(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017685
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】グリセリルアスコルビン酸含有化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/67 20060101AFI20230131BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20230131BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230131BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230131BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
A61K8/67
A61K8/37
A61K8/44
A61K8/34
A61Q19/00
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024366
(22)【出願日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2021121404
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000147213
【氏名又は名称】株式会社成和化成
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 正人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 智里
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB352
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC791
4C083AD152
4C083AD641
4C083AD642
4C083BB04
4C083BB05
4C083CC03
4C083CC05
4C083DD31
4C083EE01
4C083EE07
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】 グリセリルアスコルビン酸又はその塩を含有する化粧料において、グリセリルアスコルビン酸の保湿効果を維持しつつ、肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を有し、保存中においても経時的な粘度変化が抑えられたグリセリルアスコルビン酸含有化粧料を提供する。
【解決手段】 グリセリルアスコルビン酸又はその塩、特定のノニオン性界面活性剤、特定のアニオン性界面活性剤並びに特定の高級アルコールを含有させてクリーム状の化粧料を構成する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(D)を含有し、成分(A)の含有量が0.05~10.0質量%、成分(B)の含有量が3.0~8.0質量%、成分(C)の含有量が0.1~5.0質量%、成分(D)の含有量が1.0~8.0質量%であるグリセリルアスコルビン酸含有化粧料。
(A)グリセリルアスコルビン酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上
(B)ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(C)アニオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(D)高級アルコールから選ばれる1種又は2種以上
【請求項2】
成分(A)が2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸、3-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸であることを特徴とする請求項1に記載のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料。
【請求項3】
成分(B)がグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、成分(C)がアシルメチルタウリン塩から選ばれることを特徴とする請求項1又は2に記載のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料。
【請求項4】
成分(D)がセテアリルアルコールであることを特徴とする請求項1ないし3に記載のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリセリルアスコルビン酸を含有する保存安定性に優れた化粧料に関する。より詳しくは、(A)グリセリルアスコルビン酸又はその塩、(B)ノニオン性界面活性剤、(C)アニオン性界面活性剤、(D)高級アルコールを組み合わせることで優れた使用感を示し、保存中の粘度低下が抑えられた安定なクリーム状の化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料において、日光による皮膚の黒化やしみ、そばかすを防ぎ、本来の白い肌を保つためには、アスコルビン酸、コウジ酸、アルブチン等さまざまな美白剤が使用されてきた。その中でもアスコルビン酸は、安全かつ有用な物質であり、抗酸化効果、コラーゲン産生促進効果、優れた美白効果等を有する化合物として知られており、皮膚の状態を改善し、健康な状態に保つ作用があることが知られている。しかし、アスコルビン酸は光、熱、酸化に対して非常に不安定であり、化粧品、食品、医薬品等での利用が妨げられていた。
【0003】
一方本発明者らはアスコルビン酸よりも経時安定性が向上し、化粧料に配合した場合には保存中での着色が生じにくい誘導体として、種々のグリセリルアスコルビン酸誘導体又はその塩を開発し、美白化粧料への配合、保湿剤としての配合、コラーゲン産生促進効果等を目的とした化粧料への配合などを提案してきた。(特許文献1、2)
【0004】
しかしながら、グリセリルアスコルビン酸を配合したクリーム状の化粧料を作製する場合には、適度な粘度を有する製剤を作ることが困難であり、また、界面活性剤の種類によっては、肌に適用した場合に、肌なじみの良さやきしみのなさといった好ましい使用感が損なわれる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4681670号公報
