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特開2023-177058顕微鏡像取得制御装置、顕微鏡像取得制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177058
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】顕微鏡像取得制御装置、顕微鏡像取得制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/24 20060101AFI20231206BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20231206BHJP
   H01J 37/28 20060101ALI20231206BHJP
   H01J 37/21 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01J37/24
H01J37/22 502H
H01J37/22 502C
H01J37/28 B
H01J37/21 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089751
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 邦博
(72)【発明者】
【氏名】奥村 文洋
(72)【発明者】
【氏名】清水 司
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101BB06
5C101EE46
5C101EE47
5C101EE48
5C101EE55
5C101HH23
5C101HH33
5C101HH36
5C101HH40
5C101JJ04
(57)【要約】
【課題】相対的に低倍率の特定倍率で撮影された画像と、特定倍率の高倍率で撮影された画像との視野範囲を合わせた状態で、それぞれの倍率で適した観察を効率的かつ高精度に行う。
【解決手段】低倍率画像であるSEM像と同等の視野範囲でSEM像を得る場合、SEM像と同等の視野範囲のSEM像(相対的に高倍率画像)を1回で撮影することができないため、低倍率画像であるSEM像の視野範囲を分割して撮影し、その後、結合することになるが、結合の境界部分でずれが生じる場合がある。そこで、「ガイド画像」という概念に着目し、低倍率画像であるSEM像と視野範囲が一致(例えば、明るさ情報が一致)し、ずれのないSEM像を得るための画像取得制御を確立した。ガイド画像を取得し、高倍率画像の取得範囲を設定する。全分割取得エリアXnを撮影し、高倍率画像の結合を実行することを、全ての分割取得エリアXnの撮影が終了するまで、繰り返す。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を一の画像分析に適した特定倍率で撮影した顕微鏡像の中で、他の画像分析に適した当該特定倍率よりも高倍率で撮影する高倍率画像範囲を設定する設定部と、
前記高倍率画像範囲を、複数の撮影範囲に分割する分割部と、
前記複数の撮影範囲の各々の高倍率顕微鏡像を各々撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影された複数の高倍率顕微鏡像を結合する結合部とを有し、
前記結合部が、
前記高倍率画像範囲を撮影可能な倍率で撮影することでガイド画像を生成し、前記ガイド画像上の画像パターンが所定の許容範囲で一致するように、前記撮影部で撮影した前記複数の高倍率顕微鏡像の各々を配置する、
顕微鏡像取得制御装置。
【請求項2】
前記ガイド画像から、前記複数の撮影範囲の撮影において画像がぼける可能性がある要素、及び、前記複数の撮影範囲の結合する指標となる特徴点を、予め抽出しておき、前記複数の撮影範囲において焦点を合わせるために使用する領域を前記要素からずらすこと、及び、前記複数の撮影範囲の中に前記特徴点が所定数存在すること、の少なくとも1つが成立するように、前記撮影範囲を補正する、請求項1記載の顕微鏡像取得制御装置。
【請求項3】
前記ガイド画像として、前記特定倍率で撮影された顕微鏡像を適用する、
請求項1記載の顕微鏡像取得制御装置。
【請求項4】
前記試料を位置決めするステージの目標位置と実位置との差に相当する位置精度の誤差についての関係が対応付けられた複数のデータを基に、機械学習によって、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲と、前記ガイド画像の撮影範囲との誤差を予測し、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲を補正する、請求項1記載の顕微鏡像取得制御装置。
【請求項5】
結合された前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲と、前記ガイド画像の撮影範囲とを比較し、前記ガイド画像の撮影範囲の中で、前記高倍率顕微鏡像が存在しない範囲を特定し、当該特定した範囲に応じて、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲を補足する、請求項1記載の顕微鏡像取得制御装置。
【請求項6】
前記ガイド画像の倍率と、必要とする前記高倍率顕微鏡像の倍率との間に、所定以上の倍率差がある場合に、前記ガイド画像の倍率と、必要とする前記高倍率顕微鏡像の倍率との中間の倍率となる補助ガイド画像を一旦生成し、一旦生成された前記補助ガイド画像に基づいて、中間的な高倍率顕微鏡像を取得した後、必要とする前記高倍率顕微鏡像を取得する、請求項1記載の顕微鏡像取得制御装置。
【請求項7】
コンピュータを、
請求項1~請求項6の何れか1項記載の顕微鏡像取得制御装置として動作させる、
顕微鏡像取得制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料を、相対的に低倍率で計測した顕微鏡像と、相対的に高倍率で継続した顕微鏡像とを利用した分析を行うための顕微鏡像取得制御装置、顕微鏡像取得制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
SEM(Scanning Electron Microscorpe)は、試料の形状を観察するために、相対的に高倍率撮影画像を取得する。
【0003】
ところで、同一の試料において、低倍率で計測した顕微鏡像の視野範囲と同等の視野範囲で、高倍率撮影画像を取得する場合、視野範囲を分割して計測し、結合する必要がある。
【0004】
このとき、結合の境界部分でずれが生じる場合がある。また、結合して生成した高倍率撮影画像と、低倍率撮影画像との視野範囲が一致しない場合がある。これは、SEMの試料を位置決めするステージの精度に依存する場合や、画像の歪み等が要因となる場合がある。
【0005】
