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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177063
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】撮像装置、表示システム及び車両
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/55 20210101AFI20231206BHJP
   H04N 23/52 20230101ALI20231206BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20231206BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20231206BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20231206BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231206BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20231206BHJP
【FI】
G03B17/55
H04N5/225 430
H04N5/225 700
H04N5/232 930
G03B15/00 V
G03B17/02
G03B17/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089758
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】下野 貴弘
【テーマコード(参考)】
2H100
2H102
2H104
5C122
【Fターム(参考)】
2H100BB06
2H100BB11
2H100CC04
2H102AA41
2H104CC00
5C122DA14
5C122EA03
5C122FB08
5C122FK23
5C122GE05
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】発熱体の熱を伝達しながら、レンズユニットへの熱伝達を低減させる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像体100は、発熱体20と、レンズユニット10と、熱伝達体30と、第1伝熱板40と、を有する。熱伝達体30は、発熱体20及びレンズユニット10の間に介在する。発熱体20から熱伝達体30に熱が伝達される。第1伝熱板40は、レンズユニット10及び熱伝達体30の間に介在する。第1伝熱板40は、一方の主面40a側で熱伝達体30と接触し、他方の主面40b側でレンズユニット10と接触する。第1伝熱板40と熱伝達体30との間の第1接触面積が、第1伝熱板40とレンズユニット10との間の第2接触面積よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体と、
レンズユニットと、
前記発熱体及び前記レンズユニットの間に介在し、前記発熱体から熱が伝達される熱伝達体と、
前記レンズユニット及び前記熱伝達体の間に介在し、一方の主面側で前記熱伝達体と接触し、他方の主面側で前記レンズユニットと接触する第1伝熱板と、
を備え、
前記第1伝熱板と前記熱伝達体との間の第1接触面積が、前記第1伝熱板と前記レンズユニットとの間の第2接触面積よりも大きい、撮像装置。
【請求項2】
前記第1伝熱板は、前記第1伝熱板の主面の法線方向から見て、前記レンズユニットよりも外側まで延びる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1伝熱板は、前記一方の主面側に第1凸部を含み、
前記第1凸部は、半球状、円錐状、半円筒状、多角柱状又は多角錐状である
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1伝熱板は前記レンズユニットと接触する第2凸部を含み、又は前記レンズユニットは前記第1伝熱板と接触する第3凸部を含む
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1伝熱板は、前記一方の主面側に第4凸部を含み、前記第4凸部は貫通孔を含み、前記熱伝達体は前記第4凸部の内周面及び外周面に接触する