【特許文献2】特開2019-142790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術のグリセリルアスコルビン酸又はその塩を含有する化粧料において、肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を有し、保存中においても経時的な粘度変化が抑えられたグリセリルアスコルビン酸含有化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意検討した結果、グリセリルアスコルビン酸又はその塩と、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、高級アルコールを組み合わせた化粧料が、肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を示し、かつ経時的な粘度変化が抑制された化粧料となることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本発明は、その第1として、下記成分(A)~(D)を含有し、成分(A)の含有量が0.05~10.0質量%、成分(B)の含有量が3.0~8.0質量%、成分(C)の含有量が0.1~5.0質量%、成分(D)の含有量が1.0~8.0質量%であることを特徴とするグリセリルアスコルビン酸含有化粧料である。
(A)グリセリルアスコルビン酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上
(B)ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(C)アニオン性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上
(D)高級アルコールから選ばれる1種又は2種以上
【0009】
本発明の第2は、前記本発明の第1のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料であって、前記(A)記載のグリセリルアスコルビン酸が、2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸、3-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸であることを特徴とする。これらのグリセリルアスコルビン酸は工業的に入手が容易で、かつ、優れた保湿効果を実現できることから、この好ましい様態に該当するものである。
【0010】
本発明の第3は、前記本発明の第1又は第2のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料であって、前記成分(B)がグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレン脂肪酸エステル、成分(C)がアシルメチルタウリン塩からそれぞれ選ばれることを特徴とする。成分(B)及び(C)が前記活性剤である場合には、保存中の経時的な粘度変化を抑制する点でより優れたものとなることから、この好ましい様態に該当するものである。
【0011】
本発明の第4は、前記本発明の第1ないし第3のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料であって、前記成分(D)がセテアリルアルコールであることを特徴とする。成分(D)がセテアリルアルコールである場合には、肌へ塗布した際に肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を有する化粧料となることから、この好ましい様態に該当するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、グリセリルアスコルビン酸又はその塩を含有するクリーム状の化粧料であり、特定の界面活性剤及び高級アルコールを含有することで保存中の経時的な粘度変化が少なく安定性に優れた化粧料となる。さらには、皮膚に適用した場合、グリセリルアスコルビン酸の保湿効果を維持しつつ、肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の化粧料を構成する成分(A)グリセリルアスコルビン酸又はその塩、(B)ノニオン性界面活性剤、(C)アニオン性界面活性剤、(D)高級アルコールについて、さらには、本発明の化粧料の形態について、以下具体的に説明する。
【0014】
[成分(A):グリセリルアスコルビン酸又はその塩]
本発明の化粧料に配合する成分(A)のグリセリルアスコルビン酸とは、アスコルビン酸の2位、3位、5位又は6位に1以上のグリセリル基が付加したアスコルビン酸誘導体であり、前記特許文献1に記載の方法で製造することができるが、具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる。
【0015】
なお、以下の例示において、グリセリルとは、HOCH2-CH(OH)-CH2-又はHOCH2-CH(CH2OH)-で表される基を示し、アルキルとは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基等を示し、アルケニルとは、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソブテニル基、クロチル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基等を示し、アシルとは、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、エイコサノイル基、ヘキサデセノイル基、オクタデセノイル基、オクタデカトリエノイル基、イコサテトラエノイル基、イソオクタノイル基、イソパルミトイル基、イソステアロイル基、2-プロピルペンタノイル基、2-ブチルヘキサノイル基、2-ペンチルヘプタノイル基等を示す。
【0016】
成分(A)のグリセリルアスコルビン酸としては、2-O-グリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、5-O-グリセリルアスコルビン酸、6-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3,5,6-O-テトラグリセリルアスコルビン酸,2-O-ジグリセリルアスコルビン酸、3-O-ジグリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-ジグリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸、2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸、3-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-5-O-アシルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-6-O-アシルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-アルケニルアスコルビン酸、2-O-アルケニル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-アルケニルグリセリルアスコルビン酸、3-O-アルケニルグリセリルアスコルビン酸等が挙げられる。
【0017】
