(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176776
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20231206BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20231206BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231206BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20231206BHJP
F21V 9/30 20180101ALI20231206BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231206BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231206BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231206BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20231206BHJP
【FI】
F21V19/00 510
F21S8/04 100
F21S2/00 600
F21V33/00 400
F21V9/30
F21V23/00 113
F21V23/00 120
F21V23/00 140
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089250
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉 正男
(72)【発明者】
【氏名】蒲田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】中村 晃子
(72)【発明者】
【氏名】若宮 彰人
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA03
3K014AA01
3K014RB09
(57)【要約】
【課題】本開示は、複数の発光部を個別に交換可能な照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】照明器具1は、複数の発光部2と、本体部5と、を備える。複数の発光部2の各々は、光源3と、光源3からの光を透過する光学部材4と、を有する。本体部5は、筐体6と、筐体6に内蔵されており、入力電力を変換して、変換後の電力を光源3に供給する電源部7と、筐体6に設けられ、複数の発光部2を着脱可能な複数の設置部8と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光部と、
本体部と、を備え、
前記複数の発光部の各々は、
光源と、
前記光源からの光を透過する光学部材と、を有し、
前記本体部は、
筐体と、
前記筐体に内蔵されており、入力電力を変換して、変換後の電力を前記光源に供給する電源部と、
前記筐体に設けられ、前記複数の発光部を着脱可能な複数の設置部と、を有する、
照明器具。
【請求項2】
前記複数の発光部のうち少なくとも2つの発光部は、構成が互いに異なる、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記複数の発光部は、
第1発光部と、
前記第1発光部とは放射する光のスペクトルが異なる第2発光部と、を含む、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記複数の発光部のうち少なくとも1つの発光部の前記光学部材は、前記光源からの光を導光する導光部材を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記光学部材は、前記導光部材に分散された蛍光体を更に含む、
請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記複数の発光部のうち少なくとも1つの発光部の光量を検知する1又は複数のセンサを更に備える、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項7】
前記1又は複数のセンサは、前記複数の発光部の光量を個別に検知する、
請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記1又は複数のセンサで検知された、前記複数の発光部のうち1つ以上の発光部の光量の低下を報知する報知部を更に備える、
請求項6又は7に記載の照明器具。
【請求項9】
前記複数の発光部のうち少なくとも1つの発光部から放射される光の強度のピークの波長は、280nm以上315nm以下、430nm以上490nm以下、又は、600nm以上780nm以下の範囲である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記複数の発光部のうち少なくとも1つの発光部は、前記本体部の前記電源部である第1電源部とは別の、第2電源部を更に有し、
