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特開2023-176957異方性導電シート及び異方性導電シートの製造方法
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  • 特開-異方性導電シート及び異方性導電シートの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176957
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】異方性導電シート及び異方性導電シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 11/01 20060101AFI20231206BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01R11/01 501H
H01R43/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089564
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】323004813
【氏名又は名称】株式会社TOTOKU
(71)【出願人】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷 真吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰
【テーマコード(参考)】
5E051
【Fターム(参考)】
5E051CA04
(57)【要約】
【課題】半導体デバイス等の被検査物に加わる力を抑えつつ、貫通電極の剥離を起こさずに安定して検査を繰り返し行うことが可能な構成の異方性導電シートを提供することを目的とする。
【解決手段】異方性導電シート1は、樹脂材料からなるシート状の絶縁層2と、絶縁層2を厚み方向に貫通した複数の貫通孔2cと、貫通孔2cに形成された金属薄膜からなる貫通電極3とを有し、貫通電極3は、複数の分割電極31(または分割電極32)が貫通孔2cの周方向に配されて構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料からなるシート状の絶縁層と、前記絶縁層を厚み方向に貫通した複数の貫通孔と、前記貫通孔に形成された金属薄膜からなる貫通電極とを有し、前記貫通電極は、複数の分割電極が前記貫通孔の周方向に配されて構成されること
を特徴とする異方性導電シート。
【請求項2】
前記貫通孔それぞれにおける前記分割電極の数は2以上9以下であること
を特徴とする請求項1に記載の異方性導電シート。
【請求項3】
前記絶縁層の厚みは0.05~2.00mmであること
を特徴とする請求項1または2に記載の異方性導電シート。
【請求項4】
前記貫通電極における前記厚み方向の一端面と他端面とはそれぞれ前記絶縁層の厚みの0.8倍以下で突出していること
を特徴とする請求項3に記載の異方性導電シート。
【請求項5】
前記貫通孔に内向きの凸部が形成されており、前記分割電極は前記凸部にて区画されていること
を特徴とする請求項1または2に記載の異方性導電シート。
【請求項6】
樹脂材料からなるシート状の絶縁層と、前記絶縁層を厚み方向に貫通した複数の貫通孔と、前記貫通孔に形成された貫通電極とを有する異方性導電シートの製造方法であって、金属薄膜からなる複数の分割電極を前記貫通孔の周方向に配して前記貫通電極にすること
を特徴とする異方性導電シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス等の被検査物に対する検査を繰り返し行うための異方性導電シート及び異方性導電シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂材料からなる基材シートに貫通孔を形成して中空構造にし、前記貫通孔に金属薄膜からなる貫通電極を形成する電気コネクタの製造方法が提案されている(特許文献1:特開2020-027859号公報、特許文献2:国際公開第2018/212277号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-027859号公報
【特許文献2】国際公開第2018/212277号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体デバイスは日進月歩で集積化されており、それら半導体デバイスに対応すべく、より狭ピッチの電極を有する異方性導電シートが求められている。しかしながら、従来技術において、絶縁層は樹脂材であり、貫通電極は金属薄膜であるため、両者は伸び率も硬さも異なる。そのため、繰り返し検査をすることで、貫通電極が絶縁層の伸縮に追随出来ずに亀裂が生じて導通が不安定になってしまう問題や、前記亀裂が拡大して貫通電極が絶縁層から剥がれて導通不良になってしまう問題や、剥がれて脱落した貫通電極の一部が半導体デバイスに付着してコンタミネーションになるなど品質上の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、半導体デバイス等の被検査物に加わる力を抑えつつ、貫通電極の剥離を起こさずに安定して検査を繰り返し行うことが可能な構成の異方性導電シートを提供することを目的とする。
