにして親指も下げれば、いつでも元に戻すこともできるし、再び傾けることも直ぐにできる。
【0022】
親指でホイールを回せるようにしたので、人差し指で回すよりも素早く回せるし、人差し指とは違い指の曲げ伸ばしの繰り返しがないし、筋肉も人差し指にくべてかなり太いので、腱鞘炎にはならない。
【0023】
親指でホイールを回すときに親指が左右に動いた角度は、親指を動かせる90度ほどの角度の3分の1程度なので、親指は疲れないし痛くならない。
【0024】
人差し指でホイールを回すマウスでは、手前に回すときと向こうに回すときとでは違う筋肉を使うし、筋肉も細いので疲れやすく慣れる必要もあるが、親指がホイールを回す場合は、指の曲げ伸ばしもなく指の左右への動きだけで、筋肉も太く疲れないし、誰でも左右に素早く動かせるので、慣れる必要もない。
【0025】
マウスを掴んでいる親指と小指の指先を同時に内側に曲げるとマウスが僅かであるが内側に動き、どちらかの指先だけを曲げればマウスが曲げた方に傾くし、親指と小指の動きだけでマウスを左右に動かすことができるので、人差し指と中指のどちらかが使えない時は、マウスを左右のどちらかに動かせば、使える指の方で両方のボタンが押せるようになり、マウスを操作できる。
【0026】
母指球と小指球を操作面から浮かしてもマウスを動かせるし、微かに触れる程度に浮かしても動かせるし、操作面に下ろしてもできるので、その日の気分でどれでも選べるので、使う人の好きな使い方ができる。
【0027】
左ボタンと右ボタンの間にホイールを設けないし、ボタンの巾の中央に小さな突起を設けたので、目視なしでもボタンの位置がわかるし、突起がボタンの中央にあるため指先も中央にくるので、ボタンの巾が小さくなり、ボタンの数を増やすこともできる。
【0028】
指の付け根だけでマウスを押してマウスを前後左右に動かせば、すべての指先を伸ばしたままでも、マウスを動かせるし、マウスを止めて動かさなければならない指の指先を曲げれば、操作も直ぐにできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、
図1~
図12に基づいて説明する。
【実施例0031】
図において、1のマウスには、4本の指を乗せる曲面体2の前方に左ボタン4と右ボタン5があり、曲面体2の後方にある竪面3は曲面体2と一体で、曲面体2の左側に設けた4分の1楕円体6には、ホイール8を設け、曲面体の右端に楕円端部7を設け、マウス1の下方に、下盤9を設けてマウスの重さを操作面に伝えている。
【0032】
左ボタン4と右ボタン5に突起10を設け、目視せずとも指先で押す位置を確認できるようにしている。
【0033】
4分の1楕円体6を押す親指の腹は大きいし、楕円端部7を押す小指の腹は指先方向に長いので、其々の位置を動かして互いに相対する位置に僅かなズレが生じても、操作面上ではマウスを掴んで動かすことができる。