前記第2電源部は、前記第1電源部から供給された電力を変換して、変換後の電力を前記光源に供給する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
前記電源部は、前記複数の発光部の前記光源に供給される電力を、発光部ごとに調整する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に照明器具に関し、より詳細には、複数の発光部を備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の口金変換アダプターは、上部にコンパクト蛍光ランプ口金を配しており、下部にE26やE39等の普及型口金を配しており、コンパクト蛍光ランプ口金と普及型口金の間に蛍光ランプ点灯回路を配している。上記構成によれば、一般に普及しているE26形口金やE39形口金に口金変換アダプターを装着するだけで簡単にコンパクト蛍光ランプを取り付け可能になり使用箇所に応じてランプの明るさや色度を選択、変更が手軽にできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の口金変換アダプターは、複数の発光部(コンパクト蛍光ランプ)を個別に交換可能な構成ではなかった。
【0005】
本開示は、複数の発光部を個別に交換可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明器具は、複数の発光部と、本体部と、を備える。前記複数の発光部の各々は、光源と、前記光源からの光を透過する光学部材と、を有する。前記本体部は、筐体と、前記筐体に内蔵されており、入力電力を変換して、変換後の電力を前記光源に供給する電源部と、前記筐体に設けられ、前記複数の発光部を着脱可能な複数の設置部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、複数の発光部を個別に交換可能であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の照明器具の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の照明器具のブロック図である。
【
図4】
図4は、変形例2に係る照明器具の発光部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る照明器具1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0010】
(実施形態)
(概要)
図1~
図3に示すように、本実施形態の照明器具1は、複数(本実施形態では4つ)の発光部2と、本体部5と、を備える。複数の発光部2の各々は、光源3と、光源3からの光を透過する光学部材4と、を有する。本体部5は、筐体6と、筐体6に内蔵されており、入力電力を変換して、変換後の電力を光源3に供給する電源部7(以下、第1電源部71とも呼ぶ。)と、筐体6に設けられ、複数の発光部2を着脱可能な複数(本実施形態では4つ)の設置部8と、を有する。
【0011】
本実施形態によれば、照明器具1において、複数の発光部2を個別に交換可能である。そのため、使用条件等に応じて異なる発光部2を使用することができる。また、一部の発光部2が故障した場合は、故障した発光部2のみを交換すればよく、照明器具1全体を交換するよりも、交換に掛かるコストの低減を図ることができる。
【0012】
以下では、照明器具1が、植物を栽培する施設に設置されて、植物に光を照射するために使用される場合を念頭に置いて説明する。ただし、照明器具1の用途は、特に限定されない。別の一例として、照明器具1は、人が生活する施設に生活照明として設置されてもよい。
【0013】
(詳細)
(1)複数の発光部
まず、複数の発光部2の各々の構成について説明する。
【0014】
図2、
図3に示すように、各発光部2は、一例として、光源3と、光学部材4と、接続部21と、第2電源部22と、基板23と、センサ24と、報知部25と、ケース26と、を有する。
【0015】
光源3は、複数(
図2では2つ)の発光素子30を備える。複数の発光素子30の各々は、例えば、発光ダイオード素子又はレーザダイオード素子である。光源3は、例えば、基板23に実装されている。
【0016】
光学部材4は、光源3から入射され発光部2から出射される光の特性(進行方向、及び/又は光度等)を変化させる。光学部材4は、一例として、導光部材41を含む。導光部材41は、光源3からの光が入射する位置に配置されている。導光部材41は、例えば、光源3に対向する位置に配置されている。導光部材41は、光源3からの光を導光する。
【0017】
また、光学部材4は、導光部材41に分散された蛍光体を含んでいてもよい。蛍光体は、光源3により光を照射されると発光する。
【0018】
光学部材4の長手方向は、光学部材4を有する発光部2と、本体部5と、の対向方向に沿っている。
【0019】
