(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017674
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイス、プログラム、および消毒装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230131BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177322
(22)【出願日】2021-10-29
(62)【分割の表示】P 2021121896の分割
【原出願日】2021-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】516231165
【氏名又は名称】株式会社ネクイノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石井 健一
(72)【発明者】
【氏名】宮田 延昌
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】センサが不衛生な状態で使用されるのを防止するウェアラブルデバイス、プログラム、および消毒装置を提供する。
【解決手段】情報処理システム1は、ウェアラブルデバイス10と、クライアント装置30と、クライアント装置とネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続されるサーバ50と、消毒装置70とを備える。ウェアラブルデバイス10は、ユーザの月経期間内にユーザの身体に装着される。ウェアラブルデバイス10は、センシングを行うセンサと、センサによるセンシング結果に関するセンシング情報をサーバ50送信する手段と、ウェアラブルデバイス10の使用終了後に、ウェアラブルデバイス10の消毒状態を監視する手段と、ウェアラブルデバイス10の消毒状態に応じて、ウェアラブルデバイス10の使用サイクルを制御する手段とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの月経期間内に前記ユーザの身体に装着されるウェアラブルデバイスであって、
センシングを行うセンサと、
前記センサによるセンシング結果に関するセンシング情報を管理装置へ送信する手段と、
前記ウェアラブルデバイスの使用終了後に、当該ウェアラブルデバイスの消毒状態を監視する手段と、
前記ウェアラブルデバイスの消毒状態に応じて、前記ウェアラブルデバイスの使用サイクルを制御する手段と、
を具備するウェアラブルデバイス。
【請求項2】
前記制御する手段は、少なくとも前記ウェアラブルデバイスの消毒が検出されるまで、前記センシング情報の前記管理装置への送信を抑止する、
請求項1の記載のウェアラブルデバイス。
【請求項3】
前記制御する手段は、前記センシング情報の送信が許可されるまで、前記センシング情報の前記管理装置への送信を抑止し、
前記制御する手段は、前記ウェアラブルデバイスの消毒が検出されたことを前記管理装置に通知し、
前記管理装置は、前記ウェアラブルデバイスの消毒が検出されたことを通知されると、前記センシング情報の送信を許可する、
請求項2に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項4】
前記制御する手段は、前記ウェアラブルデバイスの使用終了から少なくとも前記ウェアラブルデバイスの消毒が検出されるまで、前記センサによる新たなセンシングの実行を抑止する、
請求項1に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項5】
前記制御する手段は、センシングの実行が許可されるまで、前記センサによる新たなセンシングの実行を抑止し、
前記制御する手段は、前記ウェアラブルデバイスの消毒が検出されたことを前記管理装置に通知し、
前記管理装置は、前記ウェアラブルデバイスの消毒が検出されたことを通知されると、前記センサによるセンシングを許可する、
請求項4に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項6】
前記消毒状態を監視する手段は、前記ウェアラブルデバイスを消毒する消毒装置から消毒終了信号を受信したことに応じて、当該ウェアラブルデバイスが消毒されたことを検出する、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のウェアラブルデバイス。
【請求項7】
前記ウェアラブルデバイスに関する温度情報を取得する手段をさらに具備し、
前記消毒状態を監視する手段は、前記温度情報について所定の条件が成立したことに応じて、前記ウェアラブルデバイスが消毒されたことを検出する、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のウェアラブルデバイス。
【請求項8】
前記ユーザの指示を受け付ける手段をさらに具備し、
前記消毒状態を監視する手段は、前記ユーザから所定の指示を受け付けたことに応じて、当該ウェアラブルデバイスが消毒されたことを検出する、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のウェアラブルデバイス。
【請求項9】
前記ユーザの体内に挿入された状態で前記ユーザの経血を収集可能な容器をさらに具備する、
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のウェアラブルデバイス。
【請求項10】
ユーザの月経期間内に前記ユーザの身体に装着されていたウェアラブルデバイスを消毒する手段と、
前記ウェアラブルデバイスに搭載されたセンサによるセンシング結果に関するセンシング情報を取得する手段と、
前記ウェアラブルデバイスが消毒されたことに応じて、前記センシング情報を管理装置へ送信する手段と
を具備する、消毒装置。
【請求項11】
ユーザの月経期間内に前記ユーザの身体に装着されていたウェアラブルデバイスを消毒する手段と、
前記ウェアラブルデバイスの消毒終了後に、消毒終了信号を外部装置へ送信する手段と
を具備する、消毒装置。
【請求項12】
前記ウェアラブルデバイスを識別する手段をさらに具備し、
前記送信する手段は、前記ウェアラブルデバイスを識別する情報を含む消毒終了信号を当該ウェアラブルデバイスに関連付けられる管理装置へ送信する、
請求項11に記載の消毒装置。
【請求項13】
コンピュータを、
ユーザの月経期間内に前記ユーザの身体に装着されるウェアラブルデバイスに搭載されたセンサによるセンシング結果に関するセンシング情報を取得する手段、
前記センシング情報を参照して、前記月経期間における前記ユーザの体調に関する情報を出力する手段、
前記ウェアラブルデバイスの消毒状況情報を取得する手段、
前記消毒状況情報を参照して、前記ウェアラブルデバイスの状態に関する情報を出力する手段、
として機能させるプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを、
前記消毒状況情報を参照して、前記ウェアラブルデバイスの最新の消毒日時を特定する手段、
前記最新の消毒日時が所定の条件を満たすか否かを判定する手段、
前記最新の消毒日時が所定の条件を満たすと判定されたことに応じて、通知を行う手段、
としてさらに機能させる、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記判定する手段は、前記月経期間における基準日時から前記最新の消毒日時までの経過時間が閾値以上であるか否かを判定する、
請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記通知を行う手段は、前記最新の消毒日時が所定の条件を満たすと判定されたことに応じて、前記ウェアラブルデバイスの消毒を促す通知を行う
請求項14または請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータを、
前記消毒状況情報、または前記ウェアラブルデバイスの使用状況情報を参照して、所定の新調案内条件が成立するか否かを判定する手段、
前記新調案内条件が成立すると判定されたことに応じて、通知を行う手段、
としてさらに機能させる、請求項13乃至請求項16のいずれかに記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウェアラブルデバイス、プログラム、および消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、女性に特有の健康問題を解決するために様々な取り組みがなされてきた。
特許文献1には、女性の月経周期、排卵、月経前症候群、及び妊娠に関連した種類のホルモンを検出する技術が記載されている。具体的には、特許文献1には、吸収性物品が診断パネルを備えること、および診断パネルが複数のセンサ(バイオセンサ)の組み合わせを備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
