IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マキタの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176893
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】電動アシスト台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
B62B3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089458
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホウ シセン
(72)【発明者】
【氏名】山村 剛
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE14
3D050EE15
3D050GG02
3D050GG06
3D050KK14
(57)【要約】
【課題】電動アシスト台車の利便性の低下を抑制すること。
【解決手段】電動アシスト台車は、駆動輪を含む少なくとも4つの車輪と、車輪に支持される荷台と、荷台の後部から上方に延びる左柱部及び右柱部と、左柱部及び右柱部よりも上方において左右方向に延びるグリップ部と、を有するハンドルと、駆動輪を回転させるモータと、モータに給電する電動工具用のバッテリが装着されるバッテリ装着部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪を含む少なくとも3つの車輪と、
前記車輪に支持される荷台と、
前記荷台の後部の上方において左右方向に延びるグリップ部を有するハンドルと、
前記駆動輪を回転させるモータと、
前記モータに給電する電動工具用のバッテリが装着されるバッテリ装着部と、を備える、
電動アシスト台車。
【請求項2】
前記バッテリ装着部は、前記荷台よりも上方に配置される、
請求項1に記載の電動アシスト台車。
【請求項3】
前記バッテリ装着部は、前記左柱部と前記右柱部との間に配置される、
請求項1又は請求項2に記載の電動アシスト台車。
【請求項4】
前記左柱部と前記右柱部との間に配置される背板を備え、
前記バッテリ装着部は、前記背板の後部に設けられる、
請求項3に記載の電動アシスト台車。
【請求項5】
前記バッテリ装着部を収容するバッテリケースを備え、
前記バッテリケースは、前記背板の後面に固定される、
請求項4に記載の電動アシスト台車。
【請求項6】
前記バッテリケースは、前記背板の後面に固定されるケース本体と、前記ケース本体の上部に設けられた開口を開閉するケースカバーと、を有し、
前記バッテリ装着部は、前記ケース本体の内面に配置される、
請求項5に記載の電動アシスト台車。
【請求項7】
前記バッテリ装着部は、前記ケース本体の内側において後方を向くように配置される、
請求項6に記載の電動アシスト台車。
【請求項8】
前記バッテリ装着部は、前記バッテリを上下方向にガイドし、
前記ケース本体の開口を介して前記バッテリ装着部の上方から前記バッテリが前記バッテリ装着部に挿入されることにより、前記バッテリが前記バッテリ装着部に装着される、
請求項6又は請求項7に記載の電動アシスト台車。
【請求項9】
前記ケース本体と前記ケースカバーとをロックするロック部材を備える、
請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の電動アシスト台車。
【請求項10】
前記ロック部材は、前記ケースカバーに回転可能に支持されるシャフト部と、前記シャフト部の下端部に設けられるフック部と、前記ケースカバーの上面に配置されるダイヤル部と、を有し、
前記ケース本体の開口が前記ケースカバーに閉鎖された状態で、前記ダイヤル部が一方向に回動されることにより、前記フック部が前記ケース本体の内部に設けられた凹部に入り込んで、前記ケース本体と前記ケースカバーとがロックされる、
請求項9に記載の電動アシスト台車。
【請求項11】
前記モータを制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、前記荷台に設けられた収容部に配置される、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の電動アシスト台車。
【請求項12】
前記収容部は、前記荷台の下面から上方に窪むように設けられ、
前記コントローラが前記収容部に配置された状態で、前記収容部の下部に設けられた開口を塞ぐコントローラカバーを備える、
請求項11に記載の電動アシスト台車。
【請求項13】
前記コントローラカバーは、ねじにより前記荷台に固定される、
請求項12に記載の電動アシスト台車。
【請求項14】
前記コントローラカバーは、通気口を有する、
請求項12又は請求項13に記載の電動アシスト台車。
【請求項15】
前記左柱部及び前記右柱部の少なくとも一方と前記荷台とを連結するフレキシブルチューブを備え、
前記バッテリは、前記コントローラを介して前記モータに給電し、
前記バッテリ装着部と前記コントローラとを接続するバッテリケーブルの少なくとも一部は、前記フレキシブルチューブの内部空間に配置される、
請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の電動アシスト台車。
【請求項16】
前記モータは、前記駆動輪の内部に配置されるインホイールモータである、
請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の電動アシスト台車。
【請求項17】
前記荷台と前記駆動輪とを連結するケーブル収容部材を備え、
前記コントローラと前記モータとを接続するモータケーブルの少なくとも一部は、前記ケーブル収容部材の内部空間に配置される、
請求項16に記載の電動アシスト台車。
【請求項18】
前記バッテリからの給電により点灯する前照灯を備える、
請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の電動アシスト台車。
【請求項19】
前記前照灯は、前記荷台の前面に配置される、
請求項18に記載の電動アシスト台車。
【請求項20】
前記バッテリからの給電により点灯する尾灯を備える、
請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の電動アシスト台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、電動アシスト台車に関する。
【背景技術】
【0002】
電動アシスト台車に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような電動アシスト手押し台車が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-290319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、電動アシスト手押し台車は、蓄電池を備える。蓄電池が電動アシスト手押し台車に固定されていると、蓄電池の充電中に電動アシスト手押し台車を使用することが困難となり、利便性が低下する。
【0005】
本明細書で開示する技術は、電動アシスト台車の利便性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、電動アシスト台車を開示する。電動アシスト台車は、駆動輪を含む少なくとも3つの車輪と、車輪に支持される荷台と、荷台の後部の上方において左右方向に延びるグリップ部を有するハンドルと、駆動輪を回転させるモータと、モータに給電する電動工具用のバッテリが装着されるバッテリ装着部と、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、電動アシスト台車の利便性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電動アシスト台車を示す前方からの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電動アシスト台車を示す後方からの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る電動アシスト台車を右側から見た図である。
図4図4は、実施形態に係る電動アシスト台車を左側から見た図である。
図5図5は、実施形態に係る電動アシスト台車を前側から見た図である。
図6図6は、実施形態に係る電動アシスト台車を後側から見た図である。
図7図7は、実施形態に係る電動アシスト台車を上側から見た図である。
図8図8は、実施形態に係る電動アシスト台車を下側から見た図である。
図9図9は、実施形態に係る電動アシスト台車を示す断面図である。
図10図10は、実施形態に係るケース本体を示す斜視図である。
図11図11は、実施形態に係る駆動輪を示す前方からの斜視図である。
図12図12は、実施形態に係る駆動輪を示す断面図である。
図13図13は、実施形態に係る駆動輪を示す断面図である。
図14図14は、実施形態に係るバッテリケースを示す後方からの斜視図である。
図15図15は、実施形態に係るバッテリケースを示す断面図である。
図16図16は、実施形態に係るバッテリケースを上側から見た図である。
図17図17は、実施形態に係るバッテリケースの一部を示す断面図である。
