(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176913
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】移送装置
(51)【国際特許分類】
F04C 2/107 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
F04C2/107
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089492
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000239758
【氏名又は名称】兵神装備株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】田中 圭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋平
【テーマコード(参考)】
3H041
【Fターム(参考)】
3H041AA03
3H041AA04
3H041BB06
3H041CC15
3H041CC20
3H041DD08
3H041DD34
(57)【要約】
【課題】水平面に対して駆動軸を傾斜した姿勢としつつ、ホッパにおいて移送対象物を収容可能な空間を十分に確保可能な移送装置の実現を目的とした。
【解決手段】移送装置10は、移送対象物を移送するためのものであって、動力源をなす駆動部20からの回転出力を伝達する駆動軸72と、移送対象物を収容可能なホッパ80と、駆動軸72を介して伝達された動力を受けて、ホッパ80に収容された移送対象物を移送する移送部40と、を備えており、駆動軸72は、移送装置10が設置される水平面Gに対して傾斜した姿勢とされ、ホッパ80の側面86を貫通するように配されていることを特徴とするものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移送対象物を移送するための移送装置であって、
動力源をなす駆動部からの動力を伝達する駆動軸と、
前記移送対象物を収容可能なホッパと、
前記駆動軸を介して伝達された動力を受けて、前記ホッパに収容された前記移送対象物を移送する移送部と、
を備えており、
前記駆動軸は、前記移送装置が設置される水平面に対して傾斜した姿勢とされ、前記ホッパの側面を貫通するように配されていること、を特徴とする移送装置。
【請求項2】
前記ホッパの前記側面は、
前記駆動軸に沿う第一構成部と、
前記第一構成部とは異なる傾斜角で前記水平面に対して傾斜した第二構成部と、
を有し、
前記駆動軸は、前記第二構成部を貫通するように配されていること、を特徴とする請求項1に記載の移送装置。
【請求項3】
前記ホッパの前記側面に、前記駆動軸が貫通する貫通部をなす切欠部が設けられていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の移送装置。
【請求項4】
前記ホッパの前記側面に、前記駆動軸が貫通する貫通部を有し、
前記貫通部を介する前記移送対象物の漏れを抑制可能な邪魔部材が設けられていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の移送装置。
【請求項5】
前記ホッパの前記側面に、前記駆動軸が貫通する貫通部を有し、
前記貫通部に対向するように配された邪魔板を有すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の移送装置。
【請求項6】
前記ホッパが、
前記駆動軸が貫通する貫通部をなす第一切欠部を備えた第一ホッパ構成体と、
前記第一ホッパ構成体と組み合わせて使用され、前記第一切欠部との組み合わせにより前記貫通部をなす貫通孔を形成可能な第二切欠部を備えた第二ホッパ構成体と、
を有すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の移送装置。
【請求項7】
前記移送部において前記移送対象物の入口となる入口部、及び前記移送対象物の出口となる出口部の少なくともいずれかに、前記移送対象物を破砕する破砕部が設けられていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の移送装置。
【請求項8】
前記移送部は、
前記駆動軸に対して直接的あるいは間接的に接続可能な雄ねじ型のロータと、
前記ロータが嵌挿される雌ねじ型のステータとを少なくとも備え、
前記ロータが前記ステータに対して相対的に回転することにより、前記移送対象物を移送可能なものであること、を特徴とする請求項1又は2に記載の移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に係る一軸偏心ねじポンプのように、移送物を一時貯留するホッパと移送機構とが一体化された移送装置が提供されている。特許文献1の一軸偏心ねじポンプは、逆円錘状のホッパの底部にロータ及びステータからなる移送機構を接続したものとされている。また、特許文献1の一軸偏心ねじポンプは、駆動機に対して連結された駆動軸が、傾斜した状態でホッパ上部の開口部から挿入され、ロータに対して連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らが鋭意検討したところ、上記特許文献1のような移送装置のホッパを大容積化する場合において、移送対象物をホッパに対して投入しやすくするためには、