【0006】
一実施形態として、以下に開示するような解決策により、前記課題を解決する。
【0007】
本発明に係る異方性導電シートは、樹脂材料からなるシート状の絶縁層と、前記絶縁層を厚み方向に貫通した複数の貫通孔と、前記貫通孔に形成された金属薄膜からなる貫通電極とを有し、前記貫通電極は、複数の分割電極が前記貫通孔の周方向に配されて構成されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、被検査物に加わる力を抑えることができるとともに、内部歪みが緩和されて絶縁層の伸縮に貫通電極が追随しやすくなる。よって、繰り返し検査をする場合においても貫通電極の剥離を起こさずに安定して検査を繰り返し行うことができる。
【0009】
前記貫通孔それぞれにおける前記分割電極の数は2以上である。前記分割電極の数は9以下であることが好ましい。これにより、絶縁層が伸縮する際の分割電極への影響度合いをより低減することができるとともに、必要な密着強度を確保できる。前記分割電極の数は6以下であることがより好ましい。これにより、必要な導体面積を確保することが容易にできる。一例として、前記貫通孔の形状は、平面視で円形状、扇形状、半円形状、三角形状、四角形状、六角形状、多角形状等に設定される。
【0010】
前記絶縁層の厚みは0.05mm以上であることが好ましい。これにより、被検査物を検査する際の押圧力を緩和することができる。前記絶縁層の厚みは2.00mm以下であることが好ましい、これにより、被検査物を導通させる際の抵抗値の変動を抑えることができる。前記絶縁層の厚みは0.1mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。一例として、前記樹脂材料はゴム弾性体からなる。これにより、伸縮性に富み、弾性復元力に優れた構成にできる。一例として、前記貫通孔の直径は0.001mm以上0.040mm以下に設定される。
【0011】
一例として、前記貫通電極における前記厚み方向の一端面と他端面とはそれぞれ前記絶縁層における前記厚みの0.8倍以下で突出している構成である。この構成により、被検査物を検査する際の貫通電極との導通をより確実にして接触抵抗を小さくすることができる。
【0012】
一例として、前記貫通孔に内向きの凸部が形成されており、前記分割電極は前記凸部にて区画されている構成である。この構成により、各分割電極と絶縁層との密着力をより向上させることができる。
【0013】
本発明に係る異方性導電シートの製造方法は、樹脂材料からなるシート状の絶縁層と、前記絶縁層を厚み方向に貫通した複数の貫通孔と、前記貫通孔に形成された貫通電極とを有する異方性導電シートの製造方法であって、金属薄膜からなる複数の分割電極を前記貫通孔の周方向に配して前記貫通電極にすることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、被検査物に加わる力を抑えることができるとともに、内部歪みが緩和されて絶縁層の伸縮に貫通電極が追随しやすくなる。よって、貫通電極の剥離を起こさずに安定して検査を繰り返し行うことができる。一例として、前記貫通電極を金属めっきにて形成する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、半導体デバイス等の被検査物に加わる力を抑えつつ、貫通電極の剥離を起こさずに安定して検査を繰り返し行うことが可能な構成の異方性導電シートが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本発明の実施形態に係る異方性導電シートの第1例を模式的に示す斜視図である。
図2図2Aは第1例の異方性導電シートの要部を模式的に示す平面図であり、図2B図2AのB-B線断面図であり、図2C図2Aの底面図である。
図3図3Aは第2例の異方性導電シートの要部を模式的に示す平面図であり、図3B図3AのB-B線断面図であり、図3C図3Aの底面図である。
図4図4Aは第3例の異方性導電シートの要部を模式的に示す平面図であり、図4B図4AのB-B線断面図であり、図4C図4Aの底面図である。
図5図5は本発明の実施形態に係る異方性導電シートの製造手順を示すフロー図である。
図6図6Aは第1例の変形例の要部を模式的に示す平面図であり、図6Bは第2例の変形例の要部を模式的に示す平面図であり、図6Cは第3例の変形例の要部を模式的に示す平面図である。
図7図7は本発明の実施形態に係る異方性導電シートと半導体デバイスとの位置関係を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。本実施形態に係る異方性導電シート1は、半導体デバイスや半導体素子等の被検査物の電気特性検査に適用される。異方性導電シート1は、樹脂材料からなるシート状の絶縁層2と、絶縁層2を厚み方向に貫通した複数の貫通孔2cと、貫通孔2cに形成された金属薄膜からなる貫通電極3とを有する構成である。ここで、異方性導電シート1の各部の位置関係を説明し易くするため、図中にX,Y,Zの矢印で向きを示している。異方性導電シート1は、いずれの向きにおいても使用できる。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0018】