図18図18は、実施形態に係るバッテリケースの一部を示す断面図である。
図19図19は、実施形態に係るバッテリケースを示す分解斜視図である。
図20図20は、実施形態に係る操作装置を示す後方からの斜視図である。
図21図21は、実施形態に係る操作装置を上側から見た図である。
図22図22は、実施形態に係る操作装置を示す分解斜視図である。
図23図23は、実施形態に係る操作装置を示す斜視断面図である。
図24図24は、実施形態に係る連結機構を示す斜視図である。
図25図25は、実施形態に係る折り畳まれた状態の電動アシスト台車を示す前方からの斜視図である。
図26図26は、実施形態に係る折り畳まれた状態の電動アシスト台車を示す後方からの斜視図である。
図27図27は、実施形態に係る折り畳まれた状態の電動アシスト台車を右側から見た図である。
図28図28は、実施形態に係る折り畳まれた状態の電動アシスト台車が床面に立っている状態を示す図である。
図29図29は、実施形態に係るテーブルが装着された電動アシスト台車を示す前方からの斜視図である。
図30図30は、実施形態に係るテーブル及び電動アシスト台車を示す前方からの斜視図である。
図31図31は、実施形態に係るテーブルが装着された電動アシスト台車を下側から見た図である。
図32図32は、実施形態に係る角度調整機構の第1変形例を示す断面図である。
図33図33は、実施形態に係る角度調整機構の第2変形例を示す断面図である。
図34図34は、実施形態に係る角度調整機構の第3変形例を示す断面図である。
図35図35は、実施形態に係る角度調整機構の第4変形例を示す断面図である。
図36図36は、実施形態に係る角度調整機構の第5変形例を示す断面図である。
図37図37は、実施形態に係る角度調整機構の第5変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、駆動輪を含む少なくとも4つの車輪と、車輪に支持される荷台と、荷台の後部の上方において左右方向に延びるグリップ部を有するハンドルと、駆動輪を回転させるモータと、モータに給電する電動工具用のバッテリが装着されるバッテリ装着部と、を備えてもよい。
【0010】
上記の構成では、モータに給電するバッテリがバッテリ装着部に着脱されるので、例えばバッテリの残容量が無くなった場合、使用者は、別のバッテリをバッテリ装着部に装着することにより、電動アシスト台車の使用を継続することができる。また、電動工具用のバッテリは、バッテリ装着部に簡単に着脱される。したがって、電動アシスト台車の利便性の低下が抑制される。3つの車輪のうち、1つが前輪で2つが後輪でもよいし、2つが前輪で1つが後輪でもよい。3つの車輪のうち、1つの車輪が駆動輪でもよい、2つの車輪が駆動輪でもよい。なお、車輪は、4つでもよい。4つの車輪のうち、2つの前輪が駆動輪でもよいし、2つの後輪が駆動輪でもよい。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施形態において、バッテリ装着部は、荷台よりも上方に配置されてもよい。
【0012】
上記の構成では、バッテリ装着部が高い位置に配置されるので、使用者は、バッテリをバッテリ装着部に円滑に着脱することができる。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、バッテリ装着部は、左柱部と右柱部との間に配置されてもよい。
【0014】
上記の構成では、バッテリ装着部が左右方向において電動アシスト台車の中央部に配置されるので、使用者は、バッテリをバッテリ装着部に円滑に着脱することができる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、左柱部と右柱部との間に配置される背板を備えてもよい。バッテリ装着部は、背板の後部に設けられてもよい。
【0016】
上記の構成では、バッテリ装着部が背板の後部に配置されるので、使用者は、バッテリをバッテリ装着部に円滑に着脱することができる。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、バッテリ装着部を収容するバッテリケースを備えてもよい。バッテリケースは、背板の後面に固定されてもよい。
【0018】
上記の構成では、バッテリ装着部及びバッテリがバッテリケースにより保護される。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、バッテリケースは、背板の後面に固定されるケース本体と、ケース本体の上部に設けられた開口を開閉するケースカバーと、を有してもよい。バッテリ装着部は、ケース本体の内面に配置されてもよい。
【0020】
上記の構成では、使用者は、ケース本体の上部に設けられた開口を介して、バッテリをバッテリ装着部に円滑に着脱することができる。また、ケース本体の上部に設けられた開口がケースカバーにより閉鎖されることにより、バッテリ装着部及びバッテリがバッテリケースにより保護される。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、バッテリ装着部は、ケース本体の内側において後方を向くように配置されてもよい。
【0022】
上記の構成では、使用者は、バッテリをバッテリ装着部に円滑に着脱することができる。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、バッテリ装着部は、バッテリを上下方向にガイドしてもよい。ケース本体の開口を介してバッテリ装着部の上方からバッテリがバッテリ装着部に挿入されることにより、バッテリがバッテリ装着部に装着されてもよい。
【0024】
上記の構成では、使用者は、バッテリをバッテリ装着部に円滑に着脱することができる。
【0025】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、ケース本体とケースカバーとをロックするロック部材を備えてもよい。
【0026】
上記の構成では、例えば電動アシスト台車の使用中にケースカバーが意図せずに開放されることが抑制される。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施形態において、ロック部材は、ケースカバーに回転可能に支持されるシャフト部と、シャフト部の下端部に設けられるフック部と、ケースカバーの上面に配置されるダイヤル部と、を有してもよい。ケース本体の開口がケースカバーに閉鎖された状態で、ダイヤル部が一方向に回動されることにより、フック部がケース本体の内部に設けられた凹部に入り込んで、ケース本体とケースカバーとがロックされてもよい。
【0028】
上記の構成では、使用者は、ダイヤル部を操作するだけで、ケース本体とケースカバーとを簡単にロックすることができる。
【0029】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、モータを制御するコントローラを備えてもよい。コントローラは、荷台に設けられた収容部に配置されてもよい。
【0030】
上記の構成では、コントローラは、荷台により保護される。
【0031】
1つ又はそれ以上の実施形態において、収容部は、荷台の下面から上方に窪むように設けられてもよい。電動アシスト台車は、コントローラが収容部に配置された状態で、収容部の下部に設けられた開口を塞ぐコントローラカバーを備えてもよい。
【0032】
上記の構成では、コントローラは、コントローラカバーにより保護される。
【0033】
1つ又はそれ以上の実施形態において、コントローラカバーは、ねじにより荷台に固定されてもよい。
【0034】
上記の構成では、コントローラカバーが荷台から離れることが抑制される。
【0035】
1つ又はそれ以上の実施形態において、コントローラカバーは、通気口を有してもよい。
【0036】
上記の構成では、コントローラは、通気口から収容部に流入した空気により冷却される。
【0037】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、左柱部及び右柱部の少なくとも一方と荷台とを連結するフレキシブルチューブを備えてもよい。バッテリは、コントローラを介してモータに給電してもよい。バッテリ装着部とコントローラとを接続するバッテリケーブルの少なくとも一部は、フレキシブルチューブの内部空間に配置されてもよい。
【0038】
上記の構成では、バッテリケーブルによるバッテリ装着部とコントローラとの接続が維持された状態で、ハンドルを折り畳むことができる。
【0039】
1つ又はそれ以上の実施形態において、モータは、駆動輪の内部に配置されるインホイールモータでもよい。
【0040】
上記の構成では、例えばモータの回転力を駆動輪に伝達するギヤ機構を省略することができる。
【0041】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、荷台と駆動輪とを連結するケーブル収容部材を備えてもよい。コントローラとモータとを接続するモータケーブルの少なくとも一部は、ケーブル収容部材の内部空間に配置されてもよい。
【0042】
上記の構成では、モータケーブルは、ケーブル収容部材により保護される。
【0043】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、バッテリからの給電により点灯する前照灯を備えてもよい。
【0044】