図5に示す移送装置200のように、駆動軸202の傾斜を緩やかにしつつ、ホッパ204の上方に形成された開口部分からホッパの内側に駆動軸を差し込んだ構成とすることができるとの知見に至った。しかしながら、このような構成とした場合には、
図5において符合Xで示したホッパ204の上端部分において鋭角なデッドスペースが形成され、移送対象物を収容可能な容積を十分に確保できないといった問題が生じるといった知見が得られた。
【0005】
そこで本発明は、水平面に対して駆動軸を傾斜した姿勢としつつ、ホッパにおいて移送対象物を収容可能な空間を十分に確保可能な移送装置の実現を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した本発明の移送装置は、移送対象物を移送するものであって、動力源をなす駆動部からの回転出力を伝達する駆動軸と、前記移送対象物を収容可能なホッパと、前記駆動軸を介して伝達された動力を受けて、前記ホッパに収容された前記移送対象物を移送する移送部と、を備えており、前記駆動軸は、前記移送装置が設置される水平面に対して傾斜した姿勢とされ、前記ホッパの側面を貫通するように配されていること、を特徴とするものである。
【0007】
本発明の移送装置は、駆動軸がホッパの側面を貫通した構成とされているため、水平面に対して駆動軸を傾斜した姿勢としつつ、ホッパの内部に上述したようなデッドスペースが形成されるのを抑制できる。従って、本発明によれば、水平面に対して駆動軸を傾斜した姿勢としつつ、ホッパにおいて移送対象物を収容可能な空間を十分に確保可能な移送装置を実現できる。また、本発明の移送装置は、駆動軸が傾斜した姿勢で配置され、ホッパを貫通するように駆動軸が配置されたものであるため、大きな設置スペースを必要としない。
【0008】
(2)上記(1)に係る本発明の移送装置において、前記ホッパの前記側面は、前記駆動軸に沿う第一構成部と、前記第一構成部とは異なる傾斜角で前記水平面に対して傾斜した第二構成部と、を有し、前記駆動軸は、前記第二構成部を貫通するように配されていること、を特徴とするものであると良い。
【0009】
本発明の移送装置は、かかる構成とすることにより、ホッパにおいて搬送対象物を収容するための空間をより一層大きく確保できる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に係る本発明の移送装置は、前記ホッパの前記側面に、前記駆動軸が貫通する貫通部をなす切欠部が設けられていること、を特徴とするものであると良い。
【0011】
本発明の移送装置は、かかる構成とすることにより、駆動軸が水平面に対して傾斜した姿勢でホッパの側面を貫通した構成とすることができる。
【0012】
(4)上記(1)~(3)に係る本発明の移送装置は、前記ホッパの前記側面に、前記駆動軸が貫通する貫通部を有し、前記貫通部を介する前記移送対象物の漏れを抑制可能な邪魔部材が設けられていること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のものであると良い。
【0013】
本発明の移送装置は、かかる構成とすることにより、貫通部を介して移送対象物がホッパから漏れ出してしまうのを、軸封等の分解洗浄性が低い部品を要することなく、邪魔部材によって抑制できる。
【0014】
(5)上記(1)~(4)に係る本発明の移送装置は、前記ホッパの前記側面に、前記駆動軸が貫通する貫通部を有し、前記貫通部に対向するように配された邪魔板を有すること、を特徴とするものであると良い。
【0015】
本発明の移送装置は、かかる構成とすることにより、ホッパの側面と邪魔板との間にラビリンスシール構造を形成し、軸封等の分解洗浄性が低い部品を要することなく、貫通部を介して移送対象物がホッパから漏れ出してしまうのを抑制できる。
【0016】
(6)上記(1)~(5)に係る本発明の移送装置は、前記ホッパが、前記駆動軸が貫通する貫通部をなす第一切欠部を備えた第一ホッパ構成体と、前記第一ホッパ構成体と組み合わせて使用され、前記第一切欠部との組み合わせにより前記貫通部をなす貫通孔を形成可能な第二切欠部を備えた第二ホッパ構成体と、を有すること、を特徴とするものであると良い。
【0017】
本発明の移送装置は、かかる構成とすることにより、ホッパを構成する第一ホッパ構成体及び第二ホッパ構成体に設けられた第一切欠部及び第二切欠部の組み合わせによって構成された貫通部を介して、水平面に対して斜め向きに駆動軸を配することができる。
【0018】
(7)上記(1)~(6)に係る本発明の移送装置は、前記移送部において前記移送対象物の入口となる入口部、及び前記移送対象物の出口となる出口部の少なくともいずれかに、前記移送対象物を破砕する破砕部が設けられていること、を特徴とするものであると良い。
【0019】
本発明の移送装置は、かかる構成とすることにより、移送部に対して入口部から入る移送対象物を細かく粉砕したり、移送部の出口部から出る移送対象物をさらに細かく粉砕したりすることが可能となる。
【0020】
