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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176726
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】物体検知装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/931 20200101AFI20231206BHJP
   G01M 17/007 20060101ALI20231206BHJP
   G01V 1/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G01S15/931
G01M17/007 B
G01V1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089161
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】小山 優
(72)【発明者】
【氏名】上月 康平
【テーマコード(参考)】
2G105
5J083
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB02
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE01
2G105GG04
2G105HH04
2G105JJ06
5J083AA02
5J083AB13
5J083AC32
5J083AD04
5J083AF09
5J083BB12
5J083BE18
5J083BE38
5J083BE52
5J083BE54
5J083CA01
5J083CA10
5J083CB01
(57)【要約】
【課題】共振周波数と異なる周波数の振動を検知することが可能な物体検知装置を提供する。
【解決手段】送受信器と、送受信器に超音波を送信させるための信号である送信信号を生成する第1信号生成部と、送受信器に印加された振動を検知するための信号である第1インピーダンス計測信号を生成する第2信号生成部と、送受信器のインピーダンスに基づいて第1インピーダンス計測信号の周波数fiを設定する周波数設定部84と、送受信器の出力信号を振幅信号に変換する振幅変換部82と、振幅信号の変動に基づいて、送受信器に印加された振動の検知判定を行う振動検知判定部88と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波の送受信によって物体を検知する物体検知装置であって、
入力された信号に応じた超音波を送信するとともに、受信した超音波に応じた信号を出力する送受信器(4)と、
前記送受信器に超音波を送信させるための信号である送信信号を生成する第1信号生成部(71)と、
前記送受信器に印加された振動を検知するための信号である第1インピーダンス計測信号を生成する第2信号生成部(72)と、
前記送受信器のインピーダンスに基づいて前記第1インピーダンス計測信号の周波数fiを設定する周波数設定部(84)と、
前記送受信器の出力信号を振幅信号に変換する振幅変換部(82)と、
前記振幅信号の変動に基づいて、前記送受信器に印加された振動の検知判定を行う振動検知判定部(88)と、を備える物体検知装置。
【請求項2】
前記第2信号生成部は、前記第1インピーダンス計測信号に加えて、前記送受信器の周波数-インピーダンス特性を計測するための信号である第2インピーダンス計測信号を生成し、
前記周波数設定部は、前記第2インピーダンス計測信号の入力によって生じた前記送受信器の端子間電圧に基づいて計測された前記送受信器のインピーダンスに基づいて前記周波数fiを設定する請求項1に記載の物体検知装置。
【請求項3】
前記送受信器の共振周波数をfrとして、
前記周波数設定部は、前記周波数fiを0.95×fr以上1.05×fr以下の値に設定する請求項1または2に記載の物体検知装置。
【請求項4】
前記周波数設定部は、前記周波数fiを前記送信信号の周波数とは異なる値に設定する請求項3に記載の物体検知装置。
【請求項5】
前記送受信器の共振周波数をfrとし、
前記送受信器の反共振周波数をfaとして、
前記周波数設定部は、前記周波数fiを前記共振周波数frと前記反共振周波数faとの間の値に設定する請求項1または2に記載の物体検知装置。
【請求項6】
前記共振周波数frは、前記送受信器の高次共振周波数である請求項3に記載の物体検知装置。
【請求項7】
前記送受信器の反共振周波数をfaとして、
前記周波数設定部は、前記周波数fiを0.95×fa以上1.05×fa以下の値に設定する請求項1または2に記載の物体検知装置。
【請求項8】
前記送受信器のインピーダンスの計測と、前記周波数fiの設定とが、周期的に行われる請求項1または2に記載の物体検知装置。
【請求項9】
