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特開2023-176807冷蔵庫制御システム、及び冷蔵庫制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176807
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】冷蔵庫制御システム、及び冷蔵庫制御方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/08 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
F25D21/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089292
(22)【出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 雅至
(72)【発明者】
【氏名】堀尾 好正
(72)【発明者】
【氏名】野村 勇治
(72)【発明者】
【氏名】林 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】中村 智裕
【テーマコード(参考)】
3L046
【Fターム(参考)】
3L046AA02
3L046BA01
3L046CA06
3L046FB01
3L046GA03
3L046GA06
3L046JA11
3L046KA02
3L046KA04
3L046KA05
3L046LA22
3L046MA01
3L046MA02
3L046MA03
3L046MA04
(57)【要約】
【課題】本開示は、冷蔵庫の特定機能の実施が、除霜運転の実行によって妨げられることを抑制する冷蔵庫制御システムを提供する。
【解決手段】本開示における冷蔵庫制御システムは、推定モデルにより、除霜要否判断時点における推定除霜時間を算出する推定除霜時間算出部と、除霜要否判断時点における推定除霜時間が閾値以上であるときに、除霜運転を実行する除霜運転制御部と、冷蔵庫の特定機能が使用される可能性が低いと推定される時間帯である不使用時間帯を認識する不使用時間帯認識部と、前記除霜運転の実行の判断要否に係る前記閾値を複数設定する閾値設定部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサンプリング周期で冷蔵庫に設けられた検出部により検出した運転状況を示す運転状況データを取得し、第1記憶部に保存する運転状況データ取得部と、
前記冷蔵庫の加熱部を作動させて前記冷蔵庫の冷却器に付着した霜を除去する除霜運転が実行されたときに、前回の前記除霜運転が完了した時点から今回の前記除霜運転が実行されるまでの間に、前記検出部により検出された運転状況を示す前記運転状況データに基づく、所定の特徴量と、今回の前記除霜運転に要した時間とを含む学習データを、第2記憶部に保存する学習データ取得部と、
前記学習データに基づいて、前記検出部により検出された運転状況を示す前記運転状況データに基づく前記特徴量に係る入力データの入力に対して、前記除霜運転を実行したと想定した場合の前記除霜運転の推定所要時間を、推定除霜時間として出力する推定モデルを用いて、前記推定除霜時間を算出する推定除霜時間算出部と、
所定の除霜要否判断時点における前記推定除霜時間が閾値以上であるときに、前記除霜運転を実行する除霜運転制御部と、
前記冷蔵庫の特定機能が使用される可能性が低いと推定される時間帯である不使用時間帯を認識する不使用時間帯認識部と、
前記除霜運転の実行の判断要否に係る前記閾値を複数設定する閾値設定部と、
を備える冷蔵庫制御システム。
【請求項2】
前記複数の閾値は、第1閾値及び第2閾値を含み、
前記閾値設定部は、前記不使用時間帯以外の時間帯における前記閾値を前記第1閾値に設定し、前記不使用時間帯における前記閾値を前記第2閾値に設定し、
前記閾値設定部は、前記第2閾値を、前記第1閾値よりも短い時間を示す値に設定する
請求項1に記載の冷蔵庫制御システム。
【請求項3】
前記閾値設定部は、前記除霜運転制御部により前記除霜運転が実行された前記所定の除霜要否判断時点が、前記不使用時間帯内でなかったときに、次の前記除霜運転が、前記不使用時間帯内で前記除霜運転制御部により実行されるように、前記第2閾値を変更する
請求項2に記載の冷蔵庫制御システム。
【請求項4】
前記不使用時間帯認識部は、前記冷蔵庫に設けられて前記冷蔵庫の収容室の開口部の開閉を検出する開閉センサによる前記開口部の開閉状況、又は前記冷蔵庫に設けられて前記冷蔵庫の周辺の照度を検出する庫外照度センサによる前記冷蔵庫の周辺の照度に基づいて、前記不使用時間帯を認識する
請求項1又は請求項2に記載の冷蔵庫制御システム。
【請求項5】
所定のサンプリング周期で冷蔵庫に設けられた検出部により検出された、前記冷蔵庫の運転状況を示す運転状況データを取得し、第1記憶部に保存する運転状況データ取得ステップと、
前記冷蔵庫の加熱部を作動させて前記冷蔵庫の冷却器に付着した霜を除去する除霜運転が実行されたときに、前回の前記除霜運転が完了した時点から今回の前記除霜運転が実行されるまでの間に、前記検出部により検出された運転状況を示す前記運転状況データに基づく、所定の特徴量と、今回の前記除霜運転に要した時間とを含む学習データを取得し、第2記憶部に保存する学習データ取得ステップと、
前記学習データに基づいて、前記検出部により検出された運転状況を示す前記運転状況データに基づく前記特徴量に係る入力データの入力に対して、前記除霜運転を実行したと想定した場合の前記除霜運転の推定所要時間を、推定除霜時間として出力する推定モデルを用いて、前記推定除霜時間を算出する推定除霜時間算出ステップと、
所定の除霜要否判断時点における前記推定除霜時間が閾値以上であるときに、前記除霜運転を実行する除霜運転制御ステップと、
前記冷蔵庫の特定機能が使用される可能性が低いと推定される時間帯である不使用時間帯を認識する不使用時間帯認識ステップと、
前記除霜運転の実行の判断要否に係る前記閾値を複数設定する閾値設定ステップと、
を含む冷蔵庫制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、除霜運転を実行する冷蔵庫を制御対象とする冷蔵庫制御システム、及び冷蔵庫制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、コンプレッサの積算運転時間が一定時間になったときに、除霜開始タイミングを延長するか否かを判定するようにした冷蔵庫の除霜装置を開示する。除霜装置は、扉が開放されていないと共に強制運転が実行されておらず、さらに推定外気温度が所定温度範囲内であったときは、除霜運転の必要がないと判断して除霜開始タイミングを一定時間だけ先送りする。また、除霜装置は、延長動作終了時の除霜開始タイミングにおいて扉が開放されていないと共に強制運転が実行されていないときは、さらに除霜開始タイミングを一定時間だけ先送りする動作を、既定回数だけ実行する。
特許文献2は、電力負荷ピーク時に除霜運転が行われないように、除霜運転開始を遅らせるようにした冷蔵庫を開示する。
特許文献3は、冷却を優先すべき時に除霜運転が行われないように、熱負荷が熱負荷閾値以上か否かにより除霜運転の開始を判断するようにした冷蔵庫を開示する。