なお、光学部材4は、導光部材41を含む構成に限定されない。光学部材4は、例えば、レンズ、拡散板及び透光カバーのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。拡散板は、光拡散性を有する。透光カバーは、光拡散性を有することが好ましい。例えば、透光カバーの表面に凹凸等を設けて、透光カバー自体が光拡散性を有していてもよいし、透光カバーに光拡散性を有する粒子を付着させてもよい。
【0020】
接続部21は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子である。接続部21は、本体部5の複数の設置部8のうち少なくとも1つの設置部8に電気的に接続可能な端子部として機能する。また、接続部21は、上記少なくとも1つの設置部8に機械的に接続可能な機械接続部としても機能する。接続部21は、例えば、基板23に実装されている。
【0021】
第2電源部22は、本体部5の第1電源部71から供給された電力を変換して、変換後の電力を光源3に供給する。第2電源部22は、例えば、降圧回路を備え、第1電源部71から供給された電力を所定の電圧へと降圧して、降圧された後の電力を光源3に供給する。一例として、第2電源部22は、降圧回路に加えて、降圧回路の動作を制御する制御回路を備える。また、第2電源部22は、センサ24及び報知部25にも、それぞれの動作に必要な電力を供給する。第2電源部22は、例えば、基板23に実装されている。
【0022】
センサ24は、例えば、光センサである。光センサは、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、又はフォトレジスタ(photoresistor)を含む。センサ24は、発光部2の光量を検知する。より詳細には、センサ24は、光源3の光量を検知する。センサ24は、例えば、基板23に実装されている。センサ24は、他の発光部2から出射された光を受光しない位置に配置されていることが好ましい。
【0023】
報知部25は、例えば、パイロットランプ等の光源を含む。報知部25は、当該光源の点灯状態を変化させることで、発光部2の光量の低下を報知する。報知部25は、例えば、基板23に実装されている。
【0024】
ケース26は、透光性を有する。ケース26は、光源3と、光学部材4と、第2電源部22と、基板23と、センサ24と、報知部25と、を収容している。ケース26は、ゴムパッキン等を用いて密閉して、防水性を有することが好ましい。
【0025】
複数の発光部2の基本的な構成は、共通である。本実施形態では、複数の発光部2の各々が、光源3と、光学部材4と、接続部21と、第2電源部22と、基板23と、センサ24と、報知部25と、ケース26と、を有する。
【0026】
ただし、複数の発光部2のうち少なくとも2つの発光部2は、構成が互いに異なっていてもよい。
【0027】
特に、少なくとも2つの発光部2は、発光部2から出射される光に関する構成が互いに異なっていてもよい。一例として、少なくとも2つの発光部2は、発光色が互いに相違するように、光源3の発光色、導光部材41の色、及び、光学部材4の蛍光体の発光色のうち少なくとも1つが互いに相違していてもよい。このように、複数の発光部2は、第1発光部と、第2発光部と、を含んでいてもよい。第2発光部は、第1発光部とは放射する光のスペクトルが異なる。別の一例として、少なくとも2つの発光部2は、光源3の光量が互いに相違していてもよい。光源3の光量の相違は、光源3が備える発光素子30の個数が異なること、又は、光源3に流れる電流の大きさが異なること等によって生じる。更に別の一例として、少なくとも2つの発光部2は、光学部材4の構成が互いに相違していてもよい。光学部材4の構成が互いに相違するとは、例えば、一部の発光部2の光学部材4はレンズからなり、別の発光部2の光学部材4は拡散板からなる、等である。更に別の一例として、一部の発光部2の光源3の調光及び/又は調色可能な範囲が、別の発光部2の光源3の調光及び/又は調色可能な範囲と異なっていてもよい。
【0028】
また、例えば、一部の発光部2はセンサ24を備えていないことで、センサ24を備える発光部2と構成が異なっていてもよい。あるいは、一部の発光部2は光源3の点灯状態をスケジュール制御する制御部を備える一方で、別の発光部2はこのような制御部を備えていないことによって、発光部2の構成が異なっていてもよい。
【0029】
上述したように、複数の発光部2のうち少なくとも1つの発光部2の光学部材4は、導光部材41を含んでいてもよい。そして、導光部材41には、蛍光体が分散されていてもよい。
【0030】
また、照明器具1は、1又は複数のセンサ24を備えていてもよい。1又は複数のセンサ24は、複数の発光部2のうち少なくとも1つの発光部2の光量を検知する。本実施形態では、複数(4つ)の発光部2の各々がセンサ24を備えるので、照明器具1は、4つのセンサ24を備える。
【0031】
また、1又は複数のセンサ24は、複数の発光部2の光量を個別に検知することが好ましい。本実施形態では、各発光部2が1つのセンサ24と、このセンサ24に対応する1つの光源3と、を備える。各発光部2のセンサ24は、対応する光源3から放射された光量を、発光部2の光量として検知する。