(8)上記(1)~(7)に係る本発明の移送装置において、前記移送部は、前記駆動軸に対して直接的あるいは間接的に接続可能な雄ねじ型のロータと、前記ロータが嵌挿される雌ねじ型のステータとを少なくとも備え、前記ロータが前記ステータに対して相対的に回転することにより、前記移送対象物を移送可能なものであること、を特徴とするものであると良い。
【0021】
本発明の移送装置は、かかる構成とすることにより、ロータがステータ内で回転することにより発生する強い吸引力によって移送対象物を確実に移送できる。また、本発明の移送装置は、上述した構成とすることにより、移送対象物の移送に脈動が生じるのを最小限に抑制しつつ、移送対象物の移送量の安定化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、水平面に対して駆動軸を傾斜した姿勢としつつ、ホッパにおいて移送対象物を収容可能な空間を十分に確保可能な移送装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係る移送装置の断面図である。
【
図2】
図1に示した移送装置におけるポンプ近傍を拡大視した断面図である。
【
図3】
図1に示した移送装置におけるホッパ近傍を拡大視した断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態において用いられるホッパにおける貫通部近傍の構成を拡大視したものであり、(a)は第一ホッパ構成体から第二ホッパ構成体を離反させた状態を示す拡大図、(b)は第一ホッパ構成体に第二ホッパ構成体を取り付けた状態を示す拡大図(
図3のA-A断面図に相当)である。
【
図5】本発明者らが検討した移送装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る移送装置10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
図1~
図3に示すように、移送装置10は、駆動部20、ポンプ30、ホッパ80を備えている。移送装置10は、台座12により水平面に対して斜め向きに配されたポンプ30のケーシング32に対してホッパ80を接続した構成とされている。以下、移送装置10を構成する各部の構成について、さらに詳細に説明する。
【0026】
駆動部20は、移送装置10の動力源をなすものである。移送装置10において、駆動部20は、ポンプ30やホッパ80よりも高い位置に設けられている。駆動部20は、駆動機22とジョイント部24とを備えている。
【0027】
駆動機22は、モータによって構成されており、回転動力を出力可能とされている。また、ジョイント部24は、駆動機22とポンプ30側の駆動軸72とを動力伝達可能に連結するものである。ジョイント部24は、ジョイント部ケーシング24aの中に収容されたジョイント軸24b、ピンジョイント24c、及びカップリング24dを備えている。ジョイント部24は、駆動機22の出力軸に対してジョイント軸24bの一端側をピンジョイント24cを介して連結したものとされている。また、ジョイント部24は、ジョイント軸24bの他端側をカップリング24dを介して駆動軸72に対して連結したものとされている。本実施形態の移送装置10においては、ピンジョイント24cが設けられた位置まで移送対象となる液体が到来せず、当該液体による潤滑を期待しにくい。そのため、ピンジョイント24cは、カバーをかぶせて内部に潤滑オイルを封入したものとされている。
【0028】
ポンプ30は、駆動部20から動力を受けて駆動する回転容積型のポンプによって構成されている。本実施形態では、ポンプ30は、一軸偏心ねじポンプによって構成されている。ポンプ30は、台座12に配置されている。ポンプ30は、台座12を水平面Gの上に配置した状態において、水平面Gに対して傾斜するように形成された傾斜部12aに対して配置されている。これにより、ポンプ30は、水平面Gに対して傾斜するように配置されている。ポンプ30は、ケーシング32の内部に移送部40、動力伝達部70等が収容された構成とされている。
【0029】
ケーシング32は、金属製で筒状の部材であり、長手方向一端側に取り付けられたエンドスタッド32aに第一開口部34aが設けられている。また、ケーシング32の他端側には、第二開口部34bが設けられている。第二開口部34bは、ケーシング32の長手方向中間部分に位置する中間部32dにおいてケーシング32の内部空間に連通している。第一開口部34aは、ポンプ30において移送部40の出口となる出口部40bとして機能する部分である。また、第二開口部34bは、ポンプ30において移送部40の入口となる入口部40aとして機能する部分である。第二開口部34bは、後に詳述するようにホッパ80に対して接続されている。これにより、ホッパ80を介してケーシング32の内部に搬送対象物を導入可能とされている。
【0030】
移送部40は、移送対象物を移送するものである。移送部40は、移送機構部42、入口側破砕部44、及び出口側破砕部46を有する。移送部40は、入口側破砕部44において破砕された移送対象物を移送機構部42によって移送できる。また、移送部40は、移送機構部42によって移送された移送対象物を、出口側破砕部46によってさらに破砕することができる。
