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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177011
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ボールジョイント装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 7/02 20060101AFI20231206BHJP
   F16C 11/06 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B60G7/02
F16C11/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089672
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福本 泰章
(72)【発明者】
【氏名】秋山 哲
(72)【発明者】
【氏名】内川 浩一
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 智広
【テーマコード(参考)】
3D301
3J105
【Fターム(参考)】
3D301AA41
3D301CA09
3D301DA90
3D301DB09
3D301DB13
3D301DB20
3D301DB22
3D301DB25
3D301DB28
3D301DB29
3D301EA16
3D301EA35
3D301EA43
3J105AA23
3J105AB16
3J105AB17
3J105AC04
3J105CB90
3J105DA50
(57)【要約】
【課題】 車両の左右の旋回時の応答性を高め、操舵安定性が向上するボールジョイント装置の実現。
【解決手段】 ボールジョイント装置100は、ボールジョイント20と、ボールスタッド21の球状部22に設けられた永久磁石27と、励磁電流の通電によって磁力を発生させる電磁石ユニット30と、加速度センサ44と、制御装置41と、を備え、制御装置41は、加速度センサ44から所定の閾値以上の横加速度信号が入力されたときに、ボールジョイント20に作用する外力とは反対方向に永久磁石との吸引力または斥力が発生するように電磁石ユニット30に励磁電流を通電する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のサスペンション装置のアーム部材と車輪を回転自在に支持する車輪支持部材とを揺動自在に連結し、非磁性体のボールスタッドとソケットを有するボールジョイントと、
前記ボールスタッドの球状部に設けられた永久磁石と、
前記永久磁石に対向配置され、励磁電流の通電によって磁力を発生させる電磁石ユニットと、
前記車両の加速度を検知する加速度センサと、
前記加速度センサに接続された制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記加速度センサから所定の閾値以上の横加速度信号が入力されたときに、前記ボールジョイントに作用する外力とは反対方向に前記永久磁石との吸引力または斥力が発生するように前記電磁石ユニットに前記励磁電流を通電することを特徴とするボールジョイント装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記所定の閾値未満の前記横加速度信号が入力されたときに、前記電磁石ユニットに前記励磁電流の通電を停止することを特徴とする請求項1に記載のボールジョイント装置。
【請求項3】
前記制御装置に接続され、ステアリングシャフトの回転トルクを検出する操舵トルクセンサを備え、
前記制御装置は、前記車両が直進状態のときに、前記吸引力が発生するように前記電磁石ユニットに前記励磁電流を通電することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボールジョイント装置。
【請求項4】
前記制御装置に接続され、ステアリングの舵角情報を検出する舵角センサを備え、
前記制御装置は、前記車両が直進状態のときに、前記吸引力が発生するように前記電磁石ユニットに前記励磁電流を通電することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボールジョイント装置。
【請求項5】
直進モード、右旋回モードおよび左旋回モードを有し、
前記制御装置は、前記直進モードにおいて、前記車両の転舵が検出されると、前記吸引力が発生するように前記電磁石ユニットに前記励磁電流を通電し、前記所定の閾値以上の前記横加速度信号が入力されると、前記車両の左右旋回状態に応じて、前記右旋回モードまたは前記左旋回モードに切り換え、前記右旋回モードおよび前記左旋回モードにおいて、前記所定の閾値以上の前記横加速度信号が入力されると、内輪側の前記ボールジョイントに前記吸引力が発生するように前記電磁石ユニットに前記励磁電流を通電し、外輪側の前記ボールジョイントに前記斥力が発生するように前記電磁石ユニットに前記励磁電流を通電し、前記所定の閾値未満の前記横加速度信号が入力されると、前記直進モードに切り換えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボールジョイント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられるボールジョイント装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のサスペンション装置などに用いられるボールジョイントは、操舵時の質感向上の観点から揺動(回転)に対しての低フリクション化が求められている。このような車両に設けられるボールジョイントは、大きな荷重を受けながらの使用環境であるため、無負荷状態に比べて高いフリクションが発生する。
