(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176843
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】研磨装置及び荷電粒子線装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
B24B 19/00 20060101AFI20231206BHJP
H01J 37/16 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B24B19/00 Z
H01J37/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089358
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 諒
(72)【発明者】
【氏名】中澤 洸介
(72)【発明者】
【氏名】綱川 仁志
【テーマコード(参考)】
3C049
5C101
【Fターム(参考)】
3C049AB01
3C049AB04
3C049BA07
3C049BC01
3C049CA01
3C049CB01
5C101BB01
5C101CC01
5C101CC12
5C101LL04
(57)【要約】
【課題】多種の円筒状部材に対する精度の高い共摺り加工を実現する。
【解決手段】円筒状である第1部材及び第2部材を共摺りする研磨装置100であって、第1部材が載置され、垂直方向に伸びる回転軸Cを中心に回転する回転台109と、第1部材と段差で嵌合させて第1部材の上に積み上げられた第2部材を把持する上部把持機構(102,103)と、押付板110Pにより第2部材を垂直方向に加圧する加圧部110と、上部把持機構が結合され、加圧部と独立して上部把持機構を水平方向に移動可能とする水平可動機構(105,106,112)とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状である第1部材及び第2部材を共摺りする研磨装置において、
前記第1部材が載置され、垂直方向に伸びる回転軸を中心に回転する回転台と、
前記第1部材と段差で嵌合させて前記第1部材の上に積み上げられた前記第2部材を把持する上部把持機構と、
押付板により前記第2部材を垂直方向に加圧する加圧部と、
前記上部把持機構が結合され、前記加圧部と独立して前記上部把持機構を水平方向に移動可能とする水平可動機構とを有する研磨装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方には他方と嵌合するための凸部が、他方には凹部が設けられており、前記凸部の上面と前記凹部の底面がいずれも接合面となり、
前記上部把持機構が前記第2部材を把持し、前記加圧部により前記接合面が垂直方向に加圧された状態で、前記回転台が前記第1部材を回転させることにより、前記接合面を研磨する研磨装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記上部把持機構は、第1の上部把持部と第2の上部把持部とを備え、
前記第1の上部把持部及び前記第2の上部把持部は、それぞれ前記第2部材に接触させる把持部材と、前記把持部材が前記第2部材に接触する高さを調整可能な支持部とを備え、
前記水平可動機構が所定の位置にある場合に、前記第1の上部把持部と前記第2の上部把持部とは前記回転軸に対して線対称となるように前記水平可動機構に結合されている研磨装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記水平可動機構は前記第1の上部把持部の支持部及び前記第2の上部把持部の支持部が取り付けられる取り付け板と、筐体に取り付けられた滑動ローラーと、前記取り付け板の前記筐体に対向する面に設けられた凹部とを有し、
前記滑動ローラーは、前記取り付け板の前記凹部に接するように配置される研磨装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記加圧部は前記筐体に取り付けられ、
前記取り付け板には前記加圧部を通すための孔が設けられ、前記筐体には前記第1の上部把持部及び前記第2の上部把持部を通すための孔が設けられている研磨装置。
【請求項6】
円筒状である第1部材及び第2部材を共摺りする研磨装置において、
前記第1部材が載置され、垂直方向に伸びる回転軸を中心に回転する回転台と、
前記第1部材と段差で嵌合させて前記第1部材の上に積み上げられた前記第2部材を把持する上部把持機構と、
前記上部把持機構は、共摺り加工時に水平方向に移動可能な状態で前記第2部材を把持する研磨装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方には他方と嵌合するための凸部が、他方には凹部が設けられており、前記凸部の上面と前記凹部の底面がいずれも接合面となり、
前記上部把持機構が前記第2部材を把持し、前記第2部材の自重により前記接合面が垂直方向に加圧された状態で、前記回転台が前記第1部材を回転させることにより、前記接合面を研磨する研磨装置。
【請求項8】
請求項6において、
前記上部把持機構が結合され、前記上部把持機構を水平方向に移動可能とする水平可動機構を有し、
前記上部把持機構は、第1の上部把持部と第2の上部把持部とを備え、
前記第1の上部把持部及び前記第2の上部把持部は、それぞれ前記第2部材に接触させる把持部材と、前記把持部材が前記第2部材に接触する高さを調整可能な支持部とを備え、
