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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023176996
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20231206BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20231206BHJP
   G06K 7/015 20060101ALI20231206BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20231206BHJP
【FI】
G06K7/10 136
G06K17/00 029
G06K7/10 224
G06K7/015
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089645
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】中邑 公紀
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 順
(72)【発明者】
【氏名】石川 浩由
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062CC18
(57)【要約】
【課題】無線タグの位置の判定精度を向上させる。
【解決手段】実施形態の通信装置は、1つ以上のアンテナと、第1の駆動部と、第2の駆動部と、プロセッサと、を備える。1つ以上のアンテナは、無線タグと通信する。第1の駆動部は、第1の方向にアンテナを移動させる。第2の駆動部は、第1の方向とは異なる第2の方向にアンテナ又はアンテナとは異なる他のアンテナを移動させる。プロセッサは、第1の方向に沿ったアンテナの移動に基づいて取得される無線タグのタグデータ、及び、第2の方向に沿ったアンテナ又は他のアンテナの移動に基づいて取得される無線タグのタグデータに基づいて、無線タグの位置を判定する。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグと通信するための1つ以上のアンテナと、
第1の方向にアンテナを移動させる第1の駆動部と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向に前記アンテナ又は前記アンテナとは異なる他のアンテナを移動させる第2の駆動部と、
前記第1の方向に沿った前記アンテナの移動に基づいて取得される前記無線タグのタグデータ、及び、前記第2の方向に沿った前記アンテナ又は前記他のアンテナの移動に基づいて取得される前記無線タグのタグデータに基づいて、前記無線タグの位置を判定するプロセッサと、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記第1の駆動部は、所定領域における第1の方向の一端よりも外側から前記第1の方向の他端よりも外側まで前記アンテナを移動させ、
前記第2の駆動部は、前記所定領域における前記第2の方向の一端よりも外側から前記第2の方向の他端よりも外側まで前記アンテナ又は前記他のアンテナを移動させ、
前記プロセッサは、前記無線タグの位置が前記所定領域に含まれるか否かを判定する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第2の駆動部は、前記第2の方向に前記アンテナを移動させる駆動部であり、
前記プロセッサは、前記第1の駆動部の駆動終了後に、前記第2の駆動部を駆動させる、
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2の駆動部は、前記第2の方向に前記他のアンテナを移動させる駆動部であり、
前記プロセッサは、前記第1の駆動部及び前記第2の駆動部を同時に駆動させる、
請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記アンテナの鉛直方向の位置と前記他のアンテナの鉛直方向の位置は同じである、
請求項4に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、物品にバーコードを付すことに代えて、物品に無線タグを付すことが増えている。この場合、無線リーダライタは、無線タグとの無線通信により、無線タグに格納されている情報を読み取る。
【0003】
また、無線リーダライタは、無線タグからの応答波に基づいて、無線タグに対するアンテナの複数の相対位置において位相を計測する。位相は、無線タグの位置の判定に用いられる。
【0004】
しかしながら、無線タグの位置が異なっていても、位相の特徴が類似するケースがある。このようなケースでは、無線タグの位置を判定することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-219284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、無線タグの位置の判定精度を向上させる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の通信装置は、1つ以上のアンテナと、第1の駆動部と、第2の駆動部と、プロセッサと、を備える。1つ以上のアンテナは、無線タグと通信する。第1の駆動部は、第1の方向にアンテナを移動させる。第2の駆動部は、第1の方向とは異なる第2の方向にアンテナ又はアンテナとは異なる他のアンテナを移動させる。プロセッサは、第1の方向に沿ったアンテナの移動に基づいて取得される無線タグのタグデータ、及び、第2の方向に沿ったアンテナ又は他のアンテナの移動に基づいて取得される無線タグのタグデータに基づいて、無線タグの位置を判定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る読取装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る駆動装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る駆動装置を説明するための模式図である。
図5図5は、第1の実施形態に係るアンテナの第1の方向に沿った移動を説明するための上面図である。
図6図6は、第1の実施形態に係るアンテナの第2の方向に沿った移動を説明するための上面図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る無線タグの位置の判定例を説明するための上面図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る読取装置により取得された位相のグラフである。
図9図9は、第1の実施形態に係る読取装置のプロセッサによる処理の一例を示す図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る駆動装置を説明するための模式図である。
図12図12は、第2の実施形態に係る第1のアンテナ及び第2のアンテナの移動を説明するための上面図である。
図13図13は、第2の実施形態に係る第1のアンテナ及び第2のアンテナの移動を説明するための側面図である。
図14図14は、第2の実施形態に係る読取装置のプロセッサによる処理の一例を示す図である。
図15図15は、第2の実施形態に係る読取装置のプロセッサによる移動終了処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。
【0010】
[構成例]
図1は、通信システム1の構成の一例を示すブロック図である。
通信システム1は、通信装置10、端末400及び1以上の物品500に付された1以上の無線タグ600を含む。図1には、1つの物品500に付された1つの無線タグ600が示されるが、通信システム1は、複数の物品500に付された複数の無線タグ600を含んでもよい。なお、通信システム1は、通信装置10及び端末400を含むが、1つ以上の物品500を含まなくてもよい。通信システム1は、情報処理システムの一例である。
【0011】
通信装置10は、無線タグ600と無線通信する装置である。通信装置10は、倉庫内の検品等に用いることができるが、店舗であってもよく、通信装置10の適用例は、これに限定されない。通信装置10は、読取装置100、駆動装置200及びアンテナ300を含む。
【0012】
読取装置100は、駆動装置200及びアンテナ300を制御して、無線タグ600から情報を読み取る装置である。読取装置100は、駆動装置200及びアンテナ300を制御して、無線タグ600のタグデータを計測する装置でもある。計測は、検出の意味を含む。タグデータは、位相及び電波受信強度(RSSI(Received Signal Strength Indicator))のうちの少なくとも何れか一方を含む。読取装置100の構成例については後述する。
【0013】
駆動装置200は、アンテナ300を移動させる装置である。アンテナ300を移動させることは、アンテナ300の位置を移動させることを含む。
【0014】
駆動装置200は、第1の方向に沿った直線上の位置Aと位置Bとの間でアンテナ300を移動させる。駆動装置200は、第2の方向に沿った直線上の位置Cと位置Dとの間でアンテナ300を移動させる。第2の方向は、第1の方向とは異なる方向である。ここでは、第1の方向及び第2の方向が水平方向である例について説明する。駆動装置200の構成例については後述する。
【0015】
アンテナ300は、無線タグ600と通信する。アンテナ300は、電波を送信する。アンテナ300は、無線タグ600からの電波を受信する。無線タグ600からの電波は、アンテナ300から送信された電波に対する無線タグ600からの応答波の一例である。アンテナ300は、無線タグ600から受信した電波を高周波信号に変換し、高周波信号を読取装置100に出力する。
【0016】
端末400は、読取装置100により無線タグ600から読み取られた情報を処理する装置である。端末400は、PC(Personal Computer)等であるが、データを処理する装置であればよく、これに限定されない。
物品500は、商品等である。
【0017】