それらの中でも工業的に入手しやすく、かつ、本発明の効果を十分に発現させることができるグリセリルアスコルビン酸としては、2-O-アルキル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-アルキルアスコルビン酸、3-O-アルキルグリセリルアスコルビン酸(ここでアルキルとは、炭素数1~22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基をいう)、3-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸が好ましく、さらに好ましくは、2-O-ヘキシル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、2-O-グリセリル-3-O-ヘキシルアスコルビン酸、3-O-ラウリルグリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸が挙げられる。
【0018】
成分(A)のグリセリルアスコルビン酸の塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩などの金属塩や、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩などのアンモニウム塩等が挙げられる。
【0019】
このようなグリセリルアスコルビン酸又はその塩として市販品を用いることができる。例えば、2-O-ヘキシル-3-O-グリセリルアスコルビン酸、3-O-ラウリルグリセリルアスコルビン酸、3-O-グリセリルアスコルビン酸、2,3-ジ-O-グリセリルアスコルビン酸としては、それぞれAmitose HGA、Amitose 3LGA、Amitose 3GA、Amitose DGA(商品名、いずれも株式会社成和化成製)を用いることができる。
【0020】
グリセリルアスコルビン酸又はその塩の配合量は、本発明の化粧料中に0.05質量%以上とするのが好ましく、0.1質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、10.0質量%以下とするのが好ましく、6.0質量%以下とするのがより好ましい。配合量が0.05質量%未満では、保湿効果における効果が十分に発現し難く、一方、10.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0021】
[成分(B):ノニオン性界面活性剤]
本発明の化粧料に含有される成分(B)のノニオン性界面活性剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定はされず、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、ポリオキシエチレンヒマシ油等を挙げることができる。
【0022】
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、エルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリル等が挙げられる。
【0023】
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸ポリエチレングリコール、パルミチン酸ポリエチレングリコール、ステアリン酸ポリエチレングリコール、イソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、オレイン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0024】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ジグリセリル、オレイン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ステアリン酸テトラグリセリル、オレイン酸テトラグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリル、ミリスチン酸ヘキサグリセリル、ステアリン酸ヘキサグリセリル、オレイン酸ヘキサグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリル、ステアリン酸デカグリセリル、オレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸モノエステル、ジオレイン酸ジグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸ジエステル、トリステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸トリエステル等が挙げられる。
【0025】
アルキルグルコシドとしては、炭素数6~20のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、ラウリルグルコシド、(カプリリル/カプリル)グルコシド、ヘプチルグルコシド、ミリスチルグルコシド、デシルグルコシド、セテアリルグルコシド、オクチルグルコシド、ノニルグルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド、アラキジルグルコシド、(C12-20)アルキルグルコシド等が挙げられる。
【0026】
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、カプリン酸ソルビタン、ラウリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン等が挙げられる。
【0027】
ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン、オレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、ミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等が挙げられる。
【0028】
ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。
【0029】
成分(B)のノニオン性界面活性剤の中でも、化粧料の経時的な粘度変化を抑制することができる点から、好ましくはグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが用いられ、さらに好ましくはグリセリン脂肪酸エステルとしてステアリン酸グリセリル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしてステアリン酸ポリエチレングリコールを用いることができる。
【0030】
成分(B)のノニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができる。例えば、ステアリン酸グリセリルとしては、NIKKOL MGS-AV(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)、ステアリン酸ポリエチレングリコールとしては、NIKKOL MYS-40V(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)等を用いることができる。