上記の構成では、使用者は、暗い場所で電動アシスト台車を使用することができる。
【0045】
1つ又はそれ以上の実施形態において、前照灯は、荷台の前面に配置されてもよい。
【0046】
上記の構成では、荷台の前方が前照灯により照明される。
【0047】
1つ又はそれ以上の実施形態において、電動アシスト台車は、バッテリからの給電により点灯する尾灯を備えてもよい。
【0048】
上記の構成では、電動アシスト台車の後方から電動アシスト台車の位置を視認し易くなる。
【0049】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0050】
実施形態においては、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動アシスト台車1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0051】
[電動アシスト台車の概要]
図1は、実施形態に係る電動アシスト台車1を示す前方からの斜視図である。図2は、実施形態に係る電動アシスト台車1を示す後方からの斜視図である。図3は、実施形態に係る電動アシスト台車1を右側から見た図である。図4は、実施形態に係る電動アシスト台車1を左側から見た図である。図5は、実施形態に係る電動アシスト台車1を前側から見た図である。図6は、実施形態に係る電動アシスト台車1を後側から見た図である。図7は、実施形態に係る電動アシスト台車1を上側から見た図である。図8は、実施形態に係る電動アシスト台車1を下側から見た図である。図9は、実施形態に係る電動アシスト台車1を示す断面図である。
【0052】
電動アシスト台車1は、例えば工場において荷物を運搬するために使用される。電動アシスト台車1は、後述するモータ7が発生する回転力により、使用者が電動アシスト台車1を押す力をアシストする。なお、電動アシスト台車1は、使用者が押さなくてもモータ7が発生する回転力により走行してもよい。電動アシスト台車1は、モータ7の回転力を発生させて使用者を補助するアシスト走行を実施可能である。なお、電動アシスト台車1は、モータ7の回転力を発生させない非アシスト走行も実施可能である。使用者は、電動アシスト台車1を手押し台車として使用可能である。
【0053】
電動アシスト台車1は、荷台2と、ハンドル3と、背板4と、駆動輪5及び自在輪6を含む少なくとも3つの車輪と、モータ7と、駐車ブレーキペダル8と、前照灯9と、尾灯10と、バッテリケース11と、傾斜メータユニット12と、操作装置13と、コントローラ14とを備える。
【0054】
荷台2は、荷物を下方から支持する。荷物は、荷台2の上面に載置される。荷台2は、実施的に板状である。荷台2の外形は、実質的に長方形状である。荷台2の上面の複数の位置のそれぞれにゴムパッド15が配置される。荷物がゴムパッド15に接触することにより、荷台2において荷物が前後左右に滑ることが抑制される。また、荷台2の上面には、後述するテーブル60の脚部61が挿入される複数の凹部16が設けられる。また、荷台2の左部、右部、及び前部のそれぞれには、使用者が手を挿入可能なハンドル開口17が設けられる。使用者は、ハンドル開口17に手を挿入して、電動アシスト台車1を持ち運びすることができる。
【0055】
ハンドル3は、連結機構18を介して荷台2の後部に連結される。ハンドル3は、荷台2の後部の左部から上方に延びる左柱部3Aと、荷台2の後部の右部から上方に延びる右柱部3Bと、左柱部3A及び右柱部3Bよりも上方において左右方向に延びるグリップ部3Cと、左柱部3Aの上端部とグリップ部3Cの左端部とを連結する左連結部3Dと、右柱部3Bの上端部とグリップ部3Cの右端部とを連結する右連結部3Eとを有する。グリップ部3Cは、左柱部3A及び右柱部3Bよりも上方且つ後方に配置される。グリップ部3Cは、使用者に握られる。使用者は、ハンドル3を握った状態で電動アシスト台車1が移動するように電動アシスト台車1に駆動力を付与する。左連結部3D及び右連結部3Eのそれぞれは、上方に向かって後方に傾斜する。
【0056】
図1及び図2に示すように、ハンドル3にベル80が取り付けられる。実施形態において、ベル80は、操作装置13よりも左側のグリップ部3Cに取り付けられる。なお、ベル80は、操作装置13よりも右側のグリップ部3Cに取り付けられてもよいし、左連結部3D、右連結部3E、左柱部3A、及び右柱部3Bの少なくとも一つに取り付けられてもよい。使用者は、ベル80を鳴らすことにより、電動アシスト台車1の周囲の第三者に、電動アシスト台車1の存在を知らせることができる。なお、便宜上、ベル80は、図1及び図2のみに図示してある。
【0057】
連結機構18は、ハンドル3の下端部を荷台2に対して回動可能に支持する。ハンドル3は、使用状態と折り畳み状態とに変化するように回動する。使用状態は、左柱部3A及び右柱部3Bのそれぞれが荷台2から上方に延びるように配置された状態である。折り畳み状態は、グリップ部3Cが荷台2の上面に接近するように回動された状態である。連結機構18は、ハンドル3が使用状態においてハンドル3をロックして回動不可能にする。連結機構18は、折り畳みバー19を有する。使用者により折り畳みバー19が下方に移動されることにより、ハンドル3のロックが解除され、ハンドル3が使用状態から折り畳み状態に変化するように回動することができる。
【0058】
背板4は、荷台2に載置された荷物を後方から支持可能である。背板4は、左柱部3Aと右柱部3Bとの間に配置される。背板4の左端部は、左柱部3Aに固定される。背板4の右端部は、右柱部3Bに固定される。背板4は、前板4Aと後板4Bとを含む。左柱部3Aが前板4Aの左端部と後板4Bの左端部とに前後方向から挟まれた状態で、前板4Aの左端部と後板4Bの左端部とが左柱部3Aを介して複数の左ねじ4Lにより固定される。右柱部3Bが前板4Aの右端部と後板4Bの右端部とに前後方向から挟まれた状態で、前板4Aの右端部と後板4Bの右端部とが右柱部3Bを介して複数の右ねじRにより固定される。また、前板4Aの中央部と後板4Bの中央部とが複数の中ねじ4Mにより固定される。これにより、背板4の左端部が左柱部3Aに固定され、背板4の右端部が右柱部3Bに固定される。
【0059】
駆動輪5及び自在輪6のそれぞれは、荷台2を下方から支持する。駆動輪5は、荷台2の後部に配置される。駆動輪5は、左右方向に間隔をあけて2つ設けられる。駆動輪5は、モータ7が発生する回転力により回転する。自在輪6は、駆動輪5よりも前方に配置される。自在輪6は、左右方向に間隔をあけて2つ設けられる。
【0060】
実施形態において、駆動輪5は、電動アシスト台車1の後輪であり、自在輪6は、電動アシスト台車1の前輪である。駆動輪5は、固定輪であり、駆動輪5の回転軸の向きは、荷台2に対して一定である。自在輪6の回転軸の向きは、荷台2に対して動くことができる。すなわち、駆動輪5のタイヤは、常に前後方向に延び、自在輪6のタイヤは、前後又は左右に回動可能である。
【0061】
モータ7は、電動モータである。モータ7は、駆動輪5を回転させる。駆動輪5は、モータ7が発生する回転力により回転する。
【0062】
図11は、実施形態に係る駆動輪5を示す前方からの斜視図である。図12は、実施形態に係る駆動輪5を示す断面図であり、図11のA-A線断面矢視図に相当する。図13は、実施形態に係る駆動輪5を示す断面図であり、図11のB-B線断面矢視図に相当する。
【0063】
実施形態において、モータ7は、駆動輪5の内部に配置される。モータ7は、所謂、インホイールモータである。モータ7は、シャフト20の周囲に配置されるステータ21と、ステータ21の周囲に配置されるロータ22と、ハウジング23とを有する。図1及び図2に示すように、シャフト20は、荷台2の下面に固定されたブラケット24に支持される。ステータ21は、シャフト20に固定される。ステータ21は、複数のティース21Tを有する。複数のティース21Tのそれぞれにコイル(不図示)が巻かれる。ハウジング23は、ステータ21及びロータ22を収容する。ハウジング23は、左ハウジング23Lと、右ハウジング23Rとを含む。左右方向において、ロータ22は、左ハウジング23Lと右ハウジング23Rとの間に配置される。左ハウジング23Lと右ハウジング23Rとは、複数のねじ25により固定される。ハウジング23は、ベアリング26を介してシャフト20に回転可能に支持される。駆動輪5は、ハウジング23に固定される。
【0064】
駐車ブレーキペダル8は、駆動輪5をロックするために操作される。使用者は、足でブレーキペダル8を踏んで下方に移動させることができる。駐車ブレーキペダル8が下方に移動されることにより、駐車ブレーキピン8Pが駆動輪5のタイヤに接触することで、駆動輪5がロックされ、駆動輪5が回転不可能になる。駐車ブレーキペダル8が上方に移動されることにより、駆動輪5のロックが解除され、駆動輪5が回転可能になる。
【0065】
前照灯9は、荷台2の前面の左側に配置される。前照灯9は、荷台2の前方を照明する。前照灯9は、白色光を出力する。前照灯9により、使用者は、薄暗い倉庫等でも電動アシスト台車1を円滑に使用することができる。
【0066】
尾灯10は、背板4の後板4Bの左側に配置される。尾灯10は、赤色光を出力する。
【0067】