【0032】
また、報知部25は、1又は複数のセンサ24で検知された、複数の発光部2のうち1つ以上の発光部2の光量の低下を報知してもよい。本実施形態では、報知部25は、パイロットランプを含む。1つの発光部2に属する光源3、センサ24及び報知部25に着目すると、光源3の光量の低下をセンサ24が検知すると、報知部25は、パイロットランプの点灯状態を変化させることで、発光部2の光量の低下を報知する。点灯状態を変化させるとは、例えば、消灯した状態から点灯させること、点灯した状態から消灯させること、消灯若しくは点灯した状態から点滅させること、光量を変化させること、又は、発光色を変化させること等である。
【0033】
発光部2は、例えば、閾値を記憶している記憶装置を有し、報知部25は、センサ24で検知された光量が閾値を下回ると、光量の低下を報知する。
【0034】
複数の発光部2のうち少なくとも1つの発光部2から放射される光の強度のピークの波長は、280nm以上315nm以下、430nm以上490nm以下、又は、600nm以上780nm以下の範囲であることが好ましい。光源3の発光色、導光部材41の色、及び、光学部材4の蛍光体の発光色のうち少なくとも1つを調整することで、上記の波長にピークを有する光が放射されるようにすればよい。
【0035】
波長が280nm以上315nm以下の光は、UV-B光に相当し、植物の病害抵抗性誘導、光形態形成、及び、色素合成を促進する。波長が430nm以上490nm以下の光は、青色光に相当し、植物の胚軸伸長、色素合成、及び、花成制御を促進する。波長が600nm以上780nm以下の光は、赤色及び遠赤色光に相当し、植物の発芽誘導及び打消しの可逆反応、花成制御の促進及び抑制の可逆反応、並びに、生長促進に寄与する。
【0036】
また、上述したように、複数の発光部2のうち少なくとも1つの発光部2は、第1電源部71とは別の、第2電源部22を有し、第2電源部22は、第1電源部71から供給された電力を変換して、変換後の電力を光源3に供給する。本実施形態では、全ての発光部2が第2電源部22を有することを想定している。
【0037】
(2)本体部
次に、本体部5について説明する。
【0038】
図2、
図3に示すように、本体部5は、筐体6と、第1電源部71と、基板51と、複数(4つ)の設置部8と、口金9と、を有する。
【0039】
筐体6は、第1電源部71と、基板51と、を収容している。一例として、筐体6の形状は、円柱状である。筐体6の側面には、複数の設置部8が周方向に並んで配置されている。複数の設置部8は、等間隔に並んでいる。また、筐体6の2つの底面のうち一方には、口金9が固定されている。筐体6は、ゴムパッキン等を用いて密閉して、防水性を有することが好ましい。
【0040】
一例として、第1電源部71は、変換回路と、制御回路と、を備える。変換回路は、口金9で受電された電力を変換して、変換後の電力を光源3に供給する。変換回路が行う変換は、例えば、交流電力から直流電力への変換と、直流電力から直流電力への変換(降圧又は昇圧)と、を含む。本実施形態では、第1電源部71の変換回路で変換された電力は、まず、発光部2の第2電源部22へ供給され、第2電源部22で更に変換された電力が、光源3に供給される。制御回路は、変換回路の動作を制御する。第1電源部71は、例えば、基板51に実装されている。
【0041】
電源部7(第1電源部71)は、複数の発光部2の光源3に供給される電力を、発光部2ごとに調整することが好ましい。電力を調整するとは、電力の大きさ、電圧の大きさ、及び、電流の大きさ等を調整することである。例えば、電源部7は、ある設置部8に出力する電力の大きさを、別の設置部8に出力する電力の大きさとは独立に制御することで、発光部2ごとに電力を調整する。これにより、例えば、電源部7から一部の設置部8に出力される電力の大きさは、電源部7から別の設置部8に出力される電力の大きさと異なり得る。また、例えば、電源部7から一部の設置部8に出力される電力の大きさは零より大きい一方で、電源部7から別の設置部8に出力される電力は零となり得る。本体部5は、各設置部8に出力される電力を調整するための設定操作を受け付ける設定操作部を備えていてもよい。設定操作部は、例えば、ディップスイッチを含む。
【0042】
複数の設置部8は、複数の発光部2を着脱可能に構成されている。本実施形態では、複数の設置部8はそれぞれ、複数の発光部2の各々の接続部21を着脱可能に構成されている。より詳細には、接続部21は、USB端子であり、各設置部8は、USBジャックである。
【0043】
設置部8は、接続部21に電気的に接続可能な端子部として機能する。また、設置部8は、接続部21に機械的に接続可能な機械接続部としても機能する。
【0044】
口金9は、照明器具1の外部の電源PS1(
図3参照)から電力を受電する受電端子として機能する。電源PS1の一例は、商用電源又は分散型電源である。また、口金9は、照明器具1の外部の取付対象に機械的に接続可能な機械接続部としても機能する。口金9は、例えば、E26形口金又はE39形口金等である。ただし、口金9のサイズはこれらに限定されず、任意である。
