(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176944
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】既設ジョイント装置の撤去方法
(51)【国際特許分類】
E01D 24/00 20060101AFI20231206BHJP
E01D 19/06 20060101ALI20231206BHJP
E01D 22/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
E01D24/00
E01D19/06
E01D22/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089541
(22)【出願日】2022-06-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】504279050
【氏名又は名称】株式会社西部システム
(74)【代理人】
【識別番号】100194478
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 文彦
(74)【代理人】
【識別番号】100198719
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 良裕
(72)【発明者】
【氏名】貴島 恵一
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059AA14
2D059BB37
2D059GG41
2D059GG45
(57)【要約】
【課題】床版を損傷し難い既設ジョイント装置の撤去方法を提供する。
【解決手段】金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部10と、本体部10から左右外側に突出する複数の連接部材20と、を有し、床版Sに埋め込まれて立設するアンカー筋1に連接部材20が固定されるとともに、コンクリート30で本体部10の左右外側を固められたジョイント装置の撤去方法であって、前後方向にカッターを移動させてアンカー筋1の左右両側を切断する切断工程300と、切断工程300により切り離された本体部10及びコンクリート30のブロックを取り除く第一ブロック除去工程500と、前後に隣接するアンカー筋1の間に残されたコンクリート30を破壊し、それにより生じたコンクリート30片を取り除く破壊工程600と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部と、
前記本体部から左右外側に突出する複数の連接部材と、を有し、
床版に埋め込まれて立設するアンカー筋に前記連接部材が固定されるとともに、コンクリートで前記本体部の左右外側を固められたジョイント装置の撤去方法であって、
前後方向にカッターを移動させて前記アンカー筋の左右両側を切断する左右切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記本体部を取り除く本体部除去工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第一ブロック除去工程と、
前後に隣接する前記アンカー筋の間に残されたコンクリートを破壊し、それにより生じたコンクリート片を取り除く破壊工程と、を備えることを特徴とする既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項2】
金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部と、
前記本体部から左右外側に突出する複数の連接部材と、を有し、
床版に埋め込まれて立設するアンカー筋に前記連接部材が固定されるとともに、コンクリートで前記本体部の左右外側を固められたジョイント装置の撤去方法であって、
前後方向にカッターを移動させて前記アンカー筋の左右両側を切断する左右切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記本体部を取り除く本体部除去工程と、
左右方向に前記カッターを移動させて前記アンカー筋の前後両側を切断する前後切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第一ブロック除去工程と、
前記前後切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第二ブロック除去工程と、を備えることを特徴とする既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項3】
前記左右切断工程又は前記前後切断工程の前工程として、金属探知を行うことで前記コンクリート内の前記アンカー筋の位置を把握し、前記切断工程における切断位置を決定する切断位置決定工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項4】
前記左右切断工程又は前記前後切断工程の前工程として、前記コンクリートに上方から穴を形成して前記床版の深さ位置を認識し、前記切断工程における切断深さを決定する切断深さ決定工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設ジョイント装置の撤去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジョイント装置を交換するために行われる既設ジョイント装置の撤去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋梁や高架道路等の道路基盤の継ぎ目には、温度変化による道路基盤の伸縮を吸収する目的や、雨水が橋梁等の内部に浸入することを防ぐ目的で、ジョイント装置が設置される。
【0003】
図1及び