無線タグ600は、無線タグ600の位置を判定する対象である。無線タグ600の位置を判定することは、無線タグ600の位置の存在する領域を判定することを含む。無線タグ600の位置の存在する領域を判定することは、無線タグ600の位置が第1の領域に含まれるか否かを判定することを含む。無線タグ600の位置が第1の領域に含まれるか否かを判定することは、無線タグ600の位置が第1の領域又は第2の領域の何れに含まれるのかを判定することを含む。第1の領域及び第2の領域は、互いに重複しない異なる領域である。例えば、第1の領域及び第2の領域は、3次元の領域である。第1の領域及び第2の領域は、隣接していてもよいし、隣接していなくてもよい。領域は、範囲の意味を含む。第1の領域は、所定領域の一例である。第1の領域及び第2の領域の例については後述する。
【0018】
無線タグ600は、ICチップ及びアンテナを含むICタグである。無線タグ600は、典型的にはRFID(Radio Frequency Identification)タグである。無線タグ600は、その他のICタグであってもよい。無線タグ600は、アンテナ300から送信された電波をエネルギー源として動作するパッシブ型の無線タグである。無線タグ600は、無変調信号に対してバックスキャッタ変調を行うことで、無線タグ600のICチップに格納されている情報を含む信号を、アンテナを介して送信する。無線タグ600に格納されている情報は、一意に識別可能な情報を含んでもよい。無線タグ600に格納されている情報は、無線タグ600を付された物品500に関する情報を含んでもよい。
【0019】
読取装置100について、図2を用いて説明する。
図2は、読取装置100の構成の一例を示すブロック図である。
読取装置100は、プロセッサ101、ROM(Read-Only Memory)102、RAM(Random-Access Memory)103、第1接続インターフェース104、第2接続インターフェース105、高周波フロントエンド部106、デジタル振幅変調部107、DA(Digital to Analog)変換部108、AD(Analog to Digital)変換部109、復調部110及び記憶デバイス111を含む。読取装置100に含まれる各部は、バス112等によって接続される。
【0020】
プロセッサ101は、読取装置100の動作に必要な演算及び制御等の処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ101は、ROM102又は記憶デバイス111等に記憶された種々のプログラムをRAM103に展開する。プロセッサ101は、RAM103に展開されたプログラムを実行することで、後述する各部を実現し、種々の処理を実行する。
【0021】
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、SoC(System On a Chip)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等である。プロセッサ101は、これらのうちの複数を組み合わせたものであってもよい。
【0022】
ROM102は、プロセッサ101を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM102は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM102は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM102は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値等を記憶する。
【0023】
RAM103は、プロセッサ101を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM103は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM103は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアである。RAM103は、記憶部の一例である。
【0024】
第1接続インターフェース104は、読取装置100が駆動装置200と通信するためのインターフェースである。
【0025】
第2接続インターフェース105は、読取装置100が端末400と通信するためのインターフェースである。
【0026】
高周波フロントエンド部106は、アンテナ300へ高周波信号を出力する。高周波フロントエンド部106は、アンテナ300から高周波信号が入力される。
【0027】
デジタル振幅変調部107は、無線タグ600に送信するデータを、無線タグ600に送信する搬送波に付加する回路である。
【0028】
DA変換部108は、デジタル信号をアナログ信号に変換する回路である。DA変換部108は、デジタル振幅変調部107によって変調されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。DA変換部108は、高周波フロントエンド部106を介して、高周波信号をアンテナ300に出力する。
【0029】
AD変換部109は、アナログ信号をデジタル信号に変換する回路である。AD変換部109は、高周波フロントエンド部106を介して、アンテナ300から入力された高周波信号をデジタル信号に変換する。
【0030】
復調部110は、アンテナ300によって受信された無線タグ600からの電波に基づいて情報を取得する回路である。例えば、復調部110は、公知の技術により、AD変換部109が変換したデジタル信号から、無線タグ600に格納されている情報を取得する。復調部110は、無線タグ600からの電波に基づいて無線タグ600に格納されている情報を取得する情報取得部の一例である。無線タグ600からの電波に基づいて無線タグ600に格納されている情報を取得することは、無線タグ600からの電波に基づいて無線タグ600から情報を読み取ることの一例である。
【0031】
復調部110は、アンテナ300によって受信された無線タグ600からの電波に基づいてタグデータを計測する回路でもある。復調部110は、公知の技術により、AD変換部109によって変換されたデジタル信号から、時系列的に電波の位相を計測することができる。復調部110は、アンテナ300によって受信された無線タグ600からの電波に基づいて電波の位相を計測する計測部の一例である。復調部110は、公知の技術により、AD変換部109によって変換されたデジタル信号から、時系列的に電波の電波受信強度を計測することができる。復調部110は、アンテナ300によって受信された無線タグ600からの電波に基づいて電波の電波受信強度を計測する計測部の一例である。
【0032】
記憶デバイス111は、データ及びプログラム等を記憶する不揮発性メモリで構成される装置である。記憶デバイス111は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等で構成されるが、これらに限定されない。記憶デバイス111は、記憶部の一例である。
【0033】
記憶デバイス111は、第1の計測データ記憶領域1111を含む。第1の計測データ記憶領域1111は、第1の計測データを記憶する。第1の計測データは、プロセッサ101による第1の計測処理の制御に基づいて復調部110によって計測されたデータである。第1の計測処理は、第1の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づく1以上の無線タグ600のタグデータの計測である。プロセッサ101は、第1の計測処理において、第1の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づいて1以上の無線タグ600のそれぞれのタグデータを取得する。
【0034】
第1の計測データは、無線タグ600毎の第1のタグデータセットを含む。第1のタグデータセットは、復調部110によって計測された無線タグ600の1以上のタグデータの集合である。第1のタグデータセットは、位置Aと位置Bとの間のアンテナ300の複数の位置における複数のタグデータを含む。アンテナ300の複数の位置は、位置Aと位置Bとの間の一定間隔の位置を含んでもよい。一定間隔の値は、適宜設定可能である。復調部110は、無線タグ600によっては、位置Aと位置Bとの間の一定間隔の位置の全部についてタグデータを計測することもある。復調部110は、無線タグ600によっては、位置Aと位置Bとの間の一定間隔の位置の一部でしかタグデータを計測しないこともある。第1の計測データは、第1の計測処理毎に更新され得る。
【0035】
記憶デバイス111は、第2の計測データ記憶領域1112を含む。第2の計測データ記憶領域1112は、第2の計測データを記憶する。第2の計測データは、プロセッサ101による第2の計測処理の制御に基づいて復調部110によって計測されたデータである。第2の計測処理は、第2の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づく1以上の無線タグ600のタグデータの計測である。プロセッサ101は、第2の計測処理において、第2の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づいて1以上の無線タグ600のそれぞれのタグデータを取得する。
【0036】
第2の計測データは、無線タグ600毎の第2のタグデータセットを含む。第2のタグデータセットは、復調部110によって計測された無線タグ600の1以上のタグデータの集合である。第2のタグデータセットは、位置Cと位置Dとの間のアンテナ300の複数の位置における複数のタグデータを含む。アンテナ300の複数の位置は、位置Cと位置Dとの間の一定間隔の位置を含んでもよい。一定間隔の値は、適宜設定可能である。復調部110は、無線タグ600によっては、位置Cと位置Dとの間の一定間隔の位置の全部についてタグデータを計測することもある。復調部110は、無線タグ600によっては、位置Cと位置Dとの間の一定間隔の位置の一部でしかタグデータを計測しないこともある。第2の計測データは、第2の計測処理毎に更新され得る。
【0037】
