IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 河村電器産業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電力供給制御システム 図1
  • 特開-電力供給制御システム 図2
  • 特開-電力供給制御システム 図3
  • 特開-電力供給制御システム 図4
  • 特開-電力供給制御システム 図5
  • 特開-電力供給制御システム 図6
  • 特開-電力供給制御システム 図7
  • 特開-電力供給制御システム 図8
  • 特開-電力供給制御システム 図9
  • 特開-電力供給制御システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176690
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】電力供給制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/14 20060101AFI20231206BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20231206BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20231206BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H02J3/14 130
H02J13/00 311T
H02J3/32
H02J3/38 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089114
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】青野 昌隆
(72)【発明者】
【氏名】河合 智成
(72)【発明者】
【氏名】生駒 愛理
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 瑛叶
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC06
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB11
5G064DA07
5G066HA13
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA07
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】簡素な仕組みで、電気機器の消費電力を電力の供給状況に応じた制御をする。
【解決手段】電力供給制御システムであって、制御器は、系統電力の計測点の電流の計測結果を取得する第1取得部と、第1取得部が取得する計測結果と、所定の判定条件とに基づいて、電力供給スイッチから電力を供給させるか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果を制御端末に送信する送信部と、を備え、制御端末は、送信部が送信する判定結果を受信する受信部と、判定結果に基づいて、電力供給スイッチの状態を切り替える制御情報を生成する制御情報生成部と、制御情報生成部が生成する制御情報を、電力供給スイッチに出力する出力部と、を備え、電力供給スイッチは、出力部が出力する制御情報を取得する第2取得部と、第2取得部が取得する制御情報に基づいて、アウトレット部に電力を供給するか否かを切り替える断路部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御器と、制御端末と、少なくとも1つの電力供給スイッチと、接続された電気機器に対して前記電力供給スイッチから供給される電力を出力するアウトレット部と、を備える電力供給制御システムであって、
前記制御器は、
系統電力の計測点の電流の計測結果を取得する第1取得部と、
前記第1取得部が取得する前記計測結果と、所定の判定条件とに基づいて、前記電力供給スイッチから電力を供給させるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を前記制御端末に送信する送信部と、
を備え、
前記制御端末は、
前記送信部が送信する前記判定結果を受信する受信部と、
前記判定結果に基づいて、前記電力供給スイッチの状態を切り替える制御情報を生成する制御情報生成部と、
前記制御情報生成部が生成する前記制御情報を、前記電力供給スイッチに出力する出力部と、
を備え、
前記電力供給スイッチは、
前記出力部が出力する前記制御情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得する前記制御情報に基づいて、前記アウトレット部に電力を供給するか否かを切り替える断路部と、
を備える電力供給制御システム。
【請求項2】
太陽光発電装置をさらに備え、前記系統電力に対して売電または買電可能であり、
前記判定条件は、前記計測結果が売電状態であるか、買電状態であるかを示すしきい値であって、
前記判定部は、
前記計測結果が買電状態である場合に、前記電力供給スイッチから電力を供給させないと判定する
請求項1に記載の電力供給制御システム。
【請求項3】
複数の前記電力供給スイッチと、当該電力供給スイッチに対応する前記アウトレット部とを備え、
前記判定部は、
前記計測結果が売電状態である場合に、すべての前記電力供給スイッチから電力を供給させると判定する