特許文献1には、観察対象を所定の倍率で撮像した画像を取得する低倍率画像入力手段と、上記低倍率画像入力手段の倍率より高倍率で上記観察対象を撮像した画像を取得する高倍率画像入力手段と、両画像の相対的な倍率と位置と姿勢を求める高倍率画像位置姿勢処理手段と、上記高倍率画像位置姿勢処理手段の処理結果を用いて、上記低倍率画像入力手段で取得した画像上に、上記高倍率画像入力手段で取得した画像範囲を示す指標を重畳する画像重畳手段と、上記画像重畳手段の出力画像を表示する画像出力手段とを具備することを特徴とする画像表示装置が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、標本全体を第1の倍率である低い倍率で撮像する低倍率撮像手段と、標本全体を一部重複領域を有するように複数の小領域に分割したときの各小領域の位置情報を領域分割情報として記憶する領域分割情報記憶手段と、領域分割情報に従って、第1の倍率よりも高い倍率である第2の倍率で各分割領域と略同一の領域を順次撮像する高倍率撮像手段と、低倍率撮像手段により撮像した低倍率標本画像に基づき、撮像した高倍率画像の位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、検出された位置ずれに基づいて各高倍率画像の位置を補正する位置ずれ補正手段と、各高倍率画像を順次貼り合わせて(結合して)標本全体の高倍率画像を作成する画像貼り合せ手段とを具備することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014-224929号公報
【特許文献2】特開2004-343222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、低倍率画像と高倍率画像を同時に取得し、高倍率画像が低倍率画像のどの部分に相当しているかをリアルタイムで表示するシステムであり、広範囲の高倍率画像の取得を目的としておらず、高倍率画像を結合する処理が無いため、低倍率画像の視野範囲の高倍率画像を取得することができない。
【0009】
また、SEMでは1枚の画像を取得するため画素を走査する必要があるので、低倍率画像と高倍率画像を同時に取得することはできない。
【0010】
一方、特許文献2は、低倍率画像と同じ範囲の高倍率画像を貼り合わせることによって取得しようとするものであり、(1)撮影、結合に失敗する場合がある、(2)最終的な高解像度画像が低倍率画像の視野と一致しない可能性がある、(3)低倍率と高倍率の差が大きい場合に適切に貼り合わせられない場合がある、といった課題が存在する。
【0011】
(1)においては、撮影箇所に関して「一部重複領域を有するように複数の小領域に分割したときの各小領域の位置情報」を撮影箇所としているが、撮影時のフォーカスが合わせにくい場所や、画像パターンにより照合が難しい場所が存在する場合がある。このため、一部でボケが生じた画像が撮影されうまく貼り合わせが行われなかったり、画像中に特徴的な画像パターンがなく貼り合わせができなかったりする場合が生じる。
【0012】
(2)においては、低倍率と高倍率の画像間のずれを用いて撮影箇所を補正する機能について記載されているが、あらかじめ位置や角度のズレを実際に検出し、それに応じて初期の撮影箇所を補正しており、これでは、ずれ量の推定に誤ると、撮影範囲に漏れが生じる場合がある。
【0013】
(3)においては、中間画像の倍率は、低倍率と高倍率の間の任意の倍率であるが、この2つの画像間の倍率が大きいと、低倍率画像が非常にぼけたものになったり、高倍率画像が極端に縮小され情報が欠落したりして、貼り合わせがうまくいかない可能性がある。
【0014】
例えば、試料の概要を100倍(低倍率の一例)で撮影して、試料の一部を10000倍(高倍率の一例)で撮影するような場合、高倍率画像の視野の横幅は低倍率画像の1/100となり、このような場合に画像の拡大縮小のみで精度良い位置合わせを行うことは困難になる。
【0015】
本発明は、相対的に低倍率の特定倍率で撮影された画像と、特定倍率の高倍率で撮影された画像との視野範囲を合わせた状態で、それぞれの倍率で適した観察を効率的かつ高精度に行うことができる顕微鏡像取得制御装置、顕微鏡像取得制御プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の態様に係る顕微鏡像取得制御装置は、試料を一の画像分析に適した特定倍率で撮影した顕微鏡像の中で、他の画像分析に適した当該特定倍率よりも高倍率で撮影する高倍率画像範囲を設定する設定部と、前記高倍率画像範囲を、複数の撮影範囲に分割する分割部と、前記複数の撮影範囲の各々の高倍率顕微鏡像を各々撮影する撮影部と、前記撮影部で撮影された複数の高倍率顕微鏡像を結合する結合部とを有し、前記結合部が、前記高倍率画像範囲を撮影可能な倍率で撮影することでガイド画像を生成し、前記ガイド画像上の画像パターンが所定の許容範囲で一致するように、前記撮影部で撮影した前記複数の高倍率顕微鏡像の各々を配置することを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、設定部では、試料を一の画像分析に適した特定倍率で撮影した顕微鏡像の中で、他の画像分析に適した当該特定倍率よりも高倍率で撮影する高倍率画像範囲を設定する。分割部では、高倍率画像範囲が、撮影仕様上、1回で撮影できない場合に、高倍率画像範囲を複数の撮影範囲に分割し、撮影部で複数の撮影範囲の各々の高倍率顕微鏡像を各々撮影する。
【0018】
結合部では、撮影部で撮影された複数の高倍率顕微鏡像を結合するが、当該結合部において、高倍率画像範囲を、撮影仕様上、少なくとも1回で撮影可能な倍率で撮影することでガイド画像を生成し、ガイド画像上の画像パターンが一致する場所に撮影部で撮影した複数の高倍率顕微鏡像の各々を配置する。なお、「画像パターンが所定の許容範囲で一致する」とは、一例として、視野範囲の画像の明るさ情報の組み合わせが一致すること等を言い、一致を判定する場合、視野範囲の画素単位でもよいし、予め定めた領域毎であってもよい。また、許容範囲は、その後の画像観察に準じて定めればよい。
【0019】
これにより、相対的に低倍率の特定倍率で撮影された画像と、特定倍率の高倍率で撮影された画像との視野範囲を合わせた状態で、それぞれの倍率で適した観察を効率的かつ高精度に行うことができる。
【0020】
第2の態様に係る顕微鏡像取得制御装置は、前記ガイド画像から、前記複数の撮影範囲の撮影において画像がぼける可能性がある要素、及び、前記複数の撮影範囲の結合する指標となる特徴点を、予め抽出しておき、前記複数の撮影範囲において焦点を合わせるために使用する領域を前記要素からずらすこと、及び、前記複数の撮影範囲の中に前記特徴点が所定数存在すること、の少なくとも1つが成立するように、前記撮影範囲を補正することを特徴としている。
【0021】
第3の態様に係る顕微鏡像取得制御装置は、前記第1又は第2の態様の態様において、前記ガイド画像として、前記特定倍率で撮影された顕微鏡像を適用することを特徴としている。
【0022】
第4の態様に係る顕微鏡像取得制御装置は、前記第1~第3の何れか1つの態様において、前記試料を位置決めするステージの位置精度のずれをデータベース化してビッグデータを作成し、機械学習によって、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲と、前記ガイド画像の撮影範囲との誤差を予測し、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲を補正することを特徴としている。
