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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176938
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】乗り物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/14 20060101AFI20231206BHJP
   B60N 2/06 20060101ALI20231206BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20231206BHJP
【FI】
B60N2/14
B60N2/06
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089533
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 尚也
(72)【発明者】
【氏名】水野 琢也
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA02
3B087BA07
3B087BB02
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】シート本体が特定位置にスライド動作された場合にのみロック機構部をアンロック動作させることが可能な乗り物用シート、を提供する。
【解決手段】乗り物用シート100は、スライド動作と、スライド動作とは独立した所定動作とが可能なシート本体と、シート本体の回転動作を規制するためのロック機構部と、ロック機構部をアンロック動作させるために操作される操作部と、操作部からの操作力が伝達される第1部材61と、操作力をロック機構部に向けて伝達する第2部材と、シート本体が特定位置にスライド動作された場合に、第1部材61および第2部材71に係合される第1位置に配置され、シート本体が特定位置とは異なる位置にスライド動作された場合に、第1部材61および第2部材71に非係合とされる第2位置に配置される中間部材81とを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド動作と、前記スライド動作とは独立した所定動作とが可能なシート本体と、
前記シート本体の前記所定動作を規制するためのロック機構部と、
前記ロック機構部をアンロック動作させるために乗員により操作される操作部と、
前記操作部からの操作力が伝達される第1部材と、
前記操作力を前記ロック機構部に向けて伝達する第2部材と、
前記シート本体が特定位置にスライド動作された場合に、前記第1部材および前記第2部材に対して、前記第1部材および前記第2部材に係合される第1位置に配置され、前記操作力を前記第1部材から前記第2部材に伝達し、前記シート本体が前記特定位置とは異なる位置にスライド動作された場合に、前記第1部材および前記第2部材に対して、前記第1部材および前記第2部材に非係合とされる第2位置に配置され、前記操作力を前記第1部材から前記第2部材に伝達しない中間部材とを備える、乗り物用シート。
【請求項2】
前記乗り物のフロアに固定されるロアレールと、
前記ロアレールに対してスライド可能に組み付けられるアッパレールと、
前記アッパレールに接続され、前記シート本体を搭載するベースプレートとをさらに備え、
前記第1部材および前記第2部材は、前記ベースプレートに取り付けられ、
前記中間部材は、前記ロアレールに取り付けられる、請求項1に記載の乗り物用シート。
【請求項3】
前記第1部材および前記第2部材の各部材は、第1中心軸を中心に回動可能に設けられ、
前記中間部材は、第2中心軸を中心に回動可能に設けられ、
前記第1部材は、前記第1中心軸の半径方向外側に向けて突出する第1爪部を有し、
前記第2部材は、前記第1爪部に対して、前記第1中心軸の軸方向、かつ、周方向にずれた位置で、前記第1中心軸の半径方向外側に向けて突出する第2爪部を有し、
前記中間部材は、前記第1位置に配置された場合に、前記第1中心軸の周方向において前記第1爪部および前記第2爪部の間に介挿される第3爪部を有する、請求項1または2に記載の乗り物用シート。
【請求項4】
前記中間部材が前記第1位置に配置された場合に、前記第1中心軸および前記第2中心軸が一直線上に延びる、請求項3に記載の乗り物用シート。
【請求項5】
前記第1部材および前記第2部材の各部材は、第1中心軸を中心に回動可能に設けられ、
前記中間部材は、第2中心軸を中心に回動可能に設けられ、
前記第1部材は、前記第1中心軸の周方向に複数の歯が並ぶ第1歯車部を有し、
前記第2部材は、前記第1歯車部に対して前記第1中心軸の軸方向にずれた位置で、前記第1中心軸の周方向に複数の歯が並ぶ第2歯車部を有し、
前記中間部材は、前記第1位置に配置された場合に、前記第1歯車部および前記第2歯車部に噛み合い、前記第2中心軸の周方向に複数の歯が並ぶ第3歯車部を有する、請求項1または2に記載の乗り物用シート。
【請求項6】
前記シート本体は、前後方向における所定範囲でスライド動作が可能であり、