特許文献4は、特定の冷却制御(低温冷却制御)を実行する際は、除霜を行わないようにし、また、利用者の操作に応じて節電モードに切り替わるようにした冷蔵庫を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-239168号公報
【特許文献2】欧州特許第2335125号明細書
【特許文献3】特開2021-060158号公報
【特許文献4】特開2020-094712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、冷蔵庫の特定機能の実施が、除霜運転の実行によって妨げられることを抑制する冷蔵庫制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における冷蔵庫制御システムは、所定のサンプリング周期で冷蔵庫に設けられた検出部により検出された、前記冷蔵庫の運転状況を示す運転状況データを取得し、第1記憶部に保存する運転状況データ取得部と、前記冷蔵庫の加熱部を作動させて前記冷蔵庫の冷却器に付着した霜を除去する除霜運転が実行されたときに、前回の前記除霜運転が完了した時点から今回の前記除霜運転が実行されるまでの間に、前記検出部により検出された運転状況を示す前記運転状況データに基づく、所定の特徴量と、今回の前記除霜運転に要した時間とを含む学習データを取得し、第2記憶部に保存する学習データ取得部と、前記学習データに基づいて、前記検出部により検出された運転状況を示す前記運転状況データに基づく前記特徴量に係る入力データの入力に対して、前記除霜運転を実行したと想定した場合の前記除霜運転の推定所要時間を、推定除霜時間として出力する推定モデルを用いて、前記推定除霜時間を算出する推定除霜時間算出部と、所定の除霜要否判断時点における前記推定除霜時間が閾値以上であるときに、前記除霜運転を実行する除霜運転制御部と、前記冷蔵庫の特定機能が使用される可能性が低いと推定される時間帯である不使用時間帯を認識する不使用時間帯認識部と、前記除霜運転の実行の判断要否に係る前記閾値を複数設定する閾値設定部と、を備える。
【0006】
本開示における冷蔵庫制御方法は、コンピュータにより実行される冷蔵庫制御方法であって、所定のサンプリング周期で、冷蔵庫に設けられた前記検出部により検出された前記冷蔵庫の運転状況を示す運転状況データを、第1記憶部に保存する運転状況データ取得ステップと、前記加熱部を作動させて前記冷却器に付着した霜を除去する除霜運転が実行されたときに、前回の前記除霜運転が完了した時点から今回の前記除霜運転が実行されるまでの間に、前記検出部により検出された運転状況を示す前記運転状況データに基づく、所定の特徴量と、今回の前記除霜運転に要した時間とを含む学習データを、第2記憶部に保存する学習データ取得ステップと、前記学習データに基づいて、前記検出部により検出された運転状況を示す前記運転状況データに基づく前記特徴量に係る入力データの入力に対して、前記除霜運転を実行したと想定した場合の前記除霜運転の推定所要時間を、推定除霜時間として出力する推定モデルを用いて、前記推定除霜時間を算出する推定除霜時間算出ステップと、所定の除霜要否判断時点における前記推定除霜時間が閾値以上であるときに、前記除霜運転を実行する除霜運転制御ステップと、前記冷蔵庫の特定機能が使用される可能性が低いと推定される時間帯である不使用時間帯を認識する不使用時間帯認識ステップと、前記除霜運転の実行の判断要否に係る前記閾値を複数設定する閾値設定ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の冷蔵庫制御システムによれば、個々の冷蔵庫の運転状況を学習した学習データに基づいて生成された推定モデルを用いて、個々の冷蔵庫の実際の運転状況に応じた推定除霜時間が算出され、推定除霜時間が閾値以上であるときに除霜運転が実行される。また、冷蔵庫の特定機能が利用される可能性の低い不使用時間帯に除霜運転が実行され易くなるよう、除霜運転の実行の判断要否に係る閾値が複数設定される。これにより、利用者が冷蔵庫の特定機能を利用したいときに、特定機能の実施が除霜運転により妨げられることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態における冷蔵庫制御システムによる制御の態様の説明図
図2】実施の形態における冷蔵庫の構成を説明するための断面図
図3】実施の形態における冷蔵庫制御システムの構成図
図4】実施の形態における学習データの生成処理の説明図
図5】実施の形態における推定式の生成処理の説明図
図6】実施の形態における不使用時間帯の認識処理の説明図
図7】実施の形態における冷蔵庫側の処理に係る第1フローチャート
図8】実施の形態における冷蔵庫側の処理に係る第2フローチャート
図9】実施の形態におけるサーバー装置側の処理に係るフローチャート
図10】実施の形態における除霜運転のタイミングチャート
図11】実施の形態における閾値の切換のタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、冷蔵庫における除霜は、各冷蔵庫に共通の同じ推定式により、コンプレッサの積算運転時間またはドアの開閉時間に応じて決定された実行タイミングで、実行されていた。
【0010】
しかしながら、各冷蔵庫に共通の同じ推定式を用いた場合には、冷蔵庫が使用される状況(例えば、単身、DEWKs(Double Employed With Kids)、DINKS(Double Income No Kids)、又は大家族等により使用される冷蔵庫に収納される食品の種類及び量、並びに、ドアの開閉時間など)、及び、冷蔵庫の周囲環境の影響が考慮されることなく、除霜が実行される。そのため、必要以上に頻繁に除霜が行われて、冷蔵庫の消費電力が増加すると共に、庫内の温度変動による食品への影響が大きくなる場合がある。また、冷蔵庫に、冷凍庫の冷却能力を通常運転時よりも高める特定機能(例えば、急速冷凍機能)が備えられている場合、除霜運転が実行されている間は、利用者が特定機能を利用したくても、特定機能の利用が妨げられるという問題を発明者らは発見し、その問題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、必要以上に頻繁に除霜運転が実行されることを抑制しつつ、除霜運転の実行により、冷蔵庫の特定機能の利用が妨げられることを抑制することができる冷蔵庫制御システムを提供する。
【0011】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態の例を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態)
以下、図1図11を参照して、本開示の実施の形態の例を説明する。
[1.制御の態様]
まず、図1を参照して、本開示の実施の形態の冷蔵庫制御システム1における冷蔵庫10の制御の態様について説明する。図1は、本開示の実施の形態における冷蔵庫制御システム1による制御の態様の説明図である。冷蔵庫制御システム1は、制御対象である冷蔵庫10と、サーバー装置100とを備える。冷蔵庫10は、例えば、家屋Hに設置され、ゲートウェイ5及び通信ネットワーク200を介して、サーバー装置100との間で相互に通信を行うよう構成されている。
【0013】
ここで、図1では、説明の便宜のため、1台の冷蔵庫10のみを示しているが、サーバー装置100は、複数の冷蔵庫との間で通信を行うことができるよう構成されていてもよい。この場合、サーバー装置100と複数の冷蔵庫のそれぞれとにより冷蔵庫制御システム1が構成される。
【0014】