請求項2に記載の電力供給制御システム。
【請求項4】
複数の前記電力供給スイッチと、当該電力供給スイッチに対応する前記アウトレット部とを備え、
前記制御情報生成部は、複数の前記電力供給スイッチ間の優先度を示す優先度情報に基づいて、複数の前記電力供給スイッチのうち、いずれの前記電力供給スイッチから電力を供給させるかを示す情報を、前記制御情報として生成する
請求項1に記載の電力供給制御システム。
【請求項5】
前記電力供給スイッチと、当該電力供給スイッチに対応する前記アウトレット部とが1つのユニットとして構成されている、
請求項1に記載の電力供給制御システム。
【請求項6】
前記電力供給スイッチは、複数の前記アウトレット部を含む配電エリアに対して一括して電力を供給するか否かを切り替える
請求項1に記載の電力供給制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅や工場、オフィスなどにおける電気機器の消費電力を、電力の供給状況に応じて適切に制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-182255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では制御対象の電気機器への指示の仕組みが複雑になってしまうという課題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、簡素な仕組みで、電気機器の消費電力を電力の供給状況に応じた制御をすることが可能な技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、制御器と、制御端末と、少なくとも1つの電力供給スイッチと、接続された電気機器に対して前記電力供給スイッチから供給される電力を出力するアウトレット部と、を備える電力供給制御システムであって、前記制御器は、系統電力の計測点の電流の計測結果を取得する第1取得部と、前記第1取得部が取得する前記計測結果と、所定の判定条件とに基づいて、前記電力供給スイッチから電力を供給させるか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果を前記制御端末に送信する送信部と、を備え、前記制御端末は、前記送信部が送信する前記判定結果を受信する受信部と、前記判定結果に基づいて、前記電力供給スイッチの状態を切り替える制御情報を生成する制御情報生成部と、前記制御情報生成部が生成する前記制御情報を、前記電力供給スイッチに出力する出力部と、を備え、前記電力供給スイッチは、前記出力部が出力する前記制御情報を取得する第2取得部と、前記第2取得部が取得する前記制御情報に基づいて、前記アウトレット部に電力を供給するか否かを切り替える断路部と、を備える電力供給制御システムである。
【0007】
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の電力供給制御システムにおいて、太陽光発電装置をさらに備え、前記系統電力に対して売電または買電可能であり、前記判定条件は、前記計測結果が売電状態であるか、買電状態であるかを示すしきい値であって、前記判定部は、前記計測結果が買電状態である場合に、前記電力供給スイッチから電力を供給させないと判定する。
【0008】
(3)本発明の一態様は、上記(2)に記載の電力供給制御システムにおいて、複数の前記電力供給スイッチと、当該電力供給スイッチに対応する前記アウトレット部とを備え、前記判定部は、前記計測結果が売電状態である場合に、すべての前記電力供給スイッチから電力を供給させると判定する。
【0009】
(4)本発明の一態様は、上記(1)に記載の電力供給制御システムにおいて、複数の前記電力供給スイッチと、当該電力供給スイッチに対応する前記アウトレット部とを備え、前記制御情報生成部は、複数の前記電力供給スイッチ間の優先度を示す優先度情報に基づいて、複数の前記電力供給スイッチのうち、いずれの前記電力供給スイッチから電力を供給させるかを示す情報を、前記制御情報として生成する。
【0010】
(5)本発明の一態様は、上記(1)に記載の電力供給制御システムにおいて、前記電力供給スイッチと、当該電力供給スイッチに対応する前記アウトレット部とが1つのユニットとして構成されている。
【0011】
(6)本発明の一態様は、上記(1)に記載の電力供給制御システムにおいて、前記電力供給スイッチは、複数の前記アウトレット部を含む配電エリアに対して一括して電力を供給するか否かを切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】電力供給制御システムを含む全体構成の一例を示す図である。
図2】EV用端末構成例を示す図である。
図3】制御器の構成例を示す図である。
図4】配電用端末の構成例を示す図である。
図5】記憶部に記憶される優先度情報の一例である。
図6】電力供給スイッチの構成例を示す図である。
図7】電力供給制御システムの動作の流れの第1の例を示す図である。
図8】電力供給制御システムの動作の流れの第2の例を示す図である。
図9】電力供給制御システムの動作の流れの第3の例を示す図である。
図10】電力供給制御システムの動作の流れの第4の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態に係る電力供給制御システム1を、図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、電力供給制御システム1を含む全体構成の一例を示す図である。図1には、屋外用引込盤10、PV(太陽光発電装置:Photovoltaic)200、PCS(Power Conditioning System)210、310、定置型蓄電池300、EV400、EV充放電装置410、住宅用分電盤500、スイッチユニット510およびコンセント530が示されている。