図2に示すように、ジョイント装置90は、金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部10と、前記本体部10から左右外側に突出する複数の連接部材20と、を有する。
そして、本体部10の左右外側をコンクリート30で固定して設置される。
【0004】
従来、既設のジョイント装置90を新しいジョイント装置90と交換する場合、コンクリート30をはつって(削って)行われているが、コンクリート30をはつると騒音が大きくなってしまう。
【0005】
そこで、既設ジョイント装置90の本体部10を除去し、その本体部10があった箇所に水平切りカッターを入れてコンクリート30に埋まった連接部材20を除去する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法ではコンクリート30に埋まった連接部材20を除去するときにアンカー筋1を切断することになる。
【0008】
アンカー筋1を切断してしまうと、ジョイント装置90を新設する際に新たなアンカー筋1を打設する必要があるが、これによりジョイント装置90が設置される床版Sにマイクロクラックが入ってしまうという問題が生じる。
【0009】
そこで、本発明の目的とするところは、床版を損傷し難い既設ジョイント装置の撤去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の既設ジョイント装置(90)の撤去方法は、
金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部(10)と、
前記本体部(10)から左右外側に突出する複数の連接部材(20)と、を有し、
床版(S)に埋め込まれて立設するアンカー筋(1)に前記連接部材(20)が固定されるとともに、コンクリート(30)で前記本体部(10)の左右外側を固められたジョイント装置(90)の撤去方法であって、
前後方向にカッターを移動させて前記アンカー筋(1)の左右両側を切断する左右切断工程(300)と、
前記左右切断工程(300)により切り離された前記本体部(10)を取り除く本体部除去工程(400)と、
前記左右切断工程(400)により切り離された前記コンクリート(30)のブロックを取り除く第一ブロック除去工程(500)と、
前後に隣接する前記アンカー筋(1)の間に残されたコンクリート(30)を破壊し、それにより生じたコンクリート(30)片を取り除く破壊工程(600)と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の既設ジョイント装置(90)の撤去方法は、
金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部(10)と、
前記本体部から左右外側に突出する複数の連接部材(20)と、を有し、
床版(S)に埋め込まれて立設するアンカー筋(1)に前記連接部材(20)が固定されるとともに、コンクリート(30)で前記本体部(10)の左右外側を固められたジョイント装置(90)の撤去方法であって、
前後方向にカッターを移動させて前記アンカー筋(1)の左右両側を切断する左右切断工程(300)と、
前記左右切断工程(300)により切り離された前記本体部(10)を取り除く本体部除去工程(400)と、
左右方向に前記カッターを移動させて前記アンカー筋(1)の前後両側を切断する前後切断工程(700)と、
前記左右切断工程(700)により切り離されたコンクリート(30)のブロックを取り除く第一ブロック除去工程(500)と、
前記前後切断工程(700)により切り離された前記コンクリート(30)のブロックを取り除く第二ブロック除去工程(800)と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の既設ジョイント装置(90)の撤去方法は、
前記切断工程(300)の前工程として、金属探知を行うことで前記コンクリート(30)内の前記アンカー筋(1)の位置を把握し、前記切断工程(300)における切断位置を決定する切断位置決定工程(100)を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の既設ジョイント装置(90)の撤去方法は、
前記切断工程(300)の前工程として、前記コンクリート(30)に上方から穴を形成して前記床版(S)の深さ位置を認識し、前記切断工程(300)における切断深さを決定する切断深さ決定工程(200)を備えることを特徴とする。
【0014】
ここで、上記括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に掲載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アンカー筋の左右両側を切断し、本体部及びコンクリートのブロックを取り除くとともにアンカー筋の間に残されたコンクリートを破壊するので、アンカー筋をそのまま残しつつ既設ジョイント装置を除去可能である。
したがって、既設ジョイント装置を撤去してもアンカー筋を残して再利用することができるので床版を損傷し難い。
【0016】
また、本発明によれば、金属探知を行うことでコンクリート内のアンカー筋の位置を把握し、切断工程における切断位置を決定するので、確実に切断作業を行うことができる。
【0017】
また、本発明によれば、コンクリートに上方から穴を形成して床版の深さ位置を認識し、切断工程における切断深さを決定するので、床版に切断傷が入ることを防止できる。
【0018】