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記熱伝達体は前記レンズユニットの光軸を含む第1開口部を含み、
前記第1伝熱板は前記レンズユニットの光軸を含む第2開口部を含む、
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記熱伝達体は弾性を有する固形であり、
前記第1伝熱板は、前記第2開口部の近傍において、前記発熱体に向かって傾斜する
請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記熱伝達体は弾性を有する固形であり、
前記第1伝熱板は、前記一方の主面側に第5凸部を含み、
前記第1伝熱板の面内方向から見て、前記第5凸部は前記第1伝熱板の法線に対して非対称である
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1伝熱板は前記レンズユニットの光軸を含む第3開口部を含み、
前記第1伝熱板は、前記一方の主面側に第6凸部を含み、
前記一方の主面において、前記第6凸部の密度は、前記第3開口部から離れるに応じて大きい
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記発熱体を、前記レンズユニットの光軸と交わる方向から囲う第2伝熱板を有し、
前記第2伝熱板は、前記第1伝熱板と直接又は間接的に接触し、
前記発熱体は電子部品である、
請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の撮像装置と、
前記撮像装置が撮像した画像を表示する表示装置と、を有する、表示システム。
【請求項12】
請求項1又は2に記載の撮像装置を有する、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置、表示システム及び車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発熱体及びレンズユニットを含む撮像装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-64591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像装置を保護するため、発熱体の熱を撮像装置の外部に効率的に伝達することが求められている。
【0005】
本開示の目的は、発熱体の熱を撮像装置の外部に効率的に伝達する撮像装置、表示システム及び車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、(1)撮像装置は、発熱体と、レンズユニットと、前記発熱体及び前記レンズユニットの間に介在し、前記発熱体から熱が伝達される熱伝達体と、前記レンズユニット及び前記熱伝達体の間に介在し、一方の主面側で前記熱伝達体と接触し、他方の主面側で前記レンズユニットと接触する第1伝熱板と、を備え、前記第1伝熱板と前記熱伝達体との間の第1接触面積が、前記第1伝熱板と前記レンズユニットとの間の第2接触面積よりも大きい。
【0007】
(2)上記(1)の撮像装置は、前記第1伝熱板の主面の法線方向から見て、前記レンズユニットよりも外側まで延びることができる。
【0008】
(3)上記(1)または(2)の撮像装置において、前記第1伝熱板は前記レンズユニットと接触する凹部若しくは3つ以上の第2凸部を含み、又は前記レンズユニットは前記第1伝熱板と接触する第3凸部を3つ以上含むことができる。
【0009】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかの撮像装置において、前記第1伝熱板は前記レンズユニットと接触する凹部若しくは3つ以上の第2凸部を含み、又は前記レンズユニットは前記第1伝熱板と接触する第3凸部を3つ以上含むことができる。
【0010】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかの撮像装置において、前記第1伝熱板は、前記一方の主面側に第4凸部を含み、前記第4凸部は貫通孔を含み、前記熱伝達体は前記第4凸部の内周面及び外周面に接触することができる。
【0011】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかの撮像装置において、前記熱伝達体は前記レンズユニットの光軸を含む第1開口部を含み、前記第1伝熱板は前記レンズユニットの光軸を含む第2開口部を含むことができる。