前記特定位置は、前記所定範囲のうちの後端部である、請求項1または2に記載の乗り物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、乗り物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許第7026198号公報(特許文献1)には、車両用回転シートのインターロック機構が開示されている。
【0003】
インターロック機構は、2本の車体側スライドレールと、2本のシート側スライドレールと、車体側に固定される当接部と、車両用シート側に固定され、車両用シートが所定位置までスライドしたときに当接部に当接するストッパと、車両用シート側に弾性体を介して取り付けられ、車両用シートが所定位置までスライドする前に当接部に当接し、当接部とストッパとが当接するまでの間に、第1位置から第2位置まで移動する規制部材と、車両用シートを回転可能な回転機構と、規制部材が第1位置に配置された場合に、規制部材と当接して回転を規制し、規制部材が第2位置に配置された場合に、規制部材と当接することなく回転を許容する邪魔板とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7026198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示されるように、シート本体の回転動作を規制したり、許容したりするためのロック機構部を備えた乗り物用シートが知られている。
【0006】
このような乗り物用シートでは、シート本体と、その周囲の構造物との干渉を避ける等を目的にして、シート本体が特定位置にスライド動作された場合にのみ、ロック機構部をアンロック動作可能としたい要請がある。一方、ロック機構部の駆動方式としては、乗員によるレバー操作等によって生じる操作力をケーブル等を介してロック機構部に伝達することで、ロック機構部をアンロック動作させるものがある。特許文献1に開示されるインターロック機構は、このような駆動方式に対応していない。
【0007】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、シート本体が特定位置にスライド動作された場合にのみロック機構部をアンロック動作させることが可能な乗り物用シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]スライド動作と、上記スライド動作とは独立した所定動作とが可能なシート本体と、上記シート本体の上記所定動作を規制するためのロック機構部と、上記ロック機構部をアンロック動作させるために乗員により操作される操作部と、上記操作部からの操作力が伝達される第1部材と、上記操作力を上記ロック機構部に向けて伝達する第2部材と、上記シート本体が特定位置にスライド動作された場合に、上記第1部材および上記第2部材に対して、上記第1部材および上記第2部材に係合される第1位置に配置され、上記操作力を上記第1部材から上記第2部材に伝達し、上記シート本体が上記特定位置とは異なる位置にスライド動作された場合に、上記第1部材および上記第2部材に対して、上記第1部材および上記第2部材に非係合とされる第2位置に配置され、上記操作力を上記第1部材から上記第2部材に伝達しない中間部材とを備える、乗り物用シート。
【0009】
このように構成された乗り物用シートによれば、シート本体が特定位置にスライド動作された場合には、操作力が第1部材から中間部材を介して第2部材に伝達されるため、ロック機構部をアンロック動作させることができる。また、シート本体が特定位置とは異なる位置にスライド動作された場合には、操作力が第1部材から第2部材に伝達されないため、ロック機構部をアンロック動作させることができない。したがって、シート本体が特定位置にスライド動作された場合にのみロック機構部をアンロック動作させることができる。
【0010】
[2]上記乗り物のフロアに固定されるロアレールと、上記ロアレールに対してスライド可能に組み付けられるアッパレールと、上記アッパレールに接続され、上記シート本体を搭載するベースプレートとをさらに備え、上記第1部材および上記第2部材は、上記ベースプレートに取り付けられ、上記中間部材は、上記ロアレールに取り付けられる、[1]に記載の乗り物用シート。
【0011】
このように構成された乗り物用シートによれば、シート本体のスライド動作に伴って、ベースプレートに取り付けられた第1部材および第2部材と、ロアレールに取り付けられた中間部材との間の位置関係に変化が生じる。このため、簡易な構成により、第1部材および第2部材に対して中間部材を第1位置および第2位置の間で移動させることができる。
【0012】
[3]上記第1部材および上記第2部材の各部材は、第1中心軸を中心に回動可能に設けられ、上記中間部材は、第2中心軸を中心に回動可能に設けられ、上記第1部材は、上記第1中心軸の半径方向外側に向けて突出する第1爪部を有し、上記第2部材は、上記第1爪部に対して、上記第1中心軸の軸方向、かつ、周方向にずれた位置で、上記第1中心軸の半径方向外側に向けて突出する第2爪部を有し、上記中間部材は、上記第1位置に配置された場合に、上記第1中心軸の周方向において上記第1爪部および上記第2爪部の間に介挿される第3爪部を有する、[1]または[2]に記載の乗り物用シート。
【0013】
このように構成された乗り物用シートによれば、第3爪部を第1爪部および第2爪部の間に対して進退させることによって、中間部材が第1部材および第2部材に係合される状態と、中間部材が第1部材および第2部材に非係合とされる状態とを選択的に得ることができる。
【0014】