図2は、本開示の実施の形態の本実施の形態の冷蔵庫制御システム1における冷蔵庫10の構成を説明するための断面図である。図2に示すように、本実施の形態の冷蔵庫制御システム1の冷蔵庫10は、冷蔵室11、切換室14、製氷室16、冷凍室18、及び野菜室20を備えている。冷蔵室11の前面の開口部には、回転式の右ドア12及び左ドア13が設けられている。また、切換室14、製氷室16、冷凍室18、及び野菜室20には、それぞれ引き出し15,17,19,21が設けられている。
【0015】
冷蔵庫10が備える制御ユニット60は、冷蔵庫10の作動を制御する。制御ユニット60は、冷蔵庫10の運転状況DRSを所定のサンプリング周期(例えば5分)で検出する検出部としての機能も有する。また、制御ユニット60は、検出した運転状況DRSを示す運転状況データをサーバー装置100に送信する。また、制御ユニット60は、後述する冷却器51に付着した霜を除去する除霜運転を実行する除霜運転制御部としての機能も有する。また、制御ユニット60は、除霜運転を実行した際の所要時間(実除霜時間RDFT)を示す実除霜時間データを、サーバー装置100に送信する。
【0016】
図3は、本開示の実施の形態の冷蔵庫制御システム1の構成図である。図3に示すように、サーバー装置100は、運転状況データと実除霜時間データとにより生成された学習データに基づいて、除霜運転を実行したと想定した場合の除霜運転の推定所要時間(推定除霜時間EDFT)を算出する推定式を生成する。そして、サーバー装置100、又は冷蔵庫10の制御ユニット60は、所定の除霜要否判断時点tmにおける推定除霜時間EDFT(tm)を、推定式により算出する。図1では、サーバー装置100が推定除霜時間EDFT(tm)を算出して、冷蔵庫10に送信する場合を例示している。
【0017】
推定式は、家屋Hにおける冷蔵庫10の使用状況が反映される運転状況データを学習して、冷蔵庫10用にカスタマイズされる。冷蔵庫10の制御ユニット60は、推定除霜時間EDFT(tm)が閾値以上であると判断されたときに除霜運転を実行する。この場合、推定除霜時間EDFT(tm)は、冷蔵庫10の実際の使用状況が反映される運転状況データに基づいて、推定式による算出される。そのため、個々の冷蔵庫10の使用状況に応じて、冷却器に付着している霜の量が、除霜が必要な量以上になったと推定される、推定除霜時間EDFT(tm)が閾値以上になった適切なタイミングで、除霜運転を実行することができる。
【0018】
[2.冷蔵庫の構成]
図2を参照して、本実施の形態の冷蔵庫制御システム1の冷蔵庫10の構成について説明する。図2は、冷蔵庫10を前から見たときの冷蔵庫10の右側から見た断面図である。冷蔵庫10は、上述した制御ユニット60、冷凍サイクルを構成する補機である圧縮機50、冷却器51、凝縮器52、及び冷却ファン53を備える。また、冷蔵庫10は、冷却器51の付近に設けられた、冷却器51を加熱する除霜ヒータ55及び冷却器51の温度を検出する冷却器温度センサ43を備える。除霜ヒータ55は、本開示の加熱部に相当する。
【0019】
冷蔵室11には、冷蔵室11内の温度を検出する冷蔵室温度センサ40、右ドア12に開閉を検出する開閉センサ30、及び左ドア13の開閉を検出する開閉センサ31が設けられている。右ドア12には、冷蔵庫10の庫外の温度(冷蔵庫10が置かれた部屋等の温度)を検出する庫外温度センサ42と、庫外の照度(冷蔵庫10が置かれた部屋等の照度)を検出する庫外照度センサ44が設けられている。
【0020】
切換室14には、引き出し15の開閉を検出する開閉センサ32が設けられ、製氷室16には、引き出し17の開閉を検出する開閉センサ33が設けられている。冷凍室18には、引き出し19の開閉を検出する開閉センサ34が設けられ、野菜室20には、引き出し21の開閉を検出する開閉センサ35が設けられている。
【0021】
冷蔵室11、切換室14、製氷室16、冷凍室18、及び野菜室20は、本開示の収容室に相当する。開閉センサ30~35は、本開示の冷蔵庫10の収容室の開口部の開閉を検出する開閉センサに相当する。庫外照度センサ44は、冷蔵庫10の周辺の照度(冷蔵庫10が置かれている部屋等の照度)を検出する。
【0022】
[3.冷蔵庫制御システムの構成]
図3図6を参照して、本開示の実施の形態の冷蔵庫制御システム1の構成について説明する。図4は、本開示の実施の形態における学習データの生成処理の説明図である。図5は、本開示の実施の形態における推定式の生成処理の説明図である。図6は、本開示の実施の形態における不使用時間帯の認識処理を説明するための図である。冷蔵庫10の制御ユニット60は、冷蔵庫プロセッサ70及び冷蔵庫メモリ80を有する。制御ユニット60は、冷蔵庫通信部90により、無線通信によってサーバー装置100との間で通信を行う。制御ユニット60は、開閉センサ30~35、冷蔵室温度センサ40、野菜室温度センサ41、庫外温度センサ42、冷却器温度センサ43、及び庫外照度センサ44と接続され、これらのセンサによる検出信号が制御ユニット60に入力される。また、制御ユニット60は、冷凍サイクル補機50~53及び除霜ヒータ55に接続され、制御ユニット60から出力される制御信号によって、冷凍サイクル補機50~53及び除霜ヒータ55の作動を制御する。冷蔵庫メモリ80は、本開示の第1記憶部に相当する。
【0023】
本実施の形態の冷蔵庫制御システム1では、冷蔵庫プロセッサ70が、冷蔵庫メモリ80に保存された冷蔵庫プログラム81を読み込んで実行することにより、運転状況データ取得部71、除霜運転制御部72、閾値設定部73、推定除霜時間算出部74、及び不使用時間帯認識部75として機能する。運転状況データ取得部71、除霜運転制御部72、閾値設定部73、推定除霜時間算出部74、及び不使用時間帯認識部75は、冷蔵庫プロセッサ70とは別に、それぞれ互いに独立したプロセッサ、メモリ、及びプログラム等により実現されていてもよい。運転状況データ取得部71は、所定のサンプリング周期(例えば5分)が経過するごとに、冷蔵庫10の運転状況を検出する。
【0024】
運転状況データ取得部71は、図4に示すように、冷蔵室温度センサ40により検出される冷蔵室温度PcT、庫外温度センサ42により検出される庫外温度AtT、野菜室温度センサ41により検出される野菜室温度VcT、開閉センサ30~35により検出される右ドア12、左ドア13、切換室14の引き出し15、製氷室16の引き出し17、冷凍室18の引き出し19、及び野菜室20の引き出し21のいずれかが開けられていた時間DrO(各サンプリング周期におけるトータルの時間)、及び圧縮機50の回転数CpR(各サンプリング周期におけるトータルの回転数)を、運転状況DRSとして検出する。
【0025】
そして、運転状況データ取得部71は、これらの運転状況DRSを示す運転状況データを、冷蔵庫メモリ80に保存する。図3では、冷蔵庫メモリ80に保存されている運転状況データを、運転状況データ82として示している。また、運転状況データ取得部71は、運転状況データをサーバー装置100に送信する。圧縮機50の回転数は、圧縮機50の回転数を検出する回転数センサ(図示しない)により検出してもよく、圧縮機50の回転数を制御するための制御回転数を、圧縮機50の回転数の検出値として用いてもよい。ここで、冷蔵室温度センサ40、野菜室温度センサ41、庫外温度センサ42、開閉センサ30~35、及び圧縮機50の回転数を検出する構成は、本開示の検出部に相当する。
【0026】