【0045】
口金9は、取付対象としての受金に機械的にかつ電気的に接続される。受金は、例えば、天井材又は壁材等の構造材に取り付けられている。
【0046】
(3)動作例
次に、照明器具1の動作例を説明する。
【0047】
電源PS1は、交流電力を出力する。第1電源部71は、電源PS1から口金9を介して受電した交流電力を、直流電力に変換する。さらに、第1電源部71は、直流電力を、電圧の大きさが第1の大きさである直流電力に変換する。第1電源部71は、このようにして得られた直流電力を、設置部8及び接続部21を介して、発光部2の第2電源部22に供給する。
【0048】
第2電源部22は、第1電源部71から供給された直流電力を、電圧の大きさが第2の大きさである直流電力に変換する。一例として、第2の大きさは、第1の大きさよりも小さい。第2電源部22は、このようにして得られた直流電力を、光源3に供給する。これにより、光源3が発光する。
【0049】
一例として、第1電源部71から複数の設置部8にそれぞれ供給される電力について、電圧の大きさは共通である。複数の発光部2のうち一部の発光部2は、例えば、赤色の光を放射する光源3を有し、別の一部の発光部2は、例えば、青色の光を放射する光源3を有する。光源3の光色が異なると、点灯させるのに適した電圧は異なり得る。設置部8を介して各発光部2に供給される電力は、第2電源部22により、光源3を点灯させるのに適した電圧に変換される。
【0050】
照明器具1を、植物に光を照射するために使用する場合は、植物の生長段階及び植物の種類等に応じて、必要な発光色及び必要な光量が異なり得る。ユーザは、複数の設置部8に発光部2を着脱することで、必要な発光色及び必要な光量に対応する個数の発光部2を点灯させることができる。このとき、本体部5は交換する必要が無いので、照明器具1の発光色及び光量を簡単に変更することができる。
【0051】
(変形例1)
以下、変形例1に係る照明器具1について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
発光部2は、第2電源部22を有していなくてもよい。この場合、本体部5の電源部7から出力された電力が、第2電源部22での変換を経ずに光源3へ供給される。
【0053】
ここで、複数の発光部2間で、定格電力等の仕様が互いに異なる場合、例えば、以下のようにして、各発光部2に、仕様に合った電力を供給することができる。
【0054】
電源部7から各設置部8に出力される電力は、設置部8ごとに定められている。例えば、電源部7は、ある設置部8には電圧の大きさが第1の電圧値の電力を出力し、別の設置部8には電圧の大きさが第2の電圧値の電力を出力する。ユーザは、発光部2を、複数の設置部8のうち、電圧の大きさが発光部2の定格電圧に合致する設置部8に接続すればよい。あるいは、発光部2の定格電圧が異なると接続部21の形状も異なるように複数の発光部2を構成し、設置部8は、定格電圧が設置部8の電圧に合致する発光部2の接続部21のみが接続可能であるように構成されていてもよい。
【0055】
また、設置部8に、設置部8に接続された接続部21の形状を検知する形状センサを設置し、形状センサの検知結果に応じて、電源部7は、対応する発光部2に供給する電力を変更してもよい。形状センサは、例えば、接続部21の特徴的な形状の部分と接触することで駆動されるアクチュエータを備えていてもよい。
【0056】
また、複数の発光部2間で、定格電力等の仕様が共通であれば、電源部7は、各設置部8に共通の電力を供給すればよい。
【0057】
(変形例2)
以下、変形例2に係る照明器具1について、
図4を参照して説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。以下の変形例は、上述の変形例1と組み合わせて実現されてもよい。
【0058】
本変形例2の照明器具1は、複数の発光部2のうち少なくとも1つの発光部2の構成について、実施形態と相違する。本変形例2の上記少なくとも1つの発光部2は、
図4に示すように、光源3と、光学部材4と、接続部21と、基板23と、ケース26と、を有する。
【0059】
光源3は、複数(
図4では7つ)の発光素子30を備える。光源3は、基板23に実装されている。光源3及び基板23は、ケース26に収容されている。
【0060】
ケース26は、第1面261と、第2面262と、を有する。第2面262は、第1面261に対して反対側の面である。以下では、第1面261と第2面262とが互いに対向している方向を上下方向とし、第1面261から見て第2面262側を下とし、第2面262から見て第1面261側を上とする。ただし、これらの規定は、照明器具1の使用方向を限定する趣旨ではない。
【0061】
基板23の厚さ方向は、上下方向に沿っている。光源3は、基板23の下面に配置されている。
【0062】
基板23及びケース26は、上下方向と交差する一方向に長尺である。つまり、基板23の長手方向は、ケース26の長手方向と一致している。