【0031】
移送機構部42は、回転容積型のポンプ機構によって構成されている。本実施形態では、ステータ50及びロータ60を用いて構成される一軸偏心ねじポンプ機構が、移送機構部42として設けられている。
【0032】
ステータ50は、円筒状の外観形状を有する部材である。ステータ50は、例えば弾性体や樹脂、金属、セラミックスなどで作成される。ステータ50をなす材質は、ポンプ30を用いて移送される移送対象物(搬送対象物)の種類や性状などにあわせて適宜選択される。ステータ50は、ケーシング32において第一開口部34aに隣接する位置にあるステータ取付部32bの内部に収容されている。ステータ50の外径は、ステータ取付部32bの内径とほぼ同一である。そのため、ステータ50は、外周面がステータ取付部32bの内周面に略密着した状態で取り付けられている。また、ステータ50は、一端側にあるフランジ部をケーシング32の端部においてエンドスタッド32aによって挟み込み、エンドスタッド32aとケーシング32の本体部分とに亘ってステーボルト36を取り付けて締め付けることにより固定されている。そのため、ステータ50は、ケーシング32のステータ取付部32b内において位置ずれ等を起こさない。ステータ50の内周面54は、n条で単段あるいは多段の雌ねじ形状とされている。本実施形態では、
図1に示すように2条で多段の形状とされている。
【0033】
ロータ60は、雄ねじ型の軸体によって構成されている。ロータ60は、長手方向のいずれの位置で断面視しても、その断面形状がほぼ真円形となるように形成されている。ロータ60は、例えば金属やセラミックス等の材質によって形成されている。ロータ60をなす材質は、移送対象物(搬送対象物)の種類や性状などにあわせて適宜選択される。ロータ60は、n-1条で単段あるいは多段の雌ネジ形状とされている。本実施形態においては、ロータ60は、1条で多段とされている。ロータ60には、後に詳述する駆動軸72が接続されている。ロータ60は、上述したステータ50に形成された貫通孔52に挿通されている。ロータ60は、駆動軸72を介して伝達された動力を受けて、ステータ50に設けられた貫通孔52の内部において偏心回転する。
【0034】
ロータ60をステータ50に対して挿通すると、ロータ60の外周面62とステータ50の内周面54とが両者の接線(シール線)において当接した状態になる。これにより、貫通孔52を形成しているステータ50の内周面54と、ロータ60の外周面62との間に、キャビティとよばれる独立した一連の密閉空間が形成され、移送対象物を搬送するための流体搬送路66が構成される。流体搬送路66は、上述したステータ50やロータ60のリードの長さLを基準長Sとした場合に、ステータ50やロータ60の軸方向にリードの基準長Sのd倍の長さを有する多段(d段)の流路となっている。
【0035】
流体搬送路66は、ステータ50やロータ60の長手方向に向けて螺旋状に延びている。また、流体搬送路66は、ロータ60をステータ50の貫通孔52内において回転させると、ステータ50内を回転しながらステータ50の長手方向に進む。そのため、ロータ60を回転させると、ステータ50の一端側から流体搬送路66内に搬送対象物を吸い込むと共に、この搬送対象物を流体搬送路66内に閉じこめた状態でステータ50の他端側に向けて移送し、ステータ50の他端側において吐出させることが可能である。すなわち、ロータ60を正方向に回転させると、第二開口部34bから吸い込んだ搬送対象物を第一開口部34a向けて圧送できる。また、ロータ60を逆方向に回転させると、第一開口部34aから吸い込んだ搬送対象物を第二開口部34bに向けて圧送できる。
【0036】
入口側破砕部44は、移送部40において移送対象物の入口となる入口部40aに設けられている。入口側破砕部44は、入口部40aから移送部40に入る前に移送対象物を破砕するものである。入口側破砕部44は、単一種の破砕機構を備えたものとしても、複数種の破砕部を備えたものとしても良い。本実施形態では、第一入口側破砕機構部44x、及び第二入口側破砕機構部44yからなる二種類の破砕機構部を備えたものとされている。
【0037】
第一入口側破砕機構部44xは、図示しないヘルール接続により、ケーシング32から分解可能なように設けられている。第一入口側破砕機構部44xは、回転刃44x1及び固定刃44x2を備えている。回転刃44x1は、後に詳述する駆動軸72に取り付けられており、駆動軸72の回転に連動して回転可能とされている。また、固定刃44x2は、ケーシング32に対して固定されている。回転刃44x1及び固定刃44x2は、それぞれ断面形状が三角形の刃によって構成されている。第一入口側破砕機構部44xは、回転刃44x1及び固定刃44x2がハサミと同様の原理により移送対象物を破砕できる。すなわち、第一入口側破砕機構部44xは、回転刃44x1の回転に伴って回転刃44x1と固定刃44x2とが重なり合う構造とされておいる。第一入口側破砕機構部44xは、回転刃44x1と固定刃44x2とが交わった部分が閉じていくことにより、両者の間に介在している移送対象物を破砕可能なものとされている。
【0038】
