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特開2023-177016冷蔵庫、冷蔵庫状態通知システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177016
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】冷蔵庫、冷蔵庫状態通知システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20231206BHJP
   F25C 5/18 20180101ALI20231206BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
F25D23/00 301K
F25C5/18 312Z
F25D11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089679
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 俊紀
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA03
3L045CA04
3L045LA15
3L045MA02
3L045MA12
3L045MA15
3L045MA16
3L045NA15
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA26
3L345BB06
3L345EE13
3L345EE33
3L345EE45
3L345EE47
3L345HH23
3L345HH32
3L345HH34
3L345HH36
3L345JJ17
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】製氷室内の氷の状態を事前に把握し、氷の状態に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減すること。
【解決手段】実施形態にかかる冷蔵庫は、製氷室と冷凍室とを有する冷蔵庫であって、前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉を検知する開閉センサと、前記冷蔵庫内の温度を検知する温度センサと、前記製氷室または前記冷凍室の扉が開状態となってからの経過時間、前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉回数と、前記冷蔵庫の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、前記製氷室の氷の状態を判断する判断部と、前記判断部による前記製氷室の氷の状態に関する通知を行う通知制御部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷室と冷凍室とを有する冷蔵庫であって、
前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉を検知する開閉センサと、
前記冷蔵庫内の温度を検知する温度センサと、
前記製氷室または前記冷凍室の扉が開状態となってからの経過時間、前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉回数と、前記冷蔵庫の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、前記製氷室の氷の状態を判断する判断部と、
前記判断部による前記製氷室の氷の状態に関する通知を行う通知制御部と、
を備える冷蔵庫。
【請求項2】
前記判断部は、前記開閉センサにより前記製氷室の扉が開いたことを検知してから前記扉が開いた状態の時間の計測を開始し、前記扉が開いた状態で第1の時間が経過した場合に、前記製氷室の氷が塊の状態になる可能性があると判断し、
前記通知制御部は、前記製氷室の氷が塊の状態になる可能性がある旨の第1の通知を行う、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記判断部は、さらに、前記開閉センサにより前記製氷室の扉が閉じたことを検知してから、第2の時間が経過し、かつ、所定の条件を具備した場合に、前記製氷室の内部に霜が発生する可能性があると判断し、
前記通知制御部は、前記製氷室の内部に霜が発生する可能性がある旨の第2の通知を行う、
請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記判断部は、前記所定の条件として、前記開閉センサにより前記製氷室の扉が半開きになった回数が回数閾値より多い場合に、前記製氷室の内部に霜が発生する可能性があると判断する、
請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記判断部は、前記所定の条件として、前記温度センサにより検知された温度が温度閾値より高い場合に、前記製氷室の内部に霜が発生する可能性があると判断する、
