(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176973
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示プログラム、および方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231206BHJP
B41J 29/38 20060101ALN20231206BHJP
【FI】
G06F3/12 356
G06F3/12 303
G06F3/12 353
G06F3/12 373
G06F3/12 378
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089598
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野瀬 隆哉
(72)【発明者】
【氏名】田中 勇輔
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP10
2C061AQ05
2C061AR03
2C061AS02
2C061AS06
2C061AS07
2C061AS08
2C061HL01
2C061HN19
(57)【要約】
【課題】印刷対象ファイル選択画面に画像データを表すアイテムを表示する情報処理装置、表示プログラム、および制御方法の提供。
【解決手段】情報処理装置において、画像データに印刷設定情報を付与する印刷設定管理手段と、前記印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および前記画像データを表すアイテムを格納する格納手段と、直前の印刷の印刷設定情報と前記格納手段に格納された前記画像データの印刷設定情報とを比較して、一致する前記画像データを表すアイテムを前記格納手段に抽出する抽出手段と、抽出された前記画像データを表すアイテムを表示する表示手段と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに印刷設定情報を付与する印刷設定管理手段と、
前記印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および前記画像データを表すアイテムを格納する格納手段と、
直前の印刷の印刷設定情報と前記格納手段に格納された前記画像データの印刷設定情報とを比較して、一致する前記画像データを表すアイテムを前記格納手段に抽出する抽出手段と、
抽出された前記画像データを表すアイテムを表示する表示手段と、を有する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
比較される前記直前の印刷の印刷設定情報および前記画像データの前記印刷設定情報は、1つ以上の任意の設定項目の情報である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記1つ以上の任意の設定項目は、プリンタドライバ名、プリンタ名、用紙種類、用紙サイズのいずれかから選択される、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理手段は、前記抽出手段によって印刷設定が等しいと判定された前記画像データ以外の画像データを表すアイテムも前記表示手段に表示させる機能を有する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置を、
画像データに対して印刷設定情報を付与する、印刷設定管理手段と、
前記印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および前記画像データを表すアイテムを格納する、格納手段と、
前記直前の印刷の印刷設定情報と前記格納手段に格納された前記画像データの印刷設定情報とを比較して、一致する前記画像データを表すアイテムを前記格納手段に抽出する、抽出手段と、
抽出された前記画像データを表すアイテムを表示させる表示手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
管理手段が、画像データに印刷設定情報を付与する、管理工程と、
前記管理手段が、前記印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および前記画像データを表すアイテムを格納手段に格納する、格納工程と、
前記管理手段が、前記直前の印刷の印刷設定情報と前記格納手段に格納された前記画像データの印刷設定情報とを比較して、一致する前記画像データを表すアイテムを前記格納手段に抽出する、抽出工程と、