前記振幅信号を閾値と比較して物体検知判定を行う物体検知判定部(85)を備え、
前記第2インピーダンス計測信号の振幅は、前記第2インピーダンス計測信号に応じた前記送受信器の出力信号を前記振幅信号に変換した後の振幅値が前記閾値未満となるように設定される請求項2に記載の物体検知装置。
【請求項10】
前記送受信器に前記送信信号が入力されてから所定時間が経過するまでの間、前記第1インピーダンス計測信号の前記送受信器への入力が停止される請求項1または2に記載の物体検知装置。
【請求項11】
前記送受信器の出力信号を増幅する増幅器(61)を備え、
前記第1信号生成部は、前記送信信号を間欠的に生成し、
前記増幅器は、前記送信信号が生成されてから次の前記送信信号が生成されるまでの間、利得が時間の経過とともに増加し、
前記利得が所定値よりも高いとき、前記第1インピーダンス計測信号の前記送受信器への入力が停止される請求項1または2に記載の物体検知装置。
【請求項12】
前記送受信器は、圧電素子を有するマイクロフォンであり、車両のバンパに搭載される請求項1または2に記載の物体検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波の送受信によって物体を検知する物体検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動運転車において、車体に伝わる振動に基づいて他の車両等との接触を検知し、検知結果に応じて方向転換等を行うことで衝撃を軽減する技術が提案されている。このような振動の検知には、例えばコンデンサ型のマイクロフォンを用いることができる。
【0003】
一方、超音波センサによって障害物等を検知する物体検知装置も提案されており、超音波センサで用いられるマイクロフォンを上記の振動検知に共用できれば、コストの低減が期待できる。
【0004】
超音波センサでは、圧電型のマイクロフォンが用いられる(例えば、特許文献1参照)。圧電型のマイクロフォンを用いた物体検知装置では、マイクロフォンに交流電圧を印加することにより、超音波が送信される。また、マイクロフォンは、受信した超音波に応じた受信信号を出力するようになっており、受信信号の振幅を所定の閾値と比較することにより、物体からの反射波を検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4274679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧電型のマイクロフォンは、狭帯域の周波数特性を有する。すなわち、マイクロフォンに共振周波数で交流電圧を印加することにより、高出力と高感度が得られる。一方、共振周波数以外の周波数では、受信感度が低くなる。そのため、反射波の検出と同様にマイクロフォンの出力信号の振幅をそのまま閾値と比較する方法では、共振周波数と異なる周波数の振動を検知することが困難である。
【0007】
本発明は上記点に鑑みて、共振周波数と異なる周波数の振動を検知することが可能な物体検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、超音波の送受信によって物体を検知する物体検知装置であって、入力された信号に応じた超音波を送信するとともに、受信した超音波に応じた信号を出力する送受信器(4)と、送受信器に超音波を送信させるための信号である送信信号を生成する第1信号生成部(71)と、送受信器に印加された振動を検知するための信号である第1インピーダンス計測信号を生成する第2信号生成部(72)と、送受信器のインピーダンスに基づいて第1インピーダンス計測信号の周波数fiを設定する周波数設定部(84)と、送受信器の出力信号を振幅信号に変換する振幅変換部(82)と、振幅信号の変動に基づいて、送受信器に印加された振動の検知判定を行う振動検知判定部(88)と、を備える。
【0009】
送受信器のインピーダンスは、周波数によって変化し、周波数によってはインピーダンスが急峻に変化する。そして、送受信器の周波数-インピーダンス特性に基づいて、インピーダンスが敏感に変化する周波数を第1インピーダンス計測信号の周波数として設定することにより、送受信器に振動が印加されたときに出力信号の振幅が急峻に変動する。したがって、振幅信号の変動に基づいて送受信器の共振周波数とは異なる周波数の振動を検知することが可能となる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態にかかる物体検知装置のブロック図である。
図2図1に示された受信回路のブロック図である。
図3図1に示された信号生成部のブロック図である。
図4図1に示された信号処理部のブロック図である。
図5】トランスデューサのインピーダンスの周波数特性を示す図である。
図6】周波数設定処理のフローチャートである。
図7図4に示されたBPF、振幅変換部、HPF、二乗平均器の出力信号の一例を示す図である。