除霜運転制御部72は、所定の除霜要否判断時点における推定除霜時間が、閾値以上であると判断されたときに、除霜ヒータ55を作動させて冷却器51に付着した霜を除去する除霜運転を実行する。除霜運転制御部72は、冷却器温度センサ43の検出温度が除霜終了温度以上になった時に、除霜運転を完了する。除霜終了温度は、冷却器51に付着した霜が解け切る温度を想定して、例えば10℃以上に設定される。除霜運転制御部72は、除霜運転に要した時間(実除霜時間RDFT)を示す実除霜時間データを、サーバー装置100に送信する。
【0027】
除霜要否判断時点は、前回の除霜運転の完了時点から第1所定時間(例えば24時間)が経過した時点、或いは前回の除霜運転の完了時点から第2所定時間(例えば2時間)が経過した後、第3所定時間(例えば1分)が経過するごとの時点等に設定される。推定除霜時間は、除霜運転を実行したと想定した場合の除霜運転の所要時間であり、推定除霜時間算出部74により算出される。推定除霜時間算出部74は、除霜要否判断時点tにおける推定除霜時間EDFT(t)を、後述する推定式(1)により算出する。推定式(1)の詳細については後述する。
【0028】
不使用時間帯認識部75は、冷蔵庫10に備えられた急速冷凍機能(本開示の特定機能に相当する)が使用される可能性が低いと想定される時間を、不使用時間帯として認識する。特定機能は、除霜運転の実行によって、実施が妨げられる機能であればよく、急速冷凍機能に限られない。急速冷凍機能は、通常運転時よりも冷却能力を高める機能であり、具体的には圧縮機50の回転速度を通常運転時よりも高くする等の処理が実行される。ここで、図6を参照して、不使用時間帯認識部75による不使用時間帯の認識処理について説明する。
【0029】
不使用時間帯認識部75は、開閉センサ30~35により、右ドア12、左ドア13、及び、引き出し15,17,19,21の開閉状況を、所定のサンプリング周期で検出する。不使用時間帯認識部75は、1時間単位の時間帯(例えば、0:00~1:00,1:00~2:00,…,23:00~24:00など)で、右ドア12、左ドア13、及び、引き出し15,17,19,21の開閉回数を測定し、1週間単位で、各時間単位での開閉回数を合計する。
【0030】
不使用時間帯認識部75は、本実施の形態では、一週間の曜日ごとの過去3週間分の開閉センサ30~35により検出された開閉回数の測定データを参照する。図6では、ある曜日の過去3週間分の開閉センサ30~35により検出された開閉回数の測定データを示しており、開閉回数が所定値(例えば2回)以上である時間帯を斜線で塗りつぶして示している。不使用時間帯認識部75は、過去3週間分の測定データから、開閉回数が所定値未満である時間帯が連続する時間帯(例えば、図6に示す例では、1:00~7:00)を、不使用時間帯として認識する。なお、不使用時間帯認識部75が参照する測定データは、過去3週間分の測定データに限られず、過去1ヵ月分または3か月分などの測定データでもよい。また、不使用時間帯認識部75は、開閉回数が所定値未満である時間帯が連続する時間帯を複数、認識し、複数の不使用時間帯に優先順位をつけてもよい。例えば、図6に示す例においては、開閉回数が最も少ない時間帯である1:00~7:00を不使用時間帯の優先順位第1位とし、0:00~7:00を優先順位第2位とし、23:00~7:00を優先順位第3位とする。不使用時間帯認識部75により認識された複数の不使用時間帯のうち、優先順位の高い不使用時間帯に除霜運転が実行されやすいように、後述する閾値設定部73により第2閾値Lv2が設定されてもよい。
【0031】
なお、不使用時間帯認識部75は、開閉センサ30~35による右ドア12、左ドア13、及び、引き出し15,17,19,21の開閉状況に代えて、或いはこれらの開閉状況に加えて、庫外照度センサ44により検出される冷蔵庫10の周辺の照度に基づいて、不使用時間帯を認識してもよい。この場合、不使用時間帯認識部75は、庫外照度センサ44による検出照度が所定の照度以下である状況(例えば、夜間であって、冷蔵庫10が置かれた部屋等の照明が消されている状況)が所定の時間以上継続する時間帯を、不使用時間帯として認識する。
【0032】
閾値設定部73は、不使用時間帯以外の時間帯における閾値を第1閾値Lv1に設定し、不使用時間帯における閾値を、第1閾値Lv1よりも短い時間を示す第2閾値Lv2(<Lv1)に設定する。第1閾値Lv1は、除霜運転が実行される間隔が所定時間(例えば、24時間)となるように、過去に実行された除霜運転の所要時間(実除霜時間)と間隔のデータに基づいて設定される。閾値設定部73は、第1閾値Lv1を、冷却器51の大きさ、除霜ヒータ55の容量、庫外温度センサ42の検出温度、及び、家屋Hの電気料金体系等に応じて設定する。第1閾値Lv1は、例えば40分に設定される。また、閾値設定部73は、不使用時間帯認識部75により認識された複数の不使用時間帯のうち、優先順位の高い不使用時間帯に除霜運転が実行されやすいように、優先順位の高い不使用時間帯の第2閾値Lv2を、優先順位の低い不使用時間帯の第2閾値Lv2よりも低く(時間を短く(例えば35分))設定してもよい。
【0033】
閾値設定部73は、過去の運転状況データ(除霜運転の実行日時及び実除霜時間RDFT等)を学習して、第2閾値Lv2を設定してもよい。例えば、第2閾値Lv2が38分に設定されていたとき、不使用時間帯に除霜運転が実行されておらず、冷蔵庫10の特定機能が利用される可能性の高い不使用時間帯外に除霜運転が実行されている一方、第2閾値Lv2が35分に設定されていたとき、不使用時間帯に除霜運転が実行されていることを、閾値設定部73は、過去の運転状況データから学習し、不使用時間帯に除霜運転が実行され易くなるよう、第2閾値Lv2を35分に設定してもよい。
【0034】
また、閾値設定部73は、所定の更新タイミングで(例えば、3か月ごとに)、庫外温度センサ42による検出温度等に基づいて、第2閾値Lv2を更新してもよい。
【0035】
また、不使用時間帯以外の時間帯で、除霜運転制御部72により除霜運転が実行された場合に、閾値設定部73は、不使用時間帯で除霜運転が実行され易くするために、第2閾値Lv2をさらに短い時間に設定する等の処理を行ってもよい。
【0036】
サーバー装置100は、サーバープロセッサ110、サーバーメモリ120、サーバー通信部130等を備えるコンピュータシステムであり、サーバー通信部130により、通信ネットワーク200を介して、冷蔵庫10との間で相互に通信を行う。本実施の形態の冷蔵庫制御システム1では、サーバープロセッサ110が、サーバーメモリ120に保存されたサーバープログラム121を読み込んで実行することにより、学習データ取得部111、及び推定モデル生成部112として機能する。学習データ取得部111、及び推定モデル生成部112は、サーバープロセッサ110とは別に、それぞれ互いに独立したプロセッサ、メモリ、プログラム等により実現されていてもよい。サーバーメモリ120は、本開示の第1記憶部及び第2記憶部に相当する。
【0037】
学習データ取得部111は、冷蔵庫10から送信される運転状況データと実除霜時間データを順次サーバーメモリ120に保存する(図3では、冷蔵庫10から送信される、運転状況データを運転状況データ122として、実除霜時間データを実除霜時間データ123として、それぞれ示している)。そして、学習データ取得部111は、本実施の形態では、図4に示すように、サーバーメモリ120に保存された運転状況DRSを示す運転状況データと実除霜時間データとにより、学習データTRDを生成してサーバーメモリ120に保存する。図3では、サーバーメモリ120に保存されている学習データを、学習データ124として示している。