バッテリケース11は、バッテリ装着部27及びバッテリ装着部27に装着されたバッテリ28を収容する。バッテリケース11は、荷台2よりも上方に配置される。バッテリケース11は、左柱部3Aと右柱部3Bとの間に配置される。バッテリケース11は、背板4の後面に固定される。バッテリケース11は、後板4Bに一体的に形成されるケース本体11Aと、ケース本体11Aの上部に設けられた開口を開閉するケースカバー11Bとを有する。ケースカバー11Bは、ヒンジ11Cを介してケース本体11Aに回動可能に支持される。ヒンジ11Cは、ケース本体11Aの後部とケースカバー11Bの後部とを連結する。ケースカバー11Bが後方に回動することにより、ケース本体11Aの開口が開放される。
【0068】
バッテリ装着部27は、ケース本体11Aの内面に配置される。バッテリ装着部27は、ケース本体11Aの内側において後方を向くように配置される。バッテリ装着部27は、ケース本体11Aとは別体である。バッテリ装着部27は、ケース本体11Aに固定される。
【0069】
バッテリ28は、電動工具用のバッテリである。バッテリ28は、電動工具の電源としても使用可能である。電動工具として、インパクトドライバ、インパクトレンチ、ドライバドリル、アングルドリル、ハンマドリル、マルノコ、又はライトが例示される。バッテリ28は、バッテリ装着部27に装着された状態で、少なくともモータ7に給電する。バッテリ28は、バッテリ装着部27に装着された状態で、電動アシスト台車1に搭載されている電気機器又は電子機器に給電する。バッテリ28から給電される電気機器又は電子機器は、前照灯9及び尾灯10を含む。バッテリ28は、リチウムイオンバッテリを含む。バッテリ28は、充電可能な充電式バッテリである。バッテリ装着部27は、電動工具のバッテリ装着部と同等の構造を有する。バッテリ28は、バッテリ装着部27に着脱可能である。バッテリ28は、外部の充電器により充電される。
【0070】
電動アシスト台車1の使用者は、バッテリ装着部27にバッテリ28を装着する作業及びバッテリ装着部27からバッテリ28を外す作業を実施することができる。バッテリ装着部27は、バッテリ28を上下方向にガイドするガイド部材と、バッテリ28に設けられているバッテリ端子に接続される本体端子とを有する。使用者は、ケース本体11Aの開口を介してバッテリ装着部27の上方からバッテリ28をバッテリ装着部27に挿入することにより、バッテリ28をバッテリ装着部27に装着することができる。バッテリ28は、ガイド部材にガイドされながらバッテリ装着部27に挿入される。バッテリ28がバッテリ装着部27に装着されることにより、バッテリ28のバッテリ端子とバッテリ装着部27の本体端子とが電気的に接続される。電動アシスト台車1の使用者は、バッテリ28を上方に移動することにより、バッテリ装着部27からバッテリ28を外すことができる。
【0071】
図10は、実施形態に係るケース本体11Aを示す斜視図である。図10に示すように、ケース本体11Aの底面に一対のリーフスプリング11Hが配置される。リーフスプリング11Hの一部は、ねじ11Jにより本体11Aの底面に固定される。リーフスプリング11Hは、バッテリ装着部27に装着されたバッテリ28が上方に移動するように弾性力を発生する。バッテリ装着部27からバッテリ28を外すためにバッテリ28に設けられたフックが解除されると、リーフスプリング11Hの弾性力によりバッテリ28が上方に移動する。これにより、使用者は、バッテリ28を外し易くなる。
【0072】
傾斜メータユニット12は、水平面に対する荷台2の前後方向の傾斜角度を計測する傾斜メータ38を有する。実施形態において、傾斜メータ38は、所謂、気泡管(気泡水準器)である。
【0073】
操作装置13は、グリップ部3Cに設けられる。操作装置13は、モータ7を起動するために操作される。操作装置13は、モータ7の回転速度を調整するために操作される。操作装置13は、前照灯9及び尾灯10を起動するために操作させる。
【0074】
コントローラ14は、少なくともモータ7を制御する。コントローラ14は、前照灯9及び尾灯10を制御する。前照灯9及び尾灯10の制御は、点灯制御及び消灯制御を含む。コントローラ14は、回路基板14Aと、回路基板14Aに搭載される複数の電子部品14Bとを有する。回路基板14Cは、コントローラケース14Cに収容される。電子部品14Bとして、マイクロコンピュータ14B1、ROM14B2、RAM14B3、及びスイッチング素子14B4が例示される。スイッチング素子14B4として、MOSFETが例示される。コントローラ14は、荷台2に配置される。実施形態において、コントローラ14は、荷台2に設けられた収容部29に配置される。収容部29は、荷台2の下面から上方に窪むように設けられる。コントローラ14が収容部29に配置された状態で、収容部29の下部に設けられた開口が、コントローラカバー30により塞がれる。コントローラカバー30は、4本のねじ31により荷台2に固定される。コントローラカバー30に通気口32が設けられる。通気口32を介してコントローラ14に空気が供給される。コントローラ14は、通気口32から供給される空気により冷却される。
【0075】
バッテリ28は、コントローラ14を介してモータ7に給電する。バッテリ装着部27とコントローラ14とは、給電ケーブルであるバッテリケーブル33Aを介して接続される。コントローラ14とモータ7とは、給電ケーブルであるモータケーブル33Bを介して接続される。バッテリ28から出力された電流は、バッテリケーブル33A、コントローラ14、及びモータケーブル33Bを介してモータ7に供給される。
【0076】
背板4の前板4Aと後板4Bとの間に内部空間が設けられる。ハンドル3は、パイプ状である。右柱部3Bと荷台2とを連結するように可撓性のフレキシブルチューブ34が配置される。フレキシブルチューブ34としてゴムチューブが例示される。フレキシブルチューブ34の一端部は、接続部材35を介して右柱部3Bに接続される。図6に示すように、バッテリケーブル33Aは、背板4の内部空間、右柱部3Bの内部空間、及びフレキシブルチューブ34の内部空間に配置される。フレキシブルチューブ34により、ハンドル3が使用状態と折り畳み状態とに変化することができる。
【0077】
荷台2と駆動輪5とを連結するようにケーブル収容部材36が配置される。モータケーブル33Bの少なくとも一部は、ケーブル収容部材36の内部空間に配置される。図11及び図12に示すように、モータケーブル33Bの少なくとも一部は、シャフト20に支持される。
【0078】
コントローラ14と前照灯9とは、給電ケーブルである第1ライトケーブル33Cを介して接続される。第1ライトケーブル33Cの少なくとも一部は、荷台2に支持される。図8に示すように、荷台2にパイプ状のケーブルホルダ70が設けられる。前照灯9は、荷台2に設けられた収容部73(図5参照)に配置される。収容部73は、荷台2の下面から上方に窪むように設けられる。前照灯9が収容部73に配置された状態で、収容部73の下部に設けられた開口が、前照灯カバー71により塞がれる。前照灯カバー71は、2本のねじ72により荷台2に固定される。ケーブルホルダ70は、コントローラ14が収容される収容部29と前照灯9が収容される収容部73とを繋ぐように配置される。第1ライトケーブル33Cは、ケーブルホルダ70の内部に配置される。バッテリ28から出力された電流は、バッテリケーブル33A、コントローラ14、及び第1ライトケーブル33Cを介して前照灯9に供給される。前照灯9は、バッテリ28からの給電により点灯する。
【0079】
コントローラ14と尾灯10とは、給電ケーブルである第2ライトケーブル33Dを介して接続される。第2ライトケーブル33Dの少なくとも一部は、荷台2に支持される。図6に示すように、第2ライトケーブル33Dの少なくとも一部は、左柱部3Aの内部空間、及び背板4の内部空間に配置される。バッテリ28から出力された電流は、バッテリケーブル33A、コントローラ14、及び第2ライトケーブル33Dを介して尾灯10に供給される。尾灯10は、バッテリ28からの給電により点灯する。
【0080】
操作装置13とコントローラ14とは、信号ケーブル33Eを介して接続される。操作装置13が操作されることにより生成された操作信号は、信号ケーブル33Eを介してコントローラ14に供給される。信号ケーブル33Eは、グリップ部3Cの内部空間、右連結部3Eの内部空間、右柱部3Bの内部空間、及びフレキシブルチューブ34の内部空間に配置される。
【0081】
[バッテリケース]
図14は、実施形態に係るバッテリケース11を示す後方からの斜視図である。図15は、実施形態に係るバッテリケース11を示す断面図である。図16は、実施形態に係るバッテリケース11を上側から見た図である。図17は、実施形態に係るバッテリケース11の一部を示す断面図であり、図16のC-C線断面矢視図に相当する。図18は、実施形態に係るバッテリケース11の一部を示す断面図であり、図16のD-D線断面矢視図に相当する。図19は、実施形態に係るバッテリケース11を示す分解斜視図である。
【0082】
バッテリケース11は、ケース本体11Aと、ケース本体11Aの上部に設けられた開口を開閉するケースカバー11Bとを有する。ケース本体11Aの後部とケースカバー11Bの後部とは、ヒンジ11Cを介して連結される。ヒンジ11Cにトーションスプリング11Dが配置される。トーションスプリング11Dは、ケースカバー11Bが閉鎖されるように弾性力を発生する。トーションスプリング11Dにより、ケースカバー11Bの閉め忘れに起因して、バッテリケース11の内部に雨水や塵埃が侵入することが抑制される。ケースカバー11Bの前部とケース本体11Aの前部の上部との境界にシール部材11Sが設けられる。ケースカバー11Bの後部とケース本体11Aの後部との境界にシール部材11Tが設けられる。