請求項3または4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記判断部は、前記製氷室の扉を閉じてからの経過時間に基づく氷の生成時間と、前記製氷室の扉の回数と、に基づいて、前記製氷室内の氷の量を推定し、推定された前記氷の量に基づいて、前記氷の塊の状態を判断する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記通知制御部は、さらに、前記温度センサにより検知された前記冷蔵庫内の温度に変化があった場合に、前記冷蔵庫内の温度変化の通知を行う、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記通知制御部は、さらに、前記温度センサにより検知された前記冷蔵庫内の温度が第2の温度閾値を超えた場合に、前記冷蔵庫内の温度が前記第2の温度が超えた旨の通知を行う、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記通知制御部は、前記通知のタイミングを、前記扉の開閉回数や時間帯によって変える、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記通知制御部は、さらに、前記氷の状態を回避する改善策を通知する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
サーバと、前記サーバにネットワークで接続される製氷室と冷凍室とを有する冷蔵庫と、前記ネットワークに接続される端末のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を備えた冷蔵庫状態通知システムであって、
前記冷蔵庫は、
前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉を検知する開閉センサと、
前記冷蔵庫内の温度を検知する温度センサと、
前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開または閉からの時間を計時する計時部と、
前記製氷室または前記冷凍室の扉が開状態となってからの経過時間、前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉回数と、前記冷蔵庫の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、前記製氷室の氷の状態を判断する判断部と、
前記判断部による前記製氷室の氷の状態に関する通知を行う通知制御部と、
前記通知を、前記サーバへ送信する通信部と、を備え、
前記サーバは、
前記通知を受信した場合に、前記通知を、前記冷蔵庫を利用する利用者の端末へ送信し、
前記プログラムは、
前記サーバから前記通知を受信し、受信した前記通知を前記端末の表示部に表示する、
ことを前記端末の前記コンピュータに実行させる、
冷蔵庫状態通知システム。
【請求項12】
製氷室と冷凍室とを有する冷蔵庫のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記冷蔵庫は、
前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉を検知する開閉センサと、
前記冷蔵庫内の温度を検知する温度センサと、を備え、
前記製氷室または前記冷凍室の扉が開状態となってからの経過時間、前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉回数と、前記冷蔵庫の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、前記製氷室の氷の状態を判断し、
前記製氷室の氷の状態に関する通知を行う、
ことを前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫、冷蔵庫状態通知システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫において、製氷室に長期間氷を保存したり、冷凍庫の扉の開け閉めによる温度変化や昇華現象により、製氷室内の氷同士がくっついて固まる等、氷が塊の状態となる場合がある。このような氷の塊が生じると、氷の塊が製氷室自体に密着したり、氷の塊に起因して、製氷室の扉等のレールが凍る場合がある。このような氷の塊を排除するためには、こまめに氷を使用したり、塊になった氷を湯で溶かしたり、鋭利なもので削る等の手段をとること等の手法が従来から種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平01-5070号公報
【特許文献2】特開平10-73353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の手法では、利用者は、氷を使用するまで氷の状態を把握することができない。また、氷同士がくっついて塊になった状態の場合は、氷の塊を除去すればよいが、製氷室に氷の塊がついた場合には、これを除去することは煩雑となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製氷室内の氷の状態を事前に把握することができ、これにより氷の状態に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる冷蔵庫、冷蔵庫状態通知システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態にかかる冷蔵庫は、製氷室と冷凍室とを有する冷蔵庫であって、前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉を検知する開閉センサと、前記冷蔵庫内の温度を検知する温度センサと、前記製氷室または前記冷凍室の扉が開状態となってからの経過時間、前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉回数と、前記冷蔵庫の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、前記製氷室の氷の状態を判断する判断部と、前記判断部による前記製氷室の氷の状態に関する通知を行う通知制御部と、を備える。