【0003】
従来、ボールジョイントの低フリクション化の技術として、ソケット内部に封入する潤滑剤の改良などが進められてきた。しかしながら、潤滑剤による低フリクション化には、限界がある。
【0004】
そのため、例えば、特許文献1には、ボールシートへの低フリクション化を目的にソケットとボールスタッドに磁石を埋め込み反発力を持たせて、ボールジョイントに発生するフリクションを低減する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-076897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車両は、左右へ旋回する操舵時にボールジョイントに作用する荷重の向きが変化する。しかしながら、特許文献1に記載の構造では、ボールスタッドを反発する磁力が一定であるため、ボールジョイントに作用する荷重の変化に対応したフリクション低減を行えない。
【0007】
そのため、従来の技術では、左右へ旋回する際の操舵感が異なり応答性が低下する。その結果、車両の操舵安定性が低下するという課題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、その目的とするところは、車両の左右の旋回時の応答性を高め、操舵安定性が向上するボールジョイント装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様のボールジョイント装置は、車両のサスペンション装置のアーム部材と車輪を回転自在に支持する車輪支持部材とを揺動自在に連結し、非磁性体のボールスタッドとソケットを有するボールジョイントと、前記ボールスタッドの球状部に設けられた永久磁石と、前記永久磁石に対向配置され、励磁電流の通電によって磁力を発生させる電磁石ユニットと、前記車両の加速度を検知する加速度センサと、前記加速度センサに接続された制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記加速度センサから所定の閾値以上の横加速度信号が入力されたときに、前記ボールジョイントに作用する外力とは反対方向に前記永久磁石との吸引力または斥力が発生するように前記電磁石ユニットに前記励磁電流を通電する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両の左右の旋回時の応答性を高め、操舵安定性が向上するボールジョイント装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車両のサスペンション装置を示す斜視図
図2】ボールジョイント装置の構成を示す図
図3】ボールジョイント装置を制御する制御装置が実行するフローチャート
図4】車両の直進状態の前輪を示す図
図5】直進状態から転舵初期のボールジョイント装置の構成を示す図
図6】ボールジョイント装置を制御する制御装置が実行する右旋回モードのフローチャート
図7】車両の右旋回時の前輪を示す図
図8】右旋回時のボールジョイント装置の構成を示す図
図9】ボールジョイント装置を制御する制御装置が実行する左旋回モードのフローチャート
図10】車両の左旋回の前輪を示す図
図11】左旋回時のボールジョイント装置の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照しながら、本発明の一態様の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0013】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1において、符号1は、車両のサスペンション装置を示し、本実施の形態においては、車体の前部に配設されるストラット式サスペンション装置を例示する。
【0014】
サスペンション装置1は、車両の車幅方向に左右対称の構造を有している。サスペンション装置1は、車軸管のアクスルハウジング3を有している。このアクスルハウジング3には、ストラットユニット5とトランスバースリンク10とが連結される。
【0015】
アクスルハウジング3は、図示しないハブを介して操舵輪である車輪(前輪)2を回転自在に支持する車輪支持部材である。なお、図1において、矢印による前,後は、車両前後方向、上,下は、車両上下方向、左,右は、車両の車幅の左右方向を示している。
【0016】
ストラットユニット5は、ショックアブソーバ6およびサスペンションスプリング7を一体的にユニット化して構成される。ストラットユニット5は、サスペンションスプリング7側の上端部が車体フレームに取り付けられる。ストラットユニット5は、ショックアブソーバ6側の下端部がアクスルハウジング3の上部に結合される。