【0023】
第5の態様に係る顕微鏡像取得制御装置は、前記第1~第4の何れか1つの態様において、結合された前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲と、前記ガイド画像の撮影範囲とを比較し、前記ガイド画像の撮影範囲の中で、前記高倍率顕微鏡像が存在しない範囲を特定し、当該特定した部分に応じて、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲を補足することを特徴としている。
【0024】
第6の態様に係る顕微鏡像取得制御装置は、前記第1~第5の何れか1つの態様において、前記ガイド画像の倍率と、必要とする前記高倍率顕微鏡像の倍率との間に、所定以上の倍率差がある場合に、前記ガイド画像の倍率と、必要とする高倍率顕微鏡像の倍率との中間の倍率となる補助ガイド画像を一旦生成し、一旦生成された補助ガイド画像に基づいて、中間的な高倍率顕微鏡像を取得した後、必要とする高倍率顕微鏡像を取得することを特徴としている。
【0025】
本発明の顕微鏡像取得制御プログラムは、コンピュータを、第1~第6の態様の何れか1つの顕微鏡像取得制御装置として動作させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明では、相対的に低倍率の特定倍率で撮影された画像と、特定倍率の高倍率で撮影された画像との視野範囲を合わせた状態で、それぞれの倍率で適した観察を効率的かつ高精度に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】(A)は、第1の実施の形態に係る操作電子顕微鏡(SEM「Scanning Electron Microscope」)10の概略構成図、(B)ステージの拡大斜視図である。
図2】第1の実施の形態に係る制御装置の制御ブロック図である。
図3】第1の実施の形態に係るSEM制御部における、画像取得制御を実行するための機能ブロック図である。
図4】第1の実施の形態に係るSEM制御部において実行される、高倍率取得制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
図5図4のステップ104における撮影箇所の設定処理サブルーチンを示す制御フローチャートである。
図6】SEM画像(低倍率)、ガイド画像、及び高倍率画像の遷移を説明する画像の正面図である。
図7】高倍率画像の撮影から結合までの遷移を説明する画像の正面図である。
図8】異なる倍率の高倍率画像を得るための視野範囲を示す画像の正面図である。
図9】候補点の補正を行って、分割取得エリアを設定する過程を示す画像の正面図である。
図10】(A)はステージの誤差のずれ量を示す特性図、(B)は誤差の大きさに基づいて設定されるガイド画像に対する分割取得エリアの設定状態を示す正面図である。
図11】第2の実施の形態に係るSEM制御部における、画像取得制御を実行するための機能ブロック図である。
図12】第3の実施の形態に係るSEM制御部における、画像取得制御を実行するための機能ブロック図である。
図13】第3の実施の形態に係るSEM制御部において実行される、高倍率取得制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
図14】第3の実施の形態において撮影箇所の補正を行う過程を示す画像の正面図である。
図15】第3の実施の形態の変形例に係るSEM制御部において実行される、高倍率取得制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
図16】第3の実施の形態において追加撮影処理を実行する過程を示す画像の正面図である。
図17】ステージの実際の位置と目標位置とのずれからステージ位置の精度をモデル化して、追加撮影処理を実行する過程を示す画像の正面図である。
図18】第4の実施の形態に係るSEM制御部において実行される、高倍率取得制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
図19図18のステップ118における中間ガイド要否判定処理サブルーチンを示す制御フローチャートである。
図20】(A)は1回でガイド画像に対する高倍率画像を取得する過程を示す画像の正面図、(B)は2回に分けて、ガイド画像に対する高倍率画像を取得する過程を示す画像の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1の実施の形態]
図1(A)は、第1の実施の形態に係る操作電子顕微鏡(SEM「Scanning Electron Microscope」)10の概略構成図である。
【0029】
SEM10は、電子線を試料に当てて表面を観察する装置であり、分散型X線分析装置(EDS「Energy dispersive X-ray spectroscopy」)12を取り付けて元素分析を行うことができるようになっている。
【0030】
SEM10は、鏡体14、試料室16、及び制御装置18を備えている。
【0031】
鏡体14は、電子銃20、コンデンサレンズ22、偏向コイル24、及び対物レンズ26が組み込まれて構成されている。
【0032】
また、試料室16は、ステージ28及び真空ポンプ30を備え、試料室16の壁面には、二次電子検出器32及びEDS12が取り付けられている。
【0033】
制御装置18は、SEM制御部34、電子銃駆動部36、ステージ駆動部38、入力デバイス40、及び出力デバイス42を備えている。
【0034】
電子銃20は、SEM制御部34により制御される電子銃駆動部36によって駆動され、電子源から電子線を発生させて加速する。電子線の加速電圧は、一般的に、例えば、数100V~30kV程度である。なお、電子線の発生指示、各種調整値の入力等は、入力デバイス40によって操作可能である。
【0035】
また、図1(B)に示される如く、ステージ28は、SEM制御部34により制御されるステージ駆動部38によって、x方向(水平横方向)、y方向(水平縦方向)、z方向(上下方向)、θ方向(z軸回転方向)、及びs方向(y軸回転(傾斜)方向)に移動可能となっている。
【0036】
電子銃20から、電子線が発生すると、コンデンサレンズ22及び対物レンズ26が、加速した電子線を、ステージ28に位置決めされた試料44上に電子スポットとして集束させる。また、偏向コイル24は、電子スポットを探針(プローブ)として試料44上を移動させる(電子線走査)。
【0037】
二次電子検出器32は、試料の電子線照射点から発生した信号電子を検出し、SEM制御部34へ送出する。SEM制御部34では、二次電子検出器32から送られた信号電子の量を各点の明るさに変換し、SEM像として、出力デバイス42で出力(一例として、モニタに表示)する。すなわち、信号電子の発生量は、表面の凹凸構造で変化するため、SEM像には試料の表面形態が映し出される(以下、SEM像という場合がある。)
【0038】