経済的および環境的観点からすると、センサは使い捨てではなく再使用可能であることが好ましい。センサは、使用時にユーザの体液に曝される。故に、センサを再使用するためには、使用後に適切なケアを行って衛生状態を確保することが必要である。ケアが十分でなかったとすると、前回使用時に付着した細菌またはウイルスが増殖した状態でセンサが再使用され、ユーザの健康を損なったり、測定または検査結果が誤ったりするおそれがある。
【0005】
特許文献1には、シグナルの視覚的評価または読取りを可能にする目的で、センサをきれいにするための拭取り手段を吸収性物品に備え付けることが記載されている。しかしながら、単に拭取り手段を提供するだけでは、センサに対して衛生状態を確保するのに十分なケアが実施されることを担保できない。
【0006】
本開示の目的は、センサが不衛生な状態で使用されるのを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、ウェアラブルデバイスは、ユーザの月経期間内にユーザの身体に装着される。ウェアラブルデバイスは、センシングを行うセンサと、センサによるセンシング結果に関するセンシング情報を管理装置へ送信する手段と、ウェアラブルデバイスの使用終了後に、当該ウェアラブルデバイスの消毒状態を監視する手段と、ウェアラブルデバイスの消毒状態に応じて、ウェアラブルデバイスの使用サイクルを制御する手段とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、センサが不衛生な状態で使用されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態のウェアラブルデバイスの構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態の消毒装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態のデバイス情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図8】本実施形態のデバイス所有者情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図9】本実施形態のセンシングログデータベースのデータ構造を示す図である。
【
図10】本実施形態のセンシング関連処理のフローチャートである。
【
図11】本実施形態の消毒関連処理のフローチャートである。
【
図12】本実施形態の情報提示処理のフローチャートである。
【
図13】本実施形態の情報提示処理において表示される画面例を示す図である。
【
図14】本実施形態の情報提示処理において表示される画面例を示す図である。
【
図15】本実施形態の情報提示処理において表示される画面例を示す図である。
【
図16】本実施形態の消毒リマインダ処理のフローチャートである。
【
図17】本実施形態の消毒リマインダ処理において表示される画面例を示す図である。
【
図19】変形例1のセンシング関連処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、ウェアラブルデバイス10と、クライアント装置30と、サーバ50と、消毒装置70とを備える。
【0013】
ウェアラブルデバイス10は、クライアント装置30、および消毒装置70と接続可能である。一例として、ウェアラブルデバイス10は、Bluetooth(登録商標)技術を用いてクライアント装置30、または消毒装置70の少なくとも1つとワイヤレスに接続可能である。
クライアント装置30及びサーバ50は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
消毒装置70は、ウェアラブルデバイス10と接続される。消毒装置70は、ウェアラブルデバイス10とワイヤレスに接続されてもよいし、ケーブル接続されてもよいし、コネクタにより直結されてもよい。
【0014】
ウェアラブルデバイス10は、ユーザの月経期間内に当該ユーザの身体に装着される。ここで、装着とは、体内への挿入、体表との接触、またはそれらの組み合わせを意味する。ウェアラブルデバイス10は、ユーザの月経期間内に、同種、または異なる種別のセンサを備えた他のウェアラブルデバイスと併用されてもよい。
【0015】
ウェアラブルデバイス10は、センサによるセンシング結果に関するセンシング情報をクライアント装置30(「管理装置」の一例)へ送信する。
【0016】
クライアント装置30は、サーバ50にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0017】
サーバ50は、クライアント装置30から送信されたリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置30に提供する情報処理装置の一例である。サーバ50は、例えば、ウェブサーバである。
【0018】
消毒装置70は、使用済みのウェアラブルデバイス10を消毒する。これにより、ユーザは、使用したウェアラブルデバイス10を良好な衛生状態で再使用することができる。
【0019】
(1-1)ウェアラブルデバイスの構成
ウェアラブルデバイスの構成について説明する。
図2は、本実施形態のウェアラブルデバイスの構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、ウェアラブルデバイス10は、容器VEと、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。
【0021】
容器VEは、ユーザの体内に挿入された状態で当該ユーザの経血を収集可能に構成される。容器VEは、例えば月経カップに相当する。容器VEは、例えばシリコン製である。
ウェアラブルデバイス10を他のウェアラブルデバイスと併用するユースケースでは、容器VEの筐体には、ウェアラブルデバイス10を他のウェアラブルデバイスと区別するための標識が付されてもよい。ここで、標識は、以下の少なくとも1つであってよい。
・色
・模様
・装飾
・凹凸(点字を含む)
・絵(文字を含む)
【0022】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0023】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0024】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータ及びデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0025】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動してデータを処理することによって、ウェアラブルデバイス10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。記憶装置11により記憶されるプログラム及びデータは、ネットワークを介して提供されてもよいし、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して提供されてもよい。なお、ウェアラブルデバイス10の機能の少なくとも一部が、1又は複数の専用のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0026】
入出力インタフェース13は、ウェアラブルデバイス10に接続される入力デバイスから信号(例えばセンシング信号)を取得し、かつ、ウェアラブルデバイス10に接続される出力デバイスに信号(例えば、画像信号、オーディオ信号、または制御信号)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、センサ15である。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、またはそれらの組み合わせであるが、ウェアラブルデバイス10は出力デバイスに接続されなくてもよい。
【0027】
通信インタフェース14(「通信手段」の一例)は、ウェアラブルデバイス10と外部装置(例えば、クライアント装置30、および消毒装置70)との間の通信を制御するように構成される。通信インタフェース14は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)モジュールを含んでもよい。
【0028】
センサ15は、ウェアラブルデバイス10がユーザに装着されている時に、所定のセンシングを行う。
具体的には、センサ15は、検体検査、または検体検査とは異なる検査もしくは測定を行う。
【0029】
検体検査は、例えば以下の少なくとも1つであってよい。
・性感染症の検査
・血液の成分(例えば、タンパク質、鉄分)検査
・女性の生殖器官(例えば、子宮、卵巣、または膣)に関する疾患の検査
・女性の生殖器官に由来する分泌物(例えば、おりもの、粘液)の成分(例えば、タンパク質)の検査
【0030】
検体検査とは異なる検査または測定は、例えば以下の少なくとも1つであってよい。
・血液の量(重量、体積、またはそれらの組み合わせ)の測定