前記水平可動機構が所定の位置にある場合に、前記第1の上部把持部と前記第2の上部把持部とは前記回転軸に対して線対称となるように前記水平可動機構に結合されている研磨装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記水平可動機構は前記第1の上部把持部の支持部及び前記第2の上部把持部の支持部が取り付けられる取り付け板と、筐体に取り付けられた滑動ローラーと、前記取り付け板の前記筐体に対向する面に設けられた凹部とを有し、
前記滑動ローラーは、前記取り付け板の前記凹部に接するように配置される研磨装置。
【請求項10】
請求項2または請求項7において、
前記上部把持機構が前記第2部材を把持する位置を変更しながら前記接合面を研磨するよう制御するコントローラーを有する研磨装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記コントローラーは、前記上部把持機構が前記第2部材を把持する位置を変更するため、前記回転台を所定の角度回転させる研磨装置。
【請求項12】
請求項1または請求項6において、
前記回転軸と前記第1部材の中心軸とが一致するように前記回転台に前記第1部材を把持する下部把持部を有する研磨装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記第1部材及び前記第2部材は、荷電粒子線装置の鏡筒を構成する部材である研磨装置。
【請求項14】
荷電粒子線装置の製造方法であって、
前記荷電粒子線装置の鏡筒を構成する複数の円筒状の部材同士を共摺りする研磨装置は、第1部材が載置され、垂直方向に伸びる回転軸を中心に回転する回転台と、前記第1部材の上に積み上げられた第2部材を把持する上部把持機構とを備えており、
前記鏡筒を構成する複数の円筒状の部材は、鏡筒として構成したときの位置が下から順に下側部材、第1の上側部材、第2の上側部材とを含んでおり、
前記回転台に前記第1部材として前記下側部材を載置し、前記下側部材の上に前記第2部材として第1の上側部材を積み上げ、
前記上部把持機構が前記第1の上側部材を把持し、前記下側部材と前記第1の上側部材との接合面が垂直方向に加圧された状態で、前記回転台が前記下側部材を回転させることにより、前記下側部材と前記第1の上側部材との接合面を研磨し、
前記下側部材と前記第1の上側部材との接合面を研磨の後、前記上部把持機構により前記第1の上側部材を持ち上げた状態で、前記研磨装置から前記下側部材を取り出し、
前記上部把持機構により前記回転台に前記第1部材として前記第1の上側部材を載置し、前記第1の上側部材の上に前記第2部材として第2の上側部材を積み上げ、
前記上部把持機構が前記第2の上側部材を把持し、前記第1の上側部材と前記第2の上側部材との接合面が垂直方向に加圧された状態で、前記回転台が前記第1の上側部材を回転させることにより、前記第1の上側部材と前記第2の上側部材との接合面を研磨することを特徴とする荷電粒子線装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方には他方と嵌合するための凸部が、他方には凹部が設けられており、前記凸部の上面と前記凹部の底面がいずれも前記接合面となり、
前記第1部材と前記第2部材との前記接合面を研磨するとき、前記上部把持機構は水平方向に移動可能な状態で前記第2部材を把持していることを特徴とする荷電粒子線装置の製造方法。
【請求項16】
請求項14または請求項15において、
前記下側部材と前記第1の上側部材との接合面を研磨するときに、前記上部把持機構が前記第1の上側部材を把持する位置を変更しながら当該接合面を研磨し、
前記第1の上側部材と前記第2の上側部材との接合面を研磨するときに、前記上部把持機構が前記第2の上側部材を把持する位置を変更しながら当該接合面を研磨することを特徴とする荷電粒子線装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨装置、荷電粒子線装置の製造方法に関し、特に鏡筒を構成する複数の部材同士の接合面を共摺りにより研磨して荷電粒子線装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には環状部材の共摺り加工方法が、特許文献2には加圧力を調整可能なラップ盤が開示されている。特許文献3には端面研磨装置が開示され、圧縮ばね36によって下方に加圧し、支持アーム30、押え部材37、固定用治具盤27を介して保持した棒状部材Wを研磨部材25aに押圧させている(
図3)。これら加圧部は、スライド台50の上に設けられ、スライド機構により左右水平方向に移動自在とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/123233号
【特許文献2】特開平11-291156号公報
【特許文献3】特開平10-249696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷電粒子線装置の鏡筒は複数の金属円筒状部材を積み重ねることにより製造される。鏡筒の機械的な振動を低減させるために、部材同士は十分にシールされている必要がある。金属円筒状部材は、従来、部材同士の接合面を研磨する共摺り工程が人手によりなされていた。
【0005】
研磨対象部材は、特許文献1では環状のメカニカルシール、特許文献2ではゲージ類、レンズ等の光学機器部品、鋼球、液晶基盤や半導体基盤等の電子部品基盤等が例示されており、いずれも小型の部品であり、研磨する面は平面、円筒、穴、球面などの比較的単純な形状を有する面である。