[4]上記中間部材が上記第1位置に配置された場合に、上記第1中心軸および上記第2中心軸が一直線上に延びる、[3]に記載の乗り物用シート。
【0015】
このように構成された乗り物用シートによれば、中間部材が第1位置に配置された場合に、第1爪部および第2爪部の回動中心となる第1中心軸と、第3爪部の回動中心となる第2中心軸とが、一直線上に延びるため、第1中心軸および第2中心軸を中心とする第1部材、第2部材および中間部材の回動時に、第1爪部および第2爪部と、第1爪部および第2爪部の間に介挿される第3爪部との位置関係を維持することができる。
【0016】
[5]上記第1部材および上記第2部材の各部材は、第1中心軸を中心に回動可能に設けられ、上記中間部材は、第2中心軸を中心に回動可能に設けられ、上記第1部材は、上記第1中心軸の周方向に複数の歯が並ぶ第1歯車部を有し、上記第2部材は、前記第1歯車部に対して上記第1中心軸の軸方向にずれた位置で、上記第1中心軸の周方向に複数の歯が並ぶ第2歯車部を有し、上記中間部材は、上記第1位置に配置された場合に、上記第1歯車部および上記第2歯車部に噛み合い、上記第2中心軸の周方向に複数の歯が並ぶ第3歯車部を有する、[1]または[2]に記載の乗り物用シート。
【0017】
このように構成された乗り物用シートによれば、第3歯車部を第1歯車部および第2歯車部に対して進退させることによって、中間部材が第1部材および第2部材に係合される状態と、中間部材が第1部材および第2部材に非係合とされる状態とを選択的に得ることができる。
【0018】
[6]上記シート本体は、前後方向における所定範囲でスライド動作が可能であり、上記特定位置は、上記所定範囲のうちの後端部である、[1]から[5]のいずれかに記載の乗り物用シート。
【0019】
このように構成された乗り物用シートによれば、シート本体が所定範囲における後端部にスライドされた場合にのみロック機構部をアンロック動作させることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上に説明したように、この発明に従えば、シート本体が特定位置にスライド動作された場合にのみロック機構部をアンロック動作させることが可能な乗り物用シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明の実施の形態1における乗り物用シートを示す斜視図である。
図2図1中の乗り物用シートの動作を示す上面図である。
図3図1中の矢印IIIに示される方向に見た乗り物用シートを示す斜視図である。
図4図1中の乗り物用シートを底側から見た斜視図である。
図5図4中の2点鎖線Vで囲まれた範囲の乗り物用シート(シート本体がR/M位置にスライド動作)を示す斜視図である。
図6図4中の2点鎖線Vで囲まれた範囲に対応する乗り物用シート(シート本体がR/M位置とは異なる位置にスライド動作)を示す斜視図である。
図7図5および図6中の乗り物用シートを示す分解組み立て図である。
図8】この発明の実施の形態2における乗り物用シート(シート本体がR/M位置にスライド動作)を示す斜視図である。
図9】この発明の実施の形態2における乗り物用シート(シート本体がR/M位置とは異なる位置にスライド動作)を示す斜視図である。
図10図9中の乗り物用シートを示す分解組み立て図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。また、左右一対に設けられた部材のうち、シート右側の部材の参照番号に「R」が付され、シート左側の部材の参照番号に「L」が付されている場合がある。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における乗り物用シートを示す斜視図である。図2は、図1中の乗り物用シートの動作を示す上面図である。
【0024】
図1および図2を参照して、本実施の形態における乗り物用シート100は、車両に搭載されている。乗り物用シート100は、車両のドライバーが着座する運転席である。
【0025】
乗り物用シート100は、シート本体10と、スライドレール12(12R,12L)と、ベースプレート31とを有する。
【0026】
シート本体10は、シートクッションおよびシートバックを含む乗り物用シート100の本体部分である。
【0027】
シート本体10は、クッションフレーム16を有する。クッションフレーム16は、シートクッションの骨格をなしている。クッションフレーム16は、サイドフレーム17(17R,17L)を有する。サイドフレーム17は、前後方向に延びている。サイドフレーム17Rおよびサイドフレーム17Lは、左右方向において互いに間隔を開けて設けられている。サイドフレーム17には、シートクッションを昇降させるためのリフター機構が備わってもよい。
【0028】
スライドレール12は、シート本体10を前後方向にスライド可能なように支持している。スライドレール12Rおよびスライドレール12Lは、左右方向に互いに間隔を開けて設けられている。スライドレール12Rは、サイドフレーム17Rの下方に設けられている。スライドレール12Lは、サイドフレーム17Lの下方に設けられている。
【0029】
スライドレール12は、ロアレール13と、アッパレール14とを有する。ロアレール13は、前後方向に延びている。ロアレール13は、車両のフロアに固定されている。アッパレール14は、ロアレール13の上面に配置されている。アッパレール14は、ロアレール13に対して前後方向にスライド可能に組み合わされている。