・血液の色の測定
・分泌物の粘性の測定
・分泌物の色の測定
・体温の測定
・においの測定
【0031】
ウェアラブルデバイス10は、1つに限らず複数のセンサ15を備えていてもよい。一例として、ウェアラブルデバイス10は、性感染症を検査するセンサ15と、血液の量を測定するセンサ15とを備えていてもよい。
【0032】
(1-2)クライアント装置の構成
クライアント装置の構成について説明する。
図3は、本実施形態のクライアント装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、クライアント装置30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。クライアント装置30は、ディスプレイ35と接続される。
【0034】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージの組合せである。
【0035】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0036】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータ及びデータベース
・情報処理の実行結果
【0037】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動してデータを処理することによって、クライアント装置30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータの一例である。記憶装置31により記憶されるプログラム及びデータは、ネットワークを介して提供されてもよいし、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して提供されてもよい。なお、クライアント装置30の機能の少なくとも一部が、1又は複数の専用のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0038】
入出力インタフェース33は、クライアント装置30に接続される入力デバイスから信号(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、クライアント装置30に接続される出力デバイスに信号(例えば、画像信号、またはオーディオ信号)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ35、およびスピーカである。
【0039】
通信インタフェース34は、クライアント装置30と外部装置(例えば、ウェアラブルデバイス10、およびサーバ50)との間の通信を制御するように構成される。通信インタフェース34は、ウェアラブルデバイス10用の通信モジュール(例えば、BLEモジュール)と、サーバ50用の通信モジュール(例えば、無線LAN(Local Area Network)モジュール、または移動通信モジュール)とを含んでもよい。
【0040】
ディスプレイ35は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ35は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0041】
(1-3)サーバの構成
サーバの構成について説明する。
図4は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、サーバ50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。
【0043】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージの組合せである。
【0044】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0045】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0046】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動してデータを処理することによって、サーバ50の機能を実現するように構成される。プロセッサ52は、コンピュータの一例である。記憶装置51により記憶されるプログラム及びデータは、ネットワークを介して提供されてもよいし、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して提供されてもよい。なお、サーバ50の機能の少なくとも一部が、1又は複数の専用のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0047】
入出力インタフェース53は、サーバ50に接続される入力デバイスから信号(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ50に接続される出力デバイスに信号(例えば、画像信号)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0048】
通信インタフェース54は、サーバ50と外部装置(例えばクライアント装置30)との間の通信を制御するように構成される。
【0049】
(1-4)消毒装置の構成
サーバの構成について説明する。
図5は、本実施形態の消毒装置の構成を示すブロック図である。
【0050】
図4に示すように、消毒装置70は、記憶装置71と、プロセッサ72と、入出力インタフェース73と、通信インタフェース74とを備える。消毒装置70は、消毒機構75と接続される。
【0051】
記憶装置71は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置71は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージの組合せである。
【0052】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0053】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0054】
プロセッサ72は、記憶装置71に記憶されたプログラムを起動してデータを処理することによって、消毒装置70の機能を実現するように構成される。プロセッサ72は、コンピュータの一例である。記憶装置71により記憶されるプログラム及びデータは、ネットワークを介して提供されてもよいし、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録して提供されてもよい。なお、消毒装置70の機能の少なくとも一部が、1又は複数の専用のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0055】
入出力インタフェース73は、消毒装置70に接続される入力デバイスから信号(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、消毒装置70に接続される出力デバイスに信号(例えば、制御信号、または画像信号)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、タッチパネル、物理ボタン、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、消毒機構75、ディスプレイ、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0056】
通信インタフェース74は、消毒装置70と外部装置(例えばウェアラブルデバイス10)との間の通信を制御するように構成される。
【0057】
消毒機構75は、ウェアラブルデバイス10に対する物理的消毒、または化学的消毒を実行する。物理的消毒は、例えば熱、または波動(電磁波)を利用した消毒を意味する。化学的消毒は、消毒剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、エタノールなどの消毒成分を含有する液体)を利用した消毒を意味する。
消毒機構75は、例えば以下の少なくとも1つの動作を行うように構成される。
・水、水蒸気、またはウェアラブルデバイス10を加熱する。
・ウェアラブルデバイス10を、加熱した水、もしくは水蒸気、または消毒剤に所定時間に亘って曝す。
・水、水蒸気、または消毒剤の流れを制御する。
・ウェアラブルデバイス10に紫外線を照射する。
【0058】
(2)実施形態の概要
本実施形態の概要について説明する。
図6は、本実施形態の概要の説明図である。
【0059】
ウェアラブルデバイス10は、繰り返し使用することができる。具体的には、
図6に示すように、フェーズPH11~フェーズPH15を含む使用サイクルが繰り返される。
【0060】
まず、ウェアラブルデバイス10は、ユーザの身体に装着される(フェーズPH11)。
フェーズPH11の後に、ウェアラブルデバイス10に搭載されたセンサ15は、n回に亘ってセンシングを行う(PH12-1,・・・,PH12-n)。nは、1であってもよいし、2以上であってもよい。
