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特開2023-177014管閉塞防止部材、サイフォン送水装置及びサイフォン送水方法
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  • 特開-管閉塞防止部材、サイフォン送水装置及びサイフォン送水方法 図1
  • 特開-管閉塞防止部材、サイフォン送水装置及びサイフォン送水方法 図2
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  • 特開-管閉塞防止部材、サイフォン送水装置及びサイフォン送水方法 図4
  • 特開-管閉塞防止部材、サイフォン送水装置及びサイフォン送水方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177014
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】管閉塞防止部材、サイフォン送水装置及びサイフォン送水方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/18 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
E02B7/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089676
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】391028155
【氏名又は名称】株式会社山辰組
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 和三
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 健
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 剛
(57)【要約】
【課題】サイフォン作用による送水作業を行う際に、管部材を押しつぶして閉塞させるほどの負圧が発生した場合に、負圧を感知又は影響を受けて自動で開閉部が開いて外気を管部材内に吸入させることによって、サイフォン管(管部材)が閉塞することを事前に防止することができるサイフォン送水装置に取り付けられている管閉塞防止部材を提供する。
【解決手段】本発明の管閉塞防止部材200は、サイフォン送水装置100を構成する管部材10の一部に備えられてなり、管部材10内部の負圧の増大によって、管部材10が閉塞するほどの大きさの負圧がかかる前の所定の負圧を感知又は影響を受けて自動で開閉部が開いて外気を管部材内に吸入させることにより、管部材10が閉塞することを事前に防止することを特徴とする。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイフォン送水装置を構成する部材の一部に備えられてなり、
管部材の内部の負圧の増大によって、前記管部材が閉塞するほどの大きな負圧がかかる前に、所定の負圧を感知又は負圧の影響を受けて自動で開閉部が開いて外気を管部材内部に吸入させることにより、前記管部材が閉塞することを事前に防止することを特徴とする管閉塞防止部材。
【請求項2】
サイフォン送水装置を構成する部材同士を連結する連結部材の一部に備えられてなり、管部材の内部の負圧の増大によって、前記管部材が閉塞するほどの大きな負圧がかかる前に、所定の負圧を感知又は負圧の影響を受けて自動で開閉部が開いて外気を管部材内部に吸入させることにより、前記管部材が閉塞することを事前に防止することを特徴とする管閉塞防止部材。
【請求項3】
前記管閉塞防止部材は、圧力調整弁又は真空バルブからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の管閉塞防止部材。
【請求項4】
前記管閉塞防止部材は、開口部の開閉部材として、その一部又は全体が開口部以上の大きさであり円形、多角形等の多様な形状の開閉部材として管部材内と外部の空気とを遮断し、管部材内の負圧増大時には一定の負圧に増大すると開閉部材が開口部から管部材内へ吸い込まれることで開口部を開口して外部の空気を管部材内へ吸入させる機能を備えた連結部材を連結して構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の管閉塞防止部材。