第二入口側破砕機構部44yは、後に詳述する駆動軸72とロータ60とを接続するピンジョイント24cの周りに装着される環状のスリーブ44y1に刃44y2を設けたものである。第二入口側破砕機構部44yは、移送部40の入口部40aの直前において、破砕しきれていない移送対象物を破砕できる。
【0039】
出口側破砕部46は、移送部40において移送対象物の出口となる出口部40bに設けられている。出口側破砕部46は、フィルタ46a及びブレード46bを備えたグレータユニットによって構成されている。フィルタ46aは、金属製の多孔板よって構成されている。また、ブレード46bは、略十字に形成された羽付ブレードによって構成されている。ブレード46bは、ロータ60の軸線方向先端部に取り付けられている。出口側破砕部46は、ブレード46bをフィルタ46aに対して押しつけた状態で組み付けられる。そのため、出口側破砕部46は、ロータ60の回転に伴って、ブレード46bがフィルタ46aに対して接触した状態で回転(摺動)する。これにより、移送部40の出口部40bから出てきた搬送対象物を、さらに細かくすることができる。
【0040】
動力伝達部70は、上述した駆動部20から出力された動力をロータ60や、ホッパ80を介してケーシング32の内部に導入された搬送対象物に対して伝達する部分である。動力伝達部70は、駆動軸72と、撹拌部材74と、スクリュー76とを備えている。
【0041】
駆動軸72は、駆動部20側から移送部40側に向けて延びるように配された軸体である。駆動軸72は、一方側の端部が上述した駆動部20に対して接続されている。具体的には、駆動軸72は、一方側の端部が駆動部20に設けられたジョイント軸24bに対してカップリング24dを介して接続されている。また、駆動軸72は、他方側の端部がロータ60に対して接続されている。これにより、駆動軸72は、駆動部20から伝達された回転動力をロータ60に対して伝達可能とされている。駆動部20から動力が出力されると、駆動軸72は偏心回転する。また、上述したように、ポンプ30(移送装置10)は、台座12に対して設置され、水平面Gに対して傾斜するように配置されている。そのため、駆動軸72についても、ポンプ30(移送装置10)が設置される水平面Gに対して傾斜した姿勢で配されている。
【0042】
撹拌部材74は、後に詳述するホッパ80に導入された移送対象物に対して駆動部20から出力された動力を伝達することにより、移送対象物を撹拌するためのものである。撹拌部材74は、上述した駆動軸72のうち、ホッパ80の内側に存在する部分に設けられている。撹拌部材74は、羽状のもの棒状のもの等とすることが可能であるが、本実施形態では棒状のものが採用されている。撹拌部材74を構成する棒状の部材は、駆動軸72の軸線に対して交差する方向(本実施形態では略直交する方向)に延びるように設けられている。撹拌部材74は、単一の部材によって構成することも可能であるが、本実施形態では複数の棒状部材を駆動軸72の軸線方向及び周方向に間隔を開けて複数設けられている。撹拌部材74は、駆動軸72の回転駆動に伴い、駆動軸72の軸心位置を中心として回動する。これにより、撹拌部材74は、ホッパ80に導入された移送対象物を撹拌することができる。
【0043】
スクリュー76は、ホッパ80に導入された移送対象物に対して駆動部20から出力された動力を伝達することにより、移送対象物を移送部40に向けて押し込むためのものである。スクリュー76は、撹拌部材74よりも移送部40に近い位置に設けられている。また、撹拌部材74がホッパ80の内部に配されているのに対し、スクリュー76は、ケーシング32の圧力室32e内に設けられている。
【0044】
ホッパ80は、移送対象物を収容して、ポンプ30のケーシング32に向けて供給可能なものである。ホッパ80は、第一ホッパ構成体82と、第二ホッパ構成体84とを有する。また、ホッパ80は、駆動軸72を挿通するための貫通部110や、邪魔部材120を備えている。
【0045】
第一ホッパ構成体82は、ホッパの本体(ホッパ本体部)をなす部分である。第一ホッパ構成体82は、側面86、導入部88、排出部90を有する。第一ホッパ構成体82は、側面86によって囲まれた収容部98に搬送対象物を収容可能とされている。側面86は、移送装置10を側面視した状態において、駆動部20側の位置に第一構成部92及び第二構成部94を有し、移送部40側の位置に第三構成部96を有する。
【0046】
第一構成部92は、第一ホッパ構成体82の側面86のうち、駆動軸72に沿うように拡がる部分である。そのため、第一構成部92は、移送装置10を側面視した状態において、水平面Gに対して駆動軸72と略同一の傾斜角で傾斜している。
【0047】
第二構成部94は、側面86において、第一構成部92とは異なる傾斜角で水平面に対して傾斜した部分である。また、第二構成部94は、第一構成部92に対して水平面Gから離れる方向に延びるように形成されている。第二構成部94は、第一構成部92と一連となるように形成されている。そのため、第一ホッパ構成体82は、第一構成部92と第二構成部94との境界部分において屈曲している。第二構成部94は、第一構成部92に対して略直角に屈曲している。
【0048】