【0063】
ケース26は、透光性を有していなくてもよい。ケース26の第2面262には、光学部材4が配置されている。より詳細には、ケース26のうち第2面262の少なくとも一部には、開口部260が設けられており、光学部材4は、開口部260を塞いでいる。
【0064】
光学部材4は、導光部材41(
図2参照)を含まなくてもよく、光学部材4は、例えば、透光性を有する透光カバー42を含む。透光カバー42は、例えば、樹脂を材料として形成される。透光カバー42は、光拡散性を有していてもよい。例えば、透光カバー42の表面に凹凸等を設けて、透光カバー42自体が光拡散性を有していてもよいし、透光カバー42に光拡散性を有する粒子を付着させてもよい。また、光学部材4は、透光カバー42に分散された蛍光体を含んでいてもよい。
【0065】
光源3は、光学部材4に対向している。光源3からの光は、光学部材4を透過して、ケース26の外部へ出射する。
【0066】
本変形例2の発光部2では、実施形態の発光部2(
図2参照)と比較して、光源3として多数の発光素子30を設けることができる。
【0067】
なお、光学部材4は、導光部材41を含んでいてもよい。例えば、透光カバー42に代えて導光部材41を設けてもよいし、光源3と透光カバー42との間に導光部材41を設けてもよい。
【0068】
また、透光カバー42は、ケース26の一部であってもよい。例えば、ケース26のうち第2面262の少なくとも一部を含む部分が、透光性を有していて、これにより透光カバー42として機能してもよい。
【0069】
また、実施形態と同様に、発光部2は、第2電源部22と、センサ24と、報知部25と、のうち少なくとも1つを有していてもよい。
【0070】
また、
図4では基板23は第2面262に対してよりも、第1面261に対して近くに配置されているが、これに限定されない。基板23は、第1面261に対してよりも、第2面262に対して近くに配置されていてもよいし、第1面261と第2面262との中間に配置されていてもよい。
【0071】
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の変形例1及び変形例2のうち少なくとも一方と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0072】
光源3は、封止材に覆われていてもよい。封止材には、蛍光体が分散されていてもよい。
【0073】
センサ24は、本体部5に設けられていてもよい。
【0074】
センサ24としての光センサは、光源3から出射されて光学部材4に入射する前の光の光量を検知してもよいし、光学部材4から出射された光の光量を検知してもよい。
【0075】
センサ24は、光センサに限定されない。センサ24は、電流センサであってもよい。電流センサは、発光部2の光源3に供給される電流を測定することで、発光部2の光量を間接的に検知することができる。電流センサは、本体部5に設けられて、複数の設置部8に供給される電流を測定してもよいし、あるいは、発光部2に設けられて、第2電源部22の入力電流又は出力電流を測定してもよい。
【0076】
報知部25は、本体部5に設けられていてもよい。
【0077】
報知部25は、通信インターフェース装置を備えていてもよい。この場合、報知部25は、発光部2の光量の低下を、通信インターフェース装置を介した有線通信又は無線通信により、通信相手の装置(パーソナルコンピュータ又はスマートフォン等)に報知してもよい。
【0078】
光源3が、報知部25として用いられてもよい。この場合、光源3は、光源3自体の点灯状態を変化させることで、発光部2(光源3)の光量の低下を報知してもよい。
【0079】
設置部8は、USBジャックに限定されない。発光部2の接続部21がUSBジャックである場合、設置部8は、USB端子であってもよい。また、設置部8と接続部21とはそれぞれ接点を有していてもよく、設置部8と接続部21とは、圧入、嵌合、引掛け、ねじ込み、又はねじ止めにより機械的に接続され、これより互いの接点が接触してもよい。また、設置部8と接続部21とのうち少なくとも一方は磁石を有し、磁力により設置部8と接続部21とが接続され、これにより互いの接点が接触してもよい。また、設置部8と接続部21とのうち一方が口金で、他方が受金であってもよい。
【0080】
設置部8の個数は、4つに限定されず、2つ、3つ又は5つ以上であってもよい。
【0081】
本体部5は、口金9に代えて、例えば、ケーブル等の電線を介して電源PS1から電力を受電してもよい。
【0082】
本体部5は、口金9に代えて、例えば、圧入、嵌合、引掛け、又はねじ止めにより、取付対象に機械的に接続されてもよい。
【0083】
電源PS1は、直流電源であってもよい。
【0084】
複数の発光部2は、実施形態のように一平面上に配置されてもよいし、あるいは、立体的に配置されてもよい。
【0085】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0086】