【0012】
(7)上記(6)の撮像装置において、前記熱伝達体は弾性を有する固形であり、
前記第1伝熱板は、前記第2開口部の近傍において、前記発熱体に向かって傾斜することができる。
【0013】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれかの撮像装置において、前記熱伝達体は弾性を有する固形であり、前記第1伝熱板は、前記一方の主面側に第5凸部を含み、前記第1伝熱板の面内方向から見て、前記第5凸部は前記第1伝熱板の法線に対して非対称であり得る。
【0014】
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかの撮像装置において、前記第1伝熱板は前記レンズユニットの光軸を含む第3開口部を含み、前記第1伝熱板は、前記一方の主面側に第6凸部を含み、前記一方の主面において、前記第6凸部の密度は、前記第3開口部から離れるに応じて大きいことがあり得る。
【0015】
(10)上記(1)乃至(9)のいずれかの撮像装置は、前記発熱体を、前記レンズユニットの光軸と交わる方向から囲う第2伝熱板を有し、前記第2伝熱板は、前記第1伝熱板と直接又は間接的に接触し、前記発熱体は電子部品である。
【0016】
一実施形態において、(11)表示システムは、(1)乃至(10)のいずれかの撮像装置と、前記撮像装置が撮像した画像を表示する表示装置と、を有する。
【0017】
一実施形態において、(12)車両は、(1)乃至(10)のいずれかの撮像装置を有する。
【発明の効果】
【0018】
上記のように構成された本開示に係る撮像装置、表示システム及び車両は、発熱体の熱を撮像装置の外部に効率的に伝達し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る撮像装置の断面図である。
図2】第1実施形態に係る表示システム及び車両の平面図である。
図3図1の領域Rの拡大図である。
図4図1において、熱伝達体から一例の第1伝熱板を見た図である。
図5図1において、熱伝達体から他の例の第1伝熱板を見た図である。
図6図1において、熱伝達体から更に他の例の第1伝熱板を見た図である。
図7】第1実施形態に係る撮像装置の第4凸部の例を示す部分拡大図である。
図8】第1実施形態に係る撮像装置の第1伝熱板の例を示す斜視図である。
図9】第1実施形態に係る撮像装置の凹部及び第2凸部の例を示す部分拡大図である。
図10】第1実施形態に係る撮像装置の第3凸部の例を示す部分拡大図である。
図11】他の実施形態に係る撮像装置の部分拡大図である。
図12】更に他の実施形態に係る撮像装置の部分拡大図である。
図13】更に他の実施形態に係る撮像装置の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示を適用した撮像装置の実施形態が、図面を参照して説明される。
【0021】
図1は、第1実施形態に係る撮像装置の断面図である。撮像装置100は、例えば車載カメラである。撮像装置100は、表示装置200とともに車両300(図2参照)に搭載されてよい。撮像装置100は、例えば後方の視界の周辺画像を撮像するために、車両300のサイドミラー等に固定されてよい。表示装置200は、運転席から視認可能に設けられてよい。撮像装置100及び表示装置200は、表示システムを構成してよい。
【0022】
撮像装置100は、レンズユニット10と、発熱体20と、熱伝達体30と、伝熱板(第1伝熱板)40と、を含んで構成される。撮像装置100は、更に、第2伝熱板60を含んで構成されてよい。
【0023】
以下では、図1のレンズユニット10の光軸OAに平行で、撮像装置100から被写体に向かう方向(光軸OAの矢印が指し示す方向)を、「後」から「前」に向かう方向として説明する。
【0024】
レンズユニット10は、撮像光学系11及びレンズバレル12を有してよい。
【0025】
撮像光学系11は、撮像視野内の被写体像を撮像素子21に結像させてよい。撮像光学系11は、少なくとも1つの光学素子を含んでよい。撮像光学系11は、焦点距離、焦点深度等の所望の光学特性を満たすように設計され、形成されてよい。光学素子は、レンズ、絞り、ミラー等を含んでよい。
【0026】