図8図4に示されたBPF、振幅変換部、HPF、二乗平均器の出力信号の一例を示す図である。
図9】振動の印加によるトランスデューサのインピーダンスの変化を示す図である。
図10】トランスデューサの出力信号を示す図である。
図11】送信信号と第1インピーダンス計測信号のタイミングチャートである。
図12】トランスデューサのインピーダンスの周波数特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。図1に示す本実施形態の物体検知装置1は、不図示の車両に搭載されていて、当該車両の周囲の物体Bを検知するように構成されている。物体検知装置1を搭載する車両を、以下「自車両」と称する。不図示の車両は、例えば、自動車である。
【0014】
また、物体検知装置1は、車両に印加される振動を検知する機能も備えている。この振動は、例えば、他の車両との接触による振動や、緊急車両の警報音等の可聴音による振動である。
【0015】
物体検知装置1は、超音波センサ2と、超音波センサ2の動作を制御する制御部3とを備えている。超音波センサ2は、超音波である探査波を送信するとともに探査波の物体Bによる反射波を受信することで、物体Bを検知するように構成されている。
【0016】
超音波センサ2は、トランスデューサ4と、送信回路5と、受信回路6と、信号生成部7と、信号処理部8とを備えている。
【0017】
トランスデューサ4は、入力された信号に応じた超音波を外部に向けて送信する送信器としての機能と、受信した超音波に応じた信号を出力する受信器としての機能とを有する送受信器であり、送信回路5および受信回路6と電気接続されている。すなわち、超音波センサ2は、いわゆる送受信一体型の構成を有している。
【0018】
具体的には、トランスデューサ4は、圧電素子等の電気-機械エネルギー変換素子を内蔵した、超音波マイクロフォンとして構成されている。トランスデューサ4は、探査波を自車両の外部に送信可能および反射波を自車両の外部から受信可能なように、自車両の外表面に面する位置に配置されている。例えば、トランスデューサ4は、自車両のバンパに配置される。
【0019】
送信回路5は、入力された信号に基づいてトランスデューサ4を駆動することで、トランスデューサ4にて探査波を発信させるように設けられている。具体的には、送信回路5は、デジタル/アナログ変換回路等を有している。すなわち、送信回路5は、信号生成部7から出力された信号に対してデジタル/アナログ変換等の信号処理を施すことで、素子入力信号を生成するように構成されている。素子入力信号は、トランスデューサ4を駆動するための交流電圧信号である。そして、送信回路5は、生成した素子入力信号をトランスデューサ4に印加してトランスデューサ4における電気-機械エネルギー変換素子を励振することで、探査波を発生させるように構成されている。
【0020】
受信回路6は、トランスデューサ4による超音波の受信結果に対応する受信信号を生成して信号処理部8に出力するように設けられている。具体的には、受信回路6は、図2に示すように、増幅器61およびADC(AD変換器)62を有しており、トランスデューサ4が出力した素子出力信号は、増幅器61により増幅され、ADC62によりデジタル信号に変換される。
【0021】
なお、増幅器61は、距離減衰を加味したSTC処理を行う。STCはSensitivity Time Controlの略である。すなわち、増幅器61は、送信信号が生成されてから次の送信信号が生成されるまでの間、時間の経過に伴い利得を上げるように設定されている。
【0022】
デジタル信号に変換された素子出力信号は、信号処理部8に入力される。素子出力信号は、超音波の受信により、トランスデューサ4に設けられた電気-機械エネルギー変換素子が発生する交流電圧信号である。
【0023】
信号生成部7は、デジタル信号を生成して送信回路5に出力するように設けられている。また、信号生成部7は、アナログ信号を生成してトランスデューサ4に出力するように設けられている。図3に示すように、信号処理部7は、第1信号生成部71と、第2信号生成部72と、減衰器73とを備えている。
【0024】
第1信号生成部71は、トランスデューサ4に超音波を送信させるための信号である送信信号を生成するものである。送信信号は例えばsin信号とされる。送信信号の周波数fcは、後述する周波数設定部84によって設定される。第1信号生成部71が生成した信号は、送信回路5に入力される。
【0025】
第2信号生成部72は、トランスデューサ4のインピーダンスを計測するための信号であるインピーダンス計測信号を生成するものである。インピーダンス計測信号は例えばsin信号とされる。
【0026】
具体的には、第2信号生成部72は、トランスデューサ4に印加された振動を検知するための信号である第1インピーダンス計測信号を生成する。第1インピーダンス計測信号の周波数fiは、後述する周波数設定部84によって設定される。
【0027】