【0007】
また、前記判断部は、前記開閉センサにより前記製氷室の扉が開いたことを検知してから前記扉が開いた状態の時間の計測を開始し、前記扉が開いた状態で第1の時間が経過した場合に、前記製氷室の氷が塊の状態になる可能性があると判断し、前記通知制御部は、前記製氷室の氷が塊の状態になる可能性がある旨の第1の通知を行うように構成しても良い。
【0008】
また、前記判断部は、さらに、前記開閉センサにより前記製氷室の扉が閉じたことを検知してから、第2の時間が経過し、かつ、所定の条件を具備した場合に、前記製氷室の内部に霜が発生する可能性があると判断し、前記通知制御部は、前記製氷室の内部に霜が発生する可能性がある旨の第2の通知を行うように構成してもよい。
【0009】
また、前記判断部は、前記所定の条件として、前記開閉センサにより前記製氷室の扉が半開きになった回数が回数閾値より多い場合に、前記製氷室の内部に霜が発生する可能性があると判断するように構成しても良い。
【0010】
また、前記判断部は、前記所定の条件として、前記温度センサにより検知された温度が温度閾値より高い場合に、前記製氷室の内部に霜が発生する可能性があると判断するように構成しても良い。
【0011】
また、前記判断部は、前記製氷室の扉を閉じてからの経過時間に基づく氷の生成時間と、前記製氷室の扉の回数と、に基づいて、前記製氷室内の氷の量を推定し、推定された前記氷の量に基づいて、前記氷の塊の状態を判断するように構成しても良い。
【0012】
また、前記通知制御部は、さらに、前記温度センサにより検知された前記冷蔵庫内の温度に変化があった場合に、前記冷蔵庫内の温度変化の通知を行うように構成しても良い。
【0013】
また、前記通知制御部は、さらに、前記温度センサにより検知された前記冷蔵庫内の温度が第2の温度閾値を超えた場合に、前記冷蔵庫内の温度が前記第2の温度が超えた旨の通知を行うように構成しても良い。
【0014】
また、前記通知制御部は、前記通知のタイミングを、前記扉の開閉回数や時間帯によって変えるように構成しても良い。
【0015】
また、前記通知制御部は、さらに、前記氷の状態を回避する改善策を通知するように構成しても良い。
【0016】
また、実施形態にかかる冷蔵庫状態通知システムは、サーバと、前記サーバにネットワークで接続される製氷室と冷凍室とを有する冷蔵庫と、前記ネットワークに接続される端末のコンピュータに実行させるためのプログラムと、を備えた冷蔵庫状態通知システムであって、前記冷蔵庫は、前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉を検知する開閉センサと、前記冷蔵庫内の温度を検知する温度センサと、前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開または閉からの時間を計時する計時部と、前記製氷室または前記冷凍室の扉が開状態となってからの経過時間、前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉回数と、前記冷蔵庫の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、前記製氷室の氷の状態を判断する判断部と、前記判断部による前記製氷室の氷の状態に関する通知を行う通知制御部と、前記通知を、前記サーバへ送信する通信部と、を備え、前記サーバは、前記通知を受信した場合に、前記通知を、前記冷蔵庫を利用する利用者の端末へ送信し、前記プログラムは、前記サーバから前記通知を受信し、受信した前記通知を前記端末の表示部に表示する、ことを前記端末の前記コンピュータに実行させる。
【0017】
また、実施形態にかかるプログラムは、製氷室と冷凍室とを有する冷蔵庫のコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記冷蔵庫は、前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉を検知する開閉センサと、前記冷蔵庫内の温度を検知する温度センサと、を備え、前記製氷室または前記冷凍室の扉が開状態となってからの経過時間、前記開閉センサによって検知された前記製氷室または前記冷凍室の扉の開閉回数と、前記冷蔵庫の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、前記製氷室の氷の状態を判断し、前記製氷室の氷の状態に関する通知を行う、ことを前記コンピュータに実行させる。
【0018】
以上の冷蔵庫、冷蔵庫状態通知システムおよびプログラムによれば、製氷室内の氷の状態を事前に把握することができ、これにより氷の状態に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態にかかる冷蔵庫状態表示システムの一例を示すシステム構成図である。
図2図2は、本実施形態にかかる冷蔵庫の内部構造の一部の一例を示す断面図である。
図3図3は、本実施形態に係る冷蔵庫のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、本実施形態にかかる冷蔵庫の主制御装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、本実施形態にかかるサーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、本実施形態にかかる端末の構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、本実施形態にかかる冷蔵庫による状態表示処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本実施形態にかかる冷蔵庫による状態表示処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本実施形態にかかる端末で表示される通知メッセージの一例を示す説明図である。