レンズバレル12は、筒状であってよい。レンズバレル12は、筒状の内周面が画定する保持孔12hに撮像光学系11を収容してよい。レンズバレル12の後縁には、撮像光学系11を固定するための円環状の保持部11sが形成されてよい。保持部11sの円環が画定する開口部12oの中心を撮像光学系11の光軸OAが通過するように、レンズバレル12は撮像光学系11を保持してよい。開口部12оを、撮像光学系11に入射する光束が通過してよい。レンズバレル12は樹脂部材であってよい。
【0027】
発熱体20は、撮像装置100の駆動により直接的に又は間接的に発熱する構造体であってよい。発熱体20は、例えば、電子部品23、及び当該電子部品23を実装する基板22を含んでよい。発熱体20は、例えば、撮像素子21を含んでよい。電子部品23の、基板22における実装高さは、電子部品23の種類によって異なり得る。
【0028】
撮像素子21は、レンズユニット10の後方に配置されてよい。撮像素子21は、レンズユニット10を介して受光面上に結像される被写体像を撮像して電気信号に変換して出力してよい。撮像素子21には、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられてよい。撮像装置100は、撮像素子21からの電気信号に基づく画像信号を、例えば、表示装置のように、撮像装置100の外部の装置に伝送してよい。画像信号は、撮像素子21から出力された電気信号そのものであってもよいし、電子部品23によって必要な画像処理を施された信号であってもよい。
【0029】
基板22は、電子部品23を実装してよい。基板22は単一であってもよいし、複数であってもよい。複数の基板を適用することにより、撮像装置100の内部に収容するためのサイズの制約が容易に満たされ得る。電子部品23は、例えば撮像素子21の駆動、画像信号の信号処理等のための部品であってよい。
【0030】
熱伝達体30は、発熱体20及びレンズユニット10の間に介在する。熱は、発熱体20から熱伝達体30に伝達される。熱伝達体30は、開口部(第1開口部)30оを含んでよい。熱伝達体30は、第1開口部30oの端部(内周面)において、発熱体20と接触してよい。熱伝達体30は、撮像装置100において、撮像光学系11の光軸OAが第1開口部30o内に位置するように配置されている。第1開口部30оを、撮像光学系11に入射する光束が通過してよい。熱伝達体30は固形又は液状であってよい。熱伝達体30は弾性を有する固形であってよい。以下の説明では、特に断らない限り、熱伝達体30は弾性を有する固形である。熱伝達体30はシリコーン樹脂等の高熱伝導性樹脂であってよい。熱伝達体30はカーボン系の高熱伝導性樹脂であってよい。熱伝達体30にカーボン系の高熱伝導性樹脂を適用することにより、熱伝達体30の面内方向の熱伝導性が、厚み方向の熱伝導性よりも高くなり得る。
【0031】
伝熱板40は、レンズユニット10及び熱伝達体30の間に介在する。伝熱板40は、熱伝達体30に比べて、伝熱性の高い材質であってよく、例えばアルミ、洋白、銅等の金属を含んでよい。伝熱板40に金属を採用することにより、電磁妨害(Electromagnetic Interference)が低減され得る。伝熱板40に金属を採用することにより、電磁的両立性(Electromagnetic Compatibility)が向上され得る。
【0032】
又は、伝熱板40は、弾性を有する固形の材質であってよい。伝熱板40は例えば、シリコーン樹脂等の高熱伝導性樹脂であってよい。伝熱板40を樹脂成形することによって、複雑な形状の伝熱板40が容易に製造され得る。
【0033】
伝熱板40は、本体部40m及び先端部40tを有してよい。先端部40tは、本体部40mの外縁の少なくとも一部において連続してよい。先端部40tは、本体部40mの主面の一方向側に屈曲させることにより形成されてよい。本願明細書において、主面は、直方体である板における最大面積を有する面を意味する。後述するように、本体部40mには凸部又は凹部が設けられ得るが、凹凸が形成される面を含む構成において、主面は巨視的に表面の凹凸を平面とみなした最大面積を有する面を意味する。本体部40mは、中央近傍に開口部(第2開口部)40oを有してよい。
【0034】
伝熱板40は、本体部40mの主面(例えば主面40b)が撮像光学系11の光軸OAに直交するように、撮像装置100内に配置されていてよい。伝熱板40は、先端部40tがレンズユニット10側を向くように、撮像装置100内に配置されてよい。
【0035】