なお、電子源から発生した電子が、ガス分子と衝突しないで試料に到達するには、10-2~10-3Paの真空が必要である。そのため、試料室16の内部は、真空ポンプ30により真空状態に保ち、観察する試料も真空状態で壊れないように、水分を除去する等の前処理を行う必要がある。また、電子線照射で帯電しないように、試料表面に導電性を与える前処理も必要となる。
【0039】
一方、EDS12は、試料44に含まれる原子から出てきた特性X線を検出し,そのエネルギーレベルと強度から,試料44に含まれる元素の種類と含有率を検出するものであり、検出値は、SEM制御部34へ送出され、出力デバイス42で出力(一例として、モニタに表示)する。
【0040】
図2は、制御装置18の制御ブロック図である。SEM制御部34は、CPU46A、RAM46B、ROM46C、入出力部(I/O)46D、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス46Eで構成されたマイクロコンピュータ46と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大規模記憶装置48とで構成されている。
【0041】
I/O46Dには、ステージ駆動部38、電子銃駆動部36、二次電子検出器32、EDS12、入力デバイス40、及び出力デバイス42が接続されている。
【0042】
ここで、第1の実施の形態に係る走査電子顕微鏡10において、相対的に低倍率画像であるSEM像と同等の視野範囲のSEM像(相対的に高倍率画像)を単発(1回)で撮影することができないため、低倍率画像であるSEM像の視野範囲を分割して撮影し、その後、結合することになる。なお、第1の実施の形態で言う「結合」は、例えば、特許文献2で言う「貼り合わせ」と同義である。
【0043】
この場合、結合の境界部分でずれが生じる場合がある。また、結合して生成した高倍率撮影画像と、低倍率撮影画像との視野範囲が、所定の許容範囲で一致しない場合がある。これは、SEMの試料を位置決めするステージ28の精度に依存する場合や、画像の歪み等が要因となる場合がある。なお、視野範囲が所定の許容範囲で一致するか否かは、視野範囲の画像の明るさ情報の組み合わせが一致しているか否かで判別可能である。組み合わせは、画素単位でもよいし、予め定めた領域毎であってもよい。なお、許容範囲は、その後の画像観察に準じて定めればよい。
【0044】
そこで、第1の実施の形態では、「ガイド画像」という概念に着目し、低倍率画像であるSEM像と視野範囲が一致し、ずれのないSEM像を得るための画像取得制御を確立した。
【0045】
図3は、SEM制御部34における、画像取得制御を実行するための機能ブロック図である。なお、各ブロックは、機能別に分類したものであり、SEM制御部34のハード構成を限定するものではない。また、各ブロックの機能の一部又は全部の動作を、画像取得制御プログラムとして、CPU46Aで実行されてもよい。
【0046】
二次電子検出器32は、ガイド画像取得部50に接続されている。
【0047】
ガイド画像取得部50では、二次元電子検出器32において低倍率のSEM画像を取得して、高倍率画像取得範囲設定部52へ送出する。
【0048】
高倍率画像取得範囲設定部52は、入力デバイス40に接続されており、入力デバイス40からの操作指示に基づいて、高倍率画像取得範囲を設定する。
【0049】
すなわち、図6に示される如く、SEM画像54(低倍率画像)をガイド画像56として、当該ガイド画像56から高倍率画像が必要な範囲を設定する。
【0050】
図6(A)は、ガイド画像56と同等の視野範囲の高倍率画像を取得する場合であり、図6(B)は、ガイド画像の一部、かつ1箇所をトリミングした視野範囲の高倍率画像を取得する場合であり、図6(C)は、ガイド画像56の一部、かつ複数個所をトリミングした視野範囲の高倍率画像58を取得する場合を示している。
【0051】
なお、図6(A)及び(B)では、高倍率画像の倍率として複数倍率を設定してもよい。また、図6(C)では、それぞれのトリミング箇所の倍率を同倍率でもよいし異倍率でもよいし、トリミング箇所は同サイドでもよいし異サイズでもよい。さらに、トリミング箇所は、重複していてもよい。
【0052】
なお、以下では、一例として、図6(A)に示すガイド画像56と同等の視野範囲の高倍率画像58を取得することとして説明する。
【0053】
図3に示される如く、高倍率画像取得範囲設定部52は、撮影箇所設定部60に接続されており、設定された高倍率画像取得範囲を、複数の区画(図7参照)に分割した分割取得エリアXn(nは分割数、図7では9区画)を設定し、設定した分割取得エリア情報を高倍率撮影指示部62へ送出する。
【0054】
高倍率撮影指示部62では、区画された分割取得エリアXnを撮影するべく、各分割取得エリアXnの候補点(基本は、対角線の交点であり、取得エリアの中心位置となる。)を設定し、電子銃駆動部36及びステージ駆動部38を制御して、電子銃20から電子線を発生させ、試料44の目標の撮影箇所を走査する(図7(A)参照)。
【0055】
また、高倍率撮影指示部62から指示を受けた高倍率画像取得部64では、二次電子検出器32で検出された、各分割取得エリアXnの撮影情報を取得するように指示する。
【0056】
高倍率画像取得部64は、結合部66に接続されており、各分割取得エリア撮影情報を取得する毎に、当該撮影情報を結合部66に送出することを繰り返す(図7(B)参照)。
【0057】
結合部66では、高倍率画像取得部64から受け付けた各分割取得エリア撮影情報を、候補点に基づいて結合し、重複部分を処理して、ガイド画像56の視野範囲と同等の視野範囲である、1枚の高倍率画像が生成される(図7(C)参照)。なお、結合の際、ガイド画像56の各画素の明るさ情報の組み合わせにより、ガイド画像56に一致するように、精度よく結合することが可能である。
【0058】
結合部66で結合された高倍率画像は、出力部68へ送出され、出力デバイス42から送出される。例えば、出力デバイス42がモニタであれば、モニタ上に高倍率画像が表示される。
【0059】
以下に、第1の実施の形態の作用を、図4及び図5のフローチャートに従い説明する。
【0060】
図4は、第1の実施の形態に係るSEM制御部34において実行される、高倍率取得制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【0061】
ステップ100では、ガイド画像を取得し、次いで、ステップ102へ移行して高倍率画像の取得範囲を設定する。第1の実施の形態では、ガイド画像の視野範囲と同等の視野範囲を取得範囲とする(図6(A)参照)。次のステップ104では、撮影箇所の設定を実行する。
【0062】
(撮影箇所の設定が必要な理由)
SEM像の撮影で、オートフォーカスを実施する場合、候補点に合わせてフォーカスを設定する。しかし、候補点とくぼみが重なると、フォーカスをくぼみに合わせてしまうので、くぼみ周辺の分析したい試料の表面構造がぼけて撮影されてしまう可能性がある。そこで、ガイド画像の画像特徴を解析し、オートフォーカスが合わせ難い領域を予め抽出し、その領域が撮影範囲の候補点にならないように撮影箇所を設定する。
【0063】