【0030】
ベースプレート31は、金属製の板材からなる。ベースプレート31は、水平方向に平行に配置されている。ベースプレート31は、アッパレール14に接続されている。ベースプレート31は、左右方向において、スライドレール12Rのアッパレール14と、スライドレール12Lのアッパレール14との間に架け渡されている。ベースプレート31は、上下方向において、車両のフロアパネルと間隔を開けて対向している。ベースプレート31には、シート本体10が搭載されている。
【0031】
シート本体10は、スライドレール12によって、前後方向における所定範囲でスライド動作が可能である。シート本体10は、F/M(フロントモースト)位置と、R/M(リアモースト)位置との間でスライド動作が可能である。F/M位置は、シート本体10が前後方向にスライド可能な所定範囲のうちの前端部に対応し、R/M位置は、シート本体10が前後方向にスライド可能な所定範囲のうちの後端部に対応している。図1および図2中には、R/M位置にスライド動作された場合のシート本体10が示されている。
【0032】
シート本体10は、前後方向におけるスライド動作とは独立した所定動作が可能である。本実施の形態では、シート本体10は、着座位置10Aおよび乗降位置10Bの間における回転動作が可能である。シート本体10のスライド動作と、シート本体10の回転動作とは、同時に実行されない。
【0033】
シート本体10は、第1支持フレーム18および第2支持フレーム19と、回転プレート21とをさらに有する。
【0034】
第1支持フレーム18および第2支持フレーム19は、左右方向に延びている。第1支持フレーム18および第2支持フレーム19は、左右方向に延びる両端において、クッションフレーム16に対して接続されている。第1支持フレーム18および第2支持フレーム19は、前後方向において、互いに間隔を開けて設けられている。
【0035】
回転プレート21は、ベースプレート31の上方に設けられている。回転プレート21は、第1支持フレーム18および第2支持フレーム19により支持されている。回転プレート21は、前後方向において、第1支持フレーム18および第2支持フレーム19の間に架け渡されている。
【0036】
乗り物用シート100は、連結ユニット23をさらに有する。連結ユニット23は、上下方向において、ベースプレート31および回転プレート21の間に設けられている。連結ユニット23は、ベースプレート31に対して回転プレート21が回転可能となるように、ベースプレート31および回転プレート21を連結している。連結ユニット23は、シート本体10が着座位置10Aと乗降位置10Bとの間で回転動作が可能なように、ベースプレート31および回転プレート21を連結している。
【0037】
車両には、乗員(ドライバー)が乗り降りする際に用いられる乗降口132が設けられている。乗降口132は、乗り物用シート100の側方で開口している。乗降口132は、乗り物用シート100と、その後部座席との間に配置されるピラー131の前方で開口している。
【0038】
着座位置10Aは、乗員が車両を運転する場合に選択されるシート本体10のポジションである。シート本体10が着座位置10Aに配置された場合に、シート本体10は、前後方向において、車両のステアリング134と正対している。シート本体10に着座する乗員は、前方を向く。
【0039】
乗降位置10Bは、乗員が乗り物用シート100に乗り降りする際に選択されるシート本体10のポジションである。シート本体10が乗降位置10Bに配置された場合に、シート本体10の右前端部が、乗降口132を通じて車外に突出している。シート本体10に着座するドライバーは、右斜め前方を向く。
【0040】
シート本体10は、着座位置10Aから乗降位置10Bに向けて、前方にシフトしながら、右斜め前方に向けて延びる円弧を描くように回転動作する。シート本体10は、乗降位置10Bから着座位置10Aに向けて、後方にシフトしながら、左斜め後方に向けて延びる円弧を描くように回転動作する。このような回転動作によって、シート本体10とピラー131との干渉を避けつつ、着座位置10Aおよび乗降位置10Bの間でシート本体10を移動させることができる。
【0041】
一例として、連結ユニット23は、回転プレート21を前後方向および左右方向に対する斜め方向に直線的に案内するガイド部材と、水平面内において回転プレート21の向きが変化するように回転プレート21を回転させるリンク機構とからなる。連結ユニット23は、乗員により加えられた外力によってシート本体10を回転動作させる手動式である。
【0042】
図3は、図1中の矢印IIIに示される方向に見た乗り物用シートを示す斜視図である。図4は、図1中の乗り物用シートを底側から見た斜視図である。図1から図4を参照して、乗り物用シート100は、ロック機構部41をさらに有する。ロック機構部41は、シート本体10の回転動作を規制する。
【0043】
ロック機構部41は、ベースプレート31に取り付けられている。ロック機構部41は、取り付け板46を介してベースプレート31に取り付けられている。ロック機構部41は、ベースプレート31の後端部に取り付けられている。ロック機構部41は、上下方向において、ベースプレート31および回転プレート21の間に設けられている。ロック機構部41は、ピン部材42を有する。ピン部材42は、上下方向に延びている。ピン部材42は、その軸線方向(上下方向)にスライド可能なように支持されている。回転プレート21には、ピン挿入孔22が設けられている。ピン挿入孔22は、上下方向において、回転プレート21を貫通する貫通孔からなる。シート本体10が着座位置10Aに配置された場合に、ピン挿入孔22は、上下方向においてピン部材42と対向している。