図10図10は、変形例にかかる通知の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る冷蔵庫、冷蔵庫状態通知システムおよびプログラムの実施形態について説明する。本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0021】
(実施の形態)
図1は、本実施形態にかかる冷蔵庫状態表示システム10の一例を示すシステム構成図である。本実施形態にかかる冷蔵庫状態表示システム10は、図1に示すように、少なくとも冷蔵庫11と、サーバ16と、端末12とから構成される。
【0022】
冷蔵庫11と端末12は、例えばインターネットなどといった広域ネットワーク15を介して、外部のサーバ16にも通信可能に接続される。冷蔵庫11と端末12は、不図示の通信アダプタ等を介して相互に無線通信可能に接続されるように構成してもよい。また、冷蔵庫11と端末12を、例えばUSBケーブルなどといった通信ケーブルを介して有線通信可能に接続するように構成してもよい。
【0023】
冷蔵庫11は、家電機器の一例であり、貯蔵室として、少なくとも、冷凍室112、製氷室111を備える。冷蔵庫11は、さらに、冷蔵室、野菜室等を備えていても良い。図1では、冷凍室112の引き出し式扉43、製氷室111の引き出し式扉57も表示している。
【0024】
端末12は、いわゆるスマートフォン、タブレット等の高機能携帯電話などで構成され、少なくとも、外部の各種機器類と通信するための通信機能を備える。端末12は、図1に示すように、少なくとも表示部32と、操作部33とを備えている。
【0025】
サーバ16は、周知のコンピュータシステムにより構成されている。サーバ16は、冷蔵庫11や端末12にアクセスするための情報などの各種情報、アプリケーションソフトを含む各種のコンピュータプログラムなどを記憶しており、これら各種情報やプログラムを配信可能に構成されている。冷蔵庫11や端末12にアクセスするための情報としては、例えば、これら冷蔵庫11や端末12のIPアドレスなどが考えられる。
【0026】
次に、冷蔵庫11の詳細について説明する。
図2は、本実施形態にかかる冷蔵庫11の内部構造の一部の一例を示す断面図である。図2では、冷蔵庫11の冷凍室112と製氷室111の部分のみの断面を示している。本実施形態にかかる冷蔵庫11は、図1に示すように、冷凍室112の上に製氷室111が配置される構成となっている。ただし、これに限定されるものではなく、製氷室111の上に冷凍室112が配置される構成としてもよい。
【0027】
冷凍空間40は、冷凍温度(例えば、-18℃以下)に冷却される空間である。冷凍空間40内の上部には、製氷装置50を備える製氷室111と小型冷凍室とが、前方から見て左右に並ぶように併設されている(図1参照)。冷凍空間40内の下部には冷凍室112が設けられている。冷凍室112の開口部は引き出し式扉43により閉塞されている。引き出し式扉43の裏側には収納容器44が保持されている。この収納容器44は、引き出し式扉43と一体となって引き出されるように構成されている。収納容器44の上方にさらに別の収納容器が設けられていても良い。
【0028】
冷凍室112の引き出し式扉43の付近には、冷凍室扉開閉センサ201bが設けられている。冷凍室扉開閉センサ201bは、冷凍室112の引き出し式扉43の開閉および半開き(半ドアとも称する)の状態を検知する。
【0029】
製氷装置50は、貯氷タンク(不図示)に貯蔵された水を製氷する。製氷装置50は、製氷室111の上壁に固定された駆動装置51と、駆動装置51により反転する製氷皿52と、駆動装置51から斜め下方に向けて設けられた貯氷量検知レバー53とを備える。製氷皿52には温度センサ203(図3参照)が設けられている。製氷皿52の下方には貯氷容器55が配置されている。製氷用水は、給水管(不図示))を通って製氷皿52に供給され、製氷皿52で氷になる。氷が完成すると製氷皿52が反転し、氷は貯氷容器55内に落ちる。これが繰り返されて氷が貯氷容器55内に貯められていく。
【0030】
製氷室41の前方開口部は引き出し式扉57により閉塞されている。貯氷容器55は、引き出し式扉57と一体となって引き出されるように構成されている。
【0031】
製氷室111の引き出し式扉57の付近には、製氷室扉開閉センサ201aが設けられている。製氷室扉開閉センサ201aは、製氷室111の引き出し式扉57の開閉および半開き(半ドアとも称する)の状態を検知する。
【0032】
図3は、本実施形態に係る冷蔵庫11のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。冷蔵庫11は、その内部に主制御装置30を有している。主制御装置30は、CPU301、RAM302、ROM303、タイマー304、などを備えている。また、冷蔵庫11は、製氷室扉開閉センサ201a、冷凍室扉開閉センサ201b、冷蔵室扉開閉センサ201c、温度センサ203を備えている。製氷室扉開閉センサ201a、冷凍室扉開閉センサ201b、冷蔵室扉開閉センサ201c、温度センサ203は主制御装置30に接続されている。
【0033】