フォーカスの合わせにくい領域は、画像の輝度が小さい画素を抽出し、ラベリングし、一定の面積以上のものをフォーカスが合わせにくい領域と設定することができる。また、画像を小領域に分割して得られる部分画像に対して、予め機械学習によって取得した識別器を用いて、フォーカスの合わせにくさを判別してもよい。
【0064】
以上を踏まえ、図5において、図4のステップ104における撮影箇所の設定処理サブルーチンを示す制御フローチャートの流れを説明する。
【0065】
図5に示される如く、撮影箇所の設定処理では、まず、ステップ200で複数の候補点を生成し(図7(A)参照)、ステップ202へ移行する。図7(A)では、分割取得エリアXnの候補点は、それぞれの取得エリアの中心位置となる。
【0066】
ステップ202では、撮影に不適当な候補点を取り除く。これは、図9(A)に示される如く、候補点にくぼみ70があると、焦点がずれてしまう場合がある。また、図9(A)に示される如く、候補点が、焦点合わせのための特徴点が少ない(所定数未満)フラット面72になっていると、焦点がずれてしまう場合がある。このくぼみ70及びフラット面72が、画像がぼける可能性がある要素に相当し、不適当な候補点ということができる。
【0067】
そこで、図9(B)に示される如く、例えば、均等分割したときの候補点(図9(B)の黒丸点)とくぼみ70又はフラット面72が重なった場合に、図9(B)の白丸点のように、候補点をずらすことで、焦点が合わせやすい撮影箇所を設定する。この場合、撮影枚数が増加してもよい。また、ガイド画像56の周縁から突出した撮影領域が存在するが、撮影に支障はない。なお、焦点合わせのための特徴点が所定数以上存在していれば、候補点をずらさなくても、焦点合わせが可能となる場合がある。
【0068】
次のステップ204では、ステップ202での処理後、候補点リスト、すなわち分割取得エリアXnを生成し、ステップ206へ移行する。
【0069】
ステップ206では、候補点リストで撮影される領域が、ガイド画像をカバーしているか否かを判断する。このステップ206で否定判定された場合は、ステップ204へ戻り候補点リストを再度生成し、ステップ206へ移行する。
【0070】
また、ステップ206で肯定判定された場合は、ステップ208へ移行して、重複率を算出し、次いで、ステップ210へ移行して、算出した重複率が最小重複率よりも小さいか否かを判断する。このステップ210で否定判定された場合は、ステップ204へ戻り候補点リストを再度生成し、ステップ206へ移行する。
【0071】
また、ステップ210で肯定判定された場合は、ステップ212へ移行して、最小重複率を更新し、次いで、ステップ214へ移行して、最終的に生成された候補点リストを分割取得エリアXnの撮影箇所リストとして、図4のステップ106へリターンする。
【0072】
図4に示される如く、ステップ106では、全分割取得エリアXnを撮影したか否かを判断する。未撮影を含め、否定判定された場合は、ステップ108へ移行して、高倍率画像の撮影を指示し、次いで、ステップ110へ移行して、高倍率画像の結合を実行し(2回目以降)、ステップ106へ戻り、全ての分割取得エリアXnの撮影が終了するまで、ステップ106、108、110を繰り返す(図7(B)及び(C)参照)。
【0073】
ここで、ステップ106で肯定判定されると、全分割取得エリアXnの撮影及び結合が終了したと判断し、このルーチンは終了する。
【0074】
(結合時に起因する撮影箇所の設定)
高倍率画像の結合では、特徴点の情報を用いて、各高倍率画像の結合を行っているが、表面テクスチャが均一で特徴点が少ない箇所が存在すると、結合処理が困難となる。
【0075】
そこで、ガイド画像56において、予め特徴点を抽出しておき、特徴点が少ない一定サイズ以上の領域を抽出する。そして、その領域のみに撮影範囲が設定されないように、撮影箇所を設定すればよい。
【0076】
分割して撮影し、結合された高倍率画像は、ガイド画像56に基づいて設定した視野範囲と同等の視野範囲で生成されると共に、ステージ28の精度誤差や、結合による画像のずれがない画像となるため、その後の分析等に悪影響(分析精度劣化等)を及ぼすことがない。
【0077】
結合された高倍率画像は、モニタ等に表示されることになるが、例えば、低倍率画像を並行表示することで、同一視野範囲で対比しながらの分析等が可能となり、作業効率が向上する。
【0078】
なお、第1の実施の形態では、ガイド画像56の視野範囲と同等の視野範囲の高倍率画像を生成した(図6(A)参照)。しかし、高倍率画像は、ガイド画像56の視野範囲と同等の視野範囲である必要はなく、以下のような態様が考えられる。
【0079】
(1) 図6(B)に示される如く、ガイド画像56の視野範囲の一部をトリミングした領域の高倍率画像を生成する。
【0080】
(2) 図6(C)に示される如く、ガイド画像56の視野範囲の一部の複数個所をトリミングした領域の高倍率画像を生成する。
【0081】
図6(A)~(C)において、共通のバリエーションとして、2種類の高倍率画像58を取得してもよい。この場合、異なる視野範囲(図8(A)参照)でもよいし、共通の視野範囲(図8(B)参照)でもよい。
【0082】
すなわち、図8(A)に示される如く、一方の高倍率画像58Aは、ガイド画像56が1k倍であるのに対して、3k倍の高倍率画像であり、粒子の凹凸情報を観察するのに適した倍率である。また、他方の高倍率画像58Bは、ガイド画像56が1k倍であるのに対して、10k倍の高倍率画像であり、粒子に付着したさらに細かな微粒子を観察するのに適した倍率である。
【0083】
さらに、別の態様として、図8(B)に示される如く、ガイド画像56の同一の視野範囲の高倍率画像を取得したいものの、異なる元素の試料のEDS像に応じて高倍率画像の倍率を変更することも考えられる。例えば、比較的全体形状が観察できる倍率(例えば、3k倍)と、より微細な形状まで観察できる倍率(例えば、10k倍)に設定し、同一の視野範囲で異なる倍率を取得する場合も考えられる。
【0084】
(撮影箇所の設定の変形例)
図10に示される如く、過去のステージ位置のずれのデータを用いて、どの程度のずれを考慮して撮影箇所を設定すればよいかを設定してもよい。
【0085】
図10(A)に示される如く、事前に、y方向のずれよりも、x方向へ大きくずれるステージ28(図1参照)位置のずれが観測されているとき、これまでの最大のずれ量を考慮して、予め高倍率画像の取得範囲周辺に対して、y方向に対してx方向へ、より多くマージンと付けて撮影箇所を設定する(図10(B)参照)。これにより、ガイド画像に対して、漏れのない撮影行うことができる。
【0086】
ステージ28の位置ずれは、分割して撮影した高倍率画像を結合するときに、ガイド画像56上の合成された位置と撮影予定位置との差から求めることができる。
【0087】
[第2の実施の形態]
【0088】
以下に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分に関しては、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
【0089】