【0044】
ロック機構部41には、ピン部材42に対して、ピン部材42をピン挿入孔22に向けてスライドさせるための弾性力を付与するバネ機構と、後述する第2ワイヤー140からの引っ張り力を受けた場合に、ピン部材42をピン挿入孔22から離脱する方向にスライドさせる駆動機構とが内蔵されている。
【0045】
ピン部材42がピン挿入孔22に挿入されることによって(ロック動作)、着座位置10Aから乗降位置10Bに向けたシート本体10の回転動作が規制される。ピン部材42がピン挿入孔22から離脱することによって(アンロック動作)、着座位置10Aから乗降位置10Bに向けたシート本体10の回転動作が許容される。
【0046】
乗り物用シート100は、操作部26をさらに有する。操作部26は、ロック機構部41をアンロック動作させるために乗員により操作される。操作部26は、乗員により手動操作される。ロック機構部41は、操作部26からの操作力が伝達されることによって、アンロック動作する。
【0047】
操作部26は、シート本体10に設けられている。操作部26は、クッションフレーム16(サイドフレーム17)に取り付けられている。操作部26は、レバー形状を有し、左右方向に延びる中心軸110を中心に回動可能に設けられている。操作部26は、乗員によりレバー操作されることによって、中心軸110を中心に所定角度だけ回動する。
【0048】
本実施の形態では、シート本体10がR/M位置にスライドされた場合に、操作部26からの操作力がロック機構部41に伝達され、シート本体10がR/M位置とは異なる位置にスライドされた場合に、操作部26からの操作力がロック機構部41に伝達されない。シート本体10がR/M位置にスライドされた場合にのみシート本体10の回転動作が許容されることによって、シート本体10と、ステアリング134等のインストルメントパネル周りの各種構造物との干渉を避けることができる。
【0049】
以下、操作部26からの操作力をロック機構部41に向けて伝達するための機構について説明する。
【0050】
図5は、図4中の2点鎖線Vで囲まれた範囲の乗り物用シート(シート本体がR/M位置にスライド動作)を示す斜視図である。図6は、図4中の2点鎖線Vで囲まれた範囲に対応する乗り物用シート(シート本体がR/M位置とは異なる位置にスライド動作)を示す斜視図である。図7は、図5および図6中の乗り物用シートを示す分解組み立て図である。
【0051】
図4から図7を参照して、乗り物用シート100は、第1部材61と、中間部材81と、第2部材71とをさらに有する。
【0052】
第1部材61には、操作部26からの操作力が伝達される。第2部材71は、操作部26からの操作力をロック機構部41に向けて伝達する。
【0053】
図5に示されるように、中間部材81は、シート本体10がR/M位置にスライド動作された場合に、第1部材61および第2部材71に対して、第1部材61および第2部材71に係合される第1位置81Aに配置されている。中間部材81は、操作部26からの操作力を第1部材61から第2部材71に伝達する。図6に示されるように、中間部材81は、シート本体10がR/M位置とは異なるにスライド動作された場合に、第1部材61および第2部材71に対して、第1部材61および第2部材71に非係合とされる第2位置81Bに配置されている。中間部材81は、操作部26からの操作力を第1部材61から第2部材71に伝達しない。
【0054】
より具体的に説明すると、乗り物用シート100は、第1ワイヤー120と、第2ワイヤー140と、第1取り付けブラケット66と、第1センターピン67と、第1コイルバネ76とをさらに有する。
【0055】
第1ワイヤー120は、操作部26および第1部材61の間で延びている。ドライバーが操作部26を操作することにより、第1ワイヤー120が操作部26に向けて引っ張られる。第2ワイヤー140は、第2部材71およびロック機構部41の間で延びている。第2ワイヤー140が第2部材71に向けて引っ張られることにより、ロック機構部41がアンロック動作する。
【0056】
第1部材61および第2部材71は、ベースプレート31に取り付けられている。第1部材61および第2部材71は、第1取り付けブラケット66を介して、ベースプレート31に取り付けられている。第1部材61および第2部材71は、シート本体10のスライド動作時、シート本体10と一体となって前後方向にスライド動作する。
【0057】
第1部材61および第2部材71は、上下方向において、車両のフロアパネルと、ベースプレート31との間に配置されている。第1部材61および第2部材71は、左右方向において、スライドレール12(スライドレール12L)と隣り合って配置されている。
【0058】
第1部材61および第2部材71は、第1中心軸210を中心に回動可能に設けられている。第1中心軸210は、上下方向に延びている。第1部材61および第2部材71は、第1中心軸210の軸方向において、互いに重ね合わされている。第2部材71は、第1中心軸210の軸方向において、ベースプレート31および第1部材61の間に配置されている。