前記管理手段が、抽出された前記画像データを表すアイテムを表示手段に表示する、表示工程と、を有することを特徴とする、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示のための情報処理装置、表示プログラム、および制御方法に関し、特に、印刷対象ファイル選択画面に画像データを表すアイテム等を表示する情報処理装置、表示プログラム、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
直前の印刷実行時の印刷設定情報を記憶し、また過去の印刷データである画像データを保存する際に過去の印刷設定情報を紐づけて保存する機能を有した情報処理装置が知られている。
【0003】
そのような情報処理装置において、目的とする画像データを開く際に、選択対象リストにユーザーの作業と関わらない印刷設定を有する画像データに付与されたアイテムが多数表示されていると、目的の画像データを探すのに手間がかかるという課題があった。
【0004】
印刷履歴情報のみの検索方法としては、ユーザーが目的の印刷設定を指定する際の検索性を向上させる、特開2018-08134(特許文献1)がある。
【0005】
特許文献1に記載の印刷設定表示プログラムでは、印刷設定履歴を一覧表示し、その中からユーザーが任意の印刷設定履歴を指定して現在の印刷設定に反映させる。
【0006】
この操作において、任意の印刷設定履歴と現在の印刷設定を比較し、同じ印刷設定の印刷設定履歴をグループ化して直近の印刷設定履歴のみを表示させることで、同じ印刷設定履歴グループを重複して表示させず、検索性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1において、印刷設定の検索性については向上が見込めるものの、印刷データである画像データを検索することについては開示していない。
【0009】
また、ラベルプリンタやカードプリンタ等のデバイスは、印刷媒体を異なるサイズに変更する頻度が低いため、通常のMFPに比べて印刷設定(印刷媒体サイズ)が限定される。
【0010】
本発明は、ラベルプリンタやカードプリンタ等、印刷設定が限定されるデバイスにおいて、所望の印刷設定が付与された画像データの検索を可能にすることを目的とする。
【0011】
また本発明は、ユーザーが印刷対象ファイル選択画面から画像データを指定する際の検索性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態は、画像データに印刷設定情報を付与する印刷設定管理手段と、前記印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および画像データを表すアイテムを格納する格納手段と、直前の印刷の印刷設定情報と前記格納手段に格納された前記画像データの印刷設定情報とを比較して、一致する前記画像データを表すアイテムを前記格納手段に抽出する抽出手段と、抽出された前記画像データを表すアイテムを表示する表示手段と、を有する、ことを特徴とする情報処理装置である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、直前の印刷の印刷設定と、画像データに付与された過去の印刷設定を比較し、印刷設定が一致する画像データに付与されたアイテムのみをユーザーに対して表示する。
【0014】
このように制御することで、ユーザーの目的に適した印刷設定だと判定された画像データを表すアイテムのみを一覧に表示し、ユーザーが前記アイテムの一覧から目的に応じた画像データを指定する際の検索性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態における、表示プログラムを実行する表示システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態における、印刷時にアプリケーションプログラム上で設定された印刷設定情報を格納するフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態における、画像データを表すアイテムを一覧表示する処理に関するフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図1の画像データを表すアイテム表示システムを備える、ラベルプリンタの外観図である。
【
図5】
図5(a)は、従来(抽出前)の画像データファイルの画像データを表すアイテムの一覧を表示する画面である。
図5(b)は本発明の一実施形態におけるプログラム実行後の画像データを表すアイテムを一覧表示する画面である。
【
図6】
図6は、
図1の画像データを表すアイテム表示システムを備える、カードプリンタの外観図である。
【
図7】
図7(a)は、従来(抽出前)の画像データファイルの画像データを表すアイテムの一覧を表示する画面である。