【0038】
図4に示すように、学習データTRDは、除霜運転が実行されるごとに生成され、除霜運転の実行日時、特徴量、及び実除霜時間RDFTを含んでいる。特徴量は、本実施の形態では、冷蔵室温度平均値PCC、庫外温度平均値ATC、野菜室温度平均値VCC、ドア開時間積算値DOOR、及び圧縮機回転数積算値CMPを含んでいる。
【0039】
冷蔵室温度平均値PCCは、前回の除霜運転の完了時点から今回の除霜運転の開始時点までの間の各サンプリング周期で、運転状況データ取得部71により取得された冷蔵室温度PcTの平均値である。庫外温度平均値ATCは、前回の除霜運転の完了時点から今回の除霜運転の開始時点までの間の各サンプリング周期で、運転状況データ取得部71により取得された庫外温度AtTの平均値である。野菜室温度平均値VCCは、前回の除霜運転の完了時点から今回の除霜運転の開始時点までの間の各サンプリング周期で、運転状況データ取得部71により取得された野菜室温度VcTの平均値である。
【0040】
ドア開時間積算値DOORは、前回の除霜運転の完了時点から今回の除霜運転の開始時点までの間の各サンプリング周期で、運転状況データ取得部71により取得された右ドア12、左ドア13、切換室14の引き出し15、製氷室16の引き出し17、冷凍室18の引き出し19、及び野菜室20の引き出し21のいずれかが開けられていた時間DrOの積算値である。圧縮機回転数積算値CMPは、前回の除霜運転の完了時点から今回の除霜運転の開始時点までの間の各サンプリング周期で、運転状況データ取得部71により取得された圧縮機50の回転数CpRの積算値である。
【0041】
推定モデル生成部112は、図5に示すように、学習データ取得部111により生成されて、サーバーメモリ120に保存された学習データ124(複数の学習データTRD1,TRD2,…)に基づいて、各特徴量に係る入力データFQDの入力に対して推定除霜時間EDFTを出力する推定式(推定モデル)を生成する。また、推定モデル生成部112は、更新タイミング(例えば、月に一回)になったときに推定式を更新する。
【0042】
推定モデル生成部112は、本実施の形態では、複数の学習データTRDに対する重回帰分析により、実除霜時間RDFTと各特徴量(PCC,ATC,VCC,DOOR,COMP,RDFT)間の係数(傾き)A,B,C,D,Eを算出することによって、以下の推定式(1)を生成する。なお、係数A~E間で重み付けを行ってもよい。
EDFT(t)=A×PCC(t)+B×ATC(t)+C×VCC(t)
+D×DOOR(t)+E×COMP(t)+F ・・・・・(1)
但し、t:推定時点、PCC(t):前回の除霜運転の完了時点からtまでの期間に対応した冷蔵室温度平均値、ATC(t):前回の除霜運転の完了時点からtまでの期間に対応した庫外温度平均値、VCC(t):前回の除霜運転の完了時点からtまでの期間に対応した野菜室温度平均値、DOOR(t):前回の除霜運転の完了時点からtまでの期間に対応したドア開時間の積算値、COMP(t):前回の除霜運転の完了時点からtまでの期間に対応した圧縮機の回転数の積算値、及び、F:調整値。
【0043】
推定モデル生成部112は、生成した推定式のパラメータ(推定式(1)では、係数A~E及び調整値F)の値を含む推定式データを、冷蔵庫10に送信する。冷蔵庫10の推定除霜時間算出部74は、サーバー装置100から送信される推定式データを受信して、冷蔵庫メモリ80に保存する。図3では、冷蔵庫メモリ80に保存されている推定式データを、推定式データ83として示している。
【0044】
上述した冷蔵庫10の推定除霜時間算出部74は、前回の除霜運転の完了時点から今回の除霜要否判断時点tまでの期間に対応した各特徴量(PCC,ATC,VCC,DOOR,COMP)に係る入力データFQDを、推定式(1)に代入して、推定除霜時間EDFT(t)を算出する。
【0045】
[4.冷蔵庫側の処理]
図7図8に示すフローチャートを参照して、本開示の実施の形態の冷蔵庫制御システム1の冷蔵庫10側の処理について説明する。図7は、本開示の実施の形態における冷蔵庫10側の処理に係る第1フローチャートである。図8は、本開示の実施の形態における冷蔵庫10側の処理に係る第2フローチャートである。冷蔵庫10の制御ユニット60は、冷蔵庫10の運転中に、図7図8のフローチャートに例示される処理を繰り返し実行する。
【0046】
運転状況データ取得部71は、ステップS1で、所定のサンプリング周期(例えば、5分)が経過したか否かを判断し、所定のサンプリング周期が経過したと判断されたとき(ステップS1でYES)に、ステップS2に処理を進める。一方、ステップS1で、所定のサンプリング周期が経過したと判断されなかったとき(ステップS1でNO)は、運転状況データ取得部71は、所定のサンプリング周期が経過したと判断されるまでステップS1を繰り返す。ステップS2において、運転状況データ取得部71は、今回のサンプリング周期で検出された運転状況を示す運転状況データを、冷蔵庫メモリ80に保存し、サーバー装置100に送信する。
【0047】
また、除霜運転制御部72は、ステップS10で、除霜要否判断時点tになったか否かを判断し、除霜要否判断時点tに到達したと判断されたとき(ステップS10でYES)に、ステップS11に処理を進める。一方、除霜要否判断時点tに到達していると判断されなかったとき(ステップS10でNO)は、除霜運転制御部72は、除霜要否判断時点tに到達したと判断されるまで、ステップS10を繰り返す。除霜要否判断時点tは、例えば、前回の除霜運転の完了時点から所定時間(例えば、24時間)が経過した時点に設定される。除霜要否判断時点tに係る所定時間は、冷蔵庫10の運転状況データ及び冷蔵庫10の除霜運転の実行状況等に基づき、設定されてもよい。なお、ステップS10は、ステップS12の後に実行されてもよい。推定除霜時間算出部74は、ステップS11で、前回の除霜運転の完了時点から、今回の除霜要否判断時点tまでの間に検出された運転状況に応じた運転状況データから、今回の除霜要否判断時点tにおける各特徴量に係る入力データFQD(t)を算出する。
【0048】
ステップS12で、推定除霜時間算出部74は、各特徴量に係る入力データFQD(t)を、推定式(1)に代入して、推定除霜時間EDFTを算出する。ステップS13で、除霜運転制御部72は、所定の除霜要否判断時点tにおいて、推定除霜時間EDFT(t)が閾値以上であるか否かを判断する。ここで、所定の除霜要否判断時点tが不使用時間帯以外の時間帯内であるときに参照される閾値は第1閾値Lv1であり、所定の除霜要否判断時点tが不使用時間帯内であるときに参照される閾値は第2閾値Lv2である。
【0049】
そして、除霜運転制御部72は、ステップS13で、所定の除霜要否判断時点tにおいて、推定除霜時間EDFT(t)が閾値以上であると判断されたとき(ステップS13でYES)は、ステップS30に処理を進める。一方、所定の除霜要否判断時点tにおいて、推定除霜時間EDFT(t)が閾値未満であると判断されなかったとき(ステップS13でNO)は、ステップS14(図8参照)に処理を進める。ステップS30で、除霜運転制御部72は、除霜運転を実行する。ステップS31で、除霜運転制御部72は、除霜運転に要した時間(実除霜時間RDFT)を示す実除霜時間データをサーバー装置100に送信して、ステップS3に処理を進める。