ここで、プロセッサ101による各無線タグ600の位置の判定処理例について説明する。プロセッサ101は、第1の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づいて取得される無線タグ600のタグデータ、及び、第2の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づいて取得される無線タグ600のタグデータに基づいて、無線タグ600の位置を判定する。例えば、プロセッサ101は、無線タグ600の第1のタグデータセットに含まれるアンテナ300の複数の位置における複数のタグデータに基づいて、第1の方向において変曲点となるアンテナ300の位置を判定する。変曲点は、タグデータの傾きの反転するアンテナ300の位置である。第1の方向において変曲点となるアンテナ300の位置は、第1の方向において無線タグ600の存在する位置である。以下では、第1の方向において変曲点となるアンテナ300の位置は、第1の方向における変曲点の位置ともいう。プロセッサ101は、無線タグ600の第2のタグデータセットに含まれるアンテナ300の複数の位置における複数のタグデータに基づいて、第2の方向において変曲点となるアンテナ300の位置を判定する。第2の方向において変曲点となるアンテナ300の位置は、第2の方向において無線タグ600の存在する位置である。以下では、第2の方向において変曲点となるアンテナ300の位置は、第2の方向における変曲点の位置ともいう。
【0038】
プロセッサ101は、第1の方向における変曲点の位置及び第2の方向における変曲点の位置に基づいて、無線タグ600の位置を判定する。プロセッサ101は、第1の方向における変曲点の位置及び第2の方向における変曲点の位置の両方を含む領域を、無線タグ600の位置の存在する領域として判定することができる。プロセッサ101は、以下に例示するように、無線タグ600の位置が第1の領域に含まれるか否かを判定することができる。例えば、プロセッサ101は、第1の方向における変曲点の位置が第1の方向において第1の領域に含まれるか否かを判定する。プロセッサ101は、第2の方向における変曲点の位置が第2の方向において第1の領域に含まれるか否かを判定する。第1の方向における変曲点の位置及び第2の方向における変曲点の位置の両方が第1の領域に含まれる場合、プロセッサ101は、無線タグ600の位置が第1の領域に含まれると判定する。他方、第1の方向における変曲点の位置及び第2の方向における変曲点の位置の少なくとも何れか一方が第1の領域に含まれない場合、プロセッサ101は、無線タグ600の位置が第1の領域に含まれないと判定する。プロセッサ101は、無線タグ600の位置が第1の領域に含まれないと判定した場合、無線タグ600の位置が第2の領域に含まれると判定してもよい。これにより、プロセッサ101は、無線タグ600の位置が第1の領域又は第2の領域の何れに含まれるのかを判定することができる。
【0039】
なお、記憶デバイス111が第1の計測データ及び第2の計測データを記憶する例について説明したが、これに限定されない。RAM103が第1の計測データ及び第2の計測データを記憶してもよい。
【0040】
バス112は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバス等を含む。バス112は、読取装置100の各部で授受される信号を伝送する。
【0041】
なお、読取装置100のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。読取装置100は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0042】
駆動装置200について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は、駆動装置200の構成の一例を示すブロック図である。
駆動装置200は、プロセッサ201、ROM202、RAM203、接続インターフェース204、第1の駆動部205、第2の駆動部206、第1のホームポジションセンサ207及び第2のホームポジションセンサ208を含む。駆動装置200に含まれる各部は、バス209等によって接続される。
【0043】
プロセッサ201は、駆動装置200の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ201は、ROM202等に記憶された種々のプログラムをRAM203に展開する。プロセッサ201は、RAM203に展開されたプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。プロセッサ201は、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGA等である。プロセッサ201は、これらのうちの複数を組み合わせたものであってもよい。
【0044】
ROM202は、プロセッサ201を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM202は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM202は、上記のプログラムを記憶する。ROM202は、プロセッサ201が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値等を記憶する。
【0045】
RAM203は、プロセッサ201を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM203は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM203は、プロセッサ201が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアである。
【0046】
接続インターフェース204は、駆動装置200が読取装置100と接続するためのインターフェースである。
【0047】
第1の駆動部205は、第1の方向にアンテナ300を移動させる。例えば、第1の駆動部205は、ステッピングモーターである。
【0048】
第2の駆動部206は、第2の方向にアンテナ300を移動させる。例えば、第2の駆動部206は、ステッピングモーターである。
【0049】
第1のホームポジションセンサ207は、後述する第1の移動ステージ213が第1の開始位置にあるか否かを検知するセンサである。第1の開始位置は、第1の計測処理のためにアンテナ300の移動を開始する位置である。第1の開始位置は、位置Aであるものとする。第1の開始位置が位置Aである場合、第1の計測処理のためにアンテナ300の移動を終了する第1の終了位置は、位置Bである。
【0050】
第2のホームポジションセンサ208は、後述する第2の移動ステージ216が第2の開始位置にあるか否かを検知するセンサである。第2の開始位置は、第2の計測処理のためにアンテナ300の移動を開始する位置である。第2の開始位置は、位置Cであるものとする。第2の開始位置が位置Cである場合、第2の計測処理のためにアンテナ300の移動を終了する第2の終了位置は、位置Dである。
【0051】
バス209は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバス等を含む。バス209は、駆動装置200の各部で授受される信号を伝送する。
【0052】
図4は、駆動装置200を説明するための模式図である。
図4に例示するように、駆動装置200及びアンテナ300は、カウンター台700の下部に配置される。カウンター台700は、無線タグ600が付された物品500を載置する水平面を有する台である。カウンター台700は、載置部の一例である。カウンター台700は、通信システム1又は通信装置10に含まれていてもよい。
【0053】
駆動装置200は、第1の回転軸211、第1のレール212、第1の移動ステージ213、第2の回転軸214、第2のレール215及び第2の移動ステージ216を含む。
【0054】
第1のレール212は、第1の方向に沿って延在する。ここでは、図4に示す水平面上のx軸に沿った方向を第1の方向とする。第1のレール212には、第1の移動ステージ213が取り付けられている。第1の移動ステージ213には、第2のレール215が取り付けている。第2のレール215は、第2の方向に延在する。ここでは、x軸と直交する水平面上のy軸に沿った方向を第2の方向とする。なお、第2の方向は、第1の方向と直交していなくてもよい。第2のレール215には、アンテナ300が載置された第2の移動ステージ216が取り付けられている。
【0055】
第1の回転軸211は、第1の駆動部205の駆動力を伝達する。第1の回転軸211と第1のレール212にはネジの溝が形成されている。ネジの溝は、対向して連結している。このため、第1の駆動部205が回転駆動すると、第1の回転軸211が回転し、第1のレール212が回転する。第1の移動ステージ213は、ボールネジナットを備え、ボールネジナットにより第1のレール212が回転すると、第1のレール212に沿って第1の方向に移動する。第1の移動ステージ213は、第1のレール212の回転方向に応じて、第1の方向に沿って往復移動する。このように、第1の駆動部205は、第1の方向にアンテナ300を移動させることができる。
【0056】
第2の回転軸214は、第2の駆動部206の駆動力を伝達する。第2の回転軸214と第2のレール215にはネジの溝が形成されている。ネジの溝は、対向して連結している。このため、第2の駆動部206が回転駆動すると、第2の回転軸214が回転し、第2のレール215が回転する。第2の移動ステージ216は、ボールネジナットを備え、ボールネジナットにより第2のレール215が回転すると、第2のレール215に沿って第2の方向に移動する。第2の移動ステージ216は、第2のレール215の回転方向に応じて、第2の方向に沿って往復移動する。このように、第2の駆動部206は、第2の方向にアンテナ300を移動させることができる。
【0057】
なお、図4に示す例では、アンテナ300は第2の移動ステージ216に載置されているが、これに限定されない。アンテナ300は第1の移動ステージ213に載置されていてもよい。この例では、図4に示すz軸に沿った鉛直方向における第1の移動ステージ213と第2の移動ステージ216との並びを逆にしてもよい。第2の移動ステージ216には、第1のレール212が取り付けられる。第1のレール212には、アンテナ300が載置された第1の移動ステージ213が取り付けられる。
【0058】
なお、駆動装置200のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。駆動装置200は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0059】
アンテナ300の第1の方向に沿った移動例について説明する。
図5は、アンテナ300の第1の方向に沿った移動を説明するための上面図である。
【0060】
第1の領域81は、カウンター台700の水平面の中央部分に設定された領域である。