絶縁層2を構成する樹脂材料は、ゴム弾性体からなる。前記樹脂材料としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、エチレン・酢ビゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、チオコールゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、その他既知のゴム弾性体が適用可能である。特に、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムは、耐薬品性に優れているので好ましい。
【0019】
一例として、絶縁層2の厚みは2.00mm以下であり、絶縁層2の厚み方向の圧縮弾性率は5N/mm2以下に設定され、絶縁層2の体積抵抗率は10^12Ω・cm超に設定される。半導体デバイスや半導体素子等の被検査物40を検査する際に、被検査物40に加わる荷重は10gf以下に設定される。
【0020】
貫通電極3は、良導電性の金属導体により形成されている。良導電性の金属導体としては、金、白金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、その他既知の貴金属等を好適に採用することができる。貫通電極3が形成される貫通孔2cは、一例として、ピッチP1でX方向に5~50個が配されており、ピッチP1でY方向に5~50個が配されている。貫通孔2cはマトリクス配置されており、ピッチP1は、一例として0.005mm以上0.05mm以下である。貫通孔2cの形状は、平面視で円形状、扇形状、半円形状、三角形状、四角形状、六角形状、多角形状等に設定される。一例として、貫通孔2cの直径は0.005mm以上0.025mm以下に設定される。ここで、貫通孔2cの形状や配置は、半導体デバイスや半導体素子等の被検査物40の外部電極41に、貫通電極3における複数の分割電極31(または分割電極32)のうちの2つ以上が接触可能な構成であればよく、上記構成に限定されない。なお、外部電極41は、金属端子に限定されず、半田ボールの場合がある。
【0021】
続いて、第1例の異方性導電シート1Aについて、以下に説明する。
【0022】
[第1例]
図2Aは第1例の異方性導電シート1Aの要部を模式的に示す平面図であり、図2B図2AのB-B線断面図であり、図2C図2Aの底面図である。異方性導電シート1Aは、樹脂材料からなるシート状の絶縁層2と、絶縁層2を厚み方向に貫通した複数の円形状の貫通孔2cと、貫通孔2cに形成された金属薄膜からなる貫通電極3とを有し、貫通孔2cの周方向に合計3つの分割電極31が等間隔で配されて貫通電極3が構成される。分割電極31は、貫通孔2cの厚み方向の中心線P3に対して回転対称となる位置に配される。各分割電極31は平面視で円弧状である。ここで、分割電極31の数は、2~9の範囲内で増減可能である。図6Aは、第1例の変形例の要部を模式的に示す平面図であり、この例では、円形状の貫通孔2cの周方向に合計2つの円弧状の分割電極31が配されて貫通電極3が構成される。
【0023】
図2Bの例では、貫通電極3における厚み方向のサイズT2は、絶縁層2における厚み方向のサイズT2よりも大きい値に設定される。貫通電極3における前記厚み方向の一端面と他端面とはそれぞれ絶縁層2における前記厚みの0.8倍以下で突出している。
【0024】
図7は、異方性導電シート1Aと半導体デバイスなどの被検査物40との位置関係を模式的に示す側面図であり、部分拡大図である。一例として、被検査物40はチップ型ICであり、複数の外部電極41を有する。ここで、貫通電極3のピッチP1は、外部電極41のピッチP2よりも小さい値に設定される。一例として、ピッチP1は、ピッチP2の1/3以下に設定される。これにより、半導体デバイスや半導体素子等の被検査物40の外部電極41に、貫通電極3における複数の分割電極31のうちの2つ以上が接触可能な構成にできるので、マルチコンタクトとなって、貫通電極3と外部電極41との位置合わせの自由度が高くなる。
【0025】
本実施形態によれば、被検査物40における外部電極41のピッチやサイズ等のバリエーションに容易に対応可能な構成の異方性導電シート1Aにできる。そして、半導体デバイスや半導体素子等の被検査物40に加わる力を抑えつつ均等に分散することができる。尚且つ、内部歪みが緩和されて絶縁層2の伸縮に貫通電極3が追随しやすくなる。よって、貫通電極3の剥離を起こさずに安定して検査を繰り返し行うことができる。
【0026】
図5は本実施形態に係る異方性導電シート1の製造手順を示すフロー図である。続いて、本実施形態の製造方法について、フロー図に沿って以下に説明する。
【0027】