なお、本発明の既設ジョイント装置の撤去方法のように、アンカー筋を切断せずに既設ジョイント装置を撤去する方法する点は、上述した特許文献1には全く記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】本発明の第一実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法を示す工程図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法に係る左右切断工程を示す平面図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法に係る第一ブロック除去工程を示す平面図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法に係る第一ブロック除去工程を示す平面図である。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法に係る破壊工程を示す平面図である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法を実施した後の状態を示す平面図である。
【
図9】本発明の第二実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法を示す工程図である。
【
図10】本発明の第二実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法に係る前後切断工程を示す平面図である。
【
図11】本発明の第二実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法に係る第一ブロック除去工程を示す平面図である。
【
図12】本発明の第二実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法に係る第二ブロック除去工程を示す平面図である。
【
図13】本発明の第二実施形態に係る既設ジョイント装置の撤去方法を実施した後の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第一実施形態)
図1から
図8を参照して、本発明の第一実施形態に係る既設ジョイント装置90の撤去方法を説明する。
この既設ジョイント装置90の撤去方法は、左右切断工程300と、本体部除去工程400、第一ブロック除去工程500と、破壊工程600と、を備える。
【0021】
ここでまず、
図1及び
図2ジョイント装置90の構造について説明する。
ジョイント装置90は、橋梁や高架道路等の道路基盤(舗装H)の継ぎ目に形成され、気温の変化による道路基盤の伸び縮みを吸収するものであり、本体部10と、連接部材20と、を備える。
そして、床版Sに埋め込まれて立設するアンカー筋1に連接部材20が固定されるとともに、コンクリート30で本体部10の左右外側を固められている。
【0022】
本体部10は、金属製の壁部同士が左右方向に離間してなり、二つの壁部によって溝を形成している。気温によって道路基盤が伸び縮みする際に、それに伴ってこの溝の幅が小さくなったり大きくなったりして道路基盤の伸び縮みを吸収できる。
また、本体部10はそれぞれが平面視で波状となっており、それが互いに向かい合っているので本体部10二つで平面視櫛歯状となっている。
この本体部10が伸びる方向を前後方向とする。
【0023】
なお、
図1において本体部10と連接部材20に対してハッチングしているが、これは断面を示すものではなく、両部材を区別するために施した。
また、
図2等においてコンクリート30に埋まって視認できない連接部材20、アンカー筋1、補強鉄筋2を便宜上実線で記載している。
【0024】
連接部材20は、本体部10を支持するための部材であり、本実施形態では平面状のプレートに孔が形成され枠状となったリブプレート20である。
そのリブプレート20が本体部10から外側へ左右交互に複数突出している。
【0025】
リブプレート20の孔には前後に伸びる補強鉄筋2が複数挿通される。
つまり、前後方向に長い補強鉄筋2が前後方向に並ぶリブプレート20の孔に挿通される。本実施形態においては、左右のリブプレート20にそれぞれ三本の補強鉄筋2が通されている。
【0026】
また、コ字状に曲げられた鉄筋であるアンカー筋1が床版Sに埋め込まれて立設している。
このアンカー筋1は両先端が上方を向き床版Sから露出するがその両先端の高さ位置はリブプレート20の上端よりも低く、アンカー筋1の両先端は左右方向に離間している。
また、アンカー筋1同士の前後の間隔はリブプレート20同士の前後の間隔と等しい。
このようなアンカー筋1にリブプレート20及び補強鉄筋2が固定される。
この固定がなされた後、コンクリート30で本体部10の左右外側を固められる。
【0027】
次に、
図3から
図8を参照して、既設ジョイント装置90の撤去方法を説明する。
この既設ジョイント装置90の撤去方法は、切断位置決定工程100、切断深さ決定工程200、左右切断工程300、本体部除去工程400、第一ブロック除去工程500、破壊工程600、を備える。
【0028】
まず、切断位置決定工程100において、金属探知を行ってコンクリート30内のアンカー筋1の位置を把握し、左右切断工程300における切断位置を決定する。
【0029】
次に、切断深さ決定工程200において、コンクリート30に上方からドリルで穴を形成し、その穴に内視鏡を挿入して、穴が床版Sまで届いているか否かを確認する。
内視鏡で覗いた結果、まだコンクリート30しか見えない場合にはドリルで穴を深くする。
このようにして床版Sまでの深さ位置を認識し、左右切断工程300における切断深さを決定する。
【0030】
次に、左右切断工程300において、前後方向にカッター(図示しない)を移動させて、コンクリート30の上からアンカー筋1の左右両側を切断する。この切断位置を
図4において破線で示した。これによりリブプレート20も切断される。
【0031】
アンカー筋1は各リブプレート20について二本あり、それぞれの左右両側を切断する。つまり、切断箇所はジョイント装置90の左右両側に関して合計八ヶ所となる。
このとき前後に延びる補強鉄筋2を避けて切断する。つまり、一箇所のアンカー筋1について、アンカー筋1の左右外側とそのアンカー筋1に取り付けられた補助鉄筋の左右外側を切断する。
なおこのとき、それらの切断に加え、さらに左右外側のコンクリート30と舗装Hとの間にカッターを入れて前後方向へ移動させ、コンクリート30と舗装Hとを切断する。これはコンクリート30と舗装Hのちょうど境目に限られず、舗装H近傍のコンクリート30部分であってもよい。