第2の領域82は、第1の領域81を囲む第1の領域81以外の領域である。第1の領域81及び第2の領域82は、水平方向に分離された領域である。図5では、第2の領域82は、水平方向に第1の領域81と隣接しているが、これに限定されない。第2の領域82は、第1の領域81と隣接することなく間をあけて設定されてもよい。ここでは、第1の領域81の水平面の形は、x軸に沿った直線とy軸に沿った直線で規定される矩形であるものとして説明するが、矩形に限定されるものではない。
【0061】
x=0[cm]の位置は、第1の領域81における第1の方向の中間位置の一例である。x=-20[cm]の位置は、第1の領域81における第1の方向の第1端の位置の一例である。x=20[cm]の位置は、第1の領域81における第1の方向の第2端の位置の一例である。第1の方向における第2端は、第1の方向における第1端とは反対側の第1の領域81の端部である。第1の方向において、第1の方向の第1端の位置と、第1の方向の第2端の位置との間は、第1の領域81の内側の位置である。x=-30[cm]の位置は、第1の領域81における第1の方向の第1端よりも外側の位置の一例である。第1の領域81における第1の方向の第1端よりも外側の位置は、位置Aであるものとする。x=30[cm]の位置は、第1の領域81における第1の方向の第2端よりも外側の位置の一例である。第1の領域81における第1の方向の第2端よりも外側の位置は、位置Bであるものとする。
【0062】
y=0[cm]の位置は、第1の領域81における第2の方向の中間位置の一例である。y=10[cm]の位置は、第1の領域81における第2の方向の第1端の位置の一例である。x=-10[cm]の位置は、第1の領域81における第2の方向の第2端の位置の一例である。第2の方向の第2端は、第2の方向における第1端とは反対側の第1の領域81の端部である。第2の方向において、第2の方向の第1端の位置と、第2の方向の第2端の位置との間は、第1の領域81の内側の位置である。
【0063】
第1の駆動部205は、第1の計測処理において、第1の領域81における第1の方向の一端よりも外側から第1の方向の他端よりも外側までアンテナ300を移動させる。図5には、アンテナ300を移動させる第1の移動ステージ213の軌跡の例を示している。第1の開始位置が位置Aであり、第1の終了位置が位置Bである場合について説明する。第1の駆動部205は、第1の領域81における第1の方向の第1端よりも外側の位置Aから、第1の領域81における第1の方向の第2端よりも外側の位置Bまでアンテナ300を移動させる。なお、第1の開始位置及び第1の終了位置は逆であってもよい。この例では、第1の開始位置が位置Bであり、第1の終了位置が位置Aである。第1の駆動部205は、第1の領域81における第1の方向の第2端よりも外側の位置Bから、第1の領域81における第1の方向の第1端よりも外側の位置Aまでアンテナ300を移動させる。
【0064】
図5の例では、第1の駆動部205は、第1の領域81における第2の方向の中間位置と鉛直方向に対向するように、第1の方向にアンテナ300を移動させているが、これに限定されない。第1の駆動部205は、第1の領域81における第2の方向の任意の位置と鉛直方向に対向するように、第1の方向にアンテナ300を移動させてもよい。第1の駆動部205は、第1の領域81と鉛直方向に対向することなく、第1の方向にアンテナ300を移動させてもよい。
【0065】
アンテナ300の第2の方向に沿った移動例について説明する。
図6は、アンテナ300の第2の方向に沿った移動を説明するための上面図である。
【0066】
y=30[cm]の位置は、第1の領域81における第2の方向の第1端よりも外側の位置の一例である。第1の領域81における第2の方向の第1端よりも外側の位置は、位置Cであるものとする。y=-30[cm]の位置は、第1の領域81における第2の方向の第2端よりも外側の位置の一例である。第1の領域81における第2の方向の第2端よりも外側の位置は、位置Dであるものとする。
【0067】
第2の駆動部206は、第2の計測処理において、第1の領域81における第2の方向の一端よりも外側から第2の方向の他端よりも外側までアンテナ300を移動させる。図6には、アンテナ300を移動させる第2の移動ステージ216の軌跡の例を示している。第2の開始位置が位置Cであり、第2の終了位置が位置Dである場合について説明する。第2の駆動部206は、第1の領域81における第2の方向の第1端よりも外側の位置Cから、第1の領域81における第2の方向の第2端よりも外側の位置Dまでアンテナ300を移動させる。なお、第2の開始位置及び第2の終了位置は逆であってもよい。この例では、第2の開始位置が位置Dであり、第2の終了位置が位置Cである。第2の駆動部206は、第1の領域81における第2の方向の第2端よりも外側の位置Dから、第1の領域81における第2の方向の第1端よりも外側の位置Cまでアンテナ300を移動させる。
【0068】
図6の例では、第2の駆動部206は、第1の領域81における第1の方向の中間位置と鉛直方向に対向するように、第2の方向にアンテナ300を移動させているが、これに限定されない。第2の駆動部206は、第1の領域81における第1の方向の任意の位置と鉛直方向に対向するように、第2の方向にアンテナ300を移動させてもよい。第2の駆動部206は、第1の領域81と鉛直方向に対向することなく、第2の方向にアンテナ300を移動させてもよい。
【0069】
無線タグ600の位置の判定例について説明する。
図7は、無線タグ600の位置の判定例を説明するための上面図である。
図7に示す無線タグ601及び無線タグ602は、上述の無線タグ600の一例である。ここでは、説明の都合上、異なる符号を付している。
【0070】
無線タグ601及び無線タグ602は、カウンター台700に置かれている。無線タグ601は、第1の領域81よりも外側にあるものとする。無線タグ601の位置は、x=-10[cm]、y=-20[cm]である。無線タグ602は、第1の領域81にあるものとする。無線タグ602の位置は、x=-10[cm]、y=-5[cm]である。
【0071】
図8は、読取装置100により取得された位相のグラフである。
ここでは、位相をタグデータの例にして説明するが、電波受信強度についても同様である。
【0072】
図8の上側のグラフは、第1の計測処理で読取装置100により取得された第1の方向に沿ったアンテナ300の位置毎の無線タグ601の位相及び無線タグ602の位相を示すグラフである。横軸は、第1の方向に沿ったx軸のアンテナ300の位置を示す。縦軸は、位相を示す。丸で囲んだ部分は、第1の方向における変曲点の位置を示す。
【0073】
無線タグ601の位相は、アンテナ300の位置が変わるにつれて変化する。これは、アンテナ300が移動するにつれて、アンテナ300と無線タグ601との距離が変わるからである。そのため、アンテナ300の位置毎の無線タグ601の位相のグラフは、変曲点が存在するといった特徴的な傾向を有する。第1の方向における変曲点の位置は、無線タグ601については、x=-10[cm]の位置である。第1の方向における変曲点の位置は、無線タグ601については、第1の方向において第1の領域81に含まれる。同様に、無線タグ602の位相は、アンテナ300の位置が変わるにつれて変化する。そのため、アンテナ300の位置毎の無線タグ602の位相のグラフは、変曲点が存在するといった特徴的な傾向を有する。第1の方向における変曲点の位置は、無線タグ602については、x=-10[cm]の位置である。第1の方向における変曲点の位置は、無線タグ602については、第1の方向において第1の領域81に含まれる。
【0074】
図8の下側のグラフは、第2の計測処理で読取装置100により取得された第2の方向に沿ったアンテナ300の位置毎の無線タグ601の位相及び無線タグ602の位相を示すグラフである。横軸は、第2の方向に沿ったy軸のアンテナ300の位置を示す。縦軸は、位相を示す。丸で囲んだ部分は、第2の方向における変曲点の位置を示す。
【0075】
第2の方向における変曲点の位置は、無線タグ601については、y=-20[cm]の位置である。第2の方向における変曲点の位置は、無線タグ601については、第2の方向において第1の領域81に含まれない。第2の方向における変曲点の位置は、無線タグ602については、y=-5[cm]の位置である。第2の方向における変曲点の位置は、無線タグ602については、第2の方向において第1の領域81に含まれる。
【0076】
上述のように、無線タグ601については、第1の方向における変曲点の位置は第1の領域81に含まれるが、第2の方向における変曲点の位置は第1の領域81に含まれない。そのため、プロセッサ101は、無線タグ600の位置が第1の領域81に含まれないと判定する。無線タグ602については、第1の方向における変曲点の位置及び第2の方向における変曲点の位置の両方が第1の領域81に含まれる。そのため、プロセッサ101は、無線タグ602の位置が第1の領域に含まれると判定する。
【0077】
比較例として、第1の方向のみに沿って取得されたタグデータに基づく位置の判定処理について、無線タグ601を例にして説明する。プロセッサ101は、第1の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づいて取得される無線タグ601のタグデータに基づいて、無線タグ601の位置を判定するものとする。この例では、上述のように、無線タグ601については、第1の方向における変曲点の位置は第1の領域81に含まれる。そのため、プロセッサ101は、無線タグ600の位置が第1の領域81に含まれると判定する。これに対して、第1の実施形態では、プロセッサ101は、第1の方向と第2の方向の両方を用いる。そのため、プロセッサ101は、無線タグ600の位置の誤判定を減らすことができる。
【0078】
[動作例]
次に、以上のように構成された読取装置100のプロセッサ101による処理について説明する。
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0079】
図9は、読取装置100のプロセッサ101による処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
例えば、カウンター台700には、1以上の無線タグ600を付された1以上の物品500が載せられているものとする。なお、1以上の無線タグ600は、カウンター台700に載せられたものに限定されるものではない。1以上の無線タグ600の一部又は全部は、カウンター台700の近傍に存在するものでもよい。