【0059】
第1センターピン67は、第1中心軸210に軸上で延びている。第1センターピン67は、第1中心軸210の軸方向において第1部材61および第2部材71に挿通され、第1取り付けブラケット66に接続されている。
【0060】
第1部材61は、第1爪部62と、第1接続部63と、第1係止部64とを有する。第1爪部62は、第1中心軸210の半径方向外側に突出するように構成されている。第1爪部62は、上下方向が厚み方向となり、水平面に平行に延在するプレート体からなる。
【0061】
第1接続部63は、第1爪部62に対して第1中心軸210の周方向にずれた位置で、第1中心軸210の半径方向外側に突出するように構成されている。第1接続部63には、第1ワイヤー120が接続されている。第1ワイヤー120は、第1接続部63から第1中心軸210の周方向に沿って延出している。第1係止部64は、第1爪部62および第1接続部63に対して第1中心軸210の周方向にずれた位置で、第1中心軸210の半径方向外側に突出し、さらにその突出端でベースプレート31に近づく方向に折れ曲がるように構成されている。
【0062】
第2部材71は、第2爪部72と、第2接続部73と、第2係止部74とを有する。第2爪部72は、第1爪部62に対して、第1中心軸210の軸方向、かつ、周方向にずれた位置で、第1中心軸210の半径方向外側に向けて突出するように構成されている。第1爪部62および第2爪部72は、第1中心軸210の周方向において互いに間隔を開けて設けられている。第2爪部72は、上下方向が厚み方向となり、水平面に平行に延在するプレート体からなる。
【0063】
第2接続部73は、第2爪部72に対して第1中心軸210の周方向にずれた位置で、第1中心軸210の半径方向外側に突出するように構成されている。第2接続部73には、第2ワイヤー140が接続されている。第2ワイヤー140は、第2接続部73から第1中心軸210の周方向に沿って延出している。第2係止部74は、第2爪部72および第2接続部73に対して第1中心軸210の周方向にずれた位置で、第1中心軸210の半径方向外側に突出し、さらにその突出端でベースプレート31に近づく方向に折れ曲がるように構成されている。
【0064】
第1コイルバネ76は、第1センターピン67の外周上に嵌め合わされている。第1コイルバネ76の一端は、第1係止部64により係止され、第1コイルバネ76の他端は、第2係止部74により係止されている。第1コイルバネ76は、第1部材61および第2部材71に対して、第1中心軸210の周方向の弾性力を作用させるように設けられている。
【0065】
図4から図7に示される底面図において、第1部材61は、第1コイルバネ76の弾性力により、第1中心軸210を中心として時計回り方向に付勢されている。第1コイルバネ76から第1部材61に対して作用する弾性力は、第1ワイヤー120を操作部26から第1部材61に向けて引っ張る引っ張り力に対応している。第2部材71は、第1コイルバネ76の弾性力により、第1中心軸210を中心として反時計回り方向に付勢されている。第1コイルバネ76から第2部材71に対して作用する弾性力は、第2ワイヤー140をロック機構部41から第2部材71に向けて引っ張る引っ張り力に対応している。
【0066】
図6に示されるように、第2爪部72は、第1中心軸210の周方向において、第1爪部62および第1係止部64の間に配置されている。第2爪部72および第1係止部64は、第1コイルバネ76の弾性力によって、第1中心軸210の周方向において互いに当接している。第2爪部72および第1爪部62の間には、第1中心軸210の周方向における隙間が設けられている。
【0067】
乗り物用シート100は、第2取り付けブラケット86と、第2センターピン88と、第2コイルバネ83とをさらに有する。
【0068】
中間部材81は、スライドレール12(12L)のロアレール13に取り付けられている。中間部材81は、第2取り付けブラケット86を介して、ロアレール13に取り付けられている。中間部材81は、シート本体10のスライド動作時、静止したままである。シート本体10のスライド動作に伴って、前後方向における、第1部材61および第2部材71と、中間部材81との間の相対的な位置関係が変化する。
【0069】
中間部材81は、上下方向において、車両のフロアパネルと、ベースプレート31との間に配置されている。第1部材61および第2部材71と、中間部材81とは、前後方向において一直線上に並んで設けられている。
【0070】
中間部材81は、第2中心軸220を中心に回転可能に設けられている。第2中心軸220は、上下方向に延びている。第2センターピン88は、第2中心軸220の軸上で延びている。第2センターピン88は、第2中心軸220の軸方向において中間部材81に挿通され、第2取り付けブラケット86に接続されている。
【0071】
中間部材81は、第3爪部82を有する。第3爪部82は、第2中心軸220の半径方向外側に突出し、さらにその突出端でベースプレート31に近づく方向に折れ曲がるように構成されている。
【0072】
第2取り付けブラケット86は、周り止め部87を有する。周り止め部87は、第3爪部82に対して第2中心軸220の周方向にずれた位置で、第2中心軸220の半径方向外側に突出し、さらにその突出端でベースプレート31に近づく方向に折れ曲がるように構成されている。
【0073】