フェーズPH12-nの後に、ウェアラブルデバイス10は、ユーザの身体から取り外される(フェーズPH13)。
フェーズPH13の後に、ウェアラブルデバイス10は消毒され、ウェアラブルデバイス10は消毒されたことを検出する(フェーズPH14)。
フェーズPH14の後に、ウェアラブルデバイス10はフェーズPH12-1,・・・,フェーズPH12-nにおけるセンシング結果に関するセンシング情報をクライアント装置30へ送信する(フェーズPH15)。
【0061】
フェーズPH15の実行は、フェーズPH14の実行状態に応じて制約される。具体的には、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまで、クライアント装置30へのセンシング情報の送信(つまり、フェーズPH15の実行)が抑止される。
【0062】
このように、ウェアラブルデバイス10によれば、ユーザは当該ウェアラブルデバイス10の使用後に消毒を行わない限り、検査または測定結果を確認することができない。故に、ユーザは、ウェアラブルデバイス10を使用後に消毒するよう促されるので、使用したウェアラブルデバイス10を良好な衛生状態で再使用できる。
【0063】
(3)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。
【0064】
(3-1)デバイス情報データベース
本実施形態のデバイス情報データベースについて説明する。
図7は、本実施形態のデバイス情報データベースのデータ構造を示す図である。デバイス情報データベースは、記憶装置31に記憶される。
【0065】
デバイス情報データベースには、デバイス情報が格納される。デバイス情報は、クライアント装置30のユーザが所有する(つまり、クライアント装置30に関連付けられた)ウェアラブルデバイス10に関する情報である。
図7に示すように、デバイス情報データベースは、「デバイスID」フィールドと、「センシング日時」フィールドと、「消毒日時」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0066】
「デバイスID」フィールドには、デバイスIDが格納される。デバイスIDは、デバイス情報に対応するウェアラブルデバイス10を識別する情報である。
【0067】
「使用日時」フィールドには、使用日時情報が格納される。使用日時情報は、例えば、ウェアラブルデバイス10の使用日時(例えば、最新の使用終了日時)に関する情報である。使用日時情報は、以下の少なくとも1つに基づいて決定されてよい。
・センサ15が検査または測定を行った日時に関する情報
・プロセッサ12が検査または測定結果を取得した日時に関する情報
・プロセッサ12がウェアラブルデバイス10の使用の終了を検出した日時に関する情報
使用日時情報は、デバイスIDによって特定されるウェアラブルデバイス10の使用状況を特定可能な情報(使用状況情報)である。
【0068】
「消毒日時」フィールドには、消毒日時情報が格納される。消毒日時情報は、例えば、ウェアラブルデバイス10の消毒日時(例えば、最新の消毒日時)に関する情報である。消毒日時情報は、以下の少なくとも1つに基づいて決定されてよい。
・プロセッサ12がウェアラブルデバイス10の消毒を検出した日時に関する情報
・後述する消毒終了信号に含まれる日時に関する情報
消毒日時情報は、デバイスIDによって特定されるウェアラブルデバイス10の消毒状況を特定可能な情報(以下、「消毒状況情報」という)である。消毒日時情報は、ウェアラブルデバイス10、または消毒装置70から収集可能である。
【0069】
(3-2)デバイス所有者情報データベース
本実施形態のデバイス所有者情報データベースについて説明する。
図8は、本実施形態のデバイス所有者情報データベースのデータ構造を示す図である。デバイス所有者情報データベースは、記憶装置51に記憶される。
【0070】
デバイス所有者情報データベースには、デバイス所有者情報が格納される。デバイス所有者情報は、情報処理システム1において運用されているウェアラブルデバイス10の所有者に関する情報である。
図8に示すように、デバイス所有者情報データベースは、「デバイスID」フィールドと、「ユーザID」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0071】
「デバイスID」フィールドには、デバイスIDが格納される。デバイスIDは、デバイス所有者情報に対応するウェアラブルデバイス10を識別する情報である。
図8のデバイスIDは、
図7のデバイスIDと同一、または1対1対応の関係にある。
【0072】
「ユーザID」フィールドには、ユーザIDが格納される。ユーザIDは、デバイスIDによって特定されるウェアラブルデバイス10の所有者であるユーザを識別する情報である。
【0073】
(3-3)センシングログデータベース
本実施形態のセンシングログデータベースについて説明する。
図9は、本実施形態のセンシングログデータベースのデータ構造を示す図である。センシングログデータベースは、記憶装置51に記憶される。
【0074】
センシングログ情報は、情報処理システム1において運用されているウェアラブルデバイス10に搭載された各センサ15によるセンシング(つまり、検査または測定)のログに関する情報である。
図9に示すように、センシングログデータベースは、「センシングログID」フィールドと、「デバイスID」フィールドと、「ユーザID」フィールドと、「項目」フィールドと、「結果」フィールドと、「日時」フィールドとを含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0075】
「センシングログID」フィールドには、センシングログIDが格納される。センシングログIDは、センシングログ情報を識別する情報である。
【0076】
「デバイスID」フィールドには、デバイスIDが格納される。デバイスIDは、センシングログ情報に対応する検査または測定を行ったセンサ15を備えるウェアラブルデバイス10を識別する情報である。
図9のデバイスIDは、
図8のデバイスIDと同一、または1対1対応の関係にある。
【0077】
「ユーザID」フィールドには、ユーザIDが格納される。ユーザIDは、センシングログ情報に対応する検査または測定の被験者に相当するユーザを識別する情報である。
図9のユーザIDは、
図8のユーザIDと同一、または1対1対応の関係にある。
【0078】
「項目」フィールドには、項目情報が格納される。項目情報は、センシングログ情報に対応する検査または測定の項目に関する情報である。項目情報は、ウェアラブルデバイス10によって送信されるセンシング情報に含められる。
【0079】
「結果」フィールドには、結果情報が格納される。結果情報は、センシングログ情報に対応する検査または測定の結果に関する情報である。結果情報は、ウェアラブルデバイス10によって送信されるセンシング情報に含められる。
【0080】
「日時」フィールドには、日時情報が格納される。日時情報は、センシングログ情報に対応するセンシング日時に関する情報である。日時情報は、ウェアラブルデバイス10によって送信されるセンシング情報に含められる。
【0081】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
【0082】
(4-1)センシング関連処理
本実施形態のセンシング関連処理について説明する。
図10は、本実施形態のセンシング関連処理のフローチャートである。
【0083】
センシング関連処理は、ウェアラブルデバイス10、および管理装置としてのクライアント装置30によって実行される。センシング関連処理は、以下の開始条件のいずれかの成立に応じて開始する。
・ウェアラブルデバイス10が所定の状態(例えば、電源投入、またはユーザの身体に装着)になった。
・ユーザがセンシング関連処理を呼び出すための操作を行った。
・他の処理によってセンシング関連処理が呼び出された。
・所定の日時が到来した。
【0084】
図10に示すように、ウェアラブルデバイス10は、センシング(S110)を実行する。
具体的には、センサ15は、所定のセンシング条件に従ってセンシングを行う。センサ15は、センシング結果をプロセッサ12へ送信する。
【0085】
ステップS110の後に、ウェアラブルデバイス10は、使用終了判定(S111)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、所定の使用終了条件が成立するか否かにより、ウェアラブルデバイス10の使用が終了したか否かを判定する。使用終了条件は、例えば、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・ウェアラブルデバイス10が所定の状態(例えば、電源オフ、またはユーザの身体から取り外された)になった。
・ユーザがウェアラブルデバイス10の使用を終了するための操作を行った。
・所定の日時が到来した。
【0086】