【0050】
図8に示すように、ステップS14で、除霜運転制御部72は、除霜運転の実行を保留する所定の保留時間(例えば1分)が経過したか否かを判断し、所定の保留時間が経過したと判断されたとき(ステップS14でYES)、ステップS15に処理を進める。これにより、除霜運転の実行が、所定の保留時間が経過するまで保留される。一方、所定の保留時間が経過したと判断されなかったとき(ステップS14でNO)は、除霜運転制御部72は、所定の保留時間が経過したと判断されるまでステップS14を繰り返す。ステップS15で、推定除霜時間算出部74は、前回の除霜運転の完了時点から、次の所定の除霜要否判断時点tm+1までの間に検出された運転状況に応じた運転状況データから、次の所定の除霜要否判断時点tm+1における各特徴量に係る入力データFQD(tm+1)を算出する。
【0051】
ステップS16で、推定除霜時間算出部74は、各特徴量に係る入力データFQD(tm+1)を、推定式(1)に代入して、次の所定の除霜要否判断時点tm+1における推定除霜時間EDFT(tm+1)を算出する。ステップS17で、除霜運転制御部72は、次の所定の除霜要否判断時点tm+1において、推定除霜時間EDFT(tm+1)が、閾値以上であるか否かを判断する。
【0052】
そして、除霜運転制御部72は、次の所定の除霜要否判断時点tm+1において、推定除霜時間EDFT(tm+1)が閾値以上であると判断されたとき(ステップS17でYES)は、ステップS18に処理を進める。ステップS18で、除霜運転制御部72は、除霜運転を実行する。ステップS19で、除霜運転制御部72は、実除霜時間RDFTを示す実除霜時間データをサーバー装置100に送信して、ステップS3(図7参照)に処理を進める。
【0053】
一方、次の所定の除霜要否判断時点tm+1において、推定除霜時間EDFT(tm+1)が閾値未満であると判断されたとき(ステップS17でNO)には、除霜運転制御部72は、ステップS14(図8参照)に戻る。この場合は、除霜運転の実行が、次の所定の保留時間が経過するまでさらに保留される。
【0054】
図7のステップS20で、推定除霜時間算出部74は、サーバー装置100から送信される推定式データを受信したか否かを判断し、サーバー装置100から推定式データを受信したと判断されたとき(ステップS20でYES)に、冷蔵庫メモリ80に推定式データを保存してステップS3に処理を進める。サーバー装置100から受信した推定式データにより、推定除霜時間EDFTの算出に用いられる推定式(1)が更新される。図3では、冷蔵庫メモリ80に保存されている推定式データを、推定式データ83として示している。一方、サーバー装置100から推定式データを受信したと判断されなかったとき(ステップS20でNO)は、推定除霜時間算出部74は、サーバー装置100から推定式データを受信したと判断されるまでステップS20を繰り返す。
【0055】
図7のステップS40で、不使用時間帯認識部75は、不使用時間帯の認識タイミングになったか否かを判断し、不使用時間帯の認識タイミングに到達したと判断されたとき(ステップS40でYES)に、ステップS41に処理を進める。不使用時間帯の認識タイミングは、例えば、3週間に1回に設定される。一方、不使用時間帯の認識タイミングに到達したと判断されなかったとき(ステップS40でNO)、不使用時間帯認識部75は、不使用時間帯の認識タイミングに到達したと判断されるまで、ステップS40を繰り返す。ステップS41で、不使用時間帯認識部75は、図6を参照して上述したように、直近の過去3週間分の扉開閉回数の測定データに基づいて、不使用時間帯を認識し、認識した不使用時間帯を示す不使用時間帯データを冷蔵庫メモリ80に保存して、ステップS3に処理を進める。図3では、冷蔵庫メモリ80に保存されている不使用時間帯データを、不使用時間帯データ84として示している。
【0056】
図7のステップS50で、閾値設定部73は、閾値(第1閾値Lv1, 第2閾値Lv2)の更新タイミングになったか否かを判断し、閾値の更新タイミングに到達したと判断されたとき(ステップS50でYES)に、ステップS51に処理を進める。閾値の更新タイミングは、例えば3週間に1回に設定される。一方、閾値の更新タイミングに到達したと判断されなかったとき(ステップS50でNO)、閾値設定部73は、閾値の更新タイミングに到達したと判断されるまで、ステップS50を繰り返す。ステップS51で、閾値設定部73は、上述しように、直近の過去の運転状況データに基づいて第1閾値Lv1及び第2閾値Lv2を設定する。なお、閾値設定部73は、第1閾値Lv1及び第2閾値Lv2のうちのいずれか一方のみを更新してもよい。閾値設定部73は、更新した閾値を示す閾値データを冷蔵庫メモリ80に保存する。図3では、冷蔵庫メモリ80に保存されている閾値データを、閾値データ85として示している。
【0057】
[5.サーバー装置側の処理]
図9に示すフローチャートを参照して、本開示の実施の形態の冷蔵庫制御システム1のサーバー装置100側の処理について説明する。図9は、本開示の実施の形態におけるサーバー装置100側の処理に係るフローチャートである。サーバー装置100は、冷蔵庫10との間で通信を行って、図9のフローチャートに例示される処理を繰り返し実行する。
【0058】
学習データ取得部111は、ステップS100で、冷蔵庫10から送信される運転状況データおよび実除霜時間データを受信したか否かを判断し、運転状況データデータおよび実除霜時間データを受信したと判断されたとき(ステップS100でYES)に、ステップS101に処理を進める。学習データ取得部111は、ステップS101で運転状況データおよび実除霜時間データをサーバーメモリ120に保存する。図3では、サーバーメモリ120に保存されている運転状況データおよび実除霜時間データを、運転状況データ122および実除霜時間データ123として、それぞれ示している。一方、ステップS100で、冷蔵庫10から送信される運転状況データを受信したと判断されなかったとき(ステップS100でNO)、学習データ取得部111は、冷蔵庫10から送信される運転状況データを受信したと判断されるまで、ステップS100を繰り返す。
【0059】
また、学習データ取得部111は、ステップS100で、冷蔵庫10から送信される運転状況データデータおよび実除霜時間データを受信したかを判断し、冷蔵庫10から送信される運転状況データデータおよび実除霜時間データを受信したと判断されたとき(ステップS100でYES)に、ステップS111に処理を進める。学習データ取得部111は、ステップS111で運転状況データ及び実除霜時間データにより学習データを生成し、生成した学習データをサーバーメモリ120に保存して、ステップS112に処理を進める。図3では、サーバーメモリ120に保存されている学習データを、学習データ124として示している。
【0060】
ステップS112で、推定モデル生成部112は、推定式(1)の更新タイミングになったか否かを判断し、推定式(1)の更新タイミングになったと判断されたとき(ステップS112でYES)に、推定モデル生成部112は、ステップS113に処理を進めて、ステップS113で推定式(1)を更新する。推定式(1)の更新タイミングは、例えば、月に1回に設定される。推定モデル生成部112は、更新タイミングになった時点から過去3か月分の学習データに基づいて、図5を参照して上述した処理により、推定式(1)を更新する。
【0061】