【0015】
屋外用引込盤10は、系統電力に対し、売電または買電可能である。屋外用引込盤10は、PCS210を介して電力線でPV200と接続される。屋外用引込盤10は、PCS310を介して電力線で定置型蓄電池300と接続される。屋外用引込盤10は、住宅用分電盤500と電力線で接続される。
【0016】
屋外用引込盤10は、EV充放電装置410を介して電力線でEV(Electric Vehicle)400と接続される。EV充放電装置410には、EV400の充放電を制御するEV用端末100が設けられる。EV用端末100は、蓄電池制御端末の一例である。なお、図1では、EV充放電装置410が2つ示されてるが、1つまたは3つ以上であってもよい。また、1台のEV400に1つのEV充放電装置410を対応させているが、複数台のEV400を接続可能としてもよい。この場合、EV充放電装置410に例えばEV400をN台接続可能としたとき、EV用端末100もN個設けられ、EV400の1台ごとにEV用端末100が1つ割り当てられることで、充放電を制御可能な構成とする。
【0017】
屋外用引込盤10は、主幹ブレーカー11、CT(Current Transformer)12、PV用ブレーカー13、蓄電池用ブレーカー14、EV用ブレーカー15、および住宅内用ブレーカー17を備える。さらに、屋外用引込盤10は、制御器20、HUB18、PV用端末31、および蓄電池用端末32を備える。以下の説明において、EV用端末100、PV用端末31、および蓄電池用端末32をまとめて「各端末」と表現することがある。また、定置型蓄電池300およびEV400の車載蓄電池をまとめて「蓄電池」と表現することがある。また、EV充放電装置410、PCS310は各端末の指示対象であるので、これらをまとめて「指示対象」と表現することがある。
【0018】
主幹ブレーカー11は、系統電力と電力線で接続する。主幹ブレーカー11は、PV用ブレーカー13、蓄電池用ブレーカー14、EV用ブレーカー15、および住宅内用ブレーカー17と電力線で接続する。主幹ブレーカー11とその他のブレーカーとの間にCT12が設けられる。PV200と接続するPCS210は、PV用ブレーカー13と電力線で接続する。定置型蓄電池300と接続するPCS310は、蓄電池用ブレーカー14と電力線で接続する。EV400と接続するEV充放電装置410は、EV用ブレーカー15と電力線で接続する。住宅用分電盤500は、住宅内用ブレーカー17と電力線で接続する。
【0019】
住宅用分電盤500は、スイッチユニット510を介してコンセント530に電力を供給する。スイッチユニット510は、1つ以上の電力供給スイッチ520を備える。電力供給スイッチ520は、配電用端末50によって制御される。
コンセント530は、アウトレットともいい、接続された電気機器に対して電力供給スイッチ520から供給される電力を出力する。
【0020】
CT12は、電流センサであって、系統電力の計測点の電流の大きさを計測する。
制御器20は、CT12と通信線で接続する。制御器20は、CT12による電流の計測結果を取得する。制御器20は、HUB18を介してEV用端末100、PV用端末31、蓄電池用端末32及び配電用端末50と通信線で接続する。配電用端末50は、制御器20の指示に基づいて、電力供給スイッチ520からコンセント530への電力の供給可否を制御する。
なお、制御器20と各端末とは、無線で接続されていてもよい。
【0021】
制御器20は、CT12により、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを検知する。検知タイミングは、例えば所定間隔で到来するものとしてもよいし、電力供給制御システム1を使用する使用者の指示に応じたタイミングであってもよい。制御器20による検知結果は、通信線により各端末に通知される。各端末は、制御器による検知結果に応じて、蓄電池の充放電を制御する。
【0022】
EV用端末100は、EV充放電装置410に対してEV400に搭載された車載蓄電池の充放電を指示することで、車載蓄電池を制御する。蓄電池用端末32は、定置型蓄電池300の充放電を制御する。PV用端末31は、PV200を制御する。
上述した構成のうち、制御器20と各端末とが電力供給制御システム1を構成する。
【0023】
次に、各端末の構成例について説明する。
図2は、EV用端末100の構成例を示す図である。EV用端末100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130とを備える。これらの構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
なお、制御器20、PV用端末31、蓄電池用端末32及び配電用端末50などの、EV用端末100以外のコンピュータ装置についても、その各構成要素は、上述した具体的な構成例と同様に構成される。このため、EV用端末100以外のコンピュータ装置については、具体的な構成要素の説明を省略する。
【0024】