ステップS111においてウェアラブルデバイス10の使用が終了していないと判定した場合に、ウェアラブルデバイス10は、センシング(S110)を再度実行する。
【0087】
ステップS111においてウェアラブルデバイス10の使用が終了したと判定した場合に、ウェアラブルデバイス10は、消毒状態の監視(S112)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ウェアラブルデバイス10の消毒状態の検出を試みる。一例として、プロセッサ12は、後述する消毒終了信号の受信を待ち受ける。
【0088】
ステップS112の後に、ウェアラブルデバイス10は、消毒判定(S113)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS112の監視結果に応じて、ウェアラブルデバイス10が消毒されたか否かを判定する。一例として、プロセッサ12は、消毒終了信号の受信に応じて、ウェアラブルデバイス10が消毒されたことを検出する。つまり、プロセッサ12は、消毒終了信号を受信するまでウェアラブルデバイス10は消毒されていないと判定し、消毒終了信号の受信後にウェアラブルデバイス10は消毒されたと判定する。
【0089】
ステップS113において、ウェアラブルデバイス10が消毒されたと判定した場合に、ウェアラブルデバイス10は、センシング情報の送信(S114)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS110において取得したセンシング結果に基づいてセンシング情報を生成する。センシング情報は、ステップS110の実行の度に生成され、記憶装置11に保存されていてもよい。プロセッサ12は、通信インタフェース14に、センシング情報をクライアント装置30へ送信させる。プロセッサ12は、ステップS114の完了を以てセンシング関連処理を終了する。
【0090】
センシング情報は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・センシング結果の項目を特定可能な情報
・センシング結果の内容(つまり測定結果、または検査結果)を特定可能な情報
・センシング日時(例えば、センサ15がセンシングを行った日時、またはプロセッサ12がセンシング結果を取得した日時)を特定可能な情報
【0091】
ウェアラブルデバイス10は、センシング情報とともに、またはセンシング情報と独立して、当該ウェアラブルデバイス10の消毒状況情報(例えば、消毒日時情報)をクライアント装置30へ送信してもよい。
【0092】
ステップS113において、ウェアラブルデバイス10が消毒されていないと判定した場合に、ウェアラブルデバイス10は消毒状態の監視(S112)を再度実行する。
ステップS112~ステップS113のループにより、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまで、センシング情報のクライアント装置30への送信(つまり、ステップS114の実行)を抑止することができる。
【0093】
ステップS114の後に、クライアント装置30は、センシング情報の取得(S311)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS114において送信されたセンシング情報を、通信インタフェース34を介して取得する。
【0094】
ステップS311の後に、クライアント装置30は、センシング情報の保存(S312)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS311において取得したセンシング情報を記憶装置31に保存する。オプションとして、プロセッサ32は、通信インタフェース34に、センシング情報をサーバ50へ送信させてもよい。この場合に、サーバ50は、取得したセンシング情報に基づいてセンシングログデータベース(
図9)を更新する。
【0095】
(4-2)消毒関連処理
本実施形態の消毒関連処理について説明する。
図11は、本実施形態の消毒関連処理のフローチャートである。
【0096】
消毒関連処理は、消毒装置70によって実行される。消毒関連処理は、以下の開始条件のいずれかの成立に応じて開始する。
・消毒装置70が所定の状態(例えば、電源投入、消毒対象となるウェアラブルデバイス10(以下、「消毒対象デバイス」という)を検知)になった。
・ユーザが消毒関連処理を呼び出すための操作(例えば、消毒装置70に備え付けられたボタンの押下)を行った。
・他の処理によって消毒関連処理が呼び出された。
・所定の日時が到来した。
【0097】
図11に示すように、消毒装置70は、ウェアラブルデバイスの識別(S710)を実行する。
具体的には、プロセッサ72は、消毒対象デバイスを識別する。プロセッサ72は、以下の少なくとも1つにより消毒対象デバイスを識別してもよい。
・外部装置(例えば、消毒対象デバイス、またはクライアント装置30)と通信を行い、消毒対象デバイスを特定可能な情報(例えばデバイスID)を通信インタフェース74を介して取得する。
・消毒対象デバイスの画像認識(例えば、消毒対象デバイスの筐体に付された標識(例えばQRコード(登録商標))を読み取る)。
【0098】
ステップS710の後に、消毒装置70は、消毒(S711)を実行する。
具体的には、プロセッサ72は、消毒機構75に、消毒対象デバイスを消毒させる。一例として、プロセッサ72は、制御信号を消毒機構75へ送信する。
【0099】
ステップS711の後に、消毒装置70は、消毒終了信号の送信(S712)を実行する。
具体的には、プロセッサ72は、通信インタフェース74に、消毒終了信号を、消毒対象デバイスへ送信させる。プロセッサ72は、ステップS712の完了を以て消毒関連処理を終了する。消毒終了信号は、例えば、以下の少なくとも1つを含んでもよい。
・消毒対象デバイスを特定可能な情報
・消毒の終了日時に関する情報
・消毒内容(例えば、実施した消毒の種類、条件(一例として、温度および持続時間))に関する情報
・消毒剤の残量または残回数に関する情報
・消毒に用いる液体(例えば、水、または消毒剤)を貯留するタンクに蓄えられている液体の量に関する情報
【0100】
(4-3)情報提示処理
本実施形態の情報提示処理について説明する。
図12は、本実施形態の情報提示処理のフローチャートである。
図13は、本実施形態の情報提示処理において表示される画面例を示す図である。
図14は、本実施形態の情報提示処理において表示される画面例を示す図である。
図15は、本実施形態の情報提示処理において表示される画面例を示す図である。
【0101】
情報提示処理は、クライアント装置30によって実行される。情報提示処理は、以下の開始条件のいずれかの成立に応じて開始する。
・クライアント装置30が所定の状態(例えば、所定のアプリを起動)になった。
・ユーザが情報提示処理を呼び出すための操作を行った。
・他の処理によって情報提示処理が呼び出された。
・所定の日時が到来した。
【0102】
図12に示すように、クライアント装置30は、画面表示(S320)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、画面P11(
図13)を表示する。
【0103】
図13に示すように、画面P11は、操作オブジェクトB11a~B11fを含む。
操作オブジェクトB11aは、測定/検査結果を確認するためのユーザ指示を受け付ける。
操作オブジェクトB11bは、測定/検査の設定を行うするためのユーザ指示を受け付ける。
操作オブジェクトB11cは、クライアント装置30のユーザが所有するウェアラブルデバイス10のステータスを確認するためのユーザ指示を受け付ける。
操作オブジェクトB11dは、ウェアラブルデバイス10の購入を進めるためのユーザ指示を受け付ける。
操作オブジェクトB11eは、情報通信を用いた遠隔診療を開始するためのユーザ指示を受け付ける。
操作オブジェクトB11fは、診察を予約するためのユーザ指示を受け付ける。
【0104】
ステップS320の後に、クライアント装置30は、ユーザ指示の取得(S321)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS320において表示した画面に対するユーザ指示を受け付ける。一例として、プロセッサ32は、
図13の操作オブジェクトB11a~B11fのいずれかの選択を受け付ける。
【0105】
ステップS321の後に、クライアント装置30は、画面表示(S322)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS321において取得したユーザ指示に応じて画面を生成し、当該画面をディスプレイ35に表示させる。
【0106】
画面表示(S322)の第1例では、プロセッサ32は、操作オブジェクトB11aを選択するユーザ指示に応じて画面P12(
図14)を生成し、当該画面P12をディスプレイ35に表示させる。
図14に示すように、画面P12は、表示オブジェクトA12を含む。
表示オブジェクトA12は、クライアント装置30のユーザの月経期間内に亘る当該ユーザに対する検査または測定結果に関する情報(つまり、ユーザの体調に関する情報)を表示する。