【0083】
バッテリケース11は、ケースカバー11Bが閉鎖された状態でケース本体11Aとケースカバー11Bとをロックするロック部材37を有する。ロック部材37は、シャフト部37Aと、フック部37Bと、ダイヤル部37Cとを有する。シャフト部37Aは、ケースカバー11Bに回転可能に支持される。フック部37Bは、シャフト部37Aの下端部に設けられる。ダイヤル部37Cは、ケースカバー11Bの上面の前部に配置される。ケース本体11Aの開口がケースカバー11Bに閉鎖された状態でダイヤル部37Cが一方向に回動されることにより、フック部37Bがケース本体11Aの内部に設けられた凹部11Eに入り込み、ケース本体11Aとケースカバー11Bとがロックされる。ダイヤル部37Cが他方向に回動されることにより、フック部37Bが凹部11Eから抜去され、ケース本体11Aとケースカバー11Bとのロックが解除される。
【0084】
実施形態において、バッテリケース11は、南京錠ホール11Gを有する。南京錠ホール11Gに南京錠が掛けられることにより、ケースカバー11Bが開放されなくなる。これにより、バッテリ28の盗難が防止される。
【0085】
[傾斜メータユニット]
傾斜メータユニット12は、ケースカバー11Bの上面に配置される。傾斜メータユニット12は、傾斜メータ38と、メータケース39と、コイルスプリング40と、ねじ41と、ラベル42とを有する。
【0086】
傾斜メータ38は、所謂、気泡管(気泡水準器)である。以下の説明において、傾斜メータ38を適宜、気泡管38、と称する。
【0087】
気泡管38に液体と所定の大きさの気泡38Aとが封入される。液体として、アルコール又はエーテルが例示される。気泡管38は、気泡管38の長手方向と前後方向とが一致するように配置される。すなわち、気泡管38は、前後方向に延びるように配置される。気泡管38は、前後方向に長い。実施形態において、気泡管38は、湾曲する。気泡管38は、前後方向において気泡管38の中央部が気泡管38の両端部よりも上方に配置されるように湾曲する。
【0088】
メータケース39は、気泡管38を収容する。メータケース39は、気泡管38が収容される収容空間39Aと、気泡管38の上面が配置される開口39Bとを有する。気泡管38は、例えば接着剤によりメータケース39に固定される。気泡管38は、メータケース39を介してケースカバー11Bに支持される。メータケース39は、ケースカバー11Bの上面に設けられた凹部11Fに配置される。
【0089】
コイルスプリング40及びねじ41は、ケースカバー11Bに対するメータケース39の前後方向の傾斜角度を調整する角度調整機構として機能する。
【0090】
コイルスプリング40は、メータケース39とケースカバー11Bとの間に配置される。コイルスプリング40は、前後方向に2つ配置される。コイルスプリング40は、メータケース39の下面に設けられた凹部39Cに配置される。凹部39Cは、メータケース39の下面から上方に窪むように形成される。コイルスプリング40の上端部は、メータケース39に接触する。コイルスプリング40の下端部は、ケースカバー11Bに接触する。コイルスプリング40は、ケースカバー11Bに対してメータケース39を上方に付勢する弾性部材である。メータケース39の下面は、ケースカバー11Bに接触してもよいし、ケースカバー11Bから離れていてもよい。
【0091】
ねじ41は、メータケース39とケースカバー11Bとを固定する。ねじ41は、メータケース39の前部及び後部のそれぞれと前記ケースカバーとを結合するように2つに配置される。2つのねじ41のそれぞれの締め込み量が調整されることにより、前後方向におけるメータケース39の傾斜角度が調整される。メータケース39の傾斜角度が調整されることにより、前後方向における気泡管38の傾斜角度が調整される。
【0092】
電動アシスト台車1が水平面に平行な床面に配置された状態で、気泡38Aが気泡管38の長手方向の中央部に配置されるように、ねじ41の締め込み量が調整される。すなわち、2つの駆動輪5及び2つの自在輪6のそれぞれの接地面が水平面に平行な床面に接触した状態で、気泡38Aが気泡管38の長手方向の中央部に配置されるように、ねじ41の締め込み量が調整される。
【0093】
ラベル42は、水平面に対する電動アシスト台車1の傾斜角度を表示する。傾斜角度が0度であることは、電動アシスト台車1が水平面に平行な床面に配置されていることを意味する。実施形態において、電動アシスト台車1が水平面に平行な床面に配置されている状態は、荷台2の上面が水平面に平行な状態であることを意味する。傾斜角度が正値であることは、電動アシスト台車1が前方に傾斜していることを意味する。傾斜角度が負値であることは、電動アシスト台車1が後方に傾斜していることを意味する。実施形態においては、電動アシスト台車1の傾斜角度に係る許容値が予め定められている。一例として、水平面に対する電動アシスト台車1の傾斜角度に係る許容値は、±5度である。傾斜角度が+5度とは、電動アシスト台車1が水平面に対して前方に5度傾斜することを意味する。傾斜角度が-5度とは、電動アシスト台車1が水平面に対して後方に5度傾斜することを意味する。ラベル42は、電動アシスト台車1の傾斜角度が許容値であることを示す第1インジケータ部42Aと、許容値でないことを示す第2インジケータ部42Bとを含む。第2インジケータ部42Bは、第1インジケータ部42Aの前方及び後方のそれぞれに配置される。第1インジケータ部42Aは、例えば緑色である。第2インジケータ部42Bは、例えば黄色である。
【0094】
気泡管38が直線状である場合、電動アシスト台車1が僅かに傾斜しても(例えば傾斜角度が1度でも)、気泡38Aが気泡管38の端部まで移動してしまい、使用者は、気泡38Aを視認できなくなる。すなわち、気泡管38が直線状である場合、傾斜メータ38の感度が良すぎで、傾斜角度が5度まで表示することが困難となる。実施形態においては、気泡管38が上方に膨らむ湾曲状である。そのため、電動アシスト台車1が僅かに傾斜した場合(例えば傾斜角度が1度である場合)には、気泡38Aが気泡管38の端部までは移動しない。気泡38Aは、第1インジケータ部42Aの範囲に留まる。そのため、使用者は、気泡38Aを視認することができる。気泡管38は、上方に膨らむ湾曲状なので、±5度の許容値を表示することができる。
【0095】
[操作装置]
図20は、実施形態に係る操作装置13を示す後方からの斜視図である。図21は、実施形態に係る操作装置13を上側から見た図である。図22は、実施形態に係る操作装置13を示す分解斜視図である。図23は、実施形態に係る操作装置13を示す斜視断面図である。
【0096】
操作装置13は、グリップ部3Cに装着される。操作装置13は、ケース43と、パネル44と、ブレーキボタン45と、変速レバー46と、回路基板47とを有する。
【0097】
ケース43は、少なくとも回路基板47を収容する。ケース43は、上ケース43Aと、下ケース43Bとを含む。上ケース43Aの一部と下ケース43Bの一部とがグリップ部3Cを上下方向から挟むように配置される。
【0098】
ケース43は、グリップ部3Cの周囲に配置される連結部43Cと、連結部43Cよりも前方に配置されるボックス部43Dとを有する。連結部43Cは、円筒状である。連結部43Cは、グリップ部3Cに固定される。ボックス部43Dは、グリップ部3Cよりも前方に配置される。ボックス部43Dは、少なくとも回路基板47を収容する。
【0099】
パネル44は、ボックス部43Dの上面の前部に配置される。パネル44は、電源ボタン48と、ライトボタン49と、表示部50とを有する。電源ボタン48は、ライトボタン49よりも右側に配置される。表示部50は、電源ボタン48とライトボタン49との間に配置される。
【0100】
ブレーキボタン45は、ボックス部43Dの上面の後部に配置される。
【0101】
変速レバー46は、ボックス部43Dに回動可能に支持される。
【0102】
回路基板47は、電源ボタン48の直下に配置される第1スイッチ51と、ライトボタン49の直下に配置される第2スイッチ52と、表示部50の直下に配置されるLEDチップ53とを有する。電源ボタン48が押されることにより、第1スイッチ51が作動する。ライトボタン49が押されることにより、第2スイッチ52が作動する。表示部50は、3つの透過部を含む。LEDチップ53が点灯することにより、LEDチップ53から射出された光が表示部50を介してボックス部43Dの上方に射出される。回路基板47の周縁部に4つのねじ用開口47Bが設けられる。下ケース43Bに4つのねじボス43Eが設けられる。ねじ用開口47Bに挿入されたねじ(不図示)が、ねじボス43Eに設けられたねじ孔に結合される。回路基板47は、4本のねじ(不図示)で下ケース43Bに固定される。
【0103】
電源ボタン48、ライトボタン49、ブレーキボタン45、及び変速レバー46の少なくとも一つが操作されることにより、回路基板47の出力端子47Aから操作信号が出力される。出力端子47Aは、上述の信号ケーブル33Eに接続される。回路基板47から出力された操作信号は、信号ケーブル33Eを介してコントローラ14に送信される。
【0104】
コントローラ14及びモータ7が停止している状態で、電源ボタン48が押されることにより、コントローラ14及びモータ7が起動する。コントローラ14及びモータ7が起動している状態で、電源ボタン48が押されることにより、コントローラ14及びモータ7が停止する。