製氷室扉開閉センサ201a、冷凍室扉開閉センサ201b、冷蔵室扉開閉センサ201cは、それぞれ利用者が冷凍庫112の引き出し式扉43、製氷室111の引き出し式扉57、冷蔵室の引き出し式扉を開閉した際に、各引き出し式扉の開閉を検知し、検知信号を主制御装置30に送信する。また、製氷室扉開閉センサ201a、冷凍室扉開閉センサ201b、冷蔵室扉開閉センサ201cは、それぞれ利用者が冷凍庫112の引き出し式扉43、製氷室111の引き出し式扉57、冷蔵室の引き出し式扉を半開きの状態にした際に、各引き出し式扉の半開き(半ドア)の状態を検知し、半ドアの検知信号を主制御装置30に送信する。
【0034】
主制御装置30のCPU301は、例えばROM303に記憶されたプログラムを実行することで、冷蔵庫11の種々の制御を行う。
【0035】
タイマー304は、所定のタイミングで計時を開始する。本実施形態では、製氷室111の引き出し式扉57の開閉の時点や、冷凍室112の引き出し式扉43の開閉の時点からの経過時間を計時する。より具体的には、製氷室扉開閉センサ201aからの開状態の検知信号を受信した時点からの経過時間や、冷凍室扉開閉センサ201bからの開状態の検知信号を受信してからの経過時間を計時する。そして、タイマー304は、所定のタイミングで計時を終了する。このような計時を開始することをタイマーオンと称し、計時を終了することをタイマーオフと称する。
【0036】
図4は、本実施形態にかかる冷蔵庫11の主制御装置30の機能的構成の一例を示すブロック図である。主制御装置30は、図3に示すように、取得部311と、判断部312と、通知制御部313と、通信部314と、を主に備えている。
【0037】
取得部311は、製氷室扉開閉センサ201a、冷凍室扉開閉センサ201bおよび冷蔵室扉改変センサ201cからの開閉および半ドアの検知信号と、温度センサ203で検知された温度を取得する。
【0038】
判断部312は、製氷室111の引き出し式扉57または冷凍室112の引き出し式扉43が開状態となってからの経過時間、各開閉センサ201a,201b,201cによって検知された製氷室111または冷凍室112の引き出し式扉57,43の開閉回数と、冷蔵庫の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、製氷室111の氷の状態を判断する。ここで、氷の状態とは、氷同士がくっついて固まった状態、すなわち氷の塊の状態や、氷が成型後の形状からどの程度変化したかを意味する。
【0039】
具体的には、判断部312は、製氷室扉開閉センサ201aにより製氷室111の引き出し式扉57が開いたこと検知してから、タイマー304をオンとして引き出し式扉57が開いた状態の時間の計測を開始する。そして、判断部312は、引き出し式扉57が開いた状態で第1の時間が経過した場合に、製氷室111の氷が塊の状態、すなわち氷同士がくっついて固まる状態になる可能性があると判断する。
【0040】
また、判断部312は、製氷室扉開閉センサ201aにより製氷室111の引き出し式扉57が閉じられたことを検知すると、タイマー304をオンとし、引き出し式扉57が閉じられてから第2の時間が経過し、かつ所定の条件を具備した場合に、製氷室111の内部、例えば製氷室111の引き出し式扉57を案内するレール等に霜がつく(すなわち、霜が発生する)可能性があると判断する。
【0041】
具体的には、判断部312は、製氷室扉開閉センサ201aにより製氷室111の引き出し式扉57が閉じられたことを検知してから、製氷室扉開閉センサ201aにより製氷室111の引き出し式扉57が半開きの状態を検知した回数をカウントする。そして、判断部312は、製氷室扉開閉センサ201aにより製氷室111の引き出し式扉57が閉じられたことを検知してから、第2の時間が経過し、かつ、上記所定の条件として、製氷室扉開閉センサ201aにより製氷室111の引き出し式扉57が半開きの状態になった回数が所定の回数閾値より多い場合に、製氷室111の内部に霜がつく可能性があると判断する。
【0042】
また、判断部312は、製氷室扉開閉センサ201aにより製氷室111の引き出し式扉57が閉じられたことを検知してから、第2の時間が経過し、かつ、上記所定の条件として、温度センサ203により検知された温度が所定の温度閾値より高い場合に、製氷室111の内部に霜がつく可能性があると判断する。
【0043】
これは、本実施形態の冷蔵庫11では、製氷室111が冷凍室112の上に配置されているため、製氷室111の引き出し式扉57が閉状態を維持している場合でも、冷凍庫112の引き出し式扉43を開くことにより冷凍室112内に外部から入った暖かい空気が、製氷室111まで上昇して製氷室111内の温度があがることに起因するためである。
【0044】
通知制御部313は、判断部312による製氷室111の氷の状態に関する通知を出力する。具体的には、通知制御部312は、判断部312により製氷室の氷の状態として氷が塊の状態になる可能性があると判断された場合には、その旨の第1の通知を出力する。また、通知制御部313は、判断部312により製氷室111のレール等の製氷室111内部に霜がつく可能性があると判断された場合には、その旨の第2の通知を出力する。
【0045】
通知制御部313は、さらに、氷の状態を回避する改善策を通知する。例えば、通知制御部313は、氷の塊が生じないように、製氷室111の引き出し式扉57を開状態のままに放置しないように通知することができる。また、例えば、通知制御部313は、製氷室111の内部に霜がつかないように、引き出し式扉57の半ドアをやめるか冷凍室を閉めた状態として製氷室の温度を下げる旨に通知することができる。