【0031】
成分(B)のノニオン性界面活性剤の配合量は、本発明の化粧料中に3.0質量%以上とするのが好ましく、4.0質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、8.0質量%以下とするのが好ましく、6.0質量%以下とするのがより好ましい。配合量が3.0質量%未満では、経時的な安定性を得るのが難しく、一方、8.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0032】
[成分(C):アニオン性界面活性剤]
本発明の化粧料に含有される成分(C)のアニオン性界面活性剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定はされず、例えば、アシルメチルタウリン塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、ラウロイルカラスムギアミノ酸及びその塩、ココイルリンゴアミノ酸及びその塩、高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、N-アシルサルコシン及びその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩等を挙げることができる。
【0033】
成分(C)のアニオン性界面活性剤の中でも、化粧料の経時的な粘度変化を抑制することができる点から、好ましくはアシルメチルタウリン塩が用いられ、さらに好ましくはステアロイルメチルタウリンNaを用いることができる。
【0034】
成分(C)のアニオン性界面活性剤としては市販品を用いることができ、例えば、ステアロイルメチルタウリンNaとしては、NIKKOL SMT(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)を用いることができる。
【0035】
成分(C)のアニオン性界面活性剤の配合量は、本発明の化粧料中に0.1質量%以上とするのが好ましく、0.5質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、5.0質量%以下とするのが好ましく、3.0質量%以下とするのがより好ましい。配合量が0.1質量%未満では、経時的な安定性を得るのが難しく、一方、5.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0036】
[成分(D):高級アルコール]
本発明の化粧料に含有される成分(D)の高級アルコールとしては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定はされず、炭素数14~22の直鎖脂肪族アルコールであることが好ましく、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール等を挙げることができる。
【0037】
成分(D)の高級アルコールの中でも、化粧料の優れた使用感を維持することができる点から、セテアリルアルコールが好ましく用いられる。
【0038】
成分(D)の高級アルコールとしては市販品を用いることができ、例えば、セテアリルアルコールとしては、カルコール 6850(商品名、花王株式会社製)等を用いることができる。
【0039】
成分(D)の高級アルコールの配合量は、本発明の化粧料中に1.0質量%以上とするのが好ましく、2.0質量%以上とするのがより好ましい。また上限値は、8.0質量%以下とするのが好ましく、6.0質量%以下とするのがより好ましい。配合量が1.0質量%未満では、化粧料の優れた使用感を維持することが難しく、一方、8.0質量%を超えて配合しても配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0040】
本発明のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料に含まれる成分(A)~(D)はそれぞれ1種用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0041】
本発明の化粧料には、前記の成分(A)~(D)に加えて、水を含有する。さらに、化粧料としての効果や安定性等を損なわない限りにおいて、その用途に応じて、通常化粧料に使用される他の成分を広く配合することができる。
【0042】
前記成分(A)~(D)や水の他に通常化粧料に使用される成分として、例えば、油剤、固形又は半固形油、成分(B)や(C)以外の界面活性剤、高分子化合物、保湿剤、美白剤、感触改良剤、薬剤、紫外線吸収剤、タンパク質、タンパク質加水分解物又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、防腐剤、顔料、着色料、香料等を適宜配合することができる。
【0043】
油剤としては、25℃において液状であり通常化粧料に用いられる油剤であれば特に限定はなく、いずれのものも使用することができる。揮発性、非揮発性や、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、例えば、炭化水素油、油脂、エステル油、脂肪酸(ポリ)グリセリル、アミノ酸系油剤、高級脂肪酸、成分(D)以外の高級アルコール、シリコーン油、フッ素系油、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、例えば、(C13-15)アルカン、(C15-19)アルカン、(C18-21)アルカン、(C21-28)アルカン、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリイソブテン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、イソヘキサデカン等の炭化水素油;オリーブ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油等の油脂類;ホホバ油、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、2-エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油;トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等の脂肪酸(ポリ)グリセリルエステル;N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2-オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤;イソステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、(C14-22)アルコール、(C20-22)アルコール等の成分(D)以外の高級アルコール類;シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等の鎖状シリコーン油;パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油;ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体が挙げられる。