【0017】
ストラットユニット5は、車輪(前輪)2の転舵時にアクスルハウジング3と共に転舵軸回りに回転する。また、ストラットユニット5は、サスペンション装置1のストロークに応じて伸縮する。
【0018】
トランスバースリンク10は、アクスルハウジング3を車体に連結するリンク部材である。本実施の形態のトランスバースリンク10は、略L字形状に形成されたアーム部材であって、ロワアームとして構成される。
【0019】
トランスバースリンク(以下、「ロワアーム」と記載)10は、アクスルハウジング3の下部に連結される。また、ロワアーム10は、車体側に2箇所で弾性的に支持されている。なお、ロワアーム10は、車両の静止時に車両の前方側から見たとき、車幅方向外側のアクスルハウジング3との連結位置よりも車幅方向内側の車体側との連結位置が上方となるように所定の傾角をつけて配置される。
【0020】
詳細には、ロワアーム10は、一端がボールジョイント20を介してアクスルハウジング3の下部に連結されている。即ち、ロワアーム10に対してアクスルハウジング3がボールジョイント20の中心点回りに揺動(回転)が可能である。
【0021】
また、ロワアーム10は、車両の前後方向に離間して配置された2箇所の連結部において車体に連結される。ロワアーム10は、サスペンション装置のストロークに応じて、この2箇所の連結部を結んだ直線である揺動中心軸回りに揺動(回転)可能である。
【0022】
ロワアーム10の車体への前側の連結部は、フロントクロスメンバ11の側端部にマウント部材であるブッシュ12を介して連結されている。フロントクロスメンバ11は、車両前部の車体下部で車幅方向に延在する梁状の部材である。
【0023】
また、ロワアーム10の後側の連結部は、サポートプレート14にブッシュ13を介して連結されている。サポートプレート14は、フロントクロスメンバ11が懸架されるクレードル構造のサポートメンバ15に結合される。
【0024】
ブッシュ12,13は、本実施の形態において、円筒状の外筒と内筒との間に防振機能を有するゴム系材料が充填される。ブッシュ12,13は、外筒と内筒とをゴムの加硫接着等により接合したゴムブッシュである。
【0025】
ロワアーム10には、前後のブッシュ12,13の外筒がそれぞれ圧入される円筒が設けられる。各ブッシュ12,13は、外筒が円筒に圧入される。各ブッシュ12,13は、内筒内に挿入されるボルトによってフロントクロスメンバ11およびサポートプレート14に連結される。
【0026】
また、左右のロワアーム10の前縁部には、車幅方向に延在するスタビライザ16がリンク17を介して連結されている。スタビライザ16は、例えば車両のロール時などのように左右のサスペンションが逆相方向に相対変位した際に、中間部分が捻られてバネ反力を発生することにより復元力を発生するものである。
【0027】
なお、フロントクロスメンバ11内には、図示しないステアリングの操作に応じて前輪2を操舵するためのステアリングシステム4が配置されている。ステアリングシステム4は、ステアリングギアボックス8、タイロッド9を備えている。
【0028】
ステアリングギアボックス8は、例えばラックアンドピニオン機構を備えて構成される。ステアリングギアボックス8は、ステアリングに接続されたステアリングシャフト18の回転運動を車幅方向の直進運動に変換する。
【0029】
また、タイロッド9は、ステアリングギアボックス8とアクスルハウジング3の前端部とを連結するロッド状の部材である。このタイロッド9は、ステアリングラックの動きをアクスルハウジング3に伝達し、アクスルハウジング3の操向を行う。
【0030】
ここで、上述のサスペンション装置に配設されるボールジョイント20の構成について以下に説明する。なお、車幅方向の右側の構成は、符号Rを用い、左側の構成は符号Lを用いる。
【0031】
図2において、各ボールジョイント20R,20Lは、ボールスタッド21R,21Lと、ソケット24R,24Lと、ボールシート25R,25Lと、ダストカバー26R,26Lと、を有する。
【0032】
ボールスタッド21R,21Lは、非導電性を有する材料から形成される。ボールスタッド21R,21Lは、球状部22R,22Lおよびスタッド部23R,23Lを有する。球状部22R,22Lは、ボールシート25R,25Lに回動自在に保持される。
【0033】
球状部22R,22Lは、ボールシート25R,25Lに保持された状態であり、ソケット24R,24L内に収容される。なお、スタッド部23R,23Lは、球状部22R,22Lから突設される。
【0034】
球状部22R,22Lには、永久磁石27R,27Lが埋設される。永久磁石27R,27Lは、球状部22R,22Lの内部に車幅内側のロワアーム10R,10L側に偏心するように設けられる。
【0035】
ここでの永久磁石27R,27Lは、S極が車幅内側のロワアーム10R,10L側、N極が車幅外側の前輪2R,2L側となるように配置される。永久磁石27R,27Lは、球状部22R,22Lの可動範囲に応じた所定の大きさを有する。
【0036】
ソケット24R,24Lは、非磁性体の材料から形成された略有底円筒状である。ソケット24R,24Lは、内部にボールシート25R,25Lが配設される。