第2の実施の形態の特徴は、過去のステージ28の目標位置と実位置との差に相当する位置精度の誤差をデータベース化してビッグデータを作成し、機械学習によって、高倍率画像の撮影範囲とガイド画像の対応範囲との誤差を予測するものであり、最適なずらし量が決まり、撮影回数は基本手順よりも減少させることができる。
【0090】
図11は、第2の実施の形態に係るSEM制御部34における、画像取得制御を実行するための機能ブロック図であり、補正量を学習する機能と、学習したモデルに基づいて撮影箇所を補正する機能を備えている。
【0091】
高倍率画像取得部64及び結合部66は、それぞれ画像情報収集部74に接続されている。画像情報収集部74は、撮影した分割取得エリアXnの各画像及び結合した結合後の高倍率画像を収集し、例えば、大規模記憶装置48等にビッグデータとして格納する。
【0092】
補正量予測モデル学習部76では、画像情報収集部74で収集したビッグデータに基づいて、機械学習によって、高倍率画像の撮影範囲とガイド画像の対応範囲との誤差を予測する。予測結果は、学習結果格納部78(大規模記憶装置48の一部の領域が適用可能)に格納される。ここまでの機能の実行が、補正量を学習するフェーズとなる。
【0093】
すなわち、画像情報収集部74は、以下の情報を取得、記憶して、ビッグデータを生成する。
【0094】
(1) ステージ駆動部38から得られるステージ28の移動量
(2) 結合部66が算出した、画像結合時の補正量(撮影予定位置とガイド画像上に結合された位置との差)
(3) 結合部66が画像結合に利用した、高倍率画像周辺の部分のガイド画像
【0095】
補正量予測モデル学習部76は、収集されたデータに基づいて、補正量予測モデルを学習する。
【0096】
補正量予測モデルは、ステージ移動量と高倍率画像周辺の部分ガイド画像を入力として、結合部66の補正量を出力する。例えば、画像分類等の分野で用いられるResNet等をベースにマルチモーダルなディープニューラルネットワークを構成して、データセット内の補正量とモデルが出力した補正量の誤差が小さくなるように学習する。
【0097】
学習結果格納部78は、撮影箇所補正部80に接続されており、撮影箇所設定部60で撮影箇所が設定されるときに、撮影箇所補正部80では、予測結果から最適なずらし量を決め、撮影箇所設定部60で設定した撮影箇所を補正する。この機能の実行が、学習したモデルに基づいて撮影箇所を補正するフェーズとなる。
【0098】
なお、過去のステージ28の目標位置と実位置との差に相当する位置精度の誤差についての関係が対応付けられた複数のデータをビッグデータは、SEM制御部34で作成してもよいし、別途作成したものを利用してもよい。また、機械学習済のモデルをSEM制御部34に格納してもよいし、SEM制御部34に、機械学習から実行可能なプログラムを搭載してもよい。
【0099】
すなわち、撮影箇所補正部80では、以下の処理が実行される。
【0100】
(1) 撮影箇所のそれぞれに対して、補正量予測モデルに基づいて算出された補正量を算出する。
【0101】
(2) 補正量の絶対値がしきい値よりも大きい場合は、該当する撮影箇所を除外する。すなわち、補正量が大きい部分は、高倍率画像の撮影に不適切(フォーカスが合いずらい、特徴点が少ない等)であるからである。
【0102】
(3) 撮影箇所のそれぞれに補正量を適用して、補正後撮影箇所リストを作成する。
【0103】
(4) 補正後撮影箇所リストが、ガイド画像をカバーしているか判定する(図4参照)。カバーしていない場合は、撮影箇所設定部60に処理を戻す。
【0104】
以上、補正量を学習するフェーズと、学習したモデルに基づいて撮影箇所を補正するフェーズを実行することで、最適なずらし量を設定することができる。
【0105】
[第3の実施の形態]
以下に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分に関しては、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
【0106】
第3の実施の形態の特徴は、結合された高倍率画像58と、ガイド画像56とを比較し、ガイド画像56の中で高倍率画像58が存在しない範囲を特定し、その特定した部分に応じて撮影箇所を補足するものである。なお、補足とは、新たに撮影箇所を追加することを意味する。
【0107】
図12は、第3の実施の形態に係るSEM制御部34における、画像取得制御を実行するための機能ブロック図である。
【0108】
第3の実施の形態における結合部66と出力部68との間には、撮影箇所補正部82が設けられている。この撮影箇所補正部82では、結像された高倍率画像58と、ガイド画像56とを比較し、ガイド画像56の中で高倍率画像58が存在しない範囲の存在を判定する。
【0109】
また、撮影箇所補正部82では、判定の結果、ガイド画像56の中で高倍率画像58が存在しない場合にその範囲を特定し、特定した情報を、高倍率撮影指示部62へ送出する。
【0110】
高倍率撮影指示部62では、特定した情報に基づいて、撮影が実行される。
【0111】
図13は、第3の実施の形態に係るSEM制御部34において実行される、高倍率取得制御のメインルーチンを示すフローチャートである。なお、図4に示すフローチャート(第1の実施の形態の作用)と同一処理については、同一のステップ番号を付している。
【0112】
ステップ100では、ガイド画像を取得し、次いで、ステップ102へ移行して高倍率画像の取得範囲を設定する。第3の実施の形態では、ガイド画像の視野範囲と同等の視野範囲を取得範囲とする(図6(A)参照)。次のステップ104では、撮影箇所の設定を実行する。撮影箇所の設定については、図5の処理と同一であるので、ここでの詳細な説明省略する。
【0113】
次のステップ106では、全分割取得エリアXnを撮影したか否かを判断する。未撮影を含め、否定判定された場合は、ステップ108へ移行して、高倍率画像の撮影を指示し、次いで、ステップ110へ移行して、高倍率画像の結合を実行し(2回目以降)、ステップ106へ戻り、全ての分割取得エリアXnの撮影が終了するまで、ステップ106、108、110を繰り返す(図7(B)及び(C)参照)。
【0114】
ここで、ステップ106で肯定判定されると、全分割取得エリアXnの撮影及び結合が終了したと判断するが、ガイド画像56の中で高倍率画像58が存在しない範囲の存在する場合がある。そこで、ステップ106で肯定判定されると、ステップ112へ移行して、結像された高倍率画像58と、ガイド画像56とを比較し、次いで、ステップ114へ移行して、ステップ112での比較の結果、ガイド画像56の中で高倍率画像58が存在し撮影箇所の補正が必要と判定された場合は(肯定判定)、ステップ116へ移行して、その範囲を特定し、特定した情報を、高倍率撮影指示部62へ送出することで、特定した情報に基づいて、追加撮影箇所の設定がなされ、ステップ106へ移行する。また、ステップ114で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0115】
撮影箇所の補正について、図14に従い、詳細に説明する。
【0116】