【0006】
これに対して、荷電粒子線装置の鏡筒を構成する部材の場合、接合面において部材同士を正確に組み合わせるための嵌合部が設けられており、接合面の研磨とともに嵌合面を研磨してしまうと、部材間のシール性能を低下させてしまうおそれがある。単に部材の重量のみならず、部材のサイズや側面形状が様々であるため、加圧する際に機械による安定した把持が困難であり、接合面だけを研磨するように制御することが難しく、共摺り工程の自動化の障害になっていた。
【0007】
特許文献3には加圧部が水平方向に移動可能とされた端面研磨装置が開示されているが、これは研磨部材25aの利用効率向上を意図したものであり、加圧する棒状部材にかかる力の水平方向成分の制御について考慮したものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施の形態である研磨装置は、円筒状である第1部材及び第2部材を共摺りする研磨装置であって、第1部材が載置され、垂直方向に伸びる回転軸を中心に回転する回転台と、第1部材と段差で嵌合させて第1部材の上に積み上げられた第2部材を把持する上部把持機構と、押付板により第2部材を垂直方向に加圧する加圧部と、上部把持機構が結合され、加圧部と独立して上部把持機構を水平方向に移動可能とする水平可動機構とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、多種の円筒状部材に対する精度の高い共摺り加工を実現する。上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】共摺り加工を行う研磨装置の様子を示す図である。
【
図5】共摺り加工後、下側部材を取り出した研磨装置の様子を示す図である。
【
図6】共摺り加工を行う研磨装置の様子を示す図である。
【
図8】共摺り加工を行う研磨装置の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
【実施例0012】
図1は、荷電粒子線装置の鏡筒を構成する部材同士を摺り合わせて(共摺り)研磨加工を行う研磨装置(ラップ装置)100の主要部を示す正面図である。研磨装置100は、筐体101と、筐体101内に把持チャック(把持部)102,103,104と、回転軸Cを中心に回転する台座である回転台109と、加圧部110とを有する。
【0013】
第1部材(下側部材)と第2部材(上側部材)とを摺り合わせて研磨を行う場合、回転台109を筐体101から引き出し、回転台109上に第1部材及び第2部材が積み上げられる。積み上げられた部材と回転台109は筐体101内に収容され、第1部材は下部把持チャック104により把持され、第2部材は上部把持チャック102,103により把持され、加圧部110により第1部材と第2部材とを密着させた状態で、回転台109が第1部材を回転させることにより、研磨加工が行われる。ここでは、2つの上部把持チャックにより第2部材を把持する例を示しているが、第2部材を把持する上部把持機構は第2部材を安定して把持できる限り、この構成に限られない。例えば、3つ以上の上部把持チャックで第2部材を把持してもよい。
【0014】
研磨装置100が研磨加工を行う部材は円筒状であるが、径の大きさ、高さは多様である。このため、上部把持チャック102,103の支持部は、部材に応じてそれぞれの把持部材102M,103Mが第2部材に接する位置を調整可能とされている。すなわち、上部把持チャック102(103)の支持部はシリンダ構造を有し、シリンダ102S(103S)からロッド102R(103R)の引き出し量を調整することで上下方向(Z方向)に調整可能である。高さ調整された後に、把持部材102Mと把持部材103MとがY方向に互いに逆向きに押し付けられることで第2部材が把持される。また、研磨加工時には第1部材と第2部材とを適切な圧力で密着させられるよう、第2部材に接触する押付板110Pは、シリンダ110Sからロッド110Rを介して上下動可能にされている。
【0015】
加圧部110のシリンダ110Sの中心軸は、回転台109の回転軸Cと一致するように配置され、シリンダ110Sは筐体101に固定されている。
【0016】
上部把持チャック102,103のシリンダ102S,103Sはチャック取り付け板106に取り付けられている。チャック取り付け板106の筐体101と対向する面には凹部105が設けられ、凹部105に対向する筐体101上には滑動ローラー112が設けられている。これにより、凹部105の大きさの範囲内でチャック取り付け板106は水平方向(X方向及び/またはY方向)に滑動することができる。チャック取り付け板106が水平に安定して維持されるよう、滑動ローラー112と凹部105との組み合わせは複数設けられる。チャック取り付け板106の動きを妨げないよう、筐体101には上部把持チャック102,103を通すための孔が設けられ、チャック取り付け板106には加圧部110を通すための孔が設けられている。このように、凹部105の設けられたチャック取り付け板106と滑動ローラー112とは水平可動機構として機能し、押付板110Pと把持チャック102,103との相対位置が調整可能とされている。
【0017】
チャック取り付け板106が所定の位置(例えば、各凹部105の中央に各滑動ローラー112が位置する位置)にある場合には上部把持チャック102,103は、回転軸Cを中心に線対称に配置されるが、チャック取り付け板106を移動させることにより、凹部105の大きさの範囲で、上部把持チャック102,103の対称軸があえて回転軸Cからずれることが許容されている。