【0046】
通信部314は、通知制御部313から出力された通知を、サーバ16に送信する。サーバ16は、当該通知を、冷蔵庫11の利用者の端末12に送信する。そして、端末12の表示部32で通知がメッセージとして表示され、利用者に把握される。
【0047】
なお、本実施形態の冷蔵庫11で実行される状態表示プログラムは、ROM303等に予め組み込まれて提供される。
【0048】
本実施形態の冷蔵庫11で実行される状態表示プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0049】
さらに、本実施形態の冷蔵庫11で実行される状態表示プログラムを、インターネット等のネットワークに接続された例えばサーバ16等のコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の冷蔵庫11で実行される状態表示プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0050】
本実施形態の冷蔵庫11で実行される状態表示プログラムは、上述した各部(取得部311、判断部312、通知制御部313、通信部314)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU301が上記ROM303から状態表示プログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM302等の主記憶装置上にロードされ、取得部311、判断部312、通知制御部313、通信部314がRAM302等の主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0051】
なお、取得部311、判断部312、通知制御部313、通信部314の機能をハードウェアにより実現する構成としてもよい。
【0052】
次に、サーバ16について説明する。
サーバ16は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0053】
図5は、本実施形態にかかるサーバ16の機能的構成の一例を示すブロック図である。本実施形態にかかるサーバ16は、図1に示すように、受信部61と、特定部62と、送信部63と、利用者データベース(利用者DBと称する場合もある)65と、を主に備えている。
【0054】
受信部61は、冷蔵庫11の通信部314から冷蔵庫11を識別するための冷蔵庫IDとともに通知を受信する。
【0055】
利用者DB65は,冷蔵庫11の利用者を管理するためのデータベースであり、外部記憶装置等に保存されている。この利用者DB65には、冷蔵庫IDと、当該冷蔵庫11を利用する利用者を識別する利用者ID、例えばメールアドレス等とが対応づけられて登録されている。
【0056】
特定部62は、受信部が通知とともに受信した冷蔵庫IDをキーにして利用者DB65を検索し、冷蔵庫IDの冷蔵庫の利用者IDを特定する。
送信部63は、特定部62が特定した利用者IDの端末12に、冷蔵庫11から受信した通知を送信する。
【0057】
次に、端末12について説明する。
図6は、本実施形態にかかる端末12の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態にかかる端末12は、図6に示すように、制御部31と、表示部32と、入出力制御部35と、操作部33と、通信部34と、を主に備えている。表示部32、入出力制御部35、操作部33、通信部34が制御部31に接続されている。
【0058】
制御部31は、端末12の動作全般を制御するCPUである。表示部32は、例えば液晶パネルなどといった表示器により構成されている。操作部33は、表示部32の表示画面上に形成されるタッチパネルスイッチ、表示部32の周囲に設けられた機械式のスイッチなどで構成されている。
【0059】
入出力制御部35は、表示部32への表示制御、操作部33からの入力制御を行う。
通信部34は、外部の機器と通信するための通信機能を実現する要素である。本実施形態の端末12では、通信部34は、サーバ16との通信を確立する。なお、冷蔵庫11との間に通信回線を確立して、端末12と冷蔵庫11とを通信可能に接続するように構成してもよい。
【0060】
また、端末12には、冷蔵庫11の各種機能を遠隔から設定するためのアプリケーションプログラムが組み込まれている。このアプリケーションプログラムは、例えばサーバ16から端末12にダウンロードすることにより当該端末12にインストールされたものである。
なお、端末12で実行されるアプリケーションプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0061】
また、当該アプリケーションプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0062】
そして、端末12は、このアプリケーションプログラムを制御部31により実行することにより、通信部34、入出力制御部35をソフトウェアにより仮想的に実現する。なお、端末12は、通信部34,入出力制御部35の機能をハードウェアにより実現する構成としてもよい。
【0063】
本実施形態にかかる端末12では、通信部34がサーバ16から通知を受信する。そして、入出力制御部35が、通信部34が受信した通知を、表示部32に表示する。
【0064】
次に、以上のように構成された本実施形態にかかる冷蔵庫状態表示システムによる状態表示処理について説明する。
図7図8は、本実施形態にかかる冷蔵庫11による状態表示処理の一例を示すフローチャートである。
【0065】