【0081】
プロセッサ101は、ユーザにより端末400で入力された処理の開始指示の取得に基づいて、処理を開始してもよい。
【0082】
プロセッサ101は、アンテナ300が第1の開始位置である位置Aにあるか否かを判断する(ACT1)。アンテナ300が第1の開始位置にない場合(ACT1、NO)、処理は、ACT1からACT2へ遷移する。アンテナ300が第1の開始位置にある場合(ACT1、YES)、処理は、ACT1からACT3へ遷移する。
【0083】
プロセッサ101は、アンテナ300を第1の開始位置に移動するように制御する(ACT2)。ACT2では、例えば、プロセッサ101は、移動指示を駆動装置200に送信する。移動指示は、アンテナ300の位置を第1の開始位置である位置Aに移動させるための指示であるものとする。駆動装置200のプロセッサ201は、読取装置100から移動指示を受信する。プロセッサ201は、移動指示に基づいて、アンテナ300の位置を第1の開始位置に移動するように第1の駆動部205及び第2の駆動部206の少なくとも何れか一方を制御する。
【0084】
プロセッサ101は、第1の計測処理による無線タグ600の読取を開始する(ACT3)。ACT3では、例えば、プロセッサ101は、位置Aの地点において、アンテナ300からの電波送信の開始を制御する。アンテナ300は、電波送信を開始する。
【0085】
プロセッサ101は、第1の移動ステージ213の移動指示を駆動装置200に送信する(ACT4)。第1の移動ステージ213の移動指示は、第1の開始位置である位置Aから第1の終了位置である位置Bまでアンテナ300を移動させるための指示であるものとする。プロセッサ101は、第1の移動ステージ213の移動指示により、第1の計測処理において、位置Aから位置Bまで第1の方向にアンテナ300を移動させるように駆動装置200を制御する。駆動装置200のプロセッサ201は、読取装置100から第1の移動ステージ213の移動指示を受信する。プロセッサ201は、位置Aから位置Bまで第1の方向にアンテナ300を移動させるように第1の駆動部205を制御する。第1の駆動部205は、位置Aから位置Bまで第1の方向に第1の移動ステージ213を移動させることにより、位置Aから位置Bまで第1の方向にアンテナ300を移動させる。アンテナ300は、電波を送信しながら位置Aから位置Bまで移動する。
【0086】
プロセッサ101は、アンテナ300の位置が第1の終了位置である位置Bに到達したか否かを判定する(ACT5)。ACT5では、例えば、プロセッサ101は、アンテナ300の移動速度に基づいてアンテナ300の位置が位置Bに到達したか否かを判定してもよい。プロセッサ101は、駆動装置200からの移動終了通知に基づいて、アンテナ300の位置が位置Bに到達したと判定してもよい。移動終了通知は、アンテナ300の位置が位置Bに到達したことを示してもよい。
【0087】
アンテナ300の位置が第1の終了位置である位置Bに到達した場合(ACT5、YES)、処理は、ACT5からACT6へ遷移する。アンテナ300の位置が第1の終了位置である位置Bに到達していない場合(ACT5、NO)、プロセッサ101は、ACT5の処理を継続する。
【0088】
プロセッサ101は、第1の計測処理による無線タグ600の読取を終了する(ACT6)。ACT6では、例えば、プロセッサ101は、位置Bの地点において、アンテナ300からの電波送信の終了を制御する。アンテナ300は、電波送信を終了する。
【0089】
プロセッサ101は、第1の計測処理により、第1の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づいて、復調部110によって計測された各無線タグ600のタグデータを取得する。プロセッサ101は、第1の方向に沿ったアンテナ300の複数の位置における複数のタグデータを取得する。プロセッサ101は、無線タグ600のタグデータを取得する毎に、アンテナ300の位置と関連付けて無線タグ600のタグデータを第1の計測データ記憶領域1111に保存する。プロセッサ101は、駆動装置200と連携し、アンテナ300の位置を取得し得る。
【0090】
プロセッサ101は、アンテナ300を第1の方向の中間位置に移動するように制御する(ACT7)。ACT7では、例えば、プロセッサ101は、移動指示を駆動装置200に送信する。移動指示は、アンテナ300の位置を第1の方向の中間位置に移動させるための指示である。駆動装置200のプロセッサ201は、読取装置100から移動指示を受信する。プロセッサ201は、移動指示に基づいて、アンテナ300の位置を第1の方向の中間位置に移動するように第1の駆動部205を制御する。
【0091】
プロセッサ101は、アンテナ300を第2の開始位置である位置Cに移動するように制御する(ACT8)。ACT8では、例えば、プロセッサ101は、移動指示を駆動装置200に送信する。移動指示は、アンテナ300の位置を第2の開始位置である位置Cに移動させるための指示であるものとする。駆動装置200のプロセッサ201は、読取装置100から移動指示を受信する。プロセッサ201は、移動指示に基づいて、アンテナ300の位置を第2の開始位置に移動するように第2の駆動部206を制御する。
【0092】
プロセッサ101は、第2の計測処理による無線タグ600の読取を開始する(ACT9)。ACT9では、例えば、プロセッサ101は、位置Cの地点において、アンテナ300からの電波送信の開始を制御する。アンテナ300は、電波送信を開始する。
【0093】
プロセッサ101は、第2の移動ステージ216の移動指示を駆動装置200に送信する(ACT10)。第2の移動ステージ216の移動指示は、第2の開始位置である位置Cから第2の終了位置である位置Dまでアンテナ300を移動させるための指示であるものとする。プロセッサ101は、第2の移動ステージ216の移動指示により、第2の計測処理において、位置Cから位置Dまで第2の方向にアンテナ300を移動させるように駆動装置200を制御する。駆動装置200のプロセッサ201は、読取装置100から第2の移動ステージ216の移動指示を受信する。プロセッサ201は、位置Cから位置Dまで第2の方向にアンテナ300を移動させるように第2の駆動部206を制御する。第2の駆動部206は、位置Cから位置Dまで第2の方向に第2の移動ステージ216を移動させることにより、位置Cから位置Dまで第2の方向にアンテナ300を移動させる。アンテナ300は、電波を送信しながら位置Cから位置Dまで移動する。
【0094】
このように、プロセッサ101は、位置Aから位置Bまで第1の方向にアンテナ300を移動させるための第1の駆動部205の駆動終了後に、第2の駆動部206を駆動させる。プロセッサ101は、位置Cから位置Dまで第2の方向にアンテナ300を移動させるための第2の駆動部206の駆動を開始させる。
【0095】
プロセッサ101は、アンテナ300の位置が第2の終了位置である位置Dに到達したか否かを判定する(ACT11)。ACT11では、例えば、プロセッサ101は、アンテナ300の移動速度に基づいてアンテナ300の位置が位置Dに到達したか否かを判定してもよい。プロセッサ101は、駆動装置200からの移動終了通知に基づいて、アンテナ300の位置が位置Dに到達したと判定してもよい。移動終了通知は、アンテナ300の位置が位置Dに到達したことを示してもよい。
【0096】
アンテナ300の位置が第2の終了位置である位置Dに到達した場合(ACT11、YES)、処理は、ACT11からACT12へ遷移する。アンテナ300の位置が第2の終了位置である位置Dに到達していない場合(ACT11、NO)、プロセッサ101は、ACT11の処理を継続する。
【0097】
プロセッサ101は、第2の計測処理による無線タグ600の読取を終了する(ACT12)。ACT12では、例えば、プロセッサ101は、位置Dの地点において、アンテナ300からの電波送信の終了を制御する。アンテナ300は、電波送信を終了する。
【0098】
プロセッサ101は、第2の計測処理により、第2の方向に沿ったアンテナ300の移動に基づいて、復調部110によって計測された各無線タグ600のタグデータを取得する。プロセッサ101は、第2の方向に沿ったアンテナ300の複数の位置における複数のタグデータを取得する。プロセッサ101は、無線タグ600のタグデータを取得する毎に、アンテナ300の位置と関連付けて無線タグ600のタグデータを第2の計測データ記憶領域1112に保存する。
【0099】
プロセッサ101は、上述の判定処理により、各無線タグ600の位置を判定する(ACT13)。ACT13では、例えば、プロセッサ101は、判定処理に基づく判定結果を端末400に出力する。判定結果は、各無線タグ600の位置を示す情報を含む。判定結果は、読取装置100により読み取られた各無線タグ600に格納されている情報を含んでもよい。端末400は、各無線タグ600が第1の領域81に含まれるか否かに応じて、各無線タグ600に格納されている情報を処理してもよい。端末400は、第1の領域81に含まれる無線タグ600に格納されている情報を処理対象としてもよい。端末400は、第1の領域81に含まれない無線タグ600に格納されている情報を処理対象としなくてもよい。
【0100】
プロセッサ101は、アンテナ300を第1の開始位置に移動するように制御する(ACT14)。ACT14の処理は、ACT2の処理と同様であってもよい。
【0101】
上記では、第1の開始位置が位置Aであり、第1の終了位置が位置Bである例について説明したが、これに限定されない。第1の開始位置が位置Bであり、第1の終了位置が位置Aであってもよい。上記では、第2の開始位置が位置Cであり、第2の終了位置が位置Dである例について説明したが、これに限定されない。第2の開始位置が位置Dであり、第2の終了位置が位置Cであってもよい。
【0102】
ACT7では、プロセッサ101がアンテナ300を第1の方向の中間位置に移動するように制御する例について説明したが、これに限定されない。プロセッサ101は、第2の方向の任意の位置に移動するように制御してもよい。プロセッサ101は、ACT7の処理を省略してもよい。
【0103】
上記では、プロセッサ101は、第1の方向に沿った第1の計測処理、第2の方向に沿った第2の計測処理の順に処理する例について説明したが、これに限定されない。ACT14の処理は、省略されてもよい。この例では、アンテナ300が第2の終了位置にある場合、プロセッサ101は、第2の終了位置を起点にして処理を開始する。プロセッサ101は、第2の方向に沿った第2の計測処理、第1の方向に沿った第1の計測処理の順に処理する。