金属製で丸針状の芯材をピッチP1で配列した基台を準備する。前記芯材は外周方向に等間隔で、金属薄膜の膜厚と同じか浅い溝もしくはケガキが形成されている。ステップS1は、前記芯材に金または白金もしくは銅からなる金属めっきを施して貫通電極3を前記芯材の外周に形成する。
【0028】
ステップS1に続いてステップS2にて、一例として、液状のシリコーン樹脂またはフッ素樹脂またはウレタン樹脂を前記基台が配された型枠に注型し、樹脂硬化させて、絶縁層2を形成する。
【0029】
ステップS2に続いてステップS3にて、エッチャントにて前記芯材を溶かして不要領域を除去する。例えば、前記芯材が鉄またはアルミニウムであり、前記金属めっきが金または白金である場合、フッ化水素(HF)をエッチャントにすることができる。エッチャントは、所望のエッチャント濃度で水または水溶液に溶解したエッチング液の状態でノズルから吐出される。前記不要領域を除去した後、エッチング液は水などで洗い流される。このようにして、異方性導電シート1を製造する。
【0030】
この構成によれば、貫通孔2cの周方向に複数の分割電極31を等間隔で配して貫通電極3を形成するので、半導体デバイス等の被検査物40に加わる力を抑えつつ均等に分散することができる。尚且つ、内部歪みが緩和されて絶縁層2の伸縮に貫通電極3が追随しやすくなる。また、ナノメートルサイズの貫通電極3を再現性良く製造することができる。
【0031】
続いて、第2例の異方性導電シート1Bについて、以下に説明する。
【0032】
[第2例]
図3Aは第2例の異方性導電シート1Bの要部を模式的に示す平面図であり、図3B図3AのB-B線断面図であり、図3C図3Aの底面図である。異方性導電シート1Bは、樹脂材料からなるシート状の絶縁層2と、絶縁層2を厚み方向に貫通した複数の四角形状の貫通孔2cと、貫通孔2cに形成された金属薄膜からなる貫通電極3とを有し、貫通孔2cの各辺に合計4つの分割電極32が周方向に等間隔で配されて貫通電極3が構成される。分割電極32は、貫通孔2cの厚み方向の中心線P3に対して回転対称となる位置に配される。各分割電極32は平面視で線状である。ここで、分割電極32の数は、2~9の範囲内で増減可能である。図6Bは、第2例の変形例の要部を模式的に示す平面図であり、この例では、六角形状の貫通孔2cの周方向に合計6つの線状の分割電極32が配されて貫通電極3が構成される。
【0033】
図3Bの例では、貫通電極3における厚み方向のサイズT2は、絶縁層2における厚み方向のサイズT2よりも大きい値に設定される。貫通電極3における前記厚み方向の一端面と他端面とはそれぞれ絶縁層2における前記厚みの0.8倍以下で突出している。
【0034】
第2例の構成は、金属製で角針状の芯材をピッチP1で配列した基台を準備して、前記芯材は外周方向に等間隔で、金属薄膜の膜厚と同じか浅い溝もしくはケガキを形成することで、第1例と同じように製造できる。貫通孔2cは、四角形状や六角形状に限定されず、五角形状や八角形状などにすることもできる。
【0035】
続いて、第3例の異方性導電シート1Cについて、以下に説明する。
【0036】
[第3例]
図4Aは第3例の異方性導電シート1Cの要部を模式的に示す平面図であり、図4B図4AのB-B線断面図であり、図4C図4Aの底面図である。異方性導電シート1Cは、樹脂材料からなるシート状の絶縁層2と、絶縁層2を厚み方向に貫通した複数の略円形状の貫通孔2cと、貫通孔2cに形成された金属薄膜からなる貫通電極3とを有し、貫通孔2cの周方向に合計3つの分割電極31が等間隔で配されて貫通電極3が構成される。そして、貫通孔2cの内壁に前記樹脂材料からなる凸部2dが形成されており、各分割電極31は凸部2dにて区画されている。分割電極31は、貫通孔2cの厚み方向の中心線P3に対して回転対称となる位置に配される。各分割電極31は平面視で円弧状である。ここで、分割電極31の数は、2~9の範囲内で増減可能である。図6Cは、第3例の変形例の要部を模式的に示す平面図であり、この例では、円形状の貫通孔2cの周方向に合計4つの円弧状の分割電極31が配されて貫通電極3が構成される。
【0037】
図4Bの例では、貫通電極3における厚み方向のサイズT2は、絶縁層2における厚み方向のサイズT2よりも大きい値に設定される。貫通電極3における前記厚み方向の一端面と他端面とはそれぞれ絶縁層2における前記厚みの0.8倍以下で突出している。
【0038】
第3例の構成は、金属製で丸針状の芯材をピッチP1で配列した基台を準備して、前記芯材は外周方向に等間隔で、金属薄膜の膜厚よりも深い溝もしくはスリットを形成することで、第1例と同じように製造できる。前記溝の深さは凸部2dの突出量に対応している。凸部2dによって、各分割電極31と絶縁層2との密着力をより向上させることができる。第3例の構成を第2例に適用して、第2例の構成に凸部2dを設けることも可能である。
【0039】
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1、1A、1B、1C 異方性導電シート
2 絶縁層、2c 貫通孔、2d 凸部
3 貫通電極
31 分割電極
32 分割電極
40 被検査物(半導体デバイス)
41 外部電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7