第三構成部96は、第一ホッパ構成体82の側面86のうち、第二構成部94に対向する部分をなすものである。第三構成部96は、移送部40側の位置において、上述した撹拌部材74に対して上方に位置している。第三構成部96は、移送対象物を撹拌部材74にスムーズに供給できるように傾斜したものであると良い。具体的には、第三構成部96は、水平面Gに対して70度以上の傾斜角で傾斜していると良い。
【0049】
導入部88は、第一ホッパ構成体82の天面側において開口した部分である。ホッパ80は、導入部88を介して第一ホッパ構成体82の内側に形成された収容部98に対して移送対象物を導入可能な大きさに開口している。導入部88は、標準身長よりも低く、作業者が移送対象物を投入しやすい高さに設けられると良い。
【0050】
排出部90は、第一ホッパ構成体82の底側において開口した部分である。本実施形態では、第一ホッパ構成体82は、
図1において破線によって示した位置に第一ホッパ構成体82の下端部があり、当該下端部において排出部90をなす開口が形成されている。また、排出部90が形成された位置において、第一ホッパ構成体82(ホッパ80)が、ケーシング32(ポンプ30)に対して接続されている。そのため、ホッパ80は、導入部88から収容部98に投入された搬送対象物を、排出部90を介してケーシング32の内部に排出できる。
【0051】
第二ホッパ構成体84は、上述した第一ホッパ構成体82(ホッパ本体)と組み合わせて使用されるものである。第二ホッパ構成体84は、第一ホッパ構成体82において導入部88側の位置に取り付けられ、蓋としての機能を備えたものである。第二ホッパ構成体84は、導入部88をなす開口に覆い被さるように配される蓋部100と、折部102とを有する。蓋部100には、導入部88と連通するように形成された投入部104が設けられている。そのため、ホッパ80は、第一ホッパ構成体82に対して第二ホッパ構成体84を取り付けた状態において、投入部104を介して収容部98の内側に移送対象物を投入できる。折部102は、蓋部100の端部において、蓋部100に対して交差するように形成された部分である。本実施形態では、第二ホッパ構成体84をなす板状体の端部を屈曲させることにより、蓋部100と折部102とが一体的に形成されている。折部102は、蓋部100によって導入部88を覆うように第二ホッパ構成体84を配したときに、第一ホッパ構成体82の側面86をなす第二構成部94と重なり合うように折れ曲がっている。
【0052】
貫通部110は、ホッパ80の側面86を貫通するように駆動軸72が挿通される部分である。貫通部110は、ホッパ80の側面86に貫通孔を形成する等して形成可能である。
図4に示すように、本実施形態では、ホッパ80をなす第一ホッパ構成体82に設けられた第一切欠部114、及び第二ホッパ構成体84に設けられた第二切欠部116を組み合わせて構成される切欠部112によって貫通部110が形成されている。貫通部110(切欠部112)は、駆動軸72が偏心回転できる最小限のすきまを確保する大きさとされている。
【0053】
第一切欠部114は、第一ホッパ構成体82において、第二構成部94の上端側(導入部88側)の位置に設けられている。第一切欠部114は、駆動軸72が通る位置に設けられている。第一切欠部114は、駆動軸72を挿通可能な大きさであって、略「U字状」の形状を有する切り欠きによって形成されている。
【0054】
第二切欠部116は、第二ホッパ構成体84において折部102の下端側の位置に設けられている。第二切欠部116は、第一切欠部114と同様に、駆動軸72が通る位置に設けられている。第二切欠部116は、駆動軸72を挿通可能な大きさであって、略「逆U字状」の形状を有する切り欠きによって形成されている。
【0055】
貫通部110は、第一ホッパ構成体82に形成された導入部88に対して第二ホッパ構成体84の蓋部100が被さり、第一ホッパ構成体82の側面86をなす第二構成部94に対して折部102が重なり合った状態において、第一切欠部114及び第二切欠部116が組み合わさることにより、略円形あるいは略長円型に形成される。貫通部110には、上述した駆動軸72が貫通する。
【0056】
邪魔部材120は、上述した貫通部110を介して移送対象物がホッパ80から漏れるのを抑制するためのものである。邪魔部材120は、移送対象物の漏れを抑制できるものであれば形状や大きさ等について適宜のものとすることができる。本実施形態では、邪魔部材120は、貫通部110の開口径よりも大きい板状の邪魔板122によって構成されている。邪魔板122は、ホッパ80の内側において貫通部110をなす切欠部112に対して対向するように配されている。これにより、邪魔板122は、ラビリンスシール構造を形成している。また、邪魔板122は、駆動軸72を貫通させることにより、駆動軸72に対して位置決めされている。邪魔板122は、適宜の位置に配することが可能であるが、移送対象物の固形成分が入り込まない程度まで貫通部110に近接させることが好ましく、移送対象物がペースト状であったり、液体が混じったものであったりする場合には、液面が邪魔板よりも下になるように邪魔板122を配置すると良い。
【0057】
上述した実施形態において例示したように、本発明は、以下の(1)~(8)に示すような特徴的構成を有し、これにより本発明に特有の効果が得られる。
【0058】