【0104】
[効果]
第1の実施形態によれば、通信装置は、無線タグと通信するためのアンテナを備える。通信装置は、第1の方向にアンテナを移動させる第1の駆動部を備える。通信装置は、第1の方向とは異なる第2の方向にアンテナを移動させる第2の駆動部を備える。通信装置は、第1の方向に沿ったアンテナの移動に基づいて取得される無線タグのタグデータ、及び、第2の方向に沿ったアンテナの移動に基づいて取得される無線タグのタグデータに基づいて、無線タグの位置を判定するプロセッサを備える。プロセッサは、第1の駆動部の駆動終了後に、第2の駆動部を駆動させる。
これにより、通信装置は、1つのアンテナを用いて異なる2つの方向に沿ったタグデータを取得し、無線タグの位置を判定することができる。そのため、通信装置は、部品数を増やすことなく、無線タグの位置の判定精度を向上させることができる。
【0105】
第1の実施形態によれば、第1の駆動部は、所定領域における第1の方向の一端よりも外側から第1の方向の他端よりも外側までアンテナを移動させる。第2の駆動部は、所定領域における第2の方向の一端よりも外側から第2の方向の他端よりも外側までアンテナを移動させる。プロセッサは、無線タグの位置が所定領域に含まれるか否かを判定する。
これにより、通信装置は、所定領域の内側だけでなく所定領域の外側でもタグデータを取得することができる。そのため、通信装置は、所定領域の境界近傍の無線タグについても、変曲点の位置を判定することができる。したがって、通信装置は、無線タグの位置の判定精度を向上させることができる。
【0106】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、2つのアンテナで独立に2方向を走査する点で、1つのアンテナで2方向を走査する第1の実施形態と異なる。
第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。第2の実施形態では、主として、第1の実施形態と異なる部分について説明する。各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0107】
[構成例]
図10は、通信システム1の構成の一例を示すブロック図である。
通信装置10は、読取装置100、駆動装置200、第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302を含む。
【0108】
読取装置100は、駆動装置200及び第1のアンテナ301を制御して、無線タグ600から情報を読み取る装置である。読取装置100は、駆動装置200及び第1のアンテナ301を制御して、無線タグ600のタグデータを計測する装置でもある。読取装置100は、駆動装置200及び第2のアンテナ302を制御して、無線タグ600から情報を読み取る装置である。読取装置100は、駆動装置200及び第2のアンテナ302を制御して、無線タグ600のタグデータを計測する装置でもある。
【0109】
読取装置100のハードウェア構成は、図2を用いて説明した第1の実施形態と同様であってもよい。第1の計測データ記憶領域1111は、プロセッサ101による第1の計測処理の制御に基づいて復調部110によって計測された第1の計測データを記憶する。第1の計測処理は、第1の実施形態と異なり、第1の方向に沿った第1のアンテナ301の移動に基づく1以上の無線タグ600のタグデータの計測である。プロセッサ101は、第1の計測処理において、第1の方向に沿った第1のアンテナ301の移動に基づいて1以上の無線タグ600のそれぞれのタグデータを取得する。第1の実施形態における第1の計測データの説明は、「アンテナ300」の表記を「第1のアンテナ301」に読み替えて第2の実施形態に適用してもよい。第2の計測データ記憶領域1112は、プロセッサ101による第2の計測処理の制御に基づいて復調部110によって計測された第2の計測データを記憶する。第2の計測処理は、第1の実施形態と異なり、第2の方向に沿った第2のアンテナ302の移動に基づく1以上の無線タグ600のタグデータの計測である。プロセッサ101は、第2の計測処理において、第2の方向に沿った第2のアンテナ302の移動に基づいて1以上の無線タグ600のそれぞれのタグデータを取得する。第1の実施形態における第2の計測データの説明は、「アンテナ300」の表記を「第2のアンテナ302」に読み替えて第2の実施形態に適用してもよい。
【0110】
ここで、プロセッサ101による各無線タグ600の位置の判定処理例について説明する。プロセッサ101は、第1の方向に沿った第1のアンテナ301の移動に基づいて取得される無線タグ600のタグデータ、及び、第2の方向に沿った第2のアンテナ302の移動に基づいて取得される無線タグ600のタグデータに基づいて、無線タグ600の位置を判定する。例えば、プロセッサ101は、無線タグ600の第1のタグデータセットに含まれる第1のアンテナ301の複数の位置における複数のタグデータに基づいて、第1の方向において変曲点となる第1のアンテナ301の位置を判定する。第1の方向において変曲点となる第1のアンテナ301の位置は、第1の方向において無線タグ600の存在する位置である。以下では、第1の方向において変曲点となる第1のアンテナ301の位置は、第1の方向における変曲点の位置ともいう。プロセッサ101は、無線タグ600の第2のタグデータセットに含まれる第2のアンテナ302の複数の位置における複数のタグデータに基づいて、第2の方向において変曲点となる第2のアンテナ302の位置を判定する。第2の方向において変曲点となる第2のアンテナ302の位置は、第2の方向において無線タグ600の存在する位置である。以下では、第2の方向において変曲点となる第2のアンテナ302の位置は、第2の方向における変曲点の位置ともいう。プロセッサ101は、第1の方向における変曲点の位置及び第2の方向における変曲点の位置に基づいて、無線タグ600の位置を判定する。第1の方向における変曲点の位置及び第2の方向における変曲点の位置に基づく無線タグ600の位置の判定処理は、第1の実施形態と同様であってもよいので、その説明を省略する。
【0111】
駆動装置200は、第1のアンテナ301を移動させる装置である。第1のアンテナ301を移動させることは、第1のアンテナ301の位置を移動させることを含む。駆動装置200は、第2のアンテナ302を移動させる装置である。第2のアンテナ302を移動させることは、第2のアンテナ302の位置を移動させることを含む。
【0112】
駆動装置200は、第1の方向に沿った直線上の位置Aと位置Bとの間で第1のアンテナ301を移動させる。位置Aは、第1の実施形態と同様に、第1の計測処理のために第1のアンテナ301の移動を開始する第1の開始位置であるものとする。位置Bは、第1の実施形態と同様に、第1の計測処理のために第1のアンテナ301の移動を終了する第1の終了位置であるものとする。駆動装置200は、第2の方向に沿った直線上の位置Cと位置Dとの間で第2のアンテナ302を移動させる。位置Cは、第1の実施形態と同様に、第2の計測処理のために第2のアンテナ302の移動を開始する第2の開始位置であるものとする。位置Dは、第1の実施形態と同様に、第2の計測処理のために第2のアンテナ302の移動を終了する第2の終了位置であるものとする。駆動装置200の構成例については後述する。
【0113】
第1のアンテナ301は、無線タグ600と通信する。第2のアンテナ302は、無線タグ600と通信する。第2のアンテナ302は、第1のアンテナ301とは異なる他のアンテナである。第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302の構成は、第1の実施形態のアンテナ300の構成と同様であってもよいので、その説明を省略する。
【0114】
駆動装置200について説明する。
駆動装置200は、図3を用いて説明した第1の実施形態と同様に、プロセッサ201、ROM202、RAM203、接続インターフェース204、第1の駆動部205、第2の駆動部206、第1のホームポジションセンサ207及び第2のホームポジションセンサ208を含む。プロセッサ201、ROM202、RAM203、接続インターフェース204、第1のホームポジションセンサ207及び第2のホームポジションセンサ208の構成は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。第1の駆動部205は、第1の実施形態と異なり、第1の方向に第1のアンテナ301を移動させる。第2の駆動部206は、第1の実施形態と異なり、第2の方向に第2のアンテナ302を移動させる。
【0115】
図11は、駆動装置200を説明するための模式図である。
図11に例示するように、駆動装置200、第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302は、カウンター台700の下部に配置される。
駆動装置200は、第1の回転軸211、第1のレール212、第1の移動ステージ213、第2の回転軸214、第2のレール215及び第2の移動ステージ216を含む。
【0116】
第1のレール212は、第1の方向に沿って延在する。ここでは、第1の実施形態と同様に、図11に示す水平面上のx軸に沿った方向を第1の方向とする。第1のレール212には、第1のアンテナ301が載置された第1の移動ステージ213が取り付けられている。第1の回転軸211は、第1の駆動部205の駆動力を伝達する。第1の駆動部205が回転駆動すると、第1の回転軸211が回転し、第1のレール212が回転する。第1の移動ステージ213は、第1のレール212が回転すると、第1のレール212に沿って第1の方向に移動する。第1の移動ステージ213は、第1のレール212の回転方向に応じて、第1の方向に沿って往復移動する。このように、第1の駆動部205は、第1の方向に第1のアンテナ301を移動させることができる。
【0117】
第2のレール215は、第2の方向に延在する。ここでは、第1の実施形態と同様に、x軸と直交する水平面上のy軸に沿った方向を第2の方向とする。なお、第2の方向は、第1の方向と直交していなくてもよい。第2のレール215には、第2のアンテナ302が載置された第2の移動ステージ216が取り付けられている。第2の回転軸214は、第2の駆動部206の駆動力を伝達する。第2の駆動部206が回転駆動すると、第2の回転軸214が回転し、第2のレール215が回転する。第2の移動ステージ216は、第2のレール215が回転すると、第2のレール215に沿って第2の方向に移動する。第2の移動ステージ216は、第2のレール215の回転方向に応じて、第2の方向に沿って往復移動する。このように、第2の駆動部206は、第2の方向に第2のアンテナ302を移動させることができる。