【0032】
また、この切断深さは切断深さ決定工程200で決定した深さとして、床版Sまで切ってしまわないようにする。
【0033】
次に、本体部除去工程400において、左右切断工程300により切り離された本体部10を取り除く。
つまり、左右切断工程300において本体部10に最も近いアンカー筋1の左右内側が切断され本体部10が切り離されるので、
図5に示すように切り離された本体部10を取り除く。本体部10は長尺の重量物なのでクレーンで釣り上げて取り除く方法が考えられる。
【0034】
次に、第一ブロック除去工程500において、
図6に示すように、前記左右切断工程により切り離された一対のアンカー筋1の間にあるコンクリート30ブロック、及びアンカー筋1の左右外側にあるコンクリート30ブロックを取り除く。
このとき、切り離された本体部10とコンクリート30のブロックを取り除く順番は特に問わない。
【0035】
次に、破壊工程600において、前後に隣接するアンカー筋1の間に残されたコンクリート30を破壊する。
詳しくは、
図6に示すように本体部10を取り除くことでリブプレート20の切断面が見えてコンクリート30内に残されたリブプレート20の位置が判明するとともに、リブプレート20とアンカー筋1は近接位置に存在するので、リブプレート20やアンカー筋1が存在しないコンクリート30の部位をハンドクラッシャーで圧砕する。なお、前後に隣接するアンカー筋1の間に残されたコンクリート30はハンドクラッシャーで圧砕できるだけの肉厚である。なお、左右方向の最も外側にあるアンカー筋1よりも外側のコンクリート30ブロックも取り除いているので、ハンドクラッシャーを隙間に入れることができる。
そして、それにより生じたコンクリート30片を取り除く(
図7参照)。
【0036】
最後に、補強鉄筋2を取り除く。
もし、リブプレート20片がアンカー筋1に付いている場合は、リブプレート20片を取り除く(
図8)。
これにより、コンクリート30を含む既設ジョイント装置90を撤去した後にアンカー筋1がそのまま残る。
【0037】
以上のように構成された既設ジョイント装置90の撤去方法によれば、アンカー筋1の左右両側を切断し、本体部10及びコンクリート30のブロックを取り除くとともにアンカー筋1の間に残されたコンクリート30を破壊するので、アンカー筋1をそのまま残しつつ既設ジョイント装置90を除去可能である。
したがって、既設ジョイント装置90を撤去してもアンカー筋1を残すことができ、新規ジョイント装置90の設置に再利用することができる。よって床版Sを損傷し難い。
【0038】
(第二実施形態)
次に
図9から
図13を参照して、本発明の第二実施形態に係る既設ジョイント装置90の撤去方法を説明する。なお、第一実施形態と同一部分には同一符号を付した。
本実施形態の第一実施形態との違いは、本体部除去工程400以降の工程であり、本体部除去工程400までの工程に関しては第一実施形態と同一である。
【0039】
本実施形態では本体部除去工程400の後に、前後切断工程700、第一ブロック除去工程500、第二ブロック除去工程800が行われる。
【0040】
前後切断工程700において、
図10の破線で示すように、アンカー筋1及びリブプレート2の前後両側の位置で、左右方向にカッターを移動させてコンクリート30の上から補強鉄筋2を切断する。
次に、第一ブロック除去工程500において、
図11に示すように、左右切断工程300により切り離されていた、一対のアンカー筋1の間にあるコンクリート30ブロック、及びアンカー筋1の左右外側にあるコンクリート30ブロックを取り除く。
【0041】
次に、第二ブロック除去工程800において、前後切断工程700により切り離された、リブプレート20の前後にあるコンクリート30のブロックを取り除く(
図12参照)。
ここまで行うと、リブプレート30片と補強鉄筋2片を軽い力で取り除くことができ、
図13に示す状態とすることができる。
【0042】
なお、第一及び第二実施形態において、切断位置決定工程100や切断深さ決定工程200を備えたが、これに限られるものではない。
また、切断位置決定工程100と切断深さ決定工程200を備えるときに、切断位置決定工程100と切断深さ決定工程200の順序は問わない。
【0043】
また、連接部材20をリブプレート20であるとしたが、鉄筋であってもよい。
また、アンカー筋1を略U字状としたが、これに限られるものではなくまっすぐ延びる鉄筋であってもよい。
【0044】
また、第一実施形態の破壊工程600において圧砕するとしたが、これに限られるものではなく、他の破壊方法でもよい。
しかし、床版Sになるべく振動が加わらない方法を選択すべきである。
【0045】
また、第二実施形態の前後切断工程700と第一ブロック除去工程500の順番が逆になっていてもよい。
他にも、矛盾が生じない範囲で第一及び第二実施形態の各工程の順番を入れ替えてもよい。
【0046】
また、リブプレート20が本体部10から外側へ左右交互に複数突出しているジョイント装置90に対して施工したが、これに限られるものではなく、リブプレート20が左右対称に突出しているものであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 アンカー筋
2 補強鉄筋
10 本体部
20 連接部材(リブプレート)
30 コンクリート
90 ジョイント装置
100 切断位置決定工程
200 切断深さ決定工程
300 左右切断工程
400 本体部除去工程
500 第一ブロック除去工程
600 破壊工程
700 前後切断工程
800 第二ブロック除去工程
H 舗装
S 床版
【手続補正書】
【提出日】2022-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部と、
前記本体部から左右外側に突出する複数の連接部材と、を有し、