ステップS114で、推定モデル生成部112は、更新した推定式(1)のデータを冷蔵庫10に送信して、ステップS102に処理を進める。一方、推定式(1)の更新タイミングになったと判断されなかったとき(ステップS112でNO)、推定モデル生成部112は、推定式(1)の更新タイミングになったと判断されるまで、ステップS112を繰り返す。
【0062】
[6.除霜運転の実行タイミング]
図10を参照して、除霜運転の実行タイミングの一例について説明する。図10は、本開示の実施の形態における除霜運転のタイミングチャートである。図10は、共通の時間軸tにより、除霜運転実行の実行タイミングを、除霜要否判断時点t、及び除霜要否判断時点tにおける推定除霜時間EDFT(t)の値と共に示したものである。
【0063】
図10において、除霜要否判断時点tmの例としての除霜要否判断時点t11,t12,t13,t14,t15における推定除霜時間EDFT(t11),EDFT(t12),EDFT(t13),EDFT(t14),EDFT(t15)がそれぞれ例示されている。また、図10において、除霜運転の完了時点から次の所定の除霜要否判断時点までの所定時間Tw、及び、除霜運転を保留する所定の保留時間Thが例示されている。
【0064】
図10に示す例では、除霜要否判断時点t11では、推定除霜時間EDFT(t11)が閾値以上となっているので、除霜運転が実行されている。一方、除霜要否判断時点t12では、推定除霜時間EDFT(t12)が閾値未満であるので、除霜運転の実行が、保留時間Thが経過した次の所定の除霜要否判断時点である除霜要否判断時点tm+1であるt13まで保留されている。そして、図10に示す例では、除霜要否判断時点t13でも、推定除霜時間EDFT(t13)が閾値未満であるので、除霜運転の実行が、さらに所定の保留時間Thが経過した次の所定の除霜要否判断時点である除霜要否判断時点t14までさらに保留されている。
【0065】
除霜要否判断時点t14では、推定除霜時間EDFT(t14)が閾値以上となっているため、除霜運転が実行されている。図10に示す例の場合、除霜運転の間隔が、TwからTw+Th×2に延長されている。このように、除霜運転の間隔が延長されることにより、除霜運転の頻度を減らすことができる。このように、本実施の形態によれば、除霜運転が頻繁に実行されることによる、冷蔵庫10の消費電力の増加、及び、冷蔵庫10の庫内の温度上昇を抑制することができる。
【0066】
[7.閾値の切換タイミング]
図11を参照して、第1閾値Lv1及び第2閾値Lv2の切換タイミングについて説明する。図11は、本開示の実施の形態における閾値の切換のタイミングチャートである。図11は、共通の時間軸tにより、閾値の切換タイミングを、除霜要否判断時点tm、除霜運転の実行時点、及び不使用時間帯と共に示したものである。
【0067】
図11において、除霜要否判断時点tmの例としての除霜要否判断時点t21,t22,t23,t24,t25、t26が、推定除霜時間EDFT(t21),EDFT(t22),EDFT(t23),EDFT(t24),EDFT(t25)、EDFT(t26)がそれぞれ例示されている。図11に示す例では、不使用時間帯は、1:00~7:00に設定されており、不使用時間帯以外の7:00~翌日1:00の時間帯では、閾値が第1閾値Lv1に設定されている。不使用時間帯における閾値は、第1閾値Lv1よりも短い第2閾値Lv2(<第1閾値Lv1)に設定されている。
【0068】
図11に示す例では、不使用時間帯内のt21における推定除霜時間EDFT(t21)が第2閾値Lv2以上になっているため、除霜運転が実行されている。一方、その後の不使用時間帯以外の時間帯内の除霜要否判断時点t22,t23では、推定除霜時間EDFT(t22),EDFT(t23)が、第2閾値Lv2よりも長い時間に設定された第1閾値Lv1未満になっているため、除霜運転は実行されない。
【0069】
次の所定の除霜要否判断時点tm+1である除霜要否判断時点t24は、不使用時間帯内であり、図11に示す例では、推定除霜時間EDFT(t24)が第2閾値Lv2以上になっているため、除霜運転が実行されている。その後の不使用時間帯以外の時間帯内の除霜要否判断時点t25,t26では、推定除霜時間EDFT(t25),EDFT(t26)が、第1閾値Lv1未満になっているため、除霜運転は実行されていない。
【0070】
このように、不使用時間帯における閾値(第2閾値Lv2)を、不使用時間帯以外の時間帯における閾値(第1閾値Lv1)よりも短い時間に設定することにより、除霜運転が不使用時間帯内で実行され易くなり、不使用時間帯以外の時間帯で除霜運転が実行されることを回避することができる。これにより、不使用時間帯以外の時間帯で冷蔵庫の特定機能(例えば、急速冷凍機能)の実行が求められた場合に、除霜運転の実行タイミングと競合して、除霜運転の実行により特定機能の利用が妨げられることを抑制することができる。
【0071】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術思想の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術思想はこれに限定されず、変更、置き換え、付加、及び省略などが行われた実施の形態にも適用できる。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0072】
上記実施の形態において、推定除霜時間算出部74は、冷蔵庫10に設けられる例を説明したが、推定除霜時間算出部74は、サーバー装置100に設けられていてもよい。この場合は、サーバー装置100により算出された推定除霜時間のデータが、サーバー装置100から冷蔵庫10に送信される。また、不使用時間帯認識部75は、サーバー装置100に設けられていてもよい。この場合は、サーバー装置100により認識された不使用時間帯のデータが、サーバー装置100から冷蔵庫10に送信される。
【0073】
推定除霜時間算出部74がサーバー装置100に設けられる場合、冷蔵庫10とサーバー装置100との間の通信不良が生じると、冷蔵庫10側で推定除霜時間を認識することができない状況となる。この場合、冷蔵庫10側の除霜運転制御部72は、除霜要否判断時点tが、前回の除霜運転の完了時点から所定時間(例えば24時間)が経過した時点に設定されているときは、次の除霜要否判断時点になった時に、推定除霜時間EDFTが閾値以上であるか否かを判断することなく、除霜運転を実行する。
【0074】
また、上記実施形態では、学習データ取得部111及び推定モデル生成部112を、サーバー装置100が備える例を説明したが、学習データ取得部111及び推定モデル生成部112を、冷蔵庫10が備えていてもよい。
【0075】
上記実施の形態において、推定除霜時間EDFTを算出するための特徴量として、冷蔵室温度平均値PCC、庫外温度平均値ATC、野菜室温度平均値VCC、ドア開時間積算値DOOR、及び圧縮機回転数積算値CMPを例示したが、推定除霜時間EDFTを算出するための特徴量は、除霜運転の所要時間との関連性が高いものであればよく、上記五つの特徴量以外の特徴量を採用してもよい。また、各冷蔵庫の使用状況に応じて、採用する特徴量を選定してもよい。
【0076】
上記実施の形態において、推定モデル生成部112は、重回帰分析により推定式(1)を生成した。他の実施形態として、推定モデル生成部112は、AI(Artificial Intelligence)により、学習データTRDを教師データとする機械学習を行って、推定除霜時間EDFT(t)を推定する推定モデルを生成してもよい。