また、第2信号生成部72は、トランスデューサ4の周波数-インピーダンス特性を計測するための信号である第2インピーダンス計測信号を生成する。第2インピーダンス計測信号の周波数は、トランスデューサ4の共振周波数の設計値を含む帯域で掃引される。
【0028】
後述するように、信号処理部8の物体検知判定部85は、振幅信号を物体検知閾値と比較して物体検知判定を行う。インピーダンス計測信号の振幅は、インピーダンス計測信号に応じたトランスデューサ4の出力信号を振幅信号に変換した後の振幅値が、この閾値未満となるように設定される。具体的には、第2信号生成部72が生成した第1、第2インピーダンス計測信号は、減衰器73によって上記の振幅値が閾値未満になるように減衰された後、トランスデューサ4に入力される。
【0029】
信号処理部8は、受信回路6が出力した信号を用いてトランスデューサ4のインピーダンス計測、送信信号および第1インピーダンス計測信号の周波数の設定、物体検知判定、振動検知判定を行うものである。図4に示すように、信号処理部8は、BPF(バンドパスフィルタ)81と、振幅変換部82と、インピーダンス計測部83と、周波数設定部84と、物体検知判定部85とを備えている。また、信号処理部8は、HPF(ハイパスフィルタ)86と、二乗平均器87と、振動検知判定部88とを備えている。
【0030】
受信回路6が出力した信号は、BPF81に入力される。BPF81の帯域は、送信信号、第1、第2インピーダンス計測信号の周波数を含むように設定されている。BPF81を通過した信号は、振幅変換部82に入力される。
【0031】
振幅変換部82は、トランスデューサ4の出力信号を振幅信号に変換するものである。具体的には、振幅変換部82は、BPF81の出力信号に対して包絡線検波を行うことにより位相と周波数情報を除外し、振幅のみを抽出して出力する。振幅変換部82の出力信号は、インピーダンス計測部83、物体検知判定部85、HPF86に入力される。
【0032】
インピーダンス計測部83は、インピーダンス計測信号の入力によって生じたトランスデューサ4の端子間電圧に基づいてトランスデューサ4のインピーダンスを計測するものである。具体的には、トランスデューサ4のインピーダンス計測時には、送信信号、第1、第2インピーダンス計測信号のうち第2インピーダンス計測信号のみが生成されてトランスデューサ4に入力される。そして、インピーダンス計測部83には、第2インピーダンス計測信号がトランスデューサ4に入力されている間のトランスデューサ4の出力信号を振幅信号に変換したものが入力される。インピーダンス計測部83は、この振幅信号の振幅値をトランスデューサ4のインピーダンスに変換する。振幅値をインピーダンスに変換する方法としては、例えば特開2022-16127号公報に記載された方法を用いることができる。
【0033】
トランスデューサ4のインピーダンスは、入力されたインピーダンス計測信号の周波数によって変化し、図5に示すように、極小点と極大点を有する。極小点の周波数fminは、トランスデューサ4の実際の共振周波数であり、極大点の周波数fmaxは、反共振周波数である。トランスデューサ4の共振周波数、反共振周波数をそれぞれfr、faとする。
【0034】
図5に示すように、トランスデューサ4のインピーダンスは、周波数fminすなわち共振周波数frの付近、および、周波数fmaxすなわち反共振周波数faの付近で急峻に変化する。また、トランスデューサ4のインピーダンスは、周波数fminと周波数fmaxとの間、すなわち共振周波数frと反共振周波数faとの間で急峻に変化する。
【0035】
インピーダンス計測信号の周波数は、例えば共振周波数frの設計値の±10%の範囲で掃引され、その結果、インピーダンス計測部83では、図5の領域R1内の信号が得られる。インピーダンス計測部83は、インピーダンスの計測結果から極小点の周波数fminと極大点の周波数fmaxを抽出し、周波数設定部84に入力する。
【0036】
周波数設定部84は、インピーダンス計測部83によって計測されたインピーダンスに基づいて、第1信号生成部71が生成する送信信号の周波数fc、および、第2信号生成部72が生成する第1インピーダンス計測信号の周波数fiを設定するものである。周波数設定部84は、周波数fiを周波数fcとは異なる値に設定する。具体的には、周波数設定部84は、インピーダンス計測部83が抽出した周波数fmin、fmaxに基づいて、周波数fc、fiを設定する。周波数設定部84は、極小点の周波数fminを送信信号の周波数fcとする。
【0037】
周波数設定部84は、トランスデューサ4のインピーダンスが急峻に変化するときの周波数を第1インピーダンス計測信号の周波数fiとする。具体的には、周波数設定部84は、実際の共振周波数frと反共振周波数faとの間の周波数を周波数fiとする。例えば、周波数設定部84は、fi=(fr+fa)/2とする。あるいは、周波数設定部84は、周波数fiを、共振周波数frの±5%の範囲内の周波数とする。すなわち、周波数fiは、0.95×fr以上1.05×fr以下とされる。あるいは、周波数設定部84は、周波数fiを、反共振周波数faの±5%の範囲内の周波数とする。すなわち、周波数fiは、0.95×fa以上1.05×fa以下とされる。