図7(b)は本発明の一実施形態におけるプログラム実行後の画像データを表すアイテムを一覧表示する画面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。
【0017】
実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0018】
[実施形態1]
(情報処理装置)
図1は、本発明の実施形態1における表示プログラムを実行する情報処理装置1000の概略構成を示す図である。
【0019】
情報処理装置1000は、CPU101、RAM102、プログラム記憶装置103、表示部104を含む。情報処理装置1000は、プリンタ(不図示)で画像データを印刷するように作動するアプリケーションプログラムを実行することができる。
【0020】
CPU101は、プログラム記憶装置103に記憶されているプログラムを実行して、情報処理装置の各部を制御する。
【0021】
RAM102は、各種の処理が行われる際の作業領域として、あるいは、データを一時保存する記憶領域として利用される。
【0022】
RAM102は、アプリケーション印刷設定情報111、印刷対象ファイル印刷設定情報112、フォルダパス113、前記フォルダパスに含まれるファイル数114、ファイルの比較結果115、およびファイル表示リスト116を有する。
【0023】
RAM102は、印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および画像データを表すアイテムを格納する。
【0024】
アプリケーション印刷設定情報111は、画像データを印刷するようプリンタを作動させるアプリケーションプログラム上で設定される印刷設定情報であり、直前の印刷設定を有する印刷設定情報データ構造体120を有する。
【0025】
印刷設定情報データ構造体120は、任意の印刷設定情報の組み合わせから構成されるデータ構造体である。
【0026】
印刷設定情報には、プリンタドライバ名、用紙サイズ、部数、用紙の向き、用紙種類、ページ割付、印刷面数などあらゆる印刷設定を利用することができる。
【0027】
実施形態1では、印刷設定情報データ構造体120はプリンタドライバ名121および用紙サイズ122から構成されるが、これらに限定されない。
【0028】
印刷対象ファイル印刷設定情報112は、比較対象となる画像データに付与された印刷設定情報データ構造体120を有する。
【0029】
フォルダパス113は、印刷対象ファイルを検索する対象である。
【0030】
また、ファイル表示リスト116は任意の数の画像データを表すアイテム132と、ファイル数の数を示す、表示ファイル数(M個)131とで構成されている。
【0031】
プログラム記憶装置103は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションソフトウェア及び
図2、
図3に示すフローに対応するプログラムなどが記憶されている。
【0032】
表示部104は、CPU101で実行されたプログラムの処理結果を表示する。表示部104は、出力機能とタッチパネル等の入力機能との両方を有するものであり得る。
【0033】
続いて、情報処理装置にて実行される動作について説明する。なお、以下の説明における処理およびフローチャートの各ステップは、基本的にプログラムに記述された命令に従ったCPUの処理を示す。
【0034】
(処理プログラム)
図2は、本発明の実施例のユーザーが印刷を実行した際に、アプリケーションプログラム上で設定された印刷設定情報をアプリケーション印刷設定情報111に格納する処理を示すフローチャートである。
【0035】
これにより、アプリケーション印刷設定情報111には直前の印刷設定情報が格納されることとなる。格納される印刷設定情報には、印刷設定情報データ構造体120が含まれる。
【0036】
図2に示すステップの処理は、CPU101が、プログラム記憶装置103に格納されたプログラムをRAM102にロードして実行することにより実現される。
【0037】
ステップS001において、ユーザーが印刷を実行した際に、印刷に使用した印刷設定をRAM102のアプリケーション印刷設定情報111に格納する。これにより、アプリケーション印刷設定情報111には直前の印刷設定情報が格納されることとなる。
【0038】
アプリケーション印刷設定情報111に格納される印刷設定は1つ以上の任意の印刷設定情報であり、印刷設定情報データ構造体120aが含まれる。
【0039】
実施形態1では、印刷を実行した際に印刷に使用した印刷設定をアプリケーション印刷設定情報111に格納しているが、印刷対象ファイルを保存するときや印刷対象ファイルを開くとき等任意のタイミングでもよい。
【0040】
図3は、格納された画像データから所望の画像データを抽出し、対応する画像データを表すアイテムを表示する処理を示すフローチャートである。
【0041】