通信部120は、各種ネットワークに接続する通信インターフェースである。通信部120は、例えば制御器20や、指示対象などと通信する。例えば、通信部120は、イーサネット(登録商標)やLAN等のNIC(Network Interface Card)である。また、無線による通信を行う場合には、無線通信用のデバイスを含む。記憶部130は、例えば充放電の制御で参照される閾値情報を記憶する。具体的な閾値情報については後述する。
【0025】
制御部110は、各端末の各部を制御することにより、蓄電池の充放電を制御する。制御部110は、検知結果取得部111と、充電指示部112と、放電指示部113と、充電率取得部114と、全体制御部115とを備える。
【0026】
検知結果取得部111は、制御器20から、系統電力に対し売電または買電を行っているか否かを示す検知結果を取得する。充電指示部112は、指示対象に対して、充電の指示や、充電の終了指示を行う。放電指示部113は、指示対象に対して、放電の指示や、放電の終了指示を行う。充電率取得部114は、充放電制御対象の蓄電池の充電率を取得する。全体制御部115は、制御部110全体を制御する。
【0027】
図3は、制御器20の構成例を示す図である。制御器20は、通信部21と、制御部22と、記憶部23とを備える。
通信部21は、各種ネットワークに接続する通信インターフェースである。通信部21は、取得部211と、送信部212とをその機能部として備える。
制御部22は、制御器20の各部を制御する。制御部22は、判定部221をその機能部として備える。
記憶部23は、電力供給スイッチ520を制御するための判定条件を記憶する。
【0028】
取得部211(第1取得部)は、系統電力の計測点の電流の計測結果をCT12から取得する。
判定部221は、取得部211が取得する計測結果と、所定の判定条件とに基づいて、電力供給スイッチ520から電力を供給させるか否かを判定する。
送信部212は、判定部221による判定結果を配電用端末50(制御端末)に送信する。
【0029】
図4は、配電用端末50の構成例を示す図である。配電用端末50は、通信部51と、制御部52と、記憶部53とを備える。
通信部21は、各種ネットワークに接続する通信インターフェースである。通信部21は、受信部511と、出力部512とをその機能部として備える。
制御部52は、配電用端末50の各部を制御する。制御部52は、制御情報生成部521をその機能部として備える。
記憶部23は、電力供給スイッチ520を制御するための優先度情報を記憶する。
【0030】
図5は、記憶部23に記憶される優先度情報の一例である。記憶部23には、優先度情報が記憶される。優先度情報とは、複数の電力供給スイッチ520のうち、いずれの電力供給スイッチ520から電力を供給させるかの優先度を示す情報である。
【0031】
優先度情報は、スイッチIDと優先度とが対応付けられている。スイッチIDとは、複数の電力供給スイッチ520に個別に付与された識別情報である。例えば、電力供給スイッチ520-1には、スイッチID「SW1」が付与されている。電力供給スイッチ520-2には、スイッチID「SW2」が付与されている。同様に、電力供給スイッチ520-nには、スイッチID「SWn」が付与されている。ここでnは、電力供給制御システム1に含まれる電力供給スイッチ520の数を示す自然数である。
同図の一例の場合、スイッチID「SW1」には優先度1が、スイッチID「SW2」には優先度2が、スイッチID「SWn」には優先度nが対応付けられている。
この一例の場合、優先度1が最も優先度が高く、優先度nが最も優先度が低い。
【0032】
以下の説明において優先度のことを優先順位とも記載する。同図の例の場合、スイッチID「SW1」の電力供給スイッチ520-1は、優先順位1(すなわち、優先度1)である。スイッチID「SW2」の電力供給スイッチ520-2は、優先順位2(すなわち、優先度2)である。スイッチID「SWn」の電力供給スイッチ520-nは、優先順位n(すなわち、優先度n)である。
【0033】
図4に戻り、受信部511は、制御器20の送信部212が送信する判定結果を受信する。
制御情報生成部521は、受信部511が受信した判定結果に基づいて、電力供給スイッチ520の状態を切り替える制御情報を生成する。
出力部512は、制御情報生成部521が生成する制御情報を、電力供給スイッチ520に出力する。
【0034】
図6は、電力供給スイッチ520の構成例を示す図である。
電力供給スイッチ520は、取得部5201と、断路部5202と、計測部5203と、電流センサ5204とを備える。
取得部5201(第2取得部)は、出力部512が出力する制御情報を取得する。
断路部5202は、例えば、ACコンタクタやリレー接点などの電力経路を断路する機能を備えており、端子T1と端子T2とに接続される。端子T1には、住宅用分電盤500からの電力線が接続される。端子T2には、コンセント530が接続される。断路部5202は、端子T1と端子T2との間の接続状態をオン(閉)またはオフ(開)することができる。断路部5202は、取得部5201が取得する制御情報に基づいて、コンセント530(アウトレット部)に電力を供給するか否かを切り替える。
電流センサ5204は、端子T1から端子T2に流れる電流(つまり、コンセント530に接続された電気機器に供給される電流)の電流の大きさを取得する。
計測部5203は、電流センサ5204が取得した電流の大きさを計測し、計測結果を配電用端末50に出力する。
【0035】
なお、電力供給スイッチ520と、コンセント530とが別々の装置として構成されている場合を一例にして説明したが、これに限られない。電力供給スイッチ520と、当該電力供給スイッチ520に対応するコンセント530(アウトレット部)とが1つのユニットとして構成されていてもよい。
【0036】