ステージ28及びステージ駆動部38の影響で、指定した位置にステージ28がずれることなく移動及び位置決めすることは難しく、目標とする位置に対して、例えば、数100nm~1μm程度のずれが生じる場合がある。これは、10k倍の高倍率画像では、数10から数100画素程度のずれとなる。
【0117】
図14(A)に示される如く、最終的に結合された高倍率画像58は、ガイド画像56の中に指定された撮影範囲に対してずれて生成され、撮影範囲の中に未撮影箇所が発生することになる。
【0118】
このため、撮影箇所補正部82では、図14(B)に示される如く、この未撮影箇所(ぬけ)の部分を埋めるように、新たな撮影箇所(分割取得エリア)を設定し、高倍率画像を撮影し、結合する。これにより、ガイド画像56に対して、「ぬけ」の無い高倍率画像を得ることができる。
【0119】
なお、上記の第3の実施の形態では、撮影箇所の補正を、最初に設定した撮影箇所の全てを撮影し終えてから実行するようにしたが、1回毎又は予め定めた複数回毎の分割取得エリアの高倍率画像の撮影が終了する毎に補正するようにしてもよい。また、計画していた撮影範囲(ガイド画像56の一部)とその時点で生成されている結合された高倍率画像58との差が、一定以上になったときに、撮影箇所を補正するようにしてもよい。
【0120】
図15は、第3の実施の形態の変形例に係るSEM制御部34において実行される、高倍率取得制御のメインルーチンを示すフローチャートである。処理の流れは、図13のフローチャート(第3の実施の形態)と同様であり、図13に示したステップ108の処理とステップ110の処理の後に、ステップ112、114、116の処理を挿入したものである。これにより、追加撮影の処理を、1回毎又は予め定めた複数回毎の分割取得エリアの高倍率画像の撮影が終了する毎に補正することができる。
【0121】
追加撮影処理について、図16に従い、詳細に説明する。
【0122】
図16(A)は、撮影が終了した撮影箇所(ガイド画像56)と、その時点で生成されている高倍率画像58を示している。このとき、計画に対して、三角形で囲んだ領域A1が未撮影となっている。
【0123】
図16(B)は、この未撮影の領域A1を補うように、撮影箇所を補正した状態を示したものである。図16(B)では、計画とのずれの内、これから撮影する領域との重複のない右上の箇所に、新たに分割取得エリアを追加している。
【0124】
なお、図16では、最初に作成された分割取得エリアは変更せずに、新たに追加するように補正したG、計画とのずれの大きさ形状に合わせて、最初に作成した分割取得エリアも含めて、新たに全体の分割取得エリアを設定(補正)するようにしてもよい。
【0125】
新たに全体の分割取得エリアを設定(補正)する例を、図17に従い説明する。
【0126】
前述した図16(A)に示すような、特定の方向へオフセットして撮影終了位置にずれが生じている場合には、図16(B)に示すように、撮影箇所を補正しても、途中で再度撮影箇所の補正を行う必要がある。
【0127】
これを回避するために、図17(A)に示される如く、ステージ28の実際の位置と、目標位置とのずれから、ステージ位置の精度をモデル化する。図17(A)では、点線Bの方向へ撮影が進む予定であるものが、実線B2の方向へ撮影が進むというモデルを推定している。そこで、分割取得エリアを、このモデルに合わせるように補正する。
【0128】
すなわち、図17(B)に示すようにステージ位置は上方向にずれるので、指定する分割取得エリアは、下方向へずらして設定することで、再補正を不要とすることができる。
【0129】
[第4の実施の形態]
【0130】
以下に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分に関しては、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
【0131】
第4の実施の形態の特徴は、ガイド画像56と取得したい高倍率画像58との間に、所定以上の倍率差があると、結合処理の際の特徴点の対応をとれず、結合を行うことができない場合があることを課題として、所定以上の倍率差があるときは、ガイド画像56の倍率と、取得したい高倍率画像58の倍率との中間の倍率となる補助ガイド画像56A(図20参照)を、一旦生成し、生成された補助ガイド画像56Aに基づいて、取得したい倍率の高倍率画像58を取得するものである。
【0132】
図18は、第4の実施の形態に係るSEM制御部34において実行される、高倍率取得制御のメインルーチンを示すフローチャートである。なお、図4に示すフローチャート(第1の実施の形態の作用)と同一処理については、同一のステップ番号を付している。
【0133】
ステップ100では、ガイド画像を取得し、次いで、ステップ102へ移行して高倍率画像の取得範囲を設定する。第4の実施の形態では、ガイド画像の視野範囲と同等の視野範囲を取得範囲とする(図6(A)参照)。
【0134】
次のステップ120では、中間ガイドの要否の判定処理を実行する。このステップ120は、補助ガイド画像56Aが必要か否かを判定する処理であり、その詳細は、図19(Aのフローチャート(中間ガイド要否判定処理ルーチン)に従い、後述する。
【0135】
ステップ122では、ステップ120において実行された中間ガイドの要否判定で、中間ガイドが必要と判定(肯定判定)された場合は、ステップ122へ移行して、設定された倍率(補助ガイド画像56Aを生成するための倍率)に変更し、ステップ104へ移行する。また、ステップ120で否定判定された場合は、ステップ104へ移行する。
【0136】
ステップ104では、撮影箇所の設定を実行する。撮影箇所の設定については、図5の処理と同一であるので、ここでの詳細な説明省略する。
【0137】
次のステップ106では、全分割取得エリアXnを撮影したか否かを判断する。未撮影を含め、否定判定された場合は、ステップ108へ移行して、高倍率画像の撮影を指示し、次いで、ステップ110へ移行して、高倍率画像の結合を実行し(2回目以降)、ステップ106へ戻り、全ての分割取得エリアXnの撮影が終了するまで、ステップ106、108、110を繰り返す(図7(B)及び(C)参照)。
【0138】
ここで、ステップ106で肯定判定されると、全分割取得エリアXnの撮影及び結合が終了したと判断するが、ガイド画像56の中で高倍率画像58が存在しない範囲の存在する場合がある。そこで、ステップ106で肯定判定されると、ステップ112へ移行して、結像された高倍率画像58と、ガイド画像56とを比較し、次いで、ステップ114へ移行して、ステップ112での比較の結果、ガイド画像56の中で高倍率画像58が存在し撮影箇所の補正が必要と判定された場合は(肯定判定)、ステップ116へ移行して、その範囲を特定し、特定した情報を、高倍率撮影指示部62へ送出することで、特定した情報に基づいて、追加撮影箇所の設定がなされ、ステップ106へ移行する。また、ステップ114で否定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0139】
図19(A)は、図18のステップ118における、中間ガイド要否判定処理ルーチンを示す制御フローチャートである。
【0140】