【0107】
画面表示(S322)の第2例では、プロセッサ32は、操作オブジェクトB11cを選択するユーザ指示に応じて画面P13(
図15)を生成し、当該画面P13をディスプレイ35に表示させる。
図15に示すように、画面P13は、表示オブジェクトA13a~A13cを含む。
表示オブジェクトA13aは、クライアント装置30のユーザが現在の月経期間内で未使用であるウェアラブルデバイス10に関する情報(つまり、月経期間内におけるウェアラブルデバイスの使用状況に関する情報)を表示する。一例として、表示オブジェクトA13aは、ウェアラブルデバイス10の外観に関する情報(画像)と、当該ウェアラブルデバイス10の検査または測定可能な項目に関する情報とを表示する。
表示オブジェクトA13bは、クライアント装置30のユーザが現在の月経期間内で既に使用していて、かつ未消毒のウェアラブルデバイス10に関する情報(つまり、月経期間内におけるウェアラブルデバイスの使用状況および消毒状況に関する情報)を表示する。一例として、表示オブジェクトA13bは、ウェアラブルデバイス10の外観に関する情報(画像)と、当該ウェアラブルデバイス10の検査または測定可能な項目に関する情報とを表示する。
表示オブジェクトA13cは、クライアント装置30のユーザが現在の月経期間内で既に使用していて、かつ消毒済のウェアラブルデバイス10に関する情報(つまり、月経期間内におけるウェアラブルデバイスの使用状況および消毒状況に関する情報)を表示する。一例として、表示オブジェクトA13cは、ウェアラブルデバイス10の外観に関する情報(画像)と、当該ウェアラブルデバイス10の検査または測定可能な項目に関する情報とを表示する。
【0108】
ステップS322の後に、クライアント装置30は、ユーザ指示の取得(S321)を再度実行してもよい。
【0109】
情報提示処理は、以下の終了条件のいずれかの成立に応じて終了する。
・クライアント装置30が所定の状態(例えば、所定のアプリを終了)になった。
・ユーザが情報提示処理を終了するための操作を行った。
・所定の日時が到来した。
【0110】
(4-4)消毒リマインダ処理
本実施形態の消毒リマインダ処理について説明する。
図16は、本実施形態の消毒リマインダ処理のフローチャートである。
図17は、本実施形態の消毒リマインダ処理において表示される画面例を示す図である。
【0111】
消毒リマインダ処理は、クライアント装置30によって実行される。消毒リマインダ処理は、以下の開始条件のいずれかの成立に応じて開始する。
・所定の日時(例えば、月経期間の開始日から所定日数経過した日)が到来した。
・クライアント装置30が所定の状態になった。
・ユーザが消毒リマインダ処理を呼び出すための操作を行った。
・他の処理によって消毒リマインダ処理が呼び出された。
【0112】
図16に示すように、クライアント装置30は、日時情報の取得(S330)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、デバイス情報データベース(
図7)にアクセスし、消毒リマインダが有効化されているウェアラブルデバイス10(以下、「リマインダ有効デバイス」という)を特定し、当該リマインダ有効デバイスの消毒日時情報および使用日時情報を取得する。
【0113】
リマインダ有効デバイスは、クライアント装置30のユーザが所有するウェアラブルデバイス10の全てであってもよいし、一部(例えば、進行中、または最近の月経期間内に使用されたウェアラブルデバイス10)であってもよい。リマインダ有効デバイスは、クライアント装置30のユーザにより指定されてもよいし、アルゴリズムにより決定されてもよい。
【0114】
ステップS330の後に、クライアント装置30は、デバイス消毒状態の判定(S331)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS102において取得した日時情報を参照し、リマインダ有効デバイスが消毒済であるか未消毒であるかを判定する。一例として、プロセッサ32は、リマインダ有効デバイスの最新の消毒日時が所定のリマインド実施条件を満たすか否かを判定する。
リマインド実施条件は、例えば、月経期間における基準日時から最新の消毒日時までの経過時間が閾値以上であること、であってよい。基準日時は、例えば、月経期間の開始から所定時間後であってもよいし、リマインダ有効デバイスの最新の使用日時であってもよい。閾値は、非負の値である。ここで、リマインダ有効デバイスがこれまで一度も使用されていない場合(つまり、使用日時情報および消毒日時情報のいずれも登録されていない場合)に、プロセッサ32は、当該リマインダ有効デバイスを消毒済とみなす。
【0115】
ステップS331においてリマインダ有効デバイスが未消毒であると判定した場合に、クライアント装置30は、通知(S332)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、画面P14(
図17)を生成し、当該画面P14をディスプレイ35に表示させる。
図17に示すように、画面P14は、表示オブジェクトA14aと、操作オブジェクトB14a~B14bとを含む。
表示オブジェクトA14aは、未消毒と判定されたリマインダ有効デバイスに関する情報を表示する。一例として、表示オブジェクトA14aは、未消毒と判定されたリマインダ有効デバイスの消毒を促す情報(メッセージ)と、リマインダ有効デバイスの外観に関する情報(画像)とを表示する。
操作オブジェクトB14aは、消毒リマインダの設定を編集するためのユーザ指示を受け付ける。
操作オブジェクトB14bは、リマインダ有効デバイスの消毒に適した消毒剤、または消毒装置の購入を進めるためのユーザ指示を受け付ける。
【0116】
ステップS331においてリマインダ有効デバイスが消毒済であると判定した場合、またはステップS332の後に、クライアント装置30は、消毒リマインダ処理を終了する。
【0117】
(5)小括
以上説明したように、ウェアラブルデバイス10は、センサ15によるセンシング結果に関するセンシング情報を管理装置(例えばクライアント装置30)へ送信する。ウェアラブルデバイス10は、当該ウェアラブルデバイス10の使用終了後に当該ウェアラブルデバイス10の消毒状態を監視する。ウェアラブルデバイス10は、当該ウェアラブルデバイス10の消毒状態に応じて当該ウェアラブルデバイス10の使用サイクルを制御(一例として、少なくともウェアラブルデバイス10が消毒されるまで、当該ウェアラブルデバイスの使用サイクルを中断)する。これにより、ウェアラブルデバイス10を消毒しない場合に当該ウェアラブルデバイス10の使用サイクルが正常に進まないので、ユーザは当該ウェアラブルデバイス10を消毒するよう促される。よって、センサ15が不衛生な状態で使用されるのを防止することができる。ウェアラブルデバイス10は、少なくとも当該ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまで、センシング情報の管理装置への送信を抑止してもよい。これにより、ウェアラブルデバイス10を消毒しない場合にユーザは検査/測定結果を確認できなくなるので、ユーザは当該ウェアラブルデバイス10を消毒するよう促される。よって、センサ15が不衛生な状態で使用されるのを防止することができる。
【0118】
ウェアラブルデバイス10は、消毒装置70から消毒終了信号を受信したことに応じて、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されたことを検出してもよい。これにより、ウェアラブルデバイス10は、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されたことを容易に検出することができる。
【0119】
ウェアラブルデバイス10は、ユーザの体内に挿入された状態で当該ユーザの経血を取集可能な容器VEを備えていてもよい。これにより、ユーザの経血の流出を防止するとともに、当該経血に対する検査または測定を行うことができる。
【0120】
以上説明したように、管理装置としてのクライアント装置30は、センサ15によるセンシング結果に関するセンシング情報を取得し、当該センシング情報を参照して月経期間におけるユーザの体調に関する情報を出力する。クライアント装置30は、ウェアラブルデバイス10の消毒状況情報を取得し、当該消毒状況情報を参照して当該ウェアラブルデバイス10の状態に関する情報を出力する。これにより、ユーザは、ウェアラブルデバイス10の状態を容易に把握でき、使用済みのウェアラブルデバイス10を消毒するよう促される。よって、センサ15が不衛生な状態で使用されるのを防止することができる。
【0121】