【0038】
なお、周波数fc、fiのうち、周波数fcのみを1次共振周波数に基づいて設定し、周波数fiについては高次の共振周波数に基づいて設定してもよい。例えば、2次共振周波数の設計値を含む帯域で第2インピーダンス計測信号の周波数を掃引し、図5の領域R2内の信号における極小点と極大点の周波数を共振周波数fr、反共振周波数faとする。そして、周波数fiを共振周波数frと反共振周波数faとの間の周波数としてもよいし、周波数fiを0.95×fr以上1.05×fr以下としてもよい。高次の共振周波数に基づいて周波数fiを設定する場合には、BPF81の帯域は、周波数fiが含まれるように広く設定される。周波数設定部84が設定した周波数fc、fiの値は、第1信号生成部71、第2信号生成部72に入力される。
【0039】
物体検知判定部85は、振幅信号に基づいて物体検知判定を行うものである。具体的には、物体検知判定部85は、振幅信号を所定の閾値と比較し、振幅値が閾値よりも大きい場合には、車両の周辺に物体が存在すると判定する。この閾値を物体検知閾値とする。一方、振幅値が物体検知閾値以下の場合には、物体検知判定部85は、車両の周辺に車両と接触する可能性の高い物体が存在しないと判定する。また、物体検知判定部85は、物体が存在すると判定した場合には、車両と物体との距離を算出する。例えば、物体検知判定部85は、振幅値が物体検知閾値を超えたときの時刻に基づいて、TOF方式により物体との距離を算出する。TOFはTime of Flightの略である。物体検知判定部85による物体検知判定結果および距離の算出結果は、制御部3に送信される。
【0040】
HPF86は、振幅変換部82の出力信号から低周波成分を除去し、高周波成分を通過させるように設けられている。HPF86のカットオフ周波数は、トランスデューサ4に振動が印加されたときの振幅信号の変動を検知できるように設定されている。HPF86を通過した信号は、二乗平均器87および振動検知判定部88に入力される。
【0041】
二乗平均器87は、HPF86を通過した信号に対して、二乗した後に平均処理やLPF(ローパスフィルタ)処理を行うように設けられている。このLPFは、HPF86を通過した信号から、反射波の受信による振幅の変動を除去する。例えば、反射波の信号幅が0.2msec程度と予想されるなら、周波数5kHzの信号を振幅信号から除去できるように、LPFのカットオフ周波数を5kHz未満の値、例えば2.5kHzに設定すればよい。LPFによって高周波数成分を除去することにより、振動検知判定部88における振動の検知判定が容易になる。二乗平均器87を通過した信号は、振動検知判定部88に入力される。
【0042】
振動検知判定部88は、振幅信号の変動に基づいて、トランスデューサ4に印加された振動の検知判定を行うものである。具体的には、振動検知判定部88は、入力された信号を所定の閾値と比較し、信号が閾値よりも大きい場合には、トランスデューサ4に振動が印加されたと判定する。この閾値を振動検知閾値とする。一方、信号が振動検知閾値以下の場合には、振動検知判定部88は、トランスデューサ4に振動が印加されていないと判定する。また、トランスデューサ4に振動が印加されたと判定すると、振動検知判定部88は、HPF86から入力された信号に基づいて、振動の種類を識別する。例えば、振動検知判定部88は、周波数解析等を用いた公知の音声認識技術により、緊急車両の警報音を識別する。振動検知判定部88による振動検知判定結果は、制御部3に送信される。
【0043】
信号生成部7、信号処理部8は、例えば、送信信号生成、インピーダンス計測信号生成、インピーダンス計測、物体検知判定、振動検知判定等の機能がプログラムされたDSPで構成されている。DSPはDigital Signal Processorの略である。
【0044】
制御部3は、車載通信回線を介して超音波センサ2と情報通信可能に接続されており、超音波センサ2の送受信動作を制御するように構成されている。
【0045】
制御部3は、いわゆるソナーECUとして設けられていて、図示しないCPU、ROM、RAM、不揮発性リライタブルメモリ、等を有する車載マイクロコンピュータを備えている。ECUはElectronic Control Unitの略である。不揮発性リライタブルメモリは、例えば、EEPROM、フラッシュROM、等である。EEPROMはElectronically Erasable and Programmable Read Only Memoryの略である。
【0046】
制御部3は、信号生成部7に送信指示を出し、信号処理部8から送信された判定結果に基づいて、障害物や緊急車両の接近を検出する。
【0047】