また、1つの電力供給スイッチ520に対して、1つのコンセント530が対応するように構成されている場合を一例として説明したが、これに限られない。1つの電力供給スイッチ520に対して複数のコンセント530(つまり、コンセント群)が対応するように構成されていてもよい。この場合、電力供給スイッチ520は、複数のコンセント530(アウトレット部)を含む配電エリアに対して一括して電力を供給するか否かを切り替える。
【0037】
[電力供給制御システムの動作の流れ]
図7図10を参照して、電力供給制御システム1の動作の流れの一例について説明する。
【0038】
(1)優先度に基づく制御
図7は、電力供給制御システム1の動作の流れの第1の例を示す図である。
(ステップS100)配電用端末50は、利用者の操作に基づいて、記憶部53に優先度情報を記憶させる。この一例の場合、記憶部53には、図5に示す優先度情報が記憶される。
(ステップS110)制御器20の取得部211は、CT12から系統電力の計測点の電流の計測結果を取得する。
(ステップS120)制御器20の判定部221は、系統電力の計測点の電流が正(買電)であるか、負(売電)であるかを判定する。判定部221は、負(売電)であると判定した場合(ステップS120;NO)には、処理をステップS110に戻す。判定部221は、正(買電)であると判定した場合(ステップS120;YES)には、処理をステップS130に進める。
判定部221は、ステップS120での判定結果を、送信部212を介して配電用端末50に対して送信する。配電用端末50の受信部511は、制御器20から送信された判定結果を受信する。
【0039】
(ステップS130)配電用端末50の制御情報生成部521は、優先順位1(優先度1)の電力供給スイッチ520が電力をコンセント530に供給しているか否かを判定する。この一例では、制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1の断路部5202がオフ(遮断状態)であるか、オン(接続状態)であるかを判定する。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1がオン(接続状態)である場合には、電力供給スイッチ520-1をオフ(遮断状態)にする制御情報を生成する(ステップS140)。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1がオフ(遮断状態)である場合には、処理をステップS150に進める。
【0040】
(ステップS150)制御情報生成部521は、優先順位2(優先度1)の電力供給スイッチ520が電力をコンセント530に供給しているか否かを判定する。この一例では、制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2の断路部5202がオフ(遮断状態)であるか、オン(接続状態)であるかを判定する。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2がオン(接続状態)である場合には、電力供給スイッチ520-2をオフ(遮断状態)にする制御情報を生成する(ステップS160)。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2がオフ(遮断状態)である場合には、処理をステップS170に進める。
【0041】
(ステップS170~S180)制御情報生成部521は、上述したステップS130~S160と同様にして、電力供給スイッチ520-nまでの状態判定を順次実行する。
このようにして、制御情報生成部521は、制御対象の複数の電力供給スイッチ520について、順次、状態判定を行う。
【0042】
すなわち、電力供給制御システム1が、複数の電力供給スイッチ520と、当該電力供給スイッチ520に対応するコンセント530(アウトレット部)とを備える場合において、制御情報生成部521は、複数の電力供給スイッチ520間の優先度を示す優先度情報に基づいて、複数の電力供給スイッチ520のうち、いずれの電力供給スイッチ520から電力を供給させるかを示す情報を、制御情報として生成する。
【0043】
(2)各コンセントの電流量(リアルタイム値)に基づく制御
図8は、電力供給制御システム1の動作の流れの第2の例を示す図である。
(ステップS200)制御器20の取得部211は、CT12から系統電力の計測点の電流の計測結果を取得する。
(ステップS210)制御器20の判定部221は、系統電力の計測点の電流が正(買電)であるか、負(売電)であるかを判定する。判定部221は、負(売電)であると判定した場合(ステップS210;NO)には、処理をステップS200に戻す。判定部221は、正(買電)であると判定した場合(ステップS210;YES)には、処理をステップS220に進める。
判定部221は、ステップS210での判定結果を、送信部212を介して配電用端末50に対して送信する。配電用端末50の受信部511は、制御器20から送信された判定結果を受信する。
【0044】
(ステップS220)電力供給スイッチ520の計測部5203は、電流センサ5204が取得した電流の大きさを計測し、計測結果を配電用端末50に出力する。
配電用端末50の受信部511は、電力供給スイッチ520が出力する計測結果を、各電力供給スイッチ520からそれぞれ取得する。この計測結果は、電力供給スイッチ520が電力を供給しているコンセント530において消費されている電流量を示している。すなわち、受信部511は、コンセント530に接続されている各負荷の電流量を取得する。