【0118】
第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302の移動例について説明する。
図12は、第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302の移動を説明するための上面図である。
第1の領域81の水平面のx座標及びy座標は、第1の実施形態と同様であるものとして説明する。
【0119】
x=-30[cm]の位置は、第1の実施形態と同様に、第1の領域81における第1の方向の第1端よりも外側の位置の一例である。第1の領域81における第1の方向の第1端よりも外側の位置は、位置Aであるものとする。x=30[cm]の位置は、第1の実施形態と同様に、第1の領域81における第1の方向の第2端よりも外側の位置の一例である。第1の領域81における第1の方向の第2端よりも外側の位置は、位置Bであるものとする。
【0120】
y=30[cm]の位置は、第1の実施形態と同様に、第1の領域81における第2の方向の第1端よりも外側の位置の一例である。第1の領域81における第2の方向の第1端よりも外側の位置は、位置Cであるものとする。y=-30[cm]の位置は、第1の実施形態と同様に、第1の領域81における第2の方向の第2端よりも外側の位置の一例である。第1の領域81における第2の方向の第2端よりも外側の位置は、位置Dであるものとする。
【0121】
第1の駆動部205は、第1の計測処理において、第1の領域81における第1の方向の一端よりも外側から第1の方向の他端よりも外側まで第1のアンテナ301を移動させる。図12には、第1のアンテナ301を移動させる第1の移動ステージ213の軌跡の例を示している。第1の開始位置が位置Aであり、第1の終了位置が位置Bである場合について説明する。第1の駆動部205は、第1の領域81における第1の方向の第1端よりも外側の位置Aから、第1の領域81における第1の方向の第2端よりも外側の位置Bまで第1のアンテナ301を移動させる。なお、第1の開始位置及び第1の終了位置は逆であってもよい。この例では、第1の開始位置が位置Bであり、第1の終了位置が位置Aである。第1の駆動部205は、第1の領域81における第1の方向の第2端よりも外側の位置Bから、第1の領域81における第1の方向の第1端よりも外側の位置Aまで第1のアンテナ301を移動させる。
【0122】
図12の例では、第1の駆動部205は、第1の領域81における第2の方向の中間位置と鉛直方向に対向するように、第1の方向に第1のアンテナ301を移動させているが、これに限定されない。第1の駆動部205は、第1の領域81における第2の方向の任意の位置と鉛直方向に対向するように、第1の方向に第1のアンテナ301を移動させてもよい。第1の駆動部205は、第1の領域81と鉛直方向に対向することなく、第1の方向に第1のアンテナ301を移動させてもよい。
【0123】
第2の駆動部206は、第2の計測処理において、第1の領域81における第2の方向の一端よりも外側から第2の方向の他端よりも外側まで第2のアンテナ302を移動させる。図12には、第2のアンテナ302を移動させる第2の移動ステージ216の軌跡の例を示している。第2の開始位置が位置Cであり、第2の終了位置が位置Dである場合について説明する。第2の駆動部206は、第1の領域81における第2の方向の第1端よりも外側の位置Cから、第1の領域81における第2の方向の第2端よりも外側の位置Dまで第2のアンテナ302を移動させる。なお、第2の開始位置及び第2の終了位置は逆であってもよい。この例では、第2の開始位置が位置Dであり、第2の終了位置が位置Cである。第2の駆動部206は、第1の領域81における第2の方向の第2端よりも外側の位置Dから、第1の領域81における第2の方向の第1端よりも外側の位置Cまで第2のアンテナ302を移動させる。
【0124】
図12の例では、第2の駆動部206は、第1の領域81と鉛直方向に対向することなく、第2の方向に第2のアンテナ302を移動させているが、これに限定されない。第2の駆動部206は、第1の領域81における第1の方向の中間位置と鉛直方向に対向するように、第2の方向に第2のアンテナ302を移動させてもよい。第2の駆動部206は、第1の領域81における第1の方向の任意の位置と鉛直方向に対向するように、第2の方向に第2のアンテナ302を移動させてもよい。
【0125】
図13は、第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302の移動を説明するための側面図である。
第1のアンテナ301の鉛直方向の位置と第2のアンテナ302の鉛直方向の位置は同じである。第2のレール215及び第2の移動ステージ216は、第1のアンテナ301が載置された第1の移動ステージ213の移動する位置Aと位置Bとの間とは異なる第1の方向の位置に設けられている。図13に示す例では、第2のレール215は、x=-40[cm]の位置において、第2の方向に延在する。これにより、鉛直方向の同じ位置で、第1のアンテナ301は第1の方向に移動し、第2のアンテナ302は第2の方向に移動する。第2のアンテナ302は、第1の領域81と鉛直方向に対向することなく、第2の方向に移動する。
【0126】
なお、第1のアンテナ301の鉛直方向の位置と第2のアンテナ302の鉛直方向の位置は異なっていてもよい。第2のアンテナ302の鉛直方向の位置は、第1のアンテナ301よりも低い位置であってもよいし、高い位置であってもよい。この例では、第2のレール215は、第1のレール212と鉛直方向に対向するように設けられている。そのため、第1のレール212及び第2のレール215は、両方とも、第1の領域81と鉛直方向に対向するように設けることができる。第2のアンテナ302は、第1の領域81と鉛直方向に対向するように第2の方向に移動することができる。
【0127】
[動作例]
次に、以上のように構成された読取装置100のプロセッサ101による処理について説明する。
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0128】
図14は、読取装置100のプロセッサ101による処理の一例を示すフローチャートである。
【0129】
例えば、カウンター台700には、1以上の無線タグ600を付された1以上の物品500が載せられているものとする。なお、1以上の無線タグ600は、カウンター台700に載せられたものに限定されるものではない。1以上の無線タグ600の一部又は全部は、カウンター台700の近傍に存在するものでもよい。
【0130】
プロセッサ101は、ユーザにより端末400で入力された処理の開始指示の取得に基づいて、処理を開始してもよい。
【0131】
プロセッサ101は、アンテナが開始位置にあるか否かを判断する(ACT21)。アンテナが開始位置にあることは、第1のアンテナ301が第1の開始位置である位置Aにあり、かつ、第2のアンテナ302を第2の開始位置である位置Cにあることを指す。アンテナが開始位置にない場合(ACT21、NO)、処理は、ACT21からACT22へ遷移する。アンテナが開始位置にある場合(ACT21、YES)、処理は、ACT21からACT23へ遷移する。
【0132】
プロセッサ101は、アンテナを開始位置に移動するように制御する(ACT22)。ACT22では、例えば、プロセッサ101は、移動指示を駆動装置200に送信する。移動指示は、第1のアンテナ301の位置を第1の開始位置である位置Aに移動させるための指示を含むものとする。移動指示は、第2のアンテナ302の位置を第2の開始位置である位置Cに移動させるための指示を含むものとする。駆動装置200のプロセッサ201は、読取装置100から移動指示を受信する。第1のアンテナ301が第1の開始位置にない場合、プロセッサ201は、移動指示に基づいて、第1のアンテナ301の位置を第1の開始位置に移動するように第1の駆動部205を制御する。第2のアンテナ302が第2の開始位置にない場合、プロセッサ201は、移動指示に基づいて、第2のアンテナ302の位置を第2の開始位置に移動するように第2の駆動部206を制御する。
【0133】
プロセッサ101は、無線タグ600の読取を開始する(ACT23)。ACT23では、例えば、プロセッサ101は、第1の計測処理による無線タグ600の読取を開始する。プロセッサ101は、位置Aの地点において、第1のアンテナ301からの電波送信の開始を制御する。第1のアンテナ301は、電波送信を開始する。プロセッサ101は、第2の計測処理による無線タグ600の読取を開始する。プロセッサ101は、位置Cの地点において、第2のアンテナ302からの電波送信の開始を制御する。第2のアンテナ302は、電波送信を開始する。プロセッサ101は、第1のアンテナ301からの電波送信及び第2のアンテナ302からの電波送信を交互に切り替えながら、無線タグ600の読取を制御する。
【0134】
プロセッサ101は、移動ステージの移動指示を駆動装置200に送信する(ACT24)。移動ステージの移動指示は、第1の開始位置である位置Aから第1の終了位置である位置Bまで第1のアンテナ301を移動させるための第1の移動ステージ213の移動指示を含むものとする。プロセッサ101は、第1の移動ステージ213の移動指示により、第1の計測処理において、位置Aから位置Bまで第1の方向に第1のアンテナ301を移動させるように駆動装置200を制御する。駆動装置200のプロセッサ201は、読取装置100から第1の移動ステージ213の移動指示を受信する。プロセッサ201は、位置Aから位置Bまで第1の方向に第1のアンテナ301を移動させるように第1の駆動部205を制御する。第1の駆動部205は、位置Aから位置Bまで第1の方向に第1の移動ステージ213を移動させることにより、位置Aから位置Bまで第1の方向に第1のアンテナ301を移動させる。第1のアンテナ301は、電波を送信しながら位置Aから位置Bまで移動する。移動ステージの移動指示は、第2の開始位置である位置Cから第2の終了位置である位置Dまで第2のアンテナ302を移動させるための第2の移動ステージ216の移動指示を含むものとする。プロセッサ101は、第2の移動ステージ216の移動指示により、第2の計測処理において、位置Cから位置Dまで第2の方向に第2のアンテナ302を移動させるように駆動装置200を制御する。駆動装置200のプロセッサ201は、読取装置100から第2の移動ステージ216の移動指示を受信する。プロセッサ201は、位置Cから位置Dまで第2の方向に第2のアンテナ302を移動させるように第2の駆動部206を制御する。第2の駆動部206は、位置Cから位置Dまで第2の方向に第2の移動ステージ216を移動させることにより、位置Cから位置Dまで第2の方向に第2のアンテナ302を移動させる。第2のアンテナ302は、電波を送信しながら位置Cから位置Dまで移動する。