物体検知装置1の動作について説明する。物体検知装置1は、起動されると図6に示す処理を実行し、周波数fcおよび周波数fiを設定する。
【0048】
まず、ステップS1にて、第2信号生成部72は、共振周波数frの設計値±10%の帯域で周波数を掃引して第2インピーダンス計測信号を生成する。第2信号生成部72が生成した第2インピーダンス計測信号は、減衰器73によって減衰された後、トランスデューサ4に入力される。トランスデューサ4の出力信号は受信回路6を介して信号処理部8に入力され、振幅変換部82によって振幅信号に変換されて、インピーダンス計測部83に入力される。
【0049】
続くステップS2にて、インピーダンス計測部83は、入力された振幅信号をトランスデューサ4のインピーダンスに変換し、インピーダンスの極小点の周波数fminと極大点の周波数fmaxを抽出し、周波数設定部84に入力する。
【0050】
続くステップS3にて、周波数設定部84は、ステップS2にて抽出された周波数fmin、fmaxに基づいて、周波数fc、fiを設定する。具体的には、周波数設定部84は、例えばfc=fmin、fi=(fmin+fmax)/2とする。その後、処理は終了する。図6に示す処理が終了すると、物体検知処理および振動検知処理が開始される。なお、図6に示す処理は、物体検知装置1の起動時に実行された後は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0051】
物体検知処理では、ステップS3で設定された周波数fcの送信信号が第1信号生成部71によって生成され、送信回路5を介してトランスデューサ4に入力される。これによりトランスデューサ4から超音波が送信される。そして、トランスデューサ4により反射波が受信されると、反射波に応じた信号がトランスデューサ4から出力され、振幅信号に変換されて物体検知判定部85に入力される。物体検知判定部85は、振幅信号の振幅値と物体検知閾値とを比較し、振幅値が物体検知閾値よりも大きい場合には車両の周辺に物体が存在すると判定し、判定結果を制御部3に送信する。制御部3は、判定結果に応じて回避制御等を行う。
【0052】
振動検知処理では、ステップS3で設定された周波数fiの第1インピーダンス計測信号が第2信号生成部72によって生成され、トランスデューサ4に入力される。そして、トランスデューサ4からインピーダンスに応じた信号が出力され、振幅信号に変換され、HPF86、二乗平均器87による処理を経て振動検知判定部88に入力される。
【0053】
トランスデューサ4に振動が印加されていないときは、出力信号の振幅がほぼ一定となるため、振幅信号がHPF86によって除去される。具体的には、BPF81は図7(a)に示すように振幅が一定のsin信号を出力し、振幅変換部82は、図7(b)に示すように振幅が一定の信号を出力する。そして、HPF86、二乗平均器87はそれぞれ図7(c)、図7(d)に示すように出力信号の振幅が0となり、振動検知判定部88は、トランスデューサ4に振動が印加されていないと判定する。
【0054】
一方、トランスデューサ4に振動が印加されると、トランスデューサ4のインピーダンスの変動により出力信号の振幅が変動する。すると、BPF81、振幅変換部82はそれぞれ図8(a)、図8(b)に示すように振幅が変化する信号を出力し、HPF86は、図8(c)に示すように、ある程度の振幅を有する信号を出力する。そして、図8(d)に示すように二乗平均器87の出力信号の振幅が振動検知閾値よりも大きくなると、振動検知判定部88は、トランスデューサ4に振動が印加されたと判定する。このように、トランスデューサ4に振動が印加されると、振動に応じた信号がHPF86を通過するようになり、振動を検知することが可能となる。
【0055】
このとき、第1インピーダンス計測信号の周波数fiが、トランスデューサ4のインピーダンスが振動印加に対して敏感に変化する周波数とされているため、出力信号の振幅が振動に対応して敏感に変化し、振動検知判定部88によって検知されやすくなる。
【0056】
例えば、図9の実線で示す周波数-インピーダンス特性を有するトランスデューサ4に振動が印加されて、一点鎖線または二点鎖線で示すように周波数-インピーダンス特性が変化した場合を想定する。この場合に、インピーダンスの変化が小さい周波数f1を周波数fiとすると、振動の印加によるインピーダンスの変動が小さいため、振動の検知が困難である。これに対して、インピーダンスが急峻に変化する周波数f2を周波数fiとすると、振動の印加によりインピーダンスが大きく変動するため、振動を感度よく検出することができる。振動検知判定部88における判定結果は制御部3に送信され、制御部3は、判定結果に応じて回避制御等を行う。
【0057】
物体検知処理は、所定の周期で繰り返し実行され、第1信号生成部71は、送信信号を間欠的に生成する。一方、振動検知処理は、周波数設定処理が行われている間を除き、常時実行される。すなわち、第2信号生成部72は、第1インピーダンス計測信号を常時生成し、トランスデューサ4に入力する。