第2コイルバネ83は、中間部材81および第2取り付けブラケット86の間に懸架されている。第2コイルバネ83は、中間部材81に対して、第2中心軸220の周方向の弾性力を作用させるように設けられている。図4から図7に示される底面図において、中間部材81は、第2コイルバネ83の弾性力により、第2中心軸220を中心として時計回りに付勢されている。第3爪部82および周り止め部87は、第2コイルバネ83の弾性力によって、第2中心軸220の周方向において互いに当接している。
【0074】
図5に示されるように、中間部材81は、シート本体10がR/M位置にスライド動作された場合に、第1部材61および第2部材71に対する第1位置81Aに配置されている。この場合に、第1中心軸210および第2中心軸220は、上下方向に一直線上に延びている。中間部材81は、第1中心軸210および第2中心軸220の軸方向において、第1部材61および第2部材71と対向して配置されている。中間部材81は、車両のフロアパネルと、第1部材61との間に配置されている。
【0075】
第3爪部82が第1中心軸210(第2中心軸220)の周方向において第1爪部62および第2爪部72の間に介挿されることによって、中間部材81が第1部材61および第2部材71に係合されている。
【0076】
操作部26がレバー操作された場合に、第1ワイヤー120が操作部26に向けて引っ張られることによって、第1部材61が第1中心軸210を中心に反時計回りに回動する。第1部材61の回動動作に伴って、第1爪部62が、中間部材81の第3爪部82を介して、第2部材71の第2爪部72を第1中心軸210の周方向に押すことによって、第2部材71が第1中心軸210を中心に反時計回りに回動する。これにより、中間部材81は、操作部26からの操作力を第1部材61から第2部材71に伝達する。第2部材71の回動動作に伴って、第2ワイヤー140が第2部材71に向けて引っ張られることによって、ロック機構部41がアンロック動作する。
【0077】
図6に示されるように、中間部材81は、シート本体10がR/M位置とは異なる位置にスライド動作された場合に、第1部材61および第2部材71に対する第2位置81Bに配置されている。中間部材81(第2中心軸220)と、第1部材61および第2部材71(第1中心軸210)とは、前後方向において、互いに離れて配置されている。中間部材81(第2中心軸220)は、第1部材61および第2部材71(第1中心軸210)よりも後方に配置されている。
【0078】
中間部材81は、第1中心軸210の周方向における第1爪部62および第2爪部72の間から離脱することによって、第1部材61および第2部材71と非係合とされている。
【0079】
操作部26がレバー操作された場合に、第1ワイヤー120が操作部26に向けて引っ張られることによって、第1部材61が第1中心軸210を中心に反時計回りに回動する。第1爪部62および第2爪部72は、第1中心軸210の軸方向にずれて設けられているため、第1爪部62が、第2爪部72を第1中心軸210の周方向に押すことがない。これにより、中間部材81は、操作部26からの操作力を第1部材61から第2部材71に伝達しない。第2部材71は、静止したままであるため、ロック機構部41はアンロック動作しない。
【0080】
本実施の形態では、第1部材61および第2部材71が、シート本体10を搭載するベースプレート31に取り付けられ、中間部材81が、車両のフロアパネルに固定されるロアレール13に取り付けられている。このような構成により、シート本体10のスライド動作に伴って、前後方向における、第1部材61および第2部材71と、中間部材81との間の位置関係に変化が生じる。このため、第1部材61および第2部材71に対して中間部材81を第1位置81Aおよび第2位置81Bの間で移動させる構成を簡易な構造で得ることができる。
【0081】
また、本実施の形態では、中間部材81が第1位置81Aに配置された場合に、第1中心軸210および第2中心軸220が上下方向において一直線上に延びている。このような構成により、第1中心軸210および第2中心軸220を中心とする第1部材61、第2部材71および中間部材81の回動時に、第1爪部62および第2爪部72と、第1爪部62および第2爪部72の間に介挿される第3爪部82との位置関係を維持することができる。これにより、第1部材61、第2部材71および中間部材81をコンパクトに構成することができる。
【0082】
以上に説明した、この発明の実施の形態1における乗り物用シート100の構造をまとめると、本実施の形態における乗り物用シート100は、スライド動作と、スライド動作とは独立した所定動作としての回転動作とが可能なシート本体10と、シート本体10の回転動作を規制するためのロック機構部41と、ロック機構部41をアンロック動作させるために乗員により操作される操作部26と、操作部26からの操作力が伝達される第1部材61と、操作力をロック機構部41に向けて伝達する第2部材71と、シート本体10が特定位置としてのR/M位置にスライド動作された場合に、第1部材61および第2部材71に対して、第1部材61および第2部材71に係合される第1位置81Aに配置され、操作力を第1部材61から第2部材71に伝達し、シート本体10がR/M位置とは異なる位置にスライド動作された場合に、第1部材61および第2部材71に対して、第1部材61および第2部材71に非係合とされる第2位置81Bに配置され、操作力を第1部材61から第2部材71に伝達しない中間部材81とを備える。