【0077】
上記実施形態において、運転状況データ取得部71により実行される処理は、本開示の冷蔵庫制御方法における運転状況データ取得ステップに相当し、推定モデル生成部112により実行される処理は、本開示の冷蔵庫制御方法における推定モデル生成ステップに相当する。推定除霜時間算出部74により実行される処理は、本開示の冷蔵庫制御方法における推定除霜時間算出ステップに相当し、除霜運転制御部72により実行される処理は、本開示の冷蔵庫制御方法における除霜運転制御ステップに相当する。不使用時間帯認識部75により実行される処理は、本開示の冷蔵庫制御方法における不使用時間帯認識ステップに相当し、閾値設定部73により実行される処理は、本開示の冷蔵庫制御方法における閾値設定ステップに相当する。
【0078】
本開示における冷蔵庫制御システム1を構成するコントローラ(冷蔵庫10の制御ユニット60、サーバー装置100のサーバープロセッサ110)は、本開示の冷蔵庫制御システム1の動作を制御できるものであればよい。発明の主題を表現する際に、本開示の冷蔵庫制御システムの動作を制御するものとして、コントローラの他にも制御手段または制御部またはそれらに類似する文言で表記する場合がある。コントローラは様々な態様で実現可能である。例えば、コントローラとしてプロセッサを用いてもよい。コントローラとしてプロセッサを用いれば、プログラムを格納している記憶媒体からプログラムをプロセッサに読み込ませ、プロセッサによりプログラムを実行することで、各種処理を実行することが可能となる。このため、記憶媒体に格納されたプログラムを変更することで処理内容を変更できるので、制御内容の変更の自由度を高めることができる。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、及び、MPU(Micro-Processing Unit)などがある。記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、及び、光ディスクなどがある。また、コントローラとしてプログラムの書き換えが不可能なワイヤードロジックを用いてもよい。コントローラとしてワイヤードロジックを用いれば、処理速度の向上に有効である。ワイヤードロジックとしては、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などがある。また、コントローラとして、プロセッサとワイヤードロジックとを組み合わせて実現してもよい。コントローラを、プロセッサとワイヤードロジックとを組み合わせて実現すれば、ソフトウェア設計の自由度を高めつつ、処理速度を向上することができる。また、コントローラと、コントローラと別の機能を有する回路とが、1つの半導体素子で構成されていてもよい。別の機能を有する回路としては、例えば、A/D・D/A変換回路などがある。また、コントローラは、1つの半導体素子で構成されていてもよいし、複数の半導体素子で構成されていてもよい。コントローラが複数の半導体素子で構成される場合、特許請求の範囲に記載の各制御を、互いに異なる半導体素子で実現してもよい。さらに、半導体素子と抵抗またはコンデンサなどの受動部品とを含む構成によってコントローラが構成されていてもよい。
【0079】
本開示における冷蔵庫制御システム1に備えられるコミュニケータ(冷蔵庫通信部90、サーバー通信部130)は、本開示の冷蔵庫制御システム1と外部機器との通信を可能にするものであればよい。発明の主題を表現する際に、本開示の冷蔵庫制御システム1を構成するサーバー装置100などの構成要素と外部機器との通信を可能にするものとして、コミュニケータの他にも通信手段または通信部または送受信手段または送受信部またはそれらに類似する文言で表記する場合がある。コミュニケータは様々な態様で実現可能である。コミュニケータとしては、基地局等を介しての外部機器との無線接続、または、外部機器との直接無線接続などがある。基地局等を介しての外部機器との無線接続としては、例えば、WiFi(登録商標)ルーターと無線通信するIEEE802.11対応の無線LAN、第3世代移動通信システム(通称3G)、第4世代移動通信システム(通称4G)、IEEE 802.16対応のWiMax(ワイマックス:登録商標)、または、LPWA(Low Power Wide Area)などがある。本開示の冷蔵庫制御システム1を構成するサーバー装置100などの構成要素と外部機器とを直接無線接続するコミュニケータを用いれば、通信のセキュリティ性の向上に有効であるとともに、WiFi(ワイファイ:登録商標)ルーターなどの中継機器が存在しない場所でも、本開示の冷蔵庫制御システム1を構成するサーバー装置100などの構成要素は外部機器と通信できる。本開示の冷蔵庫制御システム1を構成するサーバー装置100などの構成要素と外部機器とを直接無線接続するコミュニケータとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)による通信、ループアンテナを介したNFC(Near Field Communication)による通信、または、赤外線通信などがある。
【0080】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術思想を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、及び省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示は、冷蔵庫の除霜運転が必要のないときに実行されることによる、冷蔵庫の消費電力の増加、及び、冷蔵庫内の温度上昇を抑制する冷蔵庫制御システムを提供する。よって、家庭などに設置される冷蔵庫および業務用の冷蔵庫の他、除霜運転が行われる各種冷却機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 冷蔵庫制御システム
5 ゲートウェイ
10 冷蔵庫
11 冷蔵室
12 冷蔵室の右ドア
13 冷蔵室の左ドア
14 切換室
15 切換室の引き出し
16 製氷室
17 製氷室の引き出し
18 冷凍室
19 冷凍室の引き出し
20 野菜室
21 野菜室の引き出し
30 右ドアの開閉センサ
31 左ドアの開閉センサ
32 切換室の開閉センサ
33 製氷室の開閉センサ
34 冷凍室の開閉センサ
35 野菜室の開閉センサ
40 冷蔵室温度センサ
41 野菜室温度センサ
42 庫外温度センサ
43 冷却器温度センサ
44 庫外照度センサ
50 圧縮機
51 冷却器
52 凝縮器
53 冷却ファン
55 除霜ヒータ
60 制御ユニット
70 冷蔵庫プロセッサ
71 運転状況データ取得部
72 除霜運転制御部
73 閾値設定部
74 推定除霜時間算出部
75 不使用時間帯認識部
80 冷蔵庫メモリ
81 冷蔵庫プログラム
82 運転状況データ
83 推定式データ
84 不使用時間帯データ
85 閾値データ
100 サーバー装置
110 サーバープロセッサ
111 学習データ取得部
112 推定モデル生成部
120 サーバーメモリ
121 サーバープログラム
122 運転状況データ
123 実除霜時間データ
124 学習データ
200 通信ネットワーク
W 家屋
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