【0044】
固形又は半固形油としては油脂等が挙げられ、例えば、テオブロマグランジフロルム種子脂、マンゴー種子脂、カカオ脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油、シア脂、ショレアステノプテラ脂、アフリカマンゴノキ核脂、アボカド脂、サラソウジュ種子脂、アストロカリウムムルムル脂、アストロカリウムムルムル種子脂、アストロカリウムツクマ種子脂、ガルシニアインディカ種子脂、トリチリアエメチカ種子脂、バシアラチホリア種子脂、ガルシニアインディカ種子脂、水素添加カカオ脂、(マカデミア種子油/水添マカデミア種子油)エステルズ、乳脂等が挙げられる。
【0045】
成分(B)や(C)以外の界面活性剤としては、例えば、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩等のアルキルアミン塩、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン等の脂肪酸アミドアルキルアミン、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等の環式4級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシ-N-ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩、アルキルヒドロキシスルホベタイン等の両性界面活性剤、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG-3ジメチコン、PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等のポリグリセリン変性シリコーン、ジメチルシロキサン・メチルセチルシロキサン共重合体等のシリコーン界面活性剤、成分(B)や(C)で例示した以外のノニオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0046】
高分子化合物としては、例えば、アクリル酸系増粘剤、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム等のセルロース系増粘剤、キサンタンガム、カエサルピニアスピノサガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、キャブロガム、グアーガム、デキストラン等の天然由来の増粘剤、ポリビニルアルコール、高分子のジメチルポリシロキサン、ペクチン、寒天、クインスシード、デンプン、アルゲコロイド、サクシノグルカン、コラーゲン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、カルボキシメチルデンプン、アルギニン酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンアクリレート、カチオンポリマー等の増粘剤やその他の高分子化合物が挙げられる。
【0047】
前記アクリル酸系増粘剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、ポリアクリレート-13、ポリアクリレートクロスポリマー-6、(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレーツ)コポリマー、ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸べへネス-25)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ステアレス-25)クロスポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸べへネス-25)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス-20)コポリマー、ステアレス-10アリルエーテル/アクリレーツコポリマー、カルボキシビニルポリマー等を挙げることができる。
【0048】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、エトキシジグリコール、プロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、1,3-ブチレングリコール、乳酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0049】
美白剤としては、例えば、ハイドロキノン、α―アルブチン、β―アルブチン、コウジ酸、コウジ酸ジパルミテート、ニコチン酸アミド、アスタキサンチン、ヒスチジンジチオオクタナミド(Na/亜鉛)、プラセンタエキス、ローズマリーエキス、ルシノール、マグノリグナン、エラグ酸、カミツレエキス、甘草エキス、ローズマリーエキス、トラネキサム酸、トラネキサム酸セチル塩酸塩、リノール酸、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビン酸リン酸マグネシウムなどの成分(A)以外のアスコルビン酸誘導体等を挙げることができる。
【0050】
感触改良剤としては、PPG-9ジグリセリル、PEG-11メチルエーテルジメチコン、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、アミロペクチン(アミロース)、アシル化アミノ酸、ポリメタクリル酸メチル、窒化ホウ素、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、金属石鹸、シリコーン粉体、ポリメチルメタクリル酸メチル、ジメチルシリル化シリカなどが挙げられる。
【0051】
薬剤としては、肌荒れ防止剤又は抗炎症剤を挙げることができる。肌荒れ防止剤又は抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、サリチル酸メチル、ピリドキシン塩酸塩、アラントイン、海塩、ソウハクヒエキス、アロエエキス、クチナシエキス、カミツレエキス、カンゾウエキス、ムクロジエキス、キョウニンエキス、オウゴンエキス、甜茶エキス、ビワエキス、イチョウエキス、オトギリソウエキス、セイヨウノコギリソウエキス、ベニバナエキス、トウヒエキス、サルビアエキス、シラカバエキス、チンピエキス、トウニンエキス、ガイヨウエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、ニンジンエキス、シャクヤクエキス、センキュウエキス、ゲンチアナエキス、冬虫夏草エキス、オウバクエキス、インチンコウエキス、ゲンノショウコエキス、モモ葉エキス、クマザサエキス、ヨクイニンエキス、マロニエエキス、サンザシエキス、オウレンエキス、レイシエキス、トウキンセンカエキス、ペパーミントエキス、コンフリーエキス、ブッチャーブルームエキス、ウスベニアオイエキス、ヤグルマルソウエキス、トゲナシエキス等が挙げられる。その他、育毛用薬剤、ニキビ用薬剤、ふけ・かゆみ用薬剤、腋臭防止用薬剤等も薬剤として挙げることができる。