【0135】
このように、プロセッサ101は、第1のアンテナ301の移動及び第2のアンテナ302の移動を互いに独立に制御することができる。プロセッサ101は、第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302を異なる方向に同時に移動させるために、第1の駆動部205及び第2の駆動部206を同時に駆動させることができる。同時に駆動させることは、同時に駆動を開始させることに限定されない。同時に駆動させることは、第1のアンテナ301を第1の方向に移動させる時間と第2のアンテナ302を第2の方向に移動させる時間とが部分的に重複するように駆動させることを含んでもよい。
【0136】
プロセッサ101は、移動終了処理を実行する(ACT25)。移動終了処理は、第1のアンテナ301の移動を伴う第1の計測処理による無線タグ600の読取を終了する処理を含む。移動終了処理は、第2のアンテナ302の移動を伴う第2の計測処理による無線タグ600の読取を終了する処理を含む。移動終了処理については後述する。
【0137】
プロセッサ101は、第1のアンテナ301の位置が第1の終了位置である位置Bに到達し、かつ、第2のアンテナ302の位置が第2の終了位置である位置Dに到達したか否かを判定する(ACT26)。第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302の両方が到達済である場合(ACT26、YES)、処理は、ACT26からACT27へ遷移する。第1のアンテナ301及び第2のアンテナ302のうちの少なくとも何れか一方が未到達である場合(ACT26、NO)、処理は、ACT26からACT25へ遷移する。
【0138】
プロセッサ101は、上述の判定処理により、各無線タグ600の位置を判定する(ACT27)。ACT27の処理は、第1の実施形態で説明したACT13の処理と同様であってもよい。
【0139】
プロセッサ101は、アンテナを開始位置に移動するように制御する(ACT28)。ACT28の処理は、ACT22の処理と同様であってもよい。
【0140】
上記では、第1の開始位置が位置Aであり、第1の終了位置が位置Bである例について説明したが、これに限定されない。第1の開始位置が位置Bであり、第1の終了位置が位置Aであってもよい。上記では、第2の開始位置が位置Cであり、第2の終了位置が位置Dである例について説明したが、これに限定されない。第2の開始位置が位置Dであり、第2の終了位置が位置Cであってもよい。
【0141】
ACT28の処理は、省略されてもよい。この例では、第1のアンテナ301が第1の終了位置にある場合、プロセッサ101は、第1の終了位置を起点にして処理を開始する。第2のアンテナ302が第2の終了位置にある場合、プロセッサ101は、第2の終了位置を起点にして処理を開始する。
【0142】
図14に示すACT25の移動終了処理について説明する。
図15は、読取装置100のプロセッサ101による移動終了処理の一例を示す図である。
【0143】
プロセッサ101は、第1のアンテナ301の位置が第1の終了位置である位置Bに到達したか否かを判定する(ACT31)。第1のアンテナ301の位置が第1の終了位置である位置Bに到達した場合(ACT31、YES)、処理は、ACT31からACT32へ遷移する。第1のアンテナ301の位置が第1の終了位置である位置Bに到達していない場合(ACT31、NO)、処理は、ACT31からACT33へ遷移する。
【0144】
プロセッサ101は、第1のアンテナ301の移動を伴う第1の計測処理による無線タグ600の読取を終了する(ACT32)。ACT32では、例えば、プロセッサ101は、位置Bの地点において、第1のアンテナ301からの電波送信の終了を制御する。第1のアンテナ301は、電波送信を終了する。
【0145】
プロセッサ101は、第1の計測処理により、第1の方向に沿った第1のアンテナ301の移動に基づいて、復調部110によって計測された各無線タグ600のタグデータを取得する。プロセッサ101は、第1の方向に沿った第1のアンテナ301の複数の位置における複数のタグデータを取得する。プロセッサ101は、無線タグ600のタグデータを取得する毎に、第1のアンテナ301の位置と関連付けて無線タグ600のタグデータを第1の計測データ記憶領域1111に保存する。
【0146】
プロセッサ101は、第2のアンテナ302の位置が第2の終了位置である位置Dに到達したか否かを判定する(ACT33)。第2のアンテナ302の位置が第2の終了位置である位置Dに到達した場合(ACT33、YES)、処理は、ACT33からACT34へ遷移する。第2のアンテナ302の位置が第2の終了位置である位置Dに到達していない場合(ACT33、NO)、処理は、ACT33から図14に示すACT26へ遷移する。
【0147】
プロセッサ101は、第2のアンテナ302の移動を伴う第2の計測処理による無線タグ600の読取を終了する(ACT34)。ACT34では、例えば、プロセッサ101は、位置Dの地点において、第2のアンテナ302からの電波送信の終了を制御する。第2のアンテナ302は、電波送信を終了する。
【0148】
プロセッサ101は、第2の計測処理により、第2の方向に沿った第2のアンテナ302の移動に基づいて、復調部110によって計測された各無線タグ600のタグデータを取得する。プロセッサ101は、第2の方向に沿った第2のアンテナ302の複数の位置における複数のタグデータを取得する。プロセッサ101は、無線タグ600のタグデータを取得する毎に、第2のアンテナ302の位置と関連付けて無線タグ600のタグデータを第2の計測データ記憶領域1112に保存する。
【0149】
[効果]
第2の実施形態によれば、通信装置は、無線タグと通信するための2つのアンテナを備える。通信装置は、第1の方向にアンテナを移動させる第1の駆動部を備える。通信装置は、第1の方向とは異なる第2の方向に他のアンテナを移動させる第2の駆動部を備える。通信装置は、第1の方向に沿ったアンテナの移動に基づいて取得される無線タグのタグデータ、及び、第2の方向に沿った他のアンテナの移動に基づいて取得される無線タグのタグデータに基づいて、無線タグの位置を判定するプロセッサを備える。プロセッサは、第1の駆動部及び第2の駆動部を同時に駆動させる。
これにより、通信装置は、2つのアンテナのそれぞれを異なる2つの方向に沿って独立に移動させることができる。通信装置は、2つのアンテナを用いて異なる2つの方向に沿ったタグデータを取得し、無線タグの位置を判定することができる。通信装置は、異なる2つの方向に沿ったタグデータを取得するための時間を短縮しつつ、無線タグの位置の判定精度を向上させることができる。
【0150】
第2の実施形態によれば、第1の駆動部は、所定領域における第1の方向の一端よりも外側から第1の方向の他端よりも外側までアンテナを移動させる。第2の駆動部は、所定領域における第2の方向の一端よりも外側から第2の方向の他端よりも外側まで他のアンテナを移動させる。プロセッサは、無線タグの位置が所定領域に含まれるか否かを判定する。
これにより、通信装置は、所定領域の内側だけでなく所定領域の外側でもタグデータを取得することができる。そのため、通信装置は、所定領域の境界近傍の無線タグについても、変曲点の位置を判定することができる。したがって、通信装置は、無線タグの位置の判定精度を向上させることができる。
【0151】
第2の実施形態によれば、アンテナの鉛直方向の位置と他のアンテナの鉛直方向の位置は同じである。
これにより、2つのアンテナのそれぞれから無線タグまでの鉛直方向の距離は同じになる。そのため、通信装置は、2つのアンテナのうちの一方のアンテナでは無線タグの読取ができて、他方のアンテナでは無線タグの読取ができないといったことを低減することができる。また、通信装置は、鉛直方向の異なる位置に2つのアンテナを設ける必要がないので、通信装置の鉛直方向における大型化を防ぐことができる。
【0152】
[他の実施形態]
上記の実施形態では、アンテナが電波の送信及び受信の両方を兼ねたアンテナである例について説明したが、これに限定されない。アンテナは、電波の送信用のアンテナ及び電波の受信用のアンテナを含んでもよい。
【0153】
通信装置は、上記の例で説明したように複数の装置で実現されてもよいし、複数の装置の機能を一体化した一つの装置で実現されてもよい。読取装置、駆動装置及びアンテナは、機能を一体化した一つの装置で実現されてもよい。読取装置は、機能を分散させた複数の装置で実現されてもよい。
【0154】
プログラムは、実施形態に係る装置に記憶された状態で譲渡されてよいし、装置に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0155】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0156】
1…通信システム、10…通信装置、81…第1の領域、82…第2の領域、100…読取装置、101…プロセッサ、102…ROM、103…RAM、104…第1接続インターフェース、105…第2接続インターフェース、106…高周波フロントエンド部、107…デジタル振幅変調部、108…DA変換部、109…AD変換部、110…復調部、111…記憶デバイス、112…バス、200…駆動装置、201…プロセッサ、202…ROM、203…RAM、204…接続インターフェース、205…第1の駆動部、206…第2の駆動部、207…第1のホームポジションセンサ、208…第2のホームポジションセンサ、209…バス、211…第1の回転軸、212…第1のレール、213…第1の移動ステージ、214…第2の回転軸、215…第2のレール、216…第2の移動ステージ、300…アンテナ、301…第1のアンテナ、302…第2のアンテナ、400…端末、500…物品、600…無線タグ、601…無線タグ、602…無線タグ、700…カウンター台、1111…第1の計測データ記憶領域、1112…第2の計測データ記憶領域。
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