【0037】
このボールシート25R,25Lは、ベアリングシートとしての合成樹脂製などから形成されている。ダストカバー26R,26Lは、ゴムまたは軟質合成樹脂などにて略円筒状に形成される。
【0038】
ロワアーム10R,10Lは、ソケット24R,24Lの近傍位置に電磁石ユニット30R,30Lが内蔵される。電磁石ユニット30R,30Lは、磁心31R,31Lと、コイル部32R,32Lと、を有する。
【0039】
磁心31R,31Lは、鉄などの磁性体から形成された棒状部材である。コイル部32R,32Lは、銅線などの金属素線33R,33L,34R,34Lが磁心31R,31Lの外周に所定方向に巻回して設置される。
【0040】
電磁石ユニット30R,30Lは、車両のECUである制御装置41に接続される。制御装置41は、金属素線33R,33L,34R,34Lに励磁電流を流して、電磁石ユニット30R,30Lに所定方向の磁気力を発生させる。
【0041】
なお、制御装置41は、金属素線33R,33L,34R,34Lに励磁電流を流す方向(正方向/負方向)を切り換える。これにより、電磁石ユニット30R,30Lが発生する磁力のS/N極性方向が変更する。
【0042】
制御装置41は、操舵トルクセンサ42、舵角センサ43、加速度センサ44およびヨーレートセンサ45と接続される。制御装置41は、各センサ42,43,44,45などから入力される情報に基づいて、電磁石ユニット30R,30Lを駆動停止(ON/OFF)する。
【0043】
なお、操舵トルクセンサ42は、ステアリングによる操舵時にステアリングシャフト18に加わる回転トルクを検出する。舵角センサ43は、ステアリングの舵角情報を検出する。加速度センサ44は、車両の3軸加速度を計測する。ヨーレートセンサ45は、車両の角速度を計測するジャイロセンサである。
【0044】
これにより、制御装置41は、各センサ42,43,44,45の情報に基づいて、車両の加減速、旋回などの車両走行状態を検出する。
【0045】
以上に記載のボールジョイント20R,20L、電磁石ユニット30R,30Lおよび制御装置41によって、ボールジョイント装置100が構成される。
【0046】
ここで、ボールジョイント装置100の制御装置41が実行する車両の直進モードの制御例について、図3のフローチャートを用いて、以下に説明する。
【0047】
制御装置41は、車両が直進状態において、ドライバによるステアリング操作により車両の転舵を検出すると、図3に示すフローチャートのルーチンを実行する。
【0048】
具体的には、図3に示すように、制御装置41は、車両の転舵を検出したか否かを判定する(S1)。ここでの制御装置41は、操舵トルクセンサ42から入力されるトルク変動信号および/または舵角センサ43から入力されるステアリングの舵角変動信号に基づき、車両の転舵を検出する。このステップS1において、制御装置41は、車両の転舵が検出されない場合、後述のステップS9の判定ルーチンに移行する。
【0049】
なお、制御装置41は、加速度センサ44から入力される横加速度信号、ヨーレートセンサ45から入力される角速度信号、図示しないパワーステアリングモータへの駆動制御などに基づいて、車両の転舵を検出してもよい。
【0050】
制御装置41は、車両の転舵を検出すると、左右の電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流を通電しているか否かを判定する(S2)。なお、この判定ルーチンにおいて、制御装置41は、左右の電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流を通電している場合、後述のステップS4の判定ルーチンに移行する。
【0051】
制御装置41は、左右の電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流を通電していない場合、左右の電磁石ユニット30R,30Lに正方向となる第1の方向の励磁電流を通電する(S3)。
【0052】
ここでの各電磁石ユニット30R,30Lは、第1の方向の励磁電流が通電すると、各ボールスタッド21R,21Lの永久磁石27R,27Lを誘引する磁力を発生する。
【0053】
ボールジョイント20R,20Lは、車両が直進状態から転舵する操舵初期の際に、図4および図5に示すように、左右のボールスタッド21R,21Lに車幅外側の外力FOが生じる。この外力FOは、接地反力、旋回荷重などによって発生する。
【0054】
そのため、制御装置41は、外力FOとは反対方向に各球状部22R,22Lに埋設された永久磁石27R,27Lを引き寄せる引力Fiが発生するように各電磁石ユニット30R,30Lを駆動する。
【0055】
なお、各電磁石ユニット30R,30Lは、第1の方向の励磁電流の通電によって、永久磁石27R,27LのS極に対向する極性がN極となるように各磁心31R,31Lが磁化する。
【0056】
即ち、各ボールスタッド21R,21Lの球状部22R,22Lは、各電磁石ユニット30R,30Lと永久磁石27R,27lとが引き合う引力Fiによって車幅内側に引き寄せられる。これにより、左右のボールスタッド21R,21Lに生じる外力FOが引力Fiによって打ち消される(キャンセルされる)。