ステップ250では、基となるガイド画像56の特徴点を抽出し、次いで、ステップ252へ移行して、全ての特徴点で処理が終了したか否かを判断する。このステップ252で否定判定(初回は必ず否定判定)された場合は、ステップ254へ移行して既定数の特徴点存在範囲の半径rを計測し、ステップ252へ戻る。このステップ250、252、254の処理は、図19(B)に示すとおりである。
【0141】
ステップ252でステップの特徴点での処理が終了したと判定されると(肯定判定)、ステップ256へ移行して、計測した半径Rの平均値raを算出し、ステップ258へ移行する。
【0142】
ステップ258では、取得したい倍率Sの撮影視野範囲(ws×hs[μm])を取得し、ステップ260へ移行する。
【0143】
ステップ260では、平均半径の2倍(2ra)と最小のws及びhs(min(ws,hs))とを比較する。
【0144】
ステップ260において、2ra>min(ws,hs)と判定された場合は、ステップ262へ移行して、倍率変更必要の判定を行い、次いで、ステップ264へ移行して視野範囲が2raよりも大きい撮影倍率に設定して、図18のステップ120へリターンする。
【0145】
また、ステップ260において、2ra≦min(ws,hs)と判定された場合は、図18のステップ120へリターンする。
【0146】
ステップ250、252、254における特徴点存在範囲を特定について、図19(B)に従い、詳細に説明する。
【0147】
ガイド画像56から特徴点を抽出する。次に、抽出された全ての特徴点に対して、注目している特徴点周辺に、予め指定した数Nの特徴点が存在する範囲(半径r)を計測する。
【0148】
全ての特徴点について、r「μm」を計測したら、その平均値(ra)を求める。特徴点が密に存在する場合には、平均値raは小さくなり、特徴点が疎な場合には平均値raは大きくなる。
【0149】
次に取得したい倍率Sで撮影したときの、1枚の高倍率画像58の視野範囲ws×hs(wsは、横(x方向)の視野範囲、hsは縦(y方向)の視野範囲)の情報を取得し、2raがmin(ws,hs)より大きい場合は、視野範囲内に照合に利用可能な特徴点が比較的少ない可能性が高いので、この場合は、中間ガイド画像(補助ガイド画像56A)を利用することになる。ここで、補助ガイド画像56Aの倍率Mは、2ra<min(hs,ws)となる最大の倍率を設定すればよい。
【0150】
図20(A)は、第1の実施の形態から第3の実施の形態で説明したように、ガイド画像56から直接(1回で)高倍率画像58を生成する流れである。これに対して、図20(B)に示される如く、第4の実施の形態では、ガイド画像56(倍率1k倍)から一旦高倍率画像58(倍率5k倍)を生成すると共に、この生成された高倍率画像58(倍率5k倍)を、補助ガイド画像56Aとして、再度、高倍率画像58(倍率10k倍)を生成する。
【0151】
表1は、参考として、背景技術の項における特許文献2を本実施の形態に対する比較例とし、比較例の相違点、実施技術、及び課題を3項目に分類し、本実施の形態の構成との違いを表形式でまとめたものである。
【0152】
【表1】
【0153】
(付記1)
付記1の発明は、試料を一の画像分析に適した特定倍率で撮影した顕微鏡像の中で、他の画像分析に適した当該特定倍率よりも高倍率で撮影する高倍率画像範囲を設定する設定部と、前記高倍率画像範囲を、複数の撮影範囲に分割する分割部と、前記複数の撮影範囲の各々の高倍率顕微鏡像を各々撮影する撮影部と、前記撮影部で撮影された複数の高倍率顕微鏡像を結合する結合部とを有し、前記結合部が、前記高倍率画像範囲を撮影可能な倍率で撮影することでガイド画像を生成し、前記ガイド画像上の画像パターンが所定の許容範囲で一致するように、前記撮影部で撮影した前記複数の高倍率顕微鏡像の各々を配置する、顕微鏡像取得制御装置である。
【0154】
(付記2)
付記2の発明は、付記1に記載の発明において、前記ガイド画像から、前記複数の撮影範囲の撮影において画像がぼける可能性がある要素、及び、前記複数の撮影範囲の結合する指標となる特徴点を、予め抽出しておき、前記複数の撮影範囲において焦点を合わせるために使用する領域を前記要素からずらすこと、及び、前記複数の撮影範囲の中に前記特徴点が所定数存在すること、の少なくとも1つが成立するように、前記撮影範囲を補正する。
【0155】
(付記3)
付記3の発明は、付記1又は付記2に記載の発明において、前記ガイド画像として、前記特定倍率で撮影された顕微鏡像を適用する。
【0156】
(付記4)
付記4の発明は、付記1から付記3の何れか1つに記載の発明において、前記試料を位置決めするステージの目標位置と実位置との差に相当する位置精度の誤差についての関係が対応付けられた複数のデータを基に、機械学習によって、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲と、前記ガイド画像の撮影範囲との誤差を予測し、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲を補正する。
【0157】
(付記5)
付記5の発明は、付記1から付記4の何れか1つに記載の発明において、結合された前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲と、前記ガイド画像の撮影範囲とを比較し、前記ガイド画像の撮影範囲の中で、前記高倍率顕微鏡像が存在しない範囲を特定し、当該特定した範囲に応じて、前記高倍率顕微鏡像の撮影範囲を補足する。
【0158】
(付記6)
付記6の発明は、付記1から付記5の何れか1つに記載の発明において、前記ガイド画像の倍率と、必要とする前記高倍率顕微鏡像の倍率との間に、所定以上の倍率差がある場合に、前記ガイド画像の倍率と、必要とする前記高倍率顕微鏡像の倍率との中間の倍率となる補助ガイド画像を一旦生成し、一旦生成された前記補助ガイド画像に基づいて、中間的な高倍率顕微鏡像を取得した後、必要とする前記高倍率顕微鏡像を取得する。
【0159】
(付記7)
付記7の発明は、コンピュータを、付記1から付記6の何れか1つに記載の顕微鏡像取得制御装置として動作させる、顕微鏡像取得制御プログラムである。
【符号の説明】
【0160】
10 操作電子顕微鏡(SEM)
12 分散型X線分析装置(EDS)
14 鏡体
16 試料室
18 制御装置
20 電子銃
22 コンデンサレンズ
24 偏向コイル
26 対物レンズ
28 ステージ
30 真空ポンプ
32 二次電子検出器
34 SEM制御部
36 電子銃駆動部
38 ステージ駆動部
40 入力デバイス
42 出力デバイス
44 試料
46A CPU
46B RAM
46C ROM
46D 入出力部(I/O)
46E バス
46 マイクロコンピュータ
48 大規模記憶装置
50 ガイド画像取得部
52 高倍率画像取得範囲設定部(設定部)
54 SEM画像(低倍率)
56 ガイド画像
58 高倍率画像
60 撮影箇所設定部(分割部)
62 高倍率撮影指示部(撮影部)
64 高倍率画像取得部
66 結合部(結合部)
68 出力部
図1
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