クライアント装置30は、消毒状況情報を参照してウェアラブルデバイス10の最新の消毒日時を特定し、当該消毒日時が所定のリマインド実施条件を満たすか否かを判定してもよい。クライアント装置30は、最新の消毒日時がリマインド実施条件を満たすと判定したことに応じて、通知を行ってよい。これにより、消毒状況の不適切なウェアラブルデバイス10について通知がなされるので、ユーザに使用済みのウェアラブルデバイス10を消毒するよう促すことができる。リマインド実施条件は、月経期間における基準日から最新の消毒日時までの経過時間が閾値以上であること、であってもよい。これにより、基準日後に未消毒であるウェアラブルデバイス10について通知を行うことができる。クライアント装置30は、最新の消毒日時がリマインド実施条件を満たすと判定したことに応じて、ウェアラブルデバイス10の消毒を促す通知を行ってもよい。これにより、ユーザに使用済みのウェアラブルデバイス10の消毒を強く促すことができる。
【0122】
以上説明したように、消毒装置70は、ウェアラブルデバイス10を消毒機構75により消毒し、当該ウェアラブルデバイス10の消毒終了後に、消毒終了信号を外部装置(例えば、ウェアラブルデバイス10、または管理装置)へ送信する。これにより、外部装置は、ウェアラブルデバイス10が消毒されたことを容易に検出することができる。
【0123】
(6)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0124】
(6-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまで、センサ15による新たなセンシングの実行を抑止する例である。
【0125】
(6-1-1)変形例1の概要
変形例1の概要について説明する。
図18は、変形例1の概要の説明図である。
【0126】
ウェアラブルデバイス10は、繰り返し使用することができる。具体的には、
図18に示すように、フェーズPH21~フェーズPH25を含む使用サイクルが繰り返される。
【0127】
まず、ウェアラブルデバイス10は、ユーザの身体に装着される(フェーズPH21)。
フェーズPH21の後に、ウェアラブルデバイス10に搭載されたセンサ15は、n回に亘ってセンシング(PH22-1,・・・,PH22-n)およびセンシング情報の送信(PH23-1,・・・,PH23-n)を交互に実行する。nは、1であってもよいし、2以上であってもよい。また、センシング情報の送信の実行回数は、センシングの実行回数よりも小さく設定されてもよい。
フェーズPH23-nの後に、ウェアラブルデバイス10は、ユーザの身体から取り外される(フェーズPH24)。
フェーズPH24の後に、ウェアラブルデバイス10は消毒され、ウェアラブルデバイス10は消毒されたことを検出する(フェーズPH25)。
【0128】
ウェアラブルデバイス10は、1回目の使用サイクルの後に、2回目の使用サイクルに進むことができる。ただし、2回目の使用サイクルにおけるフェーズPH22-1の実行は、1回目の使用サイクルのフェーズPH25の実行状態に応じて制約される。具体的には、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまで、センサ15による新たなセンシングの実行(つまり、次の使用サイクルにおけるフェーズPH22-1の実行)が抑止される。
【0129】
このように、ウェアラブルデバイス10によれば、ユーザは当該ウェアラブルデバイス10の使用後に消毒を行わない限り、ウェアラブルデバイス10を再使用することができない。故に、ユーザは、ウェアラブルデバイス10を使用後に消毒するよう促されるので、使用したウェアラブルデバイス10を良好な衛生状態で再使用できる。
【0130】
(6-1-2)センシング関連処理
変形例1のセンシング関連処理について説明する。
図19は、変形例1のセンシング関連処理のフローチャートである。
【0131】
センシング関連処理は、ウェアラブルデバイス10、および管理装置としてのクライアント装置30によって実行される。センシング関連処理は、以下の開始条件のいずれかの成立に応じて開始する。
・ウェアラブルデバイス10が所定の状態(例えば、電源投入、またはユーザの身体に装着)になった。
・ユーザがセンシング関連処理を呼び出すための操作を行った。
・他の処理によってセンシング関連処理が呼び出された。
・所定の日時が到来した。
【0132】
図19に示すように、ウェアラブルデバイス10は、
図10と同様に、センシング(S110)を実行する。
【0133】
ステップS110の後に、ウェアラブルデバイス10は、センシング情報の送信(S120)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS110において取得したセンシング結果に基づいてセンシング情報を生成する。センシング情報は、ステップS110の実行の度に生成され、記憶装置11に保存されていてもよい。プロセッサ12は、通信インタフェース14に、センシング情報をクライアント装置30へ送信させる。ステップS120の実行回数は、ステップS110の実行回数に比べて少なくてもよい。この場合に、ステップS110の実行後に、ステップS120の実行がスキップされることがある。
【0134】
ステップS120の後に、クライアント装置30は、
図10と同様に、センシング情報の取得(S311)、およびセンシング情報の保存(S312)を実行する。
【0135】
ステップS120の後に、ウェアラブルデバイス10は、
図10と同様に、使用終了判定(S111)を実行する。
【0136】
ステップS111においてウェアラブルデバイス10の使用が終了していないと判定した場合に、ウェアラブルデバイス10は、
図10と同様に、センシング(S110)を再度実行する。
【0137】
ステップS111においてウェアラブルデバイス10の使用が終了したと判定した場合に、ウェアラブルデバイス10は、
図10と同様に、消毒状態の監視(S112)、および消毒判定(S113)を実行する。
【0138】
ステップS113において、ウェアラブルデバイス10が消毒されていないと判定した場合に、ウェアラブルデバイス10は消毒状態の監視(S112)を再度実行する。
ステップS112~ステップS113のループにより、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまで、センサ15による新たなセンシングの実行(つまり、次の使用サイクルにおけるステップS110の実行)を抑止することができる。
【0139】
ステップS120において、ウェアラブルデバイス10が消毒されたと判定した場合に、ウェアラブルデバイス10は、センシング関連処理を終了する。ここで、ウェアラブルデバイス10は、当該ウェアラブルデバイス10の消毒状況情報(例えば、消毒日時情報)をクライアント装置30へ送信してもよい。
【0140】
(6-1-3)小括
以上説明したように、ウェアラブルデバイス10は、当該ウェアラブルデバイス10の使用終了から少なくとも当該ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまで、センサ15による新たなセンシングの実行を抑止する。これにより、ウェアラブルデバイス10を消毒しない場合に当該ウェアラブルデバイス10を再使用できなくなるので、ユーザは当該ウェアラブルデバイス10を消毒するよう促され、センサ15が不衛生な状態で使用されるのを防止することができる。
【0141】
(6-2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、消毒装置70がウェアラブルデバイス10からセンシング情報を取得し、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されたことに応じて当該センシング情報を管理装置へ送信する例である。
【0142】
消毒装置70は、ウェアラブルデバイス10からセンシング情報を取得する。例えば、消毒装置70は、以下の少なくとも1つのタイミングで、センシング情報をウェアラブルデバイス10から取得する。
・ウェアラブルデバイス10の使用中(所定回数のセンシングが実行される度、または所定周期毎)
・ウェアラブルデバイス10の使用後、かつ消毒の実施前
・ウェアラブルデバイス10の消毒の実施中
・ウェアラブルデバイス10の消毒の実施後
【0143】
消毒装置70は、ウェアラブルデバイス10から取得したセンシング情報を、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されたことに応じて管理装置(例えば、クライアント装置30)へ送信する。
【0144】
変形例2の消毒装置70によれば、ウェアラブルデバイス10は、当該ウェアラブルデバイス10の消毒状態を監視したり、当該ウェアラブルデバイス10の消毒状態に応じて、当該ウェアラブルデバイス10の使用サイクルを制御したりする必要がない。つまり、ウェアラブルデバイス10の処理を簡略化することができる。さらに、変形例2の消毒装置70によれば、ウェアラブルデバイス10を消毒しない場合にユーザは検査/測定結果を確認できなくなるので、ユーザは当該ウェアラブルデバイス10を消毒するよう促される。よって、センサ15が不衛生な状態で使用されるのを防止することができる。
【0145】
なお、変形例2の消毒装置70は、消毒終了信号を送信する必要がない。
【0146】
(7)その他の変形例