【0057】
その結果、ボールジョイント20R,20Lの外力FOによって生じるフリクションが低下する。即ち、各球状部22R,22Lと各ボールシート25R,25Lとの摺動面における接触摩擦が低減する。
【0058】
次に、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値以上であるか否かを用いて旋回外輪に車幅外側への外力F0もしくは車幅内側への外力FIが生じているか否かを判定する(S4)。なお、ステップS2の判定ルーチンにおいて、左右の電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流を通電している場合も、このステップS4の判定ルーチンが実行される。
【0059】
制御装置41は、加速度センサ44から入力される信号に基づき、車両の横加速度が所定の閾値、例えば、0.3G程度以上が検出された場合、車両が旋回していると判定する。
【0060】
一方、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値未満である場合、後述するステップS10のルーチンに移行する。即ち、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)未満である場合、車両が旋回状態ではないと判定する。
【0061】
制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)以上である場合、左右両方の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流を停止する(S5)。
【0062】
このとき、各電磁石ユニット30R,30Lが発生する磁力が停止する。これにより、各ボールスタッド21R,21Lの球状部22R,22Lに生じている各電磁石ユニット30R,30Lの磁力と永久磁石27R,27lとが引き合う引力Fiが解除される。
【0063】
次に、制御装置41は、車両が右旋回しているか否かを判定する(S6)。このとき、制御装置41は、加速度センサ44から入力される横加速度信号および/またはヨーレートセンサ45から入力される角速度信号から車両が右旋回しているか否かを検出する。
【0064】
なお、制御装置41は、操舵トルクセンサ42から入力されるトルク変動信号、舵角センサ43から入力されるステアリングの舵角変動信号、図示しないパワーステアリングモータへの駆動制御などに基づいて、車両の旋回状態を検出してもよい。
【0065】
制御装置41は、車両が右旋回している場合、右旋回モードに切り換える(S7)。一方、車両が右旋回していない場合、車両が左旋回している状態である。そのため、制御装置41は、左旋回モードに切り換える(S8)。そして、制御装置41は、左右の旋回モードに切り換えにより、直進モードの制御を終了する。
【0066】
なお、制御装置41は、ステップS1の判定ルーチンにおいて、車両の転舵が検出されない場合、各電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流を通電しているか否かを判定する(S9)。制御装置41は、ステップS9の判定ルーチンにおいて、各電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流を通電していない場合、再度、ステップS1の判定ルーチンに戻る。
【0067】
一方、制御装置41は、各電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流を通電している場合、左右両方の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流を停止し(S10)、再度、ステップS1の判定ルーチンに戻る。
【0068】
また、ステップS4の判定ルーチンにおいて、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値未満である場合、ステップS10のルーチンを実行し、再度、ステップS1の判定ルーチンに戻る。
【0069】
このように、ボールジョイント装置100は、車両の直進状態の操舵初期において、ドライバによるステアリング操作に対し、ボールジョイント20R,20Lに生じる外力FOをキャンセルする方向に左右の電磁石ユニット30R,30Lに磁力を発生させる。これにより、ボールジョイント20R,20Lのフリクションを低減することにより応答性が高まり、操舵感を向上させることができる。
【0070】
また、ボールジョイント装置100の制御装置41は、横加速度が所定の閾値、例えば、0.3G程度以上に発生した場合、車両が直進状態から旋回状態かつ旋回外輪の反力がFIの向きとなっていると判定する。そして、制御装置41は、車両が例えば、0.3G以上の旋回状態である場合、左右の旋回を判定し、直進モードの制御から左右いずれかの旋回モードの制御に切り換える制御を行う。
【0071】
次に、制御装置41が実行する右旋回モードの制御例について、図6のフローチャートを用いて、以下に説明する。
【0072】
制御装置41は、右側の電磁石ユニット30Rに第1の方向(正方向)の励磁電流を通電し(S11)、左側の電磁石ユニット30Lに第1の方向と反対側である第2の方向(負方向)の励磁電流を通電する(S12)。