【0058】
このようにすると、トランスデューサ4の出力信号は、図10に示すようになる。図10において、実線は超音波の送信による残響および反射波の受信に応じた振幅信号であり、破線は第1インピーダンス計測信号に応じた振幅信号である。
【0059】
図10に示すように、時刻t1で送信信号を生成し、トランスデューサ4から超音波を送信した後、所定の時間が経過するまでの間と、反射波を受信したときに、トランスデューサ4の出力信号の振幅が物体検知閾値よりも大きくなる。
【0060】
一方、第1インピーダンス計測信号は常時生成され、これに応じてトランスデューサ4から常時信号が出力される。しかしながら、第1インピーダンス計測信号は減衰器73により減衰され、第1インピーダンス計測信号に応じたトランスデューサ4の出力信号の振幅は物体検知閾値以下となるため、第1インピーダンス計測信号が物体検知処理に及ぼす影響は軽微である。
【0061】
また、反射波を受信して振幅信号が増加すると、振幅信号の周波数が一時的に高くなって、振幅信号がHPF86を通過する。しかしながら、二乗平均器87によって信号幅の短い振幅信号は除去されるため、信号幅の長い振動のみが振動検知判定部88によって検知される。
【0062】
なお、図11に示すように、トランスデューサ4に送信信号が入力されてから所定時間が経過するまでの間、第1インピーダンス計測信号のトランスデューサ4への入力を停止してもよい。図11において、実線部は信号が生成される時間であり、破線部は信号の生成が停止された時間である。
【0063】
また、前述したように、増幅器61は、送信信号が生成されてから次の送信信号が生成されるまでの間、時間の経過に伴い利得を上げるように設定されている。この利得が所定値よりも高くなったときには、図11に示すように第1インピーダンス計測信号のトランスデューサ4への入力を停止してもよい。
【0064】
以上説明したように、本実施形態では、トランスデューサ4のインピーダンスが急峻に変化する周波数を第1インピーダンス計測信号の周波数fiとして設定することで、トランスデューサ4に振動が印加されたときに出力信号の振幅が急峻に変動する。したがって、振幅信号に基づいてトランスデューサ4の共振周波数とは異なる周波数の振動を検知することが可能となる。
【0065】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0066】
(1)インピーダンス計測部83は、第2インピーダンス計測信号の入力によって生じたトランスデューサ4の端子間電圧に基づいてトランスデューサ4のインピーダンスを計測する。これにより、インピーダンスが急峻に変化する周波数を抽出することが可能となる。
【0067】
(2)周波数設定部84は、周波数fiを0.95×fr以上1.05×fr以下の値に設定する。この範囲ではトランスデューサ4のインピーダンスが周波数に応じて急峻に変化し、振動によってトランスデューサ4に生じる周波数-インピーダンス特性の変化の影響が大きくなる。これにより、振動に応じてインピーダンスが敏感に変化するため、振動検知精度が向上する。
【0068】
(3)周波数設定部84は、周波数fiを周波数fcとは異なる値に設定する。これによれば、物体検知と振動検知を並行して行うことができる。
【0069】
(4)周波数設定部84は、周波数fiを共振周波数frと反共振周波数faとの間の値に設定する。この範囲ではトランスデューサ4のインピーダンスが周波数に応じて急峻に変化するため、振動検知精度が向上する。
【0070】
(5)トランスデューサ4の高次共振周波数に基づいて周波数fiを設定する。周波数fiを高次共振周波数付近の周波数とし、物体検知と振動検知の周波数を分離することにより、物体検知と振動検知を並行した場合の検知精度が向上する。
【0071】
(6)周波数設定部84は、周波数fiを0.95×fa以上1.05×fa以下の値に設定する。この範囲ではトランスデューサ4のインピーダンスが周波数に応じて急峻に変化するため、振動検知精度が向上する。
【0072】
(7)トランスデューサ4のインピーダンスの計測と、周波数fiの設定とが、周期的に行われる。これにより、温度変化やトランスデューサ4への泥の付着等によるインピーダンス特性の変化に対応して、周波数fc、fiを適切に設定することが可能となり、物体検知精度、振動検知精度が向上する。また、前回の計測結果と比較することにより、トランスデューサ4への付着物を検出することができる。例えば、周波数fminの変動が規定値よりも大きければ、トランスデューサ4に泥等が付着したと判定する。
【0073】
(8)インピーダンス計測信号の振幅は、インピーダンス計測信号に応じたトランスデューサ4の出力信号を振幅信号に変換した後の振幅値が物体検知閾値未満となるように設定される。これにより、物体検知と振動検知を並行して行うことが可能となる。