伝熱板40は、撮像装置100内において、光軸OAに沿った方向から見て、レンズユニット10よりも外側まで延びてよい。より具体的には、伝熱板40の本体部40mの外縁の少なくとも一部は、撮像装置100内において、レンズユニット10よりも外側まで延びてよい。伝熱板40の第2開口部40oは、撮像装置100内において、熱伝達体30の第1開口部30oと同軸であってよい。このような構成により、撮像光学系11に入射する光束が第2開口部40оを通過してよい。
【0036】
伝熱板40は、一方の主面40a側で熱伝達体30と接触してよい。伝熱板40は、他方の主面40b側でレンズユニット10と接触する。より具体的には、伝熱板40は、レンズユニット10におけるレンズバレル12と接触してよい。伝熱板40と熱伝達体30との間の第1接触面積は、伝熱板40とレンズユニット10との第2接触面積より大きい。以下に、伝熱板40の具体的な構造とともに、伝熱板40が熱伝達体30及びレンズユニット10と接触する具体的な構成が説明される。
【0037】
図3は、図1の領域Rの拡大図である。領域Rは、撮像装置100の断面の一部である。領域Rは、レンズバレル12の後縁の一部と、伝熱板40と、熱伝達体30と、発熱体(電子部品)23とを含む。図3及び図4に示すように、伝熱板40は、一方の主面40a側に第1凸部41を含んでよい。第1凸部41は、突起状であってよい。又は、第1凸部41は、図5に示すように、線分の畝状であってよい。又は、第1凸部41は、図6に示すように、環の畝状であってよい。
【0038】
第1凸部41が突起状である構成において、伝熱板40は、3つ以上の第1凸部41を含んでよい。3つ以上の第1凸部は、同一直線状に存在しなくてよい。第1凸部41は、半球状であってよい。第1凸部41は、軸線が主面40a,40bに直交する円錐状又は多角錐状であってよい。第1凸部41は、軸線が主面40a,40bに平行な半円筒状又は多角柱状であってよい。第1凸部41の縁部はなだらかに形成されていることが好ましい。言換えれば、伝熱板40の第1凸部41と他の以外の部分とは、滑らかに移行してよい。当該構成では、伝熱板40と熱伝達体30との間の隙間が減少され得る。
【0039】
第1凸部41が突起状である構成において、複数の第1凸部41の高さ、言換えると主面(一方の主面40a)の法線方向における長さが異なっていてよい。第1凸部41の高さは、熱伝達体30を介して対向する発熱体20と伝熱板40との間隔に応じて異なっていてよい。より具体的には、当該間隔が広がるほど第1凸部41が高くなってよい。このような構成により、第1凸部41に押圧される熱伝達体30が、第1凸部41の高さに応じて変形することにより、熱伝達体30が第1凸部とは反対側に突出する突出高さが変わり得る。
【0040】
図7に示すように、第1凸部41は、一方の主面40a側から他方の主面40b側に貫通する貫通孔44hを含んでよい。言換えると、伝熱板40は、貫通孔44hが形成された第4凸部44を有してよい。貫通孔44hの内部に、熱伝達体30が侵入してよい。熱伝達体30は、第4凸部44の内周面及び外周面に接触してよい。貫通孔44hの面積よりも、熱伝達体30の内周面及び外周面における合計の接触面積が大きくてよい。言換えれば、貫通孔44hが形成されることで、熱伝達体30と第4凸部44との接触面積がより大きくなってよい。熱伝達体30は、レンズユニット10に接触しなくてよい。当該実施形態の撮像装置を製造するにあたり、伝熱板40の第4凸部44が、熱伝達体30に押し付けられて、熱伝達体30が第4凸部44の内周面に回り込んでよい。
【0041】
図8に示すように、第1凸部41が線分の畝状である構成においては、貫通孔44hを有する第1凸部41は、全体的にスリット状であってよい。当該実施形態の撮像装置を製造するにあたり、伝熱板40の第1凸部41が熱伝達体30に押し付けられて、熱伝達体30がスリットに入り込んでよい。
【0042】
他方の主面40b側において、伝熱板40とレンズユニット10との接触面積を低減しながら接触するように、伝熱板40又はレンズユニット10が形成されていてよい。例えば、図3に示すように、伝熱板40は、他方の主面40b側に凹部42を含んでよい。又は、図9に示すように、伝熱板40は、他方の主面40b側に、3つ以上の第2凸部43を含んでよい。3つ以上の第2凸部43は、同一直線状に存在しなくてよい。又は、伝熱板に凹部42又は第2凸部43を設ける代わりに、図10に示すように、レンズユニット10は伝熱板40と接触する第3凸部13を3つ以上含んでよい。3つ以上の第3凸部13は、同一直線状に存在しなくてよい。第2凸部43と第3凸部13の個数の両方が、合計3つ以上となるように設けられても良い。