記憶装置31は、ネットワークNWを介して、クライアント装置30と接続されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、サーバ50と接続されてもよい。
【0147】
上記の情報処理の各ステップは、ウェアラブルデバイス10、クライアント装置30、サーバ50、および消毒装置70の何れでも実行可能である。
上記説明では、各処理において各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。
【0148】
上記説明では、消毒装置70がウェアラブルデバイス10と通信する例を示した。しかしながら、消毒装置70は、クライアント装置30、またはサーバ50と通信してもよいし、通信機能を備えなくてもよい。
【0149】
本実施形態の説明では、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまで、センシング情報のクライアント装置30(つまり、管理装置)への送信を抑止する例を説明した。しかしながら、かかるセンシング情報の定常的な送信とは独立して、ユーザの異常が検知された場合の通知が行われてもよい。つまり、ウェアラブルデバイス10は、センシング結果に基づいてユーザの異常を検知した場合に、通知(つまり、管理装置への情報送信)をウェアラブルデバイス10の消毒状態に関わらず行ってよい。
【0150】
上記説明では、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されるまでセンシング情報の送信、または新たなセンシングの実行を抑止する例を示した。しかしながら、これらの例に限られず、ウェアラブルデバイス10は、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されるまで当該ウェアラブルデバイス10の使用サイクルを中断する任意の制御を行ってよい。或いは、クライアント装置30は、ウェアラブルデバイス10から取得したセンシング情報の表示を、当該センシング情報の取得後に当該ウェアラブルデバイス10が消毒されるまで抑止してもよい。
【0151】
上記説明では、ウェアラブルデバイス10を管理する装置(管理装置)がクライアント装置30である例を示した。しかしながら、管理装置は、サーバ50、消毒装置70、またはその他の外部装置であってもよい。
管理装置が消毒装置70である場合に、当該消毒装置70は、センシング情報をクライアント装置30、またはサーバ50へさらに送信してもよい。
【0152】
上記説明では、消毒装置70がウェアラブルデバイス10を消毒する例を示した。しかしながら、ウェアラブルデバイス10の消毒は、ユーザ、または他の人間が物理的消毒、または化学的消毒を行うことで実現されてもよい。この場合に、ウェアラブルデバイス10の消毒は、人間(例えば消毒の実施者)の操作により検出されてもよいし、ウェアラブルデバイス10に備えられたセンサ(例えば、温度センサ、紫外線センサ、または化学センサ)による温度、紫外線、または消毒剤の分子のセンシング結果に基づいて検出されてもよい。
【0153】
上記説明では、ウェアラブルデバイス10が、消毒終了信号の受信に応じて、当該ウェアラブルデバイス10の消毒を検出する例を示した。しかしながら、ウェアラブルデバイス10は、他の手段により当該ウェアラブルデバイス10の消毒を検出してもよい。つまり、消毒装置70は、消毒終了信号を送信しないように構成されてもよい。
第1例として、ウェアラブルデバイス10は、当該ウェアラブルデバイス10に関する温度情報(例えば温度センサによるセンシング情報)を取得し、当該温度情報について所定の条件(例えば、温度および持続時間の組み合わせ)が成立したことに応じて、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されたことを検出する。これにより、消毒装置70の構成を簡素化することができる。また、消毒装置70によらずにウェアラブルデバイス10を消毒した場合であっても、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されたことを検出できる。
第2例として、ウェアラブルデバイス10は、ユーザの指示を受け付け可能に構成され、かつユーザから所定の指示(例えば、画面に表示された消毒終了ボタンの選択)を受け付けたことに応じて、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されたことを検出する。これにより、消毒装置70の構成を簡素化することができる。また、消毒装置70によらずにウェアラブルデバイス10を消毒した場合であっても、当該ウェアラブルデバイス10が消毒されたことを検出できる。
【0154】
上記説明では、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されることを条件に、センシング情報の送信、または新たなセンシングの実行が可能となる例を示した。しかしながら、管理装置(例えばクライアント装置30)による許可を条件に、ウェアラブルデバイス10の使用サイクルが再開されてもよい。
第1例として、ウェアラブルデバイス10は、センシング情報の送信が許可されるまでセンシング情報の管理装置への送信を抑止する。ウェアラブルデバイス10、または消毒装置70は、当該ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されたことを管理装置に通知する。管理装置は、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されたことを通知されると、当該ウェアラブルデバイス10のセンシング情報の送信を許可する。これにより、各ウェアラブルデバイス10の使用サイクルを管理装置において集中制御することができる。
第2例として、ウェアラブルデバイス10は、センシングの実行が許可されるまでセンサ15による新たなセンシングの実行を抑止する。ウェアラブルデバイス10、または消毒装置70は、当該ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されたことを管理装置に通知する。管理装置は、ウェアラブルデバイス10の消毒が検出されたことを通知されると、センサ15による新たなセンシングの実行を許可する。これにより、各ウェアラブルデバイス10の使用サイクルを管理装置において集中制御することができる。
さらに、管理装置が、ウェアラブルデバイス10の消毒の検出に応じて、当該ウェアラブルデバイス10に、センシング情報の送信、または新たなセンシングの実行を許可してもよい。具体的には、管理装置は、消毒終了信号の受信によりウェアラブルデバイス10の消毒を検出してもよいし、消毒の終了を申告するためのユーザ指示(例えばアプリ操作)に応じてウェアラブルデバイス10の消毒を検出してもよい。これにより、ウェアラブルデバイス10によって実行される処理を簡略化することができる。この場合に、消毒装置70は、管理装置に接続可能に構成される。消毒装置70は、消毒対象デバイスを識別し、当該消毒対象デバイスを識別する情報を含む消毒終了信号を関連付けられる管理装置へ送信してもよい。これにより、管理装置は、どのウェアラブルデバイス10が消毒されたかを容易に検出することができる。
【0155】
ウェアラブルデバイス10は、ステップS112~ステップS113(
図10または
図19)のループを所定時間以上に亘って繰り返した場合に、当該ウェアラブルデバイス10が使用後に消毒されていないことを管理装置に通知してもよい。管理装置は、かかる通知に応じて、例えば画面P14(
図17)をディスプレイ35に表示させてもよい。
【0156】
クライアント装置30は、所定の新調案内条件が成立する場合に、ユーザにウェアラブルデバイス10の新調を促す通知を行ってもよい。ユーザは、ウェアラブルデバイス10が劣化または故障する前に新しいウェアラブルデバイス10を調達することで、誤った検査または測定が行われたり、検査または測定が中断されたりすることを防止できる。新調案内条件は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・最も古い消毒日時からの経過時間が閾値を超えた
・累計消毒回数が閾値を超えた
・最も古い使用日時からの経過時間が閾値を超えた
・累計使用回数が閾値を超えた
【0157】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0158】
1 :情報処理システム
10 :ウェアラブルデバイス
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
15 :センサ
22-1 :フェーズ
30 :クライアント装置
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
35 :ディスプレイ
50 :サーバ
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
70 :消毒装置
71 :記憶装置
72 :プロセッサ
73 :入出力インタフェース
74 :通信インタフェース
75 :消毒機構