【0073】
これにより、右側のボールスタッド21Rの球状部22Rは、図7および図8に示すように、右側の電磁石ユニット30Rが発生する磁力に対して、内部の永久磁石27Rが作用する引力Fiによって車幅内側に引き寄せられる。
【0074】
一方、左側のボールスタッド21Lの球状部22Lは、左側の電磁石ユニット30Lが発生する磁力に対して、内部の永久磁石27Lが作用する斥力Foによって車幅外側に反発される。
【0075】
なお、左側の電磁石ユニット30Lは、左側の永久磁石27LのS極に対向する極性が同局(S極)となるように磁心31Lが磁化する。
【0076】
車両は、右旋回中に右前輪2Rが内輪となり、左前輪2Lが外輪となる。このとき、右側のボールジョイント20Rのボールスタッド21Rに車幅外側の外力FOが生じる。一方、左側のボールジョイント20Lのボールスタッド21Lに車幅内側の外力FIが生じる。この外力FIも、接地反力、旋回荷重などによって発生する。
【0077】
ボールジョイント装置100は、左右のボールスタッド21R,21Lに生じる外力FO,FIとは反対方向に右側の永久磁石27Rを引き寄せる引力Fiと、左側の永久磁石27Lを反発する斥力Foを各電磁石ユニット30R,30Lの磁力によって発生させる。
【0078】
即ち、右側のボールスタッド21Rは、車幅外側方向に生じる外力FOが車幅内側方向に発生する引力Fiにより打ち消(キャンセル)される。また、左側のボールスタッド21Lは、車幅内側方向に生じる外力FIが車幅外側方向に発生する斥力Foにより打ち消(キャンセル)される。
【0079】
これにより、左右のボールジョイント20R,20Lのフリクションが低下され、各球状部22R,22Lと各ボールシート25R,25Lとの摺動面における接触摩擦が低減する。即ち、ボールジョイント20R,20Lのフリクションを低減することにより応答性が高まり、操舵感を向上させることができる。
【0080】
この状態において、制御装置41は、車両の転舵を検出したか否かを判定する(S13)。制御装置41は、操舵トルクセンサ42から入力されるトルク変動信号および/または舵角センサ43から入力されるステアリングの舵角変動信号に基づき、車両の転舵を検出する。
【0081】
制御装置41は、車両の転舵が検出されるまで、このステップS13の判定ルーチンを繰り返し実行する。即ち、車両の転舵が検出されていない場合は、ステアリングが右への切り増し操作、または左への切り戻し操作がされていない状態である。
【0082】
なお、ここでも、制御装置41は、加速度センサ44が検出した横加速度、ヨーレートセンサ45が検出した角速度、図示しないパワーステアリングモータへの駆動制御などに基づいて、車両の転舵を検出してもよい。
【0083】
次に、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値以上であるか否かを用いて旋回外輪の外力がF0もしくはFIか否かを判定する(S14)。ここでも、制御装置41は、加速度センサ44から入力される信号に基づき、車両の横加速度が所定の閾値、例えば、閾値0.3G程度以上が検出された場合、車両が旋回していると判定する。
【0084】
一方、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)以上でない場合、後述するステップS18のルーチンに移行する。即ち、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)未満である場合、車両が旋回状態ではないと判定する。
【0085】
制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)以上である場合、車両が右旋回しているか否かを判定する(S15)。制御装置41は、加速度センサ44から入力される横加速度信号および/またはヨーレートセンサ45から入力される角速度信号から車両が右旋回しているか否かを検出する。
【0086】
なお、ここでも、制御装置41は、操舵トルクセンサ42から入力されるトルク変動信号、舵角センサ43から入力されるステアリングの舵角変動信号、図示しないパワーステアリングモータへの駆動制御などに基づいて、車両の旋回状態を検出してもよい。
【0087】
制御装置41は、車両が右旋回している場合、再度、ステップS13の判定ルーチンに戻る。即ち、車両は、ステアリングが右に切り増し操作され、さらに右旋回する状態である。そのため、左右の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流の通電が継続される。
【0088】
一方、制御装置41は、車両が右旋回していない場合、左右両方の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流を停止する(S16)。即ち、車両は、ステアリングが左に切り戻し操作され、左旋回する状態である。
【0089】
左右両方の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流を停止すると、各電磁石ユニット30R,30Lが発生する磁力が停止する。これにより、右側のボールスタッド21Rの球状部22Rに生じている引力Fiおよび左側のボールスタッド21Lの球状部22Lに生じている斥力Foが解除される。