【0018】
加工対象部材を筐体101に収容した後、コントローラー111は、上部把持チャック102,103、回転台109、加圧部110を制御して、研磨加工を行う。
【0019】
図2に研磨装置100により研磨加工を行う円筒状加工対象部材の断面図例を示す。加工対象部材は荷電粒子線装置の鏡筒を構成する部材である。
【0020】
この例では、第1部材201の上面と第2部材202の下面の最外周の段が接合面203a,203bであり、その内側の嵌合面205a,205bにおいて段差で嵌合する構造をしている。第1部材と第2部材とを重ね合わせて嵌合させることで、組み立てたときに部材同士で水平方向のずれが発生しないように形状設計がなされている。この例では、嵌合するための凹部が第1部材201に、凸部が第2部材202に形成されているが、逆であってもよい。凹部の底面及び凸部の上面が接合面である。
【0021】
また、それぞれの部材の基本形状は中心軸Dを中心とした軸対称形状であるが、側面には切欠きやDカットによってくぼみ204などが形成されていることが一般的である。
【0022】
研磨装置100における研磨加工(ラッピング加工)の際は、接合面203a,203bの間に所望の平滑度に応じた研磨剤を塗布し、切削性と潤滑性を向上させる。
【0023】
図3に部材201,202の共摺り加工を行う研磨装置100の様子を示す。加工対象部材は
図2に示した第1部材及び第2部材である。加工時には、回転台109の回転軸Cと部材の中心軸Dとが一致するように回転台109上に2つの部材を積み上げ、下側部材(第1部材)201を下部把持チャック104で、上側部材(第2部材)202を上部把持チャック102,103で把持する。共摺りを実施するため、加圧部110により第2部材202を垂直方向(Z方向)に加圧する。
【0024】
仮に、上部把持チャック102,103が加圧部110と同様に筐体101に固定されていたとする。第2部材202の側面に設けられたくぼみ204に一方の把持部材が接触したとすると、左右の上部把持チャック102,103から第2部材202にかかる負荷が不均等になる。この場合、押付板110Pからの押圧による接合面203a,203b(
図2参照)の共摺り加工に加え、第2部材が水平方向に圧力を受けることによる嵌合面205a,205bでの意図しない共摺りが発生し、シール性能の低下につながる。
【0025】
本実施例の研磨装置100では、左右の上部把持チャック102,103にかかる負荷の不均等に応じて、加圧部110と独立して、チャック取り付け板106が受動的に筐体101上の滑動ローラー112によって滑動することにより、上部把持チャック102,103にかかる負荷が均等化される。この結果、嵌合面205a,205bには水平方向の力が働かないため、嵌合面205a,205bは共摺りを発生させることなく、接合面203a,203bのみを高い精度で加工することができる。
【0026】
研磨装置100による共摺り工程を
図4に示す。ここでは、上部把持チャックの負荷の不均一の影響をさらに抑制するため、上部把持チャックによる上側部材の把持位置を変えながら、共摺り工程を実施する例を示す。
【0027】
ステップS01:作業者は、第1部材(下側部材)201と第2部材(上側部材)202とを台座である回転台109上に設置する。作業者のタッチパネルの操作に応じて、コントローラー111は下部把持チャック104で第1部材201を固定する。
【0028】
ステップS02:コントローラー111は、第2部材202に押付板110Pを押し当てて、部材同士の接合面203a,203bに適当な負荷を加える。
【0029】
ステップS03:コントローラー111は、上部把持チャック102,103で第2部材202を把持する。これにより、加工時の第2部材202の回転を抑える。
【0030】
ステップS04:コントローラー111は、回転台109を回転させることで、第1部材201と第2部材202との接合面203a,203bを研磨する。このとき、回転台109は、モーターに負荷のかからない速度で回転させる。
【0031】
ステップS05:コントローラー111は、回転台109を停止させる。
【0032】
ステップS06:コントローラー111は、上部把持チャック102,103を開放し、第2部材202から把持部材を取り外す。
【0033】
ステップS07:コントローラー111は、加圧部110を開放し、第2部材202から押付板を取り外す。
【0034】
ステップS08:コントローラー111は、回転台109を所定の角度だけ回転させる。例えば30°回転させる。
【0035】
その後、ステップS02~S08の工程を数回繰り返す。ステップS03において上部把持チャック102,103により第2部材202を把持したときに、把持部材が第2部材202のくぼみ204に接触した場合に、くぼみ204の形状によってはチャック取り付け板106では負荷を完全に均等にできないおそれがある。このため、複数回上部把持チャック102,103による第2部材202の把持位置を変えながら研磨を実行することで、負荷の不均等が平均化されることにより、接合面のより平行度の高い研磨が達成できる。
【0036】
なお、
図4では、上部把持チャックによる把持位置の変更方法をあらかじめ設定しておき、コントローラー111が自動制御する方法を示したが、作業者の人が装置を停止して、把持位置を適宜変更するようにしてもよい。