図3に示す各ステップの処理は、CPU101が、プログラム記憶装置103に格納されたプログラムをRAM102にロードして実行することにより実現される。
【0042】
ステップS101において、フォルダパス113が有する、印刷設定情報が付与された過去の画像データである印刷対象ファイルの数Nを、RAM102のファイル数114に個数をN個として格納する。
【0043】
ステップS102において、ステップS101は印刷対象ファイルの個数分、すなわちN回ループされる。
【0044】
ステップS103において、比較する画像データに付与されている印刷設定情報(プリンタドライバ名121、及び用紙サイズ122等)を印刷対象ファイル印刷設定情報112に格納する。
【0045】
印刷対象ファイル印刷設定情報112に格納される情報は1つ以上の任意の印刷設定情報であり、印刷設定情報データ構造体120bが含まれる。
【0046】
ステップS104において、アプリケーション印刷設定情報111に格納された印刷設定情報データ構造体120aと、印刷対象ファイル印刷設定情報112に格納された印刷設定情報データ構造体120bを比較し、比較結果を比較結果115に格納する。
【0047】
ステップS105において、印刷設定情報データ構造体120aと印刷設定情報データ構造体120bとが一致する場合、ステップS106に進む。
【0048】
ステップS106において、ステップS104で印刷設定情報データ構造体120aと印刷設定情報データ構造体120bとが一致すると判断された印刷設定情報データ構造体120bを有する画像データを表すアイテムを、ファイル表示リスト116に格納する。
【0049】
画像データを表すアイテムとは、後述するように表示部104に画像データを表すものとして表示される文字、記号、またはアイコンなどをいう。
【0050】
印刷設定情報データ構造体120aと印刷設定情報データ構造体120bとが一致しない場合、ステップS106をスキップする。
【0051】
ステップS103~S106はフォルダパス113に格納された画像データの数(N個)回繰り返し、フォルダパス113に格納された画像データの印刷設定情報データ構造体120bを印刷設定情報データ構造体120aと各々すべて比較する。
【0052】
ステップS103~S106の繰り返しは、フォルダパス113が有する印刷対象ファイルの数(N個)回を超えた場合、ループを抜ける。
【0053】
ステップS107において、ファイル表示リスト116が有する画像データを表すアイテムの個数(M個)を、RAM102の表示ファイル数(M個)131にM個として格納する。
【0054】
ステップS108において、ステップS107を画像データを表すアイテムの個数分、すなわちM回ループする。
【0055】
ステップS109において、表示部104の印刷対象ファイル選択画面に、ファイル表示リスト116が有する画像データを表すアイテムを一覧で表示する。
【0056】
画像データを表すアイテムは、画像データへのフルパスが紐づいており、フルパスはユーザーが表示されたアイテム一覧からフォルダパス113に格納される画像データへアクセスし、画像データを開くことを可能にする。
【0057】
このように、情報処理装置1000にて
図2および
図3に記載のステップを実行することにより、ユーザーの目的に適した印刷設定だと判定された画像データを表すアイテムのみを一覧に表示する。また、このような制御により、ユーザーが前記アイテムの一覧から目的に応じた画像データに簡便に到達することができる。
【0058】
[実施形態2]
実施形態2では、実施形態1の情報処理装置と連結し、画像データの印刷を行うことのできるプリンタとして、ラベルプリンタ200を用いて説明する。
図4はラベルプリンタ200の全体図である。
【0059】
図4に示すラベルプリンタ200は、上述実施形態と同様の情報処理装置を有し、ホスト装置700から受け取る画像データをロール紙Pにインクジェット記録方式により記録して画像形成するラベルプリンタとして機能する。
【0060】
このプリンタ200は、例えば、ロール紙Pを搬送して、ロール紙Pへの書込処理を実行する。
【0061】
巻取機は、搬送ベルト21から送り出されるロール紙Pを下方に牽引して巻き取るように設置されている。巻取機は、巻取モータ(図示せず)の駆動により回転されてロール紙Pを適宜に巻き取る。
【0062】
ホスト装置700は、接続される1台または複数台のプリンタ200によりロール紙Pなどの記録媒体に記録形成する画像データを、例えば、ユーザーが各種ソフトウェアなどを実行することにより作成(生成)する。
【0063】
このホスト装置700は、その生成した画像データを後述のHDD内のプリンタドライバを読み出して、プリンタ200に画像形成処理可能な画像データとして受け渡すようになっている。なお、ホスト装置700とプリンタ200との接続はUSBケーブルW に限るものではなく、例えば、ネットワークケーブルやIEEE1284や無線LAN等でもよいことは言うまでもない。