この一例においては、供給している電流量が、電力供給スイッチ520-1、電力供給スイッチ520-2、…、電力供給スイッチ520-nの順に大きいものとして説明する。
【0045】
(ステップS230)配電用端末50の制御情報生成部521は、1番目に大きい電流量である電力供給スイッチ520が、コンセント530に電力供給しているか否かを判定する。この一例では、供給した電流量が1番目に大きい電力供給スイッチ520は、電力供給スイッチ520-1である。この場合、制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1の断路部5202がオフ(遮断状態)であるか、オン(接続状態)であるかを判定する。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1がオン(接続状態)である場合には、電力供給スイッチ520-1をオフ(遮断状態)にする制御情報を生成する(ステップS240)。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1がオフ(遮断状態)である場合には、処理をステップS250に進める。
【0046】
(ステップS250)配電用端末50の制御情報生成部521は、2番目に大きい電流量である電力供給スイッチ520が、コンセント530に電力供給しているか否かを判定する。この一例では、供給した電流量が2番目に大きい電力供給スイッチ520は、電力供給スイッチ520-2である。この場合、制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2の断路部5202がオフ(遮断状態)であるか、オン(接続状態)であるかを判定する。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2がオン(接続状態)である場合には、電力供給スイッチ520-2をオフ(遮断状態)にする制御情報を生成する(ステップS260)。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2がオフ(遮断状態)である場合には、処理をステップS270に進める。
【0047】
(ステップS270~S280)制御情報生成部521は、上述したステップS230~S260と同様にして、電力供給スイッチ520-nまでの状態判定を順次実行する。
このようにして、制御情報生成部521は、制御対象の複数の電力供給スイッチ520について、順次、状態判定を行う。
【0048】
(3)各コンセントの電流量(過去の履歴)に基づく制御
図9は、電力供給制御システム1の動作の流れの第3の例を示す図である。上述した第2の例では、電力供給制御システム1は、電力供給スイッチ520が供給している現在の電流量(つまり、リアルタイム値)に基づいて制御した。この第3の例では、電力供給制御システム1は、電力供給スイッチ520が供給した電流量の過去の履歴(例えば、1週間の積算値)に基づいて制御する点で、上述した第2の例と異なる。
【0049】
(ステップS300)制御器20の取得部211は、CT12から系統電力の計測点の電流の計測結果を取得する。
(ステップS310)制御器20の判定部221は、系統電力の計測点の電流が正(買電)であるか、負(売電)であるかを判定する。判定部221は、負(売電)であると判定した場合(ステップS310;NO)には、処理をステップS300に戻す。判定部221は、正(買電)であると判定した場合(ステップS310;YES)には、処理をステップS320に進める。
判定部221は、ステップS310での判定結果を、送信部212を介して配電用端末50に対して送信する。配電用端末50の受信部511は、制御器20から送信された判定結果を受信する。
【0050】
(ステップS320)一方、電力供給スイッチ520の計測部5203は、常時、電流センサ5204が取得した電流の大きさを計測し、計測結果を配電用端末50に出力している。
配電用端末50の受信部511は、電力供給スイッチ520が出力する計測結果を、各電力供給スイッチ520からそれぞれ取得する。この計測結果は、電力供給スイッチ520が電力を供給しているコンセント530において消費されている電流量を示している。すなわち、受信部511は、コンセント530に接続されている各負荷の電流量を取得する。
配電用端末50は、取得した電流量を電力供給スイッチ520ごとに期間集計する。例えば、配電用端末50は、1週間ごとの電流量を、電力供給スイッチ520ごとに集計する。配電用端末50は、集計した結果を記憶部53に記憶させる。この結果、配電用端末50は、複数の電力供給スイッチ520について、電力供給スイッチ520から供給した電流量の順に並べることが可能になる。
この一例においては、直近1週間に供給した電流量が、電力供給スイッチ520-1、電力供給スイッチ520-2、…、電力供給スイッチ520-nの順に大きいものとして説明する。
【0051】
(ステップS330)配電用端末50の制御情報生成部521は、1番目に大きい電流量である電力供給スイッチ520が、コンセント530に電力供給しているか否かを判定する。この一例では、供給した電流量が1番目に大きい電力供給スイッチ520は、電力供給スイッチ520-1である。この場合、制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1の断路部5202がオフ(遮断状態)であるか、オン(接続状態)であるかを判定する。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1がオン(接続状態)である場合には、電力供給スイッチ520-1をオフ(遮断状態)にする制御情報を生成する(ステップS340)。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-1がオフ(遮断状態)である場合には、処理をステップS350に進める。