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の管閉塞防止部材を備えたサイフォン送水装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の管閉塞防止部材を備えたサイフォン送水装置を使用したサイフォン送水方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高水域にある水又は、水及び土砂を低地域に送水するサイフォン送水装置に使用される管部材の内部の負圧による管部材の閉塞(潰れ)を防止するための管閉塞防止部材、および管閉塞防止部材を有するサイフォン送水装置、このサイフォン送水装置を使用したサイフォン送水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、池、沼、河、プール、ダム等の湛水部から水を送水する方法としては、水中ポンプ等の送水機器を使用して送水する方法がある。これは、高水域の湛水部に送水機器を浸漬し、サクションホースやサニーホース等の管部材を仮締切や盛土等の堤防の内側表面や壁面の天端に向かって上向きに配管し、さらに天端を越えて仮締切堤防や構造物の外側に吐出口を配置して排水し、そこからは自然に流下させる排水工法である。
【0003】
しかし、管部材の配管について地面上に配管する場合は問題ないが、上流部のサイフォン吸水する湛水部などで単管パイプ等で足場を組んで、水面から管頂部となる堤防天端まで配管をする場合がある。その単管パイプの上に管部材を載せて配管する場合、管部材の支持が単管パイプの一点に集中することとなる。こうした状態で管部材に水を通すと、水の重さが単管パイプ上に加わるため、その部分から管部材が折れて閉塞してしまうという現象が生じた。管部材が閉塞し、水が流れなくなると、管頂部から下流側に配管した管部材の水は、位置エネルギーにより下流方向へ移動しようとするが、単管パイプの上で折れた箇所は水が通らないため、折れた箇所から管頂部の下流部に向かって負圧が大きくなる。この負圧が管部材の強度の範囲を超えると管部材が広い範囲に亘って閉塞してしまうという問題があった。また、一度閉塞した管部材は、その部分の強度が劣化するため、管部材内に負圧が生じると次回以降は弱い負圧でも簡単に潰れて閉塞し、サイフォン送水作業には使用できなくなるという問題があった。管部材の内部の通水断面を遮断する原因としては、前述のように管部材が折れることによる通水断面の遮断の他、吸水部から吸い込まれたゴミなどの浮遊物が管部材などサイフォン送水装置を構成する各部材の内部の凹凸形状に引っ掛かることで、後続のゴミもそのゴミに引っ掛かって集中して溜まることで管部材の通水断面を遮断する現象も発生した。吸水部には浮遊物を吸いこまないように網目の防塵カゴなどが取り付けてあるが、その網目を縦方向に通過した長い浮遊物が管部材の横断方向の向きに引っ掛かって止まる現象が発生し、流れを遮断して下流側に大きな負圧現象が発生して管部材を閉塞させることとなった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5785634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、前述した課題を解決するため、管部材を管部材の外気圧により押しつぶして閉塞させるほどの大きな負圧が管部材の内部に発生した場合に、異常に大きな負圧を感知することによって自動で外気部との開閉部が開いて外気を管内に吸入させることによって、サイフォン管が閉塞することを事前に防止することができるサイフォン送水装置に取り付けられている管閉塞防止部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明にかかる管閉塞防止部材は、サイフォン送水装置を構成する部材の一部に備えられてなり、
管部材の内部の負圧の増大によって、前記管部材が閉塞するほどの大きな負圧がかかる前に、所定の負圧を感知又は負圧の影響を受けて自動で開閉部が開いて外気を管部材内部に吸入させることにより、前記管部材が閉塞することを事前に防止することを特徴とする。
【0008】
管部材内部の所定の負圧を感知又は負圧の影響を受けて、開閉部から管部材内部に空気を吸入させることで管部材内部の負圧を減少させて、管部材が閉塞し潰れるほどの負圧が管部材に加わることを防止して、管部材が損傷することを防止することとしたものである。
【0009】
また、本発明にかかる管閉塞防止部材は、サイフォン送水装置を構成する部材同士を連結する連結部材の一部に備えられてなり、管部材の内部の負圧の増大によって、前記管部材が閉塞するほどの大きな負圧がかかる前に、所定の負圧を感知又は負圧の影響を受けて自動で開閉部が開いて外気を管部材内部に吸入させることにより、前記管部材が閉塞することを事前に防止することを特徴とするものであってもよい。
【0010】