【0083】
このように構成された、この発明の実施の形態1における乗り物用シート100によれば、シート本体10がR/M位置にスライド動作された場合にのみロック機構部41をアンロック動作させることができる。
【0084】
なお、本発明においてロック機構部がアンロック動作可能となる特定位置は、特に限られず、たとえば、F/M位置であってもよいし、本発明におけるシート本体のスライド方向が左右方向である場合には、左右方向における一方端部の位置であってもよい。本発明におけるシート本体が可能な所定動作は、回転動作に限られず、たとえば、シート本体が車両の側部に向けて跳ね上がるスペースアップ動作であってもよい。
【0085】
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2における乗り物用シート(シート本体がR/M位置にスライド動作)を示す斜視図である。図9は、この発明の実施の形態2における乗り物用シート(シート本体がR/M位置とは異なる位置にスライド動作)を示す斜視図である。図10は、図9中の乗り物用シートを示す分解組み立て図である。
【0086】
本実施の形態における乗り物用シートは、実施の形態1における乗り物用シート100と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
【0087】
図8から図10を参照して、本実施の形態における乗り物用シート100は、実施の形態1における第1部材61に替えて、第1部材161を有し、実施の形態1における第2部材71に替えて、第2部材171を有し、実施の形態1における中間部材81に替えて、中間部材181を有する。
【0088】
第1部材161は、実施の形態1における第1爪部62に替えて、第1歯車部162を有する。第1歯車部162は、複数の歯が第1中心軸210の周方向に並ぶように構成されている。第1歯車部162は、上下方向が厚み方向となり、水平面に平行に延在するプレート体からなる。
【0089】
第2部材171は、実施の形態1における第2爪部72に替えて、第2歯車部172を有する。第2歯車部172は、第1歯車部162に対して第1中心軸210の軸方向にずれた位置で、第1中心軸210の周方向に複数の歯が並ぶように構成されている。第1歯車部162および第2歯車部172は、第1中心軸210の軸方向において、互いに積層されている。
【0090】
中間部材181は、実施の形態1における第3爪部82に替えて、第3歯車部182を有する。第3歯車部182は、第2中心軸220の周方向に複数の歯が並ぶように構成されている。第3歯車部182は、前後方向において、第1歯車部162および第2歯車部172と対向するように設けられている。第2中心軸220の軸方向における第3歯車部182の範囲は、第1中心軸210の軸方向における第1歯車部162および第2歯車部172の範囲に跨がっている。
【0091】
図8に示されるように、中間部材181は、シート本体10がR/M位置にスライド動作された場合に、第3歯車部182が第1歯車部162および第2歯車部172と噛み合うことによって、第1部材61および第2部材71に係合されている。このとき、中間部材81が操作部26からの操作力を第1部材61から第2部材71に伝達することにより、ロック機構部41がアンロック動作する。
【0092】
図9に示されるように、中間部材181は、シート本体10がR/M位置とは異なる位置にスライド動作された場合に、第3歯車部182が第1歯車部162および第2歯車部172から離脱することによって、第1部材61および第2部材71に非係合とされている。このとき、中間部材81が操作部26からの操作力を第1部材61から第2部材71に伝達しないことにより、ロック機構部41がアンロック動作しない。
【0093】
このように構成された、この発明の実施の形態2における乗り物用シートによれば、実施の形態1における乗り物用シート100と同様の効果を奏することができる。
【0094】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
10 シート本体、10A 着座位置、10B 乗降位置、12,12L,12R スライドレール、13 ロアレール、14 アッパレール、16 クッションフレーム、17,17L,17R サイドフレーム、18 第1支持フレーム、19 第2支持フレーム、21 回転プレート、22 ピン挿入孔、23 連結ユニット、26 操作部、31 ベースプレート、41 ロック機構部、42 ピン部材、46 取り付け板、61,161 第1部材、62 第1爪部、63 第1接続部、64 第1係止部、66 第1取り付けブラケット、67 第1センターピン、71,171 第2部材、72 第2爪部、73 第2接続部、74 第2係止部、76 第1コイルバネ、81,181 中間部材、81A 第1位置、81B 第2位置、82 第3爪部、83 第2コイルバネ、86 第2取り付けブラケット、87 周り止め部、88 第2センターピン、100 乗り物用シート、110 中心軸、120 第1ワイヤー、131 ピラー、132 乗降口、134 ステアリング、140 第2ワイヤー、162 第1歯車部、172 第2歯車部、182 第3歯車部、210 第1中心軸、220 第2中心軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10