(1)本実施形態の移送装置10は、移送対象物を移送するためのものであって、動力源をなす駆動部20からの回転出力を伝達する駆動軸72と、移送対象物を収容可能なホッパ80と、駆動軸72を介して伝達された動力を受けて、ホッパ80に収容された移送対象物を移送する移送部40と、を備えており、駆動軸72は、移送装置10が設置される水平面Gに対して傾斜した姿勢とされ、ホッパ80の側面86を貫通するように配されたものである。これにより、移送装置10は、水平面Gに対して駆動軸72を傾斜した姿勢としつつ、ホッパ80の内部にデッドスペースが形成されるのを抑制できる。また、移送装置10は、駆動軸72が傾斜した姿勢で配置され、ホッパ80を貫通するように駆動軸72が配置されたものであるため、大きな設置スペースを必要としない。そのため、移送装置10は、例えば食品工場等のように狭小な場所においても好適に設置できる。
【0059】
(2)本実施形態の移送装置10において、ホッパ80の側面86は、駆動軸72に沿う第一構成部92と、第一構成部92とは異なる傾斜角で水平面Gに対して傾斜した第二構成部94と、を有し、駆動軸72は、第二構成部94を貫通するように配されている。これにより、移送装置10は、ホッパ80において搬送対象物を収容するための空間をより一層大きく確保できる。
【0060】
(3)本実施形態の移送装置10は、ホッパ80の側面86に、駆動軸72が貫通する貫通部110をなす切欠部112が設けられたものとされている。これにより、移送装置10は、駆動軸72が水平面Gに対して傾斜した姿勢でホッパ80の側面86を貫通した構成とすることができる。
【0061】
(4)本実施形態の移送装置10は、ホッパ80の側面86に、駆動軸72が貫通する貫通部110を有し、貫通部110を介する移送対象物の漏れを抑制可能な邪魔部材120が、駆動軸72に設けられたものとされている。これにより。移送装置10は、貫通部110を介して移送対象物がホッパ80から漏れ出してしまうのを、軸封等の分解洗浄性が低い部品を要することなく、邪魔部材120によって抑制できる。
【0062】
(5)本実施形態の移送装置10は、ホッパ80の側面86に、駆動軸72が貫通する貫通部110を有し、貫通部110に対向するように配された邪魔板122を有するものとされている。これにより、移送装置10は、かかる構成とすることにより、ホッパ80の側面86と邪魔板122との間にラビリンスシール構造を形成し、軸封等の分解洗浄性が低い部品を要することなく、貫通部110を介して移送対象物がホッパ80から漏れ出してしまうのを抑制できる。
【0063】
(6)本実施形態の移送装置10は、ホッパ80が、駆動軸72が貫通する貫通部110をなす第一切欠部114を備えた第一ホッパ構成体82と、第一ホッパ構成体82と組み合わせて使用され、第一切欠部114との組み合わせにより貫通部110をなす貫通部110を形成可能な第二切欠部116を備えた第二ホッパ構成体84と、を有するものとされている。これにより、移送装置10は、第一切欠部114及び第二切欠部116の組み合わせによって構成された貫通部110を介して、水平面Gに対して斜め向きに駆動軸72を配することができる。
【0064】
(7)本実施形態の移送装置10は、移送部40において移送対象物の入口となる入口部40a、及び移送対象物の出口となる出口部40bの少なくともいずれかに、移送対象物を破砕する破砕部(入口側破砕部44、出口側破砕部46)が設けられたものである。これにより、移送装置10は、移送部40に対して入口部40aから入る移送対象物を細かく粉砕したり、移送部40の出口部40bから出る移送対象物をさらに細かく粉砕したりすることが可能となる。
【0065】
(8)本実施形態の移送装置10において、移送部40は、駆動軸72に対して直接的あるいは間接的に接続可能な雄ねじ型のロータ60と、ロータ60が嵌挿される雌ねじ型のステータ50とを少なくとも備え、ロータ60がステータ50に対して相対的に回転することにより、移送対象物を移送可能なものとされている。これにより、移送装置10は、ロータ60がステータ50内で回転することにより発生する強い吸引力によって移送対象物を確実に移送できる。また、移送装置10は、移送対象物の移送に脈動が生じるのを最小限に抑制しつつ、移送対象物の移送量の安定化を図ることができる。
【0066】
≪変形例≫
なお、本発明の移送装置は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であり、上記実施形態において例示した移送装置10に限定されるものではない。
【0067】
具体的には、本実施形態においては、上記(2)のようにホッパ80の側面86を、第一構成部92と、これとは異なる傾斜角で傾斜した第二構成部94とを備えた構成とし、駆動軸72が第二構成部94を貫通するようにした構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、移送装置10は、側面86を第一構成部92及び第二構成部94を備えたものとせず、単一の構成部によって構成されたものとしたり、側面86を湾曲した構成としたりしても良い。
【0068】
また、本実施形態においては、上記(3)のように側面86に設けられた切欠部112を駆動軸72が貫通する構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、移送装置10は、切欠部112に代えて、駆動軸72を挿通可能な貫通孔を設けた構成等とすることも可能である。