【0052】
紫外線吸収剤としては、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン-スルホン酸ナトリウム、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体;パラメトキシケイヒ酸エチル、パラメトキシケイヒ酸イソプロピル、パラメトキシケイヒ酸-2-エチルヘキシル(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル)、パラメトキシケイヒ酸ナトリウム、パラメトキシケイヒ酸カリウム、ジパラメトキシケイヒ酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシケイヒ酸誘導体;サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ミリスチル、サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン)、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル、オクトクリレン(2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸-2-エチルヘキシル)、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)、エチルヘキシルトリアゾン及びビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン等が挙げられ、また、上記紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセルも挙げることができる。
【0053】
タンパク質、タンパク加水分解物又はその誘導体としては、例えば、乳タンパク、カゼインタンパク、絹タンパク、小麦タンパク、米タンパク、エンドウマメタンパク、コラーゲン、ケラチン、大豆タンパク、ゴマタンパク、コンキオリン、海洋コラーゲン等のタンパク質、これらの加水分解物又はタンパク加水分解物のアシル化、グリセリル化、シリル化、カチオン化、アルキルエステル化誘導体等が挙げられる。
【0054】
アミノ酸又はそれらの誘導体としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン等のアミノ酸又はその塩、及びこれらのアシル化、アルキル化、グリセリル化、エステル化誘導体等が挙げられる。
【0055】
酸化防止剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、ビタミンE又はその誘導体、タンニン、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)等を挙げることができる。
【0056】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム塩、リン酸、クエン酸、フィチン酸、エチドロン酸、グルタミン酸ジ酢酸ナトリウム塩、ペンテト酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0057】
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0058】
防腐剤としては、例えば、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール等の1,2-アルカンジオール、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、レブリン酸、ベンジルアルコール等が挙げられる。
【0059】
上記通常化粧料に使用される成分は、1種単独で又は2種以上併用して用いることができる。
【0060】
本発明のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料は、液状、乳液状、ペースト状、クリーム状、ジェル状等の剤型にすることができ、クリーム状、乳液状が好ましい。
【0061】
さらには、本発明のグリセリルアスコルビン酸含有化粧料は様々な化粧料に広く応用することが可能であり、美容液、乳液、化粧下地、アンチエイジングクリーム、エモリエントクリーム、クレンジングクリーム、ハンドクリーム、ボディクリーム、ファンデーション、日やけ止め乳液、日焼け止めクリームなどとして適用することができる。
【実施例0062】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。なお、実施例の表中に記載されている数値は、いずれも化粧料全質量に対する質量%である。
【0063】
実施例1~6及び比較例1~4:アンチエイジングクリーム
表1に記載の(a)及び(b)をそれぞれ混合し、80℃に加温した。その後、(b)に(a)を少しずつ添加し、ホモミキサーにより4000rpmで攪拌を行い、冷却した。冷却後、(c)を添加することで、アンチエイジングクリームを調製した。
【0064】
[安定性の評価]
上記で調製したクリームを0℃、25℃、50℃の恒温槽に8週間保存し、安定性について下記の評価基準で評価した。粘度測定はブルックフィールドLVT粘度計を用いて行った。その結果を表1に示す。
安定性:
◎: 調製直後に対して粘度変化が±10%未満であった。
〇: 調製直後に対して粘度変化が±10%以上、20%未満であった。
△: 調製直後に対して粘度変化が±20%以上であった。
×: 安定性が悪く、油相と水相が分離した。
【0065】
【表1】
表1中、*1はeuxyl PE 9010(商品名、Ashland社製)、*2はAmitose HGA(ヘキシル3-グリセリルアスコルビン酸を20質量%含有)、*3はAmitose 3LGA(3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸を10質量%含有)、*4はAmitose 3GA(3-グリセリルアスコルビン酸を30質量%含有)、*5はAmitose DGA(2,3-ジグリセリルアスコルビン酸を50質量%含有)(以上、商品名、いずれも株式会社成和化成製)として配合した。
【0066】
表1の結果から明らかなように、成分(A)グリセリルアスコルビン酸又はその塩、(B)ノニオン性界面活性剤、(C)アニオン性界面活性剤、(D)高級アルコールを配合した実施例1~6のアンチエイジングクリームは、肌なじみのよさやきしみのなさといった優れた使用感を有し、成分(B)又は(C)が配合されていない比較例1~4と比べて保存中の粘度変化が少なく経時安定性に優れていることが明らかとなった。