連結部材に設けられていることによって、管部材に連結部材ごと取り付けることで、管閉塞防止部材をサイフォン送水装置の一部に容易に取り付けることができ、管部材の損傷を防止することができる。
【0011】
さらに、本発明にかかる管閉塞防止部材において、前記管閉塞防止部材は、圧力調整弁又は真空バルブからなることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
真空バルブや圧力調整弁を設けることによって、一定の負圧の発生によって外気を管内部に吸引することが可能となり、効果的に管部材の潰れを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明にかかる管閉塞防止部材において、前記管閉塞防止部材は、開口部の開閉部材として、その一部又は全体が開口部以上の大きさであり円形、多角形等の多様な形状の開閉部材として管部材内と外部の空気とを遮断し、管部材内の負圧増大時には一定の負圧に増大すると開閉部材が開口部から管部材内へ吸い込まれることで開口部を開口して外部の空気を管部材内へ吸入させる機能を備えた連結部材を連結して構成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
かかる構成を採用することによって、簡易に管閉塞防止部材を作製することができ、効果的に管部材の潰れを防止することができる。
【0015】
また、本発明にかかるサイフォン送水装置は、前述した管閉塞防止部材を備えたサイフォン送水装置とするものである。
【0016】
かかる管閉塞防止部材を備えたサイフォン送水装置を採用することによって、管部材が負圧によって損傷することを低減可能なサイフォン送水装置を提供することができる。
【0017】
さらに、本発明にかかるサイフォン送水装置を使用した送水方法によれば、管部材が負圧によって損傷することを低減可能なサイフォン送水装置を使用したサイフォン送水方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200の構成の概略を示す側面図である。
図2図2は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200の一部に管閉塞防止部材100が設けられた状態を示す図である。
図3図3は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200において、管閉塞防止部材100が連結部材に設けられた状態を示す図である。
図4図4は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200において、別実施形態にかかる管閉塞防止部材100を示す図である。
図5図5は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200において、別実施形態にかかる管閉塞防止部材100の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明にかかる管閉塞防止部材100及びこの管閉塞防止部材100を使用したサイフォン送水装置200及びサイフォン送水方法について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。
【0020】
(第1実施形態)
まず、はじめに本発明にかかる管閉塞防止部材100が設けられるサイフォン送水装置200の例について説明する。第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200が、図1に示されている。図1は、第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200の構成の概略を示す図である。第1実施形態にかかるサイフォン送水装置200は、主として、水を吸水する吸水管11と、サイフォン送水装置200を起動するための水中ポンプ等の送水機器20と連結された送水機器連結管12と、吸水された水を排水するための排水管13と、からなる管部材10及び、この3つの管部材10を連結するY字型に形成された注水合流部材30と、管部材10の内部の負圧の増大によって、管部材10が閉塞する(潰れる)ほどの大きさの圧力がかかる前に、所定の負圧を感知又は負圧の影響を受けて自動で管閉塞防止部材100の開閉部が開いて外気を管部材10内に吸入させることによって、管部材10が閉塞することを事前に防止するための管閉塞防止部材100と、を備えている。
【0021】