【0069】
本実施形態においては、上記(4)のように邪魔部材120を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。移送装置10は、邪魔部材120を備えていないものとしても良い。また、移送装置10は、邪魔部材120に代えて、移送対象物の漏れを抑制するための他の構成を設けた構成とすることも可能である。
【0070】
本実施形態においては、上記(5)のように、邪魔部材120として機能する邪魔板122を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。移送装置10は、邪魔板122に代えて、あるいは邪魔板122に加えて、移送対象物の漏れを抑制できるものを設けた構成とすることも可能である。
【0071】
本実施形態においては、上記(6)のように、第一切欠部114及び第二切欠部116の組み合わせによって構成された貫通部110(切欠部112)を設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、移送装置10は、第二ホッパ構成体84を設けない構成とし、略「U字型」に形成され、上端側が開放された第一切欠部114に駆動軸72を貫通させた構成としたり、第二ホッパ構成体84に折部102を設けず、第二切欠部116を設けない構成として、第一切欠部114に駆動軸72を貫通させた構成としたりしても良い。また、移送装置10は、駆動軸72を挿通可能な貫通孔を備えた部材を準備し、当該部材に対して駆動軸72を挿通してから、ホッパ80を構成する第一ホッパ構成体82や第二ホッパ構成体84に対して取り付ける構成等としても良い。
【0072】
本実施形態においては、入口側破砕部44及び出口側破砕部46を破砕部として設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。移送装置10は、入口側破砕部44及び出口側破砕部46のうちいずれか一方又は双方を省略した構成としたり、これらのうちいずれか一方又は双方に加えて他の破砕部を設けたものとしたりしても良い。
【0073】
本実施形態では、移送部40として、ステータ50及びロータ60を具備した、いわゆる一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものを例示したが、本発明はこれに限定されない。移送装置10は、例えば他の回転容積式のポンプ機構またはスクリューコンベアを備えたものとしても良い。
【0074】
本実施形態では、第一構成部92に対して第二構成部94を略直角に折り曲げた構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。移送装置10は、例えば駆動軸72との位置関係や、駆動軸72の傾斜等に応じて、第一構成部92や水平面Gに対する第二構成部94の角度を上述したものと異なるものとしたり、ホッパ80の側面86を湾曲させた構成としたりしても良い。
【0075】
本実施形態の移送装置10は、邪魔部材120を設けたり、駆動部20をホッパ80よりも上方に設けた構成としているため、移送対象物が液体を含むものやペースト状のもの等であったとしても、駆動部20側に移送対象物が浸入する可能性が低い。そのため、移送装置10は、駆動部20に移送対象物の浸入を抑制するための軸封等の部材を設けていない。これにより、移送装置10は、部品点数が少なくて済み、その分だけ組立や分解が行いやすく、製造コストも抑制できる。なお、本実施形態では、前述した軸封等の部材を設けない構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、軸封等の部材を設けた構成とすることも可能である。
【0076】
上述した移送装置10は、キャスター12bを備えた台座12を備えているため、適宜移動させて使用可能な可搬型のものとすることができる。なお、本実施形態では、キャスター12bを備えた台座12を採用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、キャスター12bを備えていないものとしたり、台座12以外の他部材に対して駆動部20やポンプ30等を配置した構成としたりしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の移送装置は、工業製品や食品、化粧品などの製造等、移送対象物の移送が求められる様々な用途において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0078】
10 :移送装置
12 :台座
12b :キャスター
20 :駆動部
30 :ポンプ
40 :移送部
40a :入口部
40b :出口部
44 :入口側破砕部
46 :出口側破砕部
50 :ステータ
60 :ロータ
72 :駆動軸
80 :ホッパ
82 :第一ホッパ構成体
84 :第二ホッパ構成体
86 :側面
92 :第一構成部
94 :第二構成部
102 :折部
110 :貫通部
112 :切欠部
114 :第一切欠部
116 :第二切欠部
120 :邪魔部材
122 :邪魔板
G :水平面