【0090】
そして、制御装置41は、左旋回モードに切り換え(S17)、右旋回モードの制御を終了する。なお、制御装置41は、ステップS14の判定ルーチンにおいて、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)以上でない場合、左右両方の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流を停止する(S18)。そして、制御装置41は、直進モードに切り換え(S19)、右旋回モードの制御を終了する。
【0091】
次に、制御装置41が実行する左旋回モードの制御例について、図9のフローチャートを用いて、以下に説明する。
【0092】
制御装置41は、左側の電磁石ユニット30Lに第1の方向(正方向)の励磁電流を通電し(S21)、右側の電磁石ユニット30Rに第1の方向と反対側である第2の方向(負方向)の励磁電流を通電する(S22)。
【0093】
これにより、左側のボールスタッド21Lの球状部22Lは、左側の電磁石ユニット30Lが発生する磁力に対して、内部の永久磁石27Lが作用する引力Fiによって車幅内側に引き寄せられる。
【0094】
一方、右側のボールスタッド21Rの球状部22Rは、右側の電磁石ユニット30Rが発生する磁力に対して、内部の永久磁石27Rが作用する斥力Foによって車幅外側に反発される。
【0095】
なお、右側の電磁石ユニット30Rは、右側の永久磁石27RのS極に対向する極性が同局(S極)となるように磁心31Rが磁化する。
【0096】
車両は、図10および図11に示すように、左旋回中に左前輪2Lが内輪となり、右前輪2Rが外輪となる。このとき、右側のボールジョイント20Rのボールスタッド21Rに車幅内側の外力FIが生じる。一方、左側のボールジョイント20Lのボールスタッド21Lに車幅外側の外力FOが生じる。
【0097】
これら左右のボールスタッド21R,21Lに生じる外力FO,FIとは反対方向に右側の永久磁石27Rを反発する斥力Foと、左側の永久磁石27Lを引き寄せる引力Fiを各電磁石ユニット30R,30Lの磁力によって発生させる。
【0098】
即ち、右側のボールスタッド21Rは、車幅内側方向に生じる外力FIが車幅外側方向に発生する斥力Foにより打ち消(キャンセル)される。また、左側のボールスタッド21Lは、車幅外側方向に生じる外力FOが車幅内側方向に発生する引力Fiにより打ち消(キャンセル)される。
【0099】
これにより、左右のボールジョイント20R,20Lのフリクションが低下され、各球状部22R,22Lと各ボールシート25R,25Lとの摺動面における接触摩擦が低減する。即ち、ボールジョイント20R,20Lのフリクションを低減することにより応答性が高まり、操舵感が向上する。
【0100】
この状態において、制御装置41は、車両の転舵を検出したか否かを判定する(S23)。制御装置41は、操舵トルクセンサ42から入力されるトルク変動信号および/または舵角センサ43から入力されるステアリングの舵角変動信号に基づき、車両の転舵を検出する。
【0101】
制御装置41は、車両の転舵が検出されるまで、このステップS23の判定ルーチンを繰り返し実行する。即ち、車両の転舵が検出されていない場合は、ステアリングが右への切り増し操作、または左への切り戻し操作がされていない状態である。
【0102】
なお、ここでも、制御装置41は、加速度センサ44が検出した横加速度、ヨーレートセンサ45が検出した角速度、図示しないパワーステアリングモータへの駆動制御などに基づいて、車両の転舵を検出してもよい。
【0103】
次に、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値以上であるか否かを用いて旋回外輪の外力がF0もしくはFIか否かを判定する(S24)。ここでも、制御装置41は、加速度センサ44から入力される信号に基づき、車両の横加速度が所定の閾値、例えば、0.3G程度以上が検出された場合、車両が旋回していると判定する。
【0104】
一方、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)以上でない場合、後述するステップS28のルーチンに移行する。即ち、制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)未満である場合、車両が旋回状態ではないと判定する。
【0105】
制御装置41は、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)以上である場合、車両が左旋回しているか否かを判定する(S25)。制御装置41は、加速度センサ44から入力される横加速度信号および/またはヨーレートセンサ45から入力される角速度信号から車両が左旋回しているか否かを検出する。
【0106】
なお、ここでも、制御装置41は、操舵トルクセンサ42から入力されるトルク変動信号、舵角センサ43から入力されるステアリングの舵角変動信号、図示しないパワーステアリングモータへの駆動制御などに基づいて、車両の旋回状態を検出してもよい。
【0107】