【0052】
(ステップS350)配電用端末50の制御情報生成部521は、2番目に大きい電流量である電力供給スイッチ520が、コンセント530に電力供給しているか否かを判定する。この一例では、供給した電流量が2番目に大きい電力供給スイッチ520は、電力供給スイッチ520-2である。この場合、制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2の断路部5202がオフ(遮断状態)であるか、オン(接続状態)であるかを判定する。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2がオン(接続状態)である場合には、電力供給スイッチ520-2をオフ(遮断状態)にする制御情報を生成する(ステップS360)。
制御情報生成部521は、電力供給スイッチ520-2がオフ(遮断状態)である場合には、処理をステップS370に進める。
【0053】
(ステップS370~S380)制御情報生成部521は、上述したステップS330~S360と同様にして、電力供給スイッチ520-nまでの状態判定を順次実行する。
このようにして、制御情報生成部521は、制御対象の複数の電力供給スイッチ520について、順次、状態判定を行う。
【0054】
(4)コンセントごとに定められた時間帯に基づく制御
図10は、電力供給制御システム1の動作の流れの第4の例を示す図である。この第4の例では、電力供給スイッチ520の優先度が時間帯ごとに定められている点で、上述した各実施例と異なる。
【0055】
(ステップS400)配電用端末50は、利用者の操作に基づいて、記憶部53に時間帯ごとの優先度情報を記憶させる。
この一例の場合、第1の時間帯では、SW1(電力供給スイッチ520-1)>SW2(電力供給スイッチ520-2)>SW3(電力供給スイッチ520-3)の順に優先度が定められている。
第2の時間帯では、SW2(電力供給スイッチ520-2)>SW3(電力供給スイッチ520-3)>SW1(電力供給スイッチ520-1)の順に優先度が定められている。
第nの時間帯では、SW3(電力供給スイッチ520-3)>SW1(電力供給スイッチ520-1)>SW2(電力供給スイッチ520-2)の順に優先度が定められている。
記憶部53には、これら時間帯ごとの優先度が記憶される。一例として、第1の時間帯は午前6時から午後2時まで、第2の時間帯は午後2時から午後10時まで、第nの時間帯は、午後10時から翌日の午前6時までである。
【0056】
(ステップS410)制御器20の取得部211は、CT12から系統電力の計測点の電流の計測結果を取得する。
【0057】
(ステップS420)配電用端末50は、現在時刻を取得する。
【0058】
(ステップS430)制御器20の判定部221は、系統電力の計測点の電流が正(買電)であるか、負(売電)であるかを判定する。判定部221は、負(売電)であると判定した場合(ステップS430;NO)には、制御対象のすべての電力供給スイッチ520をオン(接続状態)にし(ステップS500)、処理をステップS410に戻す。判定部221は、正(買電)であると判定した場合(ステップS430;YES)には、処理をステップS440に進める。
判定部221は、ステップS310での判定結果を、送信部212を介して配電用端末50に対して送信する。配電用端末50の受信部511は、制御器20から送信された判定結果を受信する。
【0059】
(ステップS440)配電用端末50の制御情報生成部521は、ステップS420で取得した現在時刻が、記憶部53に記憶されている第1の時間帯であるか否かを判定する。
制御情報生成部521は、現在時刻が第1の時間帯であると判定した場合(ステップS440;YES)には、記憶部53に記憶されている第1の時間帯の優先度(例えば、SW1>SW2>SW3の順)に基づいて、電力供給スイッチ520をオフ(遮断状態)に制御する(ステップS450)。
制御情報生成部521は、現在時刻が第1の時間帯でないと判定した場合(ステップS440;NO)には、処理をステップS460に進める。
【0060】
(ステップS460)配電用端末50の制御情報生成部521は、ステップS420で取得した現在時刻が、記憶部53に記憶されている第2の時間帯であるか否かを判定する。
制御情報生成部521は、現在時刻が第2の時間帯であると判定した場合(ステップS460;YES)には、記憶部53に記憶されている第2の時間帯の優先度(例えば、SW2>SW3>SW1の順)に基づいて、電力供給スイッチ520をオフ(遮断状態)に制御する(ステップS470)。
制御情報生成部521は、現在時刻が第1の時間帯でないと判定した場合(ステップS460;NO)には、処理をステップS480に進める。
【0061】
(ステップS480~S490)制御情報生成部521は、上述したステップS440~S4700と同様にして、電力供給スイッチ520-nまでの制御を順次実行する。