取得部311は、製氷室扉開閉センサ201aからの開状態の検知信号の受信待ち状態となっている(S11、S11:No)。そして、取得部311が製氷室扉開閉センサ201aからの開状態の検知信号を受信したら、判断部312は、製氷室111の引き出し式扉57が開いたと判断し(S11:Yes)、タイマー304をオンとする(S12)。
【0066】
そして、判断部312は、製氷室111の引き出し式扉57が開いてから第1の時間が経過したか否かを判断する(S13)。第1の時間を経過していない場合には(S13:No)、取得部311は、製氷室扉開閉センサ201aからの閉状態の検知信号を受信したか否かを判断する(S14)。取得部311が閉状態の検知信号を受信した場合には(S14:Yes)、判断部312は、製氷室111の引き出し式扉57が閉じられたと判断して、タイマー304をオフとして計時を終了し(S15)、処理はS11へ戻る。
【0067】
一方、S14で、取得部311が閉状態の検知信号を受信していない場合には(S14:No)、処理はS13に戻り、判断部312は、第1の時間経過まで待機する。
【0068】
S13で、第1の時間が経過したら(S13:Yes)、判断部312は、タイマー304をオフとし計時を終了する(S16)。そして、判断部312は、製氷室111の氷が塊の状態となる可能性がある、すなわち、氷がくっつく可能性があると判断する。そして、通知制御部313は、氷がくっつく可能性がある旨の第1の通知を、製氷室111の引き出し式扉57を開状態のままにしない旨の改善策とともに、サーバ16に送信する(S17)。サーバ16は、この改善策を含む第1の通知を受信し、冷蔵庫11の利用者の端末12に送信し、利用者の端末12の表示部32で第1の通知が表示される。
【0069】
図9は、本実施形態にかかる端末12で表示される通知メッセージの一例を示す説明図である。図9(a)は第1の通知の例であり、かかる表示でOKボタンを押下すると、改善策のメッセージが表示される。
【0070】
次に、取得部311は、製氷室扉開閉センサ201aからの閉状態の検知信号の受信待ちの状態となる(S18、S18:No)。取得部311が閉状態の検知信号を受信した場合には(S18:Yes)、判断部312は、製氷室111の引き出し式扉57が閉められたと判断し、タイマー304をオンとして計時を開始する(S19)。
【0071】
この間、製氷室扉開閉センサ201aからの検知信号で製氷室111の引き出し式扉57が半ドア(半開き)の状態となった場合には、取得部311で半ドアの検知信号を受信し、判断部312は半ドアの回数をカウントする(S20)。
【0072】
次に、判断部312は、製氷室111の引き出し式扉57が閉じられてから第2の時間が経過したか否かを判断する(S21)。まだ第2の時間を経過していない場合には、処理はS20へ戻る。
【0073】
第2の時間を経過した場合には(S21:Yes)、取得部311は、製氷室111の温度センサ203から温度を取得する(S24)。そして、判断部312は、S20でカウントした製氷室111の引き出し式扉57の半ドアの回数が所定の回数閾値nより大きいか否か、あるいは、S24で取得した製氷室111の温度が所定の温度閾値kより高いか否かを判断する(S25)。
【0074】
そして、製氷室111の引き出し式扉57の半ドアの回数が所定の回数閾値nより大きい場合、あるいは、製氷室111の温度が所定の温度閾値kより高い場合には(S25:Yes)、判断部312は、製氷室111の内部に霜がつく可能性があると判断する。そして、通知制御部313は、製氷室111の内部に霜がつく可能性がある旨の第2の通知を、引き出し式扉57の半ドアをやめるか冷凍室を閉めた状態として製氷室の温度を下げる旨の改善策とともにサーバ16に送信する(S26)。サーバ16は、この改善策を含む第2の通知を受信し、冷蔵庫11の利用者の端末12に送信し、利用者の端末12の表示部32で第2の通知が表示される。
【0075】
図9(b)は第2の通知の例であり、かかる表示でOKボタンを押下すると、改善策のメッセージが表示される。
【0076】
一方、S25で、製氷室111の引き出し式扉57の半ドアの回数が所定の回数閾値n以下であり、かつ、製氷室111の温度が所定の温度閾値k以下である場合には(S25:No)、処理は終了する。
【0077】
このように本実施形態では、冷蔵庫11の判断部312が、製氷室111または冷凍室112の引き出し式扉57,43が開状態となってからの経過時間、扉開閉センサ201a,201bによって検知された製氷室111または冷凍室112の引き出し式扉57,43の開閉回数と、冷蔵庫11の温度と、の少なくともいずれかに基づいて、製氷室111の氷の状態を判断し、通知制御部312が、サーバ16経由で利用者の端末12に、判断部312による製氷室111の氷の状態に関して通知を行う。このため、本実施形態によれば、製氷室内の氷の状態を事前に把握することができ、これにより氷の状態に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる。
【0078】
より具体的には、判断部312は、製氷室111の引き出し式扉57が開いたこと検知してから、第1の時間が経過した場合に、製氷室111の氷が塊の状態になる可能性があると判断し、通知制御部313は、製氷室111の氷が塊の状態になる可能性がある旨の第1の通知を行う。このため、本実施形態によれば、製氷室内の氷の塊の状態を事前に把握することができ、これにより氷の塊に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる。
【0079】