【0105】
前照灯9及び尾灯10が消灯している状態で、ライトボタン49が押されることにより、前照灯9及び尾灯10が点灯する。前照灯9及び尾灯10が点灯している状態で、ライトボタン49が押されることにより、前照灯9及び尾灯10が消灯する。
【0106】
表示部50は、バッテリの残容量を表示する。表示部50は、3つの透過部を有する。3つの透過部のそれぞれの直下に、LEDチップ53が配置される。バッテリ28の残容量が多いほど、点灯するLEDチップ53の数が多くなり、バッテリ28の残容量が少ないほど、点灯するLEDチップ53の数が少なくなる。
【0107】
変速レバー46は、モータ7の回転速度を調整するために操作される。変速レバー46は、ケース43に支持される。変速レバー46は、ボックス部43Dの左面から左方に突出する左操作部46Lと、ボックス部43Dの右面から右方に突出する右操作部46Rとを含む。左操作部46Lと右操作部46Rとは、ボックス部43Dの内部において連結される。変速レバー46は、左操作部46Lと右操作部46Rとを繋ぐシャフト部46Sを有する。シャフト部46Sは、ボックス部43Dに回動可能に支持される。左操作部46Lは、シャフト部46Sの左部から前方に突出するように配置される。右操作部46Rは、シャフト部46Sの右部から前方に突出するように配置される。
【0108】
左操作部46Lの前端部及び右操作部46Rの前端部の少なくとも一方が初期位置から下方に押されることにより、シャフト部46Sが回動する。左操作部46Lの前端部及び右操作部46Rの前端部の下方への移動量が大きいほど、シャフト部46Sの回動量が大きい。ボックス部43Dの内部には、シャフト部46Sの回動量に応じて抵抗値が変化する可変抵抗器46Tが配置される。回路基板47は、可変抵抗器46Tの抵抗値に基づいて、シャフト部46Sの回動量を検出する。実施形態において、シャフト部46Sと可変抵抗器46Tとの間にギヤ46Gが配置される。シャフト部46Sの回転は、ギヤ46Gを介して可変抵抗器46Tに伝達される。ギヤ46Gは、シャフト部46Gの回転を減速させる。回路基板47は、ギヤ46Gを介して伝達されるシャフト部46Sの回動量に基づいて、モータ7の回転速度を調整するための操作信号を出力する。変速レバー46の初期位置からのシャフト部46Sの回動量が大きいほど、回路基板47は、モータ7の回転速度が高くなるように操作信号を出力する。すなわち、左操作部46Lの前端部及び右操作部46Rの前端部の下方への移動量が大きいほど、回路基板47は、電動アシスト台車1が高速で移動するように、操作信号を出力する。モータ7の回転速度、すなわち、電動アシスト台車1の移動速度は、変速レバー46の操作量に基づいて変化する。左操作部46Lの前端部及び右操作部46Rの前端部の下方への移動量が小さいほど、モータ7の回転速度は低くなり、左操作部46Lの前端部及び右操作部46Rの前端部の下方への移動量が小さいほど、モータ7の回転速度は大きくなる。
【0109】
実施形態において、左操作部46Lと右操作部46Rとシャフト部46Sとは、一体(単一部材)である。左操作部46Lと右操作部46Rとは、一緒に回動する。左操作部46Lが押されることにより、左操作部46Lと一緒に右操作部46Rが回動する。右操作部46Rが押されることにより、右操作部46Rと一緒に左操作部46Lが回動する。
【0110】
実施形態において、シャフト部46Sにトーションスプリング54が装着される。トーションスプリング54は、左操作部46Lの前端部及び右操作部46Rの前端部が上方へ移動するように弾性力を発生する。変速レバー46の操作が解除されることにより、トーションスプリング54の弾性力により、変速レバー46が初期位置に戻る。
【0111】
ブレーキボタン45は、電動アシスト台車1の走行速度を低下させるために操作される。ブレーキボタン45が押されることにより、駆動輪5の回転に抵抗力を与えるようにモータ7が作動する。すなわち、ブレーキボタン45は、駆動輪5の回転に抵抗力を付与するために操作され、ブレーキボタン45が押されることにより、モータ7が電気ブレーキとして機能する。ブレーキボタン45が押されている期間だけモータ7による電気ブレーキが作動する。例えば荷台2に重い荷物が積載された状態で電動アシスト台車1が下り坂を走行するとき、ブレーキボタン45が押されることにより、ブレーキボタン45が押されている期間だけ電気ブレーキがかかるので、使用者は、電動アシスト台車1を軽い力で引きながら下り坂を下ることができる。
【0112】
図23に示すように、回路基板47の下面に第3スイッチ58が配置される。また、ケース43の内側にカム部材59及びコイルスプリング74が配置される。コイルスプリング74は、上ケース43Aの天井面から下方に突出する凸部43Fの周囲に配置される。カム部材59は、ブレーキボタン45の直下に配置される第1当接部59Aと、第3スイッチ58の直下に配置される第2当接部59Bと、コイルスプリング74の直下に配置される第3当接部53Cと、ケース43の少なくとも一部に回動可能に支持される回動シャフト部59Dとを有する。第1当接部59Aは、回動シャフト部59Dよりも後方に配置される。第2当接部59B及び第3当接部59Cのそれぞれは、回動シャフト部59Dよりも前方に配置される。コイルスプリング74の下端部は、第3当接部59Cの上面に接触する。コイルスプリング74は、第3当接部59Cが下方に移動するように弾性力を発生する。ブレーキボタン45が押されることにより、第1当接部59Aが下方に移動する。第1当接部59Aが下方に移動すると、回動シャフト部59Dが回動し、第2当接部59B及び第3当接部59Cのそれぞれが上方に移動する。第2当接部59Bが上方に移動することにより、第3スイッチ58が第2当接部59Bにより上方に押され、第3スイッチ58が作動する。第3スイッチ58が作動することにより、モータ7が電気ブレーキとして機能するように、回路基板47の出力端子47Aから操作信号が出力される。ブレーキボタン45の操作が解除されることにより、コイルスプリング74の弾性力により、第3当接部59Cが下方に移動する。第3当接部59Cが下方に移動すると、回動シャフト部59Dが回動し、第2当接部59Bが下方に移動し、第1当接部59Aが上方に移動する。第2当接部59Bが下方に移動することにより、第3スイッチ58の操作が解除され、モータ7を電気ブレーキとして機能させる操作信号の出力が停止される。第1当接部59Aが上方に移動することにより、ブレーキボタン45が初期位置に戻される。
【0113】
[諸元]
上述のように、モータ7により回転する駆動輪5は、後輪である。自在輪6は、前輪である。すなわち、電動アシスト台車1は、後輪駆動前進操舵方式である。電動アシスト台車1は、手押し台車と同様の操作性を有する。
【0114】
電動アシスト台車1は、モータ7の回転力を発生させるアシスト走行と、モータ7の回転力を発生させない非アシスト走行とを実施可能である。すなわち、使用者は、電動アシスト台車1を手押し台車として使用可能である。なお、モータ7は、電動アシスト台車1が前進するときに使用者をアシストし、電動アシスト台車1が後進するときには使用者をアシストしない。
【0115】
実施形態において、バッテリ28の定格電圧は、18[V]である。
【0116】
モータ7によるアシスト走行が可能な距離は、10[km]である。
【0117】
アシスト走行における電動アシスト台車1の最大積載量は、60[kg]である。なお、モータ7が駆動されない非アシスト走行における電動アシスト台車1の最大積載量は、150[kg]である。
【0118】
電動アシスト台車1の最大登坂能力は、5[°]である。
【0119】
コントローラ14は、電動アシスト台車1の走行速度を0[km/h]以上5[km/h]以下の範囲で調整可能である。
【0120】
荷台2の前後方向の寸法は、750[mm]であり、荷台2の左右方向の寸法は、480[mm]である。使用状態における電動アシスト台車1の前後方向の寸法は、842[mm]であり、使用状態における電動アシスト台車1の前後方向の寸法は、480[mm]であり、使用状態における電動アシスト台車1の上下方向の寸法は、925[mm]である。
【0121】
バッテリ28が装着された状態で、電動アシスト台車1の質量は、16.4[kg]である。
【0122】
上述の諸元の数値は全て±10%の範囲において変更することができる。また、上述の諸元の数値は全て±20%の範囲において変更することもできる。また、上述の諸元の数値は、任意の値に変更することができる。
【0123】
[折り畳み状態]
図24は、実施形態に係る連結機構18を示す斜視図である。図24は、左柱部3Aと荷台2とを連結する連結機構18を示す。連結機構18は、左柱部3Aの下端部を荷台2に対して回動可能に支持する。上述のように、ハンドル3は、使用状態と折り畳み状態とに変化するように回動する。使用状態は、左柱部3A及び右柱部3Bのそれぞれが荷台2から上方に延びるように配置された状態である。折り畳み状態は、グリップ部3Cが荷台2の上面に接近するように回動された状態である。連結機構18は、左柱部3Aの左側に配置される左プレート部18Aと、左柱部3Aの右側に配置される右プレート部18Bと、左プレート部18Aの下端部と右プレート部18Bの下端部とを繋ぐ下プレート部18Cと、左プレート部18A及び右プレート部18Bのそれぞれに支持される回動シャフト18Dとを有する。下プレート部18Cは、荷台2に固定される。連結機構18は、ハンドル3が使用状態においてハンドル3をロックして回動不可能にする。連結機構18は、折り畳みバー19を有する。使用者により折り畳みバー19が下方に移動されることにより、ハンドル3のロックが解除され、ハンドル3が使用状態から折り畳み状態に変化するように回動することができる。