サイフォン送水作業に使用される管部材10は、容易に断面形状が変形することがない硬質のホースが使用される。硬質な素材を使用したホースの例としては、一般的に言われるサクションホース、硬質ポリエチレンや塩化ビニール等のホース、鋼管などが挙げられる。吸水管11は、上流域又は高水域であるプール、池、沼、河、ダム等の湛水部90に配置されており、先端の吸水口11aには、ゴミ除けかご15が設けられている。また、吸水口11aは、湛水部90の中位に配置されるようにフロート16が取り付けられている。送水機器連結管12は、先端に送水機器20が配置されており、発電機22によって、送水機器20のオン/オフを行うことができる。注水合流部材30と送水機器連結管12との間には、ポンプへの逆流防止装置24が設けられている。ポンプへの逆流防止装置24は、軟質の素材で作成されたホースからなり、電力による強制的な送水機器20からの送水がオフになり、吸水管11からの水流によりサイフォンが起動した場合に、負圧によってホースが閉塞することによって、サイフォンによる流水がポンプ方向へ逆流することを防止する。排水管13の吐出口13aはサイフォン作用を発揮することができるように、湛水部90の水位90aより低い位置に設置されている。吐出口13aには、流量を調節するための流量調節装置13b及び空気が管部材10内に逆流することを防止するため、吐出口を吐出し口の直上流の管部材より高く設置して空気の逆流を防ぐ空気の逆流防止装置13cが設けられている。
【0022】
注水合流部材30は、図1に示すように、吸水管11、送水機器連結管12及び排水管13とそれぞれ連結される第1開口部31、第2開口部32及び第3開口部33とを備えている。注水合流部材30は、第1開口部31と第2開口部32の水路が鋭角に合流するような略Y字状又は略トの字状に形成されている。注水合流部材30のそれぞれの開口部(31~33)の端部は連結機能があるフランジ等を備えており、管部材10と容易かつ堅固に連結することができる。
【0023】
以上のように構成されたサイフォン送水装置200について、基本的な設置方法及び使用方法について説明する。まず、管部材10の全延長の中で最も高い位置となる管頂部に注水合流部材30を設置した状態で、Yの字状となっている注水合流部材の二股となっている一方に吸水管11を連結して吸水口11aを湛水部90に配置し、他方にはその先端に送水機器20を備えた送水機器連結管12を連結して、送水機器連結管12の先端に接続された送水機器20も同様に湛水部90内に配置される。排水管13の吐出口13aは湛水部90の水面より低い位置に配置される。
【0024】
次にサイフォン送水装置200の起動方法について説明する。サイフォン送水装置200は、基本的には管部材10内の空気を一気に押し出す程の送水量を備えている送水機器20が使用される。好ましくは、送水機器20の送水口径は、管部材10の口径以上の口径であるとよい。そして、送水機器20によって、注水合流部材30の第2開口部32へ水を注水する。すると、水は注水合流部材30を経由して排水管13に勢いよく注水され、低地域側に流下する。この状態をしばらく続けると、吐出口13aから水と共に管部材10内の残留空気が排出されながら管部材10内は水が流れた状態のままの満水状態が維持される。最初、吐出口13aを噴出してくる水は空気と混じって白い水が吐出されてくるが、管部材10内が満水状態になると透明な水に変化してくる。この状態が確認できたら、送水機器20を停止し排水管13への水の注水を停止する。送水機器20を停止すると、送水機器連結管12内の水が湛水部へ流下するため、ポンプへの逆流防止装置24が負圧により閉塞される。送水機器からの注水が止まっても下流側となる低地域の常時開口している吐出口13aからは引き続き水が地球の引力に引かれて流下するため、管部材10内の満水状態の水が位置エネルギーにより吐出口13aへ流れ出る作用が働く。この下流側へ流れようとする作用により、吸水管11内の空気が下流側へと引き込まれる現象とともに高水位域の湛水部90に配置された吸水口11aから水が吸水管11内へ吸い込まれ、管部材10内に流れて管部材10内の空気等が完全に吐出口13aから排出された時点で高水位域の湛水部90の水と低地域に敷設された排水管13の吐出口13aとの間の管部材10内が満水状態で繋がり完全にサイフォン作用の稼働状態が維持されることになる。
【0025】
以上のようにサイフォンが起動している状態において、前述したように、管部材10に水を通すと、管部材10の重量が増し、単管パイプ等のように管部材10の一部を支持しているような場合には、その部分から管部材10が折れて閉塞する現象が生じることになる。管部材10が閉塞し、通水断面が遮断され水が流れなくなると、管頂部から下流側に配管した管部材10内の水は、位置エネルギーにより下流方向へ移動しようとするが、単管パイプの上で折れた箇所は水が通らないため、折れた箇所から管頂部の下流部に向かって負圧が大きくなる。この負圧が管部材10の強度の範囲を超えると管部材10が長い範囲に亘って閉塞してしまうという問題があった。また、一度閉塞した管部材10は、その部分の強度が劣化するため、管部材10内に負圧が生じると次回以降は弱い負圧でも簡単に潰れて閉塞し、サイフォン送水作業には使用できなくなるという問題があった。