第1の態様に係る照明器具(1)は、複数の発光部(2)と、本体部(5)と、を備える。複数の発光部(2)の各々は、光源(3)と、光源(3)からの光を透過する光学部材(4)と、を有する。本体部(5)は、筐体(6)と、電源部(7)と、複数の設置部(8)と、を有する。電源部(7)は、筐体(6)に内蔵されており、入力電力を変換して、変換後の電力を光源(3)に供給する。複数の設置部(8)は、筐体(6)に設けられ、複数の発光部(2)を着脱可能である。
【0087】
上記の構成によれば、照明器具(1)において、複数の発光部(2)を個別に交換可能である。そのため、使用条件等に応じて異なる発光部(2)を使用することができる。また、一部の発光部(2)が故障した場合は、故障した発光部(2)のみを交換すればよく、照明器具(1)全体を交換するよりも、交換に掛かるコストの低減を図ることができる。
【0088】
また、第2の態様に係る照明器具(1)では、第1の態様において、複数の発光部(2)のうち少なくとも2つの発光部(2)は、構成が互いに異なる。
【0089】
上記の構成によれば、発光部(2)ごとに異なる役割を持たせることができる。
【0090】
また、第3の態様に係る照明器具(1)では、第2の態様において、複数の発光部(2)は、第1発光部と、第2発光部と、を含む。第2発光部は、第1発光部とは放射する光のスペクトルが異なる。
【0091】
上記の構成によれば、照明器具(1)から複数の色を放射することができる。
【0092】
また、第4の態様に係る照明器具(1)では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、複数の発光部(2)のうち少なくとも1つの発光部(2)の光学部材(4)は、導光部材(41)を含む。導光部材(41)は、光源(3)からの光を導光する。
【0093】
上記の構成によれば、導光部材(41)の表面において、明るさを均一化できる。
【0094】
また、第5の態様に係る照明器具(1)では、第4の態様において、光学部材(4)は、導光部材(41)に分散された蛍光体を更に含む。
【0095】
上記の構成によれば、発光部(2)から放射される光の波長を蛍光体により調整できる。
【0096】
また、第6の態様に係る照明器具(1)は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、1又は複数のセンサ(24)を更に備える。1又は複数のセンサ(24)は、複数の発光部(2)のうち少なくとも1つの発光部(2)の光量を検知する。
【0097】
上記の構成によれば、1又は複数のセンサ(24)の測定値に基づいて、発光部(2)の光量を監視できる。
【0098】
また、第7の態様に係る照明器具(1)では、第6の態様において、1又は複数のセンサ(24)は、複数の発光部(2)の光量を個別に検知する。
【0099】
上記の構成によれば、1又は複数のセンサ(24)の測定値に基づいて、1つ1つの発光部(2)の光量を監視できる。
【0100】
また、第8の態様に係る照明器具(1)は、第6又は7の態様において、報知部(25)を更に備える。報知部(25)は、1又は複数のセンサ(24)で検知された、複数の発光部(2)のうち1つ以上の発光部(2)の光量の低下を報知する。
【0101】
上記の構成によれば、光量の低下をユーザ等が認識することができる。
【0102】
また、第9の態様に係る照明器具(1)では、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、複数の発光部(2)のうち少なくとも1つの発光部(2)から放射される光の強度のピークの波長は、280nm以上315nm以下、430nm以上490nm以下、又は、600nm以上780nm以下の範囲である。
【0103】
上記の構成によれば、照明器具(1)を設置することにより、植物の栽培を補助することができる。
【0104】
また、第10の態様に係る照明器具(1)では、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、複数の発光部(2)のうち少なくとも1つの発光部(2)は、本体部(5)の電源部(7)である第1電源部(71)とは別の、第2電源部(22)を更に有する。第2電源部(22)は、第1電源部(71)から供給された電力を変換して、変換後の電力を光源(3)に供給する。
【0105】
上記の構成によれば、第2電源部(22)は、光源(3)の特性等に応じた電力を生成できる。
【0106】
また、第11の態様に係る照明器具(1)では、第1~10の態様のいずれか1つにおいて、電源部(7)は、複数の発光部(2)の光源(3)に供給される電力を、発光部(2)ごとに調整する。
【0107】
上記の構成によれば、電源部(7)は、発光部(2)ごとの用途等に応じた電力を生成できる。
【0108】
第1の態様以外の構成については、照明器具(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 照明器具
2 発光部
3 光源
4 光学部材
5 本体部
6 筐体
7 電源部
8 設置部
24 センサ
25 報知部
41 導光部材
71 第1電源部
22 第2電源部