【0043】
図1に示すように、伝熱板40の第2開口部40оの近傍の一部は、一方の主面40a側に傾斜していてよい。したがって、伝熱板40の第2開口部40oの近傍の一部は、撮像装置100内において、発熱体20に向かって傾斜してよい。例えば、伝熱板40の第2開口部40oの周囲が屈曲して、発熱体20側に傾斜する傾斜部40iを形成してよい。上述した、熱伝達体30が弾性を有する固形である構成では、伝熱板40が熱伝達体30を押圧することにより、熱伝達体30は伝熱板40の形状に合わせて変形し得る。熱伝達体30も、第2開口部40оの近傍において、発熱体20に向かって傾斜し得る。
【0044】
傾斜部40iの、レンズユニット10の光軸OAに対する角度θは、光学系の絞りの際を通って撮像素子21に入射する光線の入射角より大きくてよい。当該構成により、光学系の絞りの際を通って撮像素子21に入射する光線が、伝熱板40又は熱伝達体30に遮られることなく、撮像素子21に到達し得る。
【0045】
図11に示すように、伝熱板40の面内方向(図11の紙面に直交する方向)から見て、第1凸部41は、伝熱板40の法線lに対して非対称であってよい。言換えると、伝熱板40は、伝熱板40の法線lに対して非対称である第1凸部(第5凸部)41を有してよい。第1凸部41の断面形状は、直角三角形であってよい。直角三角形の一辺は法線lを含んでよい。直角三角形の他の辺は法線lよりも撮像素子21側に存在する斜辺であってよい。撮像素子21は、熱伝達体30の面内方向で熱伝達体30に当接してよい。当該構成により、第1凸部41が撮像素子21から熱伝達体30を介して押圧されるので、第1凸部41は大きな弾性反発力を発生させ得る。したがって、撮像素子21と熱伝達体30とはより密着し、撮像素子21の熱が熱伝達体30に伝達しやすくなり得る。
【0046】
図12に示すように、一方の主面40aにおいて、第1凸部(第6凸部)41の密度は、伝熱板40の開口部(第3開口部)40оから離れるに応じて大きくなってよい。例えば、図4から6に示すように、第1凸部41は、開口部40о近傍の第1領域40fでは疎に配置されてよい。第1凸部41は、第3開口部40оから離れた第2領域40sでは、第1凸部41が第1領域40fよりも密に配置されてよい。当該構成により、開口部40о近傍では、第1凸部41から熱伝達体30への押圧が弱くなり、熱伝達体30の面内方向への膨張が小さくなる。したがって、光学系の絞りの際を通って撮像素子21に入射する光線は、熱伝達体30に遮られにくくなり得る。一方で、開口部40оから離れた領域では、熱伝達体30と伝熱板40の第1凸部41との接触面積が広くなり得る。したがって、熱伝達体30の熱が効率的に伝熱板40に伝達され得る。
【0047】
又は、第1凸部41は、第1領域40fでは密に配置されてよい。第1凸部41は、第2領域40sでは、第1凸部41が第1領域40fよりも疎に配置されてよい。当該構成により、開口部40о近傍では、熱伝達体30と伝熱板40の第1凸部41との接触面積が広くなり得る。したがって、発熱体20の近傍において、熱伝達体30の熱が効率的に伝熱板40に伝達され得る。
【0048】
図1に示すように、第2伝熱板60は、第1伝熱板40と直接又は間接的に接触してよい。第2伝熱板60は、電子部品(発熱体)23を、レンズユニット10の光軸OAと交わる方向から囲ってよい。例えば、第2伝熱板60は、電子部品23を、レンズユニット10の光軸OAと直交する方向から囲ってよい。言換えれば、第2伝熱板60は、電子部品23を、レンズユニット10の光軸OAと直交する方向に平行な軸線周りに囲ってよい。第2伝熱板60は、角筒状又は円筒状であってよい。又は、第2伝熱板60は、第1伝熱板40とともに電子部品23を囲繞してよい。
【0049】
第2伝熱板60は、本体部60m及び接触部60tを有してよい。接触部60tは、本体部60mと、撮像装置100における後端部で連続してよい。接触部60tは、本体部60mの主面の一方向側に屈曲させることにより形成されてよい。
【0050】
第2伝熱板60は、本体部60mの主面が撮像光学系11の光軸OAに平行になるように、撮像装置100内に配置されていてよい。撮像装置100において、本体部60mは、伝熱板40から後方に向かって延存してよい。当該構成により、発熱体20の熱がレンズユニット10から離れる方向に伝達され得る。
【0051】
本体部60mは、接着剤によって、撮像装置100の筐体80に固定されてよい。接着剤は、熱伝導材料であってよい。