【0026】
そこで、本発明では、サイフォン送水装置200を構成する管部材10の一部に備えられている管閉塞防止部材100が設けられている。管閉塞防止部材100は、サイフォン送水装置200を構成する管部材10が負圧の増大によって閉塞する前に、負圧を感知又は影響されて自動で開閉部が開き、外気を管部材10内に吸入させることによって、サイフォン管が閉塞することを事前に防止するためのものである。
【0027】
管閉塞防止部材100は、例えば、図2に示すように、圧力調整弁又は真空バルブ等のように、所定の圧力を検知又は影響されることにより開閉機構を有する部材が使用される。これにより、管部材10内部の負圧が所定の値より低くなると、開閉機構が開き、管部材10内部に大気を吸入することができ、管部材10内の圧力と大気圧との差を小さくすることによって、管部材10に外部から加わる外圧を小さくし、管部材10が潰れることを防止することができる。
【0028】
管閉塞防止部材100は、図2に示すように、吸水管11、送水機器連結管12及び排水管13等の管部材10に管閉塞防止部材100を直接取り付けても良いし、図3に示すように、吸水管11、送水機器連結管12及び排水管13の管部材10に取り付けることが可能な連結部材50に管閉塞防止部材100を取り付けても良い。連結部材50は、管部材10の端部に設けられるフランジにボルト及びナットで取り付け可能なフランジが両側の端部に設けられて形成されている。
【0029】
また、管閉塞防止部材100として、図4に示すように、大気と管部材10の内部との間に開口部55と、この開口部55の開閉するための開閉部材56とからなるものを使用してもよい。管閉塞防止部材100は、図4の拡大図に示すように、管部材10から円筒部51が延設されており、円筒部51の内側には、上面図に示すように、開口部55が設けられており、開口部は円筒部51の内径よりも小さい外径であって、かつ開閉部材56の直径以下の外径となるように形成されている。したがって、開閉部材56で開口部55を閉鎖するように載置することができる。なお、開閉部材56と開口部55との隙間から大気が管部材10内に流れることを防止するために、図に示すように隙間充填部材57で封止してもよい。開閉部材56は、一部又は全体が開口部55以上の直径を有する弾性部材からなり、通常時は開口部55に取り付けられ、開口部55を封鎖することによって、管部材10内と外部の空気と遮断し、一定以上の負圧が管部材10内に発生した場合に、図5に示すように、負圧によって管部材10内部に引き込まれ、直径が縮むことによって開口部55から管部材10内へ吸い込まれることで開口部55を開口して外部の空気を管部材10内へ吸入させるものである。開閉部材56は、円形、多角形をはじめ多様な形状のものを使用することができる。このような管閉塞防止部材100を使用することによって、容易に管閉塞防止部材100を構成することができる。なお、このタイプの管閉塞防止部材100も前述した圧力調整弁又は真空バルブと同様に、吸水管11、送水機器連結管12及び排水管13のいずれかに管閉塞防止部材100を直接取り付けても良いし、吸水管11、送水機器連結管12及び排水管13の管部材10に取り付けることが可能な連結部材50に管閉塞防止部材100を取り付けても良い。
【0030】
以上の管閉塞防止部材100は、管部材10内部の所定の負圧を感知することによって、開閉部から管部材10内部に空気を吸入させることによって、潰れるほどの負圧が管部材10に加わることを防止して、管部材10が損傷することを防止することができる。
【0031】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。
【産業上の利用可能性】
【0032】
上述した実施の形態で示すように、池、沼、河、プール、ダム等の湛水部の水を安全に安価に効率よく送水する装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
10…管部材、11…吸水管、11a…吸水口、12…送水機器連結管、13…排水管、13a…吐出口、13b…流量調節装置、13c…逆流防止装置、15…かご、16…フロート、20…送水機器、22…発電機、24…ポンプへの逆流防止装置、30…注水合流部材、31…第1開口部、32…第2開口部、33…第3開口部、50…連結部材、51…円筒部、55…開口部、56…開閉部材、57…隙間充填部材、90…湛水部、100…管閉塞防止部材、200…サイフォン送水装置
図1
図2
図3
図4
図5