床版に埋め込まれて立設するアンカー筋に前記連接部材が固定されるとともに、コンクリートで前記本体部の左右外側を固められたジョイント装置の撤去方法であって、
前後方向にカッターを移動させて前記それぞれのアンカー筋の左右両側の前記コンクリート及び前記連結部材を切断する左右切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記本体部を取り除く本体部除去工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第一ブロック除去工程と、
前記本体部除去工程の後に前記連接部材の位置を確認して、前後に隣接する前記アンカー筋の間に残されたコンクリートを破壊し、それにより生じたコンクリート片を取り除く破壊工程と、を備え、前記アンカー筋を前記床版に残すことを特徴とする既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項2】
金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部と、
前記本体部から左右外側に突出する複数の連接部材と、を有し、
床版に埋め込まれて立設するアンカー筋に前記連接部材が固定されるとともに、コンクリートで前記本体部の左右外側を固められたジョイント装置の撤去方法であって、
前後方向にカッターを移動させて前記それぞれのアンカー筋の左右両側の前記コンクリート及び前記連結部材を切断する左右切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記本体部を取り除く本体部除去工程と、
前記本体部除去工程の後に前記連接部材の位置を確認して、左右方向に前記カッターを移動させて前記それぞれのアンカー筋の前後両側の前記コンクリートを切断する前後切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第一ブロック除去工程と、
前記前後切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第二ブロック除去工程と、を備え、前記アンカー筋を前記床版に残すことを特徴とする既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項3】
前記左右切断工程の前工程として、金属探知を行うことで前記コンクリート内の前記アンカー筋の位置を把握し、前記切断工程における切断位置を決定する切断位置決定工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項4】
前記左右切断工程の前工程として、前記コンクリートに上方から穴を形成して前記床版の深さ位置を認識し、前記切断工程における切断深さを決定する切断深さ決定工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設ジョイント装置の撤去方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部と、
前記本体部から左右外側に突出する複数の連接部材と、を有し、
床版に埋め込まれて立設するアンカー筋に前記連接部材が固定されるとともに、コンクリートで前記本体部の左右外側を固められたジョイント装置の撤去方法であって、
前後方向にカッターを移動させて前記それぞれのアンカー筋の左右両側の前記コンクリート及び前記連接部材を切断する左右切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記本体部を取り除く本体部除去工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第一ブロック除去工程と、
前記本体部除去工程の後に前記連接部材の位置を確認して、前後に隣接する前記アンカー筋の間に残されたコンクリートを破壊し、それにより生じたコンクリート片を取り除く破壊工程と、を備え、前記アンカー筋を前記床版に残すことを特徴とする既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項2】
金属製の壁部同士が左右方向に離間してなる本体部と、
前記本体部から左右外側に突出する複数の連接部材と、を有し、
床版に埋め込まれて立設するアンカー筋に前記連接部材が固定されるとともに、コンクリートで前記本体部の左右外側を固められたジョイント装置の撤去方法であって、
前後方向にカッターを移動させて前記それぞれのアンカー筋の左右両側の前記コンクリート及び前記連接部材を切断する左右切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記本体部を取り除く本体部除去工程と、
前記本体部除去工程の後に前記連接部材の位置を確認して、左右方向に前記カッターを移動させて前記それぞれのアンカー筋の前後両側の前記コンクリートを切断する前後切断工程と、
前記左右切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第一ブロック除去工程と、
前記前後切断工程により切り離された前記コンクリートのブロックを取り除く第二ブロック除去工程と、を備え、前記アンカー筋を前記床版に残すことを特徴とする既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項3】
前記左右切断工程の前工程として、金属探知を行うことで前記コンクリート内の前記アンカー筋の位置を把握し、前記切断工程における切断位置を決定する切断位置決定工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設ジョイント装置の撤去方法。
【請求項4】
前記左右切断工程の前工程として、前記コンクリートに上方から穴を形成して前記床版の深さ位置を認識し、前記切断工程における切断深さを決定する切断深さ決定工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設ジョイント装置の撤去方法。