【0124】
左プレート部18Aの右面に凸部18Eが設けられる。凸部18Eは、左プレート部18Aの右面から右方に突出する。ハンドル3が使用状態から折り畳み状態に変化するように回動した場合、左柱部3Aの下端部が凸部18Eに接触する。ハンドル3が使用状態から折り畳み状態に変化するように回動した場合、左柱部3Aの下端部が凸部18Eから抵抗を受けるので、ハンドル3が勢い良く倒れてしまうことが抑制される。また、凸部18Eにより、折り畳み状態のハンドル3が不必要に起き上がってしまうことが抑制される。
【0125】
図25は、実施形態に係る折り畳まれた状態の電動アシスト台車1を示す前方からの斜視図である。図26は、実施形態に係る折り畳まれた状態の電動アシスト台車1を示す後方からの斜視図である。図27は、実施形態に係る折り畳まれた状態の電動アシスト台車1を右側から見た図である。
【0126】
使用状態において、ボックス部43D及び変速レバー46は、グリップ部3Cよりも前方に配置される。そのため、折り畳み状態において、ボックス部43D及び変速レバー46は、グリップ部3Cよりも下方に配置される。折り畳み状態において、ボックス部43D及び変速レバー46がグリップ部3Cよりも上方に配置されないので、電動アシスト台車1の周囲の物体とボックス部43D及び変速レバー46との接触が抑制される。また、使用状態において、グリップ部3Cは、左柱部3A及び右柱部3Bよりも後方に配置される。そのため、折り畳み状態において、左柱部3A及び右柱部3Bと荷台2とが接触しても、ボックス部43D及び変速レバー46と荷台2との接触が抑制される。
【0127】
図28は、実施形態に係る折り畳まれた状態の電動アシスト台車1が床面FLに立っている状態を示す図である。実施形態において、荷台2に脚部55が設けられる。図1及び図2に示すように、使用状態において、脚部55は、荷台2の下面の後部から下方に突出する。使用状態において、脚部55は、駆動輪5よりも後方に配置される。図28に示すように、使用者は、脚部55が床面FLに接触するように、電動アシスト台車1を床面FLに立てることができる。これにより、電動アシスト台車1の占有面積の増大が抑制された状態で、電動アシスト台車1が保管される。上述のように、モータ7が駆動輪5の内部に配置される。そのため、駆動輪5の重量は大きい。脚部55が無い場合、電動アシスト台車1が床面FLに立てられると、駆動輪5の重量に起因して、電動アシスト台車1が倒れてしまう可能性がある。実施形態においては、脚部55が設けられるので、電動アシスト台車1が倒れることが抑制される。
【0128】
[テーブル]
図29は、実施形態に係るテーブル60が装着された電動アシスト台車1を示す前方からの斜視図である。図30は、実施形態に係るテーブル60及び電動アシスト台車1を示す前方からの斜視図である。図31は、実施形態に係るテーブル60が装着された電動アシスト台車1を下側から見た図である。
【0129】
テーブル60は、4本の脚部61と、2つの棚部62とを有する。脚部61は、荷台2の凹部16に挿入される。図31に示すように、凹部16に挿入された脚部61は、ねじ56により荷台2に固定される。ねじ56は、荷台2の下面側から凹部16の内側に挿入され、脚部61の下端に設けられたねじ孔に挿入される。
【0130】
[効果]
実施形態において、電動アシスト台車1は、駆動輪5を含む少なくとも4つの車輪と、車輪に支持される荷台2と、荷台2の後部から上方に延びる左柱部3A及び右柱部3Bと、左柱部3A及び右柱部3Bよりも上方において左右方向に延びるグリップ部3Cと、を有するハンドル3と、駆動輪5を回転させるモータ7と、モータ7に給電する電動工具用のバッテリ28が装着されるバッテリ装着部27と、を備えてもよい。
【0131】
上記の構成では、モータ7に給電するバッテリ28がバッテリ装着部27に着脱されるので、例えばバッテリ28の残容量が無くなった場合、使用者は、別のバッテリ28をバッテリ装着部27に装着することにより、電動アシスト台車1の使用を継続することができる。また、電動工具用のバッテリ28は、バッテリ装着部27に簡単に着脱される。したがって、電動アシスト台車1の利便性の低下が抑制される。
【0132】
実施形態において、バッテリ装着部27は、荷台2よりも上方に配置されてもよい。
【0133】
上記の構成では、バッテリ装着部27が高い位置に配置されるので、使用者は、バッテリ28をバッテリ装着部27に円滑に着脱することができる。
【0134】
実施形態において、バッテリ装着部27は、左柱部3Aと右柱部3Bとの間に配置されてもよい。
【0135】
上記の構成では、バッテリ装着部27が左右方向において電動アシスト台車1の中央部に配置されるので、使用者は、バッテリ28をバッテリ装着部27に円滑に着脱することができる。
【0136】
実施形態において、電動アシスト台車1は、左柱部3Aと右柱部3Bとの間に配置される背板4を備えてもよい。バッテリ装着部27は、背板4の後部に設けられてもよい。
【0137】
上記の構成では、バッテリ装着部27が背板4の後部に配置されるので、使用者は、バッテリ28をバッテリ装着部27に円滑に着脱することができる。
【0138】
実施形態において、電動アシスト台車1は、バッテリ装着部27を収容するバッテリケース11を備えてもよい。バッテリケース11は、背板4の後面に固定されてもよい。
【0139】
上記の構成では、バッテリ装着部27及びバッテリ28がバッテリケース11により保護される。
【0140】
実施形態において、バッテリケース11は、背板4の後面に固定されるケース本体11Aと、ケース本体11Aの上部に設けられた開口を開閉するケースカバー11Bと、を有してもよい。バッテリ装着部27は、ケース本体11Aの内面に配置されてもよい。
【0141】
上記の構成では、使用者は、ケース本体11Aの上部に設けられた開口を介して、バッテリ28をバッテリ装着部27に円滑に着脱することができる。また、ケース本体11Aの上部に設けられた開口がケースカバー11Bにより閉鎖されることにより、バッテリ装着部27及びバッテリ28がバッテリケース11により保護される。
【0142】
実施形態において、バッテリ装着部27は、ケース本体11Aの内側において後方を向くように配置されてもよい。
【0143】
上記の構成では、使用者は、バッテリ28をバッテリ装着部27に円滑に着脱することができる。
【0144】
実施形態において、バッテリ装着部27は、バッテリ28を上下方向にガイドしてもよい。ケース本体11Aの開口を介してバッテリ装着部27の上方からバッテリ28がバッテリ装着部27に挿入されることにより、バッテリ28がバッテリ装着部27に装着されてもよい。
【0145】
上記の構成では、使用者は、バッテリ28をバッテリ装着部27に円滑に着脱することができる。
【0146】
実施形態において、電動アシスト台車1は、ケース本体11Aとケースカバー11Bとをロックするロック部材37を備えてもよい。
【0147】
上記の構成では、例えば電動アシスト台車1の使用中にケースカバー11Bが意図せずに開放されることが抑制される。
【0148】
実施形態において、ロック部材37は、ケースカバー11Bに回転可能に支持されるシャフト部37Aと、シャフト部37Aの下端部に設けられるフック部37Bと、ケースカバー11Bの上面に配置されるダイヤル部37Cと、を有してもよい。ケース本体11Aの開口がケースカバー11Bに閉鎖された状態で、ダイヤル部37Cが一方向に回動されることにより、フック部37Bがケース本体11Aの内部に設けられた凹部11Eに入り込んで、ケース本体11Aとケースカバー11Bとがロックされてもよい。
【0149】
上記の構成では、使用者は、ダイヤル部37Cを操作するだけで、ケース本体11Aとケースカバー11Bとを簡単にロックすることができる。
【0150】
実施形態において、電動アシスト台車1は、モータ7を制御するコントローラ14を備えてもよい。コントローラ14は、荷台2に設けられた収容部29に配置されてもよい。
【0151】
上記の構成では、コントローラ14は、荷台2により保護される。
【0152】
実施形態において、収容部29は、荷台2の下面から上方に窪むように設けられてもよい。電動アシスト台車1は、コントローラ14が収容部29に配置された状態で、収容部29の下部に設けられた開口を塞ぐコントローラカバー30を備えてもよい。
【0153】
上記の構成では、コントローラ14は、コントローラカバー30により保護される。
【0154】
実施形態において、コントローラカバー30は、ねじ31により荷台2に固定されてもよい。
【0155】
上記の構成では、コントローラカバー30が荷台2から離れることが抑制される。
【0156】
実施形態において、コントローラカバー30は、通気口32を有してもよい。
【0157】
上記の構成では、コントローラ14は、通気口32から収容部29に流入した空気により冷却される。
【0158】