また、本実施形態では、冷蔵庫11の判断部312は、さらに、製氷室111の引き出し式扉57が閉じたことを検知してから、第2の時間が経過し、かつ、所定の条件を具備した場合に、製氷室111の内部に霜が発生する可能性があると判断し、通知制御部312は、製氷室の内部に霜が発生する可能性がある旨の第2の通知を行う。
【0080】
より具体的には、判断部312は、所定の条件として、製氷室111の引き出し式扉57が半開きになった回数が回数閾値より多い場合に、製氷室111の内部に霜が発生する可能性があると判断する。また、判断部312は、所定の条件として、温度センサ203により検知された温度が温度閾値より高い場合に、製氷室111の内部に霜が発生する可能性があると判断する。
【0081】
このため、本実施形態によれば、製氷室111の内部の氷の塊に起因する霜が発生した状態を事前に把握することができ、これにより氷の塊に起因する霜の発生を未然に防止し、霜の発生を軽減することができる。
【0082】
(変形例)
上記実施形態は一例であり、種々の変形例を構成することができる。
例えば、製氷室の氷の量に基づいて、氷の塊の状態を判断するように判断部312を構成してもよい。具体的には、判断部312を以下のように構成することができる。
【0083】
判断部312は、製氷室扉開閉センサ201aにより製氷室111の扉が閉じたことを検知してからの経過時間に基づいて氷の生成時間を推定する。そして、判断部312は、推定された氷の生成時間と、製氷室扉開閉センサ201aの検知信号に基づく製氷室111の引き出し式扉57の開閉回数と、に基づいて、製氷室111内の氷の量を推定する。そして、判断部312は、推定された氷の量に基づいて、氷の塊の状態、すなわち氷同士がくっついた状態になる可能性を判断する。例えば、判断部312は、氷の量が所定の量より多い場合には、氷が塊の状態となる可能性が高いと判断する。
【0084】
このため、本変形例によれば、製氷室内の氷の量に基づいて、氷の塊の状態を事前により正確に把握することができ、これにより氷の塊に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる。
【0085】
また、例えば、さらに、冷蔵庫内の温度に変化があった場合に、冷蔵庫内の温度変化の通知を行う。この場合、冷蔵室に温度センサを設け、当該温度センサで冷蔵庫内の温度を検知するように通知制御部313を構成してもよい。
【0086】
図10は、変形例にかかる通知の一例を示す説明図である。図10(a)に示すように、冷蔵庫内の温度に変化があった場合に、冷蔵庫内の温度変化の通知が端末12の表示部32に表示される。
【0087】
このため、本変形例によれば、冷蔵庫内の温度変化に基づいて製氷室内の氷の塊の状態を事前により正確に把握することができ、これにより氷の塊に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる。
【0088】
また、さらに、温度センサにより検知された冷蔵庫内の温度が第2の温度閾値を超えた場合に、冷蔵庫内の温度が第2の温度閾値が超えた旨の通知を行うように通知制御部313を構成することもできる。
【0089】
このため、本変形例によれば、冷蔵庫内の温度に基づいて製氷室内の氷の塊の状態を事前により正確に把握することができ、これにより氷の塊に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる。
【0090】
また、冷蔵庫の外部表面に温度センサを設けて、当該温度センサにより検知された冷蔵庫周辺の温度が第3の温度閾値を超えた場合に、冷蔵庫周辺の温度が第3の温度閾値が超えた旨の通知を行うように通知制御部313を構成することもできる。例えば、第3の温度閾値を30℃とした場合に、図10(b)に示すように、冷蔵庫周辺の温度が30℃を超えた場合に、その旨の通知が端末12の表示部32に表示される。
【0091】
このため、本変形例によれば、冷蔵庫周辺の温度に基づいて製氷室内の氷の塊の状態を事前により正確に把握することができ、これにより氷の塊に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる。
【0092】
また、通知のタイミングを、扉の開閉回数や時間帯によって変えるように通知制御部313を構成することもできる。例えば、通知制御部313は、扉の開閉回数が所定回数以上になった場合に通知するようにしたり、時間帯によって通知を行ったり、逆に行わないようにすることができる。
【0093】
このため、本変形例によれば、より的確なタイミングで製氷室内の氷の塊の状態を事前により正確に把握することができ、これにより氷の塊に起因する不具合を未然に防止し、不具合の発生を軽減することができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
10…冷蔵庫状態表示システム、11…冷蔵庫、12…端末、15…ネットワーク、16…サーバ、111…製氷室、112…冷凍室、43,57…引き出し式扉、201a…製氷室扉開閉センサ、201b…冷凍室扉開閉センサ、203…温度センサ、30…主制御装置、311…取得部、312…判断部、313…通知制御部、314…通信部、61…受信部、62…特定部、63…送信部、65…利用者データベース、31…制御部、32…表示部、33…操作部、34…通信部、35…入出力制御部。
図1
図2
図3
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図6
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