【0064】
図5は、従来(データ抽出前)の印刷対象ファイル選択画面141(
図5(a))と、実施形態2において、本発明の情報処理装置により、画像データを表すアイテムを抽出して表示部104に表示した印刷対象ファイル選択画面143(
図5(b))を示す。
【0065】
印刷対象ファイル選択画面141(
図5(a))には、フォルダパス113に格納される、すべての印刷対象ファイル(画像データ)が印刷設定情報とともに示されている。
【0066】
本実施形態において、印刷設定情報データ構造体120aおよび構造体120bを、特定するプリンタドライバ名121および用紙サイズ122を含む印刷設定とする。印刷設定情報データ構造体120aおよび120bとして、プリンタドライバ名121が採用されているが、実際には1つ以上の任意の印刷設定でよい。本実施形態では、印刷設定情報データ構造体120aのプリンタドライバ名がラベルプリンタA、用紙サイズ122が「4インチ×3インチ」である。
【0067】
図5(b)では、印刷設定情報データ構造体120bと、印刷設定情報データ構造体120aとを比較および抽出を行い、印刷設定情報データ構造体120aと印刷設定情報データ構造体120bとが一致する画像データを示すアイテムを一覧で表示する。
【0068】
その結果、印刷対象ファイル選択画面141(
図5(a))の全データ数9個のうち、対応する画像データを表すアイテム(2個)のみが、印刷対象ファイル選択画面143(b)に表示される。すなわち、このアイテム抽出システムでは、一致する印刷設定を有する画像データを表すアイテムのみを抽出して表示する。
【0069】
なお、他の印刷設定を有する画像データを示すアイテムを印刷対象ファイル選択画面(b)143に表示したい場合は、印刷対象ファイル選択画面(b)143の下部にあるボタンに触れることにより印刷設定による抽出表示を解除することができる。
【0070】
[実施形態3]
実施形態3では、実施形態1の情報処理装置と連結し、画像データの印刷を行うことのできるプリンタとして、カードプリンタ300を用いて説明する。
図6はカードプリンタ300の全体図である。
【0071】
図6に示すカードプリンタ300は、上述実施形態と同様の情報処理装置を有し、ホスト装置700から受け取る画像データをカード用紙Pにインクジェット記録方式により記録して画像形成するカードプリンタ300として機能する。
【0072】
図6において、プリンタ300は、画像データを出力するホスト装置700に、各種データをやり取り可能に接続され、画像記録システムを構成している。
【0073】
ホスト装置700は、例えば、所謂、パーソナルコンピュータにより構成され、プリンタを含む外部装置との間で各種データをやり取りすることにより、画像記録システムを機能させるようになっている。
【0074】
例えば、ホスト装置700は、不図示の記憶装置内に格納されているソフトウェアプログラムを実行することにより、ユーザーによる操作指示に応じた各種情報処理を実行して生成した処理結果の画像データをプリンタに出力する。
【0075】
実施形態2と同様に、プリンタ300は、記録媒体のカード用紙(記録媒体)Pに、ホスト装置700から印刷命令と共に受け取る画像データをインクジェット記録方式により記録して画像形成する。
【0076】
ここで、プリンタ300にセットされるカード用紙Pは、例えば、文字やイラスト等の画像が片面や両面に記録形成されるものであり、給送ユニットにより1枚ずつ直線搬送されて、その搬送経路途中で画像形成されるようになっている。
【0077】
なお、本実施形態ではカード用紙Pを記録媒体の一例として説明するが、これに限るものではない。例えば、記録媒体としては、記録紙がロール状に巻かれたロール紙や、所定のサイズにカット済みのカット紙や、蛇腹状に折り曲げられた状態から繰り出されて画像形成後に再度折り曲げ積載される記録媒体でもよい。
【0078】
また、記録媒体としては、台紙に剥離可能に貼付されているラベルでもよく、ページ毎にミシン目の入っている、所謂、ファンフォールド紙等の形態であってもよい。さらに、記録紙以外の記録媒体に画像形成するプリンタに適用してもよいことは言うまでもない。
【0079】
図7は、従来(データ抽出前)の印刷対象ファイル選択画面151(
図7(a))と、実施形態2において、本発明の情報処理装置により、画像データを表すアイテムを抽出して表示部104に表示した印刷対象ファイル選択画面153(
図7(b))を示す。
【0080】
実施形態2と同様、印刷対象ファイル選択画面151(
図7(a))には、フォルダパス113に格納される、すべての印刷対象ファイル(画像データ)が印刷設定情報とともに示されている。
【0081】