実施形態において、電動アシスト台車1は、左柱部3A及び右柱部3Bの少なくとも一方と荷台2とを連結するフレキシブルチューブ34を備えてもよい。バッテリ28は、コントローラ14を介してモータ7に給電してもよい。バッテリ装着部27とコントローラ14とを接続するバッテリ28ケーブルの少なくとも一部は、フレキシブルチューブ34の内部空間に配置されてもよい。
【0159】
上記の構成では、バッテリケーブルによるバッテリ装着部27とコントローラ14との接続が維持された状態で、ハンドル3を折り畳むことができる。
【0160】
実施形態において、モータ7は、駆動輪5の内部に配置されるインホイールモータでもよい。
【0161】
上記の構成では、例えばモータ7の回転力を駆動輪5に伝達するギヤ機構を省略することができる。
【0162】
実施形態において、電動アシスト台車1は、荷台2と駆動輪5とを連結するケーブル収容部材36を備えてもよい。コントローラ14とモータ7とを接続するモータケーブルの少なくとも一部は、ケーブル収容部材36の内部空間に配置されてもよい。
【0163】
上記の構成では、モータケーブルは、ケーブル収容部材36により保護される。
【0164】
実施形態において、電動アシスト台車1は、バッテリ28からの給電により点灯する前照灯9を備えてもよい。
【0165】
上記の構成では、使用者は、暗い場所で電動アシスト台車1を使用することができる。
【0166】
実施形態において、前照灯9は、荷台2の前面に配置されてもよい。
【0167】
上記の構成では、荷台2の前方が前照灯により照明される。
【0168】
実施形態において、電動アシスト台車1は、バッテリ28からの給電により点灯する尾灯10を備えてもよい。
【0169】
上記の構成では、電動アシスト台車1の後方から電動アシスト台車1の位置を視認し易くなる。
【0170】
[変形例]
図32は、実施形態に係る角度調整機構の第1変形例を示す断面図である。図32は、図17に示したバッテリケース11のC-C線断面矢視図に相当する。上述の実施形態においては、メータケース39がコイルスプリング40により上方に付勢されることとした。図32に示す例において、弾性部材401は、ねじ411の周囲に配置されるゴムのような弾性体である。ねじ411の周囲に配置される弾性部材401により、ケースカバー111Bに対してメータケース391が上方に付勢されてもよい。ねじ411は、メータケース391の前部及び後部のそれぞれとケースカバー111Bとを結合するように2つに配置される。弾性部材401は、前後方向に2つ配置される。2つのねじ411のそれぞれの締め込み量が調整されることにより、メータケース391の傾斜角度が調整される。
【0171】
図33は、実施形態に係る角度調整機構の第2変形例を示す断面図である。図33は、図17に示したバッテリケース11のC-C線断面矢視図に相当する。図33に示す例において、弾性部材402は、メータケース392の下面とケースカバー112Bとの間に配置されるリーフスプリングである。弾性部材402により、ケースカバー112Bに対してメータケース392が上方に付勢されてもよい。ねじ412は、メータケース392の前部及び後部のそれぞれとケースカバー112Bとを結合するように2つに配置される。2つのねじ412のそれぞれの締め込み量が調整されることにより、メータケース392の傾斜角度が調整される。
【0172】
図34は、実施形態に係る角度調整機構の第3変形例を示す断面図である。図34は、図17に示したバッテリケース11のC-C線断面矢視図に相当する。上述の実施形態においては、メータケース39の上方からメータケース39のねじ開口に挿入されたねじ41により、メータケース39とケースカバー11Bとが固定されることとした。図34に示すように、ケースカバー113Bの下方から挿入されるねじ413により、メータケース393とケースカバー113Bとが固定されてもよい。図34に示す例において、メータケース393は、メータケース393の下面に設けられた凹部393Cに配置されるコイルスプリング403により上方に付勢される。コイルスプリング403は、前後方向に2つ配置される。
【0173】
図35は、実施形態に係る角度調整機構の第4変形例を示す断面図である。図35は、図17に示したバッテリケース11のC-C線断面矢視図に相当する。図35に示すように、メータケース394の後部にフック部394Aが設けられる。フック部394Aは、ケースカバー114Bの少なくとも一部に掛けられる。ねじ414は、メータケース394の前部とケースカバー114Bとを結合するように1つ配置される。メータケース394は、メータケース394の下面に設けられた凹部394Cに配置されるコイルスプリング404により上方に付勢される。コイルスプリング404は、前後方向に1つ配置される。1つのねじ411の締め込み量が調整されることにより、メータケース394の傾斜角度が調整される。
【0174】
図36及び図37のそれぞれは、実施形態に係る角度調整機構の第5変形例を示す断面図である。図36は、図17に示したバッテリケース11のC-C線断面矢視図に相当する。図37は、図36のE-E線断面矢視図に相当する。メータケース395は、ケースカバー115Bに設けられた凹部115Fに配置される。気泡管38は、メータケース395の収容空間395Aに配置される。図36及び図37に示す例において、メータケース395の後部は、ピン57によりケースカバー115Bに回動可能に連結される。ピン57の回動軸は、左右方向に延びる。ねじ415は、メータケース395の前部とケースカバー115Bとを結合するように1つ配置される。メータケース395は、メータケース395の下面に設けられた凹部395Cに配置されるコイルスプリング405により上方に付勢される。コイルスプリング405は、前後方向に1つ配置される。コイルスプリング405は、前後方向に1つ配置される。前後方向において、コイルスプリング405とねじ415との距離は、コイルスプリング405とピン57との距離よりも短い。1つのねじ415の締め込み量が調整されることにより、メータケース395の傾斜角度が調整される。
【符号の説明】
【0175】
1…電動アシスト台車、2…荷台、3…ハンドル、3A…左柱部、3B…右柱部、3C…グリップ部、3D…左連結部、3E…右連結部、4…背板、4A…前板、4B…後板、4L…左ねじ、4M…中ねじ、4R…右ねじ、5…駆動輪、6…自在輪、7…モータ、8…駐車ブレーキペダル、8P…駐車ブレーキピン、9…前照灯、10…尾灯、11…バッテリケース、11A…ケース本体、11B…ケースカバー、11C…ヒンジ、11D…トーションスプリング、11E…凹部、11F…凹部、11G…南京錠ホール、11H…リーフスプリング、11J…ねじ、11S…シール部材、11T…シール部材、12…傾斜メータユニット、13…操作装置、14…コントローラ、14A…回路基板、14B…電子部品、14B1…マイクロコンピュータ、14B2…ROM、14B3…RAM、14B4…スイッチング素子、14C…コントローラケース、15…ゴムパッド、16…凹部、17…ハンドル開口、18…連結機構、18A…左プレート部、18B…右プレート部、18C…下プレート部、18D…回動シャフト、18E…凸部、19…折り畳みバー、20…シャフト、21…ステータ、21T…ティース、22…ロータ、23…ハウジング、23L…左ハウジング、23R…右ハウジング、24…ブラケット、25…ねじ、26…ベアリング、27…バッテリ装着部、28…バッテリ、29…収容部、30…コントローラカバー、31…ねじ、32…通気口、33A…バッテリケーブル、33B…モータケーブル、33C…第1ライトケーブル、33D…第2ライトケーブル、33E…信号ケーブル、34…フレキシブルチューブ、35…接続部材、36…ケーブル収容部材、37…ロック部材、37A…シャフト部、37B…フック部、37C…ダイヤル部、38…傾斜メータ(気泡管)、38A…気泡、39…メータケース、39A…収容空間、39B…開口、39C…凹部、40…コイルスプリング、41…ねじ、42…ラベル、42A…第1インジケータ部、42B…第2インジケータ部、43…ケース、43A…上ケース、43B…下ケース、43C…連結部、43D…ボックス部、43E…ねじボス、43F…凸部、44…パネル、45…ブレーキボタン、46…変速レバー、46G…ギヤ、46L…左操作部、46R…右操作部、46S…シャフト部、46T…可変抵抗器、47…回路基板、47A…出力端子、47B…ねじ用開口、48…電源ボタン、49…ライトボタン、50…表示部、51…第1スイッチ、52…第2スイッチ、53…LEDチップ、54…トーションスプリング、55…脚部、56…ねじ、57…ピン、58…第3スイッチ、59…カム部材、59A…第1当接部、59B…第2当接部、59C…第3当接部、59D…回動シャフト部、60…テーブル、61…脚部、62…棚部、70…ケーブルホルダ、71…前照灯カバー、72…ねじ、73…収容部、74…コイルスプリング、80…ベル、111B…ケースカバー、112B…ケースカバー、113B…ケースカバー、114B…ケースカバー、115B…ケースカバー、115F…凹部、391…メータケース、392…メータケース、393…メータケース、393C…凹部、394…メータケース、394A…フック部、394C…凹部、395…メータケース、395A…収容空間、395C…凹部、401…弾性部材、402…弾性部材、403…コイルスプリング、404…コイルスプリング、405…コイルスプリング、411…ねじ、412…ねじ、413…ねじ、414…ねじ、415…ねじ、FL…床面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37