【0052】
接触部60tは、内部伝熱部材70に取付けられてよい。内部伝熱部材70は、撮像装置100の後側に配置されてよい。内部伝熱部材70は、伝熱性および絶縁性を有してよい。内部伝熱部材70は、例えばシリコーン製の伝熱シートまたは伝熱ポッティング等によって実現できるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
第2伝熱板60は、伝熱板40の先端部40tと接触してよい。具体的に、第2伝熱板60の本体部60mは、伝熱板40の先端部40tと接触してよい。第2伝熱板60と先端部40tとの間の少なくとも一部が、熱伝導材料を介して接触してよい。熱伝導材料は、第2伝熱板60と先端部40tとの接触性又は熱伝達性を向上させ得る。熱伝導材料は、固形又は液状であってよい。
【0054】
図13に示すように、伝熱板40の先端部40tの端部が、第2伝熱板60の接触部60tの端部とともに、筐体80の凹部80rに位置してよい。又は、伝熱板40の先端部40tの端部が、レンズバレル12の凹部に位置してよい。凹部は、筐体80の伝熱板40側に位置してよい。凹部には、熱伝導材料が充填されていてよい。熱伝導材料は、高熱伝導性樹脂であってよい。
【0055】
本実施形態の撮像装置100は、発熱体20及びレンズユニット10の間に介在し、発熱体20から熱が伝達される熱伝達体30と、レンズユニット10及び熱伝達体30の間に介在し、一方の主面側で熱伝達体30と接触し、他方の主面側でレンズユニット10と接触する伝熱板とを備え、伝熱板40と熱伝達体30との間の第1接触面積が、伝熱板40とレンズユニット10との間の第2接触面積よりも大きい。このような構成により、撮像装置100は、発熱体20の熱を、レンズユニット10への熱伝達を低減させながら、熱伝達体30を介して伝熱板40に伝達し得る。
【0056】
一般に、車両に搭載される撮像装置は、サイドミラー等の省スペースで狭く熱のこもり易い空間に収納される場合がある。さらに外部環境温度も加わる為、撮像装置は非常に高温下での安定動作を求められる。また、周辺監視用途の撮像装置においては広い画角を求められることから、撮像装置の焦点距離は一般的に短くなる。したがって、必然的に撮像装置は低背化することになり、放熱性は悪化し易い。さらに車両撮像装置においては走行風、雨天、降雪等により撮像装置の対物側のレンズ面が冷え易く、冷やされたレンズの球欠空間内の水蒸気がレンズ面に結露し視認不良となることがある。この結露現象は一般的に対物側レンズ面の温度が高い程に発生し易い。したがって、発熱体からの効率的な熱伝達、及びレンズユニットへの熱伝達の軽減が求められている。上述した構成を有する撮像装置100は、車両のサイドミラー等の省スペースに設けられる構成において有効である。
【0057】
本実施形態の撮像装置100において、伝熱板40は、伝熱板40の主面(例えば他方の主面4b)の法線lの方向から見て、レンズユニット10よりも外側まで延びる。この構成により、撮像装置100は、伝熱板40に伝熱された熱を、レンズユニット10外の空間又は物体に伝達させ得る。
【0058】
本実施形態の撮像装置100は、発熱体を、レンズユニット10の光軸OAと交わる方向から囲う第2伝熱板60を有し、第2伝熱板60は、第1伝熱板40と直接又は間接的に接触し、発熱体は電子部品23である。この構成において、第1伝熱板40又は第2伝熱板60に金属を採用することにより、電磁妨害又は電磁的両立性が向上され得る。
【0059】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【符号の説明】
【0060】
100 撮像装置
10 レンズユニット
11 撮像光学系
11s 保持部
12 レンズバレル
12r 凹部
12o 開口部
12h 保持孔
13 第3凸部
20 発熱体
21 撮像素子
22 基板
23 電子部品
30 熱伝達体
30o 第1開口部
40 伝熱板
40о 第2開口部、第3開口部
40a、40b 主面
40i 傾斜部
40m 本体部
40t 先端部
41 第1凸部、第5凸部
42 凹部
43 第2凸部
44 第4凸部
44h 貫通孔
45 スリット
60 第2伝熱板
60t 接触部
60m 本体部
70 内部伝熱部材
80 筐体
200 表示装置
300 車両
OA 光軸
R 領域
l 法線
θ 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13