本実施形態において、印刷設定情報データ構造体120aおよび構造体120bを、特定するプリンタドライバ名121および用紙サイズ122を含む印刷設定とする。印刷設定情報データ構造体120aおよび120bとして、プリンタドライバ名121が採用されているが、実際には1つ以上の任意の印刷設定でよい。本実施形態では、印刷設定情報データ構造体120aのプリンタドライバ名がカードプリンタA、用紙サイズ122が「名刺」である。
【0082】
図7(b)では、印刷設定情報データ構造体120bと、印刷設定情報データ構造体120aとを比較および抽出を行い、印刷設定情報データ構造体120aと印刷設定情報データ構造体120bとが一致する画像データを示すアイテムを一覧で表示する。
【0083】
その結果、実施形態2と同様に、印刷対象ファイル選択画面151(
図7(a))の全データ数9個のうち、対応する画像データを表すアイテム(2個)のみが、印刷対象ファイル選択画面153(b)に表示される。
【0084】
このような処理を行うことで、本発明は、ラベルプリンタやカードプリンタ等、印刷設定が限定されるデバイスにおいて、印刷設定のみならず、印刷設定が付与された画像データを表すアイテムの検索を可能にする。
【0085】
また、このような処理は、ユーザーが印刷対象ファイル選択画面から画像データを表すアイテムを指定する際の検索性を向上させる効果がある。
【0086】
本実施形態の開示は、以下の構成および方法を含む。
【0087】
(構成1)
画像データに印刷設定情報を付与する印刷設定管理手段と、前記印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および画像データを表すアイテムを格納する格納手段と、直前の印刷の印刷設定情報と前記格納手段に格納された前記画像データの印刷設定情報とを比較して、一致する前記画像データを表すアイテムを前記格納手段に抽出する抽出手段と、抽出された前記画像データを表すアイテムを表示する表示手段と、を有する、ことを特徴とする情報処理装置。
【0088】
(構成2)
比較される前記直前の印刷の印刷設定情報および前記画像データの前記印刷設定情報は、1つ以上の任意の設定項目の情報である、ことを特徴とする構成1に記載の情報処理装置。
【0089】
(構成3)
前記1つ以上の任意の設定項目は、用紙サイズ、プリンダドライバ、部数、用紙の向き、用紙種類、ページ割付、印刷面数のいずれかから選択される、ことを特徴とする構成2に記載の情報処理装置。
【0090】
(構成4)
前記管理手段は、前記抽出手段によって印刷設定が等しいと判定された前記画像データ以外の画像データを表すアイテムも前記表示手段に表示させる機能を有する、ことを特徴とする構成1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0091】
(構成5)
情報処理装置を、画像データに対して印刷設定情報を付与する、印刷設定管理手段と、前記印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および画像データを表すアイテムを格納する、格納手段と、前記直前の印刷の印刷設定情報と前記格納手段に格納された前記画像データの印刷設定情報とを比較して、一致する前記画像データを表すアイテムを前記格納手段に抽出する、抽出手段と、抽出された前記画像データを表すアイテムを表示させる表示手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【0092】
(構成6)
管理手段が、画像データに印刷設定情報を付与する、管理工程と、前記管理手段が、前記印刷設定情報が付与された画像データ、直前の印刷の印刷設定情報、および画像データを表すアイテムを格納手段に格納する、格納工程と、前記管理手段が、前記直前の印刷の印刷設定情報と前記格納手段に格納された前記画像データの印刷設定情報とを比較して、一致する前記画像データを表すアイテムを前記格納手段に抽出する、抽出工程と、前記管理手段が、抽出された前記画像データを表すアイテムを表示手段に表示する、表示工程と、を有することを特徴とする、情報処理方法。
【符号の説明】
【0093】
101 CPU
102 RAM
103 プログラム記憶装置
104 表示部
111 アプリケーション印刷設定情報
112 印刷対象ファイル印刷設定情報
113 フォルダパス
114 ファイル数(N個)
115 比較結果
116 ファイル表示リスト
120 印刷設定情報データ構造体
121 プリンタドライバ名
122 用紙サイズ
131 表示ファイル数(M個)
141 印刷対象ファイル選択画面(a)
143 印刷対象ファイル選択画面(b)
151 印刷対象ファイル選択画面(a)
153 印刷対象ファイル選択画面(b)
200 ラベルプリンタ
300 カードプリンタ
700 ホスト装置