制御装置41は、車両が左旋回している場合、再度、ステップS13の判定ルーチンに戻る。即ち、車両は、ステアリングが左に切り増し操作され、さらに左旋回する状態である。そのため、左右の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流の通電が継続される。
【0108】
一方、制御装置41は、車両が左旋回していない場合、左右両方の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流を停止する(S26)。即ち、車両は、ステアリングが右に切り戻し操作され、右旋回する状態である。
【0109】
左右両方の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流を停止すると、各電磁石ユニット30R,30Lが発生する磁力が停止する。これにより、右側のボールスタッド21Rの球状部22Rに生じている斥力Foおよび左側のボールスタッド21Lの球状部22Lに生じている引力Fiが解除される。
【0110】
そして、制御装置41は、右旋回モードに切り換え(S27)、左旋回モードの制御を終了する。なお、制御装置41は、ステップS24の判定ルーチンにおいて、車両の横加速度が所定の閾値(例えば、0.3G程度)以上でない場合、左右両方の電磁石ユニット30R,30Lへの励磁電流を停止する(S28)。そして、制御装置41は、直進モードに切り換え(S29)、左旋回モードの制御を終了する。
【0111】
以上に記載したように、ボールジョイント装置100は、ドライバによるステアリング操作に対して、直進状態から操舵初期と左右の旋回時に左右のボールジョイント20R,20Lに生じる外力FO,FIに対して磁力によって反対方向に引力Fiまたは斥力Foを発生させる。これにより、ボールジョイント装置100は、ボールジョイント20R,20Lに発生するフリクションを下げることで左右の旋回時の操舵感を安定させて操舵安定性を向上させることができる。
【0112】
即ち、ボールジョイント装置100は、左右の電磁石ユニット30R,30Lによる磁力の切り換えによって、直進状態から操舵初期と左右の旋回時に応じて変化する接地反力、旋回荷重などの外力FO,FIをキャンセルして、ボールジョイント20R,20Lのフリクションを低下させる。
【0113】
これにより、ドライバによるステアリング操作時において、直進状態から左右への操舵、左右旋回中の切り増し操作および切り戻し操作の操舵初期に対する応答性が高まり、操作感が向上する。
【0114】
また、ボールジョイント装置100は、直進モードおよび左右旋回モードの制御中、操舵トルクセンサ42から入力されるトルク変動信号および舵角センサ43のステアリングの舵角変動信号に基づく車両の転舵情報を検出しなくなったときに、制御装置41による電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流の通電制御を停止している。
【0115】
これにより、ボールジョイント装置100は、電磁石ユニット30R,30Lに励磁電流を必要な時にだけ通電する。そのため、ボールジョイント装置100は、電力消費を抑えることができる。
【0116】
なお、ボールジョイント装置100は、制御装置41が車両重量(フロント軸重)、車速などに応じて変化する外力FO,FIに対して磁力によって反対方向に引力Fiまたは斥力Foの大きさを可変制御するようにしてもよい。
【0117】
具体的には、制御装置41は、車両重量(フロント軸重)、車速などに対する左右の旋回荷重に応じたマップを読み込み、これに応じた引力Fiまたは斥力Foを左右のボールジョイント20R,20Lに生じるように、励磁電流を可変して左右の電磁石ユニット30R,30Lに通電するようにしてもよい。
【0118】
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0119】
例えば、各形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0120】
1…サスペンション装置
2(2R,2L)…前輪
3…アクスルハウジング
4…ステアリングシステム
5…ストラットユニット
6…ショックアブソーバ
7…サスペンションスプリング
8…ステアリングギアボックス
9…タイロッド
10(10R,10L)…トランスバースリンク(ロワアーム)
11…フロントクロスメンバ
12,13…ブッシュ
14…サポートプレート
15…サポートメンバ
16…スタビライザ
17…リンク
18…ステアリングシャフト
20(20R,20L)…ボールジョイント
21R,21L…ボールスタッド
22R,22L…球状部
23R,23L…スタッド部
24R,24L…ソケット
25R,25L…ボールシート
26R,26L…ダストカバー
27R,27L…永久磁石
30R,30L…電磁石ユニット
31R,31L…磁心
32R,32L…コイル部
33R,33L,34R,34L…金属素線
41…制御装置
42…操舵トルクセンサ
43…舵角センサ
44…加速度センサ
45…ヨーレートセンサ
100…ボールジョイント装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11