このようにして、制御情報生成部521は、制御対象の複数の電力供給スイッチ520について、順次、制御を行う。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の電力供給制御システム1は、制御器20が判定部221を、配電用端末50が制御部52を、電力供給スイッチ520が断路部5202を、それぞれ備えている。この電力供給制御システム1において、制御器20が、取得部211が取得する計測結果と、所定の判定条件とに基づいて、電力供給スイッチ520から電力を供給させるか否かを判定する。また、配電用端末50(制御端末)が、判定結果に基づいて、電力供給スイッチ520の状態を切り替える制御情報を生成し、電力供給スイッチ520を制御する。
【0063】
このように構成された電力供給制御システム1によれば、消費電力の制御対象の電力機器との直接の通信を行うことなく、電力機器の消費電力を制御することができるため、簡素な仕組みで、電気機器の消費電力を電力の供給状況に応じた制御をすることができる。また、電力供給制御システム1は、消費電力の判定を行う機能を制御器20が有し、制御器20の判定結果に基づいた電力供給条件の判定を行う機能を配電用端末50が有している。すなわち、電力供給制御システム1は、制御器20と配電用端末50とで機能を分散している。このように構成された電力供給制御システム1によれば、電力供給条件の設定や変更を、制御器20の設定を変更することなく、配電用端末50の操作によって行うことができるため、システムの構成が簡素になり、かつ簡便に設定を行うことができる。
【0064】
また、電力供給制御システム1が、太陽光発電装置を備え、系統電力に対して売電または買電可能である場合において、判定条件は、計測結果が売電状態であるか、買電状態であるかを示すしきい値である。この場合において、判定部221は、計測結果が買電状態である場合に、電力供給スイッチ520から電力を供給させないと判定する。
このように構成された電力供給制御システム1によれば、買電量を所望の量(例えば、契約電流の上限値未満)に抑えることができる。
【0065】
また、電力供給制御システム1が、複数の電力供給スイッチ520と、当該電力供給スイッチ520に対応するコンセント530(アウトレット部)とを備えており、太陽光発電装置をさらに備え、系統電力に対して売電または買電可能である場合において、判定部221は、計測結果が売電状態である場合に、すべての電力供給スイッチ520から電力を供給させると判定する。
このように構成された電力供給制御システム1によれば、売電状態であるときは、制御対象のすべてのコンセント530から電力を使用することができ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態の電力供給制御システム1は、電力供給スイッチ520間の優先度に基づいて(例えば、優先度が高い電力供給スイッチ520から順に)、供給可否を判定する。このように構成された電力供給制御システム1によれば、制御対象のすべての電気機器が一斉に停止されるなどの不都合が低減され、利用者の利便性を向上させることができる。
【0067】
また、本実施形態の電力供給制御システム1は、電力供給スイッチ520と、この電力供給スイッチ520に対応するコンセント530(アウトレット部)とが1つのユニットとして構成されている。
このように構成された電力供給制御システム1によれば、コンセント530と電力供給スイッチ520が一体化されているため、建物等にコンセント530を設置すれば、当該コンセントを配電用端末50によるオンオフ制御が可能なコンセントにすることができる。また、コンセント530と電力供給スイッチ520が一体化されているため、スイッチユニット510を配置する必要がなくなり、省スペース化することができる。
【0068】
また、本実施形態の電力供給制御システム1は、電力供給スイッチ520が、複数のコンセント530(アウトレット部)を含む配電エリアに対して一括して電力を供給するか否かを切り替える。
このように構成された電力供給制御システム1によれば、コンセント530の数に対して電力供給スイッチ520の数を増やすことなく、当該コンセントを配電用端末50によるオンオフ制御が可能なコンセントにすることができる。また、コンセント530が配電エリアごとのコンセント群として管理されるため、配電エリアごとに一括して制御することができる。
【0069】
以上説明したように、変形例4においても、制御器20は、単に売電または買電を検知するだけでよいため、従来技術と比較して充放電の制御に係る負荷を軽減することができる。また、各端末が独立して制御を行うことにより、例えば接続可能なEVの台数の増減があった場合でも、制御器20を変更する必要がない。さらに、制御器20が充放電の制御に関して通知する情報は検知結果で足りるため、少ない情報量で制御を行うことができる。さらに、制御器20において、充放電を行うか否かや、充放電の量を指示するための制御が不要なため、処理速度の向上を図ることができる。また、なるべく系統電力から買電しないように制御されるので、系統電力の使用量を0に近づけることができる。
【0070】
さらに、蓄電池の充電率が0となるまで放電させるか否かを時間帯に応じて使用者が設定することができるので、電気料金などに応じて柔軟に充放電を行うことができる。具体的には、系統電力の料金が他の時間帯と比較して高い時間帯には、蓄電池の充電率が0となるまで放電させることで、系統電力の使用量を0に近づけることができる。
【0071】
上述した実施形態における各端末の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
12 CT
20 制御器
32 蓄電池用端末
100 EV用端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10