【0074】
(9)トランスデューサ4に送信信号が入力されてから所定時間が経過するまでの間、第1インピーダンス計測信号のトランスデューサ4への入力が停止される。トランスデューサ4に送信信号が入力された直後は、残響によりトランスデューサ4の出力信号が大きくなり、振動検知が困難になる。したがって、このように第1インピーダンス計測信号の入力を停止することにより、処理効率が向上する。
【0075】
(10)第1信号生成部71は、送信信号を間欠的に生成し、増幅器61は、送信信号が生成されてから次の送信信号が生成されるまでの間、利得が時間の経過とともに増加し、利得が所定値よりも高いとき、第1インピーダンス計測信号のトランスデューサ4への入力が停止される。これにより、反射波の受信と振動の印加による振幅信号の飽和を抑制することができる。
【0076】
(11)トランスデューサ4は、圧電素子を有するマイクロフォンであり、車両のバンパに搭載される。トランスデューサ4をコンデンサ型のマイクロフォンで構成した場合とは異なり、トランスデューサ4を圧電型のマイクロフォンで構成した場合には、防塵、防滴、耐チッピング対策が可能となり、車両のバンパ等にも配置することができる。
【0077】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
【0078】
物体検知装置の出荷前にトランスデューサ4の周波数-インピーダンス特性を計測し、周波数fiを設定してもよい。この場合には、物体検知装置がトランスデューサ4の周波数-インピーダンス特性を計測する機能を備えていなくてもよい。
【0079】
送信信号の周波数fcと第1インピーダンス計測信号の周波数fiとを同じ値に設定してもよい。この場合には、送信信号の生成と第1インピーダンス計測信号の生成のタイミングをずらすことで、物体検知と振動検知を行うことができる。
【0080】
送信信号を、時間の経過とともに周波数が変化する信号としてもよい。例えば、送信信号として、時間経過とともに周波数が単調増加するアップチャープ信号や、時間経過とともに周波数が単調減少するダウンチャープ信号を用いることができる。この場合には、送信信号の周波数帯域に周波数fiが含まれていても、複合フィルタ等を用いることで、振幅信号から反射波に対応する信号と振動に対応する信号とを別々に抽出し、物体検知と振動検知を並行して行うことができる。
【0081】
送信回路5の回路構成によっては、トランスデューサ4の周波数-インピーダンス特性の計測結果において、図12に示すように2つの反共振点が現れることがある。すなわち、周波数fminよりも高い周波数fmax1に加えて、周波数fminよりも低い周波数fmax2においてもインピーダンスが極大値をとることがある。この場合には、周波数fiを周波数fminと周波数fmax1との間の値に設定してもよいし、周波数fminと周波数fmax2との間の値に設定してもよい。周波数fminと周波数fmax2との間の周波数においても、トランスデューサ4のインピーダンスが周波数に応じて急峻に変化するため、周波数fiを上記のように設定することで、振動検知精度が向上する。また、周波数fiを0.95×fmax1以上1.05×fmax1以下の値に設定してもよいし、0.95×fmax2以上1.05×fmax2以下の値に設定してもよい。0.95×fmax2以上1.05×fmax2以下の範囲においても、トランスデューサ4のインピーダンスが周波数に応じて急峻に変化するため、周波数fiを上記のように設定することで、振動検知精度が向上する。高次共振周波数の両側に2つの反共振点が現れる場合についても、周波数fiを同様に設定することができる。
【0082】
インピーダンス計測部83において、振幅信号の振幅値をトランスデューサ4のインピーダンスに変換せずに周波数fmin、fmaxを抽出してもよい。振幅値とインピーダンスは比例関係にあるため、振幅値の極小点の周波数および極大点の周波数が、それぞれインピーダンスの極小点の周波数fminおよび極大点の周波数fmaxとなる。
【0083】
上記の各機能構成および方法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つあるいは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、上記の各機能構成および方法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、上記の各機能構成および方法は、一つあるいは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【符号の説明】
【0084】
4 トランスデューサ
71 第1信号生成部
72 第2信号生成部
82 振幅変換